JP2009272627A - アルミニウム電解コンデンサの電解液及びその溶質の製造方法 - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサの電解液及びその溶質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解液に存在する火花電圧が低く、熱安定性が悪く、溶解度が低い問題を解決する中高圧アルミニウム電解コンデンサの電解液及びその溶質の製造方法を提供すること。
【解決手段】溶媒と溶質を含むアルミニウム電解コンデンサの電解液において、前記溶質は、エーテル基を含有するジカルボン酸或いはその塩であり、前記溶媒は、アルコール系、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系、スルホキシド系、及びエステル系の溶媒から選ばれる一種又は二種以上の混合物であり、且つ、溶質の含有量は、エーテル基を含有するジカルボン酸で、0.1〜30質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサの電解液及びその溶質の製造方法に関し、特に、中高圧アルミニウム電解コンデンサの電解液及びその溶質の製造方法に関する。
従来、中高圧電解コンデンサの電解液は、溶媒としてエチレングリコールが使用され、主溶質としてホウ酸又は五ホウ酸アンモニウムなどの無機化合物が使用されているが、このような電解液は導電率が低すぎるという問題を有する。その後、電解液主溶質として、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸及びそれらのアンモニウム塩などを代用し、更に、上記の無機塩及び有機酸塩を配合して溶質とすることもある。このような電解液は、火花電圧が低すぎるという問題ばかりでなく、高温での熱安定性が悪く、長期間高温に曝されると導電率が大幅に低下する問題も有する。ホウ酸又はその塩は、高温でエチレングリコールと反応して水を生成するので、コンデンサの寿命に悪い影響を及ぼす。更に、セバシン酸アンモニウム、ドデカン二酸アンモニウムなどは、室温でのエチレングリコールへの溶解性が6%未満と低いので、電解コンデンサの低温性能を劣化させる。
本発明の第1の目的は、高い熱安定性を有するアルミニウム電解コンデンサの電解液を提供することである。
本発明の第2の目的は、上記電解液の溶質であるエーテル基を含有するジカルボン酸或いはその塩の製造方法を提供することである。
本発明の第1の目的は、次の技術によって達成される。
溶媒と溶質を含むアルミニウム電解コンデンサの電解液は、前記溶質はエーテル基を含有するジカルボン酸或いはその塩であり、前記溶媒はアルコール系、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系、スルホキシド系、及びエステル系の溶媒からなる群より選ばれる一種又は二種以上の混合物であり、溶質の含有量は、エーテル基を含有するジカルボン酸で0.1〜30質量%、好ましくは2.5〜15質量%である。
エーテル基を含有するジカルボン酸塩は、エーテル基を含有するジカルボン酸と、アンモニア又はアミンとから形成される塩であることが好ましい。
電解液の溶媒は、好ましくは、アルコール系、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系、スルホキシド系、又はエステル系の溶媒であってよく、より好ましくはエチレングリコール又はγ−ブチロラクトンである。
電解液の溶媒としては、好ましくは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた混合物を用いてもよい。
エーテル基を含有するジカルボン酸塩は、次の一般式(I)
Figure 2009272627
(式中、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10のヒドロカルビレン基を表し、R、Rは同一又は異なってよい。ヒドロカルビレン基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい。また、ヒドロカルビレン基は、エステル基、シアノ基、エーテル基、アミド基、又はカルボニル基などを含んでもよい。そのエーテルは、一つ以上のエーテル基を含有してもよい。Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表し、この炭化水素基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい。また、主鎖と分枝鎖は、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、又はカルボニル基を含んでもよい。)で表される化合物であることが好ましい。
エーテル基を含有するジカルボン酸は、次の一般式(II)
Figure 2009272627
(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
