JP3788486B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサ用電解液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電解コンデンサ用電解液としては、エチレングリコールを含む溶媒にアジピン酸のアンモニウム塩を溶質として溶解したもの、あるいはγ─ブチロラクトンを含む溶媒に芳香族カルボン酸(フタル酸等)、マレイン酸等の第四級アンモニウム塩を溶質として溶解したものが、また最近では、環状アミジンの化合物の四級塩を溶質として溶解したものが知られている。
【0003】
しかし、γ─ブチロラクトンを溶媒として用いた電解液をアルミニウム電解コンデンサに用い、これを高温保存すると、γ─ブチロラクトンが封口材を透過して外部へ蒸散してしまい、tanδが著しく増大し、特に小型品において、長寿命、高信頼性を保証することが難しかった。そこで、長寿命、高信頼性を保証する場合には、前述した、γ─ブチロラクトンより蒸気圧が低く封口材を透過しにくいエチレングリコールを溶媒に用いアジピン酸のアンモニウム塩を溶質とした電解液が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この電解液では電導度が低く、さらに高温保存中では、電導度が低下してしまうという問題点があった。そこで、本発明者らは、エチレングリコールとアジピン酸のアンモニウム塩からなる電解液において、高温保存中に電導度が低下するのは、エチレングリコールとアジピン酸のアンモニウム塩のエステル化反応の進行によるものであることに着目した。つまり、エチレングリコールとアジピン酸のアンモニウム塩のエステル化反応が進行することによって、アジピン酸がアジピン酸とエチレングリコールとのエステルとなってしまい、電導度を得るための酸イオンであるアジピン酸がその分減少して、電導度が低下する。そこで、本発明は、エチレングリコールとのエステル化反応が起こりにくく、電解液の電解質として用いることができる溶質の研究を行ってなされたもので、目的は高電導度で、かつ高温保存中にも電導度の低下のない電解液を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電解コンデンサ用電解液は、エチレングリコールを含む溶媒に、イソフタル酸のアンモニウム塩を溶解したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、エチレングリコールを含む溶媒に、イソフタル酸のアンモニウム塩を溶解してなるものであるが、イソフタル酸のアンモニウム塩の含有量は、電解液の重量に基づいて通常2〜30重量%、好ましくは10〜25重量%である。この範囲より少ない場合は、図1に示すように、電導度が低く電解液には適さない。また、多い場合はイソフタル酸のアンモニウム塩が溶媒に溶解しない。
【0007】
溶媒は、エチレングリコールを含むものであればよいが、エチレングリコールにプロトン性極性溶媒を混合した混合溶媒を用いることもできる。プロトン性極性溶媒としては、アルコール類として1価アルコール(ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコールなど)、2価アルコール(プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、フェニルグリコールなど)、3価アルコール(グリセリン、3─メチルペンタン─1,3,5─トリオールなど)、ヘキシトールなど、エーテル類としてモノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなど、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど、が挙げられる。
【0008】
この電解液の作成方法は、エチレングリコール又はエチレングリコールと前述の溶媒との混合溶媒に、イソフタル酸又はイソフタル酸のアンモニウム塩を投入して攪拌、混合し、ここへアンモニアガスを投入する。この時、pHは5.5〜8、好ましくは6〜7に調整する。この範囲より小さい場合は作成した電解液を低温に保存した時に溶質が凝固してしまう。また大きい場合には電極箔との反応性が高くなり、静電容量が低下する。
【0009】
本願発明では、前述のように、エチレングリコールとアジピン酸のアンモニウム塩からなる電解液において高温保存中に電導度が低下するのは、エチレングリコールとアジピン酸のアンモニウム塩のエステル化反応の進行によるものであることに着目し、エチレングリコールとのエステル化反応が起こりにくく、電解液の電解質として用いることができる溶質の研究を行った結果、イソフタル酸のアンモニウム塩が高電導度を示し、かつエチレングリコールとのエステル化が起こりにくいことを明らかにした。
【0010】
すなわち、エチレングリコールとカルボン酸のエステル化反応は水が生成する反応であるが、エチレングリコールとイソフタル酸のアンモニウム塩の場合は、高温保存中の水の生成が少なく、エステル化反応の進行が著しく抑制されていることが判明した。これは以下の実験から明らかとなった。
【0011】
(表1)に組成を示した、エチレングリコール、イソフタル酸ジアンモニウム、又はアジピン酸ジアンモニウム、純水からなる電解液を、アンプル管に封入して105℃で保存し、水分含有率の経時変化を調査した。その結果を(図2)に示す。(図2)から判るように、Bで示される、従来のエチレングリコール、アジピン酸ジアンモニウム、純水からなる電解液の場合は、水分含有率が250時間後には急激に上昇しているが、Aで示される、本発明の電解液においては、1000時間後も低い値を保っている。このことは、高温保存中に、水の生成が少なく、エステル化反応が抑制されていることを示している。
【0012】
さらに、(表2)に組成を示した、エチレングリコール、イソフタル酸ジアンモニウム、又はアジピン酸ジアンモニウム、純水からなる電解液を、アンプル管に封入して105℃で保存し、電導度の経時変化を調査した。その結果を(図3)に示す。(図3)から判るように、Dで表される、従来の溶質がアジピン酸ジアンモニウム、水分含有率20%の電解液の場合は、電導度が初期から1000時間まで、漸次的に低下しているが、Cで表される、本発明の電解液においては、250時間から1000時間の間、安定した電導度を示している。
