JP2009270832A - 論理回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】テストパターン数の増加を抑えながら、1縮退故障、遷移遅延故障、ラッチ動作故障等を検出可能な論理回路を提供する。
【解決手段】論理回路は、制御端子への入力信号に応じて第1の状態又は第2の状態に設定され、第1の状態では入力クロック信号を出力信号として出力し、第2の状態では出力信号を一定値に固定するゲーテッドクロックバッファと、ゲーテッドクロックバッファの出力信号を受け取るフリップフロップを含みスキャンチェーンを構成する複数のスキャンフリップフロップとを含み、ゲーテッドクロックバッファの制御端子への入力を制御する信号を第1の信号と第2の信号との間で切り替え可能とし、第1の信号はスキャンチェーンを用いるテスト時には常時イネーブル値となり、第2の信号はスキャンシフト時にイネーブル値となり且つキャプチャ時の少なくとも一部の期間でディスエーブル値となる。
【選択図】図4

Description

本願の開示は、一般に論理回路に関し、詳しくはシフトスキャン方式及びゲーテッドクロック方式を併用する論理回路に関する。
クロック信号に同期して動作するレジスタ(フリップフロップ)の動作条件を制御する方式としてゲーテッドクロック方式がある。ゲーテッドクロック方式では、フリップフロップが一時的に状態遷移をしない動作条件の場合には、フリップフロップへのクロック信号入力を停止することにより、フリップフロップのデータ取り込み動作自体を行わないようにする。このようにクロック信号を制御して、クロック信号に同期したデータ取り込み動作を停止させることにより、無駄な電力消費を無くすことができる。
図1は、ゲーテッドクロックバッファの構成の一例を示す図である。このようなゲーテッドクロックバッファが、クロック信号を供給する経路にクロック制御素子として挿入される。ゲーテッドクロックバッファ10は、ラッチ回路11及びAND回路12を含む。ラッチ回路11は、クロック信号CLKが0(LOW)の期間は制御端子ENの入力値を出力値として素通りさせ、クロック信号CLKが1(HIGH)の期間は直前の出力値を保持する。ラッチ回路11の出力がAND回路12の一方の入力に供給され、AND回路12のもう一方の入力にはクロック信号CLKが供給される。AND回路12の出力がゲーテッドクロック信号GCLKとなる。
制御端子ENへ印加されたイネーブル信号値“1”がラッチ回路11から出力されているとき、ゲーテッドクロックバッファ10はイネーブル状態となる。このイネーブル状態では、ゲーテッドクロックバッファ10へ入力されるクロック信号CLKがそのままゲーテッドクロック信号GCLKとして出力される。また制御端子ENへ印加されたディスエーブル信号値“0”がラッチ回路11から出力されているとき、ゲーテッドクロックバッファ10はディスエーブル状態となる。このディスエーブル状態では、ゲーテッドクロックバッファ10へ入力されるクロック信号CLKが遮断されて、ゲーテッドクロック信号GCLKが0に固定となる。ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENは、イネーブル信号を生成するための論理(EN論理)を有した論理回路の出力に結合される。
システムLSIにおいて、チップ外部に対して直接にデータを入出力する必要のない論理回路ユニットを試験するためには、単一の端子からシリアルにデータを入出力するスキャンシフト方式が用いられる。このスキャンシフト方式では、論理回路ユニットを構成する各フリップフロップに、スキャン入力端子とスキャン出力端子とが設けられている。あるフリップフロップのスキャン出力端子は別のフリップフロップのスキャン入力端子に結合され、複数のフリップフロップのカスケード接続によりフリップフロップのチェーン(スキャンチェーン)を構成している。テスト動作時には、外部からのスキャン有効を指示する値の印加に応じて、スキャンチェーンの各スキャンフリップフロップが、クロック信号に同期してスキャン入力端子からの入力データを格納し、スキャン出力端子から格納データを出力するよう動作する。
従来、ゲーテッドクロック方式及びスキャンシフト方式の半導体集積回路のテスト動作を実行する際、スキャンテスト時にフリップフロップに常時クロックが供給される状態とするのが一般的である。具体的には、スキャンテスト時に常時1である信号(例えばテストモード信号)により、ゲーテッドクロックバッファの制御端子ENの入力を1に固定するような回路構成とする。
図2は、スキャンテスト時にフリップフロップに常時クロックが供給される状態とする構成の一例を示す図である。図2において、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENはOR回路20の出力に接続される。OR回路20は、EN論理21の論理回路の出力信号とスキャンテスト時に常時1である信号(例えばテストモード信号)とを入力として受け取る。スキャンテスト時には、OR回路20の出力が1となることによりゲーテッドクロックバッファ10が常にイネーブルとなり、フリップフロップ23及び24に常時クロックが供給される。なおフリップフロップ22は、EN論理21の故障を検出するために設けられる。このフリップフロップ22の格納値がEN論理21の出力の期待値通りとなっているか否かを確認することにより、EN論理21の故障を検出することができる。
図2に示すような構成の場合、自動パターン生成ツール(ATPG:Automatic Test Pattern Generator)により半導体集積回路に対するテストパターンを作成する際に、ゲーテッドクロックバッファの動作を考慮する必要が無い。即ち、ゲーテッドクロックバッファが無いものとしてテストパターンを生成すればよく、テストパターンの生成が容易である。しかしながら、ゲーテッドクロックバッファのラッチ動作の故障として、ラッチ回路11の入力が常時そのままラッチ回路11の出力に現れてしまう故障を検出できない。また制御端子ENの入力値が1に固定されているので、制御端子ENの位置における1縮退故障及び遷移遅延故障を検出することができない。ここで1縮退故障とは、着目ノードが1に固定されてしまう故障である。また遷移遅延故障とは、着目ノードの遷移タイミングが許容可能な範囲を超えて遅延してしまう故障である。
