JP4468032B2 - 位相差制御基板およびその製造方法 - Google Patents

位相差制御基板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4468032B2
JP4468032B2 JP2004081871A JP2004081871A JP4468032B2 JP 4468032 B2 JP4468032 B2 JP 4468032B2 JP 2004081871 A JP2004081871 A JP 2004081871A JP 2004081871 A JP2004081871 A JP 2004081871A JP 4468032 B2 JP4468032 B2 JP 4468032B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alignment film
substrate
hydrophobic
phase difference
hydrophilic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004081871A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005266629A (ja
Inventor
徳久 守谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2004081871A priority Critical patent/JP4468032B2/ja
Publication of JP2005266629A publication Critical patent/JP2005266629A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4468032B2 publication Critical patent/JP4468032B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、親水性領域と疎水性領域とで構成された微細パターンを有する配向膜を利用して構成された位相差制御基板と、疎水性から親水性に変化する性質を有する材料を用いて配向膜を形成することを含む位相差制御基板の製造方法に関する。
位相差制御機能を有する光学部材は、ポリカーボネート等の高分子フィルムを延伸加工することにより、あるいは、配向性のある基材に液晶材料を塗布、固化させて得ることができる。このような位相差制御機能を有する光学部材は、特に液晶ディスプレイの視野角を向上させる目的で重要性が高い。
通常の液晶ディスプレイにおいては2枚の偏光板をクロスニコルの状態に組み合わせて用いている。クロスニコルの状態においては、偏光板の垂線方向から観察した場合、黒状態となるが、一組の偏光板の吸収軸間で観察角度を鉛直方向から変化させると光漏れが生じる。この斜め方向から観察した際の光漏れは、液晶ディスプレイの視野角特性を大きく悪化させるので、すべての方向から観察しても光漏れが生じない偏光板が望まれており、例えば、2枚の位相差制御機能層を上記の2枚の偏光板の間に設けて、光漏れを緩和する手法が提案されている。(非特許文献1)。
液晶材料を用いて正のCプレートを形成する場合には、正の複屈折異方性を有する液晶分子を基板に対して垂直方向に配向させる必要性があり、垂直配向モードLCDにおけるように、垂直配向処理を施した2枚の基板によって液晶材料を挟持すれば、正のCプレートを形成出来る。(特許文献1)
また、垂直配向処理を施した基板上に直接、液晶材料を塗布して正のCプレートを形成することも可能である。(特許文献2)。
J.Chen et al.:SID ’98 Digest(1998), p315. 特開平6−148429。 特開平10−319408。
上記の非特許文献1に提案された手法によれば、光軸が層面に対して垂直である正のCプレートと、光軸が層面内にある正のAプレートとを組み合わせることにより、斜め方向からの光漏れが大幅に軽減できるが、正のCプレートは、光学異常軸が層面に対して垂直であるため、従来の高分子フィルムを延伸する手法では製造が難しかった。
また、特許文献1に記載された手法によると、2枚の基板を要するため、厚みや重量の点で好ましくなく、もちろん、2枚の基板間で液晶材料を固化させた後、一方の基板を剥離する手法も考えられるが、剥離工程が加わるために製造工程が頻雑化し、歩留まりの低下を招く問題もある。
さらに、特許文献2に記載された手法によると、垂直配向処理を施した面はその表面エネルギーが非常に小さいため、液晶材料を塗布する際にはじかれて、塗膜が円滑に形成できない問題があり、この塗布の際にはじかれる問題は、負の複屈折異方性を有する液晶材料を用いて、負のAプレートを形成する際にも同様に生じる。
従って、本発明においては、液晶材料を配向処理面に塗布する際にはじかれることにより液晶の塗膜が不均一となることを防止し、平滑な液晶の塗膜が形成された位相差制御板を提供することを課題とするものである。また、本発明においては、配向膜形成のために同一の素材を用いながら、部分的に親水性領域を形成して、その上に形成する位相差制御層の均一性を高める方法を提供することも課題とするものである。
第1の発明は、基板上に疎水性領域と親水性領域とで構成された微細パターンを有する配向膜が積層され、前記配向膜上に配向を維持したまま重合または固化した液晶性高分子からなる位相差制御層が積層されていることを特徴とする位相差制御基板に関するものである。
第2の発明は、第1の発明において、前記液晶性高分子が、前記配向膜の前記疎水性領域上では垂直配向しており、前記配向膜の前記親水性領域上では水平配向していることを特徴とする位相差制御基板に関するものである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記配向膜はフッ素系シリコーンもしくはポリイミド樹脂で構成されていることを特徴とする位相差制御基板に関するものである。
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記疎水性領域がディスプレイの表示画面に対応しており、前記親水性領域が前記表示画面の外側に対応していることを特徴とする位相差制御基板に関するものである。
