JP4907592B2 - 内燃機関の燃料供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、オクタン価が異なる2種類の燃料を使用する内燃機関の燃料供給システムに関する。
近年、CO2排出削減などの環境対策を目的として、エタノールをガソリンに添加してなる混合燃料など、オクタン価が相違する2種類の燃料を混合してなる混合燃料を使用した運転を行うことが可能な内燃機関の開発が進められている。
一方、オクタン価が相違する2種類の燃料を使用した運転を行う内燃機関の燃料供給システムとしては、例えば特許文献1,2に見られる如く、内燃機関のノッキングの発生の抑制や、燃料消費量の低減、排気性能の向上などのために、内燃機関に対する2種類の燃料の供給割合(内燃機関の各燃焼サイクルで供給する燃料の総量に対する各種類の燃料の供給量の割合)を、内燃機関の負荷などの運転状態に応じて変更するようにしたものが知られている。
特許文献1に見られる燃料供給システムでは、メインタンク内に貯蔵した混合燃料を高オクタン価燃料および低オクタン価燃料の2種類の燃料に分離して、これらの2種類の燃料を各別のサブタンクに収容し、これらのサブタンクから、各種類の燃料を内燃機関に供給する。そして、この燃料供給システムでは、基本的には、内燃機関の負荷および回転数に応じて、燃料の着火方式(自己着火方式および火花点火方式)の切り替えを行うと共に、自己着火方式での内燃機関の運転時に、各種類の燃料の供給割合を内燃機関の負荷に応じて変更するようにしている。
また、特許文献2に見られる燃料供給システムでは、高オクタン価燃料および低オクタン価燃料の2種類の燃料をそれぞれ各別に収容したタンクから、各種類の燃料を内燃機関に供給する。そして、この燃料供給システムでは、基本的には、内燃機関の負荷および回転数に応じて、該内燃機関の運転モード(成層燃焼モードおよび均質燃焼モード)の切り替えと、各種類の燃料の供給割合の変更とを行うようにしている。
さらに、これらの特許文献1,2に見られる技術では、各別のタンクに収容された2種類の燃料のそれぞれの消費量が、一方の種類の燃料だけに偏らないようにするために、各タンク内の各種類の燃料の残量を検出し、いずれか一方の種類の燃料の残量が所定の下限値を下回った場合に、内燃機関に対する当該一方の種類の燃料の供給割合を少なくする(他方の種類の燃料の供給割合を多くする)ようにしている。
特開2001−50070号公報 特開2003−201877号公報
ところで、エタノールをガソリンに添加してなる混合燃料のように、内燃機関に使用する混合燃料は、該混合燃料を組成する2種類の燃料のそれぞれの含有割合が一律に定められているわけではなく、2種類の燃料のそれぞれの含有割合が種々様々な割合となる混合燃料が提供され得る。例えば、米国では、エタノールをガソリンに添加した混合燃料として、エタノールの含有割合が10%もしくは85%のものが提供されており、さらには、エタノールの含有割合が20%の混合燃料の提供も検討されている。
そして、前記特許文献1,2に見られる燃料供給システムにおいて、上記のように各種類の燃料の含有割合が一律でない混合燃料を使用した場合には、次のような不都合を生じる。
すなわち、前記特許文献1に見られる燃料供給システムでは、自己着火方式での燃料の着火を行う領域で、且つ、内燃機関の負荷が比較的高負荷となる領域での内燃機関の運転状態では、高オクタン価の燃料の残量検出値が、所定の下限値以上となっている限り、ノッキングの発生を防止するために、内燃機関に対する高オクタン価燃料の供給割合を多くするようにしている。また、自己着火方式での燃料の着火を行う領域で、且つ、内燃機関の負荷が比較的低負荷となる領域での内燃機関の運転状態では、低オクタン価の燃料の残量検出値が、所定の下限値以上となっている限り、燃料の着火性を高めるために、低オクタン価燃料の供給割合を多くするようにしている。
また、前記特許文献2に見られる燃料供給システムでは、高オクタン価燃料および低オクタン価燃料の残量検出値のバランスが取れている限り、内燃機関の低負荷領域では、低オクタン価燃料の供給割合を多くし、内燃機関の高負荷領域では、高オクタン価燃料の供給割合を多くするようにしている。
一方、自動車などに推進力発生源として搭載される内燃機関では、運転者の運転特性や、主要な走行環境などに応じて、ある特定の運転領域での内燃機関の運転が高い頻度で行われる場合が多々ある。
そして、前記特許文献1,2に見られる燃料供給システムでは、例えば、高オクタン価燃料の供給割合を多くすることが好ましい運転領域での内燃機関の運転が高い頻度で行われるような場合に、高オクタン価燃料の含有割合が比較的小さい混合燃料を使用すると、該高オクタン価燃料が早期に不足することとなる。従って、高オクタン価燃料の含有割合が比較的大きい混合燃料を容易に入手できず、高オクタン価燃料の含有割合が比較的小さい混合燃料を利用する頻度が高い場合には、高オクタン価燃料の供給割合をより多くすることが好適な領域での内燃機関の運転状態であっても、実際には、低オクタン価燃料の供給割合がより多くなるような運転頻度が高くならざるを得ない。
また、前記特許文献1,2に見られる燃料供給システムでは、上記と逆に、低オクタン価燃料の供給割合を多くすることが好ましい運転領域での内燃機関の運転が高い頻度で行われるような場合に、低オクタン価燃料の含有割合が比較的小さい混合燃料を使用すると、該低オクタン価燃料が早期に不足することとなる。従って、低オクタン価燃料の含有割合が比較的大きい混合燃料を容易に入手できず、低オクタン価燃料の含有割合が比較的小さい混合燃料を利用する頻度が高い場合には、低オクタン価燃料の供給割合をより多くすることが好適な領域での内燃機関の運転状態であっても、実際には、高オクタン価燃料の供給割合がより多くなるような運転頻度が高くならざるを得ない。
このように、特許文献1,2に見られる技術では、使用する混合燃料を組成する2種類の燃料の混合割合に依存して、内燃機関に対する該2種類の燃料の実際の供給割合を、好適な供給割合から大きく乖離した供給割合にせざるを得なくなるような頻度が高まる場合がある。そして、このような場合には、内燃機関を効率よく運転させることができず、本来の動力性能や排気性能(2種類の燃料の残量が十分にある場合に実現し得る性能)もしくはそれに近い性能を発揮できない場合が多くなるという不都合がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、使用する混合燃料を組成する2種類の燃料の混合割合に依存することなく、可能な限り、内燃機関を効率よく運転することを可能とする燃料供給システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料供給システムは、かかる目的を達成するために、オクタン価が異なる2種類の燃料である第1燃料および第2燃料を混合してなる混合燃料を収容する混合燃料収容タンクと、該混合燃料収容タンク内の混合燃料から分離された前記2種類の燃料を収容する分離燃料収容タンクとを備え、該分離燃料収容タンクから前記2種類の燃料を内燃機関に供給する燃料供給システムにおいて、
前記混合燃料収容タンク内の混合燃料における前記2種類の燃料のそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する混合燃料割合検出手段と、
前記分離燃料収容タンク内の前記2種類の燃料のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段と、
前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、前記混合燃料割合検出手段の出力と前記分離燃料残量検出手段の出力とに応じて変化させるように該内燃機関への前記2種類の燃料のそれぞれの供給量を制御する燃料供給制御手段とを備えたことを特徴とする(第1発明)。
