JP2006309130A - 光学補償層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の光学補償層付偏光板は、偏光子と、第1の光学補償層と、第2の光学補償層と、第3の光学補償層とをこの順に有する。第1の光学補償層、第2の光学補償層および第3の光学補償層は、それぞれ、所定の光弾性係数の絶対値、屈折率分布、面内位相差および/または厚み方向の位相差を有する。偏光子の吸収軸と第1の光学補償層の遅相軸とのなす角度は10°〜30°であり、偏光子の吸収軸と第2の光学補償層の遅相軸とのなす角度は70°〜95°であり、偏光子の吸収軸と第3の光学補償層の遅相軸とのなす角度は70°〜95°である。
【選択図】 図1
Description
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである:
(1)「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。また、例えば「nx=ny」は、nxとnyが厳密に等しい場合のみならず、nxとnyが実質的に等しい場合も包含する。本明細書において「実質的に等しい」とは、光学補償層付偏光板の全体的な偏光特性に実用上の影響を与えない範囲でnxとnyが異なる場合も包含する趣旨である。
(2)「面内位相差Re」は、23℃における波長590nmの光で測定したフィルム(層)面内の位相差値をいう。Reは、波長590nmにおけるフィルム(層)の遅相軸方向、進相軸方向の屈折率をそれぞれ、nx、nyとし、d(nm)をフィルム(層)の厚みとしたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差Rthは、23℃における波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値をいう。Rthは、波長590nmにおけるフィルム(層)の遅相軸方向、厚み方向の屈折率をそれぞれ、nx、nzとし、d(nm)をフィルム(層)の厚みとしたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)本明細書に記載される用語や記号に付される添え字の「1」は第1の光学補償層を表し、添え字の「2」は第2の光学補償層を表し、添え字の「3」は第3の光学補償層を表す。
(5)「λ/2板」とは、ある特定の振動方向を有する直線偏光を、当該直線偏光の振動方向とは直交する振動方向を有する直線偏光に変換したり、右円偏光を左円偏光に(または、左円偏光を右円偏光に)変換したりする機能を有するものをいう。λ/2板は、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、フィルム(層)の面内の位相差値が約1/2である。
(6)「λ/4板」とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有するものをいう。λ/4板は、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、フィルム(層)の面内の位相差値が約1/4である。
(7)「コレステリック配向固化層」とは、当該層の構成分子がらせん構造をとり、そのらせん軸が面方向にほぼ垂直に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。したがって、「コレステリック配向固化層」は、液晶化合物がコレステリック液晶相を呈している場合のみならず、非液晶化合物がコレステリック液晶相のような擬似的構造を有する場合を包含する。例えば、「コレステリック配向固化層」は、液晶材料が液晶相を示す状態でカイラル剤によってねじりを付与してコレステリック構造(らせん構造)に配向させ、その状態で重合処理または架橋処理を施すことにより、当該液晶材料の配向(コレステリック構造)を固定することにより形成され得る。
(8)「選択反射の波長域が350nm以下」とは、選択反射の波長域の中心波長λが350nm以下であることを意味する。例えば、コレステリック配向固化層が液晶モノマーを用いて形成されている場合には、選択反射の波長域の中心波長λは、下記式で表される:
λ=n×P
ここで、nは、液晶モノマーの平均屈折率を示し、Pはコレステリック配向固化層のらせんピッチ(nm)を示す。上記平均屈折率nは、(no+ne)/2で表され、通常、1.45〜1.65の範囲である。noは、液晶モノマーの常光屈折率を示し、neは液晶モノマーの異常光屈折率を示す。
(9)「カイラル剤」とは、液晶材料(例えば、ネマティック液晶)をコレステリック構造となるように配向する機能を有する化合物をいう。
(10)「ねじり力」とは、カイラル剤が液晶材料にねじれを与えてコレステリック構造(らせん構造)に配向させる能力のことを意味する。一般的には、ねじり力は、下記式で表される:
