JP2009264194A - 燃料供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコールおよび液体炭化水素の混合燃料に水を混合してなる混合液を、液体炭化水素とアルコール−水混合液とに分離させる燃料供給システムにおいて、混合燃料に混合させる水の量を適切に制御する。
【解決手段】混合燃料に水を混合してなる混合液の目標生成量を示す混合液生成量データを生成する手段17と、混合燃料収容タンク2内の混合燃料における2種類の燃料のそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する混合燃料割合検出手段14と、混合液生成量データと混合燃料割合検出手段14の出力とに基づいて、目標生成量の混合液に含有させる水量を規定する操作量を決定し、その決定した操作量に応じて混合液生成手段7に水収容タンク8から供給する水の量を制御する手段42とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、オクタン価が異なる2種類の燃料を使用する内燃機関の燃料供給システムに関する。
近年、CO2排出削減などの環境対策を目的として、エタノールをガソリンに添加してなる混合燃料など、オクタン価が相違する2種類の燃料としてのアルコールと液体炭化水素とを混合してなる混合燃料を使用した運転を行うことが可能な内燃機関の開発が進められている。
そして、この種の内燃機関の燃料供給システムでは、上記混合燃料からそれを組成する2種類の燃料を分離し、その分離後の各種類の燃料を個別に内燃機関に供給するようにすることで、該内燃機関への2種類の燃料のそれぞれの供給量の相対割合を内燃機関の負荷などに応じて調整し得るようにしたものが本願出願人により提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1に見られる技術では、第1タンクに収容したアルコールおよび液体炭化水素の混合燃料と、第2タンクに収容した水とを第3タンクに供給して、該第3タンク内で、混合燃料と水とを混合・攪拌する。この場合、混合燃料中のアルコールが親水性を有する共に、液体炭化水素が水に不溶であることから、混合燃料と水との混合液中のアルコールと水とが混ざり合ってアルコール−水混合液を形成する。そして、アルコール−水混合液と液体炭化水素とがそれらの比重差によって上下に分離し、互いに接する状態で第3タンク内に収容される。
また、特許文献1に見られる技術では、混合燃料に混合させる水の量を、混合燃料中のアルコールに対して5〜30重量%の範囲の量に設定するようにしている。すなわち、水の量を混合燃料中のアルコールに対して5重量%よりも少なくすると、アルコールと液体炭化水素との分離が不十分になることから、水の量を5重量%以上の量にするようにしている。また、水の量を混合燃料中のアルコールに対して30重量%よりも多くすると、燃料系部材の腐食や劣化が生じたり、さらには、内燃機関での失火が生じる恐れがあることから、水の量を30重量%以下にするようにしている。
特開2007−138888号公報
しかしながら、特許文献1に見られる技術では、混合燃料に混合させる水量を制御するシステムが十分に構築されていない。このため、混合燃料中の液体炭化水素とアルコールとの含有割合のばらつきなどに起因して、混合燃料に混合させる水の量が、適切な量(目標とする量)に対して過不足を生じる恐れがあった。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、アルコールおよび液体炭化水素の混合燃料に水を混合してなる混合液を、液体炭化水素とアルコール−水混合液とに分離させるようにした燃料供給システムにおいて、混合燃料に混合させる水の量を適切に制御することができる燃料供給システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料供給システムは、かかる目的を達成するために、オクタン価が異なる2種類の燃料である液体炭化水素およびアルコールを混合してなる混合燃料を収容する混合燃料収容タンクと、該混合燃料に混合する水を収容する水収容タンクと、前記混合燃料収容タンク内の混合燃料に前記水収容タンク内の水を混合して攪拌してなる混合液を生成する混合液生成手段と、該混合液生成手段により生成された混合液中のアルコールおよび水が混合してなるアルコール−水混合液と液体炭化水素とをそれらの比重差によって上下に分離させ、その分離したアルコール−水混合液と液体炭化水素とを互いに接する状態で収容する分離燃料収容タンクとを備え、該分離燃料収容タンクから前記液体炭化水素とアルコール−水混合液とを内燃機関に供給する燃料供給システムにおいて、前記混合液生成手段による前記混合液の目標生成量を示す混合液生成量データを生成する混合液生成量データ生成手段と、前記混合燃料収容タンク内の混合燃料における前記2種類の燃料のそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する混合燃料割合検出手段と、少なくとも前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて、該混合液生成量データにより示される目標生成量の混合液に含有させる水量を規定する操作量である水量制御操作量を決定し、その決定した水量制御操作量に応じて前記混合液生成手段に前記水収容タンクから供給する水の量を制御する水量制御手段とを備えたことを特徴とする(第1発明)。
かかる第1発明によれば、前記水量制御手段は、少なくとも前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて、該混合液生成量データにより示される目標生成量の混合液に含有させる水量を規定する操作量である水量制御操作量を決定し、その水量制御操作量に応じて前記混合液生成手段に前記水収容タンクから供給する水の量を制御する。このため、前記混合液生成手段により生成しようとする混合液の含有させる水の量を、該混合液の量と、その混合液中の混合燃料における前記2種類の燃料(液体炭化水素およびアルコール)のそれぞれの含有割合とに整合した量に制御することができる。すなわち、混合液生成手段により生成しようとする混合液の量や、混合燃料における液体炭化水素とアルコールとの組成割合によらずに、該混合燃料と混合する水の量を、該混合燃料を組成する液体炭化水素とエタノールとを十分に分離させ、また、その分離の際に生成されるアルコール−水混合液中のアルコールの含有割合および水の含有割合が、内燃機関に供給する上で適切な割合にする上で、好適な量に制御することができる。
従って、第1発明によれば、混合燃料に混合させる水の量を適切に制御することができる。
この第1発明では、より好ましくは、前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液におけるアルコールの含有割合に応じた出力を発生するアルコール含有割合検出手段を備え、前記水量制御手段は、前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて、前記水量制御操作量の基本値を決定する手段と、前記アルコール含有割合検出手段の出力により示されるアルコールの含有割合と所定の目標割合との偏差を0に近づけるように、少なくとも該アルコール含有割合検出手段の出力に応じて前記基本値を補正することによって前記水量制御操作量を決定する手段とを備える(第2発明)。
あるいは、より好ましくは、前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液におけるアルコールの含有割合に応じた出力を発生するアルコール含有割合検出手段とを備え、前記水量制御手段は、前記アルコール含有割合検出手段の出力により示されるアルコールの含有割合が所定の目標割合よりも大きい場合には、前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて前記水量制御操作量を決定し、前記アルコール含有割合検出手段の出力により示されるアルコールの含有割合が前記所定の目標割合よりも小さい場合には、前記水収容タンクから前記混合液生成手段への水の供給を遮断するように前記水量制御操作量を決定する(第3発明)。
前記第2発明によれば、前記水量制御手段は、前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて決定した前記水量制御操作量の基本値を、前記アルコール含有割合検出手段の出力により示されるアルコールの含有割合と所定の目標割合との偏差を0に近づけるように補正することによって、前記水量制御操作量を決定する。このため、分離燃料収容タンク内に収容されるアルコール−水混合液におけるアルコールの含有割合が所定の目標割合もしくはその近傍の割合に安定に保たれるように、混合燃料に混合させる水の量を制御することができる。従って、該水の量を好適な量に制御することをより安定に行うことができる。
また、前記第3発明によれば、前記水量制御手段は、前記アルコール含有割合検出手段の出力により示されるアルコールの含有割合の所定の目標割合に対する大小関係に応じて、水収容タンクから混合液生成手段への水の供給とその遮断とを行うこととなる。そして、混合液生成手段への水の供給時における前記水量制御操作量は、前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて決定される。このため、第2発明と同様に、分離燃料収容タンク内に収容されるアルコール−水混合液におけるアルコールの含有割合が所定の目標割合もしくはその近傍の割合に安定に保たれるように、混合燃料に混合させる水の量を制御することができる。従って、該水の量を好適な量に制御することをより安定に行うことができる。
前記第1〜第3発明では、前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段を備え、前記水量制御手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記液体炭化水素の残量が第1所定値よりも小さく、且つ、前記アルコール−水混合液の残量が第2所定値よりも大きい場合に、前記水収容タンクから前記混合液生成手段への水の供給を遮断する手段を有することが好ましい(第4発明)。
あるいは、前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段を備え、前記水量制御手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記液体炭化水素の残量が第1所定値よりも小さく、且つ、前記アルコール−水混合液の残量が第2所定値よりも大きいという条件が成立する場合には、該条件が成立しない場合よりも、前記混合液生成手段に前記水収容タンクから供給する水の量を少なくするように前記水量操作制御量を決定することが好ましい(第5発明)。
かかる第4発明または第5発明によれば、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記液体炭化水素の残量が第1所定値よりも小さく、且つ、前記アルコール−水混合液の残量が第2所定値よりも大きいという条件が成立する場合、すなわち、分離収容タンク内の液体炭化水素の残量がアルコール−水混合液の残量に比して不足気味になった場合には、前記水収容タンクから前記混合液生成手段への水の供給を遮断されるか、または、該混合液生成手段に供給する水の量が、上記条件が成立する場合よりも減少される。
このため、アルコール−水混合液がさらに増加していくのが抑制されると共に、液体炭化水素またはこれを主成分とする燃料(アルコールを多少含む液体炭化水素)、すなわち、アルコールとオクタン価が異なる燃料が枯渇してしまうのが防止される。従って、オクタン価が互いに異なる2種類の燃料を内燃機関に供給することができなくなる事態を可能な限り回避することができる。
なお、第4発明における第1所定値および第2所定値は、それぞれ、第5発明における第1所定値、第2所定値と同じである必要はなく、互いに異なる値でもよい。その場合、第4発明と第5発明とを組み合わせてもよい。
また、前記第1発明では、前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段と、前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、該内燃機関の要求負荷および回転数を少なくとも含む該内燃機関の運転状態と前記混合燃料割合検出手段の出力と前記分離燃料残量検出手段の出力とに応じて変化させるように該内燃機関への前記アルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの供給量を制御する燃料供給制御手段とを備えることが好ましい(第6発明)。
この第6発明によれば、前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、該内燃機関の要求負荷および回転数を少なくとも含む該内燃機関の運転状態と前記混合燃料割合検出手段の出力と前記分離燃料残量検出手段の出力とに応じて変化させるので、分離燃料収容タンク内の液体炭化水素およびアルコール−水混合液のそれぞれの残量が不均衡なものとなるのを極力防止しつつ、前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、可能な限り、該内燃機関の運転状態に適した割合もしくはそれに近い割合に制御することが可能となる。
また、第1発明では、前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、該内燃機関の要求負荷および回転数を少なくとも含む該内燃機関の運転状態に応じて変化させるように該内燃機関への前記2種類の燃料のそれぞれの供給量を制御する燃料供給制御手段と、前記分離燃料収容タンク内の前記アルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段と、少なくとも該分離燃料残量検出手段の出力により示される前記液体炭化水素の残量が第3所定値よりも大きく、且つ、前記アルコール−水混合液の残量が第4所定値よりも小さい場合に、前記液体炭化水素を前記分離燃料収容タンクから前記混合燃料収容タンクに戻す燃料戻し手段とを備えるようにしてもよい(第7発明)。
この第7発明によれば、分離燃料残量検出手段の出力により示される前記液体炭化水素の残量が第3所定値よりも大きく、且つ、前記アルコール−水混合液の残量が第4所定値よりも小さい場合、すなわち、分離収容タンク内の液体炭化水素の残量がアルコール−水混合液の残量に比して過剰気味である場合には、分離収容タンク内の液体炭化水素が混合燃料収容タンクに戻される。このため、内燃機関の運転状態が、アルコールの供給量が液体炭化水素の供給量に比して比較的多くなるような運転状態であっても、前記混合液生成手段の作動に伴い分離燃料収容タンク内の液体炭化水素が増加するのが抑制されると共に、少なくとも内燃機関に供給された液体炭化水素およびアルコール−水混合液の総供給量に加えて、液体炭化水素の戻し分だけ余分に、前記混合液を生成して分離燃料収容タンク内に補充することが可能となる。すなわち、分離燃料収容タンク内の液体炭化水素の戻し分の一部をアルコール−水混合液に置換することができる。
