JP2008250094A - カラーフィルタ基板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、基材と、基材上に形成された遮光部および着色層と、基材上に所定の間隔をおいて形成され、遮光部または着色パターンからなる複数の高さ調整部と、基材上の隣接する高さ調整部間に形成され、着色パターンおよび/または透明樹脂層からなる下地層と、高さ調整部間の下地層上に形成され、着色パターンおよび/または透明樹脂部からなる突起部とを有し、突起部が、間隔が異なる高さ調整部間にそれぞれ形成された下地層上に形成され、その間隔に応じて基材表面からの高さが異なる2種以上のものからなることを特徴とするカラーフィルタ基板を提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】図1
Description
本発明のカラーフィルタ基板は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材上の上記遮光部の開口部に形成され、3色以上の着色パターンからなる着色層と、上記基材上に所定の間隔をおいて形成された複数の高さ調整部と、上記基材上の隣接する上記高さ調整部間に形成された下地層と、上記高さ調整部間の下地層上に形成された突起部とを有し、上記突起部が、間隔の異なる上記高さ調整部間にそれぞれ形成された上記下地層上に形成され、上記間隔に応じて上記基材表面からの高さが異なる2種以上のものからなり、上記高さ調整部が、上記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成され、上記突起部が、上記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されていることを特徴とするものである。
図1は本発明のカラーフィルタ基板の一例を示す概略平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1および図2に例示するカラーフィルタ基板1は、基材2と、基材2上にマトリクス状に形成された遮光部3と、基材2上の遮光部3の開口部に形成され、赤色パターン4R、緑色パターン4Gおよび青色パターン4Bの3色の着色パターンからなる着色層4と、基材2の周縁領域に設けられた遮光部3(額縁遮光部)上に形成され、赤色パターン5Rからなる高さ調整部6a,6b,6c,6dと、各高さ調整部6a,6b,6c,6dの間に、それぞれ高さ調整部6a,6b,6c,6dの端部を覆うように形成され、緑色パターン5Gからなる下地層7と、各高さ調整部6a,6b,6c,6dの間に設けられた下地層7上に形成され、青色パターン5Bからなる突起部8とを有している。4つの高さ調整部6a,6b,6c,6dは、所定の間隔をおいて形成されており、6aおよび6b間の間隔、6bおよび6c間の間隔、6cおよび6d間の間隔が互いに異なるように形成されている。また、高さ調整部6a,6b,6c,6d、下地層7および突起部8をそれぞれ構成する着色パターン5R,5G,5Bは、着色層を構成する着色パターン4R,4G,4Bと同一である。
また、突起部の基材表面からの高さとは、基材の表面から突起部の頂部までの高さ(距離)をいう。
さらに、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚とは、図2に例示するような高さ調整部6aおよび6b間に形成された下地層7の中心部の膜厚t1をいい、高さ調整部の端部に乗り上げた下地層の厚みではない。
例えば、間隔の狭い高さ調整部間と間隔の広い高さ調整部間とにそれぞれ下地層形成用材料を塗工すると、間隔の狭い高さ調整部間に塗工された下地層形成用材料は、間隔の広い高さ調整部間に塗工された下地層形成用材料よりも、表面張力の影響を強く受ける。そのため、間隔の狭い高さ調整部間に形成された下地層の膜厚は、間隔の広い高さ調整部間に形成された下地層の膜厚よりも厚くなるのである。
高さ調整部6bおよび6c間の間隔d1と、高さ調整部6cおよび6d間の間隔d2とは異なり、d1<d2の順に間隔が狭いので、高さ調整部6bおよび6c間に形成された下地層7の膜厚t1と、高さ調整部6cおよび6d間に形成された下地層7の膜厚t2とが異なるものとなり、高さ調整部間の間隔に応じて、t1>t2の順に膜厚が厚くなる。これにより、高さ調整部6bおよび6c間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh1と、高さ調整部6cおよび6d間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh2とではh1>h2の順に高さが高くなる。また、高さ調整部6c上の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh3は、高さ調整部6cの厚みが加わるので、h1およびh2よりも高くなる。この場合、h3>h1>h2の順に高さが高くなる。
なお、高さ調整部の膜厚と下地層の膜厚との関係によっては、必ずしも、図4に示すようにh3>h1>h2の順に高さが高くなるわけではない。例えば、高さ調整部の膜厚が比較的薄く、下地層の膜厚が比較的厚い場合には、高さ調整部間に形成された下地層の基材表面からの高さが、高さ調整部上に形成された下地層の基材表面からの高さよりも高くなることもある。
なお、図8においてはオーバーコート層が形成されているが、これに限定されるものではなく、オーバーコート層は形成されていなくてもよい。
液晶表示装置20においては、カラーフィルタ基板1の高スペーサ8aが設けられている領域が対向基板21と接触しているのに対して、カラーフィルタ基板1の低スペーサ8bが設けられている領域は対向基板21に接触していない。すなわち、この状態では高スペーサ8aによってセルギャップが規定されており、基本的には高スペーサ8aでセルギャップを制御するので、セルギャップを液晶層の収縮に追従させやすく、低温発泡の発生を抑制することができる。また、液晶表示装置20に荷重が加わってセルギャップが狭くなったときには、高スペーサ8aおよび低スペーサ8bの両方でカラーフィルタ基板1および対向基板21が支持される。