ねじり力=1/(P×W)
Pは、上記の通り、Pはコレステリック配向固化層のらせんピッチ(nm)を示す。Wは、カイラル剤重量比を示す。カイラル剤重量比Wは、W=[X/(X+Y)]×100で表される。ここで、Xはカイラル剤の重量であり、Yは液晶材料の重量である。
A−1.光学補償層付偏光板の全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による光学補償層付偏光板の概略断面図である。図2は、図1の光学補償層付偏光板を構成する各層の光軸を説明する分解斜視図である。図1に示すように、この光学補償層付偏光板10は、偏光子11と第1の光学補償層12と第2の光学補償層13と第3の光学補償層14とをこの順に有する。光学補償層付偏光板の各層は、任意の適切な粘着剤層または接着剤層(図示せず)を介して積層されている。実用的には、偏光子11の光学補償層が形成されない側には、任意の適切な保護フィルム(図示せず)が積層されている。さらに、必要に応じて、偏光子11と第1の光学補償層12との間に保護フィルムが設けられる。
第1の光学補償層12は、λ/2板として機能し得る。第1の光学補償層がλ/2板として機能することにより、λ/4板として機能する第2の光学補償層の波長分散特性(特に、位相差がλ/4を外れる波長範囲)について、位相差が適切に調節され得る。このような第1の光学補償層の面内位相差Re1は、200〜300nmであり、好ましくは220〜280nmであり、さらに好ましくは230〜270nmである。さらに、上記第1の光学補償層12は、nx>ny=nzの屈折率分布を有する。
第2の光学補償層13は、λ/4板として機能し得る。本発明によれば、λ/4板として機能する第2の光学補償層の波長分散特性を、上記λ/2板として機能する第1の光学補償層の光学特性によって補正することによって、広い波長範囲での円偏光機能を発揮することができる。このような第2の光学補償層の面内位相差Re2は、90〜160nmであり、好ましくは100〜150nmであり、さらに好ましくは110〜140nmである。さらに、上記第2の光学補償層13は、nx>ny=nzの屈折率分布を有する。
A−4−1.第3の光学補償層の全体構成
上記第3の光学補償層14は、nx=ny>nzの関係を有し、いわゆるネガティブCプレートとして機能し得る。第3の光学補償層がこのような屈折率分布を有することにより、特にVAモードの液晶セルの液晶層の複屈折性を良好に補償することができる。その結果、視野角特性が顕著に向上した液晶表示装置が得られ得る。上記のように、本明細書においては「nx=ny」は、nxとnyとが厳密に等しい場合のみならず、実質的に等しい場合も包含するので、第3の光学補償層は面内位相差を有し得、また、遅相軸を有し得る。ネガティブCプレートとして実用的に許容可能な面内位相差Re3は0〜20nmであり、好ましくは0〜10nmであり、さらに好ましくは0〜5nmである。
上記第3の光学補償層(コレステリック配向固化層)は、液晶組成物から形成され得る。当該組成物に含有される液晶材料としては、任意の適切な液晶材料が採用され得る。液晶相がネマチック相である液晶材料(ネマチック液晶)が好ましい。このような液晶材料としては、例えば、液晶ポリマーや液晶モノマーが使用可能である。液晶材料の液晶性の発現機構は、リオトロピックでもサーモトロピックでもどちらでもよい。また、液晶の配向状態は、ホモジニアス配向であることが好ましい。上記液晶組成物における液晶材料の含有量は、好ましくは75〜95重量%であり、さらに好ましくは80〜90重量%である。液晶材料の含有量が75重量%未満である場合には、組成物が液晶状態を十分に呈さず、結果として、コレステリック配向が十分に形成されない場合がある。液晶材料の含有量が95重量%を超える場合には、カイラル剤の含有量が少なくなってしまい、ねじれが十分に付与されなくなるので、コレステリック配向が十分に形成されない場合がある。
Z−X−(Sp)n ・・・(2)
で表されることが好ましく、A1およびA2は同じ基であることが好ましい。
好ましくは、上記第3の光学補償層(コレステリック配向固化層)を形成し得る液晶組成物は、カイラル剤を含む。液晶組成物中のカイラル剤の含有量は、好ましくは5〜23重量%であり、さらに好ましくは10〜20重量%である。含有量が5重量%未満である場合には、ねじれが十分に付与されなくなるので、コレステリック配向が十分に形成されない場合がある。その結果、得られる光学補償層の選択反射の波長域を所望の帯域(低波長側)に制御するのが困難となる場合がある。含有量が23重量%を超える場合には、液晶材料が液晶状態を呈する温度範囲が非常に狭くなるので、光学補償層形成時の温度制御をきわめて精密に行う必要がある。その結果、偏光板の製造が困難になる場合がある。なお、カイラル剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられ得る。