特許文献1には、図2に示す構成と同様に、ゲーテッドクロックバッファの制御端子ENへの入力に相当する信号をスキャンテスト時に常時イネーブルとする構成が開示されている。この特許文献1に開示される構成では、1縮退故障を検出可能となっているが、遷移遅延故障については検出することができない。また図2の構成と同様に、ゲーテッドクロックバッファのラッチ動作の故障を検出することができない。またEN論理の故障検出については、既存のフリップフロップを観測用として利用する回路構成となっている。
上記のように1縮退故障及び/又は遷移遅延故障を検出することができないという問題点を解決するために、スキャンテスト時にゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENの入力をスキャンシフトモード信号で制御する技術がある。スキャンシフトモード信号は、スキャンフリップフロップがシフト動作するスキャンシフト時にはイネーブル(例えば1)となる。スキャンシフトモード信号は更に、スキャンフリップフロップがユーザロジックの組み合わせ論理回路の出力をデータ取り込みするキャプチャ時には、ディスエーブル(例えば0)となる。
図3は、制御端子ENの入力をスキャンシフトモード信号で制御する構成の一例を示す図である。図3において、図2と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。図3の構成では、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENに出力を供給するOR回路20は、EN論理21の論理回路の出力信号とスキャンシフトモード信号とを入力として受け取る。スキャンシフト時には、OR回路20の出力が1となることによりゲーテッドクロックバッファ10が常にイネーブルとなり、フリップフロップ23及び24にクロックが供給される。キャプチャ時には、OR回路20の出力がEN論理21の出力に等しくなることにより、EN論理21の出力値に応じてゲーテッドクロックバッファ10のイネーブル/ディスエーブルが制御される。
図3の構成では、キャプチャ時にEN論理21の出力値に応じてゲーテッドクロックバッファ10のイネーブル/ディスエーブルを制御できるので、1縮退故障及び遷移遅延故障を検出することができる。具体的には、EN論理21の出力が0になるようにEN論理21の入力側のフリップフロップ(図示せず)の値を設定する。これにより、ゲーテッドクロックバッファ10をディスエーブル状態にして、ゲーテッドクロック信号GCLKを0固定にする。また、ゲーテッドクロックバッファ10から出力されるゲーテッドクロック信号GCLKを受け取るフリップフロップの1つであるフリップフロップ24に1を設定する。更に、組み合わせ回路25からフリップフロップ24に供給するデータ入力を0に設定する。即ち、フリップフロップ24の現在の値と異なる値をフリップフロップ24のデータ入力に供給する状態にする。
この状態で、クロック信号CLKのパルスを1つゲーテッドクロックバッファ10に供給する。制御端子ENにおいて1縮退故障が起こっていなければ、ゲーテッドクロックバッファ10はディスエーブル状態にあり、ゲーテッドクロック信号GCLKは0固定になる。従って、フリップフロップ24にクロックパルスは入力されず、フリップフロップ24の値は1のままで変化しない。また制御端子ENにおいて1縮退故障が起こっていると、ゲーテッドクロックバッファ10はイネーブル状態にあり、ゲーテッドクロック信号GCLKにクロックパルスが現れる。従って、フリップフロップ24にクロックパルスが入力され、フリップフロップ24の値は1から0に変化する。このフリップフロップ24の値をチェックすることにより、制御端子ENに1縮退故障が生じているか否かを判定することができる。同様にして、フリップフロップ24の値をチェックすることにより、遷移遅延故障も検出することができる。
図3に示すような構成の場合、テスト時に上記のような1縮退故障等を検出するためのテストパターンを生成する必要があり、自動パターン生成ツールの処理時間及びテストパターンの生成数が増加するという問題がある。また図2の構成の場合と同様に、ゲーテッドクロックバッファのラッチ動作の故障として、ラッチ回路11の入力が常時そのままラッチ回路11の出力に現れてしまう故障を検出できない。
特開2002−323540号公報
以上を鑑みると、テストパターン数の増加を抑えながら、1縮退故障、遷移遅延故障、ラッチ動作故障等を検出可能な論理回路が望まれる。
ある形態の論理回路は、制御端子への入力信号に応じて第1の状態又は第2の状態に設定され、該第1の状態では入力クロック信号を出力信号として出力し、該第2の状態では出力信号を一定値に固定するゲーテッドクロックバッファと、該ゲーテッドクロックバッファの該出力信号を受け取り、スキャンチェーンを構成可能な複数のスキャンフリップフロップと、該複数のスキャンフリップフロップに接続可能な組み合わせ論理回路とを含み、該入力信号は切り換え可能な少なくとも第1の信号と第2の信号とに応じて制御され、該第1の信号は該スキャンチェーンを用いるテスト時には常時イネーブル値となる信号であり、該第2の信号は該スキャンチェーンがシフト動作するスキャンシフト時にイネーブル値となり且つ該複数のスキャンフリップフロップが該組み合わせ論理回路からデータを取り込むキャプチャ時の少なくとも一部の期間でディスエーブル値となる信号であることを特徴とする。
また別の形態の論理回路は、制御端子への入力信号に応じて第1の状態又は第2の状態に設定され、該第1の状態では入力クロック信号を出力信号として出力し、該第2の状態では出力信号を一定値に固定するゲーテッドクロックバッファと、該ゲーテッドクロックバッファの該出力信号を受け取るフリップフロップを含みスキャンチェーンを構成する複数のスキャンフリップフロップと、該複数のスキャンフリップフロップに接続される組み合わせ論理回路とを含み、該スキャンチェーンがシフト動作するスキャンシフト時にイネーブル値となり、且つ該複数のスキャンフリップフロップが該組み合わせ論理回路からデータを取り込むキャプチャ時において該ゲーテッドクロックバッファへの該入力クロック信号がオン状態である期間にディスエーブル値からイネーブル値に切り替わる信号を、該ゲーテッドクロックバッファの該制御端子への入力を制御する信号とすることを特徴とする。
