JP2009271216A - 位相差層の製造方法およびカラーフィルタ - Google Patents

位相差層の製造方法およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract


【課題】 基板上に配向膜を設けることなく位相差層を形成することが可能な位相差層の製造方法および位相差層を含むカラーフィルタを提供する。
【解決手段】 ブランケット10表面の樹脂層に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布することで、樹脂層表面で液晶分子を配向させる。ブランケット10上の塗膜に電離放射線を照射して硬化させその配向状態を保持する。その後、基板2上に塗膜を転写して位相差層6を得る。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液晶表示素子などの表示素子に用いられる位相差層の製造方法および位相差層を含むカラーフィルタに関する。
近年液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイに求められる要求は高く、光学素子としては直線偏光板だけでなく、表示コントラストの向上や視野角の拡大を目的として、種々の位相差板と組み合わせて用いることが多くなっている。このような光学素子は、一般的には液晶セルを構成する基板の、液晶とは反対側の面に接着剤を用いて貼合される。
このような位相差制御層としては、ポリカーボネートフィルム等を所定の方向に延伸して得た位相差制御フィルムか、または複屈折異方性を有する液晶材料を、トリアセチルセルロースフィルム等に塗布して得た位相差制御フィルムが用いられる。
これらのフィルムは、直線偏光板に貼り合わせて積層したり、積層されたものをさらに基板に貼り付けて使用するが、その貼り付けに用いる粘着剤層が、光の反射を起こすことがあり、所望の光学特性が得られなくなる。また、位相差層の厚みも光学的には無視できなくなる。
これらの問題に鑑みて、特許文献1記載のディスプレイでは、液晶パネルの構成部材であるカラーフィルタ層の上に、液晶高分子からなる位相差制御層を積層形成する技術が開示されている。
特開2005−24919号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、位相差制御層として用いる液晶高分子を所定の方向に配向させるために液晶層の下に配向膜を形成する必要がある。配向膜はポリアミド樹脂、またはポリイミド樹脂等を溶解した樹脂組成物を塗布し、乾燥させたのち、布を巻きつけたロール等により所定の方向に摩擦するラビングを施すことにより、形成することができる。
また、特許文献1に開示された技術では、液晶高分子を溶解した光重合性液晶組成物を、スピンコートに代表される塗布方法により塗布し、これに電離放射線を照射して重合させることにより位相差制御層を形成する。
そのため、位相差制御層を形成する工程が煩雑となる。特に、ラビングは布を基材に接触させて摩擦するため、その際に発生する布屑等のパーティクルにより、製品や製造ラインが汚染されるといった問題もある。
本発明の目的は、従来の問題を解決して、基板上に配向膜を設けることなく位相差層を形成することが可能な位相差層の製造方法および位相差層を含むカラーフィルタを提供することにある。
本発明は、液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射した後、基板上に転写することを特徴とする位相差層の製造方法である。
また本発明は、液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射した後、印刷機を用いて基板上に転写することを特徴とする位相差層の製造方法である。
また本発明は、液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射し、不要な部分を印刷版で除去した後、基板上に転写することを特徴とする位相差層の製造方法である。
また本発明は、液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射し、不要な部分を印刷版で除去した後、印刷機を用いて基板上に転写することを特徴とする位相差層の製造方法である。
また本発明は、前記樹脂フィルムは、ラビング処理によって液晶分子が配向するように処理されたものであることを特徴とする。
また本発明は、上記の位相差層の製造方法で製造された位相差層を有することを特徴とする光学素子である。
本発明によれば、一旦樹脂層の表面に塗工液を塗布することで、樹脂層表面で液晶分子を配向させ、電離放射線を照射して配向状態を保持する。その後、基板上に転写して位相差層を得る。