はn−ブチル基又はn−ヘキシル基であることがより好ましい。
電解液は、更に、好ましくは、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸、リン酸モノアルキルエステル、並びにそれらのアンモニア及びアミン塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。また、その含有量が0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%である。
電解液は、更に、好ましくは、p−ニトロフェノール、p−ニトロベンジルアルコール、o−ニトロアニソール、及びm−ニトロアセトフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種のニトロ化合物を含んでもよい。また、その含有量が0.1〜15質量%、好ましくは0.2〜4質量%である。
電解液は、好ましくは、他の有機酸又はそのアンモニウム塩を含んでもよく、また、ホウ酸又は五ホウ酸アンモニウムなどの溶質を含んでもよい。溶質は、セバシン酸、アゼライン酸、ベンゼンカルボン酸、アジピン酸、ドデカン二酸、1,6−ドデカン二酸、及び1,7−セバシン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸又はそのアンモニウム塩であってもよく、また、その含有量は1〜20質量%である。
電解液は、好ましくは、火花電圧を向上できる高分子化合物、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールボレート、ポリビニルアルコールホスフェート、又はポリビニルピロリドンを含んでもよく、また、その含有量は通常0.2%〜15%、好ましくは0.5%〜10%である。
エーテル基を含有するジカルボン酸或いはその塩は、好ましくは、2,2’位に分枝鎖を含み、その主鎖に少なくとも一つのエーテル基を含む。このようなジカルボン酸の塩は、当該ジカルボン酸とアンモニアとから形成される塩であってもよく、また、ジカルボン酸とアミンとから形成される塩であってもよい。カルボン酸の主鎖は、エーテル基が高い化学安定性と極性を有するため、電解液中で安定して存在することができる。従って、エーテル基の存在は、極性溶媒において、当該酸と当該酸から形成される塩に一層優れた溶解性を与える。
本発明の第2の目的は、次の技術によって達成される。
アルミニウム電解コンデンサの電解液の溶質の製造方法は、
(1)一般式(III)
Figure 2009272627
(式(III)中、X、Xはそれぞれ独立に塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、スルホン酸基を表し、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10のヒドロカルビレン基を表す。)で表される反応物Mと、一般式(IV)
Figure 2009272627
(式(IV)の中、A、Bはそれぞれ独立に総炭素数が10以下のエステル基、アミド基、アシル基、シアノ基を表し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)で表される反応物Nとを、NとMのモル比が1.5〜2.5で秤量し、アルカリと反応させて、反応溶媒に入れるステップと、
(2)80℃〜170℃の所定温度で、10〜80時間の加熱反応を行うステップと、
(3)前記ステップ(2)の反応が終わった後、反応液を酸で中性に中和するステップと、
(4)前記ステップ(3)で中和したものを濾過した後、濾液を減圧蒸留することにより、所望のエステルを得るステップと、
(5)前記ステップ(4)で得られるエステルを、鹸化、脱炭酸、洗浄を通じて、エーテル基を含有するジカルボン酸を得るステップと、を有する。そして、ジカルボン酸塩を調製するとき、前記ステップ(5)の後、(6)前記ステップ(5)で得られるエーテル基を含有するジカルボン酸とアンモニア又はアミンとを反応させてアンモニウム塩が形成されるステップを有することが好ましい。
本製造方法によって得られるカルボン酸は、2,2’位に分枝鎖を含有するので、電解液においてエステル化又はアミド化されにくく、分枝鎖を有していない他のカルボン酸と比べて、一層優れた熱安定性を有する。
第1の反応物Mは、次の一般式(III)
Figure 2009272627
(式(III)中、X、Xはそれぞれ独立に塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、スルホン酸基を表し、また、X、Xは同一又は異なっていてもよい。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10のヒドロカルビレン基を表し、また、R、Rは同一又は異なっていてもよい。このヒドロカルビレン基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい。ヒドロカルビレン基に、エステル基、シアノ基、エーテル基、アミド基、又はカルボニル基を含んでもよい。そのエーテルは、一つ以上のエーテル基を含有してもよい。)で表されるエーテルであることが好ましい。