少なくとも1つの実施例によれば、キャプチャ時においてゲーテッドクロックバッファへの入力クロック信号がオン状態である期間にディスエーブル値からイネーブル値に切り替わる信号(ラッチ動作制御信号)を使用する。これにより、ラッチ動作の故障を検出することが可能になる。またゲーテッドクロックバッファの制御端子への入力を制御する信号を、スキャンシフトモード信号或いはラッチ動作制御信号に切り替えて、それぞれの信号に応じたテストパターンを各スキャンフリップフロップに設定することで、所望の故障を検出できる。またゲーテッドクロックバッファの制御端子への入力を制御する信号をテストモード信号に切り替え可能とすることにより、自動テストパターン生成ツールによるテストパターンの生成を効率化して、テストパターン数の増加を抑えることができる。
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
図4は、スキャンシフト方式とゲーテッドクロック方式とを併用する論理回路の構成の一例を示す図である。図4の論理回路は典型的には半導体集積回路により実現されるが、システムボード上に実装される回路であってもよい。図4の論理回路は、ゲーテッドクロックバッファ10、OR回路30、EN論理31、フリップフロップ32乃至36、組み合わせ論理回路(組合せ回路)35、及びセレクタ41乃至44を含む。
各セレクタ41乃至44には選択制御信号としてスキャンシフトモード信号が供給される。スキャンシフトモード信号は前述のように、スキャンフリップフロップがシフト動作するスキャンシフト時にはイネーブル(例えば1)となる。スキャンシフトモード信号は更に、スキャンフリップフロップがユーザロジックの組み合わせ論理回路の出力をデータ取り込みするキャプチャ時には、ディスエーブル(例えば0)となる。フリップフロップ32とセレクタ41とで1つのスキャンフリップフロップを構成する。同様に、フリップフロップ33とセレクタ42、フリップフロップ34とセレクタ43、及びフリップフロップ36とセレクタ44とで、それぞれ1つのスキャンフリップフロップを構成する。あるスキャンフリップフロップの出力端子は別のスキャンフリップフロップのスキャン入力端子に結合され、複数のスキャンフリップフロップのカスケード接続によりスキャンチェーン(図中に太線で示す経路)を構成している。スキャンシフト時には、スキャンチェーンの各スキャンフリップフロップが、クロック信号CLKに同期してシフト動作して、順次データを後続のスキャンフリップフロップに伝搬させていく。
ゲーテッドクロックバッファ10は、例えば図1に示すような構成でよい。ゲーテッドクロックバッファ10の構成は、図1の回路構成に限られるものではなく、同等の論理を実現するものであればよい。具体的には、ゲーテッドクロックバッファ10は、制御端子ENへの入力信号に応じて第1の状態(イネーブル状態)又は第2の状態(ディスエーブル状態)に設定される。ゲーテッドクロックバッファ10は、第1の状態では入力クロック信号CLKをそのまま出力信号(ゲーテッドクロック信号GCLK)として出力し、第2の状態では出力信号(ゲーテッドクロック信号GCLK)を一定値(例えば0)に固定する。図4の例では、スキャンチェーン中のフリップフロップ33、34、及び36がゲーテッドクロックバッファ10の出力信号であるゲーテッドクロック信号GCLKを受け取る回路構成となっている。
図4の構成では、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENに出力を供給するOR回路30は、EN論理31の論理回路の出力信号と制御端子ENへの入力を制御する信号とを入力として受け取る。この制御端子ENへの入力を制御する信号により、制御端子ENにEN論理31の論理回路の出力信号をそのまま供給したり、他の信号を供給したりすることができる。
この制御端子ENへの入力を制御する信号は、切り替え可能な信号であり、少なくとも第1の信号と第2の信号との間で切り替え可能とする。ここで第1の信号は、スキャンチェーンを用いるテスト時には常時イネーブル値となる信号(例えばテストモード信号)である。第2の信号は、スキャンチェーンがシフト動作するスキャンシフト時にイネーブル値となり且つ複数のスキャンフリップフロップが組み合わせ論理回路からデータを取り込むキャプチャ時の少なくとも一部の期間でディスエーブル値となる信号である。第2の信号としては、例えばキャプチャ時の全期間でディスエーブル値となる上記スキャンシフトモード信号であってよい。また或いは、第2の信号としては、後述するラッチ動作制御信号であってよい。このラッチ動作制御信号は、キャプチャ時の一部の期間でディスエーブル値であり、ゲーテッドクロックバッファ10への入力クロック信号CLKがオン状態である期間にディスエーブル値からイネーブル値に切り替わるような信号である。
図4の構成において、上記の切り替え可能な信号は、第1の信号又は第2の信号の何れか一方に固定して全てのテスト動作を実行するものではない。切り替え可能な信号は、回路中のテスト対象の故障(例えばラッチ動作の故障、制御端子ENの1縮退故障等)に応じて、第1の信号又は第2の信号の何れか一方に選択的に設定されるものである。即ち例えば、複数のスキャンフリップフロップに第1のテストパターンを設定してテストする場合には、第1の信号を切り替え可能な信号として使用する。また複数のスキャンフリップフロップに上記第1のテストパターンとは異なる第2のテストパターンを設定してテストする場合には、第2の信号を切り替え可能な信号として使用する。
図5A及び図5Bは、ラッチ動作制御信号によりラッチ動作の故障を検出するテストを説明するための図である。図5Aは、ゲーテッドクロックバッファ10のラッチ回路11の故障がない場合の信号波形を示す。図5Bは、ゲーテッドクロックバッファ10のラッチ回路11に故障がある場合の信号波形を示す。ここに示す故障は、ラッチ回路11の入力が常時そのままラッチ回路11の出力に現れてしまうという故障である。図5A及び図5Bの両方において、上段は図4に示す切り替え可能な信号としてスキャンシフトモード信号を選択した場合、下段は切り替え可能な信号としてラッチ動作制御信号を選択した場合を示す。図示される信号LOUTは、図1に示すラッチ回路11の出力信号である。なお図4に示すEN論理31の出力は0となるように設定されているものとする。従って、切り替え可能な信号として選択された信号が、そのままゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENに印加されることになる。
図5A及び図5Bに示すように、ラッチ動作制御信号は、スキャンシフト時にイネーブル値(この例では1)となる。ラッチ動作制御信号は更に、キャプチャ時の一部の期間でディスエーブル値(この例では0)であり、ゲーテッドクロックバッファ10への入力クロック信号CLKがオン状態(この例では1)である期間にディスエーブル値からイネーブル値に切り替わるような信号である。
