JP2005005357A - 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ Download PDF

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Ryota Nagamatsu
亮太 永松
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Abstract

【課題】電導度が高く、低温域で結晶が析出せず、さらに高温域での熱安定性に優れ、広い温度範囲で使用可能な電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサを提供。
【解決手段】溶媒であるγ−ブチロラクトン等に、下記一般式〔1〕で表される1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩(具体例:マレイン酸水素1,1’−スピロビピロリジニウム及び/またはフタル酸水素1,1’−スピロビピロリジニウム)5〜50質量%を、電解質として溶解させた電解コンデンサ用電解液であり、また、該電解液を用いて作製した電解コンデンサである。
【化1】
Figure 2005005357

(式中、Aは、酸成分を表す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電解コンデンサ用電解液としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムと、マレイン酸、シトラコン酸、フタル酸等のジカルボン酸との塩からなる電解質を、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール等の溶媒に溶解させたものが知られている。
【0003】
上記電解液の中には、常温以上で高電導度を示すものがあり、該電解液を用いた電解コンデンサは、インピーダンスが低く優れた特性を示すものの、電解質の溶解度が小さいため、低温域で結晶が析出してしまい、実用化は困難であった。
【0004】
特許文献1には、電解質としてピロリジニウム化合物塩を含有してなる電解コンデンサ用電解液が提案されている。前記電解液は低温域で結晶が析出せず、低温特性に優れているものの、高温域での熱安定性が不十分であり、解決すべき点が残されていた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−222738号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高電導度であり、低温域で結晶が析出せず、さらに高温域での熱安定性に優れた、広い温度範囲で使用可能な電解コンデンサ用電解液と、該電解液を用いた電解コンデンサを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を行った結果、溶媒への溶解度が特異的に高く、熱安定性に優れた1,1’−スピロビピロリジニウム塩を電解質として用いた電解コンデンサ用電解液が上記課題を解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記一般式〔1〕で表される1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩が電解質として含有されてなることを特徴とする電解コンデンサ用電解液であり、また、該電解液を用いて作製させてなることを特徴とする電解コンデンサである。
【0009】
【化2】
Figure 2005005357
【0010】
式中、Aは、酸成分を表す。
【0011】
酸成分Aとしては、電解コンデンサ用電解液の電解質を構成する周知の酸成分を用いることができ、例えば、脂肪族飽和モノカルボン酸または不飽和モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、脂肪族飽和ポリカルボン酸または不飽和ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、脂肪族オキシカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、フェノール類、モノまたはジアルキルリン酸エステル、スルホン酸、無機酸があげられる。
【0012】
本発明に用いられる、1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩としては、電解液の電導度及び低温域で結晶析出し難さを考慮すると、好ましくは、マレイン酸水素1,1’−スピロビピロリジニウム及び/またはフタル酸水素1,1’−スピロビピロリジニウムである。
【0013】
マレイン酸水素1,1’−スピロビピロリジニウムは、常温で液状であり、かつ溶媒への溶解度が特異的に高く、電導度の高い電解液が得られ、該電解液は、低温域でも結晶が析出せず、低温安定性に優れ、さらに、高温域での熱安定性に優れている。
【0014】
また、フタル酸水素1,1’−スピロビピロリジニウムは、マレイン酸水素塩に比べて電導度では劣るが、高温域での熱安定性では特に優れている。
【0015】
本発明に用いられる、1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩の製造方法は、以下の通りである。
【0016】
まず、ピロリジンに、ジハロゲン化ブタンをハロゲン化剤として反応させて、ハロゲン化1,1’−スピロビピロリジニウム化合物を合成した後、イオン交換膜を用いた電気透析法により、1,1’−スピロビピロリジニウム水酸化物水溶液を得る。
【0017】
ついで、得られた1,1’−スピロビピロリジニウム水酸化物水溶液に、一般式〔1〕中のAに対応する酸成分を当量添加して、中和反応させた後、減圧下で脱水させて、目的とする1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩を得る。
【0018】
本発明の電解コンデンサ用電解液に用いられる1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩の濃度は、5〜50質量%である。
【0019】
1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩の濃度が5質量%未満の場合、濃度が低すぎて十分な電導度が得られず、また50質量%超の場合、濃度が濃すぎて電導度が下がってしまい不都合である。
【0020】