第5の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記疎水性領域がディスプレイの各画素に対応しており、前記親水性領域が前記各画素どうしの境界部に対応していることを特徴とする位相差制御基板に関するものである。
第6の発明は、第1〜第5いずれかの発明において、前記基板と前記配向膜との間にカラーフィルタ層が積層されていることを特徴とする位相差制御基板に関するものである。
第7の発明は、第1〜第6いずれかの発明において、前記基板と前記配向膜との間にブラックマトリックスが積層されており、前記親水性領域が前記ブラックマトリックスに対応していることを特徴とする位相差制御基板に関するものである。
第8の発明は、第1〜第7いずれかの発明の位相差制御基板を観察側に有することを特徴とするディスプレイに関するものである。
第9の発明は、基板上に、露光により、疎水性から親水性に変化する性質を有する配向膜を形成した後、前記配向膜に対してパターン状に光線を照射することにより、前記配向膜に疎水性領域と親水性領域とで構成された微細パターンを形成し、微細パターンを形成した後、前記配向膜上に液晶性高分子層形成用組成物の層を積層し、積層後に配向させ、配向後、固化させることを特徴とする位相差制御基板の製造方法に関するものである。
第1の発明によれば、配向膜が親水性領域と疎水性領域とで構成された微細パターンを有することにより、その上の全面に均一性の高い位相差制御層が形成された位相差制御基板を提供することができる。

第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、配向膜が有する両領域に合せて、液晶が垂直配向もしくは水平配向した位相差制御層を有する位相差制御基板を提供することができる。
第3の発明によれば、第1または第2の発明の効果に加えて、配向膜を構成する素材を特定したことにより、配向性が高く、また、露光による親水性化が容易であるため、位相差制御層の均一性がより高い位相差制御基板を提供することができる。
第4の発明によれば、第1〜第3いずれかの発明の効果に加えて、ディスプレイの表示画面に対応した均一性の高い疎水性領域が形成された、位相差制御基板を提供することができる。
第5の発明によれば、第1〜第3いずれかの発明の効果に加えて、疎水性領域と親水性領域とを、おのおの、ディスプレイの各画素および各画素間の境界部とに対応させたので、位相差制御層の垂直配向した部分を優先的に利用でき、従って、ディスプレイの全面に配置した際に、位相差制御機能の高い位相差制御基板を提供することができる。
第6の発明によれば、第1〜第5いずれかの発明の効果に加えて、カラーフィルタ層が積層されていることにより、ディスプレイに配置して表示をカラー化することが可能な位相差制御基板を提供することができる。
第7の発明によれば、第1〜第6いずれかの発明の効果に加えて、ブラックマトリックスが積層されていることにより、ディスプレイに配置してカラー表示を行なわせる際の画像のコントラストを高くすることが可能な位相差制御基板を提供することができる。
第8の発明によれば、第1〜第7いずれかの発明の位相差制御基板の効果が発揮されたディスプレイを提供することができる。
第9の発明によれば、露光により疎水性から親水性に変化する性質を有する配向膜を形成して利用することにより、均一でムラの無い位相差制御層を形成することが可能な位相差制御基板を提供することができる。
図1は本発明の位相差制御基板を概念的に示す図である。図2および図3は、本発明の位相差制御基板を製造する際の配向膜に疎水性領域と親水性領域とからなる微細パターンを形成する工程を説明するための図である。図4は、疎水性配向膜が露光により親水化する機構を示す図である。
図1(a)に示すように、本発明の位相差制御基板1は、基板2上に配向膜3、および位相差制御層4が順に積層された積層構造を有するものである。配向膜3は、疎水性領域3Aおよび親水性領域3Bとで構成された微細パターンを有している。図1(a)に示す例では、配向膜3の大部分の面積を疎水性領域3Aが占め、親水性領域3Bは狭い帯状の形状を有して、親水性領域の幅方向に等しい間隔で配置されて微細パターンが構成されている。
位相差制御層4は配向した液晶性高分子で構成されたもので、液晶性高分子の配向状態は配向膜3の疎水性領域3A上および親水性領域3B上とで異なっており、疎水性領域3A上において液晶性高分子は垂直配向しており、親水性領域3B上において液晶性高分子は水平配向している。
配向膜3が有する微細パターンは、図1(b)に示すように、配向膜3の大部分の面積を疎水性領域3Aが占め、親水性領域3Bは幅を持った線で4辺が構成された四角形の形状を有して、互いに狭い間隔を有して配置されて構成されたものであってもよい。このような形状の微細パターンを有する配向膜3上の位相差制御層4においても、疎水性領域3A上において液晶性高分子は垂直配向しており、親水性領域3B上において液晶性高分子は水平配向している。
なお、疎水性領域がディスプレイの表示画面の全体に対応しており、親水性領域が表示画面の外側に対応していてもよく、この場合、疎水性領域は、ディスプレイを構成する各画素の集合体に対応しており、疎水性領域の外形は必ずしも微細パターンではない。疎水性領域および親水性領域とディスプレイとがこのような構成をとるときは、ディスプレイの表示画面に対応した均一性の高い疎水性領域を形成するのに適している。
従って本発明においては、疎水性である配向膜の少なくとも一部に親水性領域を有しているので、このような配向膜上に通常ならはじかれやすい塗料を塗布しても、塗布された塗料は親水性領域上においてはじかれずに留まると同時に、疎水性領域においても隣接する親水性領域の作用により、塗料がはじかれない。このような親水性領域と疎水性領域の混在による塗料のはじきの防止効果は、親水性領域および疎水性領域が微細であればあるほど高い。従って、このことを利用して、大半は疎水性領域でありながら、微細な間隔で親水性領域を設けた表面を準備すれば、疎水性の表面上であっても、塗料がはじかれることが無く、塗装を行なうことが可能になる。