この結果、第7発明によれば、分離収容タンク内の液体炭化水素の残量がアルコール−水混合液の残量に比して過剰なものとなるのを防止しつつ、前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、可能な限り、該内燃機関の運転状態に適した割合もしくはそれに近い割合に制御することが可能となる。
なお、前記第6発明または第7発明は、前記第2〜第5発明と組み合わせてもよい。さらに第6発明と第7発明とを組み合わせてもよい。
本発明の一実施形態を図1〜図12を参照して説明する。
図1は、本実施形態の内燃機関の燃料供給システムの全体構成を概略的に示す図である。同図を参照して、本実施形態の燃料供給システム1は、オクタン価が異なる2種類の燃料である液体炭化水素およびアルコールを混合してなる混合燃料を収容するメインタンク2と、その混合燃料に混合する水を収容した水タンク8と、該混合燃料と水との混合液のうちのアルコールおよび水の混合液であるアルコール−水混合液と液体炭化水素とを分離させた状態で収容する分離タンク3とを備え、該分離タンク3から、液体炭化水素とアルコール−水混合液とを各別に内燃機関4に供給する。メインタンク2、分離タンク3、水タンク8は、それぞれ、本発明における混合燃料収容タンク、分離燃料収容タンク、水収容タンクに相当する。
本実施形態では、上記混合燃料を組成する低オクタン価燃料としての液体炭化水素と高オクタン価燃料としてのアルコールとは、それぞれ、例えばガソリン、エタノールである。また、内燃機関4は、本実施形態では、図示を省略する複数の気筒(例えば4気筒)を有する火花点火方式の内燃機関であり、その各気筒毎に、液体炭化水素用(ガソリン用)の燃料噴射弁5とアルコール用(エタノール用)の燃料噴射弁6とを備える。図1では、1気筒分の燃料噴射弁5,6を代表的に図示している。これらの燃料噴射弁5,6は、本実施形態では、ポート噴射方式による燃料噴射を行う燃料噴射弁である。
なお、内燃機関4は、圧縮着火方式(自己着火方式)の内燃機関であってもよい。また、内燃機関4は、単気筒の内燃機関であってもよい。また、内燃機関4の各気筒に対する2種類の燃料の燃料噴射方式は、ポート噴射方式に限らず、いずれか一方の種類の燃料の燃料噴射方式が筒内噴射方式であってもよい。
メインタンク2には、該メインタンク2内の混合燃料に水を混合してなる混合液を攪拌・加圧して分離タンク3に供給するフィードポンプ7が付設されている。この場合、フィードポンプ7の吸入口が、メインタンク2内の混合燃料の液中に連通されていると共に、前記水タンク8に水供給路9を介して接続されている。また、フィードポンプ7の吐出口が、分離タンク3の下部に混合燃料供給路10を介して接続されている。そして、このフィードイポンプ7は、その吸入口からメインタンク2内の混合燃料と、水タンク8内の水とを吸入して混合すると共に、その混合液(混合燃料と水との混合液)を攪拌しつつ所定の圧力に加圧し、その攪拌・加圧した混合液を吐出口から混合燃料供給路10を介して分離タンク3に供給するようにしている。本実施形態では、上記フィードポンプ7により本発明における混合液生成手段が構成される。
なお、水供給路10には、流量制御弁11が介装され、この流量制御弁11の開度を制御することで、混合燃料に混合する水の量を調整することが可能となっている。以下、流量制御弁11を水量弁11という。
分離タンク3は、その内部空間の上部側にガソリンを収容すると共に、下部側にアルコール−水混合液であるエタノールと水との混合液(以下、エタノール水溶液という)を収容するタンクである。
ここで、本実施形態では、前記フィードポンプ7により分離タンク3に供給される混合液は、ガソリンとエタノールとの混合燃料に水を混合したものである。そして、この混合液のうちのエタノールはガソリンよりも親水性が高い。また、ガソリンの比重は、エタノールと水とが混合してなるエタノール水溶液の比重よりも小さい。このため、分離タンク3に供給される混合液のうち、その供給過程で混じり合うエタノールと水とから成るエタノール水溶液と、ガソリンとが、分離タンク3内で自然に分離し、該分離タンク3の内部空間の上部側と下部側とにそれぞれガソリン、エタノール水溶液が溜まることとなる。この場合、ガソリンとエタノール水溶液とは、エタノール水溶液の上端面を界面として互いに接した状態で分離タンク4内に収容される。これにより、分離タンク3内でのガソリンとエタノール水溶液との分離および収容がなされることとなる。そして、本実施形態では、分離タンク3の内部空間が、分離したガソリンおよびエタノール水溶液によって常時、満杯になると共に、これらの液体が所定の圧力に加圧されるように、前記混合燃料と水との混合液がフィードポンプ7によって分離タンク3に供給される。換言すれば、フィードポンプ7による分離タンク3への混合液の供給は、その単位時間当たりの供給量と分離タンク3内のガソリンおよびエタノール水溶液の全体の単位時間当たりの減少量とが一致するように行われる。
このようにガソリンとエタノール水溶液とを分離させて収容する分離タンク3の内部空間のうち、ガソリンが溜まる上部側の空間は、該分離タンク3の上部から導出されたガソリン供給路12を介して前記燃料噴射弁5に接続されている。これにより、分離タンク3内の加圧されたガソリンがガソリン供給路12を介して燃料噴射弁5に供給される。そして、該燃料噴射弁5を開弁することにより、該燃料噴射弁5から加圧されたガソリンが噴射され、内燃機関4の気筒に供給されるようになっている。
また、分離タンク3の内部空間のうち、エタノール水溶液が溜まる下部側の空間は、該分離タンク3の下部から導出されたエタノール供給路13を介して前記エタノール用の燃料噴射弁6に接続されている。これにより、分離タンク3内の加圧されたエタノール水溶液がエタノール供給路13を介して燃料噴射弁6に供給される。そして、該燃料噴射弁6を開弁することにより、該燃料噴射弁6から加圧されたエタノール水溶液が噴射され、内燃機関4の気筒に供給されるようになっている。
さらに、分離タンク3の内部空間のうち、ガソリンが溜まる上部側の空間は、前記ガソリン供給路12とは別に該分離タンク3の上部から導出されたガソリン戻し通路18を介して前記メインタンク2に接続されている。そして、このガソリン戻し通路18には、流量制御弁19が介装されている。この場合、流量制御弁19を開弁することで、分離タンク3の内部空間の上部の加圧されたガソリンが、ガソリン戻し通路18を介してメインタンク2に戻るようになっている。
本実施形態の燃料供給システム1は、上記した構成のほか、メインタンク2内の混合燃料におけるガソリンおよびエタノールのそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する割合センサ14と、分離タンク3内のエタノール水溶液とガソリンとの界面の高さに応じた出力を発生するフロートセンサ15と、エタノール用の燃料噴射弁6に供給されるエタノール水溶液中のエタノールの含有割合(エタノールの濃度)を検出するエタノール濃度センサ16と、前記燃料噴射弁5,6や内燃機関4の点火装置(図示しない)などの動作制御を行う制御ユニット17(以下、ECU17という)とを備える。なお、割合センサ14は、本発明における混合燃料割合検出手段に相当し、フロートセンサ15は、本発明における分離燃料残量検出手段に相当し、エタノール濃度センサ16は、本発明におけるアルコール含有割合検出手段に相当する。
割合センサ14は、メインタンク2内に配置されており、例えば、メインタンク2内の混合燃料中のエタノールの含有割合(濃度)を検出する濃度センサにより構成されている。この場合、該割合センサ8の出力により示される混合燃料中のエタノールの含有割合をEt_r[%]としたとき、ガソリンの含有割合は100−Et_r[%]となる。従って、該割合センサ8は、メインタンク2内の混合燃料におけるエタノールおよびガソリンのそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する。以降、割合センサ8の出力により示される混合燃料中のエタノールの含有割合Et_r[%]を混合燃料エタノール割合Et_r、ガソリンの含有割合を混合燃料ガソリン割合Ga_r(=100−Et_r[%])という。また、混合燃料エタノール含有割合Et_rと混合燃料ガソリン含有割合Ga_rとの組を総称的に混合燃料の混合割合ということがある。
なお、割合センサ8は、混合燃料中のガソリンの含有割合(濃度)を検出する濃度センサにより構成されていてもよい。
フロートセンサ15は、分離タンク3内に上下方向に延在して設けられたガイドロッド18に嵌合され、該ガイドロッド18に沿って上下方向に移動自在とされている。このフロートセンサ15は、ガソリンの比重よりも大きく、且つ、エタノール水溶液の比重よりも小さい比重を有する。このため、該フロートセンサ15は、ガソリンとエタノール水溶液との界面の位置で浮遊し、該界面の上下動に伴い上下動するようになっている。そして、該フロートセンサ15は、該ガイドロッド18に対する上下方向の相対的な位置に応じた出力を発生する。従って、該フロートセンサ15の出力は、分離タンク3内の界面の高さ(以降、界面高さH_FLという)に応じた出力となる。
ここで、本実施形態では、分離タンク3の内部空間は、前記したようにガソリンおよびエタノール水溶液によって常時、満杯とされるので、分離タンク3内のガソリンの残量とエタノール水溶液の残量との総和は、分離タンク3の内部空間の容積に等しく、一定値となる。また、分離タンク3の横断面積(上方から見た断面積)は、上下方向でほぼ一定とされている。このため、前記フロートセンサ15の出力は、分離タンク3内の界面高さH_FLに応じた出力となるだけでなく、分離タンク3におけるガソリンおよびエタノール水溶液のそれぞれの残量に応じた出力となる。本実施形態では、ガソリンの残量+エタノール水溶液の残量=分離タンク3の内部空間の容積(一定)であり、界面高さH_FLが高いほど、ガソリンの残量が少なくなると同時に、エタノール水溶液の残量(ひいてはエタノールの残量)が多くなる。
エタノール濃度センサ16は、本実施形態では、前記エタノール供給路16に付設され、該エタノール供給路16内を流通するエタノール水溶液中のエタノールの濃度に応じた出力を発生する。以降、エタノール濃度センサ16の出力が示すエタノールの濃度をエタノール水溶液濃度EW_rという。なお、エタノール濃度センサ16は、分離タンク3内の下部に配置するようにしてもよい。
ECU17は、図示しないCPU、RAM、ROMを含む電子回路ユニットであり、上記の各センサ14〜16の出力が入力されると共に、図示しない各種のセンサから、内燃機関4の回転数などの運転状態を示す検出データが入力される。そして、該ECU17は、これらの入力データや、あらかじめ記憶保持したマップデータなどを基に、所定の制御処理を実行することで、内燃機関4の各気筒毎の燃料噴射弁5,6や図示しない点火装置などの動作を制御する。
図2は、このECU17のより具体的な制御処理機能を示すブロック図である。図2に示すように、ECU17は、その主要な機能的手段として、燃料噴射制御部21と点火時期制御部22とを備える。
燃料噴射制御部21は、内燃機関4の各気筒の燃焼サイクル毎に、前記燃料噴射弁5によるガソリンの噴射量と前記燃料噴射弁6によるエタノール水溶液の噴射量とをそれぞれ規定する操作量(制御入力)としてのガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaおよびエタノール用燃料噴射時間Ti_Etを決定し、その決定した燃料噴射時間Ti_Ga,Ti_Etに応じて、それぞれ燃料噴射弁5,6の動作を制御するものである。この燃料噴射制御部21は、本発明における燃料供給制御手段に相当する。
また、点火時期制御部22は、内燃機関4の各気筒の燃焼サイクル毎に、内燃機関4の各気筒における点火時期IGを決定し、その決定した点火時期IGに応じて図示しない点火装置を制御するものである。
さらに、ECU17は、ガソリン戻し制御部41と、水量制御部42とを備える。ガソリン戻し制御部41は、前記ガソリン戻し通路18の流量制御弁19の動作を制御し、ひいては、分離タンク3からメインタンク2に戻すガソリンの流量(以下、ガソリン戻し流量という)を制御するものである。また、水量制御部42は、前記水供給路9の水量弁11の動作を制御し、ひいては、水タンク8からフィードポンプ7に供給する水量(単位時間当たりの水の流量)を制御するものである。本実施形態では、前記ガソリン戻し制御部41と、前記ガソリン戻し通路18および流量制御弁19とによって、本発明おける燃料戻し手段が実現されている。また、前記水量制御部42と水量弁11とによって、本発明における水量制御手段が実現されている。
以下に、前記燃料噴射制御部21、点火時期制御部22、ガソリン戻し制御部41および水量制御部42の制御処理の詳細を説明する。
燃料噴射制御部21は、本実施形態では、内燃機関4の各気筒にその燃焼サイクル毎に供給する燃料全体に対するエタノールの供給割合の要求値(以下、エタノール供給割合という)の通常的な候補値である第1エタノール供給割合Et_inj_r1と補助的な候補値である第2エタノール供給割合Et_inj_r2とをそれぞれ決定する第1供給割合決定部23および第2供給割合決定部24と、これらの第1エタノール供給割合Et_inj_r1および第2エタノール供給割合Et_inj_r2のうちの一方を、内燃機関4に対する実際のエタノール供給割合である実エタノール供給割合Et_inj_rとして選択する選択部25と、この実エタノール供給割合Et_inj_rに応じて前記燃料噴射弁6によるエタノールの要求噴射量Et_injを決定するエタノール要求噴射量決定部26とを備える。さらに、燃料噴射制御部21は、前記燃料噴射弁5によるガソリンの要求噴射量Ga_injを決定するガソリン要求噴射量決定部27と、エタノール要求噴射量Et_injを、エタノール水溶液要求噴射量EW_injに変換する演算部28と、ガソリン要求噴射量Ga_injおよびエタノール水溶液要求噴射量EW_injをそれぞれ前記ガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaおよびエタノール用燃料噴射時間Ti_Etに変換する流量・時間変換部29,30とを備える。
そして、燃料噴射制御部21は、まず、前記第1供給割合決定部23および第2供給割合決定部24の処理を実行する。
この場合、前記第1供給割合決定部23は、内燃機関4の運転状態と、前記メインタンク2内の混合燃料の前記混合割合に応じて、前記第1エタノール供給割合Et_inj_r1の基本値であるエタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定し、このエタノール基本供給割合Et_inj_rbを分離タンク3内の界面高さH_FLに応じて補正することで、第1エタノール供給供給割合Et_inj_r1を決定する。なお、内燃機関4に供給する燃料は、エタノールおよびガソリンの2種類の燃料であるので、内燃機関4の各気筒にその燃焼サイクル毎に供給する燃料全体に対するエタノールの供給割合とガソリンの供給割合とのいずれか一方の供給割合をX[%]とすれば、他方の供給割合は100−X[%]となる(一方の供給割合から他方の供給割合が一義的に定まる)。このため、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定すれば、結果的に、ガソリンの供給割合の基本値(以降、ガソリン基本供給割合Ga_inj_rbという)も規定されることとなる。
