JP2009264419A - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトの過張力を防止する油圧式オートテンショナを提供する。
【解決手段】シリンダ1内にスリーブ4を設け、スリーブ4内にロッド5を挿入して圧力室6を形成し、ロッド5の上部のばね座7とシリンダ1の内底面間にリターンスプリング8を組込み、伸張方向に付勢する。シリンダ1とスリーブ4間のリザーバ室13と圧力室6を連通する通路14にチェックバルブ15を設け、シリンダ1とロッド5の収縮時に、チェックバルブ15で通路14を閉じ、押込み力を緩衝する。ロッド5の圧力室6とリザーバ室13を連通する連通路16にリリーフバルブ20を組込み圧力室6内の変動圧力の上限値を一定としベルトの過張力を防止する。リリーフバルブ20の開放状態の弁体24とバルブシート22との間の隙間31を絞りとしてリリーフバルブ20の作動油入口側と作動油出口側とで大きな圧力差の発生を防止し、リリーフバルブ20の弁体24のバタツキを防止する。
【選択図】図1

Description

この発明は、オルタネータやウォータポンプ、エアコンのコンプレッサ等の自動車補機を駆動するベルトの張力調整用に用いられる油圧式オートテンショナに関するものである。
エンジンのクランクシャフトの回転を各種の自動車補機に伝えるベルト伝動装置においては、図8に示すように、ベルト41の弛み側にテンションプーリ42を支持する揺動可能なプーリアーム43を設け、そのプーリアーム43に油圧式オートテンショナAの調整力を付与して、上記テンションプーリ42がベルト41を押圧する方向にプーリアーム43を付勢し、ベルト41の張力を一定に保持するようにしている。
上記のようなベルト伝動装置に使用される油圧式オートテンショナAとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。この油圧式オートテンショナにおいては、作動油が充填された底付きシリンダの内底面から立ち上がるスリーブ内にロッドの下部をスライド自在に挿入してスリーブ内に圧力室を形成し、ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの底面間にリターンスプリングを組込んでロッドとシリンダを伸張する方向に付勢している。
また、ばね座の外周とシリンダの上部外周に弾性を有するベローズの両端部を嵌合してシリンダとスリーブ間に密閉されたリザーバ室を形成し、そのリザーバ室下部と上記圧力室とを通路で連通し、その通路にチェックバルブを設け、ベルト41からテンションプーリ42およびプーリアーム43を介して油圧式オートテンショナAにシリンダとロッドを収縮させる方向の押込み力が負荷された際に、チェックバルブを閉じ、圧力室内に封入された作動油をスリーブの内径面とロッドの外径面間に形成された微小すきまに流動させ、その流動時の作動油の粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力を発生させて上記押込み力を緩衝するようにしている。
特表2000−504395号公報
ところで、上記従来の油圧式オートテンショナにおいては、上記のように、ベルト41からロッドに負荷される押込み力により圧力室内に封入された作動油をスリーブの内径面とロッドの外径面間に形成された微小すきまに流動させ、その流動する作動油の粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力を発生させて上記押込み力を緩衝する構成であり、上記油圧ダンパ力と押込み力はほぼ比例関係にあるため、押込み力が大きくなるにつれて油圧ダンパ力も大きいものとなる。
このため、ベルトが過張力になるのを防止することができず、ベルトの耐久性を低下させるという問題がある。