なお、厳密な意味では、液晶材料で構成する位相差制御層の場合、親水性領域では、位相差制御機能が若干低下する傾向を有するが、ディスプレイの全面に配置して使用する位相差制御基板の場合、親水性領域をディスプレイの各画素の境界と一致させることにより、親水性領域上での位相差制御機能の低下を実質的に回避することができ、通常、ディスプレイの各画素の境界に位置するブラックマトリックスと、配向膜3の親水性領域とを一致させるとよい。
疎水性の表面に対し、塗料がはじかれること無く塗装できる利点は、液晶材料を疎水性の配向膜上に塗布する際に特に有効であり、疎水性領域上およびその近傍も含め、液晶分子が垂直配向した正のCプレート、もしくは疎水性領域で液晶分子が水平配向した負のAプレートをムラ無く形成できる、極めて有用性の高い効果が生じる。
配向膜3が有する微細パターンは、図1(a)を引用して説明したように親水性領域3Bがストライプ状(縞状)に並んだもの、および、図1(b)を引用して説明したように四角形の4辺をなす親水性領域3Bが等間隔に配置されたものに限ることなく、いかなるものであってもよい。例えば、親水性領域3Bは、ストライプが縦横に交差した格子状のものであってもよいし、幅を持った線で各辺が構成された四角形以外の多角形の形状を有して、互いに狭い間隔を有して配置されたか、もしくは密接して配置されたものであってもよい。ただ、配向膜3の微細パターンを利用して、位相差制御層4をムラなく形成する観点では、親水性領域3Bがストライプ状、もしくは格子状の形状であるか、または、四角形が縦横に整列し、縦横の少なくともいずれかの送り方向と四角形の一組の対辺が平行またはほぼ平行であるような形状であることが好ましく、液晶以外のはじかれやすい塗料を用いる場合も同様である。
以上の説明においては、図1に示されるように、疎水性領域3Aが配向膜3に占める割合が高いものを念頭に説明したが、逆に、親水性領域が配向膜3に占める割合が高いものであってもよい。
本発明の位相差制御基板1を構成する基板2、配向膜3、配向膜3の疎水性領域3Aおよび親水性領域3B、位相差制御層4の各々を構成する素材、および形成方法について、以降に説明する。
基板2は、ガラス、シリコン、もしくは石英等の無機基材か、次に列挙するような有機基材から構成することができる。有機基材としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるものを挙げることができるが、一般的なプラスチックからなるものも使用可能である。基板の厚みには、特に限定は無いが、用途に応じ、例えば、5μm〜1mm程度のものが使用される。
配向膜3は、疎水性領域3Aと親水性領域3Bとで構成された微細パターンを有するものである。配向膜3の疎水性領域3Aは正の複屈折異方性を有する液晶分子のダイレクタ(ダイレクタ;巨視的な分子の配向方向の意味)を、基板2の法線方向に配向させるものであるか、もしくは負の複屈折異方性を有する液晶分子のダイレクタを、基板2に沿った水平方向に配向させる作用を有する領域である。これに対し、配向膜の親水性領域3Bは、疎水性領域3Aとは反対の作用を有する領域である。また、これらの作用とは別に、疎水性領域3Aは、その上に適用されたインキ等をはじき、疎水性領域3Bは、インキ等の濡れ性が良好である。配向膜の厚さについては特に限定されないが、例えば10nm〜100nmであることが好ましい。
本発明においては、配向膜3の親水性領域3Bは、配向膜3の元来、疎水性であった部分を親水性としたものであることが好ましく、好ましくは、フッ素系シリコーン樹脂もしくはポリイミド樹脂等の疎水性樹脂を用いて形成された疎水性配向膜の一部を親水性とすることにより、形成することができる。
上記のフッ素系シリコーン樹脂としては、例えば、東芝シリコーン(株)製等の撥水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂等の市販の感光性樹脂を例示することができ、このほか、信越化学工業(株)製のLS−1090やアズマックス(株)製のCas.No.101947−16−4等を挙げることができる。また垂直配向膜形成用のポリイミド樹脂としては、JSR(株)製のJALS−688、日産化学工業(株)製のSE−1211、同SE−7511L等の市販の感光性樹脂を例示することができる。これらの素材は配向性が高いため、好適に利用できる。
疎水性領域3Aの幅W(A)と親水性領域Bの幅W(B)については、特に限定する必要はなく、疎水性領域3Aおよび親水性領域3Bからなる微細パターンを有する配向膜3全体に渡って、液晶(後述する電離放射線重合性液晶組成物)が円滑に塗布可能であることが好ましい。疎水性領域3Aの幅W(A)と親水性領域Bの幅W(B)の好ましい一例として、本発明の位相差制基板1が基板2と配向膜3との間にブラックマトリックスおよびカラーフィルタ層を伴なう場合、親水性領域3Bの形状は、ブラックマトリックスの形状と一致していることが好ましく、この場合、疎水性領域3Aの幅W(A)は、一例として70〜90μm程度であり、親水性領域Bの幅W(B)は10〜30μm程度とすることが好ましいが、このような微細パターンを有する配向膜3上への液晶の塗布は円滑に行なえ、塗布ムラが生じない。
配向膜3の疎水性領域3Aおよび親水性領域3Bを形成する第1の方法および第2の方法を、図2および図3を引用して次に説明する。
第1の方法は、図2(a)の下半分に示すように、基板2上に疎水性配向膜3が積層された疎水性基板5と、図2(a)の上半分に示すように、マスク基板12上にマスクパターン13および光触媒層14が順に積層された光触媒層付きマスク基板6とを準備し、両基板5および6を、疎水性配向膜3と光触媒層14とが向かい合うように重ねた後、光触媒層付きマスク基板6側より紫外線15等を用いて露光し、疎水性配向膜3の表面に親水性領域3Bを生じさせるものである。
基板2上への疎水性配向膜3の積層は、上述した疎水性配向膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂もしくはポリイミド樹脂等を、水もしくは溶剤を用いて分散もしくは溶解して得られる塗工用組成物を用い、スピンコート等の適宜な塗布手段もしくは各種の印刷手段を利用して基板2の全面に適用し、乾燥等により固化させることにより行なうことができる。