上記のように第1エタノール供給割合Et_inj_r1を決定する処理を行うために、第1供給割合決定部23には、内燃機関4の運転状態を表す指標として、該内燃機関4の回転数NE(内燃機関4の出力軸の回転速度)の検出値と、内燃機関4の各気筒の図示平均有効圧力(IMEP)の目標値である目標IMEPとが入力されると共に、前記割合センサ14の出力としての前記混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と、前記フロートセンサ15の出力としての前記界面高さH_FLの検出値とが入力される。なお、目標IMEPは、内燃機関4の要求負荷を表す指標としての意味を持つ。該目標IMEPは、例えば、内燃機関4を推進力発生源として搭載した車両のアクセルの操縦量(踏み込み量)や車速などに応じて設定される。
そして、該第1供給割合決定部23は、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定するエタノール基本供給割合決定部23aと、該エタノール基本供給割合Et_inj_rbを補正するための第1補正係数k_R1を決定するk_R1決定部23bと、この第1補正係数k_R1によりエタノール基本供給割合Et_inj_rbを補正する補正演算部23cとを備える。
この場合、エタノール基本供給割合決定部23aには、内燃機関1の回転数NEの検出値および目標IMEPが入力されると共に、前記割合センサ14の出力が示す前記混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)が入力される。そして、エタノール基本供給割合決定部23aは、これらの入力項目の値から、あらかじめ定められたマップ(NE、目標IMEP、およびEt_rとEt_inj_rbとの関係を規定するマップ)に基づいて、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定する。図3(a),(b),(c)は、そのマップを例示するグラフである。
本実施形態では、混合燃料エタノール割合Et_rを、“小”、“中”、“大”の3種類の大きさに分類し、その各種類の大きさの混合燃料エタノール割合Et_r毎に、回転数NEと目標IMEPとエタノール基本供給割合Et_inj_rbとの関係を規定するマップが用意されている。この場合、Et_r[%]があらかじめ定めた第1所定値Et_r(1)および第2所定値Et_r(2)(Et_r(2)>Et_r(1))に対して、Et_r<Et_r(1)である場合に、Et_rが“小”であるとし、Et_r(1)≦Et_r≦Et_r(2)である場合に、Et_rが“中”であるとし、Et_r>Et_r(2)である場合に、Et_rが“大”であるとする。
図3(a),(b),(c)に例示するマップは、それぞれ、混合燃料エタノール割合Et_rが“小”、“中”、“大”である場合に対応するマップである。各マップでは、基本的には、内燃機関1の回転数NEが低いほど、あるいは、目標IMEPが大きいほど(要求負荷が高いほど)、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが大きくなるように、NEおよび目標IMEPとEt_inj_rbとの関係が設定されている。
そして、混合燃料エタノール割合Et_rが“中”である場合に対応する図3(b)のマップでは、点火時期を所謂MBT(MBT:Minimum Advance for Best Torque)に設定しても、内燃機関4のノッキングの発生を好適に抑制することができるように、NEおよび目標IMEPとEt_inj_rbとの関係が設定されている。
また、混合燃料エタノール割合Et_rが“小”である場合に対応する図3(a)のマップでは、NEおよび目標IMEPを一定とした場合に、混合燃料エタノール割合Et_rが“中”である場合に比して、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが小さくなり(前記ガソリン基本供給割合Ga_inj_rbが大きくなり)、ひいては、内燃機関4の運転に伴うエタノールの消費が抑制され、且つ、ガソリンの消費が促進されるように、NEおよび目標IMEPとEt_inj_rbとの関係が設定されている。また、混合燃料エタノール割合Et_rが“大”である場合に対応する図3(c)のマップでは、NEおよび目標IMEPを一定とした場合に、混合燃料エタノール割合Et_rが“中”である場合に比して、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが大きくなり(前記ガソリン基本供給割合Ga_inj_rbが小さくなり)、内燃機関4の運転に伴うエタノールの消費が促進され、且つ、ガソリンの消費が抑制されるように、NEおよび目標IMEPとEt_inj_rbとの関係が設定されている。
従って、NEおよび目標IMEPを一定に維持した場合、混合燃料エタノール割合Et_rが大きいほど(混合燃料ガソリン割合Ga_rが小さいほど)、換言すれば、混合燃料ガソリン含有割合Ga_rに対する混合燃料エタノールの含有割合の比率(Et_r/Ga_r)が大きいほど、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが大きくなると共に前記ガソリン基本供給割合が小さくなるように、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが決定されることとなる。
なお、本実施形態では、図3(a),(b),(c)のマップは、基本的には、内燃機関4の目標IMEPが比較的低いものとなる低負荷域での運転状態を除く、内燃機関1の主要な運転状態において、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを混合燃料エタノール割合Ga_rよりも大きくするように設定されている。このため、分離タンク3内のガソリンの残量に対するエタノールの残量の比率が減少しやすくなっている。
補足すると、本実施形態では、混合燃料エタノール割合Et_rに対してエタノール基本供給割合Et_inj_rbを3段階に変化させるようにしたが、連続的に変化させるようにしてもよい。その場合には、例えば、混合燃料エタノール割合Et_rの大きさをより細かい刻み幅で分類して、その各Et_rの値毎に、図3に示したようなマップを用意しておき、回転数NEの検出値と、目標IMEPと、混合燃料エタノール割合Et_rとから、それらのマップと補間演算とによって、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定するようにすればよい。
また、エタノール基本供給割合Et_in_rbの代わりに、前記ガソリン基本供給割合Ga_inj_rbを決定するようにしてもよい。
また、エタノール基本供給割合決定部23aに対する入力項目のうち、混合燃料エタノール割合Et_rの代わりに、前記混合燃料ガソリン割合Ga_r(=100−Et_r[%])を使用したり、あるいは、それらの比の値(Ga_r/Et_rまたはEt_r/Ga_r)を使用してもよい。
また、エタノール基本供給割合決定部23aに対する入力項目のうち、内燃機関4の運転状態に関する項目については、内燃機関4の要求負荷を表す指標として、目標IMEPの代わりに、内燃機関4の要求トルク(出力トルクの要求値)や、吸気管内圧の検出値、吸気流量の検出値を使用してもよい。さらに、要求負荷を表す指標および回転数NEの他に、内燃機関4の機関温度(冷却水温)などを内燃機関4の運転状態を表す指標として、入力項目に付加するようにしてもよい。
前記k_R1決定部23bには、前記フロートセンサ15の出力が示す界面高さH_FL(検出値)が入力される。そして、該k_R1決定部23bは、その界面高さH_FLから、あらかじめ定められたデータテーブル(H_FLとk_R1との関係を表すデータテーブル)に基づいて、第1補正係数k_R1を決定する。この第1補正係数k_R1は、前記エタノール基本供給割合Et_inj_rbに乗じる補正係数であり、0≦k_R1≦1である。図4は、この第1補正係数k_R1を決定するためのデータテーブルを例示するグラフである。このデータテーブルは、界面高さH_FLに対応する分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の大きさの程度を、第1補正係数k_R1の値(0≦k_R1≦1)に対応付けるメンバーシップ関数を表す。
ここで、本実施形態では、分離タンク3内の界面高さH_FLの好適な所定範囲[H_FL(1),H_FL(2)]、すなわち、所定値H_FL(1)とH_FL(2)(>H_FL(1))とをそれぞれ下限値、上限値とする範囲があらかじめ定められている。この範囲は、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量のいずれもが、過不足を生じないような範囲であり、例えば、分離タンク3の内部空間の上下方向の中央付近の範囲に設定されている。そして、図4のデータテーブルでは、界面高さH_FLの検出値が、上記下限値H_FL(1)以上である場合に、k_R1は“1”に設定される。そして、界面高さH_FLの検出値が上記下限値H_FL(1)よりも小さい場合(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が不足気味である場合)に、k_R2が“1”よりも小さい値に設定される。この場合、H_FLの検出値が上記下限値H_FL(1)よりも小さい所定値H_FL(min)に近づいていくに伴い、k_R1が“0”に近づいていくようにk_R1が設定される。さらに、H_FLの検出値が所定値H_FL(min)以下になると、k_R1が“0”に設定される。
以降、界面高さH_FLが上記下限値H_FL(1)である場合における分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量をそれぞれQ_Et(1)、Q_Ga(1)とおき、界面高さH_FLが上記上限値H_FL(2)である場合における分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリン残量をそれぞれQ_Et(2)(>Q_Et(1))、Q_Ga(2)(<Q_Ga(1))とおく。この場合、Q_Et(1)、Q_Et(2)をそれぞれ下限値、上限値とする範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]は、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の好適な範囲を意味する。同様に、Q_Ga(2)、Q_Ga(1)をそれぞれ下限値、上限値とする範囲[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]は、分離タンク3内のガソリンの残量の好適な範囲を意味する。そして、図4のデータテーブルにより設定される第1補正係数k_R1は、エタノール水溶液の残量とガソリンの残量との対応関係で言えば、エタノール水溶液の残量が下限値Q_Et(1)以上で且つガソリンの残量が上限値Q_Ga(1)以下である場合に(エタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ上記の好適な範囲に存する場合を含む)、k_R1=1となるように設定されることとなる。また、エタノール水溶液の残量が下限値Q_Et(1)よりも小さいと共に、ガソリンの残量が上限値Q_Ga(1)よりも大きい場合に、k_R1<1となるように第1補正係数k_R1が設定されることとなる。
上記のように決定されたエタノール基本供給割合Et_inj_rbと第1補正係数k_R1とが前記補正演算部23cに入力される。そして、該補正演算部23cは、エタノール基本供給割合Et_inj_rbに第1補正係数k_R1を乗じることによって第1エタノール供給割合Et_inj_r1を決定する。この場合、0≦k_R1≦1であるので、第1エタノール供給割合Et_inj_r1は、エタノール基本供給割合Et_inj_rbと同じ値もしくはそれよりも小さい値に決定される。
以上説明した第1供給割合決定部23の処理によって、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記下限値H_FL(1)以上である場合には(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ好適な範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]に存する場合を含む)、k_R1=1となるので、エタノール基本供給割合Et_inj_rbがそのまま、第1エタノール供給割合Et_inj_r1として決定されることとなる。この場合には、第1エタノール供給割合Et_inj_r1は、内燃機関4の運転状態(NEおよび目標IMEP)と、前記混合燃料エタノール割合Et_R(前記メインタンク2内の混合燃料の混合割合)とに応じて決定されることとなる。そして、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記下限値H_FL(1)よりも小さい場合、換言すれば、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が下限値Q_Et(1)よりも小さいと共にガソリンの残量が上限値Q_Ga(1)よりも大きい場合には、k_R1<1となるので、第1エタノール供給割合Et_inj_r1は、内燃機関4の運転に伴う分離タンク3内のエタノールの消費を抑制しつつ、ガソリンの消費を促進するように、エタノール基本供給割合Et_inj_rbよりも小さい割合に決定されることとなる。
前記第2供給割合決定部24は、前記割合センサ14の出力が示す混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)を前記第2エタノール供給割合Et_inj_r2の基本値とし、この基本値Et_rを分離タンク3内の前記界面高さH_FLに応じて補正することで、第2エタノール供給割合Et_inj_r2を決定する。
この処理を行うために、第2供給割合決定部24には、前記混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)と、前記界面高さH_FLの検出値とが入力される。
そして、該第2供給割合決定部24は、第2エタノール供給割合Et_inj_r2の基本値としての混合燃料エタノール割合Et_rを補正するための第2補正係数k_R2を決定するk_R2決定部24aと、この第2補正係数k_R2により混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)を補正する補正演算部24bとを備える。