この発明の課題は、ベルトが過張力になるのを防止することができるようにした油圧式オートテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、閉塞端を下部に有し、内部に作動油が充填されたシリンダ内に、その内底面から立ち上がるスリーブを設け、そのスリーブ内にロッドの下端部を摺動自在に挿入してスリーブ内に圧力室を形成し、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの内底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記シリンダとスリーブ間に形成されたリザーバ室の上部開口を閉塞し、そのリザーバ室と前記圧力室を連通する通路に、圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなると通路を閉じるチェックバルブを設けた油圧式オートテンショナにおいて、前記ロッドに圧力室とリザーバ室を連通する連通路を形成し、その連通路の圧力室側の端部に大径のバルブ嵌合孔を設け、そのバルブ嵌合孔内に圧力室内の圧力が設定圧力を超えた際に開放して圧力室と連通路を連通するリリーフバルブを組込み、そのリリーフバルブが、閉塞端を有し、その閉塞端がバルブ嵌合孔の閉塞端と対向する組込みとされた筒状のボディと、そのボディの開口端に嵌合されたバルブシートと、そのバルブシートに形成された弁孔をボディ内部から開閉する球形の弁体と、その弁体を弁孔に向けて付勢するバルブスプリングとからなり、前記ボディに弁体の開放状態でボディ内部と連通路を連通する通油孔が形成された構成とされ、前記弁体の開放状態において、前記リリーフバルブの内部またはリリーフバルブとバルブ嵌合孔間にリリーフバルブの作動油流入側と作動油流出側の圧力差を緩和する絞りを設けた構成を採用したのである。
上記のように、ロッドに圧力室とリザーバ室を連通する連通路を形成し、その連通路の下端部に形成されたバルブ嵌合孔にリリーフバルブを組込むことにより、ベルトからロッドに押込み力が負荷されて圧力室内の圧力が上昇し、その圧力がリリーフバルブの設定圧力を超えると、リリーフバルブが開放し、圧力室の作動油は連通路からリザーバ室に流れ込むため、圧力室内に発生する油圧ダンパ力の上限値をリリーフバルブの設定圧に抑えることができる。
このため、ベルトが過張力になるようなことはなく、ベルトの耐久性の低下を抑制することができる。
また、リリーフバルブの開放によって圧力室の作動油が連通路にリリーフされるとき、絞りによって流量が制限されるため、リリーフバルブの作動油入口側と作動油出口側の圧力差は小さい値に保たれることになる。
ここで、リリーフバルブの開放時、リリーフバルブの作動油入口側と作動油出口側の圧力差が大きいと、弁体にバタツキが生じ、その弁体がシート面に衝突して異音を発生させることになるが、上記のように、絞りを設けることにより、リリーフバルブの作動油入口側と作動油出口側の圧力差を小さい値に保つことができるため、弁体のバタツキを抑制することができ、異音の発生を防止することができる。
ここで、絞りの形成に際し、以下の形成方法を採用することにより、絞り部品の組込みを不要とし、コストの低減と組立ての容易化を図ることができる。
(I)バルブスプリングの収縮によって開放量が制限される弁体の開放状態において、その弁体とバルブシート間に形成される隙間を絞りとする。
(II)ボディの内径面に弁体の開放量を規制する環状突出部を形成し、その環状突出部を周方向に分断するスリットを形成し、そのスリットを絞りとする。
(III)弁孔の内径を1mm以下として、その弁孔を絞りとする。
(IV)ボディの内径と弁体の外径の径差を0.1mm以下とし、その弁体の球面とボディ内径面間に形成される隙間を絞りとする。
(V)ボディの内径面に開放状態とされた弁体との間で微小な間隙を形成する環状突出部を形成し、その環状突出部と開放状態の弁体との間に形成される間隙を絞りとする。
(VI)バルブ嵌合孔とリリーフバルブのボディにおける嵌め合い隙間を0.1mm以下とし、その嵌め合い隙間を絞りとする。この場合、ボディの下端部に通油孔を形成して、ボディ内部と嵌め合い隙間を連通させ、上記通油孔から嵌め合い隙間に作動油をリリーフさせるようにする。
上記のように、この発明においては、ベルトからロッドに押込み力が負荷されて圧力室内の圧力が上昇し、その圧力がリリーフバルブの設定圧力を超えると、リリーフバルブが開放して、圧力室の作動油は連通路からリザーバ室に流れ込むため、圧力室内に発生する油圧ダンパ力の上限値をリリーフバルブの設定値に抑えることができ、ベルトが過張力になって耐久性が低下するのを抑制することができる。
リリーフバルブの開放によって圧力室の作動油が連通路にリリーフされると、その作動油は絞りによって流量が制限されるため、リリーフバルブの作動油入口側と作動油出口側の圧力差は小さい値に保つことができる。このため、弁体のバタツキを抑制することができ、異音の発生を防止することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1に示すように、シリンダ1は下部が閉塞し、その閉塞端部にエンジンブロックに回転自在に連結される連結片2が設けられている。