光触媒層付きマスク基板6は、ガラス基板もしくは石英ガラス基板等のマスク基板12上にクロム等の金属薄膜が積層されたマスクブランクを、フォトエッチング等により、金属薄膜をパターン化して得られるマスクパターンの上に、光触媒層14を積層することにより得られたものである。
光触媒層14は、光触媒、好ましくは二酸化チタンの単独、もしくは適宜なバインダー中に光触媒が含有したものである。二酸化チタンとしてはアナタ−ゼ型のものが好ましく、バインダー中に20〜40%(質量基準)の割合で含有させたものが好ましい。二酸化チタンの平均粒径は、5〜20μm程度であることが好ましい。なお、二酸化チタンの代わりに、ZnOなどを光触媒として用いることもできる。例えば、加水分解および脱水縮合の後、焼成により二酸化チタンを生じるチタン無機塩もしくは有機チタン化合物を用いて、またはオルガノポリシロキサンをバインダとして用い、分散液を作製して用い、塗布後、加水分解および脱水縮合の後、焼成により光触媒層14を形成することができる。
かくして準備された疎水性基板5および光触媒層付きマスク基板6の両基板を、疎水性配向膜3と光触媒層14とが向かい合うよう互いに密着させるか、より好ましくは、疎水性配向膜3と光触媒層14との間隔をおよそ5〜20nmの間隔となるように配置する。この理由は、光触媒反応により生じた活性酸素種等をその隙間に容易に発生させ、作用させることができる間隔であることが好ましい。
互いに密着させた、もしくはごく狭い間隔をあけて配置した両基板の光触媒層付き基板6側より光、好ましくは紫外線15を用いて露光を行ない(図2(b))、露光部において親水性領域3Bを生じさせ、残る未露光部を疎水性領域3Aとして残すことにより、マスクパターンに応じた親水性領域3Bおよび疎水性領域3Aとを形成する(図2(c))。露光により光触媒層14に光、例えば波長が380nm以下の紫外線15が照射されることにより、光触媒層14の光触媒粒子内で光電気化学反応が起こり、露光された疎水性配向膜3を酸化還元させることができ、この結果、疎水性配向膜3の一部を親水性領域3Bに変化させることができるものと考えられている。
第2の方法は、図3(a)の下半分に示すように、基板2上に光触媒を含有する疎水性配向膜3’が積層され疎水性基板5’と、図3(a)の上半分に示すように、マスク基板12上にマスクパターン13が積層されたマスク基板6’とを準備し、両者を重ねた後、マスク基板6’側より露光して、疎水性配向膜3’の表面に親水性領域3Bを生じさせるものである。
第2の方法で用いるマスク基板6’は、第1の方法で用いた光触媒付き基板6から光触媒層14を除いた通常のフォトマスクの構造を有している。また、第2の方法で用いる疎水性基板5’の疎水性配向膜3’は、第1の方法で用いた疎水性基板5の疎水性配向膜3中に光触媒を含有するものであって、用いる光触媒そのものは、第1の方法における光触媒層付きマスク基板6の光触媒層14を構成するためのものと同じであり、疎水性配向膜3’の形成は、第1の方法における疎水性配向膜3の形成と同様にして、ただし、形成に用いる塗工用組成物として、光触媒をさらに配合したものを用いて行なうことができる。
かくして準備された疎水性基板5’およびマスク基板6’の両基板を、疎水性配向膜3’とマスクパターン13とが向かい合うよう互いに密着させるか、より好ましくは、疎水性配向膜3’とマスクパターン13との間隔をおよそ5〜20nmの間隔となるように配置し、マスク基板6’側から露光を行ない(図3(b))、露光部において親水性領域3Bを生じさせることにより、マスクパターンに応じた親水性領域3Bおよび疎水性領域3Aとを形成する(図3(c))。
上記の2つの方法におけるように、疎水性配向膜が露光により親水化する機構は次のようであると考えられる。まず、図4に示すように、光触媒反応により活性酸素種等が2枚の基板の間に発生する。活性酸素種等としては、光触媒粒子内での光電気化学反応に基づいて生じる活性酸素または活性水酸基が挙げられる。これらの活性酸素種等は図4(a)に示すように、ポリシロキサンの側鎖(例えばアルキル側鎖)にアタックし(とがった鋸刃状形状の先端がアタックする位置を示す。)、アタックされた部分の側鎖の結合が切断されると、その側鎖が切断された部分にアタックした活性酸素種等が入れ替わって結合する。この結果、図4(b)に示すように親水基(−OH)が生じる。
上記の2つの方法のいずれによっても、配向膜3に疎水性領域3Aおよび親水性領域3Bからなる微細パターンを形成し得るが、得られる配向膜3に光触媒が残留して反応性が残る点、光触媒が配向膜3の透明性を低下させる点で、第1の方法がより好ましい。
配向膜に疎水性領域と親水性領域とで構成された微細パターンを形成した後、配向膜上に液晶材料を適用し、適用後に配向させ、配向後に固化させる。
塗布する液晶材料としては、液晶性高分子が好適に用いられる。本明細書における液晶性高分子とは、液晶状態が室温において固定化されたものを指し、例えば、分子構造中に重合性基を有する液晶性モノマーを架橋させて、架橋前の光学的異方性を保持したまま硬化させたもの、もしくはガラス転移温度を有し、ガラス転移温度以上に加熱すると液晶相を示し、その後、ガラス転移温度以下に冷却することにより、液晶組織を凍結することができる高分子型の液晶を指す。
本発明の位相差制御基板1の位相差制御層4を構成するための液晶材料としては、正の複屈折異方性を有する液晶材料としては棒状構造を有するネマチック液晶が、また、負の複屈折異方性を有する液晶材料としては円盤状構造を有するディスコティック液晶を用いることができる。これらの液晶材料としては、配向状態を保持したまま硬化させることが可能である点で、紫外線や電子線等の電離放射線の照射により重合して硬化する、重合性の液晶、特に重合性液晶モノマーであるものを用いることが好ましく、例えば、重合性液晶モノマーに重合開始剤を配合した電離放射線重合性液晶組成物、例えば光重合性液晶組成物を対象面に塗布し、塗布後に配向処理を施し、さらに電離放射線露光、例えば紫外線露光を行なうことにより、配向状態を保持したまま硬化させることができる。
重合性液晶モノマーとしては、例えば特表平10−508882号に開示されているような、また、重合性キラル剤として、例えば特開平7−258638号に開示されているような公知のものを使用することができるが、より具体的には、重合性液晶モノマーとしては、下記式(1)〜式(11)に示すようなものが、また、重合性キラル剤としては、下記式(12)〜式(14)に示すようなものを好ましく例示することができる。