図5Aの上段に示すように、切り替え可能な信号としてスキャンシフトモード信号を選択した場合、ラッチ回路出力LOUTは、スキャンシフトモード信号と同一の波形となる。なおラッチ回路11は、クロック信号CLKが0のときに入力(この場合はスキャンシフトモード信号)をそのまま出力に供給し、クロック信号CLKが1のときに直前の出力(LOUT)を保持するように機能する。ラッチ回路出力LOUTとクロック信号CLKとのAND論理がゲーテッドクロック信号GCLKとなる。この例の場合、クロック信号CLKの各パルスは、スキャンシフト時にAND回路12(図1参照)を通過してゲーテッドクロック信号GCLKとして現れ、キャプチャ時にはAND回路12により遮断されてゲーテッドクロック信号GCLKとして現れない。
図5Aの下段に示すように、切り替え可能な信号としてラッチ動作制御信号を選択した場合、ラッチ回路出力LOUTは図示するような波形となる。このラッチ回路出力LOUTとクロック信号CLKとのAND論理がゲーテッドクロック信号GCLKとなる。この例の場合、クロック信号CLKの各パルスは、スキャンシフト時にAND回路12を通過してゲーテッドクロック信号GCLKとして現れ、キャプチャ時にはAND回路12により遮断されてゲーテッドクロック信号GCLKとして現れない。
図5Bは、ラッチ回路11の入力が常時そのままラッチ回路11の出力に現れてしまう故障がある場合の波形である。図5Bの上段に示すように、切り替え可能な信号としてスキャンシフトモード信号を選択した場合、ラッチ回路出力LOUTは、スキャンシフトモード信号と同一の波形となる。なおラッチ回路11は、クロック信号CLKの0/1に関わらず、入力(この場合はスキャンシフトモード信号)をそのまま出力LOUTに供給する。この例の場合、クロック信号CLKの各パルスは、スキャンシフト時にAND回路12を通過してゲーテッドクロック信号GCLKとして現れ、キャプチャ時にはAND回路12により遮断されてゲーテッドクロック信号GCLKとして現れない。
図5Bの下段に示すように、切り替え可能な信号としてラッチ動作制御信号を選択した場合、ラッチ回路出力LOUTは、ラッチ動作制御信号と同一の波形となる。このラッチ動作制御信号は、スキャンシフト時において1であり、キャプチャ時においてはクロック信号CLKが1である期間に0から1に切り替わるような信号である。従って、クロック信号CLKのパルスは、スキャンシフト時にはそのままゲーテッドクロック信号GCLKとして現れる。またキャプチャ時には、ラッチ動作制御信号の0から1への遷移のタイミングにおいて、半欠けのパルスがゲーテッドクロック信号GCLKとして現れる。
図5AのGCLK信号波形と図5BのGCLK信号波形とを比較すれば分かるように、スキャンシフトモード信号を用いた場合、正常時と故障時とでゲーテッドクロック信号GCLKに差異はない。しかしラッチ動作制御信号を用いた場合、正常時と故障時とでゲーテッドクロック信号GCLKに差異が生じる。即ち、故障がある場合には、キャプチャ時にゲーテッドクロック信号GCLKにパルスが現れるので、このパルスの有無を検出することにより、ラッチ故障の有無を検出することができる。以上から、ラッチ動作の故障を検出することを目的とする場合、ラッチ動作制御信号を用いると共に、ラッチ動作の故障を検出するようなテストパターンをスキャンチェーンに設定してテストすればよいことが分かる。
図6は、故障検出動作について説明するための図である。図6において、図4と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。図6においては、図4に示す論理回路では記載を省略していたEN論理31の入力側のスキャンフリップフロップを明示的に記載してある。即ち、図6の論理回路は、図4に示す各回路要素に加え更に、フリップフロップ37及び38と、セレクタ45及び46とを含む。フリップフロップ37とセレクタ45とで1つのスキャンフリップフロップを構成し、フリップフロップ38とセレクタ46とで1つのスキャンフリップフロップを構成する。これらのスキャンフリップフロップは、図4に示されるスキャンチェーンを含むスキャンチェーンに含まれる。
ラッチ動作の故障を検出する場合には、OR回路30に入力される切り替え可能な信号として、図5A及び図5Bに示すようなラッチ動作制御信号を用いる。まず最初にスキャンシフト動作を実行するが、この際にラッチ動作制御信号は1であり、クロック信号CLKの各パルスがそのままゲーテッドクロック信号GCLKとしてゲーテッドクロックバッファ10から出力される。まずこのスキャンシフト動作によりスキャンインを実行し、スキャンチェーンを構成する各フリップフロップに適切なテストパターン(ビットパターン)を設定する。即ち、外部のテスタ等からシリアルデータ入力用外部端子にビットシーケンスを入力しながらクロック信号CLKに同期してシフト動作を実行し、各フリップフロップに所望の値を設定する。
具体的には、EN論理31の入力側のフリップフロップ37及び38については、EN論理31の出力が0になるように格納値を設定する。例えばEN論理31がNAND回路の場合、フリップフロップ37の格納値及びフリップフロップ38の格納値が共に1となるように設定する。またゲーテッドクロックバッファ10からゲーテッドクロック信号GCLKを受け取るフリップフロップ33、34、及び36のうちの少なくとも1つについては、設定した格納値と対応セレクタのデータ入力端子の入力値とが反対の値となるように設定する。なおセレクタは、キャプチャ時においてスキャンシフトモード信号が0のときは、ユーザロジックの組み合わせ論理回路からデータ入力端子に供給されるデータをフリップフロップに供給する。またセレクタは、スキャンシフト時でスキャンシフトモード信号が1のときは、スキャンチェーン前段のフリップフロップからスキャン入力端子に供給されるデータをフリップフロップに供給する。
例えば、組み合わせ論理回路35が2入力のAND回路である場合に、フリップフロップ34に対して上記条件を満たすようにデータ設定することを考える。この場合、フリップフロップ33及びフリップフロップ36に1を設定し、組み合わせ論理回路35の出力を1に設定する。また更に、フリップフロップ34に0を設定する。これにより、フリップフロップ34については、設定した格納値0と対応セレクタ43のデータ入力端子の入力値1とが反対の値となる。