(Z−X5)nCh ・・・(20)
(Z−X2−Sp−X5)nCh ・・・(21)
(P1−X5)nCh ・・・(22)
(Z−X2−Sp−X3−M−X4)nCh ・・・(23)
好ましくは、上記第3の光学補償層(コレステリック配向固化層)を形成し得る液晶組成物は、重合開始剤および架橋剤(硬化剤)の少なくとも一方をさらに含む。重合開始剤および/または架橋剤(硬化剤)を用いることにより、液晶材料が液晶状態で形成したコレステリック構造(コレステリック配向)を固定化することができる。このような重合開始剤または架橋剤としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な物質が採用され得る。重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。架橋剤(硬化剤)としては、例えば、紫外線硬化剤、光硬化剤、熱硬化剤が挙げられる。より具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられ得る。液晶組成物中の重合開始剤または架橋剤の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.5〜8重量%であり、最も好ましくは1〜5重量%である。含有量が0.1重量%未満である場合には、コレステリック構造の固定化が不十分となる場合がある。含有量が10重量%を超えると、上記液晶材料が液晶状態を示す温度範囲が狭くなるので、コレステリック構造を形成する際の温度制御が困難となる場合がある。
上記第3の光学補償層(コレステリック配向固化層)の形成方法としては、所望のコレステリック配向固化層が得られる限りにおいて任意の適切な方法が採用され得る。第3の光学補償層(コレステリック配向固化層)の代表的な形成方法は、上記液晶組成物を基板上に展開して展開層を形成する工程と;当該液晶組成物中の液晶材料がコレステリック配向となるように、当該展開層に加熱処理を施す工程と;当該展開層に重合処理および架橋処理の少なくとも1つを施して、当該液晶材料の配向を固定する工程と、基板上に形成されたコレステリック配向固化層を転写する工程とを含む。以下、当該形成方法の具体的な手順を説明する。
上記偏光子11としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
上記保護フィルムとしては、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムが採用され得る。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。上記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であり得る。TAC、ポリイミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ガラス質系ポリマーが好ましく、TACがさらに好ましい。
本発明の光学補償層付偏光板は、さらに他の光学層を備えていてもよい。このような他の光学層としては、目的や画像表示装置の種類に応じて任意の適切な光学層が採用され得る。具体例としては、液晶フィルム、光散乱フィルム、回折フィルム、さらに別の光学補償層(位相差フィルム)等が挙げられる。
本発明の光学補償層付偏光板は、上記各層を上記のような接着剤層または粘着剤層を介して積層することにより作製され得る。積層手段としては、各層の光軸がなす角度(上記角度α、βおよびγ)が上記の範囲となる限りにおいて任意の適切な手段が採用され得る。例えば、偏光子、第1の光学補償層、第2の光学補償層および第3の光学補償層を所定の大きさに打ち抜き、上記角度α、βおよびγが所望の範囲となるように方向を合わせて、接着剤または粘着剤を介してそれらを積層することができる。
本発明の光学補償層付偏光板は、各種画像表示装置(例えば、液晶表示装置、自発光型表示装置)に好適に使用され得る。適用可能な画像表示装置の具体例としては、液晶表示装置、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)が挙げられる。本発明の光学補償層付偏光板を液晶表示装置に用いる場合には、例えば、黒表示における光漏れ防止および視野角補償に有用である。本発明の光学補償層付偏光板は、VAモードの液晶表示装置に好適に用いられ、反射型および半透過型のVAモードの液晶表示装置に特に好適に用いられる。また、本発明の光学補償層付偏光板をELディスプレイに用いる場合には、例えば、電極反射防止に有用である。