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
Figure 0004468032
上記各式の表記において、「式11」〜「式14」中のいずれもメチレン基の数(アルキレン基の鎖長)を示すa〜eはいずれも整数であって、まず、a、bが、各々個別に2〜12であり、より好ましくは4〜10、特に好ましくは6〜9であり、c、dはいずれも2〜12であり、より好ましくは4〜10であり、特に好ましくは6〜9であり、さらにeは2〜5である。また、「式12」および「式13」中のYは、「化15」および「化16」に示す「式i」〜「式xxiv」のいずれかであって、より好ましくは「式i」、「式ii」、「式iii」、「式v」、もしくは「式vii」のいずれかである。
位相差制御層4を形成するには、上記のような電離放射線重合性液晶組成物、例えば光重合性液晶組成物を用い、必要に応じて溶剤で溶解もしくは希釈し、スピンコーティング法、ダイコーティング、スリットコーティング、もしくはその他の適宜な方法により、疎水性領域3Aと親水性領域3Bとからなる微細パターンを有する配向膜3層上に塗布を行ない、塗布後、液晶相が発現する温度に昇温させて配向させてから、電離放射線、例えば紫外線を照射して重合させることにより行なう。
なお、本発明の位相差制御基板1をディスプレイに適用する際、位相差制御層4は、ディスプレイの表示画面のサイズ内にあれば足りるので、位相差制御層4を形成する際の上記の電離放射線の露光を、ディスプレイの表示画面のサイズに相当する箇所のみに行ない、現像を行なえば、ディスプレイの表示画面のサイズに相当する箇所のみに位相差制御層4を形成し、ディスプレイの表示画面のサイズに相当する箇所以外には、位相差制御層4を形成しないでおくことができる。このようにして、基板2の周縁部に位相差制御層4の無い余白を残すことにより、本発明の位相差制御基板1を、例えば液晶ディスプレイの液晶層をはさむ一方の基板として使用する際に、基板どうしのシールを行なうためにシール材が適用される部分の基板を露出させることができ、シールを確実に行なえる利点が生じる。
本発明における位相差制御基板1には、カラーフィルタ層が積層されていてもよく、さらにカラーフィルタ層は、基板との間にブラックマトリックスを伴なっていてもよい。なお、カラーフィルタ層は、位相差制御層4と基板2の間に積層されていることに限定されず、位相差制御層4の基板2側とは反対側に積層されていてもよい。
これらのうちブラックマトリックスは、黒色着色剤を含有する塗料タイプの樹脂組成物を一面に適用して、一旦固化させた後、フォトレジストを適用して所定のパターンとするか、もしくは、黒色着色剤を含有する塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、塗布、パターン状露光および現像を行なうことにより形成することができ、従って、黒色着色剤を含有する樹脂組成物から構成することができる。
あるいは、ブラックマトリックスは、CrOx/Cr(xは任意の数、「/」は積層を表す。)の積層構造からなる2層クロムブラックマトリックス、あるいはさらに反射率を低減させたCrOx/CrNy/Cr(x,yは任意の数)の積層構造からなる3層クロムブラックマトリックス等を、蒸着、イオンプレーティング、もしくはスパッタリング等の各種の方法で必要に応じ金属、金属酸化物、もしくは金属窒化物等の薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法を利用してパターン化する方法、無電界メッキ法、もしくは黒色のインキ組成物を用いた印刷法等を利用しても形成することができる。ブラックマトリックスの厚みは、薄膜で形成する場合には、0.2μm〜0.4μm程度であり、印刷法によるときは0.5μm〜2μm程度である。
また、カラーフィルタ層の各色パターンは、ブラックマトリックスの開孔部毎に設けたものであってもよいが、便宜的には、帯状に設けたものであってよい。カラーフィルタ層は着色剤が溶解もしくは分散された、好ましくは微細顔料が分散された樹脂組成物から構成され、その形成は、所定の色に着色したインキ組成物を調製して、各色パターン毎に印刷することによって行なってもよいが、所定の色の着色剤を含有した塗料タイプの感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法によって行なうのがより好ましい。カラーフィルタ層の厚みは、1μm〜5μm程度である。
カラーフィルタ層の形成
基板上に形成するブラックマトリックスおよびカラーフィルタ層の各色パターンを形成するための各感光性樹脂組成物(以降においてフォトレジストと称する。)を調製した。各フォトレジストは、顔料、分散剤、および溶媒にビーズを加え、ペイントシェーカーを分散機として用い、3時間分散させた後、ビーズを取り除いて得られた分散液と、ポリマー、モノマー、添加剤、開示剤および溶剤からなるレジスト組成物とを混合することにより調製した。各フォトレジストの組成は下記に示す通りで、部数はいずれも質量基準である。
ブラックマトリックス形成用フォトレジスト
・黒顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.0部
(大日精化工業(株)製、TMブラック#9550)
・分散剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.2部
(ビックケミー(株)製、ディスパービック111)
・ポリマー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.8部
(昭和高分子(株)製、(メタ)アクリル系樹脂、品番;VR60)
・モノマー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.5部
(サートマー(株)製、多官能アクリレート、品番;SR399)
・添加剤(分散性改良剤)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.7部