以上の設定が終了した後にキャプチャ動作を実行する。前述のようにEN論理31の出力が0になるように設定されているので、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENへの入力はラッチ動作制御信号となる。従って、ラッチ動作が正常な場合には、ゲーテッドクロックバッファ10のラッチ回路11の出力LOUT及びゲーテッドクロックバッファ10が出力するゲーテッドクロック信号GCLKは図5Aの下段に示すような波形となる。即ちこの場合、キャプチャ時においてゲーテッドクロック信号GCLKのパルスは発生しないので、図6のフリップフロップ33、34、及び36については取り込み動作を行なわない。従って、上記例のように設定したフリップフロップ34の格納値は0のままで変化しない。
ラッチ動作に故障がある場合には、ゲーテッドクロックバッファ10のラッチ回路11の出力LOUT及びゲーテッドクロックバッファ10が出力するゲーテッドクロック信号GCLKは図5Bの下段に示すような波形となる。即ちこの場合、キャプチャ時においてゲーテッドクロック信号GCLKのパルスが発生し、図6のフリップフロップ33、34、及び36がデータ取り込み動作を行なう。従って、上記例のように設定したフリップフロップ34の格納値は0から1に変化する。
上記のキャプチャ動作の後に、スキャンシフト動作を実行する。これによりクロック信号CLKに同期したスキャンチェーン上のシフト動作を実行し、各フリップフロップの格納値を順番にシリアルデータ出力用外部端子から出力し、外部のテスタ等に供給する。上記説明のように、フリップフロップ34の値がラッチ動作正常時とラッチ動作不良時とで反対の値となるので、このフリップフロップ34の値をテスタ等でチェックすることにより、ラッチ動作の故障を検出することができる。
次にゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENの1縮退故障の検出動作について、同様に図6を用いて説明する。1縮退故障を検出する場合には、OR回路30に入力される切り替え可能な信号として、スキャンシフトモード信号を用いる。
図7は、スキャンシフトモード信号及び制御端子ENの1縮退故障の有無に応じた各信号波形を示す図である。まず最初にスキャンシフト動作を実行するが、この際にスキャンシフトモード信号は1であり、クロック信号CLKの各パルスがそのままゲーテッドクロック信号GCLKとしてゲーテッドクロックバッファ10から出力される。まずこのスキャンシフト動作によりスキャンインを実行し、スキャンチェーンを構成する各フリップフロップに適切なテストパターン(ビットパターン)を設定する。この場合に設定する格納値は、前述のラッチ故障の検出の場合と同一であってよい。即ち、EN論理31の入力側のフリップフロップ37及び38については、EN論理31の出力が0になるように格納値を設定する。またゲーテッドクロックバッファ10からゲーテッドクロック信号GCLKを受け取る例えばフリップフロップ34については、設定した格納値(例えば0)と対応セレクタ43のデータ入力端子の入力値(例えば1)とが反対の値となるように設定する。
以上の設定が終了した後にキャプチャ動作を実行する。前述のようにEN論理31の出力が0になるように設定されているので、制御端子ENが正常な場合には、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENへの入力はスキャンシフトモード信号に等しい。この場合、ゲーテッドクロックバッファ10のラッチ回路11の出力LOUT及びゲーテッドクロックバッファ10が出力するゲーテッドクロック信号GCLKは図7の中段に示すような波形となる。即ちこの場合、キャプチャ時においてゲーテッドクロック信号GCLKのパルスは発生しないので、図6のフリップフロップ33、34、及び36については取り込み動作を行なわない。従って、上記例のように設定したフリップフロップ34の格納値は0のままで変化しない。
制御端子ENに1縮退故障がある場合には、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENの入力は1に固定となる。この場合、ゲーテッドクロックバッファ10のラッチ回路11の出力LOUT及びゲーテッドクロックバッファ10が出力するゲーテッドクロック信号GCLKは図7の下段に示すような波形となる。即ちこの場合、キャプチャ時においてゲーテッドクロック信号GCLKのパルスが発生し、図6のフリップフロップ33、34、及び36がデータ取り込み動作を行なう。従って、上記例のように設定したフリップフロップ34の格納値は0から1に変化する。
上記のキャプチャ動作の後に、スキャンシフト動作を実行する。これによりクロック信号CLKに同期したスキャンチェーン上のシフト動作を実行し、各フリップフロップの格納値を順番にシリアルデータ出力用外部端子から出力し、外部のテスタ等に供給する。上記説明のように、フリップフロップ34の値が1縮退故障の有無に応じて反対の値となるので、このフリップフロップ34の値をテスタ等でチェックすることにより、1縮退故障を検出することができる。なおスキャンシフトモード信号を用いる代わりに、ラッチ動作制御信号を用いても、全く同様に制御端子ENの1縮退故障を検出することが可能である。但しラッチ動作制御信号を用いると、1縮退故障が有る場合だけでなくラッチ動作に故障が有った場合にも、キャプチャ時において同様にゲーテッドクロック信号GCLKにパルスが発生する。従って、ラッチ動作制御信号だけを用いてテストした場合、1縮退故障とラッチ動作故障との区別はできない。
次にゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENの遷移遅延故障の検出動作について、同様に図6を用いて説明する。遷移遅延故障を検出する場合には、OR回路30に入力される切り替え可能な信号として、スキャンシフトモード信号を用いる。
図8は、スキャンシフトモード信号及び制御端子ENの遷移遅延故障の有無に応じた各信号波形を示す図である。まず最初にスキャンシフト動作を実行するが、この際にスキャンシフトモード信号は1であり、クロック信号CLKの各パルスがそのままゲーテッドクロック信号GCLKとしてゲーテッドクロックバッファ10から出力される。まずこのスキャンシフト動作によりスキャンインを実行し、スキャンチェーンを構成する各フリップフロップに適切なテストパターン(ビットパターン)を設定する。EN論理31の入力側のフリップフロップ37及び38については、EN論理31の出力がキャプチャ動作のLaunchクロックに応答して0から1に変化するように格納値を設定する。またゲーテッドクロックバッファ10からゲーテッドクロック信号GCLKを受け取る例えばフリップフロップ34については、設定した格納値(例えば0)と対応セレクタ43のデータ入力端子の入力値(例えば1)とが反対の値となるように設定する。
