JP2005024920A - 位相差制御層を有するカラーフィルタ基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術におけるように、位相差制御層の厚みムラが生じやすい点の解決を、間に厚みムラのある層を介在させず、カラーフィルタ層そのものの厚みムラも解消して行なうことを課題とするものである。
【解決手段】基板2上に、ブラックマトリックス3、カラーフィルタ層4、および位相差制御層を順に積層した積層構造の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1を、カラーフィルタ層4のブラックマトリックス3の非開口部上に生じた乗り上げ4aを研磨して乗り上げ部の上面を平坦化することにより、課題を解決することができた。
【選択図】 図1
【解決手段】基板2上に、ブラックマトリックス3、カラーフィルタ層4、および位相差制御層を順に積層した積層構造の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1を、カラーフィルタ層4のブラックマトリックス3の非開口部上に生じた乗り上げ4aを研磨して乗り上げ部の上面を平坦化することにより、課題を解決することができた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種ディスプレイ、とりわけ、液晶ディスプレイに適用するのに適した、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子に適用される位相差制御層は視野角の改善や外光の反射防止等の有用な役割を果たすものであり、この位相差制御層を、従来の延伸フィルムタイプの位相差板で構成するのに替えて、液晶高分子からなる薄膜を用いると、液晶表示素子のセル内に位相差制御層を持ち込むことができ、液晶表示素子全体の薄型化が可能で、しかも、従来の延伸フィルムのように粘着剤を要しないため、粘着剤に起因する偏光解消(偏光の状態が変ること)が無く、光散乱が無いか、もしくは極めて小さく、かつ、界面反射も生じない等の様々な利点を有するので、薄膜の位相差制御層の適用が種々検討されている。
【0003】
例として、TFT基板を用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子を構成するには、セル内にブラックマトリックス、カラーフィルタ層、および位相差制御層等を設ける必要があるが、位相差制御層は、その厚みによって位相差量が変化するため、TFT上に設けられたカラーフィルタ上に設けると、下層の凹凸の影響が大き過ぎ、しかも、位相差制御層上に電極を形成するので、駆動電圧が増加し、位相差制御層にスルーホールを設ける必要も生じる。また、位相差制御層をTFTの下に設けるのは、TFT形成時に300℃強の温度がかかり、位相差制御層を形成するための素材の耐熱性から見て困難である。下層の平坦さの点では、対向基板の内側に設けるのが最も好ましい。しかし、対向基板の内側に位相差制御層を設けたとしても、その後、ブラックマトリックスやカラーフィルタ層を設ける必要があり、それらの層の形成の際に基板に加えられる熱により、位相差制御層の位相差量が設定値からずれる恐れがある。
【0004】
そこで、図3に示すように、基板2上にブラックマトリックス3およびカラーフィルタ層4を順に設けた後、位相差制御層5を設けようとすると、カラーフィルタ層4を構成する透明着色層が、ブラックマトリックス3の非開口部上において両端部が乗り上げた乗り上げ部4Aを有して形成されるため、カラーフィルタ層4上に形成された位相差制御層5の表面は、下層のカラーフィルター層4の乗り上げ部4Aの上方で乗り上げ部4Aの幅(図3中の左右方向の長さ)よりも広い幅の凸状部を形成するから、この影響により、ブラックマトリックス3の開口部上においても位相差制御層5の厚みが一定になりにくい欠点を有する。
【0005】
ところで、本発明とは課題を全く異にするが、従来、基板にブラックマトリックス、およびカラーフィルタ層を形成し、さらに保護層で被覆したものにおいても、カラーフィルタ層の各層の厚みムラ、隣接する色の重なりによる凸状部分の発生、もしくはカラーフィルタ表面の凹凸の影響があり、このような基板を液晶表示素子に適用すると、表示色の濃淡差や色の変化を起こし、支障があったため、解消のために、カラーフィルタ層の保護層の表面を研磨して凹凸を平坦化することが提案されている。(例えば、特許文献1。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−28819号公報(第2−3頁、図1、図4)
【0007】
しかし、特許文献1記載の発明を利用して、カラーフィルタ層上に保護層を設けた後に研磨を行なって平坦化された面に位相差制御層を設けると、位相差制御層の厚みムラは解消するものの、カラーフィルタの凹凸をならすのに十分な厚みの保護層を形成する必要があり、また、保護層は、下層のカラーフィルタ層の凹凸に起因する厚みムラを有していて、光学的にも支障があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、従来技術におけるように、位相差制御層の厚みムラが生じやすい点の解決を、カラーフィルタ層そのものの厚みムラも解消し、しかも間に厚みムラのある層を介在させずに行なうことを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決する手段】
発明者の検討により、カラーフィルタ層がブラックマトリックスの非開口部に乗り上げた部分を研磨し、上面を平面化することにより、位相差制御層を、その機能を損なう下層を伴なうことなく、カラーフィルタ層上に形成可能であることが判明し、本発明に到達することができた。
【0010】
第1の発明は、基板上にブラックマトリックスが積層され、前記ブラックマトリックスの各開口部毎に、前記各開口部に隣接する非開口部に端部が乗り上げ、上面が平面状の乗り上げ部を有する透明着色層からなるカラーフィルタ層、および位相差制御層が順に積層された積層構造を有しており、前記各乗り上げ部の上面が同一平面内にあることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記各乗り上げ部の上面と前記乗り上げ部以外の部分のカラーフィルタ層の上面とが異なる面にあることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、前記各乗り上げ部の上面と前記乗り上げ部以外の部分のカラーフィルタ層の上面とが同じ面内にあることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0013】
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記カラーフィルタ層は、その上面に平坦化層が積層されたものであることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、前記平坦化層は、前記カラーフィルタ層の上面の凸状部以外の部分に充填されたものであることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0015】
第6の発明は、第1〜第5いずれかの発明において、前記位相差制御層は、その下層側に接して配向膜が積層されていることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0016】
第7の発明は、第1〜第6いずれかの発明において、前記基板上に位置合わせ用のマークが積層されており、前記位置合わせ用のマーク上にも前記平坦化層が積層されていることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0017】
第8の発明は、基板上にブラックマトリックスを積層する工程、前記ブラックマトリックスの前記各開口部毎に、前記各開口部に隣接する非開口部に端部が乗り上げた乗り上げ部を有する透明着色層からなるカラーフィルタ層を積層する工程、前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程、および前記カラーフィルタ層上に液晶高分子からなる位相差制御層を積層する工程とをこの順に行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0018】
第9の発明は、第8の発明において、前記カラーフィルタ層を積層する工程を行なった後、前記カラーフィルタ層上に平坦化層を積層する工程を行ない、前記平坦化層表面から研磨することにより、前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程を行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0019】
第10の発明は、第8の発明において、前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程を行なった後、前記カラーフィルタ層上に平坦化層を積層する工程を行ない、その後、前記カラーフィルタ層上に液晶高分子からなる前記位相差制御層を積層する工程を行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0020】
第11の発明は、第8〜第10いずれかの発明において、前記液晶高分子からなる位相差制御層を積層する工程に先立って、配向膜を積層する工程を行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0021】
第12の発明は、第8〜第11いずれかの発明において、前記基板上に前記ブラックマトリックスを積層する工程を、位置合わせ用のマークを積層する工程を兼ねて行ない、前記平坦化層の積層工程を、前記位置合わせ用のマーク上にも行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の断面の積層構造を示す図である。
【0023】