このエーテルの例として、好ましくは、例えば、2,2’−ジクロロエチルエーテル、2,2’−ジブロムエチルエーテル、4,4’−ジブロムブチルエーテル、或いはトリエチレングリコールジクロライド(CCHCHOCHCHOCHCH)などが挙げられる。より好ましいのは、2,2’−ジクロロエチルエーテルである。
カルボン酸の合成に使用される第2反応物Nは、次の一般式(IV)
Figure 2009272627
(式(IV)中、Aは総炭素数が10以下のエステル基、アミド基、又はシアノ基を表し、Bは総炭素数が10以下のエステル基、アミド基、アシル基、シアノ基を表し、また、A、Bは同一又は異なっていてもよい。Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。この炭化水素基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい。主鎖と分枝鎖に、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、又はカルボニル基を含んでもよい。)で表される化合物であることが好ましい。
反応物Nは、同一の炭素原子に二つの電子吸引基AとBを含有し、且つ、一つの活性水素原子を含有するという特徴を有し、また、強塩基水溶液、例えば希・濃NaOH溶液によって分解され、脱炭酸を通じて、その後、Mがモノカルボン酸になることができる。
Nの例として、好ましくは、例えば、ブチルマロン酸ジエチル、ヘキシルマロン酸ジメチル、2−シアノカプロン酸メチル、或いは2−アセチルカプリル酸メチルなどが挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基を含有するヒドロカルビルマロン酸ジメチル(エチル)であり、例えば、ブチルマロン酸ジメチル(エチル)とヘキシルマロン酸ジメチル(エチル)である。
2,2’−ジクロロエチルエーテルとブチルマロン酸ジメチルを反応させ、鹸化、脱炭酸を通じて行う反応は、次のように例示される。
Figure 2009272627
当該反応に用いるアルカリとして、好ましくは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭化水素基化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアンモニア又はアミン化合物から選ばれるものが挙げられ、また、アルカリと反応物Nのモル比(アルカリ/N)は1.0〜1.1である。例えば、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、トリフェニルメタンナトリウムなどが挙げられる。
当該反応の溶媒は、好ましくは、アルコール系、エステル、エーテル、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系、及びスルホキシド系の溶媒から選ばれる。
その反応において、ヒドロカルビルマロン酸ジメチルと2,2’−ジクロロエチルエーテルとの反応理論モル比(N:M)は2:1であり、実際は1.5〜2.5:1であってよい。通常、ヒドロカルビルマロン酸ジメチルが過剰量であることが好ましく、すなわち、ヒドロカルビルマロン酸ジメチルと2,2’−ジクロロエチルエーテルのモル比(N:M)は2.0〜2.3:1である。
通常の反応温度は80℃〜170℃、好ましくは120℃〜150℃であり、反応時間は10〜80時間、好ましくは40〜60時間である。
この反応が終わった後、反応液を酸で中性に中和する。濾過した後、濾液を減圧蒸留することにより、所望のエステルが得られる。そのエステルは、鹸化、脱炭酸、洗浄を通じて、本発明に係るエーテル基を含有するジカルボン酸を得て、それをアンモニア又はアミンと反応してアンモニウム塩を形成し、当該酸或いは塩は本発明に係る中高圧アルミニウム電解コンデンサの電解液の溶質である。
本発明において、前記酸或いは塩から形成された電解液は、従来よりも高い火花電圧と良い熱安定性を有する。
なお、本発明に係る溶質は、エチレングリコールにおいて、一層優れた溶解性を有する。
当該電解液を含有する中高圧電解コンデンサは、火花電圧が高く、寿命が長く、且つ、低温性能に優れている。
以下、本発明の具体的な効果を詳しく説明し分析する。
本発明の内容を更に説明するために、具体的な実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
ブチルマロン酸ジエチル155g(すなわち、0.72mol)と、含有率80%のNaH22gと、2,2’−ジクロロエチルエーテル50g(すなわち、0.35mol)と、N−メチルピロリドン200gとを均一に混合した後、130℃で50時間反応させ、反応が終わった後、中性に中和した。反応液を濾過して塩化ナトリウムを濾除し、濾液を減圧蒸留、鹸化、脱炭酸、洗浄、乾燥して、酸52gを得た。収率は49%である。