これにより、基板上に配向膜を設けることなく位相差層を形成することができる。したがって、容易に位相差層を形成することができるとともに位相差層を含む光学素子の厚みを薄くすることができる。
また本発明によれば、一旦樹脂層の表面に塗工液を塗布することで、樹脂層表面で液晶分子を配向させ、電離放射線を照射して配向状態を保持する。その後、印刷機を用いて基板上に転写して位相差層を得る。
これにより、基板上に配向膜を設けることなく位相差層を形成することができる。したがって、容易に位相差層を形成することができるとともに位相差層を含む光学素子の厚みを薄くすることができる。また、印刷機を用いることでより簡単に基板への転写を行うことができる。
また本発明によれば、一旦樹脂層の表面に塗工液を塗布することで、樹脂層表面で液晶分子を配向させ、電離放射線を照射して配向状態を保持する。その後、不要な部分を印刷版で除去した後、基板上に転写して位相差層を得る。
これにより、基板上に配向膜を設けることなく位相差層を形成することができる。したがって、容易に位相差層を形成することができるとともに位相差層を含む光学素子の厚みを薄くすることができる。さらに、不要な部分を印刷版で除去することでパターン形状を有する位相差層を形成することができる。
また本発明によれば、一旦樹脂層の表面に塗工液を塗布することで、樹脂層表面で液晶分子を配向させ、電離放射線を照射して配向状態を保持する。その後、不要な部分を印刷版で除去した後、印刷機を用いて基板上に転写して位相差層を得る。
これにより、基板上に配向膜を設けることなく位相差層を形成することができる。したがって、容易に位相差層を形成することができるとともに位相差層を含む光学素子の厚みを薄くすることができる。さらに、不要な部分を印刷版で除去することでパターン形状を有する位相差層を形成することができる。また、印刷機を用いることでより簡単に基板への転写を行うことができる。
また本発明によれば、ラビング処理によって液晶分子が配向するように前記樹脂層が処理されているので、より強い配向性を付与することができる。
また本発明によれば、上記の位相差層の製造方法で製造された位相差層を有することで、表示面内で光学特性のばらつきが小さく、安定した特性を有するカラーフィルタが得られる。
図1は、カラーフィルタの製造方法を示す工程図である。カラーフィルタの製造方法は、基板上にブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス形成工程(ステップs1)と、基板上に形成されたブラックマトリクスの開口部に着色画素を形成する着色画素形成工程(ステップs2)と、ブラックマトリクスおよび着色画素で構成されるカラーフィルタ層上に光重合性液晶を用いて位相差層を形成する位相差層形成工程(ステップs3)とを含む。
図2は、カラーフィルタ1の構成を示す断面図である。カラーフィルタ1は、基板2上に、ブラックマトリクス3Bと着色画素3Cとで構成されるカラーフィルタ層4、オーバーコート層5、位相差層6が、この順に積層された積層体として形成される。以下各工程および材料について説明する。
〔ブラックマトリクス形成工程(ステップs1)〕
この工程では、基板2上にブラックマトリクス3Bを形成する。基板2としては、ガラス、シリコンまたは石英等の無機基板、あるいは次に列挙するような有機基板を用いる。すなわち、有機基板としては、ポリメチルメタクリレートの如きアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレートや、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの如きポリエステル樹脂、トリアセチルセルロースの如きセルロース系樹脂、シンジオタクティック・ポリスチレンの如きスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリシクロヘキセン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂など、一般的なプラスチックからなるものが使用可能である。基板の厚みには、特に限定はないが、用途に応じ、たとえば、5μm〜1mm程度のものが好ましい。
ブラックマトリクス3Bは、後述する着色画素におけるRGB(赤・緑・青の色材)の各ドット(画素)周辺を窓枠のように黒く縁取り、光漏れ防止(遮光)の役割を果たし、同時にコントラスト向上や製造時の混色防止の役目も担っている。特性的には、反射率が低く色が純黒で加工(たとえばエッチング加工)が容易であることが好ましい。ブラックマトリクス3は、非画素部に相当するパターンを形成し、画素部に相当する開口部を形成する。