この場合、k_R2決定部24aには、前記界面高さH_FL(検出値)が入力される。そして、該k_R2決定部24aは、その界面高さH_FLの検出値から、あらかじめ定められたデータテーブル(H_FLとk_R2との関係を表すデータテーブル)に基づいて、第2補正係数k_R2を決定する。この第2補正係数k_R2は、前記混合燃料エタノール割合Et_rに乗じる補正係数であり、0≦k_R2≦1である。図5は、この第2補正係数k_R2を決定するためのデータテーブルを例示するグラフである。このデータテーブルは、前記図4のデータテーブルと同様に、界面高さH_FLの検出値により示される分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の大きさの程度を、第2補正係数k_R2の値に対応付けるメンバーシップ関数を表す。
図5のデータテーブルでは、界面高さH_FLの検出値が前記上限値H_FL(2)以下である場合にはk_R2が“0”に設定される。そして、界面高さH_FLの検出値が前記上限値H_FL(2)よりも大きい場合(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量がガソリンの残量に比して過剰気味である場合)に、k_R2が“0”よりも大きい値に設定される。この場合、H_FLの検出値が上記上限値H_FL(2)よりも大きい所定値H_FL(max)に近づいていくに伴い、k_R2が“1”に近づいていくようにk_R2が設定される。さらに、H_FLの検出値が所定値H_FL(max)以上になると、k_R2が“1”に設定される。
上記のように決定された第2補正係数k_R2と前記混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)とが前記補正演算部24bに入力される。そして、該補正演算部24bは、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値に第2補正係数k_R2を乗じることによって第2エタノール供給割合Et_inj_r2を決定する。この場合、0≦k_R2≦1であるので、第2エタノール供給割合Et_inj_r2は、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値を上限値として決定される。
以上説明した第2供給割合決定部24の処理によって、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)以下である場合には(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ好適な範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]に存する場合を含む)、第2補正係数k_R2=0となるので、第2エタノール供給割合Et_inj_r2は“0”とされる。そして、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)よりも大きい場合、換言すれば、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が前記上限値Q_Et(2)よりも大きいと共にガソリンの残量が前記下限値Q_Ga(2)よりも小さい場合には、k_R2>0となるので、第2エタノール供給割合Et_inj_r2は、内燃機関4の運転に伴う分離タンク3内のエタノールの消費を促進しつつ、ガソリンの消費を抑制するように、前記混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と同じ割合に近づけられることとなる。この場合、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が、界面高さH_FLの前記所定値H_FL(max)に対応する残量以上の残量になると共に、ガソリンの残量が、該所定値H_FL(max)に対応する残量以下の残量になると、第2エタノール供給割合Et_inj_r2は、前記混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と同じ割合に決定される。
補足すると、本実施形態では、第1補正係数k_R1および第2補正係数k_R2を決定するために、界面高さH_FLの検出値を用いたが、これの代わりに、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の検出値もしくはガソリン残量の検出値を使用したり、あるいは、それらの残量の比率を使用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、界面高さH_FLの検出値が上限値H_FL(2)とこれよりも大きい所定値H_FL(max)との間の値であるときに、第2補正係数k_R2を“0”から“1”まで連続的に変化させるようにしたが、H_FLの検出値が上限値H_FL(2)以上であるときに、k_R2を“1”に設定するようにしてもよい。
燃料噴射制御部21は、以上説明した前記第1供給割合決定部24および第2供給割合決定部25の処理を実行した後、前記選択部25の処理と、エタノール要求噴射量決定部26の処理とを順次実行する。
前記選択部25には、第1供給割合決定部24および第2供給割合決定部25の処理によりそれぞれ決定された第1エタノール供給割合Et_inj_r1と第2エタノール供給割合Et_inj_r2とが入力される。そして、該選択部25は、これらの第1エタノール供給割合Et_inj_r1と第2エタノール供給割合Et_inj_r2とのうちの大きい方を、前記実エタノール供給割合Et_inj_rとして選択する。すなわち、Et_inj_r=max(Et_inj_r1,Et_inj_r2)とする。
この場合、界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)以下である限り、常に、第2エタノール供給割合Et_inj_r2=0となるので、第1エタノール供給割合Et_inj_r1が実エタノール供給割合Et_inj_rとして決定される。
そして、界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)よりも大きい場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンが不足気味で、エタノール水溶液の残量がガソリンの残量に比して過剰である場合に、エタノールの消費を促進しつつ、ガソリンの消費を抑制するために、第1エタノール供給割合Et_inj_r1(=エタノール基本供給割合Et_inj_rb)と第2エタノール供給割合Et_inj_r2とのうちのより大きい方が、実エタノール供給割合Et_inj_rとして決定されることとなる。従って、実エタノール供給割合Et_inj_rは、エタノール基本供給割合Et_inj_rb以上の割合に決定される。特に、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が、界面高さH_FLの前記所定値H_FL(max)に対応する残量以上の残量になると共に、ガソリンの残量が、該所定値H_FL(max)に対応する残量以下の残量になると、実エタノール供給割合Et_inj_rは、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と同じ割合と、前記エタノール基本供給割合Et_inj_rbとのうちの大きい方の割合に決定されることとなる。すなわち、実エタノール供給割合Et_inj_rは、Et_r以上で、且つ、Et_inj_rb以上となるように決定される。そして、この場合、結果的には、実エタノール供給割合Et_inj_rに対応して内燃機関4に実際に供給するガソリンの供給割合としての実ガソリン供給割合(=100−Et_inj_r[%])は、前記混合燃料ガソリン割合Ga_r以下に決定されることとなる。従って、界面高さH_FLが前記所定値H_FL(max)以上である場合には、実エタノール供給割合Et_inj_rと、これに対応する実ガソリン供給割合とは、実ガソリン供給割合に対する実エタノール供給割合の比率が、混合燃料ガソリン割合に対する混合燃料エタノール割合の比率以上になるように決定されることとなる。
次いで、前記エタノール要求噴射量決定部26に、内燃機関4の回転数NEの検出値および目標IMEPが内燃機関4の運転状態を表す指標として入力されると共に、上記の如く選択部25で決定された実エタノール供給割合Et_inj_rが入力される。そして、該エタノール要求噴射量決定部26は、これらの入力値から、前記エタノールの要求噴射量Et_injを決定する。この処理は例えば、次のように実行される。
すなわち、エタノール要求噴射量決定部26は、まず、回転数NEの検出値および目標IMEPから、あらかじめ定められたマップ(図示省略)により、目標IMEPを実現するために内燃機関4に供給すべき燃料全体の総発熱量を要求総発熱量として求め、その要求総発熱量を発生するために必要なエタノールの量を、エタノール要求総量Inj_allとして求める。該エタノール要求総量Inj_allは、上記要求総発熱量を、エタノールの低位発熱量により除算することで算出される。
そして、エタノール要求噴射量決定部26は、上記のようにして求めたエタノール要求総量Inj_allに、前記実エタノール供給割合Et_inj_rを乗じることによって、前記エタノール要求噴射量Et_injを算出する。
燃料噴射制御部21は、次に、前記ガソリン要求噴射量決定部27の処理と、前記演算部28の処理とを実行する。この場合、前記エタノール要求噴射量決定部26で算出されたエタノール要求噴射量Et_injとエタノール要求総量Inj_allとが、前記ガソリン要求噴射量決定部27に入力される。
そして、ガソリン要求噴射量決定部27は、入力されたエタノール要求噴射量Et_injとエタノール要求総量Inj_allとから次式(1)により、ガソリン要求噴射量Ga_injを算出する。

Ga_inj=((Inj_all−Et_inj)×エタノールの低位発熱量)/ガソリンの低位発熱量
……(1)

この式(1)の分子は、エタノール要求総量Inj_allに相当する前記要求総発熱量から、エタノール要求噴射量Et_injに相当する発熱量を差し引いた残余の発熱量を意味する。従って、その残余の発熱量を発生するために必要なガソリンの量が、ガソリン要求噴射量Ga_injとして算出される。
また、エタノール要求噴射量決定部26で算出されたエタノール要求噴射量Et_injと、前記エタノール濃度センサ16によるエタノール水溶液濃度EW_rの検出値とが前記演算部28に入力される。そして、該演算部28は、エタノール要求噴射量Et_injをエタノール水溶液濃度EW_rにより除算することによって、エタノール水溶液要求噴射量EW_injを求める。
なお、前記ガソリン要求噴射量Ga_injは、次のようにして決定してもよい。すなわち、前記要求総発熱量を発生するために必要なガソリンの量としてのガソリン要求総量を求め(要求総発熱量をガソリンの低位発熱量で除算する)、そのガソリン要求総量に、前記実エタノール供給割合Et_inj_rに対応するガソリンの供給割合(=100−Et_inj_r[%])を乗じることによって、ガソリン要求噴射量Ga_injを決定する。この場合には、ガソリン要求噴射量Ga_injをエタノール要求噴射量Et_injよりも先に決定するようにしてもよい。
以上のようにして、ガソリン要求噴射量Ga_injとエタノール水溶液要求噴射量EW_injとを算出した後、燃料噴射制御部21は、前記流量・時間変換部29,30の処理を実行する。
この場合、ガソリン要求噴射量Ga_injが流量・時間変換部29に入力される。そして、該流量・時間変換部29は、入力されたガソリン要求噴射量Ga_injから、あらかじめ定められたデータテーブルまたは所定の演算式に基づいて、前記ガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaを求める。また、エタノール水溶液要求噴射量EW_injが流量・時間変換部30に入力される。そして、該流量・時間変換部30は、入力されたエタノール要求噴射量Et_injから、あらかじめ定められたデータテーブルまたは所定の演算式に基づいて、前記エタノール用燃料噴射時間Ti_Etを求める。
燃料噴射制御部21は、このようにして決定したガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaおよびエタノール用燃料噴射時間Ti_Etに応じて、それぞれ燃料噴射弁5,6の動作を制御する。すなわち、燃料噴射弁5の開弁時間をガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaに制御すると共に、燃料噴射弁6の開弁時間をエタノール用燃料噴射時間Ti_Etに制御する。なお、この場合、各燃料噴射弁5,6の開弁開始タイミングは、内燃機関4の回転数NEや目標IMEPなどの運転状態に応じて決定される。
かかる燃料噴射制御部21の制御処理によって、前記実エタノール供給割合Et_inj_rにより規定される供給割合で、エタノールおよびガソリンの燃料噴射が各燃料噴射弁5,6から行われることとなる。
次に、前記点火時期制御部22を説明する。図2を参照して、該点火時期制御部22は点火時期の基本値である基本点火時期IG_bを決定する基本点火時期決定部31と、該基本点火時期IG_bを遅角方向に補正するための遅角補正量ΔIGを決定する遅角補正量決定部32と、この遅角補正量ΔIGにより、基本点火時期IG_bを補正する補正演算部33とを備える。
そして、点火時期制御部22は、まず、基本点火時期決定部31の処理と遅角補正量決定部32の処理とを実行する。この場合、基本点火時期決定部31には、内燃機関4の運転状態を表す指標として、該内燃機関4の回転数NEの検出値と、前記目標IMEPとが入力されると共に、前記割合センサ14の出力としての前記混合燃料エタノール割合Et_rの検出値が入力される。そして、基本点火時期決定部31は、これらの入力項目の値から、あらかじめ定められたマップ(NE、目標IMEP、Et_rとIG_bとの関係を規定するマップ)に基づいて、基本点火時期IG_bを決定する。図6(a),(b)は、そのマップを例示するグラフである。
本実施形態では、混合燃料エタノール割合Et_rが前記“小”である場合と、前記“中”または“大”である場合とで各別に、回転数NEと目標IMEPと基本点火時期IG_bとの関係を規定するマップを用意した。図6(a)に例示するマップは、混合燃料エタノール割合Et_rが“小”である場合に対応するマップ、図6(b)に例示するマップは、混合燃料エタノール割合Et_rが、“中”または“大”である場合に対応するマップである。