以下、本発明のカラーフィルタ基板における各構成について説明する。
本発明における高さ調整部は、基材上に所定の間隔をおいて形成され、3色以上の着色パターンのうちの1色の着色パターンまたは遮光部から構成されるものである。また、複数の高さ調整部は、高さ調整部間の間隔が異なるように形成されている。
例えば図1においては、4つの高さ調整部6a,6b,6c,6dが形成されており、各高さ調整部間の間隔、すなわち6aおよび6b間の間隔、6bおよび6c間の間隔、6cおよび6d間の間隔が互いに異なっている。また例えば図7においては、2つの高さ調整部6が形成されており、この高さ調整部6間の間隔が部分的に異なっている。
したがって、この場合には、h4>h5>h1>h2>h3の順に高さが高くなる。
高さ調整部が形成された基材上に、下地層形成用材料を塗工すると、下地層形成用材料が自重によって流動しようとし、高さ調整部上に乗り上げた部分では若干の膜減りが起こる。この膜減りは下地層形成用材料に働く表面張力の影響を受け、その影響が強いほど膜減りが小さくなる。例えば、図10(a)に示すように幅の広い高さ調整部6aが形成された基材2上に塗工された下地層形成用材料は、図10(b)に示すように幅の狭い高さ調整部6bが形成された基材2上に塗工された下地層形成用材料よりも表面張力の影響を強く受けるので、膜減りが小さい。そのため、幅の広い高さ調整部6a上に形成される下地層7aの厚みは、幅の狭い高さ調整部6b上に形成される下地層7bの厚みよりも厚くなる。
通常、高さ調整部と下地層と突起部とは、それぞれ異なる層で構成される。例えば、高さ調整部が1色の着色パターンで構成される場合には、下地層は、高さ調整部を構成する着色パターンとは異なる色の着色パターン、または透明樹脂層で構成され、突起部は、高さ調整部および下地層を構成する着色パターンとは異なる色の着色パターン、または透明樹脂部で構成される。また、高さ調整部が1色の着色パターンで構成される場合であって、下地層および突起部も着色パターンで構成される場合には、高さ調整部と下地層と突起部とは、互いに異なる色の着色パターンで構成される。
なお、着色パターンおよび遮光部については、後述する着色層および遮光部の項に記載するので、ここでの説明は省略する。
本発明における下地層は、基材上の隣接する高さ調整部間に形成され、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されるものである。
高さ調整部間に形成された下地層の膜厚としては、下地層を構成する層の厚みや積層数に応じて異なる。例えば図2に示すように、下地層7が1色の着色パターン(赤色パターン5R)で構成される場合、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚は、着色層を構成する着色パターンの厚みと同程度とされる。この場合、具体的には、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚は1μm〜3μm程度で設定することができる。また例えば図11に示すように、下地層7が1色の着色パターン(赤色パターン5R)と透明樹脂層(オーバーコート層9)とで構成される場合、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚は、着色層を構成する着色パターンの厚みおよびオーバーコート層の厚みの合計厚みと同程度とされる。
高さ調整部上に形成された下地層の厚みとしては、下地層を構成する層の厚みや積層数に応じて異なる。例えば図2に示すように、下地層7が1色の着色パターン(赤色パターン5R)で構成される場合、高さ調整部上に形成された下地層の厚みは、着色層を構成する着色パターンの厚みと同程度とされる。この場合、具体的には、高さ調整部上に形成された下地層の厚みは1μm〜3μm程度で設定することができる。また例えば図11に示すように、下地層7が1色の着色パターン(赤色パターン5R)と透明樹脂層(オーバーコート層9)とで構成される場合、高さ調整部上に形成された下地層の厚みは、着色層を構成する着色パターンの厚みおよびオーバーコート層の厚みの合計厚みと同程度とされる。
通常、高さ調整部と下地層と突起部とは、それぞれ異なる層で構成される。例えば、下地層が1色の着色パターンで構成される場合であって、高さ調整部および突起部も着色パターンで構成される場合には、高さ調整部と下地層と突起部とは、互いに異なる色の着色パターンで構成される。また例えば、下地層が透明樹脂層で構成される場合には、高さ調整部は着色パターンまたは遮光部で構成され、突起部は透明樹脂部で構成される。
下地層を構成する層の積層数としては、1層以上であればよいが、通常は1層または2層とされる。この際、各層の積層順としては、各層の形成順に応じて異なるものであり、特に限定されるものではない。
なお、着色パターンおよびオーバーコート層については、後述する着色層およびオーバーコート層の項にそれぞれ記載するので、ここでの説明は省略する。
本発明における突起部は、高さ調整部間の下地層上に形成され、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されるものである。また、突起部は、間隔が異なる高さ調整部間にそれぞれ形成された下地層上に形成され、この高さ調整部間の間隔に応じて基材表面からの高さが異なる2種以上のものからなる。本発明のカラーフィルタ基板は、基材表面からの高さが異なる2種以上の突起部を有しており、この2種以上の突起部がそれぞれ設けられている高さ調整部間の間隔が互いに異なっている。
通常、高さ調整部と下地層と突起部とは、それぞれ異なる層で構成される。例えば、突起部が1色以上の着色パターンで構成される場合であって、高さ調整部および突起部も着色パターンで構成される場合には、高さ調整部と下地層と突起部とは、互いに異なる色の着色パターンで構成される。また例えば、突起部が透明樹脂部で構成される場合には、高さ調整部は着色パターンまたは遮光部で構成され、下地層は透明樹脂層または着色パターンで構成される。