この第1発明によれば、前記燃料供給制御手段は、前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、前記混合燃料割合検出手段の出力と前記分離燃料残量検出手段の出力とに応じて変化させるように該内燃機関への前記2種類の燃料のそれぞれの供給量を制御する。従って、内燃機関への各種類の燃料の供給割合を、前記分離燃料収容タンク内の2種類の燃料のそれぞれの残量だけでなく、前記混合燃料収容タンク内の混合燃料における2種類の燃料のそれぞれの含有割合にも適した割合に調整できる。例えば、内燃機関への2種類の燃料のそれぞれの供給割合の相互の比率が、分離燃料収容タンク内の2種類の燃料のそれぞれの残量の相互の比率や、前記混合燃料収容タンク内の混合燃料における2種類の燃料のそれぞれの含有割合の相互の比率から大きく乖離するような燃料供給が内燃機関に対して行われる頻度を極力少なくすることができる。このため、第1発明によれば、分離燃料収容タンク内の2種類の燃料のうちのいずれか一方だけが早期に消費されてしまうような不均衡な燃料消費が発生するのを極力防止することが可能となる。ひいては、内燃機関への2種類の燃料の供給割合を、内燃機関を効率よく円滑に運転させ得る供給割合から大きく乖離させざるを得ないような状況が発生するのを極力防止することが可能となる。
よって、第1発明によれば、使用する混合燃料を組成する2種類の燃料の混合割合に依存することなく、可能な限り、内燃機関を効率よく運転することが可能となる。
なお、前記分離燃料収容タンクは、前記2種類の燃料のそれぞれを個別に収容するタンク(各燃料毎に各別のタンク)であってもよいが、後述する実施形態のように、2種類の燃料が上下に接する状態で収容されるようなタンクであってもよい。
かかる第1発明では、より具体的には、前記燃料供給制御手段は、前記内燃機関の要求負荷および回転数を少なくとも含む該内燃機関の運転状態と前記混合燃料割合検出手段の出力とに応じて前記内燃機関に供給する前記2種類の燃料のそれぞれの基本供給割合を規定する基本供給割合規定パラメータを設定する基本供給割合設定手段と、少なくとも該基本供給割合設定手段により設定された基本供給割合規定パラメータと前記分離燃料残量検出手段の出力とに基づいて前記内燃機関に実際に供給する前記2種類の燃料の供給割合を決定する実供給割合決定手段とを備え、
前記基本供給割合設定手段は、前記混合燃料割合検出手段の出力により示される前記メインタンク内の混合燃料における第2燃料の含有割合に対する第1燃料の含有割合の比率が大きいほど、前記第1燃料の基本供給割合を大きくすると共に前記第2燃料の基本供給割合を小さくするように、前記基本供給割合規定パラメータを設定し、
前記実供給割合決定手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記2種類の燃料のそれぞれの残量が所定範囲内に存する状態では、前記基本供給割合規定パラメータにより規定される前記2種類の燃料のそれぞれの基本供給割合を前記内燃機関に実際に供給する前記2種類の燃料の供給割合として決定することが好ましい(第2発明)。
この第2発明によれば、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記2種類の燃料のそれぞれの残量が所定範囲内に存する状態では、前記基本供給割合規定パラメータにより規定される前記2種類の燃料のそれぞれの基本供給割合を前記内燃機関に実際に供給する前記2種類の燃料の供給割合として決定する。そして、前記基本供給割合規定パラメメータは、上記の如く設定される。このため、上記状態では、前記第2発明と同様に、前記メインタンク内の混合燃料における第2燃料の含有割合に対する第1燃料の含有割合の比率が大きいほど、前記内燃機関への第1燃料の供給割合を大きくすると共に第2燃料の供給割合を小さくするように、内燃機関に実際に供給する前記2種類の燃料の供給割合が決定されることとなる。従って、上記状態では、前記内燃機関への実際の第1燃料の供給割合と第2燃料の供給割合との比率が、前記混合燃料から分離して生成し得る第1燃料の量と第2の燃料との量との比率から大きく乖離するのを極力抑制することができる。そのため、前記分離燃料タンク内の2種類の燃料のそれぞれの残量が適切な範囲としての前記所定範囲内に保たれやすくなり、該所定範囲から早期に逸脱してしまうような事態が発生するのを防止することができる。
この第2発明では、さらに、前記実供給割合決定手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が該第1燃料に対応する前記所定範囲の下限値よりも小さく、且つ前記第2燃料の残量が該第2燃料に対応する前記所定範囲の上限値よりも大きい状態では、前記内燃機関に実際に供給する前記第1燃料の供給割合を該第1燃料に対応する前記基本供給割合よりも小さい供給割合に決定すると共に前記第2燃料の供給割合を該第2燃料に対応する前記基本供給割合よりも大きい供給割合に決定することが好ましい(第3発明)。
この第3発明において、前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が該第1燃料に対応する前記所定範囲の下限値よりも小さく、且つ前記第2燃料の残量が該第2燃料に対応する前記所定範囲の上限値よりも大きい状態は、分離燃料収容タンク内の第1燃料の残量が不足気味であり、且つ、第2の燃料の残量が第1の燃料の残量に比して過剰気味である状態に相当する。この状態では、内燃機関への前記2種類の燃料のそれぞれの実際の供給割合が上記の如く決定されるので、内燃機関の運転に伴う分離燃料収容タンク内の第1燃料の消費を抑制すると共に、第2燃料の消費を促進し、該分離燃料収容タンク内の第1燃料の残量がさらに減少するのを防止すると共に第2燃料の残量が第1燃料の残量に対して相対的にさらに増加するのを防止することが可能となる。ひいては、分離収容タンク内の各種類の燃料の残量をそれぞれ、適切な所定範囲内に復帰させることが可能となる。
また、前記第2発明または第3発明では、前記実供給割合決定手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が前記所定範囲の上限値以上の所定値よりも大きく、且つ、前記第2燃料の残量が前記所定範囲の下限値よりも小さい状態では、前記内燃機関に実際に供給する前記第1燃料の供給割合を、前記混合燃料割合検出手段の出力により示される前記メインタンク内の混合燃料における前記第1燃料の含有割合と、該第1燃料に対応する前記基本供給割合とのうちの大きい方の割合に決定すると共に、前記内燃機関に供給する燃料全体から該第1燃料を差し引いた残余の燃料の供給割合を前記第2燃料の供給割合として決定することが好ましい(第4発明)。
この第4発明において、前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が前記所定範囲の上限値以上の所定値よりも大きく、且つ、前記第2燃料の残量が前記所定範囲の下限値よりも小さい状態は、分離燃料収容タンク内の第1燃料の残量が第2燃料の残量に比して過剰気味であり、且つ、第2燃料の残量が不足気味である状態に相当する。この状態では、内燃機関への前記2種類の燃料のそれぞれの実際の供給割合が上記の如く決定されるので、内燃機関の運転に伴う分離燃料収容タンク内の第1燃料の消費を促進すると共に、第2燃料の消費を抑制し、該分離燃料収容タンク内の第1燃料の残量が第2燃料の残量に対して相対的にさらに増加するのを防止すると共に第2燃料の残量がさらに減少するのを防止することが可能となる。ひいては、分離収容タンク内の各種類の燃料の残量をそれぞれ、適切な所定範囲内に復帰させることが可能となる。
また、前記第2発明では、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記2種類の燃料のそれぞれの残量が前記所定範囲内に存する状態で、前記混合燃料割合検出手段の出力により示される前記第1燃料の含有割合と第2燃料の含有割合とのうち、オクタン価がより高い高オクタン価燃料の含有割合が、所定値以下である場合には、前記内燃機関の運転状態が所定の高負荷領域での運転状態である場合に、該内燃機関に供給する燃料の点火時期を、該高オクタン価側の燃料の含有割合が所定値以下である場合よりも、遅角側の点火時期に制御する点火時期制御手段を備えることが好ましい(第5発明)。