この場合、図6(b)のマップは、任意のNEおよび目標IMEPの組に対して、基本点火時期IG_bがMBTとなるように設定されている。これは、混合燃料エタノール割合Et_rが、“中”または“大”である場合には、燃料噴射制御部21の制御処理で前記図3(b)または(c)に示したマップが使用され、分離タンク3内のエタノールの残量が前記下限値Q_Et(1)以上である限り、実エタノール供給割合Et_inj_rは、点火時期をMBTに設定しても内燃機関1のノッキングの発生を抑制し得る供給割合(≧第1エタノール供給割合Et_inj_r1)に決定されるためである。
そして、図6(a)のマップは、目標IMEPが所定値以上となる高負荷領域(内燃機関4の要求負荷が所定値以上となる高負荷領域)で、基本点火時期IG_bがMBTよりも遅角側の点火時期になるように設定されている。すなわち、混合燃料エタノール割合Et_rが、“小”である場合には、燃料噴射制御部21の制御処理で前記図3(a)に示したマップが使用されるため、分離タンク3内のエタノール(高オクタン価燃料)の残量が十分に有っても、混合燃料エタノール割合Et_rが“中”または“大”である場合よりも、実エタノール供給割合Et_inj_rが小さめの供給割合に設定される。このため、点火時期をMBTに設定すると、内燃機関4の運転状態が上記高負荷領域での運転状態である場合に、内燃機関1のノッキングが発生する恐れがある。そのために、図6(a)のマップを上記の如く設定している。
一方、遅角補正量決定部32には、前記k_R1決定部23bで決定された第1補正係数k_R1が入力される。そして、遅角補正量決定部32は、この第1補正係数k_R1から、次式(2)により、遅角補正量ΔIGを算出する。

ΔIG=Δb×(1−k_R1) ……(2)

ここで、式(2)の右辺のΔbは、実エタノール供給割合Et_inj_rを、前記エタノール基本供給割合Et_inj_rb以上の割合に決定したと仮定した場合に内燃機関1の効率が最大となる点火時期、すなわち、前記基本点火時期IG_bと、実エタノール供給割合Et_inj_rを“0”に決定したと仮定した場合(内燃機関4にエタノールの供給を行わなず、ガソリンだけを供給すると仮定した場合)に、ノッキングの発生を回避し得る点火時期(IG_bよりも遅角側の点火時期)との差分として設定される。なお、後者の点火時期は、回転数NEの検出値と目標IMEPとからマップなどに基づいて求められる。
従って、式(2)により算出される遅角補正量ΔIGは、第1補正係数k_R1が“1”である場合には、“0”に設定され、k_R1<1である場合には、遅角方向の補正量に設定される。
上記のように決定された基本点火時期IG_bと、遅角補正量ΔIGとが前記補正演算部33に入力される。そして、該補正演算部33は、基本点火時期IG_bから遅角補正量ΔIGを減算することにより、点火時期IGを決定する。
点火時期制御部22は、このようにして決定した点火時期IGに応じて、内燃機関4の各気筒毎に図示しない点火装置の放電タイミングを制御する。
次に、前記ガソリン戻し制御部41を説明する。図7は、該ガソリン戻し制御部41の処理機能を示すブロック図である。同図を参照して、該ガソリン戻し制御部41は、前記ガソリン戻し量の基本値を規定する流量制御弁19の操作量(制御入力)としてあらかじめ定められた基本操作量du0を補正する第3補正係数k_R3を決定するk_R3決定部41aと、分離タンク3からメインタンク2へのガソリンの戻しを許可するか否かをそれぞれ値“1”、“0”で示すリターン可否フラグFretの値を決定するリターン可否決定部41bと、第3補正係数k_R3およびリターン可否フラグFretに応じて上記基本操作量du0を補正することで流量制御弁19の実際の制御用の操作量Ret_dutyを決定する補正演算部41cとを備える。なお、本実施形態では、流量制御弁19の操作によるガソリン戻し流量の制御は、該流量制御弁19の駆動回路部にパルス信号を入力する所謂デューティ制御によってなされる。このため、流量制御弁19の操作量は、デューティ比である。以降、上記基本操作量du0および操作量Ret_dutyをそれぞれ、基本操作デューティdu0、実操作デューティRet_dutyという。
そして、ガソリン戻し制御部41は、まず、k_R3決定部41aとリターン可否決定部41bとの処理を実行する。この場合、k_R3決定部41aは、メインタンク2内の混合燃料の混合割合と分離タンク3内のエタノール水溶液およびガソリンの残量とに応じて前記第3補正係数k_R3を決定する。この処理を実行するために、k_R3決定部41aには、前記割合センサ14の出力が示す混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)と、前記フロートセンサ15の出力が示す界面高さH_FL(検出値)とが入力される。そして、k_R3決定部41aは、これらの入力項目の値から、あらかじめ定められたマップ(Et_rおよびH_FLとk_R3との関係を規定するマップ)に基づいて、第3補正係数k_R3を決定する。この第3補正係数k_R3は、前記基本操作量du0に乗じる補正係数であり、0≦k_R3≦1である。
本実施形態では、第3補正係数k_R3を決定するための上記マップは、例えば図8(a)に例示するグラフの如く設定されている。図8(a)のグラフで例示するマップでは、第3補正係数k_R3は、混合燃料エタノール割合Et_rを一定とした場合、界面高さH_FLに対して、次のように設定される。すなわち、界面高さH_FLの検出値が前記所定値H_FL(min)以下である場合には、k_R3は“1”に設定される。そして、界面高さH_FLの検出値がH_FL(min)より大きい場合には、k_R3は“1”よりも小さい値に設定される。この場合、H_FLの検出値が所定の目標値H_FL(3)に近づいていくに伴い(分離タンク3内のエタノールの残量が増加すると共にガソリンの残量が減少するに伴い)、k_R3が“0”に近づいていくようにk_R3が設定される。さらに、H_FLの検出値が目標値H_FL(3)以上になると、k_R3が“0”に設定される。また、第3補正係数k_R3は、界面高さH_FLの検出値が、H_FL(min)とH_FL(3)との間の値であるときには、混合燃料エタノール割合Et_rが大きいほど、k_R3が小さくなるように設定される。従って、界面高さH_FLの検出値が、H_FL(min)とH_FL(3)との間の値であるときには、第3補正係数k_R3は、界面高さH_FLの検出値が大きいほど(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が多くなると共にガソリンの残量が少なくなるほど)、あるいは、混合燃料エタノール割合Et_rが大きいほど(混合燃料ガソリン割合Ga_rが小さいほど)、小さくなるように(“0”に近づくように)設定される。
なお、この図8(a)のマップにおける上記目標値H_FL(3)は、ガソリンを分離タンク3からメインタンク2に戻すことによって、到達させようとする界面高さH_FLの目標値を意味し、前記所定値H_FL(max)よりも小さい値(例えば前記好適な範囲[H_FL(1),H_FL(2)]内の値)に設定される。そして、図8(a)のマップでは、この目標値H_FL(3)は、混合燃料エタノール割合Et_rによらずに(メインタンク2内の混合燃料の混合割合によらずに)一定の値とされている。ただし、該目標値H_FL(3)をメインタンク2内の混合燃料の混合割合に応じて変化させるようにしてもよい。その場合のマップを例示したものが、図8(b)に例示するグラフである。この図8(b)のグラフで例示するマップでは、目標値H_FL(3)が、混合燃料エタノール割合Et_rが大きいほど(混合燃料ガソリン割合Ga_rが小さいほど)、小さい値になっている。これ以外は、界面高さH_FLおよび混合燃料エタノール割合Et_rに対する第3補正係数k_R3の値の変化の形態は、図8(a)のマップの場合と同様である。
補足すると、界面高さH_FLが上記目標値H_FL(3)である場合の分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量をQ_Et(3)、Q_Ga(3)とおくと、Q_Et(3)、Q_Ga(3)はそれぞれ、ガソリンを分離タンク3からメインタンク2に戻す場合における分離タンク3内のエタノール水溶液の_残量の目標値、ガソリンの残量の目標値としての意味を持つ。そして、前記図8(a)または図8(b)のマップに従って決定される第3補正係数k_R3は、分離タンク3内のガソリンの残量が目標値Q_Ga(3)以上である場合(エタノール水溶液の残量がQ_Et(3)以下である場合)に“0”よりも大きい値に設定されることとなる。そして、この場合、分離タンク3内のガソリンの残量が、目標値Q_Ga(3)以上で、H_FL(min)に対応する値以下となる状態(エタノール水溶液の残量が、Q_Et(3)以下で、H_FL(min)に対応する値以上となる状態)では、第3補正係数k_R3は、分離タンク3内のガソリンの残量が多いほど(エタノール水溶液の残量が少ないほど)、あるいは、混合燃料エタノール割合Et_rが小さいほど(混合燃料ガソリン割合Ga_rが大きいほど)、大きくなるように(“1”に近づくように)設定されることとなる。
また、前記リターン可否決定部41bには、前記割合センサ14の出力が示す混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)が入力される。そして、リターン可否決定部41bは、この混合燃料エタノール割合Et_rの検出値を、あらかじめ定めた微小な所定値Et_r(x)(例えば3[%])と比較し、Et_rの検出値≦Et_r(x)である場合に、分離タンク3からメインタンク2へのガソリンの戻しを禁止するために(Et_rがさらに小さくなるのを防止するために)、前記リターン可否フラグFretの値を“0”に設定する。また、リータン可否決定部41bは、Et_rの検出値>Et_r(x)である場合には、分離タンク3からメインタンク2へのガソリンの戻しを許可するために、前記リターン可否フラグFretの値を“1”に設定する。なお、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値≦Et_r(x)である場合に、Fretの値を“0”に設定するということは、混合燃料ガソリン割合Ga_rの検出値≧100−Et_r(x)[%]である場合に、Fretの値を“0”に設定する(ガソリンの戻しを禁止する)ということと同等である。
上記のように決定された第3補正係数k_R3とリターン可否フラグFretとが前記補正演算部41cに入力される。そして、該補正演算部41cは、前記基本操作デューティdu0に、第3補正係数k_R3とリターン可否フラグFretとを乗じることによって、実操作デューティRet_dutyを決定する。この場合、実操作デューティRet_dutyは、基本操作デューティdu0と同じ値もしくはそれよりも小さい値に決定される。従って、基本操作デューティdu0は、ガソリン流量の最大量を規定する操作量である。この基本操作デューティdu0に対応するガソリン戻し流量は、分離タンク3内の圧力が所定値以下に低下することがないようにあらかじめ定められた流量である。
そして、ガソリン戻し制御部41は、上記のように補正演算部41cにより決定した実操作デューティRet_dutyに応じて前記流量制御弁19をデューティ制御する。このとき、実操作デューティRet_dutyにより規定されるガソリン戻し流量で、分離タンク3内のガソリンがガソリン戻し通路18を介してメインタンク2に戻される。
以上説明したガソリン戻し制御部41の処理によって、分離タンク3の界面高さH_FLの検出値が所定の目標値H_FL(3)以下である場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンの残量が、H_FL(3)以上に対応する目標値Q_Ga(3)以上であると共にエタノール水溶液の残量がH_FL(3)に対応する目標値Q_Et(3)以下である場合には、分離タンク3内のガソリンが、分離タンク3内のガソリンの残量およびエタノール水溶液の残量と、混合燃料におけるガソリンおよびエタノールの混合割合とに応じたガソリン戻し流量(ただし、基本操作デューティdu0に対応する所定流量以下の流量)で、メインタンク2内に戻されることとなる。また、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値が所定値Et_r(x)以下である場合(混合燃料ガソリン割合Ga_rが所定値(100−Et_r[%])以上である場合には、分離タンク3内のガソリンおよびエタノール水溶液の残量によらずに、分離タンク3内のガソリンをメインタンク2の戻すことが禁止される(ガソリン戻し流量が“0”に保持される)こととなる。
なお、分離タンク3内のガソリンの残量に関する上記目標値Q_Ga(3)と、エタノール水溶液の残量に関する上記目標値Q_Et(3)とは、それぞれ、前記第7発明における第3所定値、第4所定値に相当する。
次に、前記水量制御部42を説明する。図9は、該水量制御部42の処理機能を示すブロック図である。同図を参照して、水量制御部42は、前記フィードポンプ7に供給する水量(単位時間あたりの流量)の基本値である基本水量Qw_FFを決定する基本水量決定部42aと、この基本水量Qw_FFを補正するために第4補正係数k_Rwおよび第5補正係数k_FBwをそれぞれ決定するk_Rw決定部42bおよびk_FBw決定部42cと、第4補正係数k_Rwおよび第5補正係数k_FBwに応じて基本水量Qw_FFを補正することでフィードポンプ7に供給する目標水量Qw_cを決定する補正演算部42dと、その目標水量Qw_cを前記水量制御弁11の操作量(制御入力)としての目標開度Vopに変換する流量・開度変換部42eとを備える。本実施形態では、この目標開度Vopが、本発明における水量制御操作量に相当する。
そして、水量制御部42は、まず、基本水量決定部42a、k_Rw決定部42b、およびk_FBw決定部42cの処理を実行する。この場合、基本水量決定部42aは、メインタンク2内の混合燃料の混合割合と、フィードポンプ7により生成する混合液(混合燃料と水との混合液)の単位時間当たりの生成量の目標値としての混合液目標生成量Qfuとに応じて基本水量Qw_FFを決定する。該基本水量Qw_FFは、水量弁11のフィードフォワード操作量としてしての意味を持つ。この処理を実行するために、基本水量決定部42aには、前記割合センサ14の出力が示す混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)と、上記混合液目標生成量Qfuとが入力される。