突起部を構成する層の積層数としては、1層以上であればよく、1層、2層、3層、またはそれ以上であってもよい。この際、各層の積層順としては、各層の形成順に応じて異なるものであり、特に限定されるものではない。
なお、着色パターン、オーバーコート層、フォトスペーサ、および配向制御用突起については、後述する着色層、オーバーコート層、フォトスペーサ、および配向制御用突起の項にそれぞれ記載するので、ここでの説明は省略する。
また、同一階層とは、突起部を構成する2層以上の層のうち、同じ積層順番の層をいう。例えば、基材表面からの高さの異なる突起部が緑色パターンおよび青色パターンの2層がこの順に積層されたものである場合、緑色パターンは1層目で同一階層であり、青色パターンは2層目で同一階層である。
すなわち、下層が形成された基材上に、上層形成用材料を塗工すると、上層形成用材料が自重によって流動しようとし、下層上に乗り上げた部分では若干の膜減りが起こる。この膜減りは上層形成用材料に働く表面張力の影響を受け、その影響が強いほど膜減りが小さくなる。平面視面積の大きな下層が形成された基材上に塗工された上層形成用材料は、平面視面積の小さな下層が形成された基材上に塗工された上層形成用材料よりも表面張力の影響を強く受けるので、膜減りが小さい。そのため、平面視面積の大きな下層上に形成される上層の厚みは、平面視面積の小さな下層上に形成される上層の厚みよりも厚くなる。
本発明における着色層は、基材上の遮光部の開口部に形成され、3色以上の着色パターンからなるものである。
赤色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
着色層の形成方法として印刷法やインクジェット法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、着色層の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。この場合、着色剤および感光性樹脂を含有する着色層形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
本発明における遮光部は、基材上にパターン状に形成されるものである。
また、上記の場合であって、遮光部の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。この場合、着色剤および感光性樹脂を含有する着色層形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
本発明に用いられる基材としては、可視光に対して透明な基材であれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を用いることができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
本発明においては、遮光部、着色層、高さ調整部、下地層および突起部の上にオーバーコート層が形成されていてもよい。本発明のカラーフィルタ基板を横電界駆動方式の液晶表示装置に適用する場合には、通常、オーバーコート層が設けられる。
このオーバーコート層は、上記下地層を構成する透明樹脂層や、上記突起部を構成する透明樹脂部として用いることができる。例えば図11や図15に示すように、オーバーコート層9が下地層7を構成していてもよい。
本発明においては、遮光部および着色層の上に、フォトスペーサが形成されていてもよい。オーバーコート層が形成されている場合には、通常、オーバーコート層上にフォトスペーサが形成される。
このフォトスペーサは、上記突起部を構成する透明樹脂部として用いることができる。例えば図11に示すように、フォトスペーサ11が突起部8を構成していてもよい。
本発明においては、遮光部および着色層の上に、配向制御用突起が形成されていてもよい。本発明のカラーフィルタ基板を垂直配向方式の液晶表示装置に適用する場合には、通常、配向制御用突起が設けられる。
この配向制御用突起は、上記下地層を構成する透明樹脂層や、上記突起部を構成する透明樹脂部として用いることができる。例えば図15に示すように、配向制御用突起12が突起部8を構成していてもよい。
本発明のカラーフィルタ基板を、TN方式または垂直配向方式等の液晶表示装置に適用する場合には、通常、透明電極層が設けられる。この場合、透明電極層は、遮光部、着色層、高さ調整部、下地層および突起部の上に形成されていてもよく、高さ調整部と下地層との間に形成されていてもよく、下地層と突起部との間に形成されていてもよい。
本発明においては、遮光部、着色層、高さ調整部、下地層および突起部の上に配向膜が形成されていてもよい。オーバーコート層が形成されている場合には、オーバーコート層上に配向膜が形成される。本発明のカラーフィルタ基板を液晶表示装置に適用する場合には、通常、配向膜が設けられる。
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の一例について説明する。
まず、基材上に遮光部をパターン状に形成する。次に、遮光部がパターン状に形成された基材上に、着色層を構成する赤色パターンと、高さ調整部を構成する赤色パターンとを同時に形成する。このとき、高さ調整部を構成する赤色パターンは、異なる間隔で複数形成される。次いで、遮光部および赤色パターンが形成された基材上に、着色層を構成する緑色パターンと、下地層を構成する緑色パターンとを同時に形成する。このとき、下地層を構成する緑色パターンは、間隔の異なる高さ調整部間に形成される。次に、遮光部、赤色パターンおよび緑色パターンが形成された基材上に、着色層を構成する青色パターンと、突起部を構成する青色パターンとを同時に形成する。このとき、突起部を構成する青色パターンは、高さ調整部間の下地層上に形成される。続いて、必要に応じて遮光部、着色層、高さ調整部、下地層および突起部の上にオーバーコート層、透明電極層、配向膜等を形成する。このようにして、カラーフィルタ基板を作製することができる。
なお、この際、各着色パターンの形成順は特に限定されるものではない。