(実施例2)
ヘキシルマロン酸ジエチル166g(すなわち、0.77mol)と、含有率80%のNaH25gと、2,2’−ジクロロエチルエーテル50g(すなわち、0.35mol)と、N−メチルピロリドン200gとを均一に混合した後、140℃で50時間反応させ、反応が終わった後、中性に中和した。反応液を濾過して塩化ナトリウムを濾除し、濾液を減圧蒸留、鹸化、脱炭酸、洗浄、乾燥して、酸56gを得た。収率は45%である。
得られた酸をアンモニアと反応させ、得られたアンモニウム塩をエチレングリコールに溶解し、得られた溶液をアルミニウム電解コンデンサの電解液とした。その有益な効果を説明するため、従来のセバシン酸アンモニウムのエチレングリコール溶液と比べる比較実験を行った。その性能比較の結果を表1に示す。
Figure 2009272627
(実施例3)
実施例1で得られた酸をアンモニウム塩に形成し、5%エチレングリコール溶液500gを調製し、1000mlステンレス瓶に仕込み、その後、0.1%次亜リン酸アンモニウムと0.4% p−ニトロベンジルアルコールを加えて密封した。105℃で2000時間恒温した後、導電率を測定した。
(比較例1)
5%セバシン酸アンモニウムのエチレングリコール溶液500gを1000mlステンレス瓶に仕込み、その後、0.1%次亜リン酸アンモニウムと0.4% p−ニトロベンジルアルコールを加えて密封した。105℃で2000時間恒温した後、導電率を測定した。実施例3との比較を表2に示す。
結果比較表
Figure 2009272627
表1と表2のデータを総合して分析した結果を次に示す。
実施例1で得られた酸のアンモニウム塩の5%エチレングリコール溶液に基づいて得られた電解液は、5%セバシン酸アンモニウムのエチレングリコール溶液より火花電圧が36V高く、105℃、2000時間恒温した後の導電率の低減幅が小さい(27%の低減)。
セバシン酸アンモニウムの5%エチレングリコール溶液に基づいて得られた電解液は、その導電率の低減が激しい(72%低減)。5%セバシン酸アンモニウムの初期値は高いが、2000時間恒温した後はかえって、一層低くなる。これで分かるように、本発明に係る酸から得られた電解液は従来よりも高い火花電圧と優れた熱安定性を持っている。
実施例1で得られた酸から形成したアンモニウム塩は、室温において20%エチレングリコール溶液に調製することができる。しかし、セバシン酸アンモニウムは、10%以上濃度のエチレングリコール溶液に調製することができない。従って、本発明に係る溶質はエチレングリコールに関して一層優れた溶解性を持っている。
前記実施例は、本発明を実施するための形態であり、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。つまり、に本発明の主旨を損なわずになされる種々の変形は、本発明の技術的範囲に属するものである。

Claims (20)

  1. 溶媒及び溶質を含むアルミニウム電解コンデンサの電解液であって、
    前記溶質は、エーテル基を含有するジカルボン酸或いはその塩であり、
    前記溶媒は、アルコール系、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系、スルホキシド系、及びエステル系の溶媒からなる群より選ばれる一種又は二種以上の混合物であり、且つ、
    前記溶質の含有量は、エーテル基を含有するジカルボン酸で0.1〜30質量%であるアルミニウム電解コンデンサの電解液。
  2. 前記溶媒は、エチレングリコール、又はγーブチロラクトンである請求項1記載の電解液。
  3. 前記エーテル基を含有するジカルボン酸塩は、エーテル基を含有するジカルボン酸と、アンモニア又はアミンとから形成される塩である請求項1記載の電解液。
  4. 前記エーテル基を含有するジカルボン酸或いはその塩は、2,2’位に分枝鎖を含み、次の一般式(I)
    Figure 2009272627
    (式中、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10のヒドロカルビレン基を表し、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)で表される化合物である請求項1記載の電解液。
  5. 前記エーテル基を含有するジカルボン酸は、次の一般式(II)
    Figure 2009272627
    (式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)で表される化合物である請求項4記載の電解液。
  6. 前記Rは、n−ブチル基若しくはn−ヘキシル基である請求項5記載の電解液。
  7. 更に、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸、リン酸モノアルキルエステル、並びにそれらのアンモニア及びアミン塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、その含有量が0.05〜5質量%である請求項1記載の電解液。