ここで、上記混合液目標生成量Qfuは、本発明における混合液生成量データとしての意味を持つものである。そして、図示は省略するが、制御装置17は、上記混合液目標生成量Qfuを決定する機能も有している。この機能は、本発明における混合液生成量データ生成手段を実現する機能であり、混合液目標生成量Qfuを次のように決定する。すなわち、本実施形態では、前記したように、分離タンク3を、常時、ガソリンおよびエタノール水溶液により満杯にするようにフィードポンプ7により混合燃料および水の混合液を生成して該分離タンク3に供給する。このため、本実施形態では、該分離タンク3から単位時間当たりに流出するガソリンおよびエタノール水溶液のトータルの流量(分離タンク3内のガソリンおよびエタノール水溶液の全体の単位時間当たりの減少量)に上記混合液目標生成量Qfu(=分離タンク3への混合液の単位時間当たりの供給量)を一致させる。この場合、分離タンク3から単位時間当たりに流出するガソリンおよびエタノール水溶液のトータルの流量は、前記燃料噴射弁5からの単位時間当たりのガソリンの噴射量と、燃料噴射弁6からの単位時間当たりのエタノール水溶液の噴射量と、分離タンク3からメインタンク2への単位時間当たりのガソリンの戻し流量との総和である。そこで、本実施形態では、制御装置17は、前記燃料噴射制御部21で決定されるガソリン要求噴射量Ga_inj(あるいは前記ガソリン用燃料噴射時間Ti_Ga)を基に、燃料噴射弁5からの単位時間当たりのガソリンの噴射量を逐次算出すると共に、前記エタノール水溶液要求噴射量EW_inj(あるいは前記エタノール用燃料噴射時間Ti_Et)を基に、燃料噴射弁6からの単位時間当たりのエタノール水溶液の噴射量を逐次算出する。さらに、制御装置17は、前記ガソリン戻し制御部41で決定される実操作デューティRet_dutyを基に、単位時間当たりのガソリンの戻し流量を逐次算出する。そして、制御装置17は、これらのガソリンの噴射量、エタノール水溶液の噴射量、およびガソリンの戻し流量の総和を前記混合液目標生成量Qfuとして求め、これを基本水量決定部42aに入力する。
基本水量決定部42aは、上記のように入力される混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)と混合液目標生成量Qfuとから、あらかじめ定められたマップ(Et_rおよびQfuとQw_FFと関係を規定するマップ)に基づいて、基本水量Qw_FFを決定する。
本実施形態では、基本水量Qw_FFを決定するための上記マップは、例えば図10に例示するグラフで示す如く設定されている。このマップでは、基本水量Qw_FFは、混合液目標生成量Qfuが大きいほど、あるいは、混合燃料エタノール割合Et_rが大きいほど、大きくなるように設定される。該マップは、基本水量Qw_FFが、混合液目標生成量Qfuの混合液中のエタノールをガソリンから分離させるのに必要十分な(過不足のない)水量となり、ひいては分離タンク3内のエタノール水溶液濃度EW_rが概ね一定の濃度になるように、実験的に設定されたものである。
なお、本実施形態では、マップを使用して基本水量Qw_FFを決定するようにしたが、基本水量決定部42aに入力される混合液目標生成量Qfuおよび混合燃料エタノール割合Et_rから、図10のマップの関係を近似する演算式によって、基本水量Qw_FFを求めるようにしてもよい。
また、k_Rw決定部42bには、前記フロートセンサ15の出力が示す界面高さH_FL(検出値)が入力される。そして、k_Rw決定部42bは、入力されたH_FLの値から、あらかじめ定められたデータテーブル(H_FLとk_Rwとの関係を表すデータテーブル)に基づいて、第4補正係数k_Rwを決定する。この第4補正係数k_Rwは、前記基本水量Qw_FFrに乗じる補正係数であり、0≦k_Rw≦1である。図11は、この第4補正係数k_Rwを決定するためのデータテーブルを例示するグラフである。このデータテーブルは、界面高さH_FLの検出値により示される分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の大きさの程度を、第4補正係数k_Rwの値に対応付けるメンバーシップ関数を表す。
図11のデータテーブルでは、界面高さH_FLの検出値が前記所定値H_FL(max)よりも若干小さい所定値H_FL(4)以下である場合には、k_Rwが“1”に設定される。なお、所定値H_FL(4)は、例えば前記図4および図5に示した上限値H_FL(2)と同じでもよいが、若干異なっていてもよい。そして、界面高さH_FLの検出値が所定値H_FL(4)を超えると(分離タンク3内のガソリンの残量が不足すると)、k_Rwが“1”よりも小さい値に設定される。この場合、界面高さH_FLの検出値が所定値H_FL(max)に近づいていくに伴い、k_Rwが“0”に近づいていくようにk_Rwが設定される。さらに、H_FLの検出値が所定値H_FL(max)以上になると、k_Rwが“0”に設定される。
補足すると、界面高さH_FLが所定値H_FL(4)である場合における分離タンク3内のガソリンの残量およびエタノール水溶液の残量をそれぞれQ_Ga(4)、Q_Et(4)とおくと、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(4)以上で、且つ、エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(4)以下である場合に、k_Rwが“1”に設定されることとなる。そして、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(4)よりも小さく、且つ、エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(4)よりも大きい場合に、k_Rwが“1”よりも小さい値に設定されることとなる。さらに、界面高さH_FLが所定値H_FL(max)である場合における分離タンク3内のガソリンの残量およびエタノール水溶液の残量をそれぞれQ_Ga(min)、Q_Et(max)とおくと、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(min)以下で、且つ、エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(max)以上である場合に、k_Rwが“0”に設定されることとなる
なお、本実施形態では、第4補正係数k_RWを決定するために、界面高さH_FLの検出値を用いたが、これの代わりに、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の検出値もしくはガソリン残量の検出値を使用したり、あるいは、それらの残量の比率を使用するようにしてもよい。
前記k_FBw決定部42cには、前記エタノール濃度センサ16の出力が示すエタノール水溶液濃度EW_rが入力される。そして、k_FBw決定部42cは、入力されたEW_rの値から、あらかじめ定められたデータテーブル(EW_rとk_FBwとの関係を表すデータテーブル)に基づいて、第5補正係数k_FBwを決定する。この第5補正係数k_FBwは、前記基本水量Qw_FFrに乗じる補正係数であり、エタノール水溶液濃度EW_rを所定の目標濃度EW_r(1)(エタノール水溶液中のエタノールの含有割合の目標値)に一致させるためのフィードバック操作量としての機能を持つ。図12は、この第5補正係数k_FBwを決定するためのデータテーブルを例示するグラフである。このデータテーブルでは、エタノール水溶液濃度EW_rの検出値が所定の目標濃度EW_r(1)に一致している場合(EW_rの検出値とEW_r(1)との偏差が“0”である場合)に、k_FBwが“1”に設定される。そして、EW_rの検出値が目標濃度EW_r(1)よりも大きくなるに伴い、k_FBwが“1”よりも大きい値に設定される。また、EW_rの検出値が目標濃度EW_r(1)よりも小さくなるに伴い、k_FBwが“1”よりも小さい値に設定される。なお、目標濃度EW_r(1)は、混合燃料中のエタノールをガソリンから分離させるのに必要十分な(過不足のない)量の水を該混合燃料に混合させることによって生成されるエタノール水溶液のエタノール濃度の目標値として、あらかじめ設定された値である。
補足すると、本実施形態では、データテーブルを使用して、第5補正係数k_FBwを決定するようにしたが、エタノール水溶液濃度EW_rの検出値と目標濃度EW_r(1)との偏差(EW_r−EW_r(1))から、PID則などのフィードバック制御則により、第5係数k_FBwを決定するようにしてもよい。
上記のように決定された基本水量Qw_FFと、第4補正係数k_Rwと、第5補正係数k_FBwとが前記補正演算部42dに入力される。そして、該補正演算部42dは、基本水量Qw_FFに、第4補正係数k_Rwおよび第5補正係数k_FBwを乗じることによって、目標水量Qw_cを決定する。
さらに、この目標水量Qw_cが流量・開度変換部42eに入力される。そして、該流量・開度変換部42eは、入力された目標水量Qw_cから、あらかじめ定められたデータテーブルまたは所定の演算式に基づいて、前記水量弁11の目標開度Vopを決定する。なお、目標水量Qw_cが“0”である場合の目標開度Vopは“0”であり、これは、水量弁11を閉弁させることを意味する。
水量制御部42は、このようにして決定した目標開度Vopに応じて水量弁11を制御する。すなわち、該水量弁11の実際の開度を目標開度Vopに制御する。これにより、水タンク8からフィードポンプ7に供給される水量(単位時間当たりの水量)、換言すれば、前記混合液目標生成量Qfuの混合液中に含有させる水量が、目標水量Qw_cになるように水量弁11の開度が制御されることとなる。
以上説明した水量制御部42の処理によって、前記界面高さH_FLが所定値H_FL(4)以下である場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(4)以上で、且つエタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(4)以下であるという条件が成立し、分離タンク3内のガソリンの残量がさほど少なくない場合には、水タンク8からフィードポンプ7に供給される水量(該フィードポンプ7で混合燃料に混合させる水量)は、エタノール水溶液濃度EW_rの検出値が、目標濃度EW_r(1)に一致するように制御されることとなる。そして、前記界面高さH_FLが所定値H_FL(4)を超えた場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(4)よりも小さく(エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(4)よりも大きく)、分離タンク3内のガソリンの残量が不足気味になると(エタノール水溶液の残量が過剰気味になると)、前記第4補正係数k_Rwが“1”よりも小さい値に設定される。従って、この場合に水タンク8からフィードポンプ7に供給される水量は、界面高さH_FLが所定値H_FL(4)以下である場合よりも少ない水量に制御されることとなる。特に、前記界面高さH_FLが所定値H_FL(max)以上である場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(min)以下で、且つ、エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(max)以上になると、前記第4補正係数k_Rwが“0”に設定される。従って、この場合には、水量弁11の目標開度Vopが“0”となって、水量弁11が閉弁され、水タンク8からフィードポンプ7への水の供給が遮断されることとなる。
なお、本実施形態では、エタノール水溶液の残量に関する上記所定値Q_Et(4)と、ガソリンの残量に関する上記所定値Q_Ga(4)とがそれぞれ前記第5発明における第1所定値、第2所定値に相当する。また、エタノール水溶液の残量に関する上記所定値Q_Et(max)と、ガソリンの残量に関する上記所定値Q_Ga(min)とがそれぞれ前記第4発明における第1所定値、第2所定値に相当する。
以上が本実施形態における前記燃料噴射制御部21、点火時期制御部22、ガソリン戻し制御部41、および水量制御部42の制御処理の詳細である。
かかる本実施形態では、前記水量制御部42の制御処理によって、前記界面高さH_FLが所定値H_FL(4)よりも大きくなる場合を除いて、エタノール濃度センサ13の出力が示すエタノール水溶液濃度EW_rを目標濃度EW_r(1)に一致させるように、水タンク8からフィードポンプ7に供給される水量が制御される。その結果、混合燃料の混合割合に依存することなく、混合燃料中のエタノールをガソリンと十分に分離させる上で過不足のない適量の水をフィードポンプ7に供給することができる。ひいてはエタノールをガソリンから適切に分離することができる。
また、前記界面高さH_FLが所定値H_FL(4)よりも大きくなる場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(4)より小さく、且つ、エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(4)よりも大きくなって、ガソリンの残量がエタノール水溶液の残量に比して不足気味となった場合には、水タンク8からフィードポンプ7に供給される水量が通常の場合(前記界面高さH_FLが所定値H_FL(4)以下である場合)よりも、少ない水量(水量=0とする場合と含む)に制御される。
このため、分離タンク3に供給される混合液のうち、分離タンク3内でガソリンから分離して該分離タンクの下部に溜まるエタノール水溶液の量が通常の場合よりも少なくなると共に、ガソリンと混ざり合ったまま分離タンク3の上部に溜まるエタノールの量が通常の場合よりも多くなる。ひいては、分離タンク3の上部に貯留する、ガソリンを主成分とする燃料、すなわち、燃料噴射弁5により内燃機関4に供給する燃料が枯渇してしまうのを防止することができる。ひいては、エタノールよりもオクタン価が低い燃料を内燃機関に供給することができくなるような事態を回避することができる。
また、本実施形態では、前記したように内燃機関4の目標IMEPが比較的低いものとなる低負荷域での運転状態を除く、内燃機関1の主要な運転状態において、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが混合燃料エタノール割合Ga_rよりも大きな割合に設定されるので、分離タンク3内のガソリンの残量に対するエタノールの残量の比率が減少しやすい。しかるに、前記ガソリン戻し制御部41の制御処理によって、分離タンク3内のガソリンの残量が、前記目標値Q_Ga(3)以上になると、分離タンク3内のガソリンがメインタンク2内に戻される。そして、そのガソリンの戻し分は、前記フィードポンプ7から分離タンク3に供給される混合燃料と水との混合液によって補充されるので、該ガソリンの戻し分の一部が、エタノール水溶液によって置換されることとなる。
このため、内燃機関4へのエタノールおよびガソリンのそれぞれの供給割合を、前記燃料噴射制御部21で決定した実エタノール供給割合Et_injrと、これに対応するガソリンの供給割合(100−Et_injr[%])とに維持したまま、分離タンク3内のガソリンの残量が過剰になる(エタノール水溶液の残量が不足する)のを抑制することができる。従って、内燃機関4へのエタノールおよびガソリンの供給割合が、内燃機関4の運転状態に適した割合から乖離するような状況の発生を極力抑制しながら、分離タンク3内のガソリンの残量とエタノール水溶液の残量とが不均衡になるのを抑制することができる。