ブラックマトリクス3Bは、黒色着色剤を含有する樹脂組成物を含むことが好ましい。塗料タイプの樹脂組成物を基板2の一面に塗布して、一旦固化させた後、レジストを塗布、レジスト露光、レジスト現像、樹脂組成物エッチングおよびレジスト除去を行うことによって、所望のパターンを形成することができる。または黒色着色剤を含有する塗料タイプの感光性樹脂組成物を塗布して、感光性樹脂組成物露光および感光性樹脂組成物現像を行なうことによってパターンを形成することもできる。そのほか黒色のインキ組成物を用いた印刷法等によっても、ブラックマトリクス3Bを形成することができる。
あるいは、ブラックマトリクス3Bは、酸化クロム(CrOx)/クロム(Cr)(xは任意の数、「/」は積層を表す)の積層構造からなる2層クロムブラックマトリクス、またはさらに反射率を低減させた酸化クロム(CrOx)/窒化クロム(CrNy)/クロム(Cr)(x,yは任意の数、「/」は積層を表す)の積層構造からなる3層クロムブラックマトリクスであってもよい。蒸着、イオンプレーティング、またはスパッタリング等の各種の方法で必要に応じ金属、金属酸化物、または金属窒化物等の薄膜を基板2上に形成し、フォトリソグラフィー法または無電界メッキ法によってパターンを形成することができる。
ブラックマトリクス3Bの厚みは、樹脂ブラックマトリクスでは0.5〜2μm程度、クロムブラックマトリクスでは0.2〜0.4μm程度であることが好ましい。
〔着色画素形成工程(ステップs2)〕
この工程では、基板2上に形成されたブラックマトリクス3Bの開口部に着色画素3Cを形成する。
カラーフィルタ層4の各着色画素3Cは、ブラックマトリクス3Bの開口部毎に設けたものであってもよいが、便宜的には、図2における紙面手前側から奥側の方向に帯状に設けたものであってもよい。また開口部の形状は、ストライプ形状、ドット形状、またはこれらの変形形状のいずれであってもよい。着色画素3Cは、所定の色に着色したインキ組成物を調製して、各色のパターンごとに印刷する印刷法や、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いるフォトリソグラフィー法によって形成することができる。特に、フォトリソグラフィー法によって形成することが好ましい。ブラックマトリクス3Bと着色画素3Cとでカラーフィルタ層4が構成され、このカラーフィルタ層4の厚みは、1μm〜5μm程度であることが好ましい。
また必要に応じて、カラーフィルタ層4上にオーバーコート層5を形成してもよい。オーバーコート層5は、アクリル樹脂を含んで構成される透明保護膜であることが好ましく、厚みは1〜3μmであることが好ましい。オーバーコート層5は、カラーフィルタ層4の全面を覆うように形成してもよいし、パターン化して部分的に形成してもよい。
〔位相差層形成工程(ステップs4)〕
この工程では、カラーフィルタ層4上に位相差層6を形成する。オーバーコート層5を形成した場合は、オーバーコート層5の上に位相差層6を形成する。
位相差層6は、液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射した後、基板2のオーバーコート層5またはカラーフィルタ層4上に転写して形成する。形成した位相差層6の厚みは0.5〜4.0μmであることが好ましい。
<光重合性液晶>
光重合性液晶としては、ネマチック規則性またはスメクチック規則性を有する液晶相を形成し得る重合性液晶であれば特に限定されるものではないが、ネマチック液晶材料を好適に使用できる。ネマチック液晶のなかでも、液晶分子中に二種以上の重合性基を有するネマチック液晶を好適に使用できる。
光重合性液晶は、重合性モノマー分子、重合性オリゴマー分子、重合性ポリマー分子等を単体で使用してもよく、またこれらのうち二種以上を混合して使用してもよい。市販の材料の一例としてはLC242(商品名、BASF社製)が挙げられる。
<その他の成分>
光重合性液晶を含む塗工液は、光重合開始剤を含んで構成されることが好ましい。光重合開始剤としては、ラジカル重合性開始剤を好適に使用できる。ラジカル重合性開始剤は、紫外線等のエネルギーによりフリーラジカルを発生するものである。市販の光重合開始剤を使用することもでき、たとえばイルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア907(いずれも商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)等を好適に使用できる。