すなわち、前記第2発明では、前記混合燃料割合検出手段の出力により示される前記第1燃料の含有割合と第2燃料の含有割合とのうち、オクタン価がより高い高オクタン価燃料の含有割合が低いほど(オクタン価がより低い低オクタン価燃料の含有割合が高いほど)、内燃機関への高オクタン価燃料の供給割合を小さくすると共に低オクタン価燃料の供給割合を大きくすることとなる。このため、混合燃料中の高オクタン価燃料の含有割合が比較的小さい場合には、特に、内燃機関の要求負荷が比較的高負荷となる運転状態で、内燃機関のノッキングが発生しやすくなる。そこで、前記第2発明では、前記点火時期制御手段を備えるようにした。これにより、内燃機関のノッキングの発生を防止することができる。
また、前記第3発明では、前記第1燃料は、第2燃料よりもオクタン価が高い高オクタン価燃料である場合には、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が該第1燃料に対応する前記所定範囲の下限値よりも小さく、且つ前記第2燃料の残量が該第2燃料に対応する前記所定範囲の上限値よりも大きい状態では、該内燃機関に供給する燃料の点火時期を、前記2種類の燃料のそれぞれの残量が前記所定範囲内に存する状態での点火時期よりも遅角側の点火時期に制御する点火時期制御手段を備えることが好ましい(第6発明)。
すなわち、前記第3発明では、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が該第1燃料に対応する前記所定範囲の下限値よりも小さく、且つ前記第2燃料の残量が該第2燃料に対応する前記所定範囲の上限値よりも大きい状態では、第1燃料の供給割合が、前記2種類の燃料のそれぞれの残量が前記所定範囲内に存する状態での該第1燃料の供給割合よりも小さくなる。このため、該第1燃料が高オクタン価燃料である場合には、内燃機関のノッキングが発生しやすくなる。そこで、第6発明では、前記点火時期制御手段を備えるようにした。これにより、内燃機関のノッキングの発生を防止することができる。
なお、前記第5発明は、前記第3発明もしくは第4発明と組み合わせてもよい。また、第6発明は、前記第4発明もしくは第5発明と組み合わせてもよい。
本発明の一実施形態を図1〜図8を参照して説明する。
図1は、本実施形態の内燃機関の燃料供給システムの全体構成を概略的に示す図である。同図を参照して、本実施形態の燃料供給システム1は、オクタン価が異なる2種類の燃料である第1燃料および第2燃料を混合してなる混合燃料を収容するメインタンク2と、その混合燃料を組成する第1燃料および第2燃料を上下に分離させた状態で収容する分離タンク3とを備え、該分離タンク3から、2種類の燃料を各別に内燃機関4に供給する。メインタンク2、分離タンク3は、それぞれ、本発明における混合燃料収容タンク、分離燃料収容タンクに相当する。
本実施形態では、上記混合燃料を組成する第1燃料、第2燃料は、それぞれ、例えばエタノール、ガソリンである。従って、第1燃料は高オクタン価燃料、第2燃料は低オクタン価燃料である。また、内燃機関4は、本実施形態では、図示を省略する複数の気筒(例えば4気筒)を有する火花点火方式の内燃機関であり、その各気筒毎に、第1燃料用(ガソリン用)の燃料噴射弁5と第2燃料用(エタノール用)の燃料噴射弁6とを備える。図1では、1気筒分の燃料噴射弁5,6を代表的に図示している。これらの燃料噴射弁5,6は、本実施形態では、ポート噴射方式による燃料噴射を行う燃料噴射弁である。
なお、内燃機関4は、圧縮着火方式(自己着火方式)の内燃機関であってもよい。また、内燃機関4は、単気筒の内燃機関であってもよい。また、内燃機関4の各気筒に対する2種類の燃料の燃料噴射方式は、ポート噴射方式に限らず、いずれか一方の種類の燃料の燃料噴射方式が筒内噴射方式であってもよい。
メインタンク2には、該メインタンク2内の混合燃料に水を混合してなる混合液を攪拌・加圧して分離タンク3に供給するフィードポンプ7が付設されている。この場合、フィードポンプ7の吸入口が、メインタンク2内の混合燃料の液中に連通されていると共に、水を収容するタンクとしてメインタンク2および分離タンク3と別に設けられた水タンク8に水供給路9を介して接続されている。また、フィードポンプ7の吐出口が、分離タンク3の下部に混合燃料供給路10を介して接続されている。そして、このフィードイポンプ7は、その吸入口からメインタンク2内の混合燃料と、水タンク8内の水とを吸入して混合すると共に、その混合液(混合燃料と水との混合液)を攪拌しつつ所定の圧力に加圧し、その攪拌・加圧した混合液を吐出口から混合燃料供給路10を介して分離タンク3に供給するようにしている。
なお、水供給路10には、流量制御弁11が介装され、この流量制御弁11の開度を制御することで、混合燃料に混合する水の量を調整することが可能となっている。
分離タンク3は、その内部空間の上部側にガソリンを収容すると共に、下部側にエタノールと水との混合液(エタノール水溶液)を収容するタンクである。
ここで、本実施形態では、前記フィードポンプ7により分離タンク3に供給される混合液は、ガソリンとエタノールとの混合燃料に水を混合したものである。そして、この混合液のうちのエタノールはガソリンよりも親水性が高い。また、ガソリンの比重は、エタノールおよび水の比重よりも小さい。このため、分離タンク3に供給される混合液のうち、その供給過程で混じり合うエタノールと水とから成るエタノール水溶液と、ガソリンとが、分離タンク3内で自然に分離し、該分離タンク3の内部空間の上部側と下部側とにそれぞれガソリン、エタノール水溶液が溜まることとなる。この場合、ガソリンとエタノール水溶液とは、エタノール水溶液の上端面を界面として互いに接した状態で分離タンク4内に収容される。これにより、分離タンク3内でのガソリンとエタノール水溶液との分離および収容がなされることとなる。そして、本実施形態では、分離タンク3の内部空間が、分離したガソリンおよびエタノール水溶液によって常時、満杯になると共に、これらの液体が所定の圧力に加圧されるように、前記混合燃料と水との混合液がフィードポンプ7によって分離タンク3に供給される。
このようにガソリンとエタノール水溶液とを分離させて収容する分離タンク3の内部空間のうち、ガソリンが溜まる上部側の空間は、該分離タンク3の上部から導出されたガソリン供給路12を介して前記燃料噴射弁5に接続されている。これにより、分離タンク3内の加圧されたガソリンがガソリン供給路12を介して燃料噴射弁5に供給される。そして、該燃料噴射弁5を開弁することにより、該燃料噴射弁5から加圧されたガソリンが噴射され、内燃機関4の気筒に供給されるようになっている。
また、分離タンク3の内部空間のうち、エタノール水溶液が溜まる下部側の空間は、該分離タンク3の下部から導出されたエタノール供給路13を介して前記エタノール用の燃料噴射弁6に接続されている。これにより、分離タンク3内の加圧されたエタノール水溶液がエタノール供給路13を介して燃料噴射弁6に供給される。そして、該燃料噴射弁6を開弁することにより、該燃料噴射弁6から加圧されたエタノール水溶液が噴射され、内燃機関4の気筒に供給されるようになっている。
本実施形態の燃料供給システム1は、上記した構成のほか、メインタンク2内の混合燃料におけるガソリンおよびエタノールのそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する割合センサ14と、分離タンク3内のエタノール水溶液とガソリンとの界面の高さに応じた出力を発生するフロートセンサ15と、エタノール用の燃料噴射弁6に供給されるエタノール水溶液中のエタノール濃度を検出するエタノール濃度センサ16と、前記燃料噴射弁5,6や内燃機関4の点火装置(図示しない)などの動作制御を行う制御ユニット17(以下、ECU17という)とを備える。なお、割合センサ14は、本発明における混合燃料割合検出手段に相当し、フロートセンサ15は、本発明における分離燃料残量検出手段に相当する。
割合センサ14は、メインタンク2内に配置されており、例えば、メインタンク2内の混合燃料中のエタノールの含有割合(濃度)を検出する濃度センサにより構成されている。この場合、該割合センサ8の出力により示される混合燃料中のエタノールの含有割合をEt_r[%]としたとき、ガソリンの含有割合は100−Et_r[%]となる。従って、該割合センサ8は、メインタンク2内の混合燃料におけるエタノールおよびガソリンのそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する。以降、割合センサ8の出力により示される混合燃料中のエタノールの含有割合Et_r[%]を混合燃料エタノール割合Et_r、ガソリンの含有割合を混合燃料ガソリン割合Ga_r(=100−Et_r[%])という。また、混合燃料エタノール含有割合Et_rと混合燃料ガソリン含有割合Ga_rとの組を総称的に混合燃料の混合割合ということがある。