(綜研化学(株)製、ケミトリーL−20)
・開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.6部
(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
・開始剤(4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン)・・・・・・・・・・0.3部
・開始剤(2,4−ジエチルチオキサントン)・・・・・・・・・・・・・・0.1部
・溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル)・・・・・・・・・・・75.8部
赤色パターン形成用フォトレジスト
・赤色顔料(C.I.PR254)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.5部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、クロモフタールDPP Red BP)
・黄色顔料(C.I.PY139)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.6部
(BASF社製、パリオトールイエローD1819))
・分散剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・ポリマー1(下記)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部
・モノマー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.0部
(サートマー(株)製、多官能アクリレート、品番;SR399)
・開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.4部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)
・開始剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.6部
(2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール)
・溶剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80.0部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
なお、ポリマー1は、ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500であり、以降においても同じである。
緑色パターン形成用フォトレジスト
上記の赤色パターン形成用フォトレジストにおける赤色顔料および黄色顔料に替えて、顔料として下記のものを下記の配合量で用いた。
・緑色顔料(C.I.PG7)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.7部
(大日精化製セイカファストグリーン5316P))
・黄色顔料(C.I.PY139)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.3部
(BASF社製、パリオトールイエローD1819)
青色パターン形成用フォトレジスト
上記の赤色パターン形成用フォトレジストにおける赤色顔料、黄色顔料、および分散剤に替えて、下記のものを下記の配合量で用いた。
・青色顔料(C.I.PB15:6)・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.6部
(BASF社製ヘリオゲンブルーL6700F))
・紫色顔料(C.I.PV23)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.4部
(クラリアント社製、フォスタパームRL−NF)
・顔料誘導体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.6部
(ゼネカ(株)製ソルスパース12000)
・分散剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.4部
(ゼネカ(株)製ソルスパース24000)
基板として、厚みが0.7mmの溶融成形ホウケイ酸薄板ガラス(米国コーニング社製、品番;7059)を準備し、洗浄を行なった後、基板上にブラックマトリックス形成用フォトレジストを、スピンコート法により塗布し、塗布後、温度;90℃、および加熱時間;3分間の条件でプリベークを行ない、プリベーク後、所定のパターンを介し、照射線量が100mJ/cm2になるよう紫外線露光を行ない、露光後、0.05%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒間行なった後、温度;200℃、および加熱時間;30分間の条件でポストベークを行ない、画素に相当する開孔部を有する厚みが1.2μmのブラックマトリックスを形成した。
次に、基板上にブラックマトリックスが形成された上に、赤色パターン形成用フォトレジストをスピンコート法により塗布し、温度;80℃、および加熱時間;5分間の条件でプリベークを行なった後、所定のパターンを介し、紫外線光源による照射線量が300mJ/cm2になるようアライメント露光を行ない、露光後、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒間行なった後、温度;200℃、および加熱時間;60分間の条件でポストベークを行ない、ブラックマトリックスの所定の開孔部に相当する位置に、厚みが2.6μmの赤色パターンを形成した。
続いて、上記の赤色パターンの形成工程と同様にして、緑色パターン形成用フォトレジストを用いて厚みが2.6μmの緑色パターンを、また、その後、青色パターン形成用フォトレジストを用いて厚みが2.6μmの青色パターンを、赤色、緑色、および青色の各色パターンをブラックマトリックスの異なる開孔部に相当する位置に配列するよう形成し、赤色、緑色、および青色の三色のパターンが配列したカラーフィルタ層を形成した。