光重合開始剤は、光重合性液晶の液晶規則性を大きく損なわない範囲で添加することが好ましい。光重合開始剤の添加量は、光重合性液晶の量を基準に、一般的には0.01〜15質量%、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは、0.5〜10質量%の範囲である。
光重合性液晶を含む塗工液は、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することもできる。
さらに光重合性液晶を含む塗工液は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を含有することにより、塗膜の均一性を向上し、かつ空気界面での液晶配向を制御できる。
界面活性剤としては、光重合性液晶の液晶発現性を損なうものでなければ、特に限定されることはない。たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等の非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。またアクリルオリゴマーやアクリルポリマー等を添加してもよい。
界面活性剤の添加量は、光重合性液晶の量を基準に、一般的には0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%の範囲である。
光重合性液晶および上記の各成分を溶媒に溶解させて塗工液とすることができる。使用できる溶媒として、光重合性液晶および各成分を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、有機溶媒を好適に使用できる。塗膜を均一に形成するためには、溶剤として、酢酸3−メトキシブチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等を好適に使用できる。
<転写印刷>
上記のようにして得られる塗工液を、一旦樹脂層に塗布したのち、基板2上に転写することで位相差層6を印刷形成する。
図3は、転写印刷工程の例を示す図である。樹脂層への塗工液の塗布および塗布された塗工液の基板2への転写は、一連の工程として公知の印刷技術により実現される。塗工液を印刷用インクの如く用いて、被印刷物である基板2に印刷を行う。印刷方法は、たとえば凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などを用いることができる。
<ブランケット>
オフセット印刷では、ブランケット10を用いる。ブランケット表面の樹脂層に一旦塗工液を塗布する。ブランケット表面の樹脂層の材質としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、あるいは、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が使用できる。一般的に、材質としては、オフセット印刷ではシリコンゴム等が使用されるが、この場合、液晶を配向させるための樹脂層として使用するためには、ポリエチレンテレフタレート樹脂、あるいは、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が望ましい。
従来の技術では、基板上に配向膜を設けて、配向膜上に塗工液を塗布して液晶分子を配向させているが、本発明では、配向膜の代わりブランケット表面の樹脂層上で液晶分子を配向させて、これを基板上に印刷する。
<ラビング>
ブランケット表面の樹脂層は、例えば所定の方向に延伸して得られたものであれば、ラビング処理なしでも液晶分子を配向させることが可能であるが、所定の角度に所定の強さで配向させる場合には、樹脂層の表面をラビング処理することが好ましい。ラビングの方法は公知の技術を用いることができる。
ポリエチレンテレフタレート樹脂等の樹脂層をステンレス製のロールに巻きつけ、樹脂層表面を、レーヨン等の布を巻き付けたラビングローラ11等により所定の方向に摩擦することで、樹脂層表面をラビングすることができる。こうして得られる表面がラビングされた樹脂層を有するブランケット10は、複数回の転写印刷工程において繰り返し使用することができ、2回目以降、樹脂層表面のラビング処理は省略することができる。
<重合性液晶組成物の塗布>
重合性液晶組成物を溶媒に溶解させた塗工液をブランケット10に塗工する。塗布する方法は、公知の技術を用いることができる。すなわち、スリットノズル12を用いたダイコート法や、ロールコート法、グラビアコート法等により、塗工液を塗布することができる。
<光硬化>
光重合性液晶を含む塗工液を塗布したブランケット10を、光重合性液晶が液晶構造を発現する所定の温度に保持し、その状態で、塗工膜に放射線源13から電離放射線を照射して光重合性液晶を重合させて硬化させる。電離放射線の照射の目的はブランケット10上に所定の方向に配向した液晶分子が、転写後に配向が乱れないように固定するためである。