スキャンインによる設定が終了した後にキャプチャ動作を実行する。キャプチャ動作において、スキャンシフトモード信号は0である。従って、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENへの入力は、EN論理31の出力に等しい。制御端子ENが正常な場合、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENへの入力は、Launchクロックの次のCaptureクロックの前までに0から1に遷移する。この場合、制御端子ENへの入力、ラッチ回路11の出力LOUT、及びゲーテッドクロックバッファ10が出力するゲーテッドクロック信号GCLKは図8の中段に示すような波形となる。即ちこの場合、キャプチャ時においてゲーテッドクロック信号GCLKのパルスが発生し、図6のフリップフロップ33、34、及び36が取り込み動作を行なう。従って、上記例のように設定したフリップフロップ34の格納値は0から1に変化する。
制御端子ENに遷移遅延故障がある場合、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENへの入力が0から1に遷移するのは、Launchクロックの次のCaptureクロックの立ち上がりよりも後のタイミングとなる。この場合、制御端子ENへの入力、ラッチ回路11の出力LOUT、及びゲーテッドクロックバッファ10が出力するゲーテッドクロック信号GCLKは図8の下段に示すような波形となる。即ちこの場合、キャプチャ時においてゲーテッドクロック信号GCLKのパルスが発生せず、図6のフリップフロップ33、34、及び36がデータ取り込み動作を行なわない。従って、上記例のように設定したフリップフロップ34の格納値は0のままで変化しない。
上記のキャプチャ動作の後に、スキャンシフト動作を実行する。これによりクロック信号CLKに同期したスキャンチェーン上のシフト動作を実行し、各フリップフロップの格納値を順番にシリアルデータ出力用外部端子から出力し、外部のテスタ等に供給する。上記説明のように、フリップフロップ34の値が遷移遅延故障の有無に応じて反対の値となるので、このフリップフロップ34の値をテスタ等でチェックすることにより、遷移遅延故障を検出することができる。
以上説明したように、OR回路30に入力する信号をスキャンシフトモード信号或いはラッチ動作制御信号に切り替えて、それぞれの信号に応じたテストパターンを各スキャンフリップフロップに設定することで、所望の故障検出を行なうことができる。またゲーテッドクロックに無関係な部分に故障を検出する場合には、切り替え可能な信号として、テスト時に常時1であるテストモード信号を用いればよい。このようにテスト時に常時1であるテストモード信号を用いることにより、ゲーテッドクロックバッファの動作を考慮することなく、ゲーテッドクロックバッファが無いものとしてテストパターンを生成すればよい。従って、自動テストパターン生成ツールによるテストパターンの生成が容易且つ効率的となる。
図9は、切り替え可能な信号を切り替える機構の第1の実施例を示す図である。図9において、図4と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。図9の構成では、切り替え可能な信号は、論理回路の外部端子50を介して、外部のテスタ等から供給される。
図10は、切り替え可能な信号を切り替える機構の第2の実施例を示す図である。図10において、図4と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。図10の構成では、切り替え可能な信号は、論理回路と一体として提供されるTAPコントローラ等のテスト制御回路51により生成される。
ここでTAPとはテストアクセスポートのことであり、バウンダリ・スキャン方式(スキャンシフト方式)により、プリント基板内や半導体チップ内の回路ブロックに外部からアクセスしてテストを実行するためのポートである。またTAPコントローラとは、TAPの状態遷移をコントロールする制御回路のことである。なおバウンダリ・スキャン用のアーキテクチャ及びシリアルポートは、JTAG(Joint Test Action Group)により標準化されている。
図10の例において、テスト制御回路51は、ラッチ動作制御信号を生成するラッチ動作制御信号生成回路52と、インストラクションにより値が決定されるフリップフロップ53、及びOR回路54を含む。フリップフロップ53に0を設定すれば、ラッチ動作制御信号生成回路52の生成するラッチ動作制御信号がOR回路54を介してOR回路30に供給される。また例えば、フリップフロップ53に1を設定すれば、テスト時に常時1である信号を、OR回路54を介してOR回路30に供給できる。また例えば、ラッチ動作制御信号生成回路52を非活性化してその出力を0に固定し、フリップフロップ53の値をスキャンシフト時とキャプチャ時とで0/1間で切り替えれば、スキャンシフトモード信号を、OR回路54を介してOR回路30に供給できる。
図11は、ラッチ動作制御信号生成回路52の構成の一例を示す図である。ラッチ動作制御信号生成回路52は、遅延素子61及びOR回路62を含む。クロック信号CLKを遅延素子61により遅延させ遅延クロック信号DCLKを生成し、この遅延クロック信号DCLKとスキャンシフトモード信号とのOR演算の論理値をOR回路62により求めることにより、ラッチ動作制御信号を生成することができる。
図12は、ラッチ動作制御信号生成回路52の構成の別の一例を示す図である。ラッチ動作制御信号生成回路52は、遅延素子61、OR回路62、フリップフロップ63、及びインバータ64を含む。クロック信号CLKを遅延素子61により遅延させ遅延クロック信号DCLKを生成し、この遅延クロック信号DCLKの立ち上がりエッジに同期してフリップフロップ63にトグル動作を行なわせる。フリップフロップ63は、スキャンシフトモード信号の値1によりリセットされ、リセットにより出力が0になる。