なお、割合センサ8は、混合燃料中のガソリンの含有割合(濃度)を検出する濃度センサにより構成されていてもよい。
フロートセンサ15は、分離タンク3内に上下方向に延在して設けられたガイドロッド18に嵌合され、該ガイドロッド18に沿って上下方向に移動自在とされている。このフロートセンサ15は、ガソリンの比重よりも大きく、且つ、エタノール水溶液の比重よりも小さい比重を有する。このため、該フロートセンサ15は、ガソリンとエタノール水溶液との界面の位置で浮遊し、該界面の上下動に伴い上下動するようになっている。そして、該フロートセンサ15は、該ガイドロッド18に対する上下方向の相対的な位置に応じた出力を発生する。従って、該フロートセンサ15の出力は、分離タンク3内の界面の高さ(以降、界面高さH_FLという)に応じた出力となる。
ここで、本実施形態では、分離タンク3の内部空間は、前記したようにガソリンおよびエタノール水溶液によって常時、満杯とされるので、分離タンク3内のガソリンの残量とエタノール水溶液の残量との総和は、分離タンク3の内部空間の容積に等しく、一定値となる。また、分離タンク3の横断面積(上方から見た断面積)は、上下方向でほぼ一定とされている。このため、前記フロートセンサ15の出力は、分離タンク3内の界面高さH_FLに応じた出力となるだけでなく、分離タンク3におけるガソリンおよびエタノール水溶液のそれぞれの残量に応じた出力となる。本実施形態では、ガソリンの残量+エタノール水溶液の残量=分離タンク3の内部空間の容積(一定)であり、界面高さH_FLが高いほど、ガソリンの残量が少なくなると同時に、エタノール水溶液の残量(ひいてはエタノールの残量)が多くなる。
エタノール濃度センサ16は、本実施形態では、前記エタノール供給路16に付設され、該エタノール供給路16内を流通するエタノール水溶液中のエタノールの濃度に応じた出力を発生する。以降、エタノール濃度センサ16の出力が示すエタノールの濃度をエタノール水溶液濃度EW_rという。なお、エタノール濃度センサ16は、分離タンク3内の下部に配置するようにしてもよい。
ECU17は、図示しないCPU、RAM、ROMを含む電子回路ユニットであり、上記の各センサ14〜16の出力が入力されると共に、図示しない各種のセンサから、内燃機関4の回転数などの運転状態を示す検出データが入力される。そして、該ECU17は、これらの入力データや、あらかじめ記憶保持したマップデータなどを基に、所定の制御処理を実行することで、内燃機関4の各気筒毎の燃料噴射弁5,6や図示しない点火装置などの動作を制御する。
図2は、このECU17のより具体的な制御処理機能を示すブロック図である。図2に示すように、ECU17は、その主要な機能的手段として、燃料噴射制御部21と点火時期制御部22とを備える。
燃料噴射制御部21は、内燃機関4の各気筒の燃焼サイクル毎に、前記燃料噴射弁5によるガソリンの噴射量と前記燃料噴射弁6によるエタノール水溶液の噴射量とをそれぞれ規定する操作量(制御入力)としてのガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaおよびエタノール用燃料噴射時間Ti_Etを決定し、その決定した燃料噴射時間Ti_Ga,Ti_Etに応じて、それぞれ燃料噴射弁5,6の動作を制御するものである。この燃料噴射制御部21は、本発明における燃料供給制御手段に相当する。
また、点火時期制御部22は、内燃機関4の各気筒の燃焼サイクル毎に、内燃機関4の各気筒における点火時期IGを決定し、その決定した点火時期IGに応じて図示しない点火装置を制御するものである。この点火時期制御部22は、本発明における点火時期制御手段に相当する。
なお、図示は省略するが、ECU17は、前記水供給路9の流量制御弁11を制御する制御部も有する。この制御部は、本実施形態では、分離タンク3内のエタノール水溶液のエタノールの濃度が一定の濃度に保たれるように、前記エタノール濃度センサ16の出力や前記割合センサ14の出力に応じて流量制御弁11の開度を制御する。
以下に、前記燃料噴射制御部21および点火時期制御部22の制御処理の詳細を説明する。
燃料噴射制御部21は、本実施形態では、内燃機関4の各気筒にその燃焼サイクル毎に供給する燃料全体に対するエタノールの供給割合の要求値(以下、エタノール供給割合という)の通常的な候補値である第1エタノール供給割合Et_inj_r1と補助的な候補値である第2エタノール供給割合Et_inj_r2とをそれぞれ決定する第1供給割合決定部23および第2供給割合決定部24と、これらの第1エタノール供給割合Et_inj_r1および第2エタノール供給割合Et_inj_r2のうちの一方を、内燃機関4に対する実際のエタノール供給割合である実エタノール供給割合Et_inj_rとして選択する選択部25と、この実エタノール供給割合Et_inj_rに応じて前記燃料噴射弁6によるエタノールの要求噴射量Et_injを決定するエタノール要求噴射量決定部26とを備える。さらに、燃料噴射制御部21は、前記燃料噴射弁5によるガソリンの要求噴射量Ga_injを決定するガソリン要求噴射量決定部27と、エタノール要求噴射量Et_injを、エタノール水溶液要求噴射量EW_injに変換する演算部28と、ガソリン要求噴射量Ga_injおよびエタノール水溶液要求噴射量EW_injをそれぞれ前記ガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaおよびエタノール用燃料噴射時間Ti_Etに変換する流量・時間変換部29,30とを備える。
そして、燃料噴射制御部21は、まず、前記第1供給割合決定部23および第2供給割合決定部24の処理を実行する。
この場合、前記第1供給割合決定部23は、内燃機関4の運転状態と、前記メインタンク2内の混合燃料の前記混合割合に応じて、前記第1エタノール供給割合Et_inj_r1の基本値であるエタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定し、このエタノール基本供給割合Et_inj_rbを分離タンク3内の界面高さH_FLに応じて補正することで、第1エタノール供給供給割合Et_inj_r1を決定する。なお、内燃機関4に供給する燃料は、エタノールおよびガソリンの2種類の燃料であるので、内燃機関4の各気筒にその燃焼サイクル毎に供給する燃料全体に対するエタノールの供給割合とガソリンの供給割合とのいずれか一方の供給割合をX[%]とすれば、他方の供給割合は100−X[%]となる(一方の供給割合から他方の供給割合が一義的に定まる)。このため、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定すれば、結果的に、ガソリンの供給割合の基本値(以降、ガソリン基本供給割合Ga_inj_rbという)も規定されることとなる。本実施形態では、上記エタノール基本供給割合Et_inj_rbが、本発明における基本供給割合規定パラメータに相当するものである。
上記のように第1エタノール供給割合Et_inj_r1を決定する処理を行うために、第1供給割合決定部23には、内燃機関4の運転状態を表す指標として、該内燃機関4の回転数NE(内燃機関4の出力軸の回転速度)の検出値と、内燃機関4の各気筒の図示平均有効圧力(IMEP)の目標値である目標IMEPとが入力されると共に、前記割合センサ14の出力としての前記混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と、前記フロートセンサ15の出力としての前記界面高さH_FLの検出値とが入力される。なお、目標IMEPは、内燃機関4の要求負荷を表す指標としての意味を持つ。該目標IMEPは、例えば、内燃機関4を推進力発生源として搭載した車両のアクセルの操縦量(踏み込み量)や車速などに応じて設定される。