このとき、光重合反応が進みすぎると、ブランケット10上で過剰に固化し、ブランケットから容易に脱離しないといった不具合が生じる。このため、電離放射線の照射は、ブランケット10から容易に脱離して基板に転写でき、且つ、転写後に液晶分子の配向が大きく乱れないように、適度な照射量を設定することが好ましい。
電離放射線として紫外線を使用する場合は、使用する光重合開始剤と重合性液晶の組み合わせにもよるが、一般に照射線量は50〜2000mJ/cm、好ましくは300〜1100mJ/cmである。露光波長は、200〜450nm程度が好ましい。
<基板転写>
ブランケット10表面上に形成された位相差層6を基板2上に転写する。位相差層6の端部と、基板2上の転写領域の端部とを位置合わせして、基板2上の所定の位置に位相差層6が転写されるように、ブランケット10の回転速度、基板2の送り速度などを制御する。
なお、カラーフィルタ層4と位相差層6との密着性を上げるため、カラーフィルタ層4上に接着剤層(不図示)を設けてから、接着剤層上に位相差層6を形成してもよい。オーバーコート層5を形成した場合は、その上に接着剤層(不図示)を設けてから、接着剤層上に位相差層6を形成してもよい。
図4は、転写印刷工程の他の例を示す図である。
位相差層6は、図3に示した例のように、カラーフィルタ層4全体を覆うような一面べた形状に設けられていてもよいが、所定のパターン形状となるように設けてもよい。本例では、パターン形状を有する位相差層6の形成について説明する。
パターン形状を有する位相差層6を基板2上に設ける場合は、たとえば、反転印刷法を用いることができる。
ブランケット10表面の樹脂層をラビングローラ11でラビング処理し、ブランケット10表面に塗工液を塗布したのち、塗工膜に放射線源13から電離放射線を照射して光重合性液晶を重合させて硬化させるまでの工程は、上記の例と同様である。
塗工液を硬化したのち得られた塗膜に対して版14を当接させ、版14に形成された凸状のパターンによって塗膜の一部を除去し、ブランケット10表面に残った塗膜を、パターン形状を有する位相差層6として基板2へ転写する。
印刷版の材質としては、金属製のものを用いることができる。例えば、銅板をエッチング加工したものに、耐磨耗性を付加するためクロムで被覆したものを用いる方法がある。
以上のようにして設けられた位相差層6によって発生するリタデーション分布は、5%以下であることが好ましい。
このような分布に設定することによって、表示面内で光学特性のばらつきが小さく、安定した特性を有するカラーフィルタ1を製造することができる。またこのようなカラーフィルタ1を用いることによって、パネル面内での光学特性が極めて均一なディスプレイを得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、特に限定されるものではない。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における位相差層付きガラス基板の位相差(リタデーション)は、以下のようにして測定した。
〔位相差層付きガラス基板のリタデーション〕
楕円偏光測定装置(商品名:KOBRA−WPR、王子計測機器株式会社製)を用いて、測定波長586.5nmで位相差を測定した。
(実施例)
<ラビング処理>
厚さ0.5mmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの上に、レーヨン製ラビングクロスを用いて、ロール回転数500rpm、樹脂フィルム送り速度16.7mm/秒、押し込み量0.15mmの条件で樹脂フィルム表面にラビング処理を行った。
<感光性樹脂組成物の調製>
感光性樹脂組成物は、光重合性液晶としてビス[4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシカルボニルオキシ]安息香酸]2−メチル−1,4−フェニレン(商品名:LC−242、BASF社製)30部、光重合開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)0.9部、添加剤としてアクリルポリマー(商品名:BYK−361N、ビックケミー社製)0.03部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート69部を混合し調製した。
<塗膜の形成>