シリンダ1の内底面には、スリーブ嵌合孔3が設けられ、そのスリーブ嵌合孔3内にスリーブ4の下端部が圧入されている。スリーブ4内にはロッド5の下部がスライド自在に挿入され、そのロッド5の挿入によって、スリーブ4内に圧力室6が設けられている。
ロッド5のシリンダ1の外部に位置する上端部にはばね座7が固定され、そのばね座7とシリンダ1の底面間に組込まれたリターンスプリング8は、シリンダ1とロッド5が相対的に伸張する方向に付勢している。
ばね座7の上端には図8に示すプーリアーム43に対して連結される連結片9が設けられている。また、ばね座7には、リターンスプリング8の上部を覆う内筒部10と、シリンダ1の上部外周を覆う外筒部11とが同軸上に設けられている。
シリンダ1の上側開口部内にはオイルシール等の弾性シール12が取付けられ、その弾性シール12の内周は内筒部10の外周面に弾性接触して、シリンダ1の上側開口を閉塞し、シリンダ1の内部に充填された作動油の外部への漏洩を防止している。
上記弾性シール12の取付けにより、シリンダ1とスリーブ4との間に密閉されたリザーバ室13が形成される。リザーバ室13と圧力室6は、スリーブ嵌合孔3とスリーブ4の嵌合面間に形成された通路14で連通し、その通路14の圧力室6側の端部に設けられたチェックバルブ15は、圧力室6内の圧力がリザーバ室13内の圧力より高くなると、通路14を閉鎖するようになっている。
ロッド5には、圧力室6とリザーバ室13とを連通する連通路16が形成されている。連通路16はロッド5の下端から軸方向に延びる軸方向通路16aと、その軸方向通路16aの上端に連通してロッド5の径方向に延びる径方向通路16bとからなり、上記軸方向通路16aの圧力室6側の下端部には大径のバルブ嵌合孔17が設けられ、そのバルブ嵌合孔17にリリーフバルブ20が組込まれている。
図2(I)に示すように、リリーフバルブ20は、一端が閉塞する筒状のボディ21と、そのボディ21の他端開口を閉じるバルブシート22と、そのバルブシート22に形成された弁孔23をボディ21の内部から開閉する球形の弁体24と、その弁体24を弁孔23に向けて付勢するバルブスプリング25とからなり、上記ボディ21のバルブシート22側の端部に半径方向に貫通する通油孔26を形成した構成とされている。
リリーフバルブ20は、ボディ21の閉塞端がバルブ嵌合孔17の閉塞端と対向する組込みとされ、上記バルブ嵌合孔17の開口端部内に圧入されたキャップ状の孔あきリテーナ27によって抜止めされている。28はリテーナ27の円板部に形成された孔を示し、その孔28は弁孔23より大径とされている。
また、ボディ21はバルブ嵌合孔17に対して少しの余裕をもつ嵌め合いとされ、上記ボディ21の外径面とバルブ嵌合孔17の内径面間に形成された嵌め合い隙間29はバルブ嵌合孔17の閉塞端に形成された放射状の溝30を介して連通路16に連通している。
図2(II)に示すように、リリーフバルブ20の弁体24は、バルブスプリング25が最も収縮することによって開放量が制限される。その開放制限状態において、弁体24とバルブシート22のシート面22a間に形成される隙間31は、作動油の流量を制限する絞りとされている。
実施の形態で示す油圧式オートテンショナは上記の構成からなり、図8に示す補機駆動用ベルト41の張力調整に際しては、シリンダ1の閉塞端に設けた連結片2をエンジンブロックに連結し、かつ、ばね座7の連結片9をプーリアーム43に連結して、そのプーリアーム43に調整力を付与する。
上記のようなベルト41の張力調整状態において、補機の負荷変動等によってベルト41の張力が変化し、上記ベルト41の張力が弱くなると、リターンスプリング8の押圧によりシリンダ1とロッド5が伸張する方向に相対移動してベルト41の弛みが吸収される。
ここで、シリンダ1とロッド5が伸張する方向に相対移動するとき、圧力室6内の圧力はリザーバ室13内の圧力より低くなるため、チェックバルブ15が通路14を開放する。このため、リザーバ室13内の作動油は通路14から圧力室6内にスムーズに流れ、シリンダ1とロッド5は伸張する方向にスムーズに相対移動してベルト41の弛みを直ちに吸収する。