そして、該第1供給割合決定部23は、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定するエタノール基本供給割合決定部23aと、該エタノール基本供給割合Et_inj_rbを補正するための第1補正係数k_R1を決定するk_R1決定部23bと、この第1補正係数k_R1によりエタノール基本供給割合Et_inj_rbを補正する補正演算部23cとを備える。なお、エタノール基本供給割合決定部23aは、本発明における基本供給割合設定手段に相当する。
この場合、エタノール基本供給割合決定部23aには、内燃機関1の回転数NEの検出値および目標IMEPが入力されると共に、前記割合センサ14の出力が示す前記混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)が入力される。そして、エタノール基本供給割合決定部23aは、これらの入力項目の値から、あらかじめ定められたマップ(NE、目標IMEP、およびEt_rとEt_inj_rbとの関係を規定するマップ)に基づいて、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定する。図3(a),(b),(c)は、そのマップを例示するグラフである。
本実施形態では、混合燃料エタノール割合Et_rを、“小”、“中”、“大”の3種類の大きさに分類し、その各種類の大きさの混合燃料エタノール割合Et_r毎に、回転数NEと目標IMEPとエタノール基本供給割合Et_inj_rbとの関係を規定するマップが用意されている。この場合、Et_r[%]があらかじめ定めた第1所定値Et_r(1)および第2所定値Et_r(2)(Et_r(2)>Et_r(1))に対して、Et_r<Et_r(1)である場合に、Et_rが“小”であるとし、Et_r(1)≦Et_r≦Et_r(2)である場合に、Et_rが“中”であるとし、Et_r>Et_r(2)である場合に、Et_rが“大”であるとする。
図3(a),(b),(c)に例示するマップは、それぞれ、混合燃料エタノール割合Et_rが“小”、“中”、“大”である場合に対応するマップである。各マップでは、基本的には、内燃機関1の回転数NEが低いほど、あるいは、目標IMEPが大きいほど(要求負荷が高いほど)、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが大きくなるように、NEおよび目標IMEPとEt_inj_rbとの関係が設定されている。
そして、混合燃料エタノール割合Et_rが“中”である場合に対応する図3(b)のマップでは、点火時期を所謂MBT(MBT:Minimum Advance for Best Torque)に設定しても、内燃機関4のノッキングの発生を好適に抑制することができるように、NEおよび目標IMEPとEt_inj_rbとの関係が設定されている。
また、混合燃料エタノール割合Et_rが“小”である場合に対応する図3(a)のマップでは、NEおよび目標IMEPを一定とした場合に、混合燃料エタノール割合Et_rが“中”である場合に比して、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが小さくなり(前記ガソリン基本供給割合Ga_inj_rbが大きくなり)、ひいては、内燃機関4の運転に伴うエタノールの消費が抑制され、且つ、ガソリンの消費が促進されるように、NEおよび目標IMEPとEt_inj_rbとの関係が設定されている。また、混合燃料エタノール割合Et_rが“大”である場合に対応する図3(c)のマップでは、NEおよび目標IMEPを一定とした場合に、混合燃料エタノール割合Et_rが“中”である場合に比して、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが大きくなり(前記ガソリン基本供給割合Ga_inj_rbが小さくなり)、内燃機関4の運転に伴うエタノールの消費が促進され、且つ、ガソリンの消費が抑制されるように、NEおよび目標IMEPとEt_inj_rbとの関係が設定されている。
従って、NEおよび目標IMEPを一定に維持した場合、混合燃料エタノール割合Et_rが大きいほど(混合燃料ガソリン割合Ga_rが小さいほど)、換言すれば、混合燃料ガソリン含有割合Ga_rに対する混合燃料エタノールの含有割合の比率(Et_r/Ga_r)が大きいほど、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが大きくなると共に前記ガソリン基本供給割合が小さくなるように、エタノール基本供給割合Et_inj_rbが決定されることとなる。
なお、本実施形態では、混合燃料エタノール割合Et_rに対してエタノール基本供給割合Et_inj_rbを3段階に変化させるようにしたが、連続的に変化させるようにしてもよい。その場合には、例えば、混合燃料エタノール割合Et_rの大きさをより細かい刻み幅で分類して、その各Et_rの値毎に、図3に示したようなマップを用意しておき、回転数NEの検出値と、目標IMEPと、混合燃料エタノール割合Et_rとから、それらのマップと補間演算とによって、エタノール基本供給割合Et_inj_rbを決定するようにすればよい。
また、エタノール基本供給割合Et_in_rbの代わりに、前記ガソリン基本供給割合Ga_inj_rbを前記基本供給割合規定パラメータとして決定するようにしてもよい。
また、エタノール基本供給割合決定部23aに対する入力項目のうち、混合燃料エタノール割合Et_rの代わりに、前記混合燃料ガソリン割合Ga_r(=100−Et_r[%])を使用したり、あるいは、それらの比の値(Ga_r/Et_rまたはEt_r/Ga_r)を使用してもよい。
また、エタノール基本供給割合決定部23aに対する入力項目のうち、内燃機関4の運転状態に関する項目については、内燃機関4の要求負荷を表す指標として、目標IMEPの代わりに、内燃機関4の要求トルク(出力トルクの要求値)や、吸気管内圧の検出値、吸気流量の検出値を使用してもよい。さらに、要求負荷を表す指標および回転数NEの他に、内燃機関4の機関温度(冷却水温)などを内燃機関4の運転状態を表す指標として、入力項目に付加するようにしてもよい。
前記k_R1決定部23bには、前記フロートセンサ15の出力が示す界面高さH_FL(検出値)が入力される。そして、該k_R1決定部23bは、その界面高さH_FLから、あらかじめ定められたデータテーブル(H_FLとk_R1との関係を表すデータテーブル)に基づいて、第1補正係数k_R1を決定する。この第1補正係数k_R1は、前記エタノール基本供給割合Et_inj_rbに乗じる補正係数であり、0≦k_R1≦1である。図4は、この第1補正係数k_R1を決定するためのデータテーブルを例示するグラフである。このデータテーブルは、界面高さH_FLに対応する分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の大きさの程度を、第1補正係数k_R1の値(0≦k_R1≦1)に対応付けるメンバーシップ関数を表す。
ここで、本実施形態では、分離タンク3内の界面高さH_FLの好適な所定範囲[H_FL(1),H_FL(2)]、すなわち、所定値H_FL(1)とH_FL(2)(>H_FL(1))とをそれぞれ下限値、上限値とする範囲があらかじめ定められている。この範囲は、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量のいずれもが、過不足を生じないような範囲であり、例えば、分離タンク3の内部空間の上下方向の中央付近の範囲に設定されている。そして、図4のデータテーブルでは、界面高さH_FLの検出値が、上記下限値H_FL(1)以上である場合に、k_R1は“1”に設定される。そして、界面高さH_FLの検出値が上記下限値H_FL(1)よりも小さい場合(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が不足気味である場合)に、k_R2が“1”よりも小さい値に設定される。この場合、H_FLの検出値が上記下限値H_FL(1)よりも小さい所定値H_FL(min)に近づいていくに伴い、k_R1が“0”に近づいていくようにk_R1が設定される。さらに、H_FLの検出値が所定値H_FL(min)以下になると、k_R1が“0”に設定される。