  8. 更に、p−ニトロフェノール、p−ニトロベンジルアルコール、o−ニトロアニソール、及びm−ニトロアセトフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種のニトロ化合物を含み、その含有量が0.1〜15質量%である請求項1記載の電解液。
  9. 有機酸又はそのアンモニウム塩、及びホウ酸又は五ホウ酸アンモニウムを含む請求項1記載の電解液。
  10. 前記有機酸又はそのアンモニウム塩は、セバシン酸、アゼライン酸、ベンゼンカルボン酸、アジピン酸、ドデカン二酸、1,6−ドデカン二酸、及び1,7−セバシン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸又はそのアンモニウム塩であり、その含有量は1〜20質量%である請求項9記載の電解液。
  11. 前記電解液に、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールボレート、ポリビニルアルコールホスフェート、及びポリビニルピロリドンから群より選ばれる少なくとも1種を含み、その含有量は0.2%〜15%である請求項1記載の電解液。
  12. (1)一般式(III)
    Figure 2009272627
    (式(III)中、X、Xはそれぞれ独立に塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、スルホン酸基を表し、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10のヒドロカルビレン基を表す。)で表される反応物Mと、一般式(IV)
    Figure 2009272627
    (式(IV)中、A、Bはそれぞれ独立に総炭素数が10以下のエステル基、アミド基、アシル基、又はシアノ基を表し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)で表される反応物Nとを、NとMのモル比(N/M)が1.5〜2.5であるように秤量し、アルカリと反応させて、反応溶媒に入れるステップと、
    (2)80℃〜170℃の所定温度で、10〜80時間に亘る加熱反応を行うステップと、
    (3)前記ステップ(2)の反応が終わった後、反応液を酸で中性に中和するステップと、
    (4)前記ステップ(3)で中和したものを濾過した後、濾液を減圧蒸留することにより、所望のエステルを得るステップと、
    (5)前記ステップ(4)で得られるエステルを鹸化、脱炭酸、及び洗浄させて、前記エーテル基を含有するジカルボン酸を得るステップと、を有する請求項1記載の電解液の溶質の製造方法。
  13. 前記R、R、Rの炭化水素基は、一つ又は複数のエステル基、シアノ基、エーテル基、アミド基、又はカルボニル基を含有する請求項12記載の製造方法。
  14. 前記アルカリは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭化水素基化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアンモニア又はアミン化合物から選ばれる1種或いは2種以上の混合物である請求項12記載の製造方法。
  15. 前記反応溶媒は、アルコール系、エステル系、エーテル系、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系及びスルホキシド系の溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項12記載の製造方法。
  16. 前記反応物Mは、2,2’−ジクロロエチルエーテル、2,2’−ジブロムエチルエーテル、4,4’−ジブロムブチルエーテル、又はトリエチレングリコールジクロライドである請求項12記載の製造方法。
  17. 前記反応物Nは、炭素数1〜10のヒドロカルビレン基を含有するヒドロカルビルマロン酸ジメチル、ヒドロカルビルマロン酸ジエチル、2−シアンカプロン酸メチル(エチル)、又は2−アセチルカプリル酸メチル(エチル)である請求項12記載の製造方法。
  18. 前記反応物Nは、ブチルマロン酸ジメチル、ブチルマロン酸ジエチル、ヘキシルマロン酸ジメチル、又はヘキシルマロン酸ジエチルである請求項17記載の製造方法。
  19. 前記ステップ(1)において、前記アルカリと前記反応物Nとのモル比(アルカリ/N)は1〜1.1である請求項12記載の製造方法。
  20. 前記ステップ(5)の後、
    (6)前記ステップ(5)で得られるエーテル基を含有するジカルボン酸と、アンモニア又はアミンとを反応させて、アンモニウム塩を形成するステップを有する請求項12から19のいずれか記載の製造方法。
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