JP4882830B2 - カラーフィルタ基板および液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、例えば液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ基板に関するものである。
一般に、カラー表示の液晶表示装置では、一対の基板の間に液晶層が形成され、いずれか一方の基板にカラーフィルタが形成されている。また一般に、カラーフィルタ基板と対向基板との間には、液晶層の厚み(セルギャップ)を制御するために、スペーサが設けられている。
従来、液晶表示装置を作製する際には、カラーフィルタ基板または対向基板の表面に、ビーズ状またはロッド状のスペーサを散布していたため、スペーサを均一に配置することが困難であった。そのため、セルギャップにむらが生じたり、スペーサが凝集したりすることによる表示不良が発生することがあった。また、スペーサが画素領域に配置されると、開口率が低下したり、輝点として観察されたりするという問題があった。
上記の問題を解決するために、感光性樹脂(フォトレジスト)を用いたフォトリソグラフィー法により、非画素領域に柱状のスペーサを形成する方法が提案されている。この柱状スペーサを用いてセルギャップを制御することにより、上述したような表示品位の低下を抑制することができる。
一般に、柱状スペーサを有する液晶表示装置では、耐荷重特性を向上させるために柱状スペーサの密度(単位面積当たりの柱状スペーサの数)を高くすると、低温にて液晶層が収縮したときに、セルギャップが液晶層の収縮に追従しにくくなり、液晶層内で発泡が生じてしまうという問題(低温発泡)があった。
上記の問題を解決するために、カラーフィルタ基板上に高さの異なる2種類の柱状スペーサを設けることによって、低温での液晶層の発泡の抑制と、耐荷重特性の向上との両立を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このカラーフィルタ基板では、隣接する着色層の厚みが互いに異なることにより、それぞれの着色層上に形成された柱状スペーサの高さが異なるものとなる。しかしながら、隣接する着色層の厚みが互いに異なると、それぞれの着色層に応じて液晶層の厚みも異なってしまうため、リタデーションの大きさが異なるものとなり、黒表示時や中間調表示時に色付きが発生して表示品位が低下してしまう。
また、高さの異なる2種類以上の柱状スペーサを設ける方法として、遮光部および着色層が積層された積層構造体を形成し、その積層構造体上に柱状スペーサを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、積層構造体の積層数を調整することによって、柱状スペーサの高さを制御することができる。しかしながら、柱状スペーサの高さを積層構造体の積層数で調整するので、各層の厚み分だけしか高さの差を出すことができず、高さの微妙な調整が困難である。
さらに、高さの異なる2種類以上の柱状スペーサを設ける方法として、遮光部および/または着色層が積層されたものであり、面積および/または形状が異なる複数の積層構造体上に柱状スペーサを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、積層構造体の面積や形状を調整することによって、柱状スペーサの高さを任意に制御することができる。
近年では、表示品位をさらに向上すべく、柱状スペーサの高さを調整する方法に関して、さらなる工夫が望まれている。
特開2003−84289号公報 特開2001−51266号公報 特開2006−23733号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、柱状スペーサの高さを任意に制御することができるカラーフィルタ基板および液晶表示装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材上の上記遮光部の開口部に形成され、3色以上の着色パターンからなる着色層と、上記基材上に所定の間隔をおいて形成された複数の高さ調整部と、上記基材上の隣接する上記高さ調整部間に形成された下地層と、上記高さ調整部間の下地層上に形成された突起部とを有し、上記突起部が、間隔の異なる上記高さ調整部間にそれぞれ形成された上記下地層上に形成され、上記間隔に応じて上記基材表面からの高さが異なる2種以上のものからなり、上記高さ調整部が、上記3色以上の着色パターンのうちの1色の着色パターンまたは上記遮光部から構成され、上記下地層が、上記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成され、上記突起部が、上記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されていることを特徴とするカラーフィルタ基板を提供する。
本発明によれば、高さ調整部間の間隔を異ならせることによって、異なる間隔の高さ調整部間にそれぞれ形成される下地層の膜厚を異ならせることができ、これにより、基材表面からの高さの異なる複数種の突起部を得ることができる。したがって、高さ調整部間の間隔を調整することにより、突起部の基材表面からの高さを容易に制御することが可能である。また、基材表面からの高さの異なる複数種の突起部が形成されているので、本発明のカラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置では、セルギャップが液晶層の収縮に追従しやすく、また耐荷重特性が優れており、ギャップ精度を向上させることが可能である。
上記発明においては、上記下地層が上記高さ調整部上に形成され、上記高さ調整部上の下地層上に上記突起部が形成されていてもよい。高さ調整部上の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さは、高さ調整部の厚みが加わるので、高さ調整部間の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さよりも高くなる。したがって、上記のような構成とすることにより、突起部の基材表面からの高さを種々の高さに調整することができる。
また本発明は、上述したカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明の液晶表示装置は、上述のカラーフィルタ基板を用いているので、高さ調整部間の間隔を異ならせることによって、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚を異ならせることができ、その結果として、高さ調整部間の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さを任意の高さに調整することができる。また、基材表面からの高さの異なる複数種の突起部が形成されているので、ギャップ精度を向上させることができ、ギャップむらがない表示品位の高い液晶表示装置とすることができる。
本発明においては、高さ調整部間の間隔を調整することによって、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚を制御することができ、これにより突起部の基材表面からの高さを容易に制御することができるという効果を奏する。また、基材表面からの高さの異なる複数種の突起部が形成されているので、ギャップ精度を向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明のカラーフィルタ基板およびそれを用いた液晶表示装置について詳細に説明する。
A.カラーフィルタ基板
本発明のカラーフィルタ基板は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材上の上記遮光部の開口部に形成され、3色以上の着色パターンからなる着色層と、上記基材上に所定の間隔をおいて形成された複数の高さ調整部と、上記基材上の隣接する上記高さ調整部間に形成された下地層と、上記高さ調整部間の下地層上に形成された突起部とを有し、上記突起部が、間隔の異なる上記高さ調整部間にそれぞれ形成された上記下地層上に形成され、上記間隔に応じて上記基材表面からの高さが異なる2種以上のものからなり、上記高さ調整部が、上記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成され、上記突起部が、上記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されていることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタ基板について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のカラーフィルタ基板の一例を示す概略平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1および図2に例示するカラーフィルタ基板1は、基材2と、基材2上にマトリクス状に形成された遮光部3と、基材2上の遮光部3の開口部に形成され、赤色パターン4R、緑色パターン4Gおよび青色パターン4Bの3色の着色パターンからなる着色層4と、基材2の周縁領域に設けられた遮光部3(額縁遮光部)上に形成され、赤色パターン5Rからなる高さ調整部6a,6b,6c,6dと、各高さ調整部6a,6b,6c,6dの間に、それぞれ高さ調整部6a,6b,6c,6dの端部を覆うように形成され、緑色パターン5Gからなる下地層7と、各高さ調整部6a,6b,6c,6dの間に設けられた下地層7上に形成され、青色パターン5Bからなる突起部8とを有している。4つの高さ調整部6a,6b,6c,6dは、所定の間隔をおいて形成されており、6aおよび6b間の間隔、6bおよび6c間の間隔、6cおよび6d間の間隔が互いに異なるように形成されている。また、高さ調整部6a,6b,6c,6d、下地層7および突起部8をそれぞれ構成する着色パターン5R,5G,5Bは、着色層を構成する着色パターン4R,4G,4Bと同一である。
図2において、上述したように、高さ調整部6aおよび6b間の間隔d1と、高さ調整部6cおよび6d間の間隔d2とは異なっており、d1<d2の順に間隔が狭い。また、高さ調整部6aおよび6b間に形成された下地層7の膜厚t1と、高さ調整部6cおよび6d間に形成された下地層7の膜厚t2とは異なっており、t1>t2の順に膜厚が厚い。さらに、高さ調整部6aおよび6b間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh1と、高さ調整部6cおよび6d間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh2とは異なっており、h1>h2の順に高さが高い。すなわち、高さ調整部の間隔が狭くなるほど、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚が厚くなっており、その結果として、高さ調整部間の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さが高くなっている。
このように本発明においては、高さ調整部の間隔が狭くなるほど、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚が厚くなり、その高さ調整部間の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さが高くなる。したがって、高さ調整部の間隔を調整することによって、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚を制御することができ、これにより、高さ調整部間の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さを容易に制御することが可能となる。さらに、高さ調整部間の間隔を調整することによって、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚を任意の厚みに調整することができるので、突起部の基材表面からの高さの微妙な調整も可能である。
本発明においては、突起部と下地層とが積層されたものが柱状スペーサとして機能する。したがって、突起部の基材表面からの高さ、すなわち柱状スペーサの高さを容易に制御することができるのである。
なお、高さ調整部間の間隔とは、隣接する高さ調整部の内側の端部の間の距離をいう。例えば図2において、隣接する高さ調整部6aおよび6b間の間隔d1は、高さ調整部6aの内側の端部から高さ調整部6bの内側の端部までの距離となる。
また、突起部の基材表面からの高さとは、基材の表面から突起部の頂部までの高さ(距離)をいう。
さらに、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚とは、図2に例示するような高さ調整部6aおよび6b間に形成された下地層7の中心部の膜厚t1をいい、高さ調整部の端部に乗り上げた下地層の厚みではない。
ここで、高さ調整部間の間隔が狭くなるほど、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚が厚くなる理由について説明する。
例えば、間隔の狭い高さ調整部間と間隔の広い高さ調整部間とにそれぞれ下地層形成用材料を塗工すると、間隔の狭い高さ調整部間に塗工された下地層形成用材料は、間隔の広い高さ調整部間に塗工された下地層形成用材料よりも、表面張力の影響を強く受ける。そのため、間隔の狭い高さ調整部間に形成された下地層の膜厚は、間隔の広い高さ調整部間に形成された下地層の膜厚よりも厚くなるのである。
このように、高さ調整部間の間隔が狭くなるほど、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚が厚くなるので、結果として、高さ調整部間の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さを高くすることができる。
また本発明においては、高さ調整部間の下地層上に突起部が形成されているとともに、下地層が高さ調整部上に形成され、この高さ調整部上の下地層上に突起部が形成されていてもよい。
図3は本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略平面図であり、図4は図3のB−B線断面図である。図3および図4に例示するカラーフィルタ基板1は、基材2と、基材2上にマトリクス状に形成された遮光部3と、基材2上の遮光部3の開口部に形成され、赤色パターン4R、緑色パターン4Gおよび青色パターン4Bの3色の着色パターンからなる着色層4と、基材2の周縁領域に設けられた遮光部3(額縁遮光部)上に形成され、赤色パターン5Rからなる高さ調整部6a,6b,6c,6dと、各高さ調整部6a,6b,6c,6dの間に形成され、緑色パターン5Gからなる下地層7と、下地層7上に形成され、青色パターン5Bからなる突起部8とを有している。高さ調整部6a,6b,6c,6dは、所定の間隔をおいて形成されており、6aおよび6b間の間隔、6bおよび6c間の間隔、6cおよび6d間の間隔が互いに異なるように形成されている。また、下地層7は、高さ調整部6cを跨ぐように6bおよび6d間に形成され、また高さ調整部6b,6cを跨ぐように6aおよび6d間に形成されている。さらに、各高さ調整部6a,6b,6c,6d間に設けられた下地層7上に突起部8が形成されているだけでなく、高さ調整部6b,6c上に設けられた下地層7上にも突起部8が形成されている。また、高さ調整部6a,6b,6c,6d、下地層7および突起部8をそれぞれ構成する着色パターン5R,5G,5Bは、着色層を構成する着色パターン4R,4G,4Bと同一である。
図4においては、上述したように、高さ調整部6bおよび6c間、6cおよび6d間に設けられた下地層7上に突起部8が形成されているとともに、高さ調整部6c上に下地層7が形成され、この高さ調整部6c上に設けられた下地層7上にも突起部8が形成されている。
高さ調整部6bおよび6c間の間隔d1と、高さ調整部6cおよび6d間の間隔d2とは異なり、d1<d2の順に間隔が狭いので、高さ調整部6bおよび6c間に形成された下地層7の膜厚t1と、高さ調整部6cおよび6d間に形成された下地層7の膜厚t2とが異なるものとなり、高さ調整部間の間隔に応じて、t1>t2の順に膜厚が厚くなる。これにより、高さ調整部6bおよび6c間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh1と、高さ調整部6cおよび6d間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh2とではh1>h2の順に高さが高くなる。また、高さ調整部6c上の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh3は、高さ調整部6cの厚みが加わるので、h1およびh2よりも高くなる。この場合、h3>h1>h2の順に高さが高くなる。
なお、高さ調整部の膜厚と下地層の膜厚との関係によっては、必ずしも、図4に示すようにh3>h1>h2の順に高さが高くなるわけではない。例えば、高さ調整部の膜厚が比較的薄く、下地層の膜厚が比較的厚い場合には、高さ調整部間に形成された下地層の基材表面からの高さが、高さ調整部上に形成された下地層の基材表面からの高さよりも高くなることもある。
このように本発明においては、高さ調整部間の下地層上に突起部が形成されているとともに、高さ調整部上の下地層上にも突起部が形成されていることにより、突起部の基材表面からの高さを種々の高さに調整することが可能となる。
本発明における突起部は、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されるものである。したがって、突起部を構成する着色パターンおよび透明樹脂部の積層数を調整することによって、突起部の基材表面からの高さを調整することもできる。
図5は本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略平面図であり、図6は図5のC−C線断面図である。図5および図6に例示するカラーフィルタ基板1は、基材2と、基材2上にマトリクス状に形成された遮光部3と、基材2上の遮光部3の開口部に形成され、赤色パターン4R、緑色パターン4Gおよび青色パターン4Bの3色の着色パターンからなる着色層4と、非表示領域に形成され、遮光部5Sからなる高さ調整部6a,6b,6c,6dと、各高さ調整部6a,6b,6c,6dの間に、それぞれ高さ調整部6a,6b,6c,6dの端部を覆うように形成され、赤色パターン5Rからなる下地層7と、各高さ調整部6a,6b,6c,6dの間に設けられた下地層7上に形成された突起部8とを有している。高さ調整部6a,6b,6c,6dは、所定の間隔をおいて形成されており、6aおよび6b間の間隔と6cおよび6d間の間隔とは等しく、6aおよび6b間の間隔ならびに6cおよび6d間の間隔と6bおよび6c間の間隔とは異なるように形成されている。また、突起部8には、緑色パターン5Gから構成されているものと、緑色パターン5Gおよび青色パターン5Bから構成されているものとがある。さらに、高さ調整部6a,6b,6c,6d、下地層7および突起部8をそれぞれ構成する遮光部5Sおよび着色パターン5R,5G,5Bは、画素領域を区画する遮光部3および着色層を構成する着色パターン4R,4G,4Bとそれぞれ同一である。
図6においては、高さ調整部6aおよび6b間の間隔d1と、高さ調整部6cおよび6d間の間隔d2とは等しいので、高さ調整部6aおよび6b間に形成された下地層7の膜厚t1と、高さ調整部6cおよび6d間に形成された下地層7の膜厚t2とは等しくなる。しかしながら、高さ調整部6aおよび6b間の下地層7上に形成された突起部8は緑色パターン5Gおよび青色パターン5Bから構成されているのに対し、高さ調整部6cおよび6d間の下地層7上に形成された突起部8は緑色パターン5Gのみから構成されているので、それぞれの突起部8の基材表面からの高さh1,h2は異なるものとなる。高さ調整部6aおよび6b間の下地層7上に形成された突起部8では着色パターンの積層数が2層であり、高さ調整部6cおよび6d間の下地層7上に形成された突起部8では着色パターンの積層数が1層であるので、h1>h2の順に高さが高くなる。
このように本発明においては、突起部が3色以上の着色パターンのうちの1色以上の着色パターンから構成されるものであるので、突起部を構成する着色パターンの積層数を調整することによって、突起部の基材表面からの高さを調整することもできる。これにより、上記の場合と同様に、突起部の基材表面からの高さを種々の高さに調整することが可能となる。
本発明によれば、上述したように、高さ調整部間の間隔を調整することに併せて、高さ調整部上の下地層上にも突起部が形成されていることや、突起部を構成する着色パターンの積層数を調整することによって、複合的に突起部の基材表面からの高さを制御することが可能である。
また、高さ調整部、下地層および突起部の形成位置としては、特に限定されるものではなく、高さ調整部と下地層と突起部とが、例えば表示領域に形成されていてもよく、非表示領域に形成されていてもよく、表示領域および非表示領域の両方に形成されていてもよい。中でも、高さ調整部と下地層と突起部とが表示領域および非表示領域の両方に形成されていることが好ましい。これにより、各領域において、突起部の基材表面からの高さの分布を揃えることができ、ギャップ精度を向上させることができるからである。
さらに、表示領域内においては、高さ調整部と下地層と突起部とが非画素領域に形成されていることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタ基板を液晶表示装置に用いた場合には、開口率の低下や、突起部付近での液晶の配向不良を抑制することができるからである。この場合、高さ調整部と下地層と突起部とは、例えば画素領域間に設けられた画素間遮光部上に形成されていてもよく、基材の周縁領域に設けられた額縁遮光部上に形成されていてもよく、画素間遮光部上および額縁遮光部上の両方に形成されていてもよい。中でも、高さ調整部と下地層と突起部とが画素間遮光部上および額縁遮光部上の両方に形成されていることが好ましい。これにより、表示領域において、突起部の基材表面からの高さの分布を揃えることができ、ギャップ精度を向上させることができるからである。
ここで、表示領域および非表示領域は、遮光部および着色層で画定される領域であり、表示領域は遮光部および着色層が設けられている領域、非表示領域は表示領域の外周に配置された領域である。また、非画素領域は、表示領域内において遮光部で画定される領域であり、遮光部が設けられている領域である。なお、表示領域、非表示領域および非画素領域を画定する遮光部および着色層には、高さ調整部、下地層および突起部を構成する遮光部および着色パターンは含まれない。
例えば図7においては、赤色パターン5Rからなる高さ調整部6と、緑色パターン5Gからなる下地層7と、青色パターン5Bからなる突起部8とが、表示領域内であって、赤色パターン4R、緑色パターン4Gおよび青色パターン4Bからなる着色層4が設けられておらず、遮光部3が設けられている非画素領域に形成されており、かつ画素領域間に設けられた画素間遮光部上に形成されている。また、図1〜図4においては、高さ調整部6a〜6dと下地層7と突起部8とが、表示領域内であって、赤色パターン4R、緑色パターン4Gおよび青色パターン4Bからなる着色層4が設けられておらず、遮光部3が設けられている非画素領域に形成されており、かつ基材の周縁領域に設けられた額縁遮光部上に形成されている。さらに、図5および図6においては、高さ調整部6a〜6dと下地層7と突起部8とが、非表示領域に形成されている。
図8に、本発明のカラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置の一例を示す。図8に例示する液晶表示装置20は、カラーフィルタ基板1と、対向基板21と、カラーフィルタ基板1および対向基板21の間に形成された液晶層25とを有している。カラーフィルタ基板1は、上記の基材2、遮光部3、着色層(図示なし)、高さ調整部6a,6b,6c,6d、下地層7および突起部8a,8bを有し、さらにこれらの上に形成されたオーバーコート層9と、オーバーコート層9上に形成された配向膜10とを有している。高さ調整部6a,6b,6c,6dは赤色パターン5Rから構成され、下地層7は緑色パターン5Gから構成され、突起部8a,8bは青色パターン5Bから構成されている。また、対向基板21は、第2基材22と、第2基材22上に形成された電極層23と、電極層23上に形成された第2配向膜24とを有している。
なお、図8においてはオーバーコート層が形成されているが、これに限定されるものではなく、オーバーコート層は形成されていなくてもよい。
カラーフィルタ基板1における突起部8a,8bの基材表面からの高さh1,h2は、この突起部8a,8bがそれぞれ形成されている高さ調整部6間の間隔が異なるので、上述した理由から、h1>h2の順に高さが高くなる。ここで、突起部8a,8bを、高さの順に、高スペーサ8aおよび低スペーサ8bということとする。
液晶表示装置20においては、カラーフィルタ基板1の高スペーサ8aが設けられている領域が対向基板21と接触しているのに対して、カラーフィルタ基板1の低スペーサ8bが設けられている領域は対向基板21に接触していない。すなわち、この状態では高スペーサ8aによってセルギャップが規定されており、基本的には高スペーサ8aでセルギャップを制御するので、セルギャップを液晶層の収縮に追従させやすく、低温発泡の発生を抑制することができる。また、液晶表示装置20に荷重が加わってセルギャップが狭くなったときには、高スペーサ8aおよび低スペーサ8bの両方でカラーフィルタ基板1および対向基板21が支持される。
本発明においては、上述したように、高さ調整部間の間隔を異ならせることにより、基材表面からの高さの異なる複数種の突起部を得ることができるので、高い耐荷重特性を実現することが可能である。
また、基材表面からの高さの異なる複数種の突起部が、表示領域および非表示領域の両方に、さらに表示領域内においては額縁遮光部上および画素間遮光部上の両方に形成されている場合には、本発明のカラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置にて、セルギャップが液晶層の収縮に追従しやすく、また耐荷重特性が優れており、ギャップ精度をより一層向上させることが可能である。本発明のカラーフィルタ基板を用いることより、セルギャップのむらが少なく表示品位が高く、大型であってもたわみや反りが発生しにくい液晶表示装置を得ることができるのである。
さらに、本発明における高さ調整部は、3色以上の着色パターンのうちの1色の着色パターンまたは遮光部から構成され、下地層は、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成され、突起部は、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成される。これらの高さ調整部、下地層および突起部が、例えば遮光部、着色パターン、オーバーコート層で構成されている場合には、遮光部、着色層およびオーバーコート層の形成時に、同時に高さ調整部、下地層および突起部を形成することができる。したがって、高さ調整部、下地層および突起部を形成するために、別途、柱状スペーサ形成工程を行わなくてもよく、簡便なプロセスでカラーフィルタ基板を得ることができる。
以下、本発明のカラーフィルタ基板における各構成について説明する。
1.高さ調整部
本発明における高さ調整部は、基材上に所定の間隔をおいて形成され、3色以上の着色パターンのうちの1色の着色パターンまたは遮光部から構成されるものである。また、複数の高さ調整部は、高さ調整部間の間隔が異なるように形成されている。
本発明においては、高さ調整部間の間隔を調整することにより、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚を容易に制御することができ、その結果として、高さ調整部間の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さを容易に制御することができる。
高さ調整部間の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さは、高さ調整部間の間隔と関係付けられているので、所望する突起部の高さに応じて、高さ調整部間の間隔を設定すればよい。
本発明においては、高さ調整部間の間隔が異なるように複数の高さ調整部が形成されていればよく、例えば各高さ調整部間の間隔が互いに異なっていてもよく、隣接する高さ調整部間の間隔が部分的に異なっていてもよい。
例えば図1においては、4つの高さ調整部6a,6b,6c,6dが形成されており、各高さ調整部間の間隔、すなわち6aおよび6b間の間隔、6bおよび6c間の間隔、6cおよび6d間の間隔が互いに異なっている。また例えば図7においては、2つの高さ調整部6が形成されており、この高さ調整部6間の間隔が部分的に異なっている。
また、高さ調整部間の間隔が異なる部分があればよく、高さ調整部間の間隔が等しい部分があってもかまわない。例えば、複数の高さ調整部が異なる間隔で形成されているとともに、他の複数の高さ調整部が等間隔で形成されていてもよい。
高さ調整部間の間隔としては、特に限定されるものではないが、表示領域、非表示領域、画素間遮光部上、額縁遮光部上など、高さ調整部が設けられる領域によって適宜調整される。例えば、高さ調整部間の間隔は、5μm〜200μm程度で設定することができ、好ましくは10μm〜100μmの範囲内である。高さ調整部間の間隔が狭すぎると、高さ調整部の形成時にパターニングが困難となり、また高さ調整部間の間隔が広すぎると、所定の領域に複数の高さ調整部を異なる間隔で形成するのが困難となるからである。
また、高さ調整部間の間隔の差としては、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上である。高さ調整部間の間隔の差が上記範囲であれば、間隔の異なる高さ調整部間にそれぞれ形成された下地層の膜厚の差が有意なものとなるからである。
さらに、高さ調整部の幅としては、特に限定されるものではないが、表示領域、非表示領域、画素間遮光部上、額縁遮光部上など、高さ調整部が設けられる領域によって適宜調整される。例えば、高さ調整部の幅は10μm〜300μm程度であることが好ましく、好ましくは20μm〜200μm程度である。高さ調整部の幅が狭すぎると、高さ調整部の形成時にパターニングが困難になり、また高さ調整部の幅が広すぎると、所定の領域に複数の高さ調整部を異なる間隔で形成するのが困難になるからである。
この高さ調整部の幅は、互いに等しくてもよく異なっていてもよい。また、幅の等しい高さ調整部と、幅の異なる高さ調整部とが混在していてもよい。例えば図1、図2、図5および図6においては、高さ調整部6a,6b,6c,6dの幅がすべて等しくなっている。また例えば図3および図4においては、高さ調整部6a,6c,6dの幅は互いに等しいが、高さ調整部6bの幅は、他の高さ調整部6a,6c,6dの幅とは異なっている。
幅の異なる高さ調整部が形成されている場合であって、幅の異なる高さ調整部上にそれぞれ下地層および突起部が形成されている場合には、高さ調整部の幅を調整することによって、高さ調整部上に形成された下地層の膜厚を制御することができ、その結果として、突起部の基材表面からの高さを制御することができる。
図9は図3のD−D線断面図である。図9においては、高さ調整部6aおよび6b間、6bおよび6c間、6cおよび6d間に設けられた下地層7上に突起部8が形成されているとともに、高さ調整部6b,6cを跨ぐように6aおよび6d間に下地層7が形成され、高さ調整部6b,6c上に設けられた下地層7上にも突起部8が形成されている。
高さ調整部6aおよび6b間の間隔d1と、高さ調整部6bおよび6c間の間隔d2と、高さ調整部6cおよび6d間の間隔d3とは互いに異なり、d1<d2<d3の順に間隔が狭い。このため、高さ調整部6aおよび6b間に形成された下地層7の膜厚t1と、高さ調整部6bおよび6c間に形成された下地層7の膜厚t2と、高さ調整部6cおよび6d間に形成された下地層7の膜厚t3とが互いに異なるものとなり、t1>t2>t3の順に膜厚が厚くなる。これにより、高さ調整部6aおよび6b間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh1と、高さ調整部6bおよび6c間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh2と、高さ調整部6cおよび6d間の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh3とでは、h1>h2>h3の順に高さが高くなる。
また、高さ調整部6b,6c上の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh4,h5は、高さ調整部6b,6cの厚みが加わるので、h1,h2およびh3よりも高くなる。この高さ調整部6bの幅と6cの幅とは異なっており、6b>6cの順に幅が広い。また、高さ調整部6b上に形成された下地層7の厚みt4と、高さ調整部6c上に形成された下地層7の厚みt5とは異なっており、t4>t5の順に厚みが厚い。さらに、これらの高さ調整部6b上の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh4と、高さ調整部6c上の下地層7上に形成された突起部8の基材表面からの高さh5とは異なっており、高さ調整部上の下地層の厚みが厚くなるほど、すなわち高さ調整部の幅が広くなるほど、h4>h5の順に高さが高くなっている。
したがって、この場合には、h4>h5>h1>h2>h3の順に高さが高くなる。
このように、高さ調整部の幅が広くなるほど、高さ調整部上に形成された下地層の厚みが厚くなり、高さ調整部上の下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さが高くなる。したがって、高さ調整部の幅を調整することによって、突起部の基材表面からの高さを制御することもできるのである。
ここで、高さ調整部の幅が広くなるほど、高さ調整部上に形成された下地層の厚みが厚くなる理由について説明する。
高さ調整部が形成された基材上に、下地層形成用材料を塗工すると、下地層形成用材料が自重によって流動しようとし、高さ調整部上に乗り上げた部分では若干の膜減りが起こる。この膜減りは下地層形成用材料に働く表面張力の影響を受け、その影響が強いほど膜減りが小さくなる。例えば、図10(a)に示すように幅の広い高さ調整部6aが形成された基材2上に塗工された下地層形成用材料は、図10(b)に示すように幅の狭い高さ調整部6bが形成された基材2上に塗工された下地層形成用材料よりも表面張力の影響を強く受けるので、膜減りが小さい。そのため、幅の広い高さ調整部6a上に形成される下地層7aの厚みは、幅の狭い高さ調整部6b上に形成される下地層7bの厚みよりも厚くなる。
このように、高さ調整部の幅が広いほど、高さ調整部上に形成される下地層が厚く形成されるので、結果として、突起部の基材表面からの高さを高くすることができる。
なお、上述したように、多くの場合、高さ調整部が形成された基材上に下地層形成用材料を塗布して得られる塗膜(下地層)では、高さ調整部の外縁部分にて厚みが薄くなり、高さ調整部および下地層の積層体の断面形状は順テーパーとなるが、フォトマスクを介した露光により下地層をパターニングする場合、照射光のマスクパターンによる回折のために下地層の外縁部分の一部への積算照射光量が高くなり、下地層の外縁部分の一部が盛り上がることもある。
幅の異なる高さ調整部が形成されている場合であって、幅の異なる高さ調整部上にそれぞれ下地層および突起部が形成されている場合、高さ調整部の幅の差としては、3μm以上であることが好ましく、より好ましくは5μm以上である。高さ調整部の幅の差が上記範囲であれば、幅の異なる高さ調整部上にそれぞれ形成された下地層の厚みの差が有意なものとなるからである。
高さ調整部は、3色以上の着色パターンのうちの1色の着色パターンまたは遮光部から構成されるものである。通常、高さ調整部が画素間遮光部上や額縁遮光部上に形成されている場合には、高さ調整部は1色の着色パターンから構成され、高さ調整部が非表示領域に形成されている場合には、高さ調整部は遮光部または1色の着色パターンから構成される。
通常、高さ調整部と下地層と突起部とは、それぞれ異なる層で構成される。例えば、高さ調整部が1色の着色パターンで構成される場合には、下地層は、高さ調整部を構成する着色パターンとは異なる色の着色パターン、または透明樹脂層で構成され、突起部は、高さ調整部および下地層を構成する着色パターンとは異なる色の着色パターン、または透明樹脂部で構成される。また、高さ調整部が1色の着色パターンで構成される場合であって、下地層および突起部も着色パターンで構成される場合には、高さ調整部と下地層と突起部とは、互いに異なる色の着色パターンで構成される。
なお、着色パターンおよび遮光部については、後述する着色層および遮光部の項に記載するので、ここでの説明は省略する。
また、高さ調整部の厚みとしては、上述したように高さ調整部が1色の着色パターンまたは遮光部で構成されることから、着色層を構成する着色パターンや、画素領域を区画する遮光部の厚みと同程度とされる。
さらに、高さ調整部のパターン形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、ストライプ状、ドット状等の形状が挙げられる。
高さ調整部の形成位置としては、特に限定されるものではないが、上述したように表示領域および非表示領域の両方に高さ調整部が形成されていることが好ましく、表示領域内では画素間遮光部上および額縁遮光部上の両方に高さ調整部が形成されていることが好ましい。高さ調整部が設けられている領域に突起部が形成されることとなるので、高さ調整部が上記のように形成されていることにより、ギャップ精度を向上させることができるからである。
さらに、高さ調整部は、表示領域内では非画素領域に形成されていることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタ基板を液晶表示装置に用いた場合には、開口率の低下や、突起部付近での液晶の配向不良を抑制することができるからである。
高さ調整部を構成する着色パターンと、着色層を構成する着色パターンとは、連続して形成されていてもよく、分離して形成されていてもよい。また、高さ調整部を構成する遮光部と、画素領域を区画する遮光部とは、連続して形成されていてもよく、分離して形成されていてもよい。
2.下地層
本発明における下地層は、基材上の隣接する高さ調整部間に形成され、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されるものである。
本発明においては、高さ調整部間の間隔に応じて、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚を異ならせることができる。
高さ調整部間に形成された下地層の膜厚としては、下地層を構成する層の厚みや積層数に応じて異なる。例えば図2に示すように、下地層7が1色の着色パターン(赤色パターン5R)で構成される場合、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚は、着色層を構成する着色パターンの厚みと同程度とされる。この場合、具体的には、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚は1μm〜3μm程度で設定することができる。また例えば図11に示すように、下地層7が1色の着色パターン(赤色パターン5R)と透明樹脂層(オーバーコート層9)とで構成される場合、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚は、着色層を構成する着色パターンの厚みおよびオーバーコート層の厚みの合計厚みと同程度とされる。
また、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚の差としては、0.05μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上である。高さ調整部間に形成された下地層の膜厚の差が上記範囲であれば、その下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さの差が有意なものとなるからである。
下地層は、隣接する高さ調整部間に形成されていれば特に限定されるものではない。例えば図1および図2に示すように、隣接する2つの高さ調整部6aおよび6b間、6bおよび6c間、6cおよび6d間に、各高さ調整部6a,6b,6c,6dの端部を覆うように下地層7がそれぞれ形成されていてもよい。また例えば図3および図4に示すように、隣接する2つの高さ調整部6bおよび6c間、6cおよび6d間に、各高さ調整部6b,6c,6dの端部を覆うように下地層7が形成されているとともに、高さ調整部6c上にも下地層7が形成されていてもよい。さらに例えば図12に示すように、隣接する2つの高さ調整部6aおよび6b間、6bおよび6c間にのみ、下地層7がそれぞれ形成されていてもよい。
下地層が高さ調整部上に形成されている場合には、この高さ調整部上の下地層上に突起部が形成されていてもよい。高さ調整部間の下地層上に突起部が形成されているだけでなく、高さ調整部上の下地層上にも突起部が形成されていることにより、突起部の基材表面からの高さを種々の高さに調整することができるからである。
高さ調整部間に形成された下地層の基材表面からの高さと、高さ調整部上に形成された下地層の基材表面からの高さとの差としては、0.05μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上である。高さ調整部間に形成された下地層の基材表面からの高さと、高さ調整部上に形成された下地層の基材表面からの高さとの差が上記範囲であれば、それらの下地層上に形成された突起部の基材表面からの高さの差が有意なものとなるからである。
また、下地層が高さ調整部上に形成されている場合には、高さ調整部の幅に応じて、高さ調整部上に形成された下地層の厚みを異ならせることができる。
高さ調整部上に形成された下地層の厚みとしては、下地層を構成する層の厚みや積層数に応じて異なる。例えば図2に示すように、下地層7が1色の着色パターン(赤色パターン5R)で構成される場合、高さ調整部上に形成された下地層の厚みは、着色層を構成する着色パターンの厚みと同程度とされる。この場合、具体的には、高さ調整部上に形成された下地層の厚みは1μm〜3μm程度で設定することができる。また例えば図11に示すように、下地層7が1色の着色パターン(赤色パターン5R)と透明樹脂層(オーバーコート層9)とで構成される場合、高さ調整部上に形成された下地層の厚みは、着色層を構成する着色パターンの厚みおよびオーバーコート層の厚みの合計厚みと同程度とされる。
下地層は、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されるものであればよく、例えば1色の着色パターンから構成されていてもよく、2色以上の着色パターンが積層されたものであってもよく、透明樹脂層から構成されるものであってもよく、1色以上の着色パターンと透明樹脂層とが積層されたものであってもよい。また、複数種の下地層が混在していてもよい。
通常、高さ調整部と下地層と突起部とは、それぞれ異なる層で構成される。例えば、下地層が1色の着色パターンで構成される場合であって、高さ調整部および突起部も着色パターンで構成される場合には、高さ調整部と下地層と突起部とは、互いに異なる色の着色パターンで構成される。また例えば、下地層が透明樹脂層で構成される場合には、高さ調整部は着色パターンまたは遮光部で構成され、突起部は透明樹脂部で構成される。
下地層を構成する層の積層数としては、1層以上であればよいが、通常は1層または2層とされる。この際、各層の積層順としては、各層の形成順に応じて異なるものであり、特に限定されるものではない。
下地層が、透明樹脂層から構成されたものである、あるいは、1色以上の着色パターンと透明樹脂層とが積層されたものである場合、この透明樹脂層としては、オーバーコート層、配向制御用突起等が用いられる。例えば、下地層がオーバーコート層または配向制御用突起で構成される場合、高さ調整部は着色パターンまたは遮光部で構成され、突起部はフォトスペーサ(透明樹脂部)で構成される。
なお、着色パターンおよびオーバーコート層については、後述する着色層およびオーバーコート層の項にそれぞれ記載するので、ここでの説明は省略する。
下地層のパターン形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、矩形状等が挙げられる。
また、下地層の形成位置としては、特に限定されるものではないが、上述したように表示領域および非表示領域の両方に下地層が形成されていることが好ましく、表示領域内では画素間遮光部上および額縁遮光部上の両方に下地層が形成されていることが好ましい。下地層が設けられている領域に突起部が形成されることとなるので、下地層が上記のように形成されていることにより、ギャップ精度を向上させることができるからである。
さらに、下地層は、表示領域内では非画素領域に形成されていることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタ基板を液晶表示装置に用いた場合には、開口率の低下や、突起部付近での液晶の配向不良を抑制することができるからである。
下地層を構成する着色パターンと、着色層を構成する着色パターンとは、連続して形成されていてもよく、分離して形成されていてもよい。また、下地層を構成するオーバーコート層と、着色層を保護するオーバーコート層とは、連続して形成されていてもよく、分離して形成されていてもよい。
図12に例示するように高さ調整部間にのみ下地層を形成する場合の下地層の形成方法の一例を図13に示す。まず、図13(a)に示すように、遮光部3が形成された基材2上に赤色パターン5Rからなる高さ調整部6を形成して、その上に緑色層33Gを形成する。次いで、図13(b)に示すように、緑色層33Gにフォトマスク31を介して紫外線32を照射する。次いで、現像することにより、図13(c)に示すように、高さ調整部6間にのみ緑色パターン5Gからなる下地層7を形成することができる。
3.突起部
本発明における突起部は、高さ調整部間の下地層上に形成され、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されるものである。また、突起部は、間隔が異なる高さ調整部間にそれぞれ形成された下地層上に形成され、この高さ調整部間の間隔に応じて基材表面からの高さが異なる2種以上のものからなる。本発明のカラーフィルタ基板は、基材表面からの高さが異なる2種以上の突起部を有しており、この2種以上の突起部がそれぞれ設けられている高さ調整部間の間隔が互いに異なっている。
本発明においては、高さ調整部間の間隔を調整することにより、高さ調整部間に形成された下地層の膜厚を容易に制御することができ、その結果として、高さ調整部間の下地層に形成された突起部の基材表面からの高さを容易に制御することができる。
突起部の基材表面からの高さは、高さ調整部間の間隔と関係付けられているので、所望する突起部の高さに応じて、高さ調整部間の間隔、および突起部を構成する層の厚みを設定すればよい。なお、突起部を構成する着色パターンの厚みを設定する際には、具体的には、所望の分光特性を満たすような固形分濃度や、顔料等の着色剤と他の成分との組成を調整すればよい。
また、高さ調整部上に下地層が形成されている場合には、高さ調整部上の下地層上に突起部が形成されていることによって、あるいは、高さ調整部の幅を調整することによって、突起部の基材表面からの高さを調整することができる。この場合、所望する突起部の高さに応じて、高さ調整部の幅や厚み、および突起部を構成する層の厚みを設定すればよい。
さらに、突起部は3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されるので、突起部を構成する層の積層数を調整することによっても、突起部の基材表面からの高さを調整することができる。この場合、所望する突起部の高さに応じて、突起部を構成する層の厚みや積層数を設定すればよい。
突起部の基材表面からの高さとしては、突起部を構成する層の厚みや積層数に応じて異なるものであるが、1μm〜10μm程度で設定することができ、好ましくは3μm〜8μmの範囲内である。なお、カラーフィルタ基板表面からの突起部の突出高さとしては、カラーフィルタ基板を構成する各層の膜厚にもよるが、2.0μm〜5.0μm程度となることが多い。突起部の基材表面からの高さが上記範囲よりも低いと、セルギャップの制御が困難であり、また突起部の基材表面からの高さが上記範囲よりも高いと、突起部の形成が困難になるからである。
また、突起部の基材表面からの高さの差としては、0.05μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上である。突起部の基材表面からの高さの差が上記範囲であれば、効果的にセルギャップの均一化を図ることができるからである。
突起部は、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されるものであればよく、例えば1色の着色パターンから構成されていてもよく、2色以上の着色パターンが積層されたものであってもよく、透明樹脂部から構成されていてもよく、1色以上の着色パターンと透明樹脂部とが積層されたものであってもよい。また、複数種の突起部が混在していてもよい。例えば、1色の着色パターンから構成される突起部と、2色以上の着色パターンが積層された突起部と、透明樹脂部から構成される突起部とが混在していてもよい。
通常、高さ調整部と下地層と突起部とは、それぞれ異なる層で構成される。例えば、突起部が1色以上の着色パターンで構成される場合であって、高さ調整部および突起部も着色パターンで構成される場合には、高さ調整部と下地層と突起部とは、互いに異なる色の着色パターンで構成される。また例えば、突起部が透明樹脂部で構成される場合には、高さ調整部は着色パターンまたは遮光部で構成され、下地層は透明樹脂層または着色パターンで構成される。
突起部を構成する層の積層数としては、1層以上であればよく、1層、2層、3層、またはそれ以上であってもよい。この際、各層の積層順としては、各層の形成順に応じて異なるものであり、特に限定されるものではない。
突起部が、透明樹脂部から構成されたものである、あるいは、1色以上の着色パターンと透明樹脂部とが積層されたものである場合、この透明樹脂部としては、オーバーコート層、フォトスペーサ、配向制御用突起等が用いられる。例えば図11に示すように、突起部8はフォトスペーサ11であってもよい。
なお、着色パターン、オーバーコート層、フォトスペーサ、および配向制御用突起については、後述する着色層、オーバーコート層、フォトスペーサ、および配向制御用突起の項にそれぞれ記載するので、ここでの説明は省略する。
突起部が、2層以上の層が積層されたものである場合には、突起部を構成する層のうち、最上層以外の少なくともひとつの同一階層の平面視面積を調整することによって、2層以上の層が積層された突起部の基材表面からの高さを制御することもできる。
図14は図5のE−E線断面図である。図14においては、高さ調整部6aおよび6b間の間隔d1と、高さ調整部6cおよび6d間の間隔d2とは等しいので、高さ調整部6aおよび6b間に形成された下地層7の膜厚t1と、高さ調整部6cおよび6d間に形成された下地層7の膜厚t2とは等しくなる。しかしながら、図5に示すように、E−E線上に設けられた2つの突起部8では、これらの突起部8を構成する緑色パターン5Gおよび青色パターン5Bの平面視面性が異なっている。すなわち、図14に示すように、突起部8a,8bを構成する着色パターンのうち、1層目の緑色パターン5Ga,5Gbの平面視面積が異なり、2層目の青色パターン5Ba,5Bbの平面視面積が異なっており、5Gb>5Ga、および5Bb>5Baの順に平面視面積が大きい。そして、突起部8a,8bの基材表面からの高さh1,h2は異なっており、緑色パターン5Ga,5Gbの平面視面積が大きくなるほど、h2>h1の順に高さが高くなっている。
このように、突起部を構成する層のうち、最上層以外の少なくともひとつの同一階層の平面視面積が大きいほど、突起部の基材表面からの高さが高くなる。したがって、突起部を構成する層のうち、最上層以外の少なくともひとつの同一階層の平面視面積を調整することによって、2層以上の層が積層された突起部の基材表面からの高さを制御することができるのである。
なお、平面視面積とは、突起部を構成する層を、基材の直上方向から正視した場合の面積をいう。
また、同一階層とは、突起部を構成する2層以上の層のうち、同じ積層順番の層をいう。例えば、基材表面からの高さの異なる突起部が緑色パターンおよび青色パターンの2層がこの順に積層されたものである場合、緑色パターンは1層目で同一階層であり、青色パターンは2層目で同一階層である。
ここで、突起部を構成する層のうち、最上層以外の少なくともひとつの同一階層の平面視面積が大きいほど、突起部の基材表面からの高さが高くなる理由について説明する。基本的には、上述の高さ調整部の幅が広くなるほど、高さ調整部上に形成された下地層の厚みが厚くなる理由と同様である。
すなわち、下層が形成された基材上に、上層形成用材料を塗工すると、上層形成用材料が自重によって流動しようとし、下層上に乗り上げた部分では若干の膜減りが起こる。この膜減りは上層形成用材料に働く表面張力の影響を受け、その影響が強いほど膜減りが小さくなる。平面視面積の大きな下層が形成された基材上に塗工された上層形成用材料は、平面視面積の小さな下層が形成された基材上に塗工された上層形成用材料よりも表面張力の影響を強く受けるので、膜減りが小さい。そのため、平面視面積の大きな下層上に形成される上層の厚みは、平面視面積の小さな下層上に形成される上層の厚みよりも厚くなる。
このように、突起部を構成する層のうち、下層の平面視面積が大きいほど、下層上に形成される上層が厚く形成されるので、結果として、突起部の基材表面からの高さを高くすることができる。
なお、上述したように、多くの場合、下層が形成された基材上に上層形成用材料を塗布して得られる塗膜(上層)では、下層の外縁部分にて厚みが薄くなり、下層および上層の積層体の断面形状は順テーパーとなるが、フォトマスクを介した露光により上層をパターニングする場合、照射光のマスクパターンによる回折のために上層の外縁部分の一部への積算照射光量が高くなり、上層の外縁部分の一部が盛り上がることもある。
また、突起部を構成する層のうち、最上層以外の同一階層であれば、1層目、2層目、3層目等のいずれの平面視面積を異ならせてもよい。また、最上層以外の少なくともひとつの同一階層の平面視面積が異なっていれば、最上層の平面視面積は等しくても異なっていてもよい。
さらに、突起部を構成する層のうち、下層の平面視面積と上層の平面視面積とは等しくても異なっていてもよい。また、下層の平面視面積と上層の平面視面積とが異なる場合には、下層の平面視面積が上層の平面視面積よりも大きくてもよく、下層の平面視面積が上層の平面視面積よりも小さくてもよい。
突起部を構成する層の平面視形状が円形状である場合であって、下層の平面視面積と上層の平面視面積とが異なる場合、下層の直径と上層の直径との差は、3μm〜40μm程度で設定され、好ましくは10μm〜30μmの範囲内である。
また、突起部を構成する層の平面視形状が円形状である場合、基材表面からの高さの異なる突起部をそれぞれ構成する層のうち、最上層以外の同一階層の直径の差としては、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上である。上記同一階層の直径の差が上記範囲であれば、有意な高さの差を得ることができるからである。
基材表面からの高さの異なる突起部の種類の数としては、2種以上であれば特に限定されるものではない。例えば図1においては、高さ調整部6aおよび6b間、6bおよび6c間、6cおよび6d間のそれぞれの間隔が異なるので、これらの間隔に応じて、基材表面からの高さの異なる3種の突起部8が形成されている。
突起部のパターン形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、矩形状等が挙げられる。
また、突起部の形成位置としては、特に限定されるものではないが、上述したように表示領域および非表示領域の両方に下地層が形成されていることが好ましく、表示領域内では画素間遮光部上および額縁遮光部上の両方に下地層が形成されていることが好ましい。これにより、各領域において、突起部の基材表面からの高さの分布を揃えることができ、ギャップ精度を向上させることができるからである。
さらに、突起部は、表示領域内では非画素領域に形成されていることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタ基板を液晶表示装置に用いた場合には、開口率の低下や、突起部付近での液晶の配向不良を抑制することができるからである。
突起部を構成する着色パターンと、着色層を構成する着色パターンとは、連続して形成されていてもよく、分離して形成されていてもよい。
4.着色層
本発明における着色層は、基材上の遮光部の開口部に形成され、3色以上の着色パターンからなるものである。
各色の着色パターンの配列としては、特に限定されるものではなく、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色パターンの幅、面積等は任意に設定することができる。
さらに、着色パターンの色としては、3色以上であれば特に限定されるものではなく、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色、または、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)の4色、または、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)、シアン(C)の5色等とすることができる。
着色層の形成方法としては、各色の着色パターンを形成することができる、すなわち着色層をパターニングすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、着色層形成用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
各色の着色パターンは、各色の顔料や染料等の着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである。
赤色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色パターンに用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、バインダ樹脂としては、透明な樹脂が用いられる。
着色層の形成方法として印刷法やインクジェット法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、着色層の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。この場合、着色剤および感光性樹脂を含有する着色層形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
着色層の膜厚は、通常、1μm〜3μm程度で設定される。
5.遮光部
本発明における遮光部は、基材上にパターン状に形成されるものである。
遮光部のパターン形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。
遮光部としては、例えば、黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrO膜(xは任意の数)およびCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrO膜(xは任意の数)、CrN膜(yは任意の数)およびCr膜が3層積層されたものであってもよい。中でも、遮光部の膜厚を比較的厚くすることができるという点で、遮光部は黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものであることが好ましい。
遮光部が黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、遮光部形成用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
上記の場合であって、遮光部の形成方法として印刷法やインクジェット法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、上記の場合であって、遮光部の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。この場合、着色剤および感光性樹脂を含有する着色層形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
一方、遮光部が金属薄膜である場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィー法、マスクを用いた蒸着法、印刷法等を挙げることができる。
遮光部の膜厚としては、金属薄膜の場合は0.2μm〜0.4μm程度で設定され、黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである場合は0.5μm〜2μm程度で設定される。
6.基材
本発明に用いられる基材としては、可視光に対して透明な基材であれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を用いることができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
また、基材の厚みとしては、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタ基板の用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
7.オーバーコート層
本発明においては、遮光部、着色層、高さ調整部、下地層および突起部の上にオーバーコート層が形成されていてもよい。本発明のカラーフィルタ基板を横電界駆動方式の液晶表示装置に適用する場合には、通常、オーバーコート層が設けられる。
このオーバーコート層は、上記下地層を構成する透明樹脂層や、上記突起部を構成する透明樹脂部として用いることができる。例えば図11や図15に示すように、オーバーコート層9が下地層7を構成していてもよい。
オーバーコート層の形成材料としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化性樹脂(感光性樹脂)や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
オーバーコート層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、オーバーコート層形成用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
また、オーバーコート層の膜厚としては、着色層を保護することができる膜厚であればよいが、オーバーコート層によってカラーフィルタ基板の表面が平坦化されることから、所望のセルギャップが得られるように比較的薄い方が好ましい。具体的には、0.5μm〜5μm程度で設定することができ、好ましくは1μm〜3μmの範囲内である。
8.フォトスペーサ
本発明においては、遮光部および着色層の上に、フォトスペーサが形成されていてもよい。オーバーコート層が形成されている場合には、通常、オーバーコート層上にフォトスペーサが形成される。
このフォトスペーサは、上記突起部を構成する透明樹脂部として用いることができる。例えば図11に示すように、フォトスペーサ11が突起部8を構成していてもよい。
フォトスペーサの形成材料および形成方法としては、上記オーバーコート層と同様とすることができる。
また、フォトスペーサの厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えばカラーフィルタ基板表面からのフォトスペーサの突出高さとしては、1μm〜5μm程度で設定することができ、好ましくは1.5μm〜4μmの範囲内である。
9.配向制御用突起
本発明においては、遮光部および着色層の上に、配向制御用突起が形成されていてもよい。本発明のカラーフィルタ基板を垂直配向方式の液晶表示装置に適用する場合には、通常、配向制御用突起が設けられる。
この配向制御用突起は、上記下地層を構成する透明樹脂層や、上記突起部を構成する透明樹脂部として用いることができる。例えば図15に示すように、配向制御用突起12が突起部8を構成していてもよい。
配向制御用突起の形成材料としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化性樹脂(感光性樹脂)、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ノボラック系樹脂等の光分解(開裂、可溶化)型樹脂を用いることができる。
また、配向制御用突起の形成方法としては、上記オーバーコート層と同様とすることができる。
配向制御用突起の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば表示領域の着色層最表面からの配向制御用突起の高さとしては、0.5μm〜3μm程度で設定することができ、好ましくは1μm〜2μmの範囲内である。
10.透明電極層
本発明のカラーフィルタ基板を、TN方式または垂直配向方式等の液晶表示装置に適用する場合には、通常、透明電極層が設けられる。この場合、透明電極層は、遮光部、着色層、高さ調整部、下地層および突起部の上に形成されていてもよく、高さ調整部と下地層との間に形成されていてもよく、下地層と突起部との間に形成されていてもよい。
また、本発明のカラーフィルタ基板を、横電界駆動方式の液晶表示装置に適用する場合には、透明電極層が設けられる場合もある。この場合、透明電極層は、カラーフィルタ基板の液晶層に接する面とは反対側の面に形成される。
透明電極層の形成材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化錫等が挙げられる。
透明電極層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法によりパターニングする方法が好ましく用いられる。
また、透明電極層の膜厚としては、通常、100nm〜300nm程度で設定される。
11.配向膜
本発明においては、遮光部、着色層、高さ調整部、下地層および突起部の上に配向膜が形成されていてもよい。オーバーコート層が形成されている場合には、オーバーコート層上に配向膜が形成される。本発明のカラーフィルタ基板を液晶表示装置に適用する場合には、通常、配向膜が設けられる。
配向膜としては、液晶分子を配向させる配向機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、光配向膜、ラビング配向膜などが挙げられる。
12.カラーフィルタ基板の製造方法
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の一例について説明する。
まず、基材上に遮光部をパターン状に形成する。次に、遮光部がパターン状に形成された基材上に、着色層を構成する赤色パターンと、高さ調整部を構成する赤色パターンとを同時に形成する。このとき、高さ調整部を構成する赤色パターンは、異なる間隔で複数形成される。次いで、遮光部および赤色パターンが形成された基材上に、着色層を構成する緑色パターンと、下地層を構成する緑色パターンとを同時に形成する。このとき、下地層を構成する緑色パターンは、間隔の異なる高さ調整部間に形成される。次に、遮光部、赤色パターンおよび緑色パターンが形成された基材上に、着色層を構成する青色パターンと、突起部を構成する青色パターンとを同時に形成する。このとき、突起部を構成する青色パターンは、高さ調整部間の下地層上に形成される。続いて、必要に応じて遮光部、着色層、高さ調整部、下地層および突起部の上にオーバーコート層、透明電極層、配向膜等を形成する。このようにして、カラーフィルタ基板を作製することができる。
なお、この際、各着色パターンの形成順は特に限定されるものではない。
13.用途
本発明のカラーフィルタ基板は、種々の用途に用いることができ、例えば、IPS、FFS等の横電界方式、MVA、PVA等の垂直配向方式、TN方式などの液晶表示装置などに適用することができる。
B.液晶表示装置
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、上述したカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とするものである。
本発明の液晶表示装置について図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図8に例示するように、液晶表示装置20は、カラーフィルタ基板1と、対向基板21と、カラーフィルタ基板1および対向基板21間に形成された液晶層25とを有している。カラーフィルタ基板1は、基材2と、基材2上にパターン状に形成された遮光部3と、基材上の遮光部の開口部に形成された着色層(図示なし)と、遮光部3上に異なる間隔で形成され、赤色パターン5Rからなる高さ調整部6a,6b,6c,6dと、高さ調整部6aおよび6b間、6cおよび6d間に、高さ調整部6a,6b,6c,6dの端部を覆うように形成され、緑色パターン5Gからなる下地層7と、高さ調整部6aおよび6b間、6cおよび6d間の下地層7上に形成され、青色パターン5Bからなる突起部8a,8bと、高さ調整部6a,6b,6c,6d、下地層7および突起部8a,8b等の上に形成されたオーバーコート層9と、オーバーコート層9上に形成された配向膜10とを有している。また、対向基板21は、第2基材22と、第2基材22上に形成された電極層23と、電極層23上に形成された第2配向膜24とを有している。
カラーフィルタ基板1において、高さ調整部6aおよび6b間の間隔と、高さ調整部6cおよび6d間の間隔とが異なるので、この間隔に応じて、高さ調整部6aおよび6b間に形成された下地層7の膜厚t1と、高さ調整部6cおよび6d間に形成された下地層7の膜厚t2とは異なるものとなり、t1>t2の順に膜厚が厚くなる。その結果として、高さ調整部6aおよび6b間の下地層7上に形成された突起部8aの基材表面からの高さh1と、高さ調整部6cおよび6d間の下地層7上に形成された突起部8bの基材表面からの高さh2とは異なるものとなり、h1>h2の順に高さが高くなる。
ここで、突起部8a,8bを、高さの順に、高スペーサ8a、低スペーサ8bということとする。液晶表示装置20では、基本的に高スペーサ8aでセルギャップを制御するので、セルギャップを液晶層の収縮に追従させやすく、低温発泡の発生を抑制することができる。また、液晶表示装置20に荷重が加わってセルギャップが狭くなったときには、高スペーサ8aおよび低スペーサ8bの両方でカラーフィルタ基板1および対向基板21が支持される。したがって、高い耐荷重特性を実現できる。
本発明においては、上述したカラーフィルタ基板を用いるので、突起部の基材表面からの高さを複合的に調整することが可能である。したがって、耐荷重特性に優れ、ギャップむらがない表示品位の高い液晶表示装置とすることができる。また、本発明の液晶表示装置のサイズが比較的大きい場合であっても、たわみや反りの発生を防ぐことができる。
さらに、本発明における高さ調整部は、3色以上の着色パターンのうちの1色の着色パターンまたは遮光部から構成され、下地層は、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成され、突起部は、3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成される。これらの高さ調整部、下地層および突起部が、例えば遮光部、着色パターン、オーバーコート層で構成されている場合には、遮光部、着色層およびオーバーコート層の形成時に、同時に高さ調整部、下地層および突起部を形成することができ、簡便なプロセスで液晶表示装置を得ることができる。
本発明の液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定されるものではなく、一般的な駆動方式を採用することができ、例えば、IPS、FFS等の横電界方式、MVA、PVA等の垂直配向方式、TN方式などを挙げることができる。
本発明の液晶表示装置は、カラーフィルタ基板を用いたものであれば特に限定されるものではないが、通常は、カラーフィルタ基板と、対向基板と、カラーフィルタ基板および対向基板間に形成された液晶層とを有している。
なお、カラーフィルタ基板については、上記「A.カラーフィルタ基板」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明における液晶層は、カラーフィルタ基板および対向基板間に設けられるものである。液晶層を構成する液晶としては、特に限定されるものではないが、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、およびこれらの混合物を用いることができる。
液晶層の形成方法としては、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができ、例えば、真空注入方式や液晶滴下方式等が挙げられる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ基板および対向基板を用いて液晶セルを作製し、減圧下でキャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタ基板の周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタ基板の柱状スペーサで隔てられた領域に、ディスペンサー等を用いて液晶を滴下し、カラーフィルタ基板および対向基板を重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(感光性樹脂組成物の調製)
重合槽中に、メタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌して溶解させた後、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下において、85℃で2時間攪拌し、さらに100℃で1時間反応させた。さらに、得られた溶液に、メタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、ハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、これにより、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に、このようにして得られた共重合樹脂溶液(固形分50%)を、下記の材料とともに室温で攪拌して混合し、感光性樹脂組成物を得た。
<感光性樹脂組成物の組成>
・共重合樹脂溶液(固形分50%):16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399):24重量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70):4重量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン:4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:52重量部
(遮光部の形成)
次いで、下記の材料を混合し、サンドミルにて十分に分散させることにより、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料:23重量部
・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111):2重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル):75重量部
次に、上記黒色顔料分散液を、下記の材料とともに十分に混合し、遮光部用感光性樹脂組成物を得た。
<遮光部用感光性樹脂組成物の組成>
・黒色顔料分散液:61重量部
・上記の感光性樹脂組成物:20重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:30重量部
そして、厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子(株) AN材)上に上記の遮光部用感光性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布し、100℃で3分間乾燥させ、厚み1.3μmの遮光膜を形成した。
その後、上記遮光膜を超高圧水銀ランプでパターン露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、200℃で30分間の加熱処理を施すことにより、画素間遮光部、額縁遮光部を形成した。
(着色層の形成)
次に、下記組成の赤色用感光性樹脂組成物、緑色用感光性樹脂組成物、および青色用感光性樹脂組成物を調製した。
<赤色用感光性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド177:10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・上記の感光性樹脂組成物:5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部
<緑色用感光性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン36:10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・上記の感光性樹脂組成物:5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部
<青色用感光性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6:10重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・上記の感光性樹脂組成物:5重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部
上記遮光部が形成された基板上に、上記赤色用感光性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布した後、70℃のオーブン中で3分間乾燥させ、塗膜を形成した。その後、塗膜から100μmの距離のところにフォトマスクを配置し、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて、赤色パターン(赤色画素)を形成すべき領域にのみ紫外線を10秒間照射した。次いで、塗膜が形成された基板を0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、塗膜の未硬化部分のみを除去した。そして、塗膜が形成された基板に200℃で30分間の加熱処理を施して、図16に示すように赤色画素を形成すべき領域に着色層を構成する赤色パターン4Rを形成するとともに、図17、図18(a)および図19に示すように非表示領域に高さ調整部6を構成する赤色パターン5Rを形成した。このとき、額縁遮光部上にも非表示領域と同様に、高さ調整部を構成する赤色パターンを形成した。赤色パターンの膜厚は2.0μmであった。また、高さ調整部を構成する赤色パターンの間隔d1,d2,d3を、下記表1に示す。
なお、図17は図16の太枠Fの拡大図であり、図18は図17の太枠Gの拡大図であり、図19は図18(c)のH−H線断面図である。また、図16において、額縁遮光部3a上および非表示領域35に形成された高さ調整部、下地層、突起部をそれぞれ構成する赤色パターン、緑色パターン、オーバーコート層およびフォトスペーサ、ならびに、表示領域36に形成されたオーバーコート層は省略されている。図17においては、高さ調整部6を構成する赤色パターン5Rのみを示している。
また、上述した赤色パターンの形成と同様の工程で、上記緑色用感光性樹脂組成物を用いて、図16に示すように緑色画素を形成すべき領域に着色層を構成する緑色パターン4Gを形成するとともに、図18(b)および図19に示すように非表示領域に下地層7を構成する緑色パターン5Gを形成した。このとき、額縁遮光部上にも非表示領域と同様に、下地層を構成する緑色パターンを形成した。緑色パターンの膜厚は1.5μmであった。
さらに、上述した赤色パターンの形成と同様の工程で、上記青色用感光性樹脂組成物を用いて、図16に示すように青色画素を形成すべき領域に青色パターン4Bを形成した。この青色パターンの膜厚は1.9μmであった。
(オーバーコート層の形成)
上記着色層が形成された基板上に、上記の感光性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布して乾燥させ、乾燥時の厚み1.2μmの塗膜を形成した。その後、塗膜から100μmの距離のところにフォトマスクを配置し、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて、オーバーコート層を形成すべき領域に紫外線を10秒間照射した。次いで、塗膜が形成された基板を0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、塗膜の未硬化部分のみを除去した。そして、塗膜が形成された基板に200℃で30分間の加熱処理を施して、膜厚1.0μmのオーバーコート層を形成した。この際、表示領域だけでなく非表示領域にもオーバーコート層を形成し、図18(c)および図19に示すようにオーバーコート層9を下地層7の構成要素とした。
(フォトスペーサの形成)
上記オーバーコート層が形成された基板上に、上記の感光性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布して乾燥させた。その後、塗膜から100μmの距離のところにフォトマスクを配置し、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて、スペーサを形成すべき領域にのみ紫外線を10秒間照射した。次いで、塗膜が形成された基板を0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、塗膜の未硬化部分のみを除去した。そして、塗膜が形成された基板に200℃で30分間の加熱処理を施して、高さ3.0μmのフォトスペーサを形成した。この際、表示領域内の高さ調整部および下地層が形成されていない部分のオーバーコート層上にフォトスペーサを形成するとともに、図18(c)および図19に示すように下地層7を構成するオーバーコート層9上に突起部8を構成するフォトスペーサ11を形成した。
以上により、カラーフィルタ基板を作製した。
(カラーフィルタ基板の評価)
フォトスペーサのガラス基板表面からの高さh1,h2,h3、および、フォトスペーサのカラーフィルタ基板表面からの高さk1,k2,k3を測定した。なお、図19に示すように、フォトスペーサのガラス基板表面からの高さh1,h2,h3は、ガラス基板(基材2)の表面からフォトスペーサ8の頂部までの高さ(距離)である。また、図19に示すように、フォトスペーサのカラーフィルタ基板表面からの高さk1,k2,k3は、高さ調整部6を構成する赤色パターン5Rの直上に形成されたオーバーコート層9の表面からフォトスペーサ11の頂部までの高さ(距離)である。
このとき、各種のフォトスペーサについて、任意の20箇所を測定して、高さの平均値を求めた。結果を下記表1に示す。
(液晶表示装置の作製)
上記カラーフィルタ基板上にポリイミド系配向膜を形成して、ラビング処理を施した。また、薄膜トランジスタ素子を備え、透明電極が形成された対向基板を作製し、同様に対向基板上にポリイミド系配向膜を形成して、ラビング処理を施した。配向膜が形成されたカラーフィルタ基板および対向基板を、ラビング処理方向が直交するように対向させ、シール材を介して貼り合わせた後に、注入口から液晶を注入した。液晶の注入は、空セルを減圧下に放置後、注入口を液晶槽に浸漬し、常圧に戻すことにより行なった。液晶の注入後、注入口を封止し、さらに偏光板をカラーフィルタ基板および対向基板の外側に貼付することにより、液晶表示装置を作製した。
(液晶表示装置の評価)
大塚電子製 RETS-2000によりセルギャップを測定した。なお、セルギャップは、カラーフィルタ基板表面からのフォトスペーサの突出高さ、すなわちカラーフィルタ基板表面からフォトスペーサの頂部までの距離である。このとき、各領域のセルギャップについて、任意の20箇所を測定して、平均値を求めた。
また、液晶表示装置を0℃環境に24時間放置した後に、透過照明付き偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察したところ、異常は見られなかった。
これらの結果を下記表1に示す。
Figure 0004882830
[比較例1]
高さ調整部間の間隔を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
液晶表示装置を0℃環境に24時間放置した後に、透過照明付き偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察したところ、透過光の見えない気泡状箇所が確認された。
[実施例2]
高さ調整部間の間隔を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
液晶表示装置を0℃環境に24時間放置した後に、透過照明付き偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察したところ、実施例1と同様に、異常は見られなかった。
[比較例2]
実施例1において、高さ調整部を構成する赤色パターン、および、下地層を構成する緑色パターンを形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板および液晶表示装置を作製した。
液晶表示装置を0℃環境に24時間放置した後に、透過照明付き偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察したところ、透過光の見えない気泡状箇所が確認された。
実施例1,2の通り、間隔の異なる高さ調整部(赤色パターン)間にそれぞれ下地層(緑色パターンおよびオーバーコート層)および突起部(フォトスペーサ)を形成して、高さの異なる複数種のフォトスペーサを同一の液晶表示装置内に設けることにより、低温保管時の表示異常を解消することが可能であった。
本発明のカラーフィルタ基板の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略平面図である。 図3のB−B線断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略平面図である。 図5のC−C線断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略平面図である。 本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 図3のD−D線断面図である。 高さ調整部の幅と下地層の膜減りとの関係を説明するための図である。 本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板における下地層の形成方法の一例を示す工程図である。 図5のE−E線断面図である。 本発明のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 実施例のカラーフィルタ基板の示す概略平面図である。 図16の拡大図である。 図17の拡大図である。 図18(c)のH−H線断面図である。
符号の説明
1 … カラーフィルタ基板
2 … 基材
3,5S … 遮光部
4 … 着色層
4R,5R … 赤色パターン
4G,5G … 緑色パターン
4B,5B … 青色パターン
6,6a,6b,6c,6d … 高さ調整部
7,7a,7b … 下地層
8,8a,8b … 突起部
10 … 液晶表示装置

Claims (3)

  1. 基材と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記基材上の前記遮光部の開口部に形成され、3色以上の着色パターンからなる着色層と、前記基材上に所定の間隔をおいて形成された複数の高さ調整部と、前記基材上の隣接する前記高さ調整部間に形成された下地層と、前記高さ調整部間の下地層上に形成された突起部とを有し、
    前記突起部が、間隔の異なる前記高さ調整部間にそれぞれ形成された前記下地層上に形成され、前記間隔に応じて前記基材表面からの高さが異なる2種以上のものからなり、
    前記高さ調整部が、前記3色以上の着色パターンのうちの1色の着色パターンまたは前記遮光部から構成され、前記下地層が、前記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂層からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成され、前記突起部が、前記3色以上の着色パターンおよび透明樹脂部からなる群から選択される少なくとも1層以上の層から構成されていることを特徴とするカラーフィルタ基板。
  2. 前記下地層が前記高さ調整部上に形成され、前記高さ調整部上の下地層上に前記突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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