本発明のカラーフィルタ基板は、種々の用途に用いることができ、例えば、IPS、FFS等の横電界方式、MVA、PVA等の垂直配向方式、TN方式などの液晶表示装置などに適用することができる。
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、上述したカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とするものである。
なお、カラーフィルタ基板については、上記「A.カラーフィルタ基板」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ基板および対向基板を用いて液晶セルを作製し、減圧下でキャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタ基板の周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタ基板の柱状スペーサで隔てられた領域に、ディスペンサー等を用いて液晶を滴下し、カラーフィルタ基板および対向基板を重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。
[実施例1]
(感光性樹脂組成物の調製)
重合槽中に、メタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌して溶解させた後、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下において、85℃で2時間攪拌し、さらに100℃で1時間反応させた。さらに、得られた溶液に、メタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、ハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、これにより、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に、このようにして得られた共重合樹脂溶液(固形分50%)を、下記の材料とともに室温で攪拌して混合し、感光性樹脂組成物を得た。
・共重合樹脂溶液(固形分50%):16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399):24重量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70):4重量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン:4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:52重量部
次いで、下記の材料を混合し、サンドミルにて十分に分散させることにより、黒色顔料分散液を調製した。
・黒色顔料:23重量部
・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111):2重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル):75重量部
・黒色顔料分散液:61重量部
・上記の感光性樹脂組成物:20重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:30重量部
その後、上記遮光膜を超高圧水銀ランプでパターン露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、200℃で30分間の加熱処理を施すことにより、画素間遮光部、額縁遮光部を形成した。
次に、下記組成の赤色用感光性樹脂組成物、緑色用感光性樹脂組成物、および青色用感光性樹脂組成物を調製した。
・C.I.ピグメントレッド177:10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・上記の感光性樹脂組成物:5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部
<緑色用感光性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン36:10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・上記の感光性樹脂組成物:5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部
<青色用感光性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6:10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・上記の感光性樹脂組成物:5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部
上記着色層が形成された基板上に、上記の感光性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布して乾燥させ、乾燥時の厚み1.2μmの塗膜を形成した。その後、塗膜から100μmの距離のところにフォトマスクを配置し、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて、オーバーコート層を形成すべき領域に紫外線を10秒間照射した。次いで、塗膜が形成された基板を0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、塗膜の未硬化部分のみを除去した。そして、塗膜が形成された基板に200℃で30分間の加熱処理を施して、膜厚1.0μmのオーバーコート層を形成した。この際、表示領域だけでなく非表示領域にもオーバーコート層を形成し、図18(c)および図19に示すようにオーバーコート層9を下地層7の構成要素とした。