以降、界面高さH_FLが上記下限値H_FL(1)である場合における分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量をそれぞれQ_Et(1)、Q_Ga(1)とおき、界面高さH_FLが上記上限値H_FL(2)である場合における分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリン残量をそれぞれQ_Et(2)(>Q_Et(1))、Q_Ga(2)(<Q_Ga(1))とおく。この場合、Q_Et(1)、Q_Et(2)をそれぞれ下限値、上限値とする範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]は、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の好適な範囲を意味する。同様に、Q_Ga(2)、Q_Ga(1)をそれぞれ下限値、上限値とする範囲[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]は、分離タンク3内のガソリンの残量の好適な範囲を意味する。そして、図4のデータテーブルにより設定される第1補正係数k_R1は、エタノール水溶液の残量とガソリンの残量との対応関係で言えば、エタノール水溶液の残量が下限値Q_Et(1)以上で且つガソリンの残量が上限値Q_Ga(1)以下である場合に(エタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ上記の好適な範囲に存する場合を含む)、k_R1=1となるように設定されることとなる。また、エタノール水溶液の残量が下限値Q_Et(1)よりも小さいと共に、ガソリンの残量が上限値Q_Ga(1)よりも大きい場合に、k_R1<1となるように第1補正係数k_R1が設定されることとなる。なお、上記範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]はそれぞれ、前記第2〜第9発明における所定範囲に相当する。
上記のように決定されたエタノール基本供給割合Et_inj_rbと第1補正係数k_R1とが前記補正演算部23cに入力される。そして、該補正演算部23cは、エタノール基本供給割合Et_inj_rbに第1補正係数k_R1を乗じることによって第1エタノール供給割合Et_inj_r1を決定する。この場合、0≦k_R1≦1であるので、第1エタノール供給割合Et_inj_r1は、エタノール基本供給割合Et_inj_rbと同じ値もしくはそれよりも小さい値に決定される。
以上説明した第1供給割合決定部23の処理によって、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記下限値H_FL(1)以上である場合には(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ好適な範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]に存する場合を含む)、k_R1=1となるので、エタノール基本供給割合Et_inj_rbがそのまま、第1エタノール供給割合Et_inj_r1として決定されることとなる。この場合には、第1エタノール供給割合Et_inj_r1は、内燃機関4の運転状態(NEおよび目標IMEP)と、前記混合燃料エタノール割合Et_R(前記メインタンク2内の混合燃料の混合割合)とに応じて決定されることとなる。そして、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記下限値H_FL(1)よりも小さい場合、換言すれば、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が下限値Q_Et(1)よりも小さいと共にガソリンの残量が上限値Q_Ga(1)よりも大きい場合には、k_R1<1となるので、第1エタノール供給割合Et_inj_r1は、内燃機関4の運転に伴う分離タンク3内のエタノールの消費を抑制しつつ、ガソリンの消費を促進するように、エタノール基本供給割合Et_inj_rbよりも小さい割合に決定されることとなる。
前記第2供給割合決定部24は、前記割合センサ14の出力が示す混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)を前記第2エタノール供給割合Et_inj_r2の基本値とし、この基本値Et_rを分離タンク3内の前記界面高さH_FLに応じて補正することで、第2エタノール供給割合Et_inj_r2を決定する。
この処理を行うために、第2供給割合決定部24には、前記混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)と、前記界面高さH_FLの検出値とが入力される。
そして、該第2供給割合決定部24は、第2エタノール供給割合Et_inj_r2の基本値としての混合燃料エタノール割合Et_rを補正するための第2補正係数k_R2を決定するk_R2決定部24aと、この第2補正係数k_R2により混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)を補正する補正演算部24bとを備える。
この場合、k_R2決定部24aには、前記界面高さH_FL(検出値)が入力される。そして、該k_R2決定部24aは、その界面高さH_FLの検出値から、あらかじめ定められたデータテーブル(H_FLとk_R2との関係を表すデータテーブル)に基づいて、第2補正係数k_R2を決定する。この第2補正係数k_R2は、前記混合燃料エタノール割合Et_rに乗じる補正係数であり、0≦k_R2≦1である。図5は、この第2補正係数k_R2を決定するためのデータテーブルを例示するグラフである。このデータテーブルは、前記図4のデータテーブルと同様に、界面高さH_FLの検出値により示される分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の大きさの程度を、第2補正係数k_R2の値に対応付けるメンバーシップ関数を表す。
図5のデータテーブルでは、界面高さH_FLの検出値が前記上限値H_FL(2)以下である場合にはk_R2が“0”に設定される。そして、界面高さH_FLの検出値が前記上限値H_FL(2)よりも大きい場合(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量がガソリンの残量に比して過剰気味である場合)に、k_R2が“0”よりも大きい値に設定される。この場合、H_FLの検出値が上記上限値H_FL(2)よりも大きい所定値H_FL(max)に近づいていくに伴い、k_R2が“1”に近づいていくようにk_R2が設定される。さらに、H_FLの検出値が所定値H_FL(max)以上になると、k_R2が“1”に設定される。
上記のように決定された第2補正係数k_R2と前記混合燃料エタノール割合Et_r(検出値)とが前記補正演算部24bに入力される。そして、該補正演算部24bは、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値に第2補正係数k_R2を乗じることによって第2エタノール供給割合Et_inj_r2を決定する。この場合、0≦k_R2≦1であるので、第2エタノール供給割合Et_inj_r2は、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値を上限値として決定される。