図13は、図12の回路の各部の信号波形を示す図である。図13に示されるように、クロック信号CLKを遅延させた遅延クロック信号DCLKの立ち上がりで、フリップフロップ63の出力Qがトグル動作する(この例では0から1に遷移する)。スキャンシフトモード信号が1のときには、フリップフロップ63はリセット状態であり、出力Qが0に固定されている。この出力Qとスキャンシフトモード信号とのORをとることにより、ラッチ動作制御信号を生成することができる。
なお図11の回路構成では、単純に遅延クロック信号DCLKとスキャンシフトモード信号とのORをとっているので、図13に示すようなタイミングの場合、キャプチャ時の遅延クロック信号DCLKの立ち下りでラッチ動作制御信号も0に遷移してしまう。これを避けるためには、遅延クロック信号DCLKの遅延量を十分に大きくすればよいが、遅延素子61の遅延量にはばらつきがあり、ラッチ動作制御信号の0への遷移が生じる可能性を完全に無くすことは難しい場合がある。このような場合には、図12のような回路構成を用いることが望ましい。
図14は、ラッチ動作制御信号生成回路52の構成の別の一例を示す図である。図14のラッチ動作制御信号生成回路52は、バッファ65及びOR回路62を含む。外部から供給された遅延クロック信号DCLKを、バッファ65を介してOR回路62に供給する。OR回路62により、遅延クロック信号DCLKとスキャンシフトモード信号とのOR演算の論理値を求める。外部から供給する遅延クロック信号DCLKのクロック信号CLKに対する遅延量を調整することで、適切なラッチ動作制御信号を生成することができる。
図15は、切り替え可能な信号を切り替える機構の第3の実施例を示す図である。図10において、図4及び図10と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。図15の回路構成は、図4の回路構成に加えて更に、フリップフロップ71、セレクタ72、及びセレクタ73を含む。ラッチ動作制御信号生成回路52は、図11又は図12に示されるような構成を有する回路である。
セレクタ73により、ラッチ動作制御信号生成回路52の生成するラッチ動作制御信号又はテストモード信号の何れかの信号を選択して、OR回路30に供給する。セレクタ73の選択動作を制御する選択制御信号は、フリップフロップ71の出力信号である。フリップフロップ71とセレクタ72とで、1つのスキャンフリップフロップを構成する。このスキャンフリップフロップはスキャンチェーンに組み込まれており、スキャンシフト動作(スキャンイン)により、フリップフロップ71に所望の値を設定することができる。このフリップフロップ71に設定した値により、セレクタ73の選択動作を制御して、ラッチ動作制御信号又はテストモード信号の何れかの信号を選択する。
ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENの1縮退故障及び遅延遷移故障並びにゲーテッドクロックバッファ10のラッチ回路11の動作故障に関しては、ラッチ動作制御信号を用いてテストする。またその他の故障に対しては、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENにテストモード信号を入力してテストする。テストモード信号を用いたテストについては、ゲーテッドクロックバッファ10を無視できるので、自動テストパターン生成ツールによるパターン生成が容易となる。
図16は、制御端子ENへの入力信号を制御する信号としてラッチ動作制御信号を用いた実施例を示す図である。図16において、図4及び図10と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。図16の回路構成は、図4の回路構成において、制御端子ENへの入力信号を制御する信号としてラッチ動作制御信号を用いている。このラッチ動作制御信号は、スキャンシフト時にイネーブル値(例えば1)となり、且つキャプチャ時において入力クロック信号CLKがオン状態(例えば1)である期間にディスエーブル値(例えば0)からイネーブル値(例えば1)に切り替わる信号である。具体的には、図11又は図12に示されるような構成を有するラッチ動作制御信号生成回路52の生成するラッチ動作制御信号を、OR回路30の一方の入力に供給する回路構成となっている。このような回路構成を用いることによって、ゲーテッドクロックバッファ10のラッチ回路11の動作故障を検出することができる。
図17は、図10に示す切り替え可能な信号を切り替える機構の第2の実施例の変形例を示す図である。図17において、図10と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。図17の回路構成では、テスト制御回路51が生成する切り替え可能な信号は、AND回路81の一方の入力に供給される。AND回路81のもう一方の入力には、スキャンテスト時は常時1でありユーザ動作時(テスト動作以外の通常動作時)に常時0であるテストモード信号が供給される。AND回路81の出力がOR回路30の一方の入力に供給される。
テストモード信号が1に設定されスキャンテストが指定される状態になると、AND回路81はテスト制御回路51の出力信号を通過させてOR回路30に供給する。従って、テスト制御回路51の出力信号に応じて、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENへの入力を制御することができる。またテストモード信号が0に設定されユーザ動作を実行する状態になると、AND回路81の出力は0に固定され、EN論理31の出力がゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENに常時印加されることになる。このような回路構成とすることにより、ユーザ動作を実行するための制御を容易に実現することができる。
図18は、図15に示す切り替え可能な信号を切り替える機構の第3の実施例の変形例を示す図である。図18において、図15と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。図18の回路構成では、セレクタ73により選択するラッチ動作制御信号又はテストモード信号の何れか一方の信号は、AND回路91の一方の入力に供給される。AND回路91のもう一方の入力には、スキャンテスト時は常時1でありユーザ動作時(テスト動作以外の通常動作時)に常時0であるテストモード信号が供給される。AND回路91の出力がOR回路30の一方の入力に供給される。