上記オーバーコート層が形成された基板上に、上記の感光性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布して乾燥させた。その後、塗膜から100μmの距離のところにフォトマスクを配置し、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて、スペーサを形成すべき領域にのみ紫外線を10秒間照射した。次いで、塗膜が形成された基板を0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、塗膜の未硬化部分のみを除去した。そして、塗膜が形成された基板に200℃で30分間の加熱処理を施して、高さ3.0μmのフォトスペーサを形成した。この際、表示領域内の高さ調整部および下地層が形成されていない部分のオーバーコート層上にフォトスペーサを形成するとともに、図18(c)および図19に示すように下地層7を構成するオーバーコート層9上に突起部8を構成するフォトスペーサ11を形成した。
以上により、カラーフィルタ基板を作製した。
フォトスペーサのガラス基板表面からの高さh1,h2,h3、および、フォトスペーサのカラーフィルタ基板表面からの高さk1,k2,k3を測定した。なお、図19に示すように、フォトスペーサのガラス基板表面からの高さh1,h2,h3は、ガラス基板(基材2)の表面からフォトスペーサ8の頂部までの高さ(距離)である。また、図19に示すように、フォトスペーサのカラーフィルタ基板表面からの高さk1,k2,k3は、高さ調整部6を構成する赤色パターン5Rの直上に形成されたオーバーコート層9の表面からフォトスペーサ11の頂部までの高さ(距離)である。
このとき、各種のフォトスペーサについて、任意の20箇所を測定して、高さの平均値を求めた。結果を下記表1に示す。
上記カラーフィルタ基板上にポリイミド系配向膜を形成して、ラビング処理を施した。また、薄膜トランジスタ素子を備え、透明電極が形成された対向基板を作製し、同様に対向基板上にポリイミド系配向膜を形成して、ラビング処理を施した。配向膜が形成されたカラーフィルタ基板および対向基板を、ラビング処理方向が直交するように対向させ、シール材を介して貼り合わせた後に、注入口から液晶を注入した。液晶の注入は、空セルを減圧下に放置後、注入口を液晶槽に浸漬し、常圧に戻すことにより行なった。液晶の注入後、注入口を封止し、さらに偏光板をカラーフィルタ基板および対向基板の外側に貼付することにより、液晶表示装置を作製した。
大塚電子製 RETS-2000によりセルギャップを測定した。なお、セルギャップは、カラーフィルタ基板表面からのフォトスペーサの突出高さ、すなわちカラーフィルタ基板表面からフォトスペーサの頂部までの距離である。このとき、各領域のセルギャップについて、任意の20箇所を測定して、平均値を求めた。
また、液晶表示装置を0℃環境に24時間放置した後に、透過照明付き偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察したところ、異常は見られなかった。
これらの結果を下記表1に示す。
高さ調整部間の間隔を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
液晶表示装置を0℃環境に24時間放置した後に、透過照明付き偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察したところ、透過光の見えない気泡状箇所が確認された。
高さ調整部間の間隔を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
液晶表示装置を0℃環境に24時間放置した後に、透過照明付き偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察したところ、実施例1と同様に、異常は見られなかった。
実施例1において、高さ調整部を構成する赤色パターン、および、下地層を構成する緑色パターンを形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
液晶表示装置を0℃環境に24時間放置した後に、透過照明付き偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察したところ、透過光の見えない気泡状箇所が確認された。
2 … 基材
3,5S … 遮光部
4 … 着色層
4R,5R … 赤色パターン
4G,5G … 緑色パターン
4B,5B … 青色パターン
6,6a,6b,6c,6d … 高さ調整部
7,7a,7b … 下地層
8,8a,8b … 突起部
10 … 液晶表示装置
Claims (3)
- 基材と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記基材上の前記遮光部の開口部に形成され、3色以上の着色パターンからなる着色層と、前記基材上に所定の間隔をおいて形成された複数の高さ調整部と、前記基材上の隣接する前記高さ調整部間に形成された下地層と、前記高さ調整部間の下地層上に形成された突起部とを有し、
前記突起部が、間隔の異なる前記高さ調整部間にそれぞれ形成された前記下地層上に形成され、前記間隔に応じて前記基材表面からの高さが異なる2種以上のものからなり、
前記高さ調整部が、前記3色以上の着色パターンのうちの1色の着色パターンまたは前記遮光部から構成され、前記下地層が、前記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成され、前記突起部が、前記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されていることを特徴とするカラーフィルタ基板。 - 前記下地層が前記高さ調整部上に形成され、前記高さ調整部上の下地層上に前記突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
- 請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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