本発明の電解コンデンサ用電解液に用いられる溶媒としては、電解コンデンサ用の溶媒として用いられる周知のものを用いることができ、例えば、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、プロピレンカーボネートがあげられる。
【0021】
上記溶媒の内、電解液の電導度、温度特性、毒性等を考慮すると、γ−ブチロラクトンまたはγ−ブチロラクトン含有溶媒が好ましい。
【0022】
本発明の電解コンデンサ用電解液は、必要に応じて、コンデンサ特性に悪影響を及ぼさない量の水を含有させることができる。水の含有量としては、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下である。
【0023】
また、本発明の電解コンデンサ用電解液は、必要に応じて、リン酸誘導体、ホウ酸誘導体、ニトロ化合物等の添加剤を用いることができる。
【0024】
本発明の電解コンデンサ用電解液は、溶媒への溶解性が特異的に高い1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩を電解質として含有しており、該電解液は、電導度が高く、低温域でも結晶が析出せず、低温安定性に優れ、さらに、高温域での熱安定性に優れ、広い温度範囲で使用可能である。また、該電解液を使用して作製した電解コンデンサは、インピーダンスが低く、広い温度範囲で優れた特性を示す。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、実施例及び比較例に基づき説明する。実施例中の「%」は、「質量%」を表す。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されない。
【0026】
実施例1
溶媒であるγ−ブチロラクトン中に、電解質であるマレイン酸水素1,1’−スピロビピロリジニウムを濃度30%となるように溶解させて、電解コンデンサ用電解液を調製した。該電解液の温度30℃における電導度は17.5mS/cmであり、該電解液を温度105℃、1000時間保持する耐熱試験後の電導度は、16.9mS/cmであった。また、温度−30℃に冷却しても結晶の析出はなかった。結果を表1に示す。
【0027】
実施例2
実施例1において、電解質としてフタル酸水素1,1’−スピロビピロリジニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサ用電解液を調製した。該電解液の温度30℃における電導度は、13.3mS/cmであり、実施例1と同条件にて耐熱試験を行った後の電導度は、13.0mS/cmであった。また、温度−30℃に冷却しても結晶の析出はなかった。結果を表1に示す。
【0028】
実施例3
実施例1において、電解質としてマレイン酸水素1,1’−スピロビピロリジニウム:フタル酸水素1,1’−スピロビピロリジニウム=60:40(質量比)を用いた以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサ用電解液を調製した。該電解液の温度30℃における電導度は、14.7mS/cmであり、実施例1と同条件にて耐熱試験を行った後の電導度は、14.3mS/cmであった。また、温度−30℃に冷却しても結晶の析出はなかった。結果を表1に示す。
【0029】
比較例1
実施例1において、電解質としてマレイン酸水素N,N−ジエチルピロリジニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサ用電解液を調製した。該電解液の温度30℃における電導度は16.8mS/cmであり、実施例1と同条件にて耐熱試験を行った後の電導度は、15.5mS/cmであった。また、温度−30℃に冷却しても結晶の析出はなかった。結果を表1に示す。
【0030】
比較例2
実施例1において、電解質としてフタル酸水素N,N−ジエチルピロリジニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサ用電解液を調製した。該電解液の温度30℃における電導度は、11.9mS/cmであり、実施例1と同条件にて耐熱試験を行った後の電導度は、11.2mS/cmであった。また、温度−30℃に冷却しても結晶の析出はなかった。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 2005005357
【0032】
表1に示すように、電解質としてピロリジニウム化合物塩を用いて調製した従来の電解液(比較例1〜2)に比べ、1,1’−スピロビピロリジニウム塩化合物を用いた本発明の電解液(実施例1〜3)は電導度が高く、また、耐熱試験後の電導度の低下が小さく、熱安定性に優れている。
【0033】
【発明の効果】
本発明の電解コンデンサ用電解液は、溶媒への溶解性が特異的に高い1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩を電解質として含有しており、該電解液は、高電導度で、低温域でも結晶が析出せず、低温安定性に優れ、さらに、高温域での熱安定性に優れ、広い温度範囲で使用可能である。また、該電解液を使用して作製した電解コンデンサは、インピーダンスが低く、広い温度範囲で優れた特性を示す。

Claims (5)

  1. 下記一般式〔1〕で表される1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩が電解質として含有されてなることを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2005005357
    (式中、Aは、酸成分を表す。)
  2. 1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩が、マレイン酸水素1,1’−スピロビピロリジニウム及び/またはフタル酸水素1,1’−スピロビピロリジニウムであることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. 1,1’−スピロビピロリジニウム化合物塩の含有量が、5〜50質量%であることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. 溶媒が、γ−ブチロラクトンまたはγ−ブチロラクトン含有溶媒であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液を用いて作製させてなることを特徴とする電解コンデンサ。
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