テストモード信号が1に設定されスキャンテストが指定される状態になると、AND回路91はセレクタ73の出力信号を通過させてOR回路30に供給する。従って、ラッチ動作制御信号又はテストモード信号の何れか一方に応じて、ゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENへの入力を制御することができる。またテストモード信号が0に設定されユーザ動作を実行する状態になると、AND回路91の出力は0に固定され、EN論理31の出力がゲーテッドクロックバッファ10の制御端子ENに常時印加されることになる。このような回路構成とすることにより、ユーザ動作を実行するための制御を容易に実現することができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
ゲーテッドクロックバッファの構成の一例を示す図である。 スキャンテスト時にフリップフロップに常時クロックが供給される状態とする構成の一例を示す図である。 制御端子の入力をスキャンシフトモード信号で制御する構成の一例を示す図である。 スキャンシフト方式とゲーテッドクロック方式とを併用する論理回路の構成の一例を示す図である。 ラッチ動作制御信号によりラッチ動作の故障を検出するテストを説明するための図である。 ラッチ動作制御信号によりラッチ動作の故障を検出するテストを説明するための図である。 故障検出動作について説明するための図である。 スキャンシフトモード信号及び制御端子の1縮退故障の有無に応じた各信号波形を示す図である。 スキャンシフトモード信号及び制御端子の遷移遅延故障の有無に応じた各信号波形を示す図である。 切り替え可能な信号を切り替える機構の第1の実施例を示す図である。 切り替え可能な信号を切り替える機構の第2の実施例を示す図である。 ラッチ動作制御信号生成回路の構成の一例を示す図である。 ラッチ動作制御信号生成回路の構成の別の一例を示す図である。 図12の回路の各部の信号波形を示す図である。 ラッチ動作制御信号生成回路の構成の別の一例を示す図である。 切り替え可能な信号を切り替える機構の第3の実施例を示す図である。 制御端子への入力信号を制御する信号としてラッチ動作制御信号を用いた実施例を示す図である。 図10に示す切り替え可能な信号を切り替える機構の第2の実施例の変形例を示す図である。 図15に示す切り替え可能な信号を切り替える機構の第3の実施例の変形例を示す図である。
符号の説明
10 ゲーテッドクロックバッファ
30 OR回路
31 EN論理
32〜36 フリップフロップ
35 組み合わせ論理回路
41〜44 セレクタ

Claims (10)

  1. 制御端子への入力信号に応じて第1の状態又は第2の状態に設定され、該第1の状態では入力クロック信号を出力信号として出力し、該第2の状態では出力信号を一定値に固定するゲーテッドクロックバッファと、
    該ゲーテッドクロックバッファの該出力信号を受け取り、スキャンチェーンを構成可能な複数のスキャンフリップフロップと、
    該複数のスキャンフリップフロップに接続可能な組み合わせ論理回路と
    を含み、
    該入力信号は切り換え可能な少なくとも第1の信号と第2の信号とに応じて制御され、該第1の信号は該スキャンチェーンを用いるテスト時には常時イネーブル値となる信号であり、該第2の信号は該スキャンチェーンがシフト動作するスキャンシフト時にイネーブル値となり且つ該複数のスキャンフリップフロップが該組み合わせ論理回路からデータを取り込むキャプチャ時の少なくとも一部の期間でディスエーブル値となる信号であることを特徴とする論理回路。
  2. 該複数のスキャンフリップフロップに第1のテストパターンを設定してテストする場合に該第1の信号に応じて該入力信号が制御され、該複数のスキャンフリップフロップに第2のテストパターンを設定してテストする場合に該第2の信号に応じて該入力信号が制御されることを特徴とする請求項1記載の論理回路。
  3. 該第2の信号は、キャプチャ時の全期間でディスエーブル値となる信号であることを特徴とする請求項1記載の論理回路。
  4. 該第2の信号は、キャプチャ時の一部の期間でディスエーブル値であり、該ゲーテッドクロックバッファへの該入力クロック信号がオン状態である期間にディスエーブル値からイネーブル値に切り替わる信号であることを特徴とする請求項1記載の論理回路。
  5. 該入力信号は切り換え可能な該第1の信号、該第2の信号、及び第3の信号に応じて制御され、、該第3の信号は該スキャンシフト時にイネーブル値となり且つ該キャプチャ時の全期間でディスエーブル値となる信号であることを特徴とする請求項4記載の論理回路。
  6. 該第1の信号及び該第2の信号は該論理回路の外部から直接に供給されることを特徴とする請求項1記載の論理回路。
  7. 該第1の信号及び該第2の信号は該論理回路の内部で生成されることを特徴とする請求項1記載の論理回路。
  8. 該制御端子への入力を制御する信号はTAPコントローラの出力信号であることを特徴とする請求項7記載の論理回路。
  9. 該複数のスキャンフリップフロップのうちの1つのスキャンフリップフロップの格納値に応じて該第1の信号と該第2の信号との何れか一方を選択し、該選択した信号を該ゲーテッドクロックバッファの該制御端子への入力を制御する信号とすることを特徴とする請求項1記載の論理回路。
  10. 制御端子への入力信号に応じて第1の状態又は第2の状態に設定され、該第1の状態では入力クロック信号を出力信号として出力し、該第2の状態では出力信号を一定値に固定するゲーテッドクロックバッファと、
    該ゲーテッドクロックバッファの該出力信号を受け取るフリップフロップを含みスキャンチェーンを構成する複数のスキャンフリップフロップと、
    該複数のスキャンフリップフロップに接続される組み合わせ論理回路と
    を含み、該スキャンチェーンがシフト動作するスキャンシフト時にイネーブル値となり、且つ該複数のスキャンフリップフロップが該組み合わせ論理回路からデータを取り込むキャプチャ時において該ゲーテッドクロックバッファへの該入力クロック信号がオン状態である期間にディスエーブル値からイネーブル値に切り替わる信号を、該ゲーテッドクロックバッファの該制御端子への入力を制御する信号とすることを特徴とする論理回路。
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