以上説明した第2供給割合決定部24の処理によって、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)以下である場合には(分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ好適な範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]に存する場合を含む)、第2補正係数k_R2=0となるので、第2エタノール供給割合Et_inj_r2は“0”とされる。そして、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)よりも大きい場合、換言すれば、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が前記上限値Q_Et(2)よりも大きいと共にガソリンの残量が前記下限値Q_Ga(2)よりも小さい場合には、k_R2>0となるので、第2エタノール供給割合Et_inj_r2は、内燃機関4の運転に伴う分離タンク3内のエタノールの消費を促進しつつ、ガソリンの消費を抑制するように、前記混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と同じ割合に近づけられることとなる。この場合、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が、界面高さH_FLの前記所定値H_FL(max)に対応する残量以上の残量になると共に、ガソリンの残量が、該所定値H_FL(max)に対応する残量以下の残量になると、第2エタノール供給割合Et_inj_r2は、前記混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と同じ割合に決定される。
補足すると、本実施形態では、第1補正係数k_R1および第2補正係数k_R2を決定するために、界面高さH_FLの検出値を用いたが、これの代わりに、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量の検出値もしくはガソリン残量の検出値を使用したり、あるいは、それらの残量の比率を使用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、界面高さH_FLの検出値が上限値H_FL(2)とこれよりも大きい所定値H_FL(max)との間の値であるときに、第2補正係数k_R2を“0”から“1”まで連続的に変化させるようにしたが、H_FLの検出値が上限値H_FL(2)以上であるときに、k_R2を“1”に設定するようにしてもよい。
燃料噴射制御部21は、以上説明した前記第1供給割合決定部24および第2供給割合決定部25の処理を実行した後、前記選択部25の処理と、エタノール要求噴射量決定部26の処理とを順次実行する。
前記選択部25には、第1供給割合決定部24および第2供給割合決定部25の処理によりそれぞれ決定された第1エタノール供給割合Et_inj_r1と第2エタノール供給割合Et_inj_r2とが入力される。そして、該選択部25は、これらの第1エタノール供給割合Et_inj_r1と第2エタノール供給割合Et_inj_r2とのうちの大きい方を、前記実エタノール供給割合Et_inj_rとして選択する。すなわち、Et_inj_r=max(Et_inj_r1,Et_inj_r2)とする。
この場合、界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)以下である限り、常に、第2エタノール供給割合Et_inj_r2=0となるので、第1エタノール供給割合Et_inj_r1が実エタノール供給割合Et_inj_rとして決定される。
そして、界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)よりも大きい場合、すなわち、分離タンク3内のガソリンが不足気味で、エタノール水溶液の残量がガソリンの残量に比して過剰である場合に、エタノールの消費を促進しつつ、ガソリンの消費を抑制するために、第1エタノール供給割合Et_inj_r1(=エタノール基本供給割合Et_inj_rb)と第2エタノール供給割合Et_inj_r2とのうちのより大きい方が、実エタノール供給割合Et_inj_rとして決定されることとなる。従って、実エタノール供給割合Et_inj_rは、エタノール基本供給割合Et_inj_rb以上の割合に決定される。特に、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が、界面高さH_FLの前記所定値H_FL(max)に対応する残量以上の残量になると共に、ガソリンの残量が、該所定値H_FL(max)に対応する残量以下の残量になると、実エタノール供給割合Et_inj_rは、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と同じ割合と、前記エタノール基本供給割合Et_inj_rbとのうちの大きい方の割合に決定されることとなる。すなわち、実エタノール供給割合Et_inj_rは、Et_r以上で、且つ、Et_inj_rb以上となるように決定される。そして、この場合、結果的には、実エタノール供給割合Et_inj_rに対応して内燃機関4に実際に供給するガソリンの供給割合としての実ガソリン供給割合(=100−Et_inj_r[%])は、前記混合燃料ガソリン割合Ga_r以下に決定されることとなる。従って、界面高さH_FLが前記所定値H_FL(max)以上である場合には、実エタノール供給割合Et_inj_rと、これに対応する実ガソリン供給割合とは、実ガソリン供給割合に対する実エタノール供給割合の比率が、混合燃料ガソリン割合に対する混合燃料エタノール割合の比率以上になるように決定されることとなる。
補足すると、本実施形態では、前記k_R1決定部23b、補正演算部23c、第2供給割合決定部24、および選択部25とによって、本発明における実供給割合決定手段が実現される。
次いで、前記エタノール要求噴射量決定部26に、内燃機関4の回転数NEの検出値および目標IMEPが内燃機関4の運転状態を表す指標として入力されると共に、上記の如く選択部25で決定された実エタノール供給割合Et_inj_rが入力される。そして、該エタノール要求噴射量決定部26は、これらの入力値から、前記エタノールの要求噴射量Et_injを決定する。この処理は例えば、次のように実行される。
すなわち、エタノール要求噴射量決定部26は、まず、回転数NEの検出値および目標IMEPから、あらかじめ定められたマップ(図示省略)により、目標IMEPを実現するために内燃機関4に供給すべき燃料全体の総発熱量を要求総発熱量として求め、その要求総発熱量を発生するために必要なエタノールの量を、エタノール要求総量Inj_allとして求める。該エタノール要求総量Inj_allは、上記要求総発熱量を、エタノールの低位発熱量により除算することで算出される。
そして、エタノール要求噴射量決定部26は、上記のようにして求めたエタノール要求総量Inj_allに、前記実エタノール供給割合Et_inj_rを乗じることによって、前記エタノール要求噴射量Et_injを算出する。
燃料噴射制御部21は、次に、前記ガソリン要求噴射量決定部27の処理と、前記演算部28の処理とを実行する。この場合、前記エタノール要求噴射量決定部26で算出されたエタノール要求噴射量Et_injとエタノール要求総量Inj_allとが、前記ガソリン要求噴射量決定部27に入力される。
そして、ガソリン要求噴射量決定部27は、入力されたエタノール要求噴射量Et_injとエタノール要求総量Inj_allとから次式(1)により、ガソリン要求噴射量Ga_injを算出する。

Ga_inj=((Inj_all−Et_inj)×エタノールの低位発熱量)/ガソリンの低位発熱量
……(1)

この式(1)の分子は、エタノール要求総量Inj_allに相当する前記要求総発熱量から、エタノール要求噴射量Et_injに相当する発熱量を差し引いた残余の発熱量を意味する。従って、その残余の発熱量を発生するために必要なガソリンの量が、ガソリン要求噴射量Ga_injとして算出される。
また、エタノール要求噴射量決定部26で算出されたエタノール要求噴射量Et_injと、前記エタノール濃度センサ16によるエタノール水溶液濃度EW_rの検出値とが前記演算部28に入力される。そして、該演算部28は、エタノール要求噴射量Et_injをエタノール水溶液濃度EW_rにより除算することによって、エタノール水溶液要求噴射量EW_injを求める。
なお、前記ガソリン要求噴射量Ga_injは、次のようにして決定してもよい。すなわち、前記要求総発熱量を発生するために必要なガソリンの量としてのガソリン要求総量を求め(要求総発熱量をガソリンの低位発熱量で除算する)、そのガソリン要求総量に、前記実エタノール供給割合Et_inj_rに対応するガソリンの供給割合(=100−Et_inj_r[%])を乗じることによって、ガソリン要求噴射量Ga_injを決定する。この場合には、ガソリン要求噴射量Ga_injをエタノール要求噴射量Et_injよりも先に決定するようにしてもよい。