そして、ガソリンを分離タンク3からメインタンク2に戻す際には、流量制御弁19の操作量(実操作デューティRet_duty)、ひいては、ガソリン戻し流量が、分離タンク3内のガソリンおよびエタノール水溶液の残量と、メインタンク3内の混合燃料の混合割合とに応じて決定されるので、該残量および混合割合に適したガソリン戻し流量で、分離タンク3内のガソリンをメインタンク2に戻すことができる。
また、分離タンク3内のガソリンをメインタンク2に戻すことで、該メインタンク2内の混合燃料のエタノールの含有割合(混合燃料エタノール割合Et_r)が微小になると、分離タンク3内のガソリンをメインタンクの戻す動作が禁止される(ガソリン戻し流量が“0”に維持される)ので、無駄に流量制御弁19を動作させるのが防止され、エネルギー消費を低減することができる。
さらに、燃料噴射制御部21の制御処理が前記した如く実行されるので、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記下限値H_FL(1)と上限値H_FL(2)との間の範囲に存する状態、すなわち、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ好適な範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]に存する状態では、内燃機関4の運転状態と前記メインタンク2内の混合燃料の混合割合とに応じて前記した如く決定されるエタノール基本供給割合Et_inj_rbが、実エタノール供給割合Et_inj_rとして決定される。従って、実エタノール供給割合Et_inj_rと実ガソリン供給割合Ga_inj_rbとの比率が、混合燃料エタノール含有割合Et_rと混合燃料ガソリン割合Ga_rとの比率から大きく乖離した状態で、内燃機関4の運転が行われる頻度を少なくできる。そのため、分離タンク3内のエタノール水溶液およびガソリンのそれぞれの残量が、好適な範囲に維持されやすくなり、いずれか一方の燃料の過不足が生じるのを極力防止することができる。
さらに、このように、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ好適な範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]に存する状態では、前記混合燃料エタノール含有割合Et_rが“小”である場合における実エタノール供給割合Et_inj_r(=Et_inj_rb)は、該Et_rが“中”または“大”である場合における実エタノール供給割合Et_inj_r(=Et_inj_rb)よりも少なめの供給割合となるため、内燃機関4のノッキングが生じる恐れがある。しかるに、この状況では、点火時期制御部22の前記した制御処理によって、実際の点火時期IGが、前記図6(a)または(b)に示したマップに従って決定される前記基本点火時期IG_bに決定される。このため、内燃機関4の運転状態(回転数NEおよび目標IMEP)を一定に維持した場合、前記混合燃料エタノール含有割合Et_rが“小”である場合に決定される点火時期IGは、該Et_rが“中”または“大”である場合に決定される点火時期IGよりも遅角側の点火時期となる。これにより、混合燃料エタノール含有割合Et_rが“小”である場合に内燃機関4のノッキングが発生するのが防止される。
また、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記下限値H_FL(1)よりも小さくなり、分離タンク3内のエタノールの残量が不足気味になると共に、ガソリンの残量がエタノールの残量に対して過剰気味になると、実エタノール供給割合Et_inj_rは、エタノール基本供給割合Et_inj_rbよりも小さい割合(Et_inj_r×k_R1)に決定されると共に、実ガソリン供給割合Et_inj_rは、ガソリン基本供給割合Ga_int_rb(=100−Et_inj_r[%])に決定される。このため、内燃機関4の運転に伴う分離タンク3内のエタノール水溶液の消費を抑制しつつ、ガソリンの消費が促進され、ひいては、分離タンク3内のエタノールの残量がさらに減少したり、あるいは、ガソリンの残量がさらに多くなるのが防止される。その結果、内燃機関4のノッキングの発生の防止などのために、エタノールを内燃機関4に供給することが好ましい状況で、該エタノールの供給を行うことができなくなるような事態が発生するのを極力防止することができる。
さらに、このように分離タンク3内のエタノールの残量が不足気味になると共に、ガソリンの残量がエタノールの残量に対して過剰気味になった状態では、実エタノール供給割合Et_inj_rが、エタノール基本供給割合Et_inj_rbよりも小さい割合に決定されることから、混合燃料エタノール含有割合Et_rが“小”、“中”、“大”のいずれの場合でも、内燃機関4のノッキングが発生する恐れがある。しかるに、この状況では、前記第1補正係数k_R1“1”よりも小さい値に設定されることから、実際の点火時期IGが、前記式(2)によって、基本点火時期IG_bよりも遅角側の点火時期に決定される。これにより、内燃機関4のノッキングの発生を防止することができる。
また、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)よりも大きくなり、分離タンク3内のガソリンが不足気味になると共に、エタノール水溶液の残量がガソリンの残量に比して過剰気味になると、実エタノール供給割合Et_inj_rは、エタノール基本供給割合Et_inj_rb以上の割合に決定される。特に、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が、界面高さH_FLの前記所定値H_FL(max)に対応する残量以上の残量になると共に、ガソリンの残量が、該所定値H_FL(max)に対応する残量以下の残量になると、実エタノール供給割合Et_inj_rは、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と同じ割合と、前記エタノール基本供給割合Et_inj_rbとのうちの大きい方の割合に決定される。このため、フィードポンプ7から供給されるエタノール、水、およびガソリンの混合液によって、速やかに分離タンク3内のエタノール水溶液の残量を減少させつつ、ガソリンの残量を増加させることができる。ひいては、内燃機関4の低負荷運転時など、ガソリンを内燃機関4に供給することが好ましい状況で、該ガソリンの供給を行うことができなくなるような事態が発生するのを極力防止することができる。
以上のようにして、本実施形態によれば、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量とガソリンの残量とが不均衡になるのを防止しつつ、内燃機関4をノッキングの発生を防止し得る運転状態で効率よく運転させることができる。
次に、本発明の第2実施形態を図13〜図15を参照して説明する。本実施形態は、エタノール濃度センサの出力特性と、水量制御部の処理機能とだけが、前記第1実施形態と相違するものである。従って、本実施形態の説明では、第1実施形態と同一構成もしくは同一機能部分については、第1実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
前記第1実施形態におけるエタノール濃度センサ13は、その出力が、分離タンク3内のエタノール水溶液のエタノール濃度(エタノール水溶液濃度EW_r)に応じて連続的に変化するセンサである。これに対して、本実施形態のエタノール濃度センサ13は、エタノール水溶液濃度EW_rが所定の目標濃度以上であるか否かに応じた2値的な出力(ON・OFF出力)を発生するセンサである。なお、該目標濃度は、混合燃料中のエタノールをガソリンから分離させるのに必要十分な(過不足のない)量の水を該混合燃料に混合させることによって生成されるエタノール水溶液のエタノール濃度であり、前記第1実施形態における目標濃度EW_r(1)と同じでよい。
そして、本実施形態における水量制御部42は、次のように構成されている。図13は、本実施形態における水量制御部42処理機能を示すブロック図である。本実施形態における水量制御部42、基本的には、前記エタノール濃度センサ13の出力に応じて前記水量弁11の開弁・閉弁を間欠的に行わせることで、フィードポンプ7に供給する水量(混合燃料に混合させる水量)を制御し、エタノール水溶液濃度EW_rが前記所定の目標濃度EW_r(1)を中心にして周期的に変動するようにする。この処理を行うために、水量制御部42は、水量弁11の開弁時の目標水量Qw_ffc(単位時間当たりの水量の目標値)を決定する水量決定部42fと、この目標水量Qw_ffcを水量弁11の第1目標開度Vop(1)に変換する流量・開度変換部42gと、水量弁11の実際の制御用の目標開度Vopを、第1目標開度Vop(1)と“0”とに選択的に切り換えて決定する開度切替部42hとを備える。なお、目標開度Vopを“0”に決定するということは、水量弁11を閉弁して、水タンク8からフィードポンプ7への水の供給を遮断するということを意味する。
水量制御部42は、まず、水量決定部42fの処理を実行する。この水量決定部42fには、目標水量Qw_ffcを決定するために、前記割合センサ14の出力が示す混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)と、前記混合液供給流量Qfuとが入力される。そして、水量決定部42fは、入力されたEt_rとQfuとから、例えば次式(3)により、目標水量Qw_ffcを決定する。

Qw_ffc=Qfu×Et_r×kx ……(3)

ここで、式(3)の係数kxは、あらかじめ定められた正の所定値であり、この式(3)により算出される目標水量Qw_ffcが、混合燃料中のエタノールをガソリンから分離させるのに必要十分な(過不足のない)水量より若干大きな水量になるように設定されている。換言すれば、分離タンク3内に生成されるエタノール水溶液のエタノール濃度を前記目標濃度EW_r(1)よりも若干小さくするように、係数kxの値が設定されている。
なお、目標水量Qw_ffcは、Et_rとQfuとからマップにより決定するようにしてもよい。
水量決定部42fにより上記の如く決定された目標水量Qw_ffcが流量・開度変換部42gに入力される。そして、該流量・開度変換部42gは、入力された目標水量Qw_ffcから、あらかじめ定められたデータテーブルまたは所定の演算式に基づいて、前記水量弁11の開弁時の目標開度Vop(1)(以下、開弁時目標開度Vop(1)という)を決定する。
この開弁時目標開度Vop(1)と、前記フロートセンサ15の出力が示す界面高さH_FL(検出値)と、前記エタノール濃度センサ13の出力とが前記開度切替部42hに入力される。そして、該開度切替部42hは、これらの入力項目の値を基に、図14のフローチャートに示す処理を実行することによって、水量弁11の実際の制御用の目標開度Vopを決定する。
すなわち、開度切替部42hは、まず、界面高さH_FLの検出値が所定値HF_L(5)以下であるか否かを判断する(STEP1)。ここで、該所定値H_FL(5)は、分離タンク3内のガソリンの残量が不足気味であるか否か(エタノール水溶液の残量がガソリンの残量に比して過剰気味であるか否か)を判断するための閾値であり、例えば前記第1実施形態の図11に示した所定値H_FL(4)もしくは所定値H_FL(max)と同じ値か、または、これらの中間の値に設定されている。以降の説明では、所定値H_FL(5)に対応するガソリンの残量、エタノール水溶液の残量をそれぞれ所定値Q_Ga(5)、Q_Et(5)とおく。
開度切替部42hは、上記STEP1の判断結果が否定的である場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(5)よりも小さく、且つ、エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(5)よりも大きく、ガソリンの残量が不足気味である場合には、目標開度Vopを“0”とする(STEP5)。
なお、本実施形態では、エタノール水溶液の残量に関する所定値Q_Et(5)と、ガソリンの残量に関する所定値Q_Ga(5)とがそれぞれ、前記第4発明における第1所定値、第2所定値に相当する。
また、STEP1の判断結果が肯定的である場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(5)以上で、且つ、エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(5)以下であり、分離タンク3内のガソリンの残量がさほど不足していない場合には、開度切替部42hは、エタノール濃度センサ13の出力がOFFであるか否かを判断する(STEP2)。ここで、本実施形態におけるエタノール濃度センサ13は、分離タンク3内のエタノール水溶液濃度EW_rが前記目標濃度EW_r(1)以上である場合に、その出力がOFFとなり、エタノール水溶液濃度EW_rが目標濃度EW_r(1)よりも小さい場合に、その出力がONとなるセンサである。
このSTEP2の判断結果が否定的である場合(EW_r<EW_r(1)である場合)には、開度切替部42hは、さらに該STEP2の判断結果が否定的となる状態が、所定時間以上、継続したか否かを判断する(STEP3)。そして、STEP3の判断結果が肯定的である場合には、開度切替部42hは、前記STEP5の処理を実行し、水量弁11の目標開度Vopを“0”にする。また、STEP3の判断結果が否定的である場合には、開度切替部42hは、前記開弁時目標開度Vop(1)を水量弁11の目標開度Vopとして設定する(STEP6)。
また、前記STEP2の判断結果が肯定的である場合(EW_r≧EW_r(1)である場合)には、開度切替部42hは、STEP3と同様に、さらに該STEP2の判断結果が否定的となる状態が、所定時間以上、継続したか否かを判断する(STEP4)。そして、STEP4の判断結果が肯定的である場合には、開度切替部42hは、前記STEP6の処理を実行し、前記開弁時目標開度Vop(1)を水量弁11の目標開度Vopとして設定する。また、STEP4の判断結果が否定的である場合には、開度切替部42hは、前記STEP5の処理を実行し、水量弁11の目標開度Vopを“0”にする。
以上が開度切替部42hの処理である。本実施形態の水量制御部42は、このようにして開度切替部42hで最終的に決定した目標開度Vopに水量弁11の実際の開度を逐次制御する。
かかる水量制御部42の処理によって、分離タンク3内のガソリンの残量が不足気味である場合(STEP1の判断結果が否定的となる場合)を除いて、前記エタノール濃度センサ13の出力がONとなる状態が所定時間以上、継続した場合(エタノール水溶液濃度EW_rが前記目標濃度EW_r(1)よりも小さい状態が所定時間以上、継続した場合)には、水量弁11の目標開度Vopが“0”に設定される。ひいては、水量弁11が閉弁され、フィードポンプ7への水の供給が遮断される。その結果、エタノール水溶液濃度EW_rが増加していく。また、前記エタノール濃度センサ13の出力がOFFとなる状態が所定時間以上、継続した場合(エタノール水溶液濃度EW_rが前記目標濃度EW_r(1)以上となる状態が所定時間以上、継続した場合)には、水量弁11の目標開度Vopが前記開弁時目標開度Vop(1)に設定される。ひいては、水量弁11が開弁され、フィードポンプ7に前記目標水量Qw_ffcの水が供給されることとなる。その結果、エタノール水溶液濃度EW_rが減少していく。