配向膜の形成(疎水性領域および親水性領域の形成)
形成されたカラーフィルタ層上に、テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン(株)製、品名;TSL8114)5g、フルオロアルキルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、品名;TSL8223)1.5g、および0.005NのHCl(水溶液)2.36gからなる溶液を20℃の温度で24時間攪拌して得られた溶液をイソプロピルアルコールで100倍(質量基準)に希釈した希釈液を用いてスピンコート法により塗布し、塗布後、150℃の温度で10分間加熱して乾燥させ、疎水性の薄膜を形成した。
形成された薄膜上に、光触媒層を表面に有するフォトマスクを、光触媒層が薄膜側になるようにして重ね、フォトマスクの背面側より、波長が200nm〜370nmの紫外線を照射することによりパターン露光を行なった。このパターン露光により、未露光部が疎水性のままであり、露光部が疎水性から親水性に変化した結果、フォトマスクのパターンに応じた親水性領域と疎水性領域とからなるパターンが形成された。
上記のパターン露光に用いたフォトマスクは、石英ガラス基板の片面に、クロム製のマスクパターンを形成し、マスクパターン上にシラン系化合物(GE東芝シリコーン(株)製、品名;TSL8114)の水溶液を塗布し、塗布後、150℃の温度で10分間加熱して乾燥させ、乾燥後、さらにその上にアナターゼ型二酸化チタン粒子を光触媒として含む分散液を塗布し、塗布後、150℃の温度で10分間加熱して乾燥させて作成した、表面に光触媒含有層を有するものである。光触媒含有層全体に占める光触媒の割合は、約30%である。また、マスクパターンとしては、先に形成したブラックマトリックスの黒線部のパターンに相当する部分が透過部となったものを用いたので、形成された親水領域のパターンはブラックマトリックスの黒線部のパターンに一致し、また、疎水性領域のパターンはブラックマトリックスの開口部、即ち、カラーフィルタの各色パターンに一致するものとなる。
位相差層の形成
位相差制御層を形成するための感光性樹脂組成物(光重合性液晶組成物)(A)を調製した。感光性樹脂組成物(A)としては、中央部にメソゲン、および両端に重合可能なアクリレート基を有し、中央部のメソゲンと両端のアクリレート基との間にスペーサを有する液晶材を75部、光重合開始材(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184を使用。)を1部、および溶剤としてトルエン25部を混合し調製した。
得られた感光性樹脂組成物(A)をスピンコート法により配向膜上に塗布し、塗布後、基板ごとホットプレート上に載せ、温度;100℃、および加熱時間;5分間の条件で加熱して、溶剤を除去し、乾燥塗膜を得ると共に塗膜中の液晶材を配向させた。
上記の乾燥塗膜に、波長;365nmの紫外線を用い、照射線量が10J/cm2になるよう、マスクを介してパターン露光を行ない、露光後、メタノールを現像液とする現像を行なって、表示エリア以外に設けられた乾燥塗膜を除去し、表示エリア内に位相差制御層を形成した。パターン露光の際のマスクとしては、先に形成したブラックマトリックスの開口部に相当する部分が透過部となっており、かつ、ブラックマトリックスの黒線部の相当する部分および表示エリア外に相当する部分が遮光部となったものを用いた。形成された位相差制御層のカラーフィルタの各色パターン上では、液晶の分子は基板に対して垂直に配向しており、またブラックマトリクス上では水平に配向していることがわかった。また、上記の感光性樹脂組成物(光重合性液晶組成物)は、はじかれることなく製膜することが可能であった。
本発明の位相差制御基板を概念的に示す図である。 疎水性領域と親水性領域を形成する工程を説明するための図である。 疎水性領域と親水性領域を形成する別の工程を説明するための図である。 疎水性配向膜が露光により親水化する機構を示す図である。
符号の説明
1……位相差制御基板
2……基板
3……配向膜(3A;疎水性領域、3B;親水性領域)
4……位相差制御層
5……疎水性基板(5’;(光触媒含有)疎水性配向膜)
6……光触媒層付きマスク基板(6’;マスク基板)
12……マスク基板
13……マスクパターン
14……光触媒層
15……紫外線

Claims (9)

  1. 基板上に疎水性領域と親水性領域とで構成された微細パターンを有する配向膜と、前記配向膜上の全面に、配向を維持したまま重合または固化した液晶性高分子からなる位相差制御層順に積層されていることを特徴とする位相差制御基板。
  2. 前記液晶性高分子が、前記配向膜の前記疎水性領域上では垂直配向しており、前記配向記親水性領域上では水平配向していることを特徴とする請求項1記載の位相差制御基板。
  3. 前記配向膜はフッ素系シリコーンもしくはポリイミド樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の位相差制御基板。
  4. 前記疎水性領域がディスプレイの表示画面に対応しており、前記親水性領域が前記表示画面の外側に対応していることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか記載の位相差制御基板。
  5. 前記疎水性領域がディスプレイの各画素に対応しており、前記親水性領域が前記各画素どうしの境界部に対応していることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか記載の位相差制御基板。
  6. 前記基板と前記配向膜との間にカラーフィルタ層が積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか記載の位相差制御基板。
  7. 前記基板と前記配向膜との間にブラックマトリックスが積層されており、前記親水性領域が前記ブラックマトリックスに対応していることを特徴とする請求項1〜請求項6いずれか記載の位相差制御基板。
  8. 請求項1〜請求項7いずれか記載の位相差制御基板を観察側に有することを特徴とするディスプレイ。