図1に示すように、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1は、基本的には、透明な基板2上に、画素部が開口部である遮光層からなるブラックマトリックス3が積層され、ブラックマトリックス3上に、ブラックマトリックス3の各開口部に対応して透明着色層が積層されてカラーフィルタ層4が構成され、カラーフィルタ層4上に位相差制御層5が積層されたものである。
【0024】
通常、透明着色層としては、赤色、緑色、および青色の各々の色のものが繰り返し配列されており、各透明着色層は、ブラックマトリックス3の各開口部と、各開口部を区画する非開口部上とにまたがって積層され、従って、非開口部上には、その両側の開口部に対応する透明着色層どうし、通常は異なる色の透明着色層どうしが乗り上げた乗り上げ部4aが凸状部を形成しており、凸状部においては、異なる色の透明着色層どうしが互いに接して、もしくはごく接近してブラックマトリックス3上に積層されている。各透明着色層の上面は、ブラックマトリックス3の開口部においては、基板2の平面に対応してほぼ平坦であり、非開口部の近傍では非開口部に近づくにつれ次第に盛り上がり、非開口部上の乗り上げ部4aでは遮光層の厚みに対応して急に盛り上がって凸状部を形成している。
【0025】
カラーフィルタ層の乗り上げ部4aは、形成されたそのままの形状であるよりも、そのほかの部分の上面を基準として均された状態であることが好ましく、凸状部の頂部が基板2の面方向に平行である平面状になっていることが好ましく、平面状とされた頂部の各面が同一平面上にあることが好ましい。凸状部の上面とブラックマトリックス3の開口部上におけるカラーフィルタ層4の上面との間隔dは、0.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.3μm以下であり、特に好ましくは0.1μm以下であり、理想的には0.0μmである。
【0026】
上記のdが0.5μmを超えると、そのようなカラーフィルタ層4上に積層される位相差制御層5の上面を平坦化することは困難であり、ブラックマトリックス3の開口部上においても、位相差制御層5が均一な厚みを有するものとなりにくい。位相差制御層5の厚みを均一にする観点からは、dの値は小さいほど好ましく、0でもよい。上記dの値が有限の値であるときは、乗り上げ部4aの上面と、乗り上げ部以外の部分のカラーフィルタ層の上面とは互いに異なる面にある。この場合、ブラックマトリックス3の開口部上のカラーフィルタ層4は、厚みムラが残るものの、カラーフィルタ層4形成時の凸状部の頂部の尖った状態が緩和され、段差が小さくなっているので、位相差制御層5の厚みムラを起こす原因が減少している。また、dの値が0であれば、両者は同一平面内にある。この場合、位相差制御層5の下層の表面は全く平坦であるので、下層の表面状態に由来する位相差制御層の厚みムラは生じない。
【0027】
上記のカラーフィルタ層4上には、液晶高分子からなる位相差制御層5が積層されている。位相差制御層5は、その下層であるカラーフィルタ層4が積層されている区域にのみ積層されていることが好ましい。
【0028】
図1(b)に示すように、カラーフィルタ層4は、その上面に平坦化層6が充填されたものであってもよい。ここで、充填されているとは、平坦化層6がカラーフィルター層4の上面の乗り上げ部以外の部分に積層されていることを指す。平坦化層5の厚みは、図1(b)中にも表われるように、先のdと等しいことが好ましい。このような構造は、乗り上げ部4aを有して形成されたカラーフィルタ層4上に平坦化層4を、乗り上げ部4aを覆うのに充分な厚みの平坦化層4を積層した後、研磨して、乗り上げ部4aの頂部を平坦化層4の上面の一部と共に除去することによって得るのに都合がよい。なお、この場合、平坦化層4は必ずしも乗り上げ部を完全に埋める厚みに積層しなくてもよい。
【0029】
平坦化層6は、上記のもの以外に、基板2上面から平坦化層6の上面までの距離が、基板2上面から乗り上げ部4aの上面までの距離dを超えた厚みのものであってもよく(図2(b)参照。)、このような構造は、カラーフィルタ層4を平坦化層6を設けずに研磨し、研磨後に平坦化層6を積層して得るのに適している。なお、dを0.5μm以下としたことにより、位相差制御層5の厚みムラは実質的に解消しているが、乗り上げ部4aの影響は皆無では無いので、平坦化層6が介在することにより、ブラックマトリックス3の開口部上の全域にわたって、位相差制御層5の厚みムラをほぼ無くすことができる利点がある。
【0030】
図2(a)に示すように、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1は、カラーフィルタ層4と位相差制御層5との間に、配向膜6が積層されたものであってもよい。配向膜6が位相差制御層5との間にあることにより、位相差制御層5を構成する液晶高分子の配向がより確実になる利点がある。そのほかの構成は図1を引用して説明したものと同様である。
【0031】
図2(b)に示すように、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1は、カラーフィルタ層4と配向膜6との間に、平坦化層6が積層されたものであってもよい。平坦化層6が介在することにより、位相差制御層5の厚みムラがより小さいものとなる利点がある。平坦化層6は、図2(b)に示すように、基板2上面から平坦化層6の上面までの距離が、基板2上面から乗り上げ部4aの上面までの距離dを超えた厚みのものであってもよいが、図1(b)を引用して説明したような、カラーフィルター層4の上面の乗り上げ部以外の部分に積層されているものであってもよい。やはり、そのほかの構成は図1を引用して説明したものと同様である。
【0032】
本発明の位相差制御層を有するカラーフィルター基板の製造方法、および各層を構成する素材は次の通りである。
【0033】
まず、基板2を準備する。基板2としては、ガラス、シリコン、もしく石英等の無機基材か、次に列挙するような有機基材を挙げることができる。即ち、有機基材としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロースもしくはトリアセチルセルロースまたはそれらの部分鹸化物、エポキシ、フェノール、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるものを挙げることができるが、一般的なプラスチックからなるものも使用可能である。上記の有機基材は一軸延伸されたか、もしくは二軸延伸されたものであってもよく、また、任意に2種以上が積層された積層体であってもよい。基板2の厚みには、特に限定は無いが、用途に応じ、例えば、5μm〜1mm程度のものが使用される。
【0034】
基板2上には、ブラックマトリックス3を積層する。ブラックマトリックス3は、画面の画素どうしの間を遮光するものであり、外光反射を抑制して表示素子の画像のコントラストを高める役割を有するほか、TFTの誤作動防止やR、G、B各画素間の白抜けの発生の防止等の役割も有する。
【0035】
ブラックマトリックス3は、黒色着色剤を含有する塗料タイプの樹脂組成物を一面に適用して、一旦固化させた後、フォトレジストを適用して行なうか、もしくは、黒色着色剤を含有する塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、塗布、露光および現像を行なうことにより形成することができ、従って、黒色着色剤を含有する樹脂組成物から構成することができる。あるいは、ブラックマトリックス4は、CrOx/Cr(xは任意の数、「/」は積層を表す。)の積層構造からなる2層クロムブラックマトリックス、あるいはさらに反射率を低減させたCrOx/CrNy/Cr(x,yは任意の数)の積層構造からなる3層クロムブラックマトリックス等を、蒸着、イオンプレーティング、もしくはスパッタリング等の各種の方法で、金属、金属酸化物、もしくは金属窒化物等の薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法を利用してパターン化する方法、無電界メッキ法、もしくは黒色のインキ組成物を用いた印刷法等を利用しても形成することができる。
【0036】
本発明においては、位置合わせ用のマークを形成することが好ましい。位置合わせ用のマークは、ブラックマトリックス3、カラーフィルター層4、および位相差制御層5等の各層を後の工程で積層する際に、それらの層を所定の位置に形成し、各層どうしの位置関係を所定の関係にするためのものである。位置合わせ用のマークは、上記各層が表示区域内に設けられるのに対し、表示区域外に設けられることが好ましい。
【0037】
位置合わせ用のマークは、前記したブラックマトリックス3とは別の工程で、また、ブラックマトリックス3とは異なる素材で形成することもできるが、工程数の増加を招くので、位置合わせ用のマークとブラックマトリックス3とを、共通の素材により、同じ工程で同時に形成することが好ましい。
【0038】
カラーフィルタ層4を構成する各透明着色層は、着色剤が溶解もしくは分散、好ましくは顔料微粒子が分散された樹脂組成物から構成され、その形成には、所定の色に着色したインキ組成物を調製して、各色パターン毎に印刷することによって行なってもよいが、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法によって行なうのがより好ましい。
【0039】
カラーフィルター層4は、ブラックマトリックス3の非開口部上で乗り上げ部4aを形成するので、乗り上げ部4aを研磨し、できるだけ、その高さを低くする。なお、乗り上げ部4aの高さ(前記d)を0にする場合には、乗り上げ部4aの高さのすべてを研磨して減らした上に、さらに、もともと平坦であった開口部上のカラーフィルタ4の表面も共に研磨して、カラーフィルタ4の上面全面を平坦化してもよい。
【0040】