本発明の画像表示装置の一例として、液晶表示装置について説明する。ここでは、液晶表示装置に用いられる液晶パネルについて説明する。液晶表示装置のその他の構成については、目的に応じて任意の適切な構成が採用され得る。本発明においては、VAモードの液晶表示装置が好ましく、反射型および半透過型のVAモードの液晶表示装置が特に好ましい。図3は、本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。ここでは、反射型の液晶表示装置用液晶パネルを説明する。液晶パネル100は、液晶セル20と、液晶セル20の上側に配置された位相差板30と、位相差板30の上側に配置された偏光板10とを備える。位相差板30としては、目的および液晶セルの配向モードに応じて任意の適切な位相差板が採用され得る。目的および液晶セルの配向モードによっては、位相差板30は省略され得る。上記偏光板10は、上記A項およびB項で説明した本発明の光学補償層付偏光板である。液晶セル20は、一対のガラス基板21、21’と、該基板間に配された表示媒体としての液晶層22とを有する。下基板21’の液晶層22側には、反射電極23が設けられている。上基板21には、カラーフィルター(図示せず)が設けられている。基板21、21’の間隔(セルギャップ)は、スペーサー24によって制御されている。
実施例および比較例の光学補償層付偏光板の厚みを、(株)尾崎製作所製ダイヤルゲージを用いて測定した。
(2)熱ムラの測定
実施例および比較例で得られた光学補償層付偏光板について、同じ光学補償層付偏光板同士を貼り合わせて、測定試料を作製した。貼り合わせに際しては、互いの偏光子の吸収軸が直交するように、かつ、第3の光学補償層同士が向かい合うようにした。この測定試料をバックライト上に置き、バックライトで照らされた画像をデジタルカメラで撮影した。撮影画像を三谷商事(株)製、Win Roof v3.0を用いてグレー化(256階調)した。明るさの階調0−255の35階調目をしきい値とし、0−35を白、35−255を黒として二値化した。画像中に含まれる白の割合を%表示で表した。測定試料を85℃で10分間加熱し、加熱前後の白の割合を測定し、その変化量を求めた。変化量が小さいほど熱ムラが小さいことを示す。
(3)透過率の測定
実施例および比較例で得られた光学補償層付偏光板について、同じ光学補償層付偏光板同士を貼り合わせて、測定試料を作製した。貼り合わせに際しては、互いの偏光子の吸収軸が直交するように、かつ、第3の光学補償層同士が向かい合うようにした。この測定試料の透過率を、商品名DOT−3(村上色彩社製)により測定した。
市販のポリビニルアルコール(PVA)フィルム(クラレ社製)を、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて約6倍に一軸延伸して長尺の偏光子を得た。PVA系接着剤を用いて、この偏光子の両面に市販のTACフィルム(富士写真フィルム社製)を貼り合わせ、全体厚み100μmの偏光板(保護フィルム/偏光子/保護フィルム)を得た。この偏光板を縦20cm×横30cmに打ち抜いた。このとき、偏光子の吸収軸が縦方向となるようにした。
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製:商品名Zeonoa:厚み60μm:光弾性係数3.10×10−12m2/N)を140℃で1.90倍に一軸延伸することによって、長尺の第1の光学補償層用フィルムを作製した。このフィルムの厚みは45μm、面内位相差Re1は270nmであった。このフィルムを縦20cm×横30cmに打ち抜いた。このとき、遅相軸が縦方向となるようにした。
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製:商品名Zeonoa:厚み60μm:光弾性係数3.10×10−12m2/N)を140℃で1.32倍に一軸延伸することによって、長尺の第2の光学補償層用フィルムを作製した。このフィルムの厚みは50μm、面内位相差Re2は140nmであった。このフィルムを縦20cm×横30cmに打ち抜いた。このとき、遅相軸が縦方向となるようにした。
下記式(10)で表されるネマチック液晶性化合物90重量部、下記式(38)で表されるカイラル剤10重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバスペシャリティーケミカル社製)5重量部、およびメチルエチルケトン300重量部を均一に混合し、液晶塗工液を調製した。この液晶塗工液を基板(二軸延伸PETフィルム)上にコーティングし、80℃で3分間熱処理し、次いで紫外線を照射して重合処理し、第3の光学補償層を形成した。第3の光学補償層が形成された基板を縦20cm×横30cmに打ち抜いた。第3の光学補償層の厚みは2μm、面内位相差Re3は0nm、厚み方向位相差Rth3は110nmであった。