調製した感光性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムにスピンコート法により塗布後、樹脂フィルムごとホットプレート上に載せ、温度60℃、加熱時間3分間の条件で加熱して、溶剤を除去し、位相差層となる塗膜の液晶構造を安定化させた。その後、波長365nmの紫外線を用い、照射線量が900mJ/cmになるよう全面に照射を行った。
<塗膜の転写>
ガラス基板上に、塗膜が形成された樹脂フィルムを貼り合わせ、所定の圧力で押し付けたのち、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを剥離し、ガラス基板上に位相差層6を転写することで位相差層6付きガラス基板Aを作製した。
〔位相差層の繰り返し形成〕
剥離したポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、特にラビング処理は行わずに感光性樹脂組成物を塗布し、上記と同様に塗膜を形成し、別のガラス基板上に位相差層6を転写することで位相差層6付きガラス基板Bを作製した。
さらに、剥離したポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、特にラビング処理は行わずに感光性樹脂組成物を塗布し、上記と同様に塗膜を形成し、別のガラス基板上に位相差層6を転写することで位相差層6付きガラス基板Cを作製した。
(比較例1)
〔配向膜形成工程〕
ガラス基板上に、ポリイミド樹脂系の配向膜形成用インキ組成物(日産化学株式会社から入手)をスピンコート法にて形成し、温度180℃、加熱時間1時間の条件で焼成を行った後、レーヨン製ラビングクロスを用いて、ロール回転数500rpm、基板送り速度16.7mm/秒、押し込み量0.15mmの条件で表面にラビング処理を行い、厚みが1000Åの配向膜を形成した。
〔位相差層形成工程〕
位相差層形成用の感光性樹脂組成物Aを配向膜上にスリットコート法により塗布後、基板ごとホットプレート上に載せ、温度120℃、加熱時間3分間の条件で加熱して、溶剤を除去し、位相差層の液晶構造を安定化させた。その後、波長365nmの紫外線を用い、照射線量が1200mJ/cmになるよう全面に照射を行い、比較例となる位相差層付きガラス基板Dを得た。
〔位相差、膜厚の測定〕
実施例については、位相差層6付きガラス基板Aの位相差を測定したところ、261.0nmであった。また、位相差層6の膜厚は1.98μmであった。位相差層6付きガラス基板Bの位相差を測定したところ、267.1nmであった。また、位相差層の膜厚は2.05μmであった。位相差層6付きガラス基板Cの位相差を測定したところ、273.6nmであった。また、位相差層の膜厚は1.95μmであった。
比較例については、位相差を測定したところ、276.6nmであった。また、位相差層の膜厚は1.97μmであった。
カラーフィルタの製造方法を示す工程図である。 カラーフィルタ1の構成を示す断面図である。 転写印刷工程の例を示す図である。 転写印刷工程の他の例を示す図である。
符号の説明
1 カラーフィルタ
2 基板
3B ブラックマトリクス
3C 着色画素
4 カラーフィルタ層
5 オーバーコート層
6 位相差層
10 ブランケット
11 ラビングローラ
12 スリットノズル
13 放射線源
14 版

Claims (6)

  1. 液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射した後、基板上に転写することを特徴とする位相差層の製造方法。
  2. 液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射した後、印刷機を用いて基板上に転写することを特徴とする位相差層の製造方法。
  3. 液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射し、不要な部分を印刷版で除去した後、基板上に転写することを特徴とする位相差層の製造方法。
  4. 液晶分子が配向するように処理された樹脂層の表面に、光重合性液晶を含む塗工液を塗布し、これに電離放射線を照射し、不要な部分を印刷版で除去した後、印刷機を用いて基板上に転写することを特徴とする位相差層の製造方法。
  5. 前記樹脂層は、ラビング処理によって液晶分子が配向するように処理されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の位相差層の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の位相差層の製造方法で製造された位相差層を有することを特徴とするカラーフィルタ。
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