【0013】
以上のように、本発明の電解液においては、高温保存中のエステル化反応が抑制され、したがって、高温保存中の電導度の低下が抑制されることが明らかとなった。
【0014】
【表1】
Figure 0003788486
【0015】
さらに、このことはこの電解液をチップ品や小型品に適用する場合に有利である。すなわち、チップ品の場合はリフローによる温度上昇に対応することを目的として、電解液の蒸気圧の低減のために、電解液中の水分含有率を少なくする。また、小型品の場合はコンデンサ素子の電解液の保持量が少ないので、封口材からの透過量を抑制することを目的として、電解液の蒸気圧の低減のために、やはり水分含有率を少なくする。
【0016】
ここで、化学反応は一般に、化学平衡的に、水が少ない場合には水を生成させる方向に進行するので、エステル化反応において水が少ない場合には水が生成する方向、つまりエステル化が進行する方向に促進されることになる。したがって、水分含有率の少ないチップ品や小型品の場合、従来のエチレングリコールとアジピン酸のアンモニウム塩を用いた電解液においては、エステル化反応が促進され、その結果として、電解液の電導度が大きく低下することになる。
【0017】
しかしながら、本発明の場合においては、エチレングリコールとイソフタル酸のアンモニウム塩のエステル化反応が本来おこりにくいので、水分含有率が少ない場合のエステル化反応の促進効果も小さく、したがって、電導度の低下が抑制されることになる。このことは、以下の実験によって明らかとなった。
【0018】
(表2)に組成を示した、エチレングリコール、イソフタル酸ジアンモニウム、又はアジピン酸ジアンモニウム、純水からなる電解液を、アンプル管に封入して105℃で保存し、電導度の経時変化を調査した。その結果を(図3)に示す。(図3)から判るように、Bで表される、従来の溶質がアジピン酸ジアンモニウム、水分含有率が小さい5%の電解液の場合は、電導度が250時間、500時間と急激に低下しているが、Aで示される、本発明の電解液においては、1000時間まで安定した電導度を示している。
【0019】
以上のことから、高温保存において、水分含有率が低い場合には、従来の電解液では電導度が大きく低下するのに対して、本発明の電解液では、安定した電導度を示すことが判明した。
【0020】
【表2】
Figure 0003788486
【0021】
以上のように、本発明の電解液においては電導度の変化が水の存在に影響されることが少なく、電導度を高めるために水を、0〜40重量%添加することができる。さらに、図1の電導度の値から、添加量は0.1〜30重量%が好ましい。
【0022】
また、本発明の電解液において、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の目的で種々の添加剤を用いることができる。添加剤としては、例えば、芳香族ニトロ化合物、酸性リン酸エステル化合物等を挙げることができる。
【0023】
なお、N−メチルホルムアミド、又はN−エチルホルムアミドにイソフタル酸のアミン塩を溶解したものが見られるが、この場合では、高電導度が得られていない。
【0024】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明を更に具体的に説明する。
【0025】
(表3)は、本発明の実施例と従来例の電解液組成を示したものである。
【0026】
(表4)は、これらの電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサをそれぞれ20個ずつ用意し、寿命試験を行った結果を示したものである。ここで使用したアルミニウム電解コンデンサの定格は、いずれも10WV68μFであり、10V印加した条件で、105℃で保存処理した。
【0027】
【表3】
Figure 0003788486
【0028】
【表4】
Figure 0003788486
【0029】
(表4)から明らかなように、従来のエチレングリコール、アジピン酸ジアンモニウムを用いた電解液においては、試験後にはtanδが増大している。また 、γ─ブチロラクトン、フタル酸テトラエチルアンモニウムを用いた電解液においては、試験後のtanδはより増大している。これらに対して、本発明の電解液を使用したアルミニウム電解コンデンサは、従来例に比べて、初期のtanδも小さく、3000時間後でも安定した特性を示しており、寿命特性に優れた信頼性の高いアルミニウム電解コンデンサであることがわかる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電解コンデンサ用電解液は、エチレングリコールを含む溶媒に、イソフタル酸のアンモニウム塩を溶解したものである。この電解液においては、電導度が高く、また、エチレングリコールとイソフタル酸のエステル化が非常に進行しにくいので、高温保存によっても電導度の低下が少ない。したがって、この電解液を用いることによって、tanδが低く、長寿命、高信頼性のアルミニウム電解コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エチレングリコールを溶媒とし、イソフタル酸ジアンモニウム又はアジピン酸ジアンモニウムを溶質とし、水を添加した電解液における、各々の溶質濃度、水分含有率と電解液の電導度の関係を示す図である。なお、溶質濃度、水分含有率は、電解液の重量に基づく重量%である。
【図2】エチレングリコールを溶媒とし、イソフタル酸ジアンモニウム又はアジピン酸ジアンモニウムを溶質とし、水を添加した電解液を、105℃で高温保存した場合の水分含有率変化である。
【図3】エチレングリコールを溶媒とし、イソフタル酸ジアンモニウム又はアジピン酸ジアンモニウムを溶質とし、水を添加した電解液を、アンプル管封入し、105℃で高温保存した場合の電導度変化である。

Claims (1)

  1. エチレングリコールを含む溶媒に、イソフタル酸のアンモニウム塩を溶解した電解コンデンサ用電解液。
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