上記で得られた偏光板、第1の光学補償層、第2の光学補償層および第3の光学補償層をこの順に積層した。ここで、第1の光学補償層、第2の光学補償層および第3の光学補償層の遅相軸が、それぞれ、偏光板の偏光子の吸収軸に対して反時計回りに15°、75°および75°となるように積層した。偏光板と第1の光学補償層、および、第1の光学補償層と第2の光学補償層は、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を用いて積層し、第2の光学補償層と第3の光学補償層は、イソシアネート系硬化型接着剤(厚み5μm)を用いて積層した。次いで、第3の光学補償層が支持されていた基板(二軸延伸PETフィルム)を剥離し、当該剥離面に液晶セルと貼り合わせるためのアクリル系粘着剤(厚み20μm)を塗布した。最後に、縦4.0cm×横5.3cmに打ち抜き、図1に示すような光学補償層付偏光板を得た。
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(JSR社製:商品名Arton:厚み100μm:光弾性係数5.00×10−12m2/N)を175℃で約1.27倍に縦延伸し、次いで176℃で約1.37倍に横延伸して、長尺の第3の光学補償層用フィルム(厚み65μm)を作製した。このフィルムを縦20cm×横30cmに打ち抜き、第3の光学補償層とした。第3の光学補償層の面内位相差Re3は0nm、厚み方向位相差Rth3は110nmであった。
第2の光学補償層と第3の光学補償層をアクリル系粘着剤(厚み20μm)を用いて積層したこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すような光学補償層付偏光板を作製した。得られた光学補償層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
第1の光学補償層の遅相軸が偏光板の偏光子の吸収軸に対して反時計回りに35°となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、光学補償層付偏光板を作製した。得られた光学補償層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
第2の光学補償層の遅相軸が偏光板の偏光子の吸収軸に対して反時計回りに35°となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、光学補償層付偏光板を作製した。得られた光学補償層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
第1の光学補償層の遅相軸が偏光板の偏光子の吸収軸に対して反時計回りに35°となるようにしたこと以外は実施例2と同様にして、光学補償層付偏光板を作製した。得られた光学補償層付偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
11 偏光子
12 第1の光学補償層
13 第2の光学補償層
14 第3の光学補償層
20 液晶セル
100 液晶パネル
Claims (8)
- 偏光子と、第1の光学補償層と、第2の光学補償層と、第3の光学補償層とをこの順に有し、
該第1の光学補償層が、光弾性係数の絶対値が2×10−11m2/N以下の樹脂を含み、nx>ny=nzの関係を有し、かつ、その面内位相差Re1が200〜300nmであり、
該第2の光学補償層が、光弾性係数の絶対値が2×10−11m2/N以下の樹脂を含み、nx>ny=nzの関係を有し、かつ、その面内位相差Re2が90〜160nmであり、
該第3の光学補償層が、nx=ny>nzの関係を有し、その面内位相差Re3が0〜20nmであり、かつ、その厚み方向の位相差Rth3が30〜300nmであり、
該偏光子の吸収軸と該第1の光学補償層の遅相軸とのなす角度が10°〜30°であり、該偏光子の吸収軸と該第2の光学補償層の遅相軸とのなす角度が70°〜95°であり、ならびに、該偏光子の吸収軸と該第3の光学補償層の遅相軸とのなす角度が70°〜95°である
光学補償層付偏光板。 - 前記第3の光学補償層の厚みが1〜50μmである、請求項1に記載の光学補償層付偏光板。
- 前記第3の光学補償層が、選択反射の波長域が350nm以下であるコレステリック配向固化層からなる、請求項1または2に記載の光学補償層付偏光板。
- 前記第3の光学補償層が、nx=ny>nzの関係を有し、光弾性係数の絶対値が2×10−11m2/N以下の樹脂を含むフィルムからなる層と、選択反射の波長域が350nm以下であるコレステリック配向固化層とを有する、請求項1または2に記載の光学補償層付偏光板。
- 請求項1から4のいずれかに記載の光学補償層付偏光板と液晶セルとを含む、液晶パネル。
- 前記液晶セルが、反射型または半透過型のVAモードである、請求項5に記載の液晶パネル。
- 請求項5または6に記載の液晶パネルを含む、液晶表示装置。
- 請求項1から4のいずれかに記載の光学補償層付偏光板を含む、画像表示装置。
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