一方、ベルト41の張力が強くなると、ベルト41から油圧式オートテンショナのシリンダ1とロッド5を収縮させる方向の押込み力が負荷される。このとき、圧力室6内の圧力はリザーバ室13内の圧力より高くなるため、チェックバルブ15は通路14を閉じる。
また、圧力室6内の作動油はスリーブ4の内径面とロッド5の外径面間に形成された微小すきま32に流れてリザーバ室13内に流入し、上記微小すきま32に流れる作動油の粘性抵抗によって圧力室6内に油圧ダンパ力が発生し、その油圧ダンパ力によって、油圧式オートテンショナに負荷される上記押込み力が緩衝されると共に、シリンダ1とロッド5は、押込み力とリターンスプリング8の弾性力とが釣り合う位置まで収縮する方向にゆっくりと相対移動する。
ここで、ベルト41の張力が強く、圧力室6内の圧力がリリーフバルブ20の設定圧力を超えると、図2(II)に示すように、弁体24がシート面22aから離反して弁孔23を開放し、圧力室6の作動油は弁孔23からボディ21の内部に流れ、通油孔26から嵌め合い隙間29に流入し、さらに、溝30から連通路16に流れてリザーバ室13に流れ込む。
このように、ロッド5に形成されたバルブ嵌合孔17に連通路16を開閉するリリーフバルブ20を組込むことによって、圧力変動する圧力室6内の圧力の上限値をリリーフバルブ20の設定圧に保持することができる。このため、ベルト41が過張力になるようなことはなく、ベルト41の耐久性の低下を抑制することができる。
ここで、弁体24の開放によって圧力室6の作動油が連通路16にリリーフされる時、その作動油は、図2(II)の矢印で示すように、弁体24とバルブシート22間に形成された隙間からなる絞り31に流れて連通路16からリザーバ室13に至り、上記絞り31によって流量が制限されるため、リリーフバルブ20の作動油出口側での圧力の急激な低下が抑制される。
このように、絞り31を設けることによって、リリーフバルブ20の作動油出口側での圧力の低下を抑制することができるため、リリーフバルブ20の作動油入口側と作動油出口側の圧力差を小さい値に保つことができる。その結果、弁体24にバタツキが生じるようなことはなく、バルブシート22のシート面22aに衝突して、異音を発生させるようなこともない。
図2(II)では、バルブスプリング25によって弁体24の開放量を制限し、その開放状態の弁体24とシート面22a間に形成された隙間31を絞りとしたが、上記絞りはこれに限定されるものではない。
図3乃至図7は、絞り31の他の例を示す。図3においては、ボディ21の内周に弁体24の開放量を制限する環状突出部33を形成し、その環状突出部33にボディ21の軸方向に延びて環状突出部33を周方向に分断するスリット34を形成し、そのスリット34を絞りとしている。この場合、ボディ21の閉塞端にボディ21内部と連通路16を連通する通油孔35を形成し、上記スリット34から上向きに流れる作動油をその通油孔35から連通路16に流動させるようにする。
図4においては、バルブシート22に形成された弁孔23を内径が1mm以下のオリフィスとし、そのオリフィスからなる弁孔23を絞りとしている。
図5においては、ボディ21の内径と弁体24の外径の径差を0.1mm以下とし、その弁体24の球面とボディ21内径面間に形成される隙間36を絞りと
している。
図4および図5に示す絞りの形成に際しては、図3に示す場合と同様に、ボディ21の閉塞端にボディ内部と連通路16を連通する通油孔35を形成する。
図6においては、バルブ嵌合孔17とリリーフバルブのボディ21における嵌め合い隙間29を0.1mm以下とし、その嵌め合い隙間29を絞りとしている。この場合、ボディ21の下端部に通油孔26を形成して、ボディ21内部と嵌め合い隙間29を連通させ、上記通油孔26から嵌め合い隙間29に作動油をリリーフさせるようにする。
図7においては、ボディ21の内径面に開放状態とされた弁体24との間で微小な間隙を形成する環状突出部38を形成し、その環状突出部38と開放状態の弁体24との間に形成される間隙39を絞りとしている。
図3乃至図7に示すいずれの絞りもリリーフバルブ20の作動油入口側と作動油出口側の圧力差を小さい値に保つことができるため、弁体24のバタツキを抑制することができ、異音の発生を防止することができる。また、絞り部品の組込みを不要とし、コストの低減と組立ての容易化を図ることができる。