研磨の方法としては、適宜な砥粒をシート上に散布して接着したサンドペーパー等を用いて行なうほか、化学的研磨法、もしくは機械的研磨法、またはそれらを併用したメカノケミカルポリッシング(MCP、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)とも言われる。)によって行うことが好ましい。化学的研磨法は、例えば、布、不織布、もしくはポリウレタン樹脂等の発泡体からなる研磨部材に、研磨剤として、エッチング性の液体を供給して行うものであり、機械的研磨法は、例えば、布、不織布、もしくはポリウレタン樹脂等の発泡体を研磨部材とし、コロイダルシリカ、酸化セリウム、もしくはアルミナ等の微粉末を研磨剤として含浸させて用いるか、またはコロイダルシリカ、酸化セリウム、もしくはアルミナ等を分散させた分散液を供給して行なうものである。
【0041】
いずれにせよ、好ましくは、基板2上にブラックマトリックス3およびカラーフィルタ層4が積層されたものを回転させる等して、研磨対象物と研磨部材とを相対的に移動させつつ、研磨対象物に研磨部材を接触させ、必要に応じて研磨剤を供給しながら研磨を行なう。
【0042】
研磨前もしくは研磨後に適用される平坦化層6は、透明性を有する樹脂で構成され、それら樹脂の溶剤溶液等の塗料組成物を用いて、カラーフィルタ層4上に塗布し、塗布後、塗料組成物に応じた風乾、加熱、もしくは紫外線照射等の固化手段を講じて、塗膜を固化させて形成する。なお、平坦化層6は、位置合わせ用マーク上にも設けてよく、位置合わせ用マーク上に研磨前に設けてあれば、研磨の際に位置合わせ用マークが消失することがない。また、研磨後であれば、以降の種々の工程において、位置合わせ用マークが消失することを防止し得る。
【0043】
具体的に平坦化層6を構成するための素材としては、得られる平坦化層6の屈折率、平坦化層6を形成する際の樹脂の塗料組成物の粘性等の諸特性の制御が容易で、平坦化層6と下層の接着力、平坦化層6の透明性がいずれも高い点から、アクリレート樹脂系、もしくはエポキシ樹脂系の樹脂を用いることが好ましい。平坦化層6を構成するための素材として紫外線硬化性のものを用いれば、フォトリソグラフィーにより平坦化層6のパターン化が可能である。また平坦化層6を構成するための素材として熱硬化性のものを用いれば、パターン化はフォトリソグラフィーによるように容易ではないが、得られる平坦化層6の信頼性が高い。いずれにせよ、平坦化層6の膜厚としては、1〜2μm程度が好ましい。
【0044】
配向膜7は、上層の位相差制御層5を構成する液晶高分子を所定の方向に配列させるためのもので、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはポリビニルアルコール樹脂等の樹脂の被膜を、これらの樹脂を溶解した樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより形成した後、レーヨン、綿、ポリアミド(ナイロン)、もしくはポリメチルメタクリレート等の布を巻き付けた金属ローラ等により所定の方向に摩擦するラビングを施すことにより形成することができる。配向膜7としては、SiO2等、もしくは有機材材料等の斜方蒸着膜等、さらには、有機シラン等の有機材料の垂直配向膜やその垂直配向膜にラビングを施したもの等も利用できる。
【0045】
位相差制御層5は、好ましくは、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物の層を積層し、紫外線や電子線等の電離放射線、好ましくは紫外線を照射して、重合性液晶組成物を重合させ、重合硬化物の層とすることにより形成することができる。必要に応じ、これらの工程を繰り返すことにより、二層以上の複数の層からなる位相差制御層5を形成することもできる。例えば、ネマティック液晶層とコレステリック液晶層とからなるもの、ネマティック液晶層どうしの積層体からなるもの、もしくはネマティック液晶どうしの間に配向膜を有する積層体からなるもの、ネマティック液晶どうしの積層体であって、互いに遅相軸が異なるもの等である。
【0046】
重合性液晶組成物は、具体的には重合性液晶モノマーを含むものである。光軸が層に水平な位相差制御層5を形成する場合には重合性の液晶性モノマーを重合させることにより形成することができるので、液晶性モノマーに重合開始剤を配合した重合性液晶組成物を用いる。また、光軸が層に垂直な位相差制御層を形成する場合には、さらに重合性のキラル剤を配合した重合性液晶組成物を用いる。
【0047】
重合性の液晶モノマーとしては、例えば特表平10−508882号に、また、キラル剤としては、例えば特開平7−258638号、特開2000−95883号、特開平8−245960、もしくは特開平9−53074号に開示されているような公知のものを使用することができるが、より具体的には、重合性ネマチック液晶モノマーとしては、下記式(1)〜式(11)に示すようなものが、また、キラル剤としては、下記式(12)〜式(14)に示すようなものを例示することができる。また、キラル剤としては、キラルドーパント液晶(独メルク社製、品番;S−811)等を用いることもできる。
【0048】
【化1】
【0049】
【化2】
【0050】
【化3】
【0051】
【化4】
【0052】
【化5】
【0053】
【化6】
【0054】
【化7】
【0055】
【化8】
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
【0058】
【化11】
【0059】
【化12】
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】
【化16】
【0064】
上記各式の表記において、「式11」〜「式14」中のいずれもメチレン基の数(アルキレン基の鎖長)を示すa〜eはいずれも整数であって、まず、a、bが、各々個別に2〜12であり、より好ましくは4〜10、特に好ましくは6〜9であり、c、dはいずれも2〜12であり、より好ましくは4〜10であり、特に好ましくは6〜9であり、さらにeは2〜6である。「式12」中のRは、水素もしくはメチル基である。また、「式12」および「式13」中のYは、「化15」および「化16」に示す「式i」〜「式xxiv」のいずれかであって、より好ましくは「式i」、「式ii」、「式iii」、「式v」、もしくは「式vii」のいずれかである。
【0065】
重合性液晶組成物は、必要に応じて溶剤で溶解もしくは希釈し、スピンコーティング法、ダイコーティング、スリットコーティング、もしくはその他の適宜な方法により、対象面上、例えば、カラーフィルタ層4上、配向膜7上、もしくは平坦化層8上に塗布し、その後、紫外線を照射する等により露光し、重合させることにより、重合硬化物の層とする。紫外線としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、もしくは高圧水銀灯等の水銀励起光源、またはキセノン光源等を用いることができ、これらは、使用する重合開始剤の感度の大きい波長帯域に強度のピークを持つ光源を用いたものであることが好ましい。なお、紫外線照射の替わりに電子線照射を行なって、重合させることもできる。
【0066】
上記の紫外線等を照射して重合を行なわせる際には、空気中で行なってもよいが、重合を充分に行なわせる、特に表面近くの重合を充分に行なわせる意味で、窒素、もしくはアルゴン等の不活性雰囲気中で行なうことが好ましい。また、重合をパターン状に行なわせることにより、重合性液晶組成物の層を所定のサイズよりも大き目に形成しておいて、紫外線等の照射をパターン状に行ない、未硬化部分を現像により除去し、位相差制御層5をパターン状に形成することもできる。あるいは、重合を行なわせた後、レジストパターンを設けてドライエッチングする等によっても位相差制御層5をパターン状に形成することができる。
【0067】
本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1は、必要に応じて位相差制御層5上に保護層を積層した後、配向膜を形成することにより、液晶表示素子を構成する際の対向基板とすることができる。この場合、例えば、TFT等のアレイ上に画素電極、および配向膜等を有する他方の基板との間に液晶層を挟むことにより液晶表示素子を構成することができる。
【0068】
【実施例】
(実施例1)
黒色顔料、アクリレート系樹脂バインダ、光重合開始剤、および溶剤からなる紫外線感光性ブラックマトリックス形成用組成物を準備し、ガラス基板上にスピンコートし、コート後、溶剤を充分除去し、基板との密着性も確保する目的で減圧乾燥(最終真空到達度;50Pa)、およびホットプレート上での加熱乾燥(温度;80℃、加熱時間;10分)を行なった。これらの乾燥後の塗膜をフォトマスクを介して紫外線露光し、露光後に現像することによりパターニング処理を行ない、その後、クリーンオーブン中で温度;250℃、加熱時間;60分の条件で焼成を行ない、線幅;10μm、高さ;1.2μm(触針式段差計による。)、および可視光の透過率;約0.1%の黒線部、並びに幅;90μmの開口部が交互に配列し、ガラス基板上に積層したブラックマトリックスを得た。
【0069】
上記のブラックマトリックス形成用組成物における顔料を、赤色顔料、緑色顔料、および青色顔料に変更した各色カラーフィルタ層形成用組成物を準備して用い、まず、赤色顔料を配合した組成物を用いて、フォトマスクとしては、ブラックマトリックスの開口部に対応するパターンを有するものを用い、その他はブラックマトリックス形成のときと同様に行なって、ブラックマトリックスの各開口部ごとに、幅;90μmの開口部上と、開口部の両側の黒線部の開口部側の端から幅;4μmの部分をも被覆する赤色カラーフィルタ層を形成し、同様に、緑色顔料を配合した組成物を用いて緑色カラーフィルタ層を、また、青色顔料を配合した組成物を用いて青色カラーフィルタ層を、形成する位置をずらして、それぞれ形成して、赤色カラーフィルタ層、緑色カラーフィルタ層、および青色カラーフィルタ層が繰り返し配列されたカラーフィルタ層を得た。得られたカラーフィルタ層の膜厚みを触針式段差計により計測したところ、ブラックマトリックスの開口部では2.0μmであり、ブラックマトリックス上では黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが2.8μmであり、両者の差(段差と称することとする。)は0.8μmであった。
【0070】