図15は、かかる水量制御部42の処理によるエタノール水溶液濃度EW_rの経時変化とエタノール濃度センサ13の出力の経時変化とをそれぞれ上段、下段に例示するグラフである。図示のように、エタノール水溶液濃度EW_rは、目標濃度EW_r(1)に近い値に保たれながら(概ね一定の値に保たれながら)、該目標濃度EW_r(1)の上下に周期的に増減するように変化する。そして、この変化と同期して、エタノール濃度センサ13の出力が周期的にON・OFFする。
この場合、本実施形態では、エタノール水溶液濃度EW_rが目標濃度EW_r(1)よりも小さい濃度から該目標濃度EW_r(1)よりも大きい濃度に変化した場合には、その変化後、EW_r≧EW_r(1)となる状態が所定時間以上、継続した場合に、水量弁11が閉弁状態から開弁される。また、エタノール水溶液濃度EW_rが目標濃度EW_r(1)よりも大きい濃度から該目標濃度EW_r(1)よりも小さい濃度に変化した場合には、その変化後、EW_r<EW_r(1)となる状態が所定時間以上、継続した場合に、水量弁11が開弁状態から閉弁される。このため、エタノール濃度センサ13の検出誤差などに起因して水量弁11の開閉状態が頻繁に切り替わるようなハンチング現象が発生するのが防止される。
補足すると、前記式(3)の係数kxは、エタノール水溶液濃度EW_rの経時変化の周期や振幅を調整するための係数としての機能を有し、その周期や振幅が適切なものとなるように該係数kxの値が設定されている。
かかる本実施形態では、前記水量制御部42の制御処理によって、前記界面高さH_FLが所定値H_FL(5)よりも大きくなる場合を除いて、エタノール濃度センサ13が検出するエタノール水溶液濃度EW_rが概ね目標濃度EW_r(1)の近傍の濃度に保たれるように、水タンク8からフィードポンプ7への水の供給とその遮断とが交互に行われる。その結果、第1実施形態と同様に、混合燃料の混合割合に依存することなく、混合燃料中のエタノールをガソリンと十分に分離させる上で過不足のない適量の水をフィードポンプ7に供給することができる。ひいてはエタノールをガソリンから適切に分離することができる。
また、前記界面高さH_FLが所定値H_FL(5)よりも大きくなる場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンの残量が所定値Q_Ga(5)より小さく、且つ、エタノール水溶液の残量が所定値Q_Et(5)よりも大きくなって、ガソリンの残量がエタノール水溶液の残量に比して不足気味となった場合には、水タンク8からフィードポンプ7への水の供給が遮断される。
このため、第1実施形態と同様に、分離タンク3の上部に貯留する、ガソリンを主成分とする燃料、すなわち、燃料噴射弁5により内燃機関4に供給する燃料が枯渇してしまうのを防止することができる。ひいては、エタノールよりもオクタン価が低い燃料を内燃機関に供給することができくなるような事態を回避することができる。
なお、本実施形態では、前記界面高さH_FLの検出値が所定値H_FL(5)よりも大きくなった場合に、水量弁11を閉弁して、フィードポンプ7への水の供給を遮断するようにしたが、水量弁11の開弁時にフィードポンプ7に供給する水量を少なくするようにしてもよい。例えば、図14のSTEP1の判断処理を省略すると共に、STEP6で水量弁11の目標開度Vopとして設定する値を、前記開弁時目標開度Vop(1)に、前記第1実施形態で説明した第4補正係数k_Rを乗じてなる値にするようにしてもよい。
また、本実施形態では、エタノール濃度センサ13は、分離タンク3内のエタノール水溶液濃度EW_rが前記目標濃度EW_r(1)以上である場合にその出力がOFFとなり、該目標濃度EW_r(1)よりも小さい場合にその出力がONになるセンサを使用したが、その出力のON・OFFがエタノール水溶液濃度EW_rに対して本実施形態と逆になる特性のセンサを使用してもよい。
さらに、エタノール濃度センサ13として、第1実施形態と同様に、エタノール水溶液濃度EW_rに応じて連続的に出力が変化するようなセンサを使用し、その出力が示すエタノール水溶液濃度EW_rの検出値が、目標濃度EW_r(1)以上であるか否かに応じて、図14のSTEP3〜6の処理を実行するようにしてもよい。そして、この場合においては、水量弁10の開閉を切り替えタイミングを規定するエタノール水溶液濃度EW_rの閾値を目標濃度EW_r(1)の近傍で2種類用意することによって、水量弁11の開閉状態が頻繁に切り替わるようなハンチング現象の発生を防止することもできる。より具体的には、例えば、目標濃度EW_r(1)よりも若干大きい第1閾値と、目標濃度EW_r(1)よりも若干小さい第2閾値とをあらかじめ定めておく。そして、エタノール水溶液濃度EW_rの検出値が第1閾値よりも小さい値から大きい値に変化したときに、水量弁11を閉弁状態から開弁し、エタノール水溶液濃度EW_rの検出値が第2閾値よりも大きい値から小さい値に変化したときに、水量弁11を開弁状態から閉弁する。
また、以上説明した第1および第2実施形態では、前記混合液供給流量Qfuの代わりに、フィードポンプ7の目標吐出量や目標出力を混合液生成量データとして使用するようにしてもよい。また、例えば前記ガソリン供給路12、エタノール供給路13、ガソリン戻し通路18のそれぞれに流量センサを介装し、それらの流量センサによる流量検出値の総和を混合液生成量データとして使用してもよい。
また、前記各実施形態において、例えば分離タンク3にメインタンク2内の混合燃料と水タンク8内の水とを各別のポンプにより供給して、それらの混合燃料および水を分離タンク3内で混合・攪拌するようにしてもよい。その場合、水の供給用のポンプの目標吐出量などを本発明における水量制御操作量として使用することができる。
また、混合燃料を組成する2種類の燃料(アルコールおよび液体炭化水素)は、エタノールとガソリンとの組み合わせに限られるものではない。例えば、混合燃料中の液体炭化水素は、ガソリンの代わりに、例えば軽油もしくはオレイン酸メチルなどであってもよい。また、混合燃料中のアルコールはエタノールの代わりに、例えばメタノールであってもよい。
本発明の第1実施形態および第2実施形態の燃料供給システムの全体構成を概略的に示す図。 図1の燃料供給システムに備えた制御ユニット(ECU)の制御処理機能を示すブロック図。 図3(a),(b),(c)は、図2に示すエタノール基本供給割合決定部23aの処理で用いるマップを例示するグラフ。 図2に示すk_R1決定部23bの処理で使用するデータテーブルを例示するグラフ。 図2に示すk_R2決定部24aの処理で使用するデータテーブルを例示するグラフ。 図6(a),(b)は、図2に示す基本点火時期決定部31の処理で使用するマップを例示するグラフ。 図2に示すガソリン戻し制御部41の処理機能を示すブロック図。 図8(a),(b)は、図7に示すk_R3決定部41aの処理で使用するマップを例示するグラフ。 図2に示す水量制御部42の、第1実施形態における処理機能を示すブロック図。 図9に示す基本水量決定部42aの処理で使用するマップを例示するグラフ。 図9に示すk_Rw決定部42bの処理で使用するデータテーブルを例示するグラフ。 図9に示すk_FBw決定部42cの処理で使用するデータテーブルを例示するグラフ。 図2に示す水量制御部42の、第2実施形態における処理機能を示すブロック図。 図13に示す開度切替部42hの処理を示すフローチャート。 第2実施形態におけるエタノール−水混合液中のエタノールの濃度と、エタノール濃度センサの出力との経時変化を例示するグラフ。
符号の説明
1…燃料供給システム、2…メインタンク(混合燃料収容タンク)、3…分離タンク(分離燃料収容タンク)、4…内燃機関、5,6…燃料噴射弁、7…フィードポンプ(混合液生成手段)、8…水タンク(水収容タンク)、11…水量弁(水量制御手段)、14…割合センサ(混合燃料割合検出手段)、15…フロートセンサ(分離燃料残量検出手段)、16…エタノール濃度センサ(アルコール含有割合検出手段)、17…制御装置(混合液生成量データ生成手段)、21…燃料噴射制御部(燃料供給制御手段)、18…ガソリン戻し通路(燃料戻し手段)、19…流量制御弁(燃料戻し手段)、41…ガソリン戻し制御部(燃料戻し手段)、42…水量制御部(水量制御手段)。

Claims (7)

  1. オクタン価が異なる2種類の燃料である液体炭化水素およびアルコールを混合してなる混合燃料を収容する混合燃料収容タンクと、該混合燃料に混合する水を収容する水収容タンクと、前記混合燃料収容タンク内の混合燃料に前記水収容タンク内の水を混合して攪拌してなる混合液を生成する混合液生成手段と、該混合液生成手段により生成された混合液中のアルコールおよび水が混合してなるアルコール−水混合液と該混合液中の液体炭化水素とをそれらの比重差によって上下に分離させ、その分離したアルコール−水混合液と液体炭化水素とを互いに接する状態で収容する分離燃料収容タンクとを備え、該分離燃料収容タンクから前記液体炭化水素とアルコール−水混合液とを内燃機関に供給する燃料供給システムにおいて、
    前記混合液生成手段による前記混合液の目標生成量を示す混合液生成量データを生成する混合液生成量データ生成手段と、
    前記混合燃料収容タンク内の混合燃料における前記2種類の燃料のそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する混合燃料割合検出手段と、
    少なくとも前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて、該混合液生成量データにより示される目標生成量の混合液に含有させる水量を規定する操作量である水量制御操作量を決定し、その決定した水量制御操作量に応じて前記混合液生成手段に前記水収容タンクから供給する水の量を制御する水量制御手段とを備えたことを特徴とする燃料供給システム。
  2. 請求項1記載の燃料供給システムにおいて、
    前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液におけるアルコールの含有割合に応じた出力を発生するアルコール含有割合検出手段を備え、
    前記水量制御手段は、前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて、前記水量制御操作量の基本値を決定する手段と、前記アルコール含有割合検出手段の出力により示されるアルコールの含有割合と所定の目標割合との偏差を0に近づけるように、少なくとも該アルコール含有割合検出手段の出力に応じて前記基本値を補正することによって前記水量制御操作量を決定する手段とを備えることを特徴とする燃料供給システム。
  3. 請求項1記載の燃料供給システムにおいて、
    前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液におけるアルコールの含有割合に応じた出力を発生するアルコール含有割合検出手段とを備え、
    前記水量制御手段は、前記アルコール含有割合検出手段の出力により示されるアルコールの含有割合が所定の目標割合よりも大きい場合には、前記混合液生成量データと前記混合燃料割合検出手段の出力とに基づいて前記水量制御操作量を決定し、前記アルコール含有割合検出手段の出力により示されるアルコールの含有割合が前記所定の目標割合よりも小さい場合には、前記水収容タンクから前記混合液生成手段への水の供給を遮断するように前記水量制御操作量を決定することを特徴とする燃料供給システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給システムにおいて、
    前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段を備え、
    前記水量制御手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記液体炭化水素の残量が第1所定値よりも小さく、且つ、前記アルコール−水混合液の残量が第2所定値よりも大きい場合に、前記水収容タンクから前記混合液生成手段への水の供給を遮断する手段を有することを特徴とする燃料供給システム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給システムにおいて、
    前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段を備え、
    前記水量制御手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記液体炭化水素の残量が第1所定値よりも小さく、且つ、前記アルコール−水混合液の残量が第2所定値よりも大きいという条件が成立する場合には、該条件が成立しない場合よりも、前記混合液生成手段に前記水収容タンクから供給する水の量を少なくするように前記水量操作制御量を決定することを特徴とする燃料供給システム。
  6. 請求項1記載の燃料供給システムにおいて、
    前記分離燃料収容タンクに収容されたアルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段と、
    前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、該内燃機関の要求負荷および回転数を少なくとも含む該内燃機関の運転状態と前記混合燃料割合検出手段の出力と前記分離燃料残量検出手段の出力とに応じて変化させるように該内燃機関への前記アルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの供給量を制御する燃料供給制御手段とを備えたことを特徴とする燃料供給システム。
  7. 請求項1記載の燃料供給システムにおいて、
    前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、該内燃機関の要求負荷および回転数を少なくとも含む該内燃機関の運転状態に応じて変化させるように該内燃機関への前記2種類の燃料のそれぞれの供給量を制御する燃料供給制御手段と、
    前記分離燃料収容タンク内の前記アルコール−水混合液および液体炭化水素のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段と、
    少なくとも該分離燃料残量検出手段の出力により示される前記液体炭化水素の残量が第3所定値よりも大きく、且つ、前記アルコール−水混合液の残量が第4所定値よりも小さい場合に、前記液体炭化水素を前記分離燃料収容タンクから前記混合燃料収容タンクに戻す燃料戻し手段とを備えたことを特徴とする燃料供給システム。
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