  9. 基板上に、露光により、疎水性から親水性に変化する性質を有する配向膜を形成した後、前記配向膜に対してパターン状に光線を照射することにより、前記配向膜に疎水性領域と親水性領域とで構成された微細パターンを形成し、微細パターンを形成した後、前記配向膜上に液晶性高分子層形成用組成物の層を積層し、積層後に配向させ、配向後、固化させることを特徴とする位相差制御基板の製造方法。
JP2004081871A 2004-03-22 2004-03-22 位相差制御基板およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4468032B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004081871A JP4468032B2 (ja) 2004-03-22 2004-03-22 位相差制御基板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004081871A JP4468032B2 (ja) 2004-03-22 2004-03-22 位相差制御基板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005266629A JP2005266629A (ja) 2005-09-29
JP4468032B2 true JP4468032B2 (ja) 2010-05-26

Family

ID=35091204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004081871A Expired - Fee Related JP4468032B2 (ja) 2004-03-22 2004-03-22 位相差制御基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4468032B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110187427A (zh) * 2019-06-24 2019-08-30 昆山工研院新型平板显示技术中心有限公司 一种偏光片、电子设备及偏光片的制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4895088B2 (ja) * 2005-11-22 2012-03-14 Dic株式会社 重合性液晶組成物及び光学異方体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110187427A (zh) * 2019-06-24 2019-08-30 昆山工研院新型平板显示技术中心有限公司 一种偏光片、电子设备及偏光片的制备方法
CN110187427B (zh) * 2019-06-24 2021-06-01 昆山工研院新型平板显示技术中心有限公司 一种偏光片、电子设备及偏光片的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005266629A (ja) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7897304B2 (en) Color filter, semi-transmissive semi-reflective liquid-crystal display device, method for forming phase difference control layer, and method for manufacturing color filter
JP4443867B2 (ja) 位相差制御層を有するカラーフィルタおよびその製造方法並びにディスプレイ
JP2005003750A (ja) 柱状体を有する位相差制御板
JP4910296B2 (ja) カラーフィルタ基板および液晶表示パネル
JP4910294B2 (ja) カラーフィルタ基板および液晶表示パネル
JP4736377B2 (ja) 位相差制御層を有するカラーフィルタ及びその製造方法
JP2008090191A (ja) カラーフィルタ基板の製造方法
JP5212206B2 (ja) カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ
JP2005024920A (ja) 位相差制御層を有するカラーフィルタ基板およびその製造方法
JP6137639B2 (ja) 柱状体を有する位相差制御板
JP4468032B2 (ja) 位相差制御基板およびその製造方法
JP4882830B2 (ja) カラーフィルタ基板および液晶表示装置
JP5228594B2 (ja) カラーフィルタ形成用基板およびカラーフィルタの製造方法
JP4365489B2 (ja) カラーフィルタおよびその製造方法
JP5893237B2 (ja) 柱状体を有する位相差制御板
JP4760046B2 (ja) カラーフィルタ基板および液晶表示パネル
JP5120540B2 (ja) 光学素子、上記光学素子を用いた液晶表示装置用部材、上記液晶表示装置用部材を用いた液晶表示装置、上記光学素子の製造方法及び複屈折率機能層の評価方法
JP4312467B2 (ja) カラーフィルタおよび液晶表示装置
JP2007206457A (ja) カラーフィルタとその製造方法、半透過半反射型液晶表示装置および可視光の分光方法。
JP5217141B2 (ja) カラーフィルタおよびその製造方法
JP2005004124A (ja) パターン状の位相差制御層の形成方法
JP2005352322A (ja) 偏光板、およびこれを用いた液晶表示素子用基板ならびに液晶表示素子
JP2005099266A (ja) 位相差制御基板およびディスプレイ
JP2009244738A (ja) カラーフィルタ用マザー基板、カラーフィルタ、カラーフィルタを組み込んだ液晶表示装置。
JP2009031369A (ja) カラーフィルタの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4468032

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees