JP2008020591A - 光学補償層付偏光板、それを用いた液晶パネル、液晶表示装置、画像表示装置および光学補償層付偏光板の製造方法。 - Google Patents

光学補償層付偏光板、それを用いた液晶パネル、液晶表示装置、画像表示装置および光学補償層付偏光板の製造方法。 Download PDF

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森  拓也
Yoshiaki Kitamura
▲吉▼紹 北村
Mariko Hirai
真理子 平井
Naoki Takahashi
直樹 高橋
Ikuro Kawamoto
育郎 川本
Kazuya Hata
和也 秦
Hideyuki Yonezawa
秀行 米澤
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Abstract

【課題】薄型化・軽量化に寄与し、かつ、優れた耐熱性および耐湿性を有する光学補償層付偏光板を提供する。
【解決手段】 本発明の光学補償層付偏光板10は、偏光子11と、第1の光学補償層12と、第2の光学補償層13と、第3の光学補償層14とがこの順序で積層されている。第1の光学補償層12は、液晶化合物から形成され、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmである。第2の光学補償層13は、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmである。第3の光学補償層14は、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、前記材料が傾斜配向している。好ましくは、第2の光学補償層13と第3の光学補償層14とは、接着剤層のみを介して貼り合わされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学補償層付偏光板、それを用いた液晶パネル、液晶表示装置、画像表示装置および光学補償層付偏光板の製造方法に関する。
従来、偏光板は、液晶表示装置に多く用いられており、近年、急激に、その需要が増大している。さらに、偏光板に光学補償層を積層させた楕円偏光板のような付加価値の高い偏光板が使用されるようになってきており、偏光板に対し、高精細、高画質、広視野角などといった表示品位に対する要求が、ますます強くなっている。
一方、ディスコチック液晶化合物を傾斜配向させてなる光学異方性層を三酢酸セルロース(TAC)フィルムにて支持した光学補償位相差フィルムが知られている。このような位相差フィルムは、広視野角機能を有する保護フィルムとして偏光子に直接積層されたり、偏光板に積層されて広視野角機能を付与するのに使用されている(例えば、特許文献1および2参照)。このような位相差フィルムを有する偏光板を、光学補償層付偏光板という。
しかし、前記のような位相差フィルムは、例えば、高温高湿状態に晒されると、支持基材であるTACフィルムに歪が生じる場合があり、その結果、これを用いた光学補償層付偏光板において、コントラストが低下する場合がある。したがって、前記のような位相差フィルムは、耐久性に問題がある。
さらに、前記のような位相差フィルムにおいて、光学異方性層自体は、10μm以下であって非常に薄いが、TACフィルムが支持基材としての機能を果たすためには、100μm程度の厚みが必要となる。その結果、このような位相差フィルムを用いる場合には、光学補償層付偏光板において、薄型化・軽量化が非常に困難である。
特開平6−75116号 特開平8−94838号
そこで、本発明は、薄型および軽量であり、耐熱性および耐湿性に優れた光学補償層付偏光板、それを用いた液晶パネル、液晶表示装置、画像表示装置および光学補償層付偏光板の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の光学補償層付偏光板は、
偏光子、第1の光学補償層、第2の光学補償層および第3の光学補償層が、この順序で積層され、
前記第1の光学補償層が、液晶化合物から形成され、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmの範囲であり、
前記第2の光学補償層が、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmの範囲であり、
前記第3の光学補償層が、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、前記材料が傾斜配向している
という構成を有する。
本発明の液晶パネルは、前記本発明の光学補償層付偏光板と液晶セルとを含む液晶パネルである。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の液晶パネルを含む液晶表示装置である。
本発明の画像表示装置は、前記本発明の光学補償層付偏光板を含む画像表示装置である。
本発明の光学補償層付偏光板の製造方法は、光学的に負の一軸性を示す材料が傾斜配向した傾斜配向層と基材とを有する積層体を準備する工程と;
nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmの範囲である第2の光学補償層と、前記積層体とを、前記第2の光学補償層と前記傾斜配向層とが隣接するようにして貼り合わせる工程と;
前記基材を剥離して、前記傾斜配向層を第3の光学補償層とする工程と;
前記第2の光学補償層と、液晶化合物から形成され、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、その面内位相差Reが200〜300nmの範囲である第1の光学補償層とを貼り合わせる工程と;
前記第1の光学補償層と前記偏光子とを貼り合わせる工程と
を含む製造方法である。
上述のように、本発明の光学補償層付偏光板では、TACフィルムを用いないため、TACフィルムに起因した、厚型化、重量化、耐熱性および耐湿性の問題が生じることがない。さらに、本発明の光学補償層付偏光板では、第1の光学補償層が液晶化合物により形成されているため、前記第1の光学補償層を薄膜化および軽量化することができる。したがって、本発明の光学補償層付偏光板は、薄膜化、軽量化、耐熱性および耐湿性に優れ、耐久性に優れた極薄型の広視野角楕円偏光板となる。
本発明の光学補償層付偏光板において、前記偏光子の吸収軸の方向と、前記第1の光学補償層の遅相軸の方向とのなす角度は、+5〜+45度の範囲または−5〜−45度の範囲であることが好ましい。前記角度の範囲であれば、本発明の光学補償層付偏光板を用いた液晶表示装置において、黒表示特性(黒輝度)が優れるようになる。
本発明の光学補償層付偏光板において、前記第2の光学補償層は、液晶化合物から形成されたものであることが好ましい。前記第1の光学補償層と同様に、前記第2の光学補償層も液晶化合物から形成されたものであれば、薄型化に優れ、結果として、本発明の光学補償層付偏光板の全体を、さらに薄型化かつ軽量化にすることが可能となる。
本発明の光学補償層付偏光板において、前記第2の光学補償層と前記第3の光学補償層とが、接着剤層のみを介して貼り合わされることが好ましい。
本発明の光学補償層付偏光板において、前記光学的に負の一軸性を示す材料が、ディスコチック液晶化合物であるであることが好ましい。
本発明の光学補償層付偏光板において、前記第3の光学補償層における前記光学的に負の一軸性を示す材料の平均光軸が、前記第3の光学補償層の法線方向に対して5〜50度の角度で傾斜していることが好ましい。
本発明の光学補償層付偏光板の製造方法において、前記基材を剥離する工程は、前記積層体を水浴に浸漬させることを含むことが好ましい。この場合、前記水浴の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、前記浸漬時間は、3分〜30分の範囲が好ましい。
本発明の光学補償層付偏光板の製造方法において、ラビング処理された長尺基材フィルムの前記ラビング処理面に液晶化合物を塗工して配向処理し、前記配向を固定することにより製造する前記第1の光学補償層の製造工程を有し、前記ラビング処理が、下記のラビング方法(A)により実施されることが好ましい。
ラビング方法(A)
前記長尺基材フィルムの表面をラビングロールによって擦るラビング処理工程において、金属表面を有する搬送ベルトによって前記長尺基材フィルムを支持して搬送すると共に、前記長尺基材フィルムを支持する搬送ベルトの下面を支持し前記ラビングロールに対向するように複数のバックアップロールを配設し、以下の式(1)で定義されるラビング強度RSを800mm以上に設定するという方法。
RS=N・M(1+2πr・nr/v)・・・(1)
ここで、Nはラビング回数(ラビングロールの個数)(無次元量)を、Mはラビングロールの押し込み量(mm)を、πは円周率を、rはラビングロールの半径(mm)を、nrはラビングロールの回転数(rpm)を、vは長尺基材フィルムの搬送速度(mm/sec)を意味する。
本発明の光学補償層付偏光板の製造方法において、前記第2の光学補償層が液晶化合物から形成されたものであり、ラビング処理された長尺基材フィルムの前記ラビング処理面に液晶化合物を塗工して配向処理し、前記配向を固定することにより製造する前記第2の光学補償層の製造工程を有し、前記ラビング処理が、前記ラビング方法(A)により実施されることが好ましい。
以下、本発明について、詳しく説明する。
本発明における用語および記号の定義は下記の通りである:
(1)「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は前記遅相軸および前記進相軸の双方に垂直な厚み方向の屈折率である。また、例えば、「nx=ny」、「ny=nz」等は、nxとny,nyとnz等が厳密に等しい場合のみならず、nxとny,nyとnz等が実質的に等しい場合も包含する。他の屈折率相互の関係も同様である。本発明において「実質的に等しい」とは、例えば、光学補償層付偏光板の全体的な偏光特性に実用上の影響を与えない範囲で、nxとny、nyとnz等が異なる場合も包含する趣旨である。
(2)「面内位相差Re」は、例えば、23℃における波長590nmの光で測定したフィルム(層)面内の位相差値をいう。Reは、例えば、波長590nmにおけるフィルム(層)の遅相軸方向、進相軸方向の屈折率をそれぞれ、nx、nyとし、d(nm)をフィルム(層)の厚みとしたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差値Rthは、例えば、23℃における波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値をいう。Rthは、例えば、波長590nmにおけるフィルム(層)の遅相軸方向、厚み方向の屈折率をそれぞれ、nx、nzとし、d(nm)をフィルム(層)の厚みとしたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)本発明において使用される用語や記号に付される添え字の「1」は第1の光学補償層を表し、添え字の「2」は第2の光学補償層を表し、添え字の「3」は第3の光学補償層を表す。
(5)「λ/2板」とは、ある特定の振動方向を有する直線偏光を、前記直線偏光の振動方向とは直交する振動方向を有する直線偏光に変換したり、右円偏光を左円偏光に(または、左円偏光を右円偏光に)変換したりする機能を有するものをいう。λ/2板は、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、フィルム(層)の面内の位相差値が約1/2である。
(6)「λ/4板」とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有するものをいう。λ/4板は、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、フィルム(層)の面内の位相差値が約1/4である。
(7)「平均光軸」とは、第3の光学補償層内における光学的に負の一軸性を示す材料分子のそれぞれの光軸の統計的な平均の方向をいう。
A.光学補償層付偏光板
A−1.光学補償層付偏光板の全体構成
図1は、本発明の光学補償層付偏光板の一例の概略断面図である。図1に示すように、この光学補償層付偏光板10は、偏光子11と第1の光学補償層12と第2の光学補償層13と第3の光学補償層14とをこの順序で積層したものである。光学補償層付偏光板10の各層は、任意の適切な粘着剤層または接着剤層(図示せず)を介して積層されている。実用的には、偏光子11の光学補償層が形成されない側(同図において上側)には、任意の適切な保護層(図示せず)が積層されている。さらに、必要に応じて、偏光子11と第1の光学補償層12との間に保護層が設けられる。
前記偏光子11の吸収軸の方向と前記第1の光学補償層12の遅相軸の方向のなす角度は、+5〜+45度の範囲または−5〜−45度の範囲であることが好ましいのは、前述のとおりである。前記偏光子11の吸収軸Aの方向と前記第1の光学補償層12の遅相軸Bの方向のなす角度αの例を、図5に示す。前記角度αは、偏光子11の吸収軸Aに対し、時計回りが「−」であり、反時計回りが「+」である。図5では、角度αが偏光子11の吸収軸Aに対し反時計回りであるから、「+」である。前記角度αは、好ましくは、+10〜+35度の範囲または−10〜−35度の範囲であり、より好ましくは+10〜+20度の範囲または−10〜−20度の範囲である。また、前記偏光子11の吸収軸Aの方向と前記第2の光学補償層13の遅相軸Cの方向のなす角度βにおいて、前記角度αの絶対値が決まれば、β(度)=2α+45(度)という関係式により、角度βの絶対値が決定される。前記角度の範囲であれば、本発明の光学補償層付偏光板を用いた液晶表示装置において、黒表示特性(黒輝度)が優れるようになる。
前記第1の光学補償層12は、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmの範囲である。前記第2の光学補償層13は、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmの範囲である。前記第3の光学補償層14は、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、前記材料が厚み方向に傾斜配向している。第1の光学補償層、第2の光学補償層および第3の光学補償層の詳細については、それぞれ、後述のA−2項、A−3項およびA−4項で説明する。
本発明の光学補償層付偏光板の全体厚みは、例えば、100〜200μmであり、好ましくは120〜190μmであり、より好ましくは130〜180μmである。従来、ディスコチック液晶の傾斜配向層には必ず支持基材(TACフィルム)が設けられており、前記支持基材は100μm程度の厚みを有する。したがって、従来の広視野角楕円偏光板の構成においては、第3の光学補償層の厚みとして支持基材の厚みが支配的となっており、第3の光学補償層として100μm程度の厚みが必要である。一方、本発明によれば、第2の光学補償層と第3の光学補償層とを接着剤層のみを介して貼り合わせることが可能となる。言い換えれば、本発明によれば、第3の光学補償層をディスコチック液晶の傾斜配向層の単独層として(すなわち、TACフィルムのような支持基材を介することなく)、第2の光学補償層に隣接して形成することが可能となり、その結果、第3の光学補償層を非常に薄く(例えば、1〜10μm程度まで)することができる。したがって、本発明は、画像表示装置(例えば、液晶表示装置)の薄型化に大きく貢献し得る。
A−2.第1の光学補償層
第1の光学補償層12は、λ/2板として機能し得る。第1の光学補償層がλ/2板として機能することにより、λ/4板として機能する第2の光学補償層の波長分散特性(特に、位相差がλ/4を外れる波長範囲)について、位相差が適切に調節され得る。このような第1の光学補償層の面内位相差Reは、200〜300nmの範囲であり、好ましくは220〜280nmの範囲であり、さらに好ましくは230〜270nmの範囲である。さらに、前記第1の光学補償層12は、nx>ny=nzの屈折率分布を有する。
前記第1の光学補償層の厚みは、特に制限されない。前記第1の光学補償層は、液晶化合物により形成されるため、厚みを厚くすることなく面内位相差Reを大きくすることができるため、その厚みを薄くすることが可能である。前記第1の光学補償層の厚みは、例えば、1〜10μmであり、好ましくは2〜8μmであり、さらに好ましくは3〜7μmである。
前記第1の光学補償層の形成材料は、前述のように、液晶化合物である。前記液晶化合物は、特に制限されないが、例えば、液晶相がネマチック相である液晶化合物(ネマチック液晶)が好ましい。前記液晶化合物としては、例えば、液晶モノマー、液晶ポリマーがある。液晶化合物の液晶性の発現機構は、リオトロピックでもよいし、サーモトロピックでもよい。液晶の配向状態は、特に制限されないが、ホモジニアス配向が好ましい。液晶モノマーおよび液晶ポリマーは、それぞれ単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
前記液晶モノマーは、例えば、重合性モノマーおよび架橋性モノマーの少なくとも一方であることが好ましい。これは、後述するように、前記液晶モノマーを重合若しくは架橋することによって、前記液晶モノマーの配向状態を固定できるためである。すなわち、液晶モノマーを配向させた後、例えば、液晶性モノマー同士を重合若しくは架橋させれば、前記液晶モノマーが連結した三次元網目構造が形成されることになるが、これらは非液晶性である。したがって、形成された第1の光学補償層は、例えば、液晶化合物に特有の温度変化による相変化、すなわち、液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起こることがない。その結果、第1の光学補償層は、温度変化に影響されない極めて安定なものとなる。
前記液晶モノマーとしては、任意の適切な液晶モノマーが採用され得る。例えば、特表2002−533742(WO00/37585)、EP358208(US5211877)、EP66137(US4388453)、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、DE4408171、およびGB2280445等に記載の重合性メソゲン化合物等が使用できる。このような重合性メソゲン化合物の具体例としては、例えば、BASF社の商品名LC242、Merck社の商品名E7、Wacker−Chem社の商品名LC−Sillicon−CC3767があげられる。
前記液晶モノマーとしては、例えば、ネマチック性液晶モノマーが好ましく、例えば、特開2003−287623号公報0035段落から0046段落に記載のモノマーがあげられる。液晶モノマーとして好ましいのは、例えば、下記の(1)から(16)の化学式で表される液晶モノマーである。これらの液晶モノマーは、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
Figure 2008020591
Figure 2008020591
前記液晶モノマーが液晶性を示す温度範囲は、その種類に応じて異なるが、例えば、40〜120℃の範囲であり、好ましくは50〜100℃の範囲であり、より好ましくは60〜90℃の範囲である。
つぎに、前記第1の光学補償層は、例えば、表面が配向処理された基材フィルムの前記表面に、前記液晶モノマーを塗工して配向させ、前記液晶モノマーを重合または架橋することにより前記配向状態を固定することにより、形成することができる。
前記基材フィルムは、特に制限されず、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフイン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等から形成されたフィルムを挙げることができる。また、これらのフィルムに、一軸延伸等の延伸処理を施した複屈折性を有する延伸フィルム等を配向膜として積層した積層体も、基材フィルムとして使用することができる。基材フィルムの形態としては、長尺フィルムの形態が好ましい。
前記基材フィルムに対する配向処理は、特に制限されず、例えば、機械的な配向処理、物理的な配向処理、化学的な配向処理があげられる。前記機械的な配向処理としては、例えば、ラビング処理、延伸処理があげられる。前記物理的な配向処理としては、例えば、磁場配向処理、電場配向処理があげられる。前記化学的配向処理としては、例えば、斜方蒸着処理、光配向処理があげられる。このなかで、好ましいのは、ラビング処理である。
前記配向処理における配向方向は、前述のように、本発明の光学補償層付偏光板において、前記第1の光学補償層の遅相軸の方向と前記偏光子の吸収軸の方向のなす角度が、+5〜+45度の範囲または−5〜−45度の範囲であることが好ましいことから、この条件を満たす配向方向が好ましい。偏光子は、通常、二色性物質で染色した長尺のポリマーフィルムを延伸して製造されているため、得られる偏光子も長尺フィルムの形態で得られる。前記偏光子の長尺フィルムの吸収軸は、延伸方向、すなわち、前記長尺フィルムの長手方向である。そして、本発明の光学補償層付偏光板の製造において、製造効率の観点から、前記長尺フィルムの偏光子に、長尺の第1の光学補償層を積層し、適宜のサイズにカットすることが好ましい。この場合、前記配向処理における配向方向は、基材フィルムが長尺フィルムの場合、その長手方向に対し、前記角度となるような斜め方向が好ましいことになる。ただし、基材フィルムから転写して第1の光学補償層を偏光子に積層する場合、配向方向は転写を考慮した角度とすることが好ましい。
前記長尺基材フィルムを配向処理する方法としては、ロールにより前記基材フィルムを搬送しながら、ラビングロールにより連続的にラビン処理することが好ましい。前記ラビングロールを、前記基材フィルムの搬送方向に対し所定の方向に向けることで、配向方向を調整することができる。
ロールに基材フィルムを捲回し、これを搬送してラビング処理をする場合、ラビング処理を施す前のロールに巻回した状態の基材フィルムにブロッキング(基材同士が光学的に界面を有さずに密着する現象)が生じる場合がある。このような基材フィルムにおいては、ブロッキングが生じた部分の表面状態が変化するため、ラビング処理を施しても、ブロッキングが生じた部分とそれ以外の部分とでは配向特性が変化し、塗工した液晶化合物にドメインが発生することによって均一な配向状態(均一な光学特性)が得られない場合があるという問題がある。そこで、ブロッキングが生じるような基材フィルムを用いる場合であっても、低コストで均一な光学特性を有する光学補償層を形成するためには、前述したラビング方法(A)よりラビング処理を実施することが好ましい。
すなわち、前記ラビング方法(A)は、長尺基材フィルムの表面をラビングロールによって擦るラビング処理工程において、金属表面を有する搬送ベルトによって前記長尺基材フィルムを支持して搬送すると共に、前記長尺基材フィルムを支持する搬送ベルトの下面を支持し前記ラビングロールに対向するように複数のバックアップロールを配設し、以下の式(1)で定義されるラビング強度RSを800mm以上に設定するという方法である。前記ラビング強度RSは、好ましくは、850mm以上、より好ましくは1000mm以上、さらに好ましくは、2200mm以上、最も好ましくは2600mm以上である。
RS=N・M(1+2πr・nr/v)・・・(1)
ここで、Nはラビング回数(ラビングロールの個数)(無次元量)を、Mはラビングロールの押し込み量(mm)を、πは円周率を、rはラビングロールの半径(mm)を、nrはラビングロールの回転数(rpm)を、vは長尺基材フィルムの搬送速度(mm/sec)を意味する。
前記方法によれば、(1)ラビング処理を施す際に、長尺基材フィルムを支持して搬送する搬送ベルトの下面を支持する複数のバックアップロールを配設することにより、ラビングロールの押し込み量を大きくしたとしても、安定した状態でラビング処理を施すことが可能であること、(2)長尺基材フィルムにブロッキングが生じているような場合であっても、前記「ラビング強度」と称されるパラメータの値を所定値以上とすることにより、均一な配向特性(均一な光学特性)を得ることが可能であり、(3)ロール・ツー・ロール方式によって長尺基材フィルムに連続的にラビング処理を施すことが可能であるため低コストである。なお、前記方法における「ラビングロールの押し込み量」とは、前記長尺基材フィルム表面に対してラビングロールの位置を変動させた場合において、ラビングロールが最初に長尺基材フィルム表面に接した位置を原点(0点)とし、前記原点から長尺基材フィルムに向けてラビングロールを押し込んだ量(位置の変動量)を意味する。前記ラビングロールは、起毛布を巻回したものが好ましい。起毛布を巻回したラビングロールの場合、前記「ラビングロールの半径」は、前記起毛布を含む半径であり、前記「ラビングロールの押し込み量」の原点は、起毛布が最初に長尺基材フィルム表面に接した位置をいう。
前記ラビング方法において、ラビング処理を施す際に、長尺基材フィルムを支持して搬送する搬送ベルトの下面を支持する複数の棒状のバックアップロールを互いに略平行に配設することにより、バックアップロールに支持される搬送ベルトの平坦度が高まり易い。この場合、隣接するバックアップロールの軸間距離を50mmよりも小さく設定する場合には、バックアップロールの外径を必然的に小さくする必要がある。この場合、長尺基材フィルムの搬送速度が一定であるとすると、バックアップロールの外径が大きい場合に比べて、ラビング処理時にバックアップロールが高速回転することになり、この際に発生する熱によって、搬送ベルトに支持された長尺基材フィルムが変形する等の問題が生じるおそれがある。一方、隣接するバックアップロールの軸間距離を90mmよりも大きく設定する場合には、搬送ベルトの平坦度が低下することにより、配向ムラが生じ外観不良が発生し易いという問題がある。従って、このような問題を回避するには、隣接するバックアップロールの軸間距離は、50mm以上90mm以下に設定することが好ましく、60mm以上80mm以下に設定することがより好ましい。これらのことより、前記ラビング方法において、好ましくは、前記複数のバックアップロールは、互いに略平行に配設された複数の棒状のバックアップロールとされ、隣接する各バックアップロールの軸間距離が50mm以上90mm以下(より好ましくは、60mm以上80mm以下)に設定される。この好ましい構成によれば、長尺基材フィルムに、より一層、均一な配向特性を付与することができ、ひいては、より一層、均一な光学特性を有する光学補償層を形成することが可能である。
前記バックアップロールの外径(直径)を30mmより小さく設定する場合には、長尺基材フィルムの搬送速度が一定であるとすると、バックアップロールの外径が大きい場合に比べて、ラビング処理時にバックアップロールが高速回転することになり、この際に発生する熱によって、搬送ベルトに支持された長尺基材フィルムが変形する等の問題が生じるおそれがある。一方、バックアップロールの外径を80mmよりも大きく設定する場合には、搬送ベルトの平坦度が低下することにより、配向ムラが生じ外観不良が発生し易いという問題がある。従って、前記バックアップロールの外径は、30mm以上80mm以下(より好ましくは40mm以上70mm以下)に設定することが好ましい。
前記ラビング方法は、前記基材フィルムが、TACフィルムである場合に特に有効である。また、前記TACフィルムは、ケン化処理されていることが好ましい。TACフィルムをケン化処理することにより、光学補償層が形成された基材フィルム(TACフィルム)をロール状に巻き取った際に、前記光学補償層が破壊される現象(いわゆるブロッキング)を防止することが可能である。
また、前記起毛布としては、例えば、レーヨン、コットン、ナイロン及びこれらの混合物の何れかを用いることが好ましい。
さらに、前記搬送ベルトの厚みとしては、容易に弛まないようにする一方で可撓性を付与するべく、好ましくは0.5〜2.0mmの範囲、より好ましくは0.7〜1.5mmの範囲である。
以下、図面を参照しつつ、前記ラビング方法の一例について説明する。
図3は、前記ラビング方法(A)を実施するためのラビング処理装置の概略構成を示す斜視図である。同図に示すように、前記ラビング処理装置は、駆動ロール1、2と、駆動ロール1、2間に架設され、長尺基材フィルムFを支持して搬送する無限軌道の搬送ベルト3と、搬送ベルト3の上方において上下方向に昇降可能に配設されたラビングロール4と、長尺基材フィルムFを支持する搬送ベルト3の下面を支持しラビングロール4に対向するように配設された複数(この例では5つ)の棒状のバックアップロール5とを備えている。なお、ラビング装置の前後には、必要に応じて適切な静電気除去装置や除塵装置等を設置しても良い。
搬送ベルト3は、長尺基材フィルムFを支持する側の表面が鏡面仕上げされた金属表面(搬送ベルト3全体を金属製としてもよい)とされている。このような金属としては、銅や鋼等の各種金属材料を用いることができるが、強度、硬度、耐久性の点よりステンレス鋼を用いることが好ましい。長尺基材フィルムFとの密着性を確保するため、鏡面仕上げの程度としては、算術平均表面粗さRa(JIS B 0601(1994年度版))を0.02μm以下とすることが好ましく、より好ましくは、Ra0.01μm以下である。また、長尺基材フィルムFの弛みを防止するには、これを支持する搬送ベルト3の弛みを防止する必要がある。搬送ベルト3の弛みを防止すると共に、駆動ロール1、2間に架設するために、ある程度の可撓性を付与する必要があることに鑑みれば、搬送ベルト3の厚みは、0.5〜2.0mmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.7〜1.5mmの範囲とされる。また、搬送ベルト3の弛みを防止すると共に、搬送ベルト3の張力強度を考慮すれば、搬送ベルト3に付与する張力は、0.5〜20kg重/mmの範囲にすることが好ましく、より好ましくは、2〜15kg重/mmの範囲にすることである。
ラビングロール4は、その外周面に起毛布が巻回されている。起毛布の材質や形状等は、ラビング処理を施される長尺基材フィルムFの材質に応じて適宜選択すればよい。一般的には、起毛布として、レーヨン、コットン、ナイロン又はこれらの混合物等を適用することができる。この例に係るラビングロール4の回転軸は、長尺基材フィルムFの搬送方向(図3の矢符で示す方向)に対して直角方向から傾斜(例えば、傾斜角度0度〜45度)させることができるように、すなわち、長尺基材フィルムFの長辺(長手方向)に対して任意の軸角度に設定できるように構成されている。また、ラビングロール4の回転方向は、ラビング処理の条件に応じて適宜選択可能である。
複数のバックアップロール5は、前述のように、長尺基材フィルムFを支持する搬送ベルト3の下面を支持しラビングロール4に対向するように配設されている。複数のバックアップロール5が配設されていることにより、ラビングロール4の回転軸を傾斜させた状態で押し込んだとしても、また、ラビングロール4の押し込み量を大きくしたとしても、安定した状態でラビング処理を施すことが可能である。
前記ラビング装置を用いて機材フィルムFにラビング処理を施すに際し、所定のロール(図示せず)に巻回した状態の長尺基材フィルムFの先端が、複数の搬送ロール(図示せず)を経て搬送ベルト3上に供給される。そして、駆動ロール1、2を回転駆動させることにより、搬送ベルト3の上部が図3の矢符で示す方向に移動し、これに伴い長尺基材フィルムFも搬送ベルト3と共に搬送され、ラビングロール4によってラビング処理が施されることになる。
本例のラビング処理工程においては、以下の式(1)で定義されるラビング強度RSを800mm以上に設定している。
RS=N・M(1+2πr・nr/v)・・・(1)
図4は、図3に示すラビング処理装置を部分的に表す正面図であり、図4(a)はラビングロール4近傍の正面図を、図4(b)はラビングロール4と基材フィルムF表面との接触箇所近傍を拡大して示す正面図である。前述のように、上記式(1)において、Nはラビング回数(ラビングロール4の個数に相当し、この例では1)(無次元量)を、Mはラビングロール4の押し込み量(mm)を、πは円周率を、rはラビングロール4(起毛布4aを含む)の半径(mm)を、nrはラビングロールの回転数(rpm)を、vは基材フィルムFの搬送速度(mm/sec)を意味する。なお、ラビングロールの押し込み量Mとは、図4(b)に示すように、基材フィルムF表面に対してラビングロール4の位置を変動させた場合において、ラビングロール4に巻回した起毛布4aの毛先が最初に長尺基材フィルム表面Fに接した位置(図4(b)において破線で示す位置)を原点(0点)とし、前記原点から長尺基材フィルムFに向けてラビングロール4を押し込んだ量(図4(b)において実線で示す位置まで押し込んだ量)を意味する。
上記のように、ラビング強度RSを800mm以上に設定することにより、たとえ、長尺基材フィルムFにブロッキングが生じていたとしても均一な配向特性を付与することができ、ひいては均一な光学特性を有する光学補償層を製造することが可能である。なお、本例に係るラビング処理の適用対象となる基材フィルムFとしては、その表面をラビング処理するか或いはその表面に形成した配向膜をラビング処理することにより、後述するように表面に塗布した液晶化合物を配向させることのできる機能が付与される限りにおいて、その材質に特に制限はなく、前述した基材フィルムが適用可能である。なお、前述のように、このラビング処理は、ブロッキングが生じやすいTACフィルム等に有効であり、前記TACフィルムとしては、ケン化処理したものが好ましいことは、前述のとおりである。
なお、ラビング強度RSを800mm以上に設定する限りにおいて、その他のラビング処理条件(各パラメータ)は、任意に選択可能であり、前記基材フィルムFの搬送速度vは、例えば、1〜50m/minの範囲、好ましくは1〜10m/minの範囲であり、ラビングロール4の回転数nrは、例えば、1〜3000rpmの範囲、好ましくは500〜2000rpmの範囲であり、ラビングロール4の押し込み量Mは、例えば、100〜2000μm、好ましくは100〜1000μmの範囲である。
なお、本例では、好ましい構成として、互いに略平行に配設された複数の棒状のバックアップロール5について、隣接する各バックアップロール5の軸間距離(図2のLl〜L4)が50mm以上90mm以下(より好ましくは、60mm以上80mm以下)に設定されている。このような構成により、バックアップロール5に支持される搬送ベルト3の平坦度が高まり易い。また、軸間距離Ll〜L4が50mm以上に設定されているため(これによりバックアップロールの外径が必然的にある程度大きくなる)、ラビング処理時にバックアップロール5が高速回転することがなく、この際に発生する熱によって、搬送ベルト3に支持された長尺基材フィルムFが変形する等の問題が生じ難い。さらには、軸間距離Ll〜L4が90mm以下に設定されているため、搬送ベルト3の平坦度が低下することもなく、長尺基材フィルムFに均一な配向特性を付与することができる。各バックアップロール5の外径は、好ましくは30mm以上80mm以下(より好ましくは40mm以上70mm以下)に設定される。バックアップロール5の外径を30mm以上に設定することにより、ラビング処理時にバックアップロール5が高速回転することがなく、この際に発生する熱によって、搬送ベルト3に支持された長尺基材フィルムFが変形する等の問題が生じ難い。また、バックアップロールの外径を80mm以下に設定することにより、搬送ベルト3の平坦度が低下することもなく、長尺基材フィルムFに均一な配向特性を付与することができる。なお、本例では、バックアップロール5が棒状ロールからなる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、バックアップロールとして、複数の球状体を具備するプレート(ベアリングプレート)を適用することも可能である。
つぎに、このようにして得られた基材フィルムの配向処理面に、液晶モノマーを塗工する。前記塗工に際しては、液晶モノマーおよびその他の成分を溶剤に溶解ないし分散した塗工液を調製する。
前記塗工液には、好ましくは、重合開始剤や架橋剤が含まれる。これら重合開始剤及び架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、以下のようなものが使用できる。前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が使用でき、前記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤等が使用できる。これらはいずれか一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。また、前記塗工液には、その他に、添加剤を含有していてもよい。前記添加剤としては、例えば、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等があげられる。前記老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、フォスフィン系化合物等があげられる。前記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類およびアルコール類等があげられる。前記界面活性剤は、例えば、光学補償層を平滑にするために用いられ、例えば、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等の界面活性剤があげられる。
前記塗工液の前記溶媒としては、特に制限されないが、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル系溶媒、あるいは二硫化炭素、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチルセロソロブ等が使用できる。これらの中でも好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、MEK、MIBK、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸エチルセロソルブである。これらの溶剤は、例えば、一種類でもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
前記塗工液における液晶モノマーの配合割合は、前記塗工液全体に対し、例えば、5〜50重量%の範囲、好ましくは、10〜40重量%の範囲、より好ましくは15〜30重量%の範囲である。
つぎに、前記塗工液を、前記基材フィルムの配向処理面に塗工する。前記塗工法は、特に制限されず、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレィコート法等が採用できる。この中でも、塗工率の点からスピンコート法、エクストルージョンコート法が好ましい。塗工量は、特に制限されないが、一例をあげると、前記塗工液中の液晶モノマーの濃度が20重量%の場合、前記基材フィルムの単位面積(100cm)当たり、例えば、0.03〜0.17mLの範囲、好ましくは0.05〜0.15mLの範囲、より好ましくは0.08〜0.12mLの範囲である。
塗工後、前記基材フィルムの配向処理面上に形成された塗工膜を加熱する。前記加熱処理の温度条件は、例えば、用いる液晶モノマーの種類、具体的には液晶モノマーが液晶性を示す温度に応じて適宜決定できるが、例えば、40〜120℃の範囲であり、好ましくは50〜100℃の範囲であり、より好ましくは60〜90℃の範囲である。前記温度が40℃以上であれば、通常、十分に液晶モノマーを配向することができ、前記温度が120℃以下であれば、例えば、耐熱性の面において基材フィルムの選択肢が広がることになる。前記加熱処理時間は、例えば、30秒〜10分の範囲、好ましくは、1分〜8分の範囲、より好ましくは2分〜7分の範囲である。
前記乾燥処理の後、前記塗工膜に対し、重合処理および架橋処理のいずれかの処理若しくは双方の処理を行う。前記重合処理若しくは架橋処理によって、前記液晶モノマーが重合若しくは架橋すれば、液晶モノマー相互が連結して三次元網目構造が形成されて配向状態が固定される。このように配向状態が固定された場合、前記三次元網目構造は、「非液晶性」であり、液晶相、ガラス相および結晶相への相転移が生じることがない。前記重合処理および架橋処理の方法は、使用する重合開始剤や架橋剤の種類等により適宜決定され、例えば、光重合開始剤および光架橋剤を使用する場合は、前記塗工膜に光を照射すればよく、紫外線重合開始剤および紫外線架橋剤を使用する場合は、前記塗工膜に紫外線を照射すればよい。光または紫外線の照射時間、照射強度、照射量等の諸条件は、例えば、液晶モノマーの種類、量、重合開始剤、架橋剤等の種類等により適宜決定できる。
このようにして、基材フィルムの上に第1の光学補償層を形成することができる。図1に示すように、第1の光学補償層12は、前記基材フィルムと共に、若しくは前記基材フィルムから独立して、偏光子11と第2の光学補償層13との間に配置される。前記基材フィルムと共に前記第1の光学補償層12を配置する場合、前記基材フィルムは、前記偏光子11の保護層として機能することが好ましい。この場合、前記基材フィルム側を前記偏光子11側に位置するように、前記第1の光学補償層12を配置する。また、この観点から、前記基材フィルムは、保護層として機能し得るフィルムが好ましく、このようなフィルムは後述のものがあげられ、例えば、TACフィルムが好ましい。第1の光学補償層12を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、前記第1の光学補償層12は、その両面に粘着剤層(図示せず)を設け、偏光子11および第2の光学補償層13に接着させる。各層の隙間をこのように粘着剤層で満たすことによって、画像表示装置に組み込んだ際に、各層の光学軸の関係がずれることを防止したり、各層同士が擦れて傷ついたりすることを防ぐことができる。また、層間の界面反射を少なくし、画像表示装置に用いた際にコントラストを高くすることもできる。
前記粘着剤層の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜設定され得る。具体的には、粘着剤層の厚みは、例えば、1μm〜100μmの範囲、好ましくは、5μm〜50μmの範囲、より好ましくは10μm〜30μmの範囲である。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、任意の適切な粘着剤が採用され得る。具体例としては、溶剤型粘着剤、非水系エマルジョン型粘着剤、水系粘着剤、ホットメルト粘着剤等が挙げられる。アクリル系ポリマーをベースポリマーとする溶剤型粘着剤が好ましく用いられる。これは、偏光子および第1の光学補償層に対して適切な粘着特性(ぬれ性、凝集性および接着性)を示し、かつ、光学透明性、耐候性および耐熱性に優れるからである。
前記粘着剤層の代わりに接着剤層を用いてもよい。接着剤層を形成する接着剤としては、代表的には、硬化型接着剤が挙げられる。硬化型接着剤の代表例としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、湿気硬化型接着剤、熱硬化型接着剤が挙げられる。熱硬化型接着剤の具体例としては、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂およびポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂系接着剤が挙げられる。湿気硬化型接着剤の具体例としては、イソシアネート樹脂系の湿気硬化型接着剤が挙げられる。湿気硬化型接着剤(特に、イソシアネート樹脂系の湿気硬化型接着剤)が好ましい。湿気硬化型接着剤は、空気中の水分や被着体表面の吸着水、水酸基やカルボキシル基等の活性水素基等と反応して硬化するので、接着剤を塗工後、放置することによって自然に硬化させることができ、操作性に優れる。前記硬化型接着剤は、例えば、市販の接着剤を使用してもよく、前記の各種硬化型樹脂を溶媒に溶解または分散し、硬化型樹脂接着剤溶液(または分散夜)として調製してもよい。
A−3.第2の光学補償層
第2の光学補償層13は、λ/4板として機能し得る。本発明によれば、λ/4板として機能する第2の光学補償層の波長分散特性を、前記λ/2板として機能する第1の光学補償層の光学特性によって補正することによって、広い波長範囲での円偏光機能を発揮することができる。このような第2の光学補償層の面内位相差Reは、80〜170nmであり、好ましくは100〜150nmであり、さらに好ましくは110〜140nmである。さらに、前記第2の光学補償層13は、nx>ny=nzの屈折率分布を有する。
前記第2の光学補償層の厚みは、特に制限されない。前述のように、前記第2の光学補償層を液晶化合物により形成すれば、厚みを厚くしなくても面内位相差Reを大きくすることができるため、その厚みを薄くすることが可能である。液晶化合物を用いた場合の前記第2の光学補償層の厚みは、例えば、1〜10μmであり、好ましくは2〜8μmであり、さらに好ましくは3〜7μmである。なお、本発明において、前記第2の光学補償層の形成材料は、特に制限されず、前述のように液晶化合物を使用してもよいし、後述のように、樹脂を用いてもよい。第2の光学補償層が前記樹脂を用いて形成された場合、第2の光学補償層の厚みは、例えば、15〜60μmの範囲であり、好ましくは、20〜50μmの範囲であり、より好ましくは、25〜45μmの範囲である。
前記第2の光学補償層を形成する材料として使用する前記液晶化合物は、前記第1の光学補償層と同じ液晶化合物が使用できる。液晶化合物を使用した場合の第2の光学補償層の形成方法は、第1の光学補償層と同じ方法が採用できる。
前記第2の光学補償層の形成材料として使用する樹脂は、例えば、ポリカーボネート系樹脂;ポリプロピレン等の汎用オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;環状オレフィン系樹脂;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;スチレン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルブチラール;ポリメチルビニルエーテル;ポリアリレート;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ポリフェニレンスルファイド;ポリイミド;ポリ塩化ビニル;ならびに、これらの共重合体(例えば、二元共重合体、三元共重合体、グラフト共重合体)またはブレンドがあげられる。
前記樹脂の中で、環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート系樹脂が特に好ましい。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報に記載されている樹脂があげられる。具体例としては。環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとの共重合体(代表的には、ランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト変性体、ならびに、それらの水素化物があげられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーがあげられる。
前記ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよびアルキリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよびアルキレンの少なくとも一方の置換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの3〜4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等があげられる。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内において、開環重合可能な他のシクロオレフィン類を併用することができる。このようなシクロオレフィンの具体例としては、例えば、シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタンジエン等の反応性の二重結合を1個有する化合物があげられる。
前記環状オレフィン系樹脂は、トルエン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した数平均分子量(Mn)が、好ましくは、25000〜200000の範囲、さらに好ましくは、30000〜100000の範囲、最も好ましくは、40000〜80000の範囲である。数平均分子量が、前記の範囲であれば、機械的強度に優れ、溶解性、成形性、流延の操作性が良いものができる。
前記環状オレフィン系樹脂が、ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加して得られるものである場合には、水素添加率は、好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上であり、最も好ましくは99%以上である。このような範囲であれば、耐熱劣化性および耐光劣化性等に優れる。
前記環状オレフィン系樹脂は、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン社製の商品名「ゼオネックス」、商品名「ゼオノア」、JSR社製の商品名「アートン(Arton)」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学社製の商品名「APEL」があげられる。
前記ポリカーボネート系樹脂としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切なポリカーボネート系樹脂が用いられる。例えば、芳香族2価フェノール成分とカーボネート成分とからなる芳香族ポリカーボネートが好ましく用いられる。芳香族ポリカーボネートは、通常、芳香族2価フェノール化合物とカーボネート前駆物質との反応によって得ることができる。すなわち、芳香族2価フェノール化合物を苛性アルカリおよび溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法、あるいは芳香族2価フェノール化合物とビスアリールカーボネートとを触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法により得ることができる。ここで、カーボネート前駆物質の具体例としては、ホスゲン、前記2価フェノール類のビスクロロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等があげられ、これらのなかでも、ホスゲン、ジフェニルカーボネートが好ましい。
前記カーボネート前駆物質と反応させる芳香族2価フェノール化合物の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロへキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン等があげられる。これらは、単独で使用してもよいし、二種類以上で併用してもよい。これらのなかで、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロへキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが、好ましい。特に好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとを併用することである。これらを併用することにより、光弾性係数が充分に低く、かつ、適切なTgおよび剛性を有する第2の光学補償層が得られる。
ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを展開溶媒とするGPC法で測定されるポリスチレン換算で、25000〜200000の範囲が好ましく、さらに好ましくは、30000〜150000の範囲であり、さらに好ましくは、40000〜100000の範囲であり、最も好ましくは、50000〜80000の範囲である。前記ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量を、前述の範囲とすることにより、機械的強度に優れた第2の光学補償層を得ることができる。
前記樹脂を用いた場合の第2の光学補償層の形成方法は、例えば、前記環状オレフィン系樹脂または前記ポリカーボネート系樹脂から形成されたフィルムを延伸(例えば、面方向に一軸延伸)することにより実施できる。前記環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂からフィルムを形成する方法としては、任意の適切な成形加工法が採用され得る。具体例としては、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、注型(キャスティング)法等があげられる。これらのなかで、得られるフィルムの平滑性を高め、良好な光学的均一性を得られるという理由により、押出成形法または注型(キャスティング)法が好ましい。フィルムの成形条件は、使用される樹脂の組成や種類、第2の光学補償層に所望される特性等に応じて適宜設定され得る。なお、前記環状オレフィン系樹脂および前記ポリカーボネート系樹脂は、多くのフィルム製品が市販されているので、これらの市販製品をそのまま延伸処理して、第2の光学補償層としてもよい。
前記フィルムの延伸倍率および延伸時の温度は、第2の光学補償層に所望される面内位相差値および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸温度等に応じて適宜決定される。前記フィルムの延伸倍率は、第2の光学補償層を、前記面内位相差Reの範囲に設定するという観点から、例えば、1.17〜1.47倍の範囲、好ましくは、1.22〜1.42倍の範囲、より好ましくは、1.27〜1.37倍の範囲である。前記延伸時の温度は、第2の光学補償層を、前記面内位相差Reの範囲に設定するという観点から、例えば、130〜150℃の範囲、好ましくは、135〜145℃の範囲、より好ましくは、137〜143℃の範囲である。
図1に示すように、第2の光学補償層13は、第1の光学補償層12と第3の光学補償層14との間に配置される。前記第2の光学補償層13が基材フィルムの上に形成されている場合、前記基材フィルムと共に配置されてもよいし、前記基材フィルムから独立して単独で配置されてもよい。前記第2の光学補償層13を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用し得る。代表的には、前記第2の光学補償層13は、両面に粘着剤層(図示せず)を設け、前記第1の光学補償層12および前記第3の光学補償層14を貼り付ける。この場合、前記粘着剤層に代えて接着剤層を用いてもよい。前記粘着剤層および前記接着剤層は、前記第1の光学補償層と同様である。
A−4.第3の光学補償層
第3の光学補償層14は、接着剤層(特に、湿気硬化型接着剤層)を介して第2の光学補償層13に貼り付けられることが好ましい。湿気硬化型接着剤は、硬化のために加熱する必要がないので、第3の光学補償層が積層(接着)時に加熱されない。その結果、加熱収縮の心配がないので、本発明のように第3の光学補償層がきわめて薄い場合であっても、積層時の割れ等が顕著に防止され得る。加えて、硬化型接着剤は、硬化後に加熱されてもほとんど伸縮しない。したがって、第3の光学補償層がきわめて薄い場合であって、かつ、得られる偏光板を高温条件下で使用する場合であっても、第3の光学補償層の割れ等が顕著に防止され得る。
第3の光学補償層14は、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、前記材料が厚み方向に傾斜配向している。光学的に負の一軸性を示す材料とは、一方向の主軸の屈折率が他の2方向の屈折率よりも小さいような屈折率分布を有する材料をいう。このような材料は、例えば、nx=ny>nzのような屈折率分布を有する。
光学的に負の一軸性を示す材料の具体例としては、ポリイミド系材料、ディスコチック液晶化合物などの液晶系材料が挙げられる。さらに、これらの材料を主成分として含有し、その他のポリマーまたはオリゴマーと混合および反応させて、負の一軸性を示す材料が傾斜配向した状態で固定化したフィルムも用いられ得る。これらのなかで、液晶系材料が好ましく、ディスコチック液晶化合物が特に好ましい。ディスコチック液晶化合物を用いる場合には、その傾斜配向状態は、ディスコチック液晶化合物の種類および分子構造、配向膜の種類、添加剤(例えば、可塑剤、バインダー、界面活性剤)等を調整することにより制御され得る。
前記ディスコチック液晶化合物とは、一般的には、ベンゼンや1,3,5−トリアジン、カリックスアレーンなどのような環状母核を分子の中心に配し、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその側鎖として放射状に置換された円盤状の分子構造を有する液晶性化合物をいう。ディスコチック液晶の代表例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.Liq.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されている、ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体や、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されているシクロヘキサン誘導体、および、J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem,Soc.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系のマクロサイクルが挙げられる。
本発明における「傾斜配向」とは、第3の光学補償層内における光学的に負の一軸性を示す材料(例えば、ディスコチック液晶化合物)の分子が、前記光学補償層の平面に対して傾斜して並んでいる状態をいう。傾斜配向状態は、第3の光学補償層の厚み方向にしたがって分子の傾斜角度が変化してもよく、厚み方向で分子の傾斜角度が変化せず一定(チルト配向)であってもよい。本発明においては、光学的に負の一軸性を示す材料の光軸と第3の光学補償層の法線方向(偏光板の法線方向)とのなす角度は、第2の光学補償層に近づくにしたがって増加し、第2の光学補償層と第3の光学補償層との界面において最大になることが好ましい。
第3の光学補償層における前記光学的に負の一軸性を示す材料の平均光軸は、前記第3の光学補償層の法線方向に対して、好ましくは5度〜50度、さらに好ましくは10度〜30度、最も好ましくは15度〜25度の角度で傾斜している。傾斜角度を5度以上に制御することにより、液晶表示装置等に実装した場合に視野角拡大効果が大きい。傾斜角度を50度以下に制御することにより、上下左右の4方向のいずれの方向においても視野角特性が良好となり、見る方向によって視野角特性が良くなったり悪くなったりすることを抑えることができる。
前記のような第3の光学補償層の面内位相差Reは、好ましくは0〜200nmであり、さらに好ましくは1〜150nmである。さらに、厚み方向の位相差Rthは、好ましくは10〜400nmであり、さらに好ましくは50〜300nmである。
第3の光学補償層の厚みは特に制限されないが、本発明においては好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜7μmとすることが可能である。光学的に負の一軸性を示す材料(例えば、ディスコチック液晶化合物)の傾斜配向層を用いて、このような非常に薄い光学補償層を実現したことが、本発明の大きな特徴の1つである。
A−5.偏光子
前記偏光子11としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。前記水溶液は、必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良い。また、前記浸漬に使用する水溶液は、ヨウ化カリウム水溶液でもよい。さらに必要に応じて染色の前にホリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗しても良い。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
A−6.保護層
前記保護層としては、偏光板の保護層として使用できる任意の適切なフィルムが採用され得る。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフイン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO0l/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であり得る。TAC、ポリイミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ガラス質系ポリマーが好ましく、TACがさらに好ましい。
前記保護層は、透明で、色付きが無いことが好ましい。具体的には、厚み方向の位相差値が、好ましくは−90nm〜+90nmであり、さらに好ましくは−80nm〜+80nmであり、最も好ましくは−70nm〜+70nmである。
前記保護層の厚みとしては、前記の好ましい厚み方向の位相差が得られる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。具体的には、保護層の厚みは、好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは1mm以下であり、特に好ましくは1〜500μmであり、最も好ましくは5〜150μmである。
偏光子11の外側(光学補償層と反対側)に設けられる保護層には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等が施され得る。
A−7.偏光板のその他の構成要素
本発明の光学補償層付偏光板は、さらに他の光学層を備えていてもよい。このような他の光学層としては、目的や画像表示装置の種類に応じて任意の適切な光学層が採用され得る。具体例としては、液晶フィルム、光散乱フィルム、回折フィルム、さらに別の光学補償層(位相差フィルム)等が挙げられる。
本発明の光学補償層付偏光板は、少なくとも一方に最外層として粘着剤層または接着剤層をさらに有し得る。このように最外層として粘着剤層または接着剤層を有することにより、例えば、他の部材(例えば、液晶セル)との積層が容易になり、偏光板が他の部材から剥離するのを防止できる。前記粘着剤層の材料としては、任意の適切な材料が採用され得る。粘着剤の具体例としては、前記A−2項に記載のものが挙げられる。接着剤の具体例としては、前記A−2項に記載のものが挙げられる。好ましくは、吸湿性や耐熱性に優れる材料が用いられる。吸湿による発泡や剥離、熱膨張差等による光学特性の低下、液晶セルの反り等を防止できるからである。
実用的には、前記粘着剤層または接着剤層の表面は、偏光板が実際に使用されるまでの間、任意の適切なセパレータによってカバーされ、汚染が防止され得る。セパレータは、例えば、任意の適切なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成され得る。
本発明の光学補償層付偏光板における各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤による処理等によって、紫外線吸収能を付与したものであってもよい。
B.光学補償層付偏光板の製造方法
本発明の光学補償層付偏光板の製造方法の好ましい一例について説明する。まず、光学的に負の一軸性を示す材料が傾斜配向した層(傾斜配向層)と基材とを有する積層体を準備する。このような積層体は、例えば、前記材料を所定の濃度で適切な溶媒に溶解した溶液(塗工液)を基材に塗工および乾燥(例えば、加熱処理)することにより得られ得る。溶媒の種類、溶液濃度、塗工量、塗工方法等は、目的、第3の光学補償層の所望の厚みまたは光学特性、材料の所望の傾斜角等に応じて適宜設定され得る。塗工液は、任意の適切な添加剤(例えば、可塑剤、バインダー、界面活性剤)をさらに含有し得る。添加剤の種類および添加量のいずれか若しくは双方を調整することにより、光学的に負の一軸性を示す材料の傾斜配向状態を制御することができる。また、塗工液は、任意の適切なポリマーおよびオリゴマーの少なくとも一方をさらに含有し得る。このようなポリマーおよびオリゴマーの少なくとも一方と光学的に負の一軸性を示す材料とを反応させることにより、前記材料の傾斜配向状態を固定することができる。基材は、例えば、TACフィルムである。
あるいは、前記積層体として、市販の積層フィルムを用いてもよい。市販の積層フィルムの代表例としては、富士写真フィルム社製の商品名WVSA12B(TAC支持基材上にディスコチック液晶化合物の傾斜配向層を有する複合フィルム)が挙げられる。
つぎに、前記積層体の傾斜配向層(最終的に、第3の光学補償層となる)と第2の光学補償層用フィルムとを、接着剤層または粘着剤層(好ましくは、接着剤層)を介して貼り合わせる。前記第2の光学補償層が、基材フィルムの上に液晶化合物から形成された層である場合、前記第2の光学補償層を前記傾斜配向層に貼着し、ついで、前記基材フィルムを剥離・除去するという転写法を採用してもよい。前記基材フィルムの剥離・除去は、例えば、第3の光学補償層と同様に実施してもよい。
つぎに、前記の貼り合わせにより得られた積層体から基材を剥離する。基材が適切に剥離される限り、任意の適切な剥離方法が採用され得る。代表的には、積層体を温水俗に浸漬する方法が挙げられる。浸漬温度(温水浴の温度)と浸漬時間は、適切に組み合わせて設定され得る。一般的には、浸漬温度を高くすると、浸漬時間を短縮することが可能となる。具体的には、浸漬温度は、好ましくは50℃〜100℃の範囲、さらに好ましくは60℃〜90℃の範囲、最も好ましくは70℃〜90℃の範囲である。浸漬温度が70℃である場合には、浸漬時間は、好ましくは7分〜30分の範囲、さらに好ましくは7分〜20分の範囲、最も好ましくは7分〜15分の範囲である。浸漬温度が80℃〜90℃の範囲である場合には、浸漬時間は、好ましくは3分〜30分の範囲、さらに好ましくは3分〜20分の範囲、最も好ましくは3分〜15分の範囲である。このような浸漬温度および浸漬時間で処理することにより、傾斜配向層(第3の光学補償層)に悪影響を与えることなく基材を良好に剥離することができる。本発明において、前記傾斜配向層(第3の光学補償層)から前記基材を剥離することにより、加温状態や加湿状態においても位相差変化の小さい光学補償層付偏光板を得ることができる。
このようにして得られた積層体(第2の光学補償層と第3の光学補償層との積層体)の第2の光学補償層側に、第1の光学補償層および偏光子を積層する。図1に示すような構成を有する楕円偏光板が得られる限り、かつ、偏光子を例えば温水浴に浸漬しない限り、積層順序および積層時点は適宜設定され得る。例えば、第1の光学補償層および偏光子は、第2の光学補償層と第3の光学補償層との積層体に順次積層してもよく、第1の光学補償層と偏光子との積層体を第2の光学補償層と第3の光学補償層との積層体に積層してもよい。あるいは、第1の光学補償層と第2の光学補償屑と第3の光学補償層(基材/傾斜配向層)との積層体を作製した後、基材を剥離し、その後で偏光子を積層してもよい。なお、偏光子は、その少なくとも片面に保護層を有する偏光板であってもよい。また、第1の光学補償層が基材フィルムの上に形成されている場合は、前記第2の光学補償層と同様にして、前記第2の光学補償層に貼着後、前記基材フィルムを剥離・除去して転写してもよいし、前述のように前記基材フィルムを前記偏光子の保護層とする場合には、前記基材フィルムを残存させてもよい。
以上のようにして、本発明の光学補償層付偏光板が得られる。
C.光学補償層付偏光板の用途
本発明の光学補償層付偏光板は、各種画像表示装置(例えば、液晶表示装置、自発光型表示装置)に好適に使用され得る。適用可能な画像表示装置の具体例としては、液晶表示装置、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)が挙げられる。本発明の光学補償層付偏光板を液晶表示装置に用いる場合には、例えば、黒表示における光漏れ防止および視野角補償に有用である。本発明の光学補償層付偏光板は、VAモードの液晶表示装置に好適に用いられ、反射型および半透過型のVAモードの液晶表示装置に特に好適に用いられる。また、本発明の光学補償層付偏光板をELディスプレイに用いる場合には、例えば、電極反射防止に有用である。
D.画像表示装置
本発明の画像表示盤置の一例として、液晶表示装置について説明する。ここでは、液晶表示装置に用いられる液晶パネルについて説明する。液晶表示装置のその他の構成については、目的に応じて任意の適切な構成が採用され得る。本発明においては、VAモードの液晶表示装置が好ましく、反射型および半透過型のVAモードの液晶表示装置が特に好ましい。図2は、本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。ここでは、反射型の液晶表示装置用液晶パネルを説明する。液晶パネル100は、液晶セル20と、液晶セル20の上側に配置された位相差板30と、位相差板30の上側に配置された偏光板10とを備える。位相差板30としては、目的および液晶セルの配向モードに応じて任意の適切な位相差板が採用され得る。目的および液晶セルの配向モードによっては、位相差板30は省略され得る。前記偏光板10は、前記A項およびB項で説明した本発明の光学補償層付偏光板である。液晶セル20は、一対のガラス基板21、21’と、該基板間に配された表示媒体としての液晶層22とを有する。下基板21’の液晶層22側には、反射電極23が設けられている。上基板21には、カラーフィルター(図示せず)が設けられている。基板21、21’の間隔(セルギャップ)は、スペーサー24によって制御されている。
例えば、反射型VAモードの場合には、このような液晶表示装置(液晶パネル)100は、電圧無印加時には、液晶分子は基板21、21’面に垂直に配向する。このような垂直配向は、垂直配向膜(図示せず)を形成した基板間に負の誘電率異方性を有するネマティック液晶を配することにより実現され得る。このような状態で、偏光板10を通過した直線偏光の光を上基板21の面から液晶層22に入射させると、入射光は垂直配向している液晶分子の長軸の方向に沿って進む。液晶分子の長軸方向には複屈折が生じないため入射光は偏光方位を変えずに進み、反射電極23で反射されて再び液晶層22を通過し、上基板21から出射される。出射光の偏光状態は入射時と変わらないので、前記出射光は偏光板10を透過し、明状態の表示が得られる。電極間に電圧が印加されると、液晶分子の長軸が基板面に平行に配向する。この状態の液晶層22に入射した直線偏光の光に対して液晶分子は複屈折性を示し、入射光の偏光状態は液晶分子の傾きに応じて変化する。所定の最大電圧印加時において、反射電極23で反射し上基板から出射された光は、例えばその偏光方位が90°回転させられた直線偏光となるので、偏光板10で吸収されて暗状態の表示が得られる。再び電圧無印加状態にすると配向規制力により明状態の表示に戻すことができる。また、印加電圧を変化させて液晶分子の傾きを制御して偏光板10からの透過光強度を変化させることにより階調表示が可能となる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
第1の光学補償層の形成において、ラビング条件を変えて、5種類の光学補償層付偏光板を製造した(実施例1〜5)。
(偏光子の作製)
市販のポリビニルアルコール(PVA)フィルム(クラレ社製)を、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて約6倍に一軸延伸して長尺の偏光子を得た。PVA系接着剤を用いて、この偏光子の両面に市販のTACフィルム(富士写真フィルム社製)を貼り合わせ、全体厚み100μmの偏光板(保護層/偏光子/保護層)を得た。
(第1の光学補償層の作製)
前記式(7)で表されるネマチック液晶相を示す重合性液晶モノマー(BASF社製:商品名Paliocolor LC242)10重量部と、光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名イルガキュア907)3重量部とを、トルエン40重量部に溶解して液晶溶液(塗工液)を調製した。他方、基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、厚み38μm)の表面を、ラビング布を用いてラビングして配向処理した。このラビング配向処理は、図3および図4に示す装置を用い、前述のラビング方法(A)により実施した。ラビングの条件は、下記の表1に示すように、5種類の条件である(実施例1から5)。配向処理の方向は、基材フィルムの長辺に対して時計回り(「−」)15度になるようにした。この配向処理表面に前記液晶溶液を塗工し、90℃で2分間加熱乾燥することにより、前記液晶モノマーを配向させて前記基材フィルムの配向処理面に液晶層を形成した。この液晶層に、メタルハライドランプを用いて、1mJ/cmの照射強度で光を照射し、前記液晶層中の液晶モノマーを重合させて、第1の光学補償層を形成した。第1の光学補償層の厚みは、1.2μm、面内位相差Reは140nmであり、nx>ny=nzの屈折率分布を有していた。つぎに、前記第1の光学補償層を、イソシアネート系接着剤(厚み5μm)を介して、前記偏光板に接着し、前記基材フィルムを剥離・除去することにより、転写した。前記第1の光学補償層の遅相軸は、前記偏光板の吸収軸に対し「+」15度であった。
Figure 2008020591
(第2の光学補償層の作製)
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名:Zeonor、厚み60μm、光弾性係数:3.10×10−12/N)を、140℃で、1.32倍に一軸延伸することによって、第2の光学補償層(厚み40μm)を作製した。
第3の光学補償層用フィルムとして、支持基材と液晶層とを有する複合フィルム(富士写真フィルム社製、商品名WVSA12B:厚み110μm)を用いた。この複合フィルムは、TAC支持基材上にディスコチック液晶の傾斜配向層が設けられている。この複合フィルムの面内位相差Reは30nmであり、厚み方向の位相差Rthは160nmであり、平均光軸の傾斜角度は20°であった。この複合フィルムの液晶層と前記第2の光学補償層とを、イソシアネート系硬化型接着剤(厚み5μm)を用いて貼り合わせて、積層体Aを得た。積層体Aを90℃の温水浴中に5分間浸漬することにより、TAC支持基材を剥離・除去し、液晶層(ディスコチック液晶の傾斜配向層)と第2の光学補償層とを有する積層体Bを得た。前記液晶層を、第3の光学補償層とした。第3の光学補償層の厚みは3μmであった。ディスコチック液晶の光軸と第3の光学補償層の法線とのなす角度は、第2の光学補償層側が最大となった。
(光学補償層付偏光板の作製)
第2の光学補償層の第3の光学補償層が貼り合わされている側とは反対側の面に、第1の光学補償層および偏光板の積層体を、この順に積層した。第1の光学補償層と第2の光学補償層は、アクリル系粘着剤層(厚み12μm)を介して貼り合わせた。以上のようにして、全体厚みが165μmの光学補償層付偏光板を5種類(実施例1から5)作製した。前記光学補償層付偏光板において、前記第2の光学補償層の遅相軸は、前記偏光板の吸収軸に対し、「+」75度であった。
(比較例1)
温水浴に浸漬しなかったこと(すなわち、TAC支持基材を除去しなかったこと)以外は実施例1と同様にして、全体厚みが272μmの光学補償層付偏光板を作製した。
(視野角特性)
前記のようにして得られた実施例1から5または比較例の光学補償層付偏光板を、日立製作所株式会社製の液晶セルのバックライト側に、第3の光学補償層が液晶セル側に配置されるように実装した。液晶セルの視認側には、実施例と同様の偏光板/第1の光学補償層/第2の光学補償層の構成を有する光学補償層付偏光板を、第2の光学補償層が液晶セル側に配置されるように実装した。光学補償層付偏光板が実装された液晶セルについて、視野角特性測定装置(ELDIM社製、商品名EZ Contrast)を用いて視野角特性を測定した。実施例1および比較例のコントラストのレーダーチャートを図6に示す。
図6に示すように、実施例1の光学補償層付偏光板を用いた液晶セルは、比較例の光学補償層付偏光板を用いた液晶セルに比べて視野角が顕著に広くなっていることがわかる。また、実施例2から5の光学補償層付偏光板を用いた液晶パネルにおいても、比較例に比べて視野角が顕著に広くなっていた。これは、実施例の光学補償層付偏光板は、第3の光学補償層からTAC支持基材が除去され、TAC支持基材の位相差値の影響を受けないので、視野角が広くなったといえる。一方、比較例の光学補償層付偏光板は、TAC支持基材の位相差値が大きく影響し、視野角が狭くなったと考えられる。
(耐熱性および耐湿性)
実施例1または比較例の光学補償層付偏光板を、60℃/90%RHの加温加湿雰囲気下に500時間放置した。加温加湿試験前後の位相差値を位相差測定装置(王子計測機器株式会社製、商品名KOBRA−31PRW)で測定し、加温加湿試験前後の位相差変化量(%)を下記の式から求めた。測定結果を、下記表2に示す。
位相差変化量(%)=〔(試験前位相差値−試験後位相差値)/(試験前位相差値)〕×100
(表2)

厚み(μm) 位相差変化量(%)
実施例1 165 1未満
比較例 272 6
前記表2から明らかなように、実施例1の光学補償層付偏光板は、比較例の光学補償層付偏光板に比べて位相差の変化量が小さいことがわかる。また、実施例2から5においても、実施例1と同様に、比較例に比べて、位相差の変化量が小さかった。これは、実施例の光学補償層付偏光板は、第3の光学補償層からTAC支持基材が除去されているので、加温加湿によるTAC支持基材の歪の影響がなく、位相差変化が小さいと考えられる。一方、比較例の光学補償層付偏光板は、加温加湿によってTAC支持基材が大きく歪むことにより、位相差変化が大きくなると考えられる。さらに、実施例1から5の光学補償層付偏光板は、第1の光学補償層が、液晶モノマーを用いて形成されているため、その結果、光学補償層付偏光板全体の厚みを薄くすることができた。
つぎに、実施例1から5において、第1の光学補償層の形成の際の、液晶化合物の配向状態を目視にて評価した。その結果、実施例1、2および3の液晶化合物の配向状態は非常に良好であり、実施例4および5の液晶化合物の配向状態は、配向に乱れが生じたが、実用上、問題のないレベルであった。
本発明の光学補償層付偏光板は、各種画像表示装置(例えば、液晶表示装置、自発光型表示装置)に好適に使用され得る。
図1は、本発明の光学補償層付偏光板の一例の概略断面図である。 図2は、本発明の液晶パネルの一例の概略断面図である。 図3は、本発明の光学補償層付偏光板の製造方法の一例を示す斜視図である。 図4(A)および(B)は、図3の部分的正面図である。 図5は、第1の光学補償層および第2の光学補償層の遅相軸と、偏光子の吸収軸との関係を示す図である。 図6(a)は本発明の一実施例の光学補償層付偏光板を用いた液晶パネルの視野角特性を示すレーダーチャートであり、(b)は比較例の光学補償層付偏光板を用いた液晶パネルの視野角特性を示すレーダーチャートである。
符号の説明
1、2 駆動ロール
3 搬送ベルト
4 ラビングロール
4a 起毛布
5 バックアップロール
F 基材フィルム
10 光学補償層付偏光板
11 偏光子
12 第1の光学補償層
13 第2の光学補償層
14 第3の光学補償層
20 液晶セル
100 液晶パネル

Claims (15)

  1. 偏光子、第1の光学補償層、第2の光学補償層および第3の光学補償層が、この順序で積層され、
    前記第1の光学補償層が、液晶化合物から形成され、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmの範囲であり、
    前記第2の光学補償層が、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmの範囲であり、
    前記第3の光学補償層が、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、前記材料が傾斜配向している
    光学補償層付偏光板。
  2. 前記偏光子の吸収軸の方向と前記第1の光学補償層の遅相軸の方向とのなす角度が、前記偏光子の吸収軸に対して時計回り(−)に5〜45度の範囲または反時計回り(+)に5〜45度の範囲である請求項1記載の光学補償層付偏光板。
  3. 前記第2の光学補償層が、液晶化合物から形成されたものである請求項1または2記載の光学補償層付偏光板。
  4. 前記第2の光学補償層と前記第3の光学補償層とが、接着剤層のみを介して貼り合わされている請求項1から3のいずれか一項に記載の光学補償層付偏光板。
  5. 前記光学的に負の一軸性を示す材料が、ディスコチック液晶化合物である請求項1から4のいずれか一項に記載の光学補償層付偏光板。
  6. 前記第3の光学補償層における前記光学的に負の一軸性を示す材料の平均光軸が、前記第3の光学補償層の法線方向に対して5〜50度の角度で傾斜している請求項1から5のいずれか一項に記載の光学補償層付偏光板。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の光学補償層付偏光板と液晶セルとを含む液晶パネル。
  8. 請求項7に記載の液晶パネルを含む液晶表示装置。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載の光学補償層付偏光板を含む画像表示装置。
  10. 光学的に負の一軸性を示す材料が傾斜配向した傾斜配向層と基材とを有する積層体を準備する工程と;
    nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmの範囲である第2の光学補償層と、前記積層体とを、前記第2の光学補償層と前記傾斜配向層とが隣接するようにして貼り合わせる工程と;
    前記基材を剥離して、前記傾斜配向層を第3の光学補償層とする工程と;
    前記第2の光学補償層と、液晶化合物から形成され、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmの範囲である第1の光学補償層とを貼り合わせる工程と;
    前記第1の光学補償層と前記偏光子とを貼り合わせる工程と
    を含む、光学補償層付偏光板の製造方法。
  11. 前記基材を剥離する工程が、前記積層体を水浴に浸漬させることを含む請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記水浴の温度が50〜100℃の範囲である請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記浸漬時間が3分〜30分の範囲である請求項11または12に記載の製造方法。
  14. ラビング処理された長尺基材フィルムの前記ラビング処理面に液晶化合物を塗工して配向処理し、前記配向を固定することにより製造する前記第1の光学補償層の製造工程を有し、前記ラビング処理が、下記のラビング方法(A)により実施される請求項10から13のいずれか一項に記載の製造方法。
    ラビング方法(A)
    前記長尺基材フィルムの表面をラビングロールによって擦るラビング処理工程において、金属表面を有する搬送ベルトによって前記長尺基材フィルムを支持して搬送すると共に、前記長尺基材フィルムを支持する搬送ベルトの下面を支持し前記ラビングロールに対向するように複数のバックアップロールを配設し、以下の式(1)で定義されるラビング強度RSを800mm以上に設定するという方法。
    RS=N・M(1+2πr・nr/v)・・・(1)
    ここで、Nはラビング回数(ラビングロールの個数)(無次元量)を、Mはラビングロールの押し込み量(mm)を、πは円周率を、rはラビングロールの半径(mm)を、nrはラビングロールの回転数(rpm)を、vは長尺基材フィルムの搬送速度(mm/sec)を意味する。
  15. 前記第2の光学補償層が液晶化合物から形成されたものであり、ラビング処理された長尺基材フィルムの前記ラビング処理面に液晶化合物を塗工して配向処理し、前記配向を固定することにより製造する前記第2の光学補償層の製造工程を有し、前記ラビング処理が、前記ラビング方法(A)により実施される請求項14記載の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009271216A (ja) * 2008-05-01 2009-11-19 Sumitomo Chemical Co Ltd 位相差層の製造方法およびカラーフィルタ

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