ブラックマトリックスおよびカラーフィルタ層が形成された基板のカラーフィルタ層側からカラーフィルタ層の研磨をCMP加工により行なった。研磨布としては、IC1000/SUBA400(米国ロデール社製)の組み合わせのものを用い、研磨剤としては粒径;100μmのアルミナを用い、研磨時間は1分とした。研磨後のカラーフィルタ層の膜厚みを、前段落におけるのと同様にして計測したところ、ブラックマトリックスの開口部では2.0μmであり、ブラックマトリックス上では黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが2.3μmであり、段差は0.3μmであった。
【0071】
研磨後のカラーフィルタ層上に、フレキソ印刷法によりポリイミド樹脂系の配向膜形成用インキを適用し、ホットプレート上での加熱乾燥(温度;80℃、加熱時間;10分)を行なった後、クリーンオーブン中で温度;250℃、加熱時間;60分の条件で焼成を行ない、焼成後、表面にラビング処理を行って、厚みが0.1μmの配向膜を形成した。
【0072】
形成された配向膜上に、次段落に示す通り調製した紫外線硬化性のネマチック液晶層形成用塗工液をスピンコートし、減圧乾燥した後、ホットプレート上で、温度;80℃、加熱時間;5分の条件で加熱して配向させ、配向後、窒素気流中で、波長;365nm、照射線量;500mJ/cm2の紫外線照射を行なって架橋させ、照射後、クリーンオーブン中で温度;220℃、加熱時間;60分の条件で焼成を行ない、液晶層を形成した。
【0073】
上記の紫外線硬化性のネマチック液晶層形成用塗工液の調製は、前記「式9」に示す重合可能なネマチック液晶相を示す光硬化型モノマー、光開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(登録商標)369を使用。)、および溶媒としてのトルエンの以上の各成分を、20/1/100の配合比(質量基準)で配合して溶解し、孔径;2μmのフィルターで濾過して不純物を除去することにより行なった。
【0074】
以上により得られた、基板、ブラックマトリックス、カラーフィルタ層、および液晶層が順に積層した液晶層付きのカラーフィルタを、顕微鏡による観察を行ったところ、ムラや白濁部分は認められなかった。また、波長;589nmの測定光によるリターデーションの測定結果は98nmであった。
【0075】
(実施例2、3)
研磨時間を変更した以外は実施例1と同様に行なって、研磨後のブラックマトリックス上における黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが2.5μmのもの(実施例2)、および2.0μmのもの(実施例3)を作成した。いずれも、ブラックマトリックスの開口部におけるカラーフィルタ層の厚みは2.0μmである。
【0076】
(比較例1、2)
研磨を行わなかった以外は実施例1と同様に行なって、研磨後のブラックマトリックス上における黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが2.8μmのもの(比較例1)を得た。また、ブラックマトリックス形成の際の形成用組成物の適用量を増やしてブラックマトリックスの厚みを1.4μmとし、研磨を行わずに、ブラックマトリックス上における黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが3.0μmのもの(比較例2)を得た。いずれも、ブラックマトリックスの開口部におけるカラーフィルタ層の厚みは2.0μmである。
【0077】
上記の各実施例、および各比較例で得られた液晶層付きのカラーフィルタにおける段差、波長;589nmの測定光によるリターデーション、および白濁の有無について、次の「表1」に段差の順に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】
請求項1もしくは請求項2の発明によれば、ブラックマトリックスの非開口部に乗り上げたカラーフィルタ層の各乗り上げ部が、上面が平面状であり、かつ同一平面内にあることにより、ブラックマトリックスの開口部上における厚みムラが少なくなった位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0080】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、下層の表面は全く平坦であるので、下層の表面状態に由来する位相差制御層の厚みムラが解消した位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0081】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3いずれかの発明の効果に加え、さらにカラーフィルタ層上に平坦化層を有するので、開口部上の位相差制御層の厚みムラがより解消された、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0082】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、平坦化層はカラーフィルタ層の凸状部以外の部分に積層されたものであるので、平坦化層を設けてから研磨するプロセスでの製造に適した、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0083】
請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項5いずれかの発明の効果に加え、位相差制御層が下層に配向膜を伴なったことにより、配向がより確実に行なわれた、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0084】
請求項7の発明によれば、請求項1〜請求項6いずれかの発明の効果に加え、位置合わせ用マークがその上に平坦化層を伴なって積層されているので、製造時の位置合わせが行ないやすく、また、位置合わせ用マークが製造時に消失しにくい、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0085】
請求項8の発明によれば、基板上に各層を順に積層する際に、カラーフィルタ層表面に生じた乗り上げ部を研磨するので、開口部上の位相差制御層の厚みムラを少なくすることが可能な、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【0086】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明の効果に加え、乗り上げ部が生じたカラーフィルタ層上に平坦化層を積層してから研磨を行なうので、研磨により、カラーフィルタ層のブラックマトリックスの開口部上の部分が傷付きにくい、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【0087】
請求項10の発明によれば、請求項8の発明の効果に加え、乗り上げ部が生じたカラーフィルタ層を研磨してから平坦化層を積層するので、開口部上の位相差制御層の厚みムラをより解消可能な、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【0088】
請求項11の発明によれば、請求項8〜請求項10いずれかの発明の効果に加え、位相差制御層の積層に先立って配向膜を積層するので、配向をより確実に行なわせることが可能な、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【0089】
請求項12の発明によれば、請求項8〜請求項11いずれかの発明の効果に加え、ブラックマトリックスの形成と同時に位置合わせ用マークを形成し、平坦化層を位置合わせ用マーク上にも形成するので、位置合わせ用マークの形成のために工程数が増加することが無く、その後の各層の形成の際の位置合わせが容易であり、しかも、その後の工程における位置合わせ用マークの消失の防止が可能な、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の実施例を示す図である。
【図2】他の実施例の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を示す図である。
【図3】従来の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…………位相差制御層を有するカラーフィルタ基板
2…………基板
3…………ブラックマトリックス
4…………カラーフィルタ層(4a;凸状部)
5…………位相差制御層
6…………平坦化層
7…………配向膜
【発明の属する技術分野】
本発明は各種ディスプレイ、とりわけ、液晶ディスプレイに適用するのに適した、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子に適用される位相差制御層は視野角の改善や外光の反射防止等の有用な役割を果たすものであり、この位相差制御層を、従来の延伸フィルムタイプの位相差板で構成するのに替えて、液晶高分子からなる薄膜を用いると、液晶表示素子のセル内に位相差制御層を持ち込むことができ、液晶表示素子全体の薄型化が可能で、しかも、従来の延伸フィルムのように粘着剤を要しないため、粘着剤に起因する偏光解消(偏光の状態が変ること)が無く、光散乱が無いか、もしくは極めて小さく、かつ、界面反射も生じない等の様々な利点を有するので、薄膜の位相差制御層の適用が種々検討されている。
【0003】
例として、TFT基板を用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子を構成するには、セル内にブラックマトリックス、カラーフィルタ層、および位相差制御層等を設ける必要があるが、位相差制御層は、その厚みによって位相差量が変化するため、TFT上に設けられたカラーフィルタ上に設けると、下層の凹凸の影響が大き過ぎ、しかも、位相差制御層上に電極を形成するので、駆動電圧が増加し、位相差制御層にスルーホールを設ける必要も生じる。また、位相差制御層をTFTの下に設けるのは、TFT形成時に300℃強の温度がかかり、位相差制御層を形成するための素材の耐熱性から見て困難である。下層の平坦さの点では、対向基板の内側に設けるのが最も好ましい。しかし、対向基板の内側に位相差制御層を設けたとしても、その後、ブラックマトリックスやカラーフィルタ層を設ける必要があり、それらの層の形成の際に基板に加えられる熱により、位相差制御層の位相差量が設定値からずれる恐れがある。
【0004】
そこで、図3に示すように、基板2上にブラックマトリックス3およびカラーフィルタ層4を順に設けた後、位相差制御層5を設けようとすると、カラーフィルタ層4を構成する透明着色層が、ブラックマトリックス3の非開口部上において両端部が乗り上げた乗り上げ部4Aを有して形成されるため、カラーフィルタ層4上に形成された位相差制御層5の表面は、下層のカラーフィルター層4の乗り上げ部4Aの上方で乗り上げ部4Aの幅(図3中の左右方向の長さ)よりも広い幅の凸状部を形成するから、この影響により、ブラックマトリックス3の開口部上においても位相差制御層5の厚みが一定になりにくい欠点を有する。
【0005】
ところで、本発明とは課題を全く異にするが、従来、基板にブラックマトリックス、およびカラーフィルタ層を形成し、さらに保護層で被覆したものにおいても、カラーフィルタ層の各層の厚みムラ、隣接する色の重なりによる凸状部分の発生、もしくはカラーフィルタ表面の凹凸の影響があり、このような基板を液晶表示素子に適用すると、表示色の濃淡差や色の変化を起こし、支障があったため、解消のために、カラーフィルタ層の保護層の表面を研磨して凹凸を平坦化することが提案されている。(例えば、特許文献1。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−28819号公報(第2−3頁、図1、図4)
【0007】
しかし、特許文献1記載の発明を利用して、カラーフィルタ層上に保護層を設けた後に研磨を行なって平坦化された面に位相差制御層を設けると、位相差制御層の厚みムラは解消するものの、カラーフィルタの凹凸をならすのに十分な厚みの保護層を形成する必要があり、また、保護層は、下層のカラーフィルタ層の凹凸に起因する厚みムラを有していて、光学的にも支障があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、従来技術におけるように、位相差制御層の厚みムラが生じやすい点の解決を、カラーフィルタ層そのものの厚みムラも解消し、しかも間に厚みムラのある層を介在させずに行なうことを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決する手段】
発明者の検討により、カラーフィルタ層がブラックマトリックスの非開口部に乗り上げた部分を研磨し、上面を平面化することにより、位相差制御層を、その機能を損なう下層を伴なうことなく、カラーフィルタ層上に形成可能であることが判明し、本発明に到達することができた。
【0010】
第1の発明は、基板上にブラックマトリックスが積層され、前記ブラックマトリックスの各開口部毎に、前記各開口部に隣接する非開口部に端部が乗り上げ、上面が平面状の乗り上げ部を有する透明着色層からなるカラーフィルタ層、および位相差制御層が順に積層された積層構造を有しており、前記各乗り上げ部の上面が同一平面内にあることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記各乗り上げ部の上面と前記乗り上げ部以外の部分のカラーフィルタ層の上面とが異なる面にあることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、前記各乗り上げ部の上面と前記乗り上げ部以外の部分のカラーフィルタ層の上面とが同じ面内にあることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0013】
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記カラーフィルタ層は、その上面に平坦化層が積層されたものであることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、前記平坦化層は、前記カラーフィルタ層の上面の凸状部以外の部分に充填されたものであることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0015】
第6の発明は、第1〜第5いずれかの発明において、前記位相差制御層は、その下層側に接して配向膜が積層されていることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0016】
第7の発明は、第1〜第6いずれかの発明において、前記基板上に位置合わせ用のマークが積層されており、前記位置合わせ用のマーク上にも前記平坦化層が積層されていることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板に関するものである。
【0017】
第8の発明は、基板上にブラックマトリックスを積層する工程、前記ブラックマトリックスの前記各開口部毎に、前記各開口部に隣接する非開口部に端部が乗り上げた乗り上げ部を有する透明着色層からなるカラーフィルタ層を積層する工程、前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程、および前記カラーフィルタ層上に液晶高分子からなる位相差制御層を積層する工程とをこの順に行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0018】
第9の発明は、第8の発明において、前記カラーフィルタ層を積層する工程を行なった後、前記カラーフィルタ層上に平坦化層を積層する工程を行ない、前記平坦化層表面から研磨することにより、前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程を行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0019】
第10の発明は、第8の発明において、前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程を行なった後、前記カラーフィルタ層上に平坦化層を積層する工程を行ない、その後、前記カラーフィルタ層上に液晶高分子からなる前記位相差制御層を積層する工程を行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0020】
第11の発明は、第8〜第10いずれかの発明において、前記液晶高分子からなる位相差制御層を積層する工程に先立って、配向膜を積層する工程を行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0021】
第12の発明は、第8〜第11いずれかの発明において、前記基板上に前記ブラックマトリックスを積層する工程を、位置合わせ用のマークを積層する工程を兼ねて行ない、前記平坦化層の積層工程を、前記位置合わせ用のマーク上にも行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法に関するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の断面の積層構造を示す図である。
【0023】
図1に示すように、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1は、基本的には、透明な基板2上に、画素部が開口部である遮光層からなるブラックマトリックス3が積層され、ブラックマトリックス3上に、ブラックマトリックス3の各開口部に対応して透明着色層が積層されてカラーフィルタ層4が構成され、カラーフィルタ層4上に位相差制御層5が積層されたものである。
【0024】
通常、透明着色層としては、赤色、緑色、および青色の各々の色のものが繰り返し配列されており、各透明着色層は、ブラックマトリックス3の各開口部と、各開口部を区画する非開口部上とにまたがって積層され、従って、非開口部上には、その両側の開口部に対応する透明着色層どうし、通常は異なる色の透明着色層どうしが乗り上げた乗り上げ部4aが凸状部を形成しており、凸状部においては、異なる色の透明着色層どうしが互いに接して、もしくはごく接近してブラックマトリックス3上に積層されている。各透明着色層の上面は、ブラックマトリックス3の開口部においては、基板2の平面に対応してほぼ平坦であり、非開口部の近傍では非開口部に近づくにつれ次第に盛り上がり、非開口部上の乗り上げ部4aでは遮光層の厚みに対応して急に盛り上がって凸状部を形成している。
【0025】
カラーフィルタ層の乗り上げ部4aは、形成されたそのままの形状であるよりも、そのほかの部分の上面を基準として均された状態であることが好ましく、凸状部の頂部が基板2の面方向に平行である平面状になっていることが好ましく、平面状とされた頂部の各面が同一平面上にあることが好ましい。凸状部の上面とブラックマトリックス3の開口部上におけるカラーフィルタ層4の上面との間隔dは、0.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.3μm以下であり、特に好ましくは0.1μm以下であり、理想的には0.0μmである。
【0026】
上記のdが0.5μmを超えると、そのようなカラーフィルタ層4上に積層される位相差制御層5の上面を平坦化することは困難であり、ブラックマトリックス3の開口部上においても、位相差制御層5が均一な厚みを有するものとなりにくい。位相差制御層5の厚みを均一にする観点からは、dの値は小さいほど好ましく、0でもよい。上記dの値が有限の値であるときは、乗り上げ部4aの上面と、乗り上げ部以外の部分のカラーフィルタ層の上面とは互いに異なる面にある。この場合、ブラックマトリックス3の開口部上のカラーフィルタ層4は、厚みムラが残るものの、カラーフィルタ層4形成時の凸状部の頂部の尖った状態が緩和され、段差が小さくなっているので、位相差制御層5の厚みムラを起こす原因が減少している。また、dの値が0であれば、両者は同一平面内にある。この場合、位相差制御層5の下層の表面は全く平坦であるので、下層の表面状態に由来する位相差制御層の厚みムラは生じない。
【0027】
上記のカラーフィルタ層4上には、液晶高分子からなる位相差制御層5が積層されている。位相差制御層5は、その下層であるカラーフィルタ層4が積層されている区域にのみ積層されていることが好ましい。
【0028】
図1(b)に示すように、カラーフィルタ層4は、その上面に平坦化層6が充填されたものであってもよい。ここで、充填されているとは、平坦化層6がカラーフィルター層4の上面の乗り上げ部以外の部分に積層されていることを指す。平坦化層5の厚みは、図1(b)中にも表われるように、先のdと等しいことが好ましい。このような構造は、乗り上げ部4aを有して形成されたカラーフィルタ層4上に平坦化層4を、乗り上げ部4aを覆うのに充分な厚みの平坦化層4を積層した後、研磨して、乗り上げ部4aの頂部を平坦化層4の上面の一部と共に除去することによって得るのに都合がよい。なお、この場合、平坦化層4は必ずしも乗り上げ部を完全に埋める厚みに積層しなくてもよい。
【0029】
平坦化層6は、上記のもの以外に、基板2上面から平坦化層6の上面までの距離が、基板2上面から乗り上げ部4aの上面までの距離dを超えた厚みのものであってもよく(図2(b)参照。)、このような構造は、カラーフィルタ層4を平坦化層6を設けずに研磨し、研磨後に平坦化層6を積層して得るのに適している。なお、dを0.5μm以下としたことにより、位相差制御層5の厚みムラは実質的に解消しているが、乗り上げ部4aの影響は皆無では無いので、平坦化層6が介在することにより、ブラックマトリックス3の開口部上の全域にわたって、位相差制御層5の厚みムラをほぼ無くすことができる利点がある。
【0030】
図2(a)に示すように、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1は、カラーフィルタ層4と位相差制御層5との間に、配向膜6が積層されたものであってもよい。配向膜6が位相差制御層5との間にあることにより、位相差制御層5を構成する液晶高分子の配向がより確実になる利点がある。そのほかの構成は図1を引用して説明したものと同様である。
【0031】
図2(b)に示すように、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1は、カラーフィルタ層4と配向膜6との間に、平坦化層6が積層されたものであってもよい。平坦化層6が介在することにより、位相差制御層5の厚みムラがより小さいものとなる利点がある。平坦化層6は、図2(b)に示すように、基板2上面から平坦化層6の上面までの距離が、基板2上面から乗り上げ部4aの上面までの距離dを超えた厚みのものであってもよいが、図1(b)を引用して説明したような、カラーフィルター層4の上面の乗り上げ部以外の部分に積層されているものであってもよい。やはり、そのほかの構成は図1を引用して説明したものと同様である。
【0032】
本発明の位相差制御層を有するカラーフィルター基板の製造方法、および各層を構成する素材は次の通りである。
【0033】
まず、基板2を準備する。基板2としては、ガラス、シリコン、もしく石英等の無機基材か、次に列挙するような有機基材を挙げることができる。即ち、有機基材としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロースもしくはトリアセチルセルロースまたはそれらの部分鹸化物、エポキシ、フェノール、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるものを挙げることができるが、一般的なプラスチックからなるものも使用可能である。上記の有機基材は一軸延伸されたか、もしくは二軸延伸されたものであってもよく、また、任意に2種以上が積層された積層体であってもよい。基板2の厚みには、特に限定は無いが、用途に応じ、例えば、5μm〜1mm程度のものが使用される。
【0034】
基板2上には、ブラックマトリックス3を積層する。ブラックマトリックス3は、画面の画素どうしの間を遮光するものであり、外光反射を抑制して表示素子の画像のコントラストを高める役割を有するほか、TFTの誤作動防止やR、G、B各画素間の白抜けの発生の防止等の役割も有する。
【0035】
ブラックマトリックス3は、黒色着色剤を含有する塗料タイプの樹脂組成物を一面に適用して、一旦固化させた後、フォトレジストを適用して行なうか、もしくは、黒色着色剤を含有する塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、塗布、露光および現像を行なうことにより形成することができ、従って、黒色着色剤を含有する樹脂組成物から構成することができる。あるいは、ブラックマトリックス4は、CrOx/Cr(xは任意の数、「/」は積層を表す。)の積層構造からなる2層クロムブラックマトリックス、あるいはさらに反射率を低減させたCrOx/CrNy/Cr(x,yは任意の数)の積層構造からなる3層クロムブラックマトリックス等を、蒸着、イオンプレーティング、もしくはスパッタリング等の各種の方法で、金属、金属酸化物、もしくは金属窒化物等の薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法を利用してパターン化する方法、無電界メッキ法、もしくは黒色のインキ組成物を用いた印刷法等を利用しても形成することができる。
【0036】
本発明においては、位置合わせ用のマークを形成することが好ましい。位置合わせ用のマークは、ブラックマトリックス3、カラーフィルター層4、および位相差制御層5等の各層を後の工程で積層する際に、それらの層を所定の位置に形成し、各層どうしの位置関係を所定の関係にするためのものである。位置合わせ用のマークは、上記各層が表示区域内に設けられるのに対し、表示区域外に設けられることが好ましい。
【0037】
位置合わせ用のマークは、前記したブラックマトリックス3とは別の工程で、また、ブラックマトリックス3とは異なる素材で形成することもできるが、工程数の増加を招くので、位置合わせ用のマークとブラックマトリックス3とを、共通の素材により、同じ工程で同時に形成することが好ましい。
【0038】
カラーフィルタ層4を構成する各透明着色層は、着色剤が溶解もしくは分散、好ましくは顔料微粒子が分散された樹脂組成物から構成され、その形成には、所定の色に着色したインキ組成物を調製して、各色パターン毎に印刷することによって行なってもよいが、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法によって行なうのがより好ましい。
【0039】
カラーフィルター層4は、ブラックマトリックス3の非開口部上で乗り上げ部4aを形成するので、乗り上げ部4aを研磨し、できるだけ、その高さを低くする。なお、乗り上げ部4aの高さ(前記d)を0にする場合には、乗り上げ部4aの高さのすべてを研磨して減らした上に、さらに、もともと平坦であった開口部上のカラーフィルタ4の表面も共に研磨して、カラーフィルタ4の上面全面を平坦化してもよい。
【0040】
研磨の方法としては、適宜な砥粒をシート上に散布して接着したサンドペーパー等を用いて行なうほか、化学的研磨法、もしくは機械的研磨法、またはそれらを併用したメカノケミカルポリッシング(MCP、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)とも言われる。)によって行うことが好ましい。化学的研磨法は、例えば、布、不織布、もしくはポリウレタン樹脂等の発泡体からなる研磨部材に、研磨剤として、エッチング性の液体を供給して行うものであり、機械的研磨法は、例えば、布、不織布、もしくはポリウレタン樹脂等の発泡体を研磨部材とし、コロイダルシリカ、酸化セリウム、もしくはアルミナ等の微粉末を研磨剤として含浸させて用いるか、またはコロイダルシリカ、酸化セリウム、もしくはアルミナ等を分散させた分散液を供給して行なうものである。
【0041】
いずれにせよ、好ましくは、基板2上にブラックマトリックス3およびカラーフィルタ層4が積層されたものを回転させる等して、研磨対象物と研磨部材とを相対的に移動させつつ、研磨対象物に研磨部材を接触させ、必要に応じて研磨剤を供給しながら研磨を行なう。
【0042】
研磨前もしくは研磨後に適用される平坦化層6は、透明性を有する樹脂で構成され、それら樹脂の溶剤溶液等の塗料組成物を用いて、カラーフィルタ層4上に塗布し、塗布後、塗料組成物に応じた風乾、加熱、もしくは紫外線照射等の固化手段を講じて、塗膜を固化させて形成する。なお、平坦化層6は、位置合わせ用マーク上にも設けてよく、位置合わせ用マーク上に研磨前に設けてあれば、研磨の際に位置合わせ用マークが消失することがない。また、研磨後であれば、以降の種々の工程において、位置合わせ用マークが消失することを防止し得る。
【0043】
具体的に平坦化層6を構成するための素材としては、得られる平坦化層6の屈折率、平坦化層6を形成する際の樹脂の塗料組成物の粘性等の諸特性の制御が容易で、平坦化層6と下層の接着力、平坦化層6の透明性がいずれも高い点から、アクリレート樹脂系、もしくはエポキシ樹脂系の樹脂を用いることが好ましい。平坦化層6を構成するための素材として紫外線硬化性のものを用いれば、フォトリソグラフィーにより平坦化層6のパターン化が可能である。また平坦化層6を構成するための素材として熱硬化性のものを用いれば、パターン化はフォトリソグラフィーによるように容易ではないが、得られる平坦化層6の信頼性が高い。いずれにせよ、平坦化層6の膜厚としては、1〜2μm程度が好ましい。
【0044】
配向膜7は、上層の位相差制御層5を構成する液晶高分子を所定の方向に配列させるためのもので、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはポリビニルアルコール樹脂等の樹脂の被膜を、これらの樹脂を溶解した樹脂組成物を塗布し、乾燥させることにより形成した後、レーヨン、綿、ポリアミド(ナイロン)、もしくはポリメチルメタクリレート等の布を巻き付けた金属ローラ等により所定の方向に摩擦するラビングを施すことにより形成することができる。配向膜7としては、SiO2等、もしくは有機材材料等の斜方蒸着膜等、さらには、有機シラン等の有機材料の垂直配向膜やその垂直配向膜にラビングを施したもの等も利用できる。
【0045】
位相差制御層5は、好ましくは、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物の層を積層し、紫外線や電子線等の電離放射線、好ましくは紫外線を照射して、重合性液晶組成物を重合させ、重合硬化物の層とすることにより形成することができる。必要に応じ、これらの工程を繰り返すことにより、二層以上の複数の層からなる位相差制御層5を形成することもできる。例えば、ネマティック液晶層とコレステリック液晶層とからなるもの、ネマティック液晶層どうしの積層体からなるもの、もしくはネマティック液晶どうしの間に配向膜を有する積層体からなるもの、ネマティック液晶どうしの積層体であって、互いに遅相軸が異なるもの等である。
【0046】
重合性液晶組成物は、具体的には重合性液晶モノマーを含むものである。光軸が層に水平な位相差制御層5を形成する場合には重合性の液晶性モノマーを重合させることにより形成することができるので、液晶性モノマーに重合開始剤を配合した重合性液晶組成物を用いる。また、光軸が層に垂直な位相差制御層を形成する場合には、さらに重合性のキラル剤を配合した重合性液晶組成物を用いる。
【0047】
重合性の液晶モノマーとしては、例えば特表平10−508882号に、また、キラル剤としては、例えば特開平7−258638号、特開2000−95883号、特開平8−245960、もしくは特開平9−53074号に開示されているような公知のものを使用することができるが、より具体的には、重合性ネマチック液晶モノマーとしては、下記式(1)〜式(11)に示すようなものが、また、キラル剤としては、下記式(12)〜式(14)に示すようなものを例示することができる。また、キラル剤としては、キラルドーパント液晶(独メルク社製、品番;S−811)等を用いることもできる。
【0048】
【化1】
【0049】
【化2】
【0050】
【化3】
【0051】
【化4】
【0052】
【化5】
【0053】
【化6】
【0054】
【化7】
【0055】
【化8】
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
【0058】
【化11】
【0059】
【化12】
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】
【化16】
【0064】
上記各式の表記において、「式11」〜「式14」中のいずれもメチレン基の数(アルキレン基の鎖長)を示すa〜eはいずれも整数であって、まず、a、bが、各々個別に2〜12であり、より好ましくは4〜10、特に好ましくは6〜9であり、c、dはいずれも2〜12であり、より好ましくは4〜10であり、特に好ましくは6〜9であり、さらにeは2〜6である。「式12」中のRは、水素もしくはメチル基である。また、「式12」および「式13」中のYは、「化15」および「化16」に示す「式i」〜「式xxiv」のいずれかであって、より好ましくは「式i」、「式ii」、「式iii」、「式v」、もしくは「式vii」のいずれかである。
【0065】
重合性液晶組成物は、必要に応じて溶剤で溶解もしくは希釈し、スピンコーティング法、ダイコーティング、スリットコーティング、もしくはその他の適宜な方法により、対象面上、例えば、カラーフィルタ層4上、配向膜7上、もしくは平坦化層8上に塗布し、その後、紫外線を照射する等により露光し、重合させることにより、重合硬化物の層とする。紫外線としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、もしくは高圧水銀灯等の水銀励起光源、またはキセノン光源等を用いることができ、これらは、使用する重合開始剤の感度の大きい波長帯域に強度のピークを持つ光源を用いたものであることが好ましい。なお、紫外線照射の替わりに電子線照射を行なって、重合させることもできる。
【0066】
上記の紫外線等を照射して重合を行なわせる際には、空気中で行なってもよいが、重合を充分に行なわせる、特に表面近くの重合を充分に行なわせる意味で、窒素、もしくはアルゴン等の不活性雰囲気中で行なうことが好ましい。また、重合をパターン状に行なわせることにより、重合性液晶組成物の層を所定のサイズよりも大き目に形成しておいて、紫外線等の照射をパターン状に行ない、未硬化部分を現像により除去し、位相差制御層5をパターン状に形成することもできる。あるいは、重合を行なわせた後、レジストパターンを設けてドライエッチングする等によっても位相差制御層5をパターン状に形成することができる。
【0067】
本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板1は、必要に応じて位相差制御層5上に保護層を積層した後、配向膜を形成することにより、液晶表示素子を構成する際の対向基板とすることができる。この場合、例えば、TFT等のアレイ上に画素電極、および配向膜等を有する他方の基板との間に液晶層を挟むことにより液晶表示素子を構成することができる。
【0068】
【実施例】
(実施例1)
黒色顔料、アクリレート系樹脂バインダ、光重合開始剤、および溶剤からなる紫外線感光性ブラックマトリックス形成用組成物を準備し、ガラス基板上にスピンコートし、コート後、溶剤を充分除去し、基板との密着性も確保する目的で減圧乾燥(最終真空到達度;50Pa)、およびホットプレート上での加熱乾燥(温度;80℃、加熱時間;10分)を行なった。これらの乾燥後の塗膜をフォトマスクを介して紫外線露光し、露光後に現像することによりパターニング処理を行ない、その後、クリーンオーブン中で温度;250℃、加熱時間;60分の条件で焼成を行ない、線幅;10μm、高さ;1.2μm(触針式段差計による。)、および可視光の透過率;約0.1%の黒線部、並びに幅;90μmの開口部が交互に配列し、ガラス基板上に積層したブラックマトリックスを得た。
【0069】
上記のブラックマトリックス形成用組成物における顔料を、赤色顔料、緑色顔料、および青色顔料に変更した各色カラーフィルタ層形成用組成物を準備して用い、まず、赤色顔料を配合した組成物を用いて、フォトマスクとしては、ブラックマトリックスの開口部に対応するパターンを有するものを用い、その他はブラックマトリックス形成のときと同様に行なって、ブラックマトリックスの各開口部ごとに、幅;90μmの開口部上と、開口部の両側の黒線部の開口部側の端から幅;4μmの部分をも被覆する赤色カラーフィルタ層を形成し、同様に、緑色顔料を配合した組成物を用いて緑色カラーフィルタ層を、また、青色顔料を配合した組成物を用いて青色カラーフィルタ層を、形成する位置をずらして、それぞれ形成して、赤色カラーフィルタ層、緑色カラーフィルタ層、および青色カラーフィルタ層が繰り返し配列されたカラーフィルタ層を得た。得られたカラーフィルタ層の膜厚みを触針式段差計により計測したところ、ブラックマトリックスの開口部では2.0μmであり、ブラックマトリックス上では黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが2.8μmであり、両者の差(段差と称することとする。)は0.8μmであった。
【0070】
ブラックマトリックスおよびカラーフィルタ層が形成された基板のカラーフィルタ層側からカラーフィルタ層の研磨をCMP加工により行なった。研磨布としては、IC1000/SUBA400(米国ロデール社製)の組み合わせのものを用い、研磨剤としては粒径;100μmのアルミナを用い、研磨時間は1分とした。研磨後のカラーフィルタ層の膜厚みを、前段落におけるのと同様にして計測したところ、ブラックマトリックスの開口部では2.0μmであり、ブラックマトリックス上では黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが2.3μmであり、段差は0.3μmであった。
【0071】
研磨後のカラーフィルタ層上に、フレキソ印刷法によりポリイミド樹脂系の配向膜形成用インキを適用し、ホットプレート上での加熱乾燥(温度;80℃、加熱時間;10分)を行なった後、クリーンオーブン中で温度;250℃、加熱時間;60分の条件で焼成を行ない、焼成後、表面にラビング処理を行って、厚みが0.1μmの配向膜を形成した。
【0072】
形成された配向膜上に、次段落に示す通り調製した紫外線硬化性のネマチック液晶層形成用塗工液をスピンコートし、減圧乾燥した後、ホットプレート上で、温度;80℃、加熱時間;5分の条件で加熱して配向させ、配向後、窒素気流中で、波長;365nm、照射線量;500mJ/cm2の紫外線照射を行なって架橋させ、照射後、クリーンオーブン中で温度;220℃、加熱時間;60分の条件で焼成を行ない、液晶層を形成した。
【0073】
上記の紫外線硬化性のネマチック液晶層形成用塗工液の調製は、前記「式9」に示す重合可能なネマチック液晶相を示す光硬化型モノマー、光開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(登録商標)369を使用。)、および溶媒としてのトルエンの以上の各成分を、20/1/100の配合比(質量基準)で配合して溶解し、孔径;2μmのフィルターで濾過して不純物を除去することにより行なった。
【0074】
以上により得られた、基板、ブラックマトリックス、カラーフィルタ層、および液晶層が順に積層した液晶層付きのカラーフィルタを、顕微鏡による観察を行ったところ、ムラや白濁部分は認められなかった。また、波長;589nmの測定光によるリターデーションの測定結果は98nmであった。
【0075】
(実施例2、3)
研磨時間を変更した以外は実施例1と同様に行なって、研磨後のブラックマトリックス上における黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが2.5μmのもの(実施例2)、および2.0μmのもの(実施例3)を作成した。いずれも、ブラックマトリックスの開口部におけるカラーフィルタ層の厚みは2.0μmである。
【0076】
(比較例1、2)
研磨を行わなかった以外は実施例1と同様に行なって、研磨後のブラックマトリックス上における黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが2.8μmのもの(比較例1)を得た。また、ブラックマトリックス形成の際の形成用組成物の適用量を増やしてブラックマトリックスの厚みを1.4μmとし、研磨を行わずに、ブラックマトリックス上における黒線部とカラーフィルタ層の合計厚みが3.0μmのもの(比較例2)を得た。いずれも、ブラックマトリックスの開口部におけるカラーフィルタ層の厚みは2.0μmである。
【0077】
上記の各実施例、および各比較例で得られた液晶層付きのカラーフィルタにおける段差、波長;589nmの測定光によるリターデーション、および白濁の有無について、次の「表1」に段差の順に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】
請求項1もしくは請求項2の発明によれば、ブラックマトリックスの非開口部に乗り上げたカラーフィルタ層の各乗り上げ部が、上面が平面状であり、かつ同一平面内にあることにより、ブラックマトリックスの開口部上における厚みムラが少なくなった位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0080】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、下層の表面は全く平坦であるので、下層の表面状態に由来する位相差制御層の厚みムラが解消した位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0081】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3いずれかの発明の効果に加え、さらにカラーフィルタ層上に平坦化層を有するので、開口部上の位相差制御層の厚みムラがより解消された、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0082】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、平坦化層はカラーフィルタ層の凸状部以外の部分に積層されたものであるので、平坦化層を設けてから研磨するプロセスでの製造に適した、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0083】
請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項5いずれかの発明の効果に加え、位相差制御層が下層に配向膜を伴なったことにより、配向がより確実に行なわれた、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0084】
請求項7の発明によれば、請求項1〜請求項6いずれかの発明の効果に加え、位置合わせ用マークがその上に平坦化層を伴なって積層されているので、製造時の位置合わせが行ないやすく、また、位置合わせ用マークが製造時に消失しにくい、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0085】
請求項8の発明によれば、基板上に各層を順に積層する際に、カラーフィルタ層表面に生じた乗り上げ部を研磨するので、開口部上の位相差制御層の厚みムラを少なくすることが可能な、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【0086】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明の効果に加え、乗り上げ部が生じたカラーフィルタ層上に平坦化層を積層してから研磨を行なうので、研磨により、カラーフィルタ層のブラックマトリックスの開口部上の部分が傷付きにくい、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【0087】
請求項10の発明によれば、請求項8の発明の効果に加え、乗り上げ部が生じたカラーフィルタ層を研磨してから平坦化層を積層するので、開口部上の位相差制御層の厚みムラをより解消可能な、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【0088】
請求項11の発明によれば、請求項8〜請求項10いずれかの発明の効果に加え、位相差制御層の積層に先立って配向膜を積層するので、配向をより確実に行なわせることが可能な、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【0089】
請求項12の発明によれば、請求項8〜請求項11いずれかの発明の効果に加え、ブラックマトリックスの形成と同時に位置合わせ用マークを形成し、平坦化層を位置合わせ用マーク上にも形成するので、位置合わせ用マークの形成のために工程数が増加することが無く、その後の各層の形成の際の位置合わせが容易であり、しかも、その後の工程における位置合わせ用マークの消失の防止が可能な、位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の実施例を示す図である。
【図2】他の実施例の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板を示す図である。
【図3】従来の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…………位相差制御層を有するカラーフィルタ基板
2…………基板
3…………ブラックマトリックス
4…………カラーフィルタ層(4a;凸状部)
5…………位相差制御層
6…………平坦化層
7…………配向膜
Claims (12)
- 基板上にブラックマトリックスが積層され、前記ブラックマトリックスの各開口部毎に、前記各開口部に隣接する非開口部に端部が乗り上げ、上面が平面状の乗り上げ部を有する透明着色層からなるカラーフィルタ層、および位相差制御層が順に積層された積層構造を有しており、前記各乗り上げ部の上面が同一平面内にあることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板。
- 前記各乗り上げ部の上面と前記乗り上げ部以外の部分のカラーフィルタ層の上面とが異なる面にあることを特徴とする請求項1記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板。
- 前記各乗り上げ部の上面と前記乗り上げ部以外の部分のカラーフィルタ層の上面とが同じ面内にあることを特徴とする請求項1記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板。
- 前記カラーフィルタ層は、その上面に平坦化層が積層されたものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板。
- 前記平坦化層は、前記カラーフィルタ層の上面の凸状部以外の部分に充填されたものであることを特徴とする請求項4記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板。
- 前記位相差制御層は、その下層側に接して配向膜が積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板。
- 前記基板上に位置合わせ用のマークが積層されており、前記位置合わせ用のマーク上にも前記平坦化層が積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項6いずれか記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板。
- 基板上にブラックマトリックスを積層する工程、前記ブラックマトリックスの前記各開口部毎に、前記各開口部に隣接する非開口部に端部が乗り上げた乗り上げ部を有する透明着色層からなるカラーフィルタ層を積層する工程、前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程、および前記カラーフィルタ層上に液晶高分子からなる位相差制御層を積層する工程とをこの順に行なうことを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
- 前記カラーフィルタ層を積層する工程を行なった後、前記カラーフィルタ層上に平坦化層を積層する工程を行ない、前記平坦化層表面から研磨することにより、前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程を行なうことを特徴とする請求項8記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
- 前記カラーフィルタ層の乗り上げ部の上面を研磨する工程を行なった後、前記カラーフィルタ層上に平坦化層を積層する工程を行ない、その後、前記カラーフィルタ層上に液晶高分子からなる前記位相差制御層を積層する工程を行なうことを特徴とする請求項8記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
- 前記液晶高分子からなる位相差制御層を積層する工程に先立って、配向膜を積層する工程を行なうことを特徴とする請求項8〜請求項10いずれか記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
- 前記基板上に前記ブラックマトリックスを積層する工程を、位置合わせ用のマークを積層する工程を兼ねて行ない、前記平坦化層の積層工程を、前記位置合わせ用のマーク上にも行なうことを特徴とする請求項8〜請求項11いずれか記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
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