この発明に係る油圧式オートテンショナの実施の形態を示す縦断正面図 (I)は、図1のリリーフバルブの組込み部を拡大して示す断面図、(II)は、(I)に示す弁体の開放状態を示す断面図 絞りの他の例を示す断面図 絞りのさらに他の例を示す断面図 絞りのさらに他の例を示す断面図 絞りのさらに他の例を示す断面図 絞りのさらに他の例を示す断面図 補機駆動用ベルトの張力調整装置を示す正面図
符号の説明
1 シリンダ
4 スリーブ
5 ロッド
6 圧力室
7 ばね座
8 リターンスプリング
13 リザーバ室
14 通路
15 チェックバルブ
16 連通路
17 バルブ嵌合孔
20 リリーフバルブ
21 ボディ
22 バルブシート
23 弁孔
24 弁体
25 バルブスプリング
26 通油孔
29 嵌め合い隙間(絞り)
31 隙間(絞り)
33 環状突出部
34 スリット(絞り)
35 通油孔
36 隙間(絞り)
38 環状突出部
39 間隙(絞り)

Claims (7)

  1. 閉塞端を下部に有し、内部に作動油が充填されたシリンダ内に、その内底面から立ち上がるスリーブを設け、そのスリーブ内にロッドの下端部を摺動自在に挿入してスリーブ内に圧力室を形成し、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの内底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記シリンダとスリーブ間に形成されたリザーバ室の上部開口を閉塞し、そのリザーバ室と前記圧力室を連通する通路に、圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなると通路を閉じるチェックバルブを設けた油圧式オートテンショナにおいて、
    前記ロッドに圧力室とリザーバ室を連通する連通路を形成し、その連通路の圧力室側の端部に大径のバルブ嵌合孔を設け、そのバルブ嵌合孔内に圧力室内の圧力が設定圧力を超えた際に開放して圧力室と連通路を連通するリリーフバルブを組込み、そのリリーフバルブが、閉塞端を有し、その閉塞端がバルブ嵌合孔の閉塞端と対向する組込みとされた筒状のボディと、そのボディの開口端に嵌合されたバルブシートと、そのバルブシートに形成された弁孔をボディ内部から開閉する球形の弁体と、その弁体を弁孔に向けて付勢するバルブスプリングとからなり、前記ボディに弁体の開放状態でボディ内部と連通路を連通する通油孔が形成された構成とされ、前記弁体の開放状態において、前記リリーフバルブの内部またはリリーフバルブとバルブ嵌合孔間にリリーフバルブの作動油流入側と作動油流出側の圧力差を緩和する絞りを設けたことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  2. 前記バルブスプリングの収縮によって開放量が制限される弁体の開放状態において、その弁体とバルブシート間に形成される隙間を絞りとした請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  3. 前記ボディの内径面に弁体の開放量を規制する環状突出部を形成し、その環状突出部を周方向に分断するスリットを形成し、そのスリットを絞りとした請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  4. 前記弁孔の内径を1mm以下として、その弁孔を絞りとした請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  5. 前記ボディの内径と弁体の外径の径差を0.1mm以下とし、その弁体の球面とボディ内径面間に形成される隙間を絞りとした請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  6. 前記ボディの内径面に開放状態とされた弁体との間で微小な間隙を形成する環状突出部を形成し、その環状突出部と開放状態の弁体との間に形成される間隙を絞りとした請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  7. 前記バルブ嵌合孔とリリーフバルブのボディにおける嵌め合い隙間を0.1mm以下とし、その嵌め合い隙間を絞りとし、前記ボディの下端部に前記通油孔を形成して、ボディ内部と前記嵌め合い隙間を連通させた請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
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