以上のようにして、ガソリン要求噴射量Ga_injとエタノール水溶液要求噴射量EW_injとを算出した後、燃料噴射制御部21は、前記流量・時間変換部29,30の処理を実行する。
この場合、ガソリン要求噴射量Ga_injが流量・時間変換部29に入力される。そして、該流量・時間変換部29は、入力されたガソリン要求噴射量Ga_injから、あらかじめ定められたデータテーブルまたは所定の演算式に基づいて、前記ガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaを求める。また、エタノール水溶液要求噴射量EW_injが流量・時間変換部30に入力される。そして、該流量・時間変換部30は、入力されたエタノール水溶液要求噴射量EW_injから、あらかじめ定められたデータテーブルまたは所定の演算式に基づいて、前記エタノール用燃料噴射時間Ti_Etを求める。
燃料噴射制御部21は、このようにして決定したガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaおよびエタノール用燃料噴射時間Ti_Etに応じて、それぞれ燃料噴射弁5,6の動作を制御する。すなわち、燃料噴射弁5の開弁時間をガソリン用燃料噴射時間Ti_Gaに制御すると共に、燃料噴射弁6の開弁時間をエタノール用燃料噴射時間Ti_Etに制御する。なお、この場合、各燃料噴射弁5,6の開弁開始タイミングは、内燃機関4の回転数NEや目標IMEPなどの運転状態に応じて決定される。
かかる燃料噴射制御部21の制御処理によって、前記実エタノール供給割合Et_inj_rにより規定される供給割合で、エタノールおよびガソリンの燃料噴射が各燃料噴射弁5,6から行われることとなる。
次に、前記点火時期制御部22を説明する。図2を参照して、該点火時期制御部22は点火時期の基本値である基本点火時期IG_bを決定する基本点火時期決定部31と、該基本点火時期IG_bを遅角方向に補正するための遅角補正量ΔIGを決定する遅角補正量決定部32と、この遅角補正量ΔIGにより、基本点火時期IG_bを補正する補正演算部33とを備える。
そして、点火時期制御部22は、まず、基本点火時期決定部31の処理と遅角補正量決定部32の処理とを実行する。この場合、基本点火時期決定部31には、内燃機関4の運転状態を表す指標として、該内燃機関4の回転数NEの検出値と、前記目標IMEPとが入力されると共に、前記割合センサ14の出力としての前記混合燃料エタノール割合Et_rの検出値が入力される。そして、基本点火時期決定部31は、これらの入力項目の値から、あらかじめ定められたマップ(NE、目標IMEP、Et_rとIG_bとの関係を規定するマップ)に基づいて、基本点火時期IG_bを決定する。図6(a),(b)は、そのマップを例示するグラフである。
本実施形態では、混合燃料エタノール割合Et_rが前記“小”である場合と、前記“中”または“大”である場合とで各別に、回転数NEと目標IMEPと基本点火時期IG_bとの関係を規定するマップを用意した。図6(a)に例示するマップは、混合燃料エタノール割合Et_rが“小”である場合に対応するマップ、図6(b)に例示するマップは、混合燃料エタノール割合Et_rが、“中”または“大”である場合に対応するマップである。
この場合、図6(b)のマップは、任意のNEおよび目標IMEPの組に対して、基本点火時期IG_bがMBTとなるように設定されている。これは、混合燃料エタノール割合Et_rが、“中”または“大”である場合には、燃料噴射制御部21の制御処理で前記図3(b)または(c)に示したマップが使用され、分離タンク3内のエタノールの残量が前記下限値Q_Et(1)以上である限り、実エタノール供給割合Et_inj_rは、点火時期をMBTに設定しても内燃機関1のノッキングの発生を抑制し得る供給割合(≧第1エタノール供給割合Et_inj_r1)に決定されるためである。
そして、図6(a)のマップは、目標IMEPが所定値以上となる高負荷領域(内燃機関4の要求負荷が所定値以上となる高負荷領域)で、基本点火時期IG_bがMBTよりも遅角側の点火時期になるように設定されている。すなわち、混合燃料エタノール割合Et_rが、“小”である場合には、燃料噴射制御部21の制御処理で前記図3(a)に示したマップが使用されるため、分離タンク3内のエタノール(高オクタン価燃料)の残量が十分に有っても、混合燃料エタノール割合Et_rが“中”または“大”である場合よりも、実エタノール供給割合Et_inj_rが小さめの供給割合に設定される。このため、点火時期をMBTに設定すると、内燃機関4の運転状態が上記高負荷領域での運転状態である場合に、内燃機関1のノッキングが発生する恐れがある。そのために、図6(a)のマップを上記の如く設定している。
一方、遅角補正量決定部32には、前記k_R1決定部23bで決定された第1補正係数k_R1が入力される。そして、遅角補正量決定部32は、この第1補正係数k_R1から、次式(2)により、遅角補正量ΔIGを算出する。

ΔIG=Δb×(1−k_R1) ……(2)

ここで、式(2)の右辺のΔbは、実エタノール供給割合Et_inj_rを、前記エタノール基本供給割合Et_inj_rb以上の割合に決定したと仮定した場合に内燃機関1の効率が最大となる点火時期、すなわち、前記基本点火時期IG_bと、実エタノール供給割合Et_inj_rを“0”に決定したと仮定した場合(内燃機関4にエタノールの供給を行わなず、ガソリンだけを供給すると仮定した場合)に、ノッキングの発生を回避し得る点火時期(IG_bよりも遅角側の点火時期)との差分として設定される。なお、後者の点火時期は、回転数NEの検出値と目標IMEPとからマップなどに基づいて求められる。
従って、式(2)により算出される遅角補正量ΔIGは、第1補正係数k_R1が“1”である場合には、“0”に設定され、k_R1<1である場合には、遅角方向の補正量に設定される。
上記のように決定された基本点火時期IG_bと、遅角補正量ΔIGとが前記補正演算部33に入力される。そして、該補正演算部33は、基本点火時期IG_bから遅角補正量ΔIGを減算することにより、点火時期IGを決定する。
点火時期制御部22は、このようにして決定した点火時期IGに応じて、内燃機関4の各気筒毎に図示しない点火装置の放電タイミングを制御する。
以上が本実施形態における前記燃料噴射制御部21および点火時期制御部22の制御処理の詳細である。
かかる本実施形態では、燃料噴射制御部21の制御処理が前記した如く実行されるので、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記下限値H_FL(1)と上限値H_FL(2)との間の範囲に存する状態、すなわち、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ好適な範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]に存する状態では、内燃機関4の運転状態と前記メインタンク2内の混合燃料の混合割合とに応じて前記した如く決定されるエタノール基本供給割合Et_inj_rbが、実エタノール供給割合Et_inj_rとして決定される。従って、実エタノール供給割合Et_inj_rと実ガソリン供給割合Ga_inj_rbとの比率が、混合燃料エタノール含有割合Et_rと混合燃料ガソリン割合Ga_rとの比率から大きく乖離した状態で、内燃機関4の運転が行われる頻度を少なくできる。そのため、分離タンク3内のエタノール水溶液およびガソリンのそれぞれの残量が、好適な範囲に維持されやすくなり、いずれか一方の燃料の過不足が生じるのを極力防止することができる。
さらに、このように、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量およびガソリンの残量がそれぞれ好適な範囲[Q_Et(1)、Q_Et(2)]、[Q_Ga(2)、Q_Ga(1)]に存する状態では、前記混合燃料エタノール含有割合Et_rが“小”である場合における実エタノール供給割合Et_inj_r(=Et_inj_rb)は、該Et_rが“中”または“大”である場合における実エタノール供給割合Et_inj_r(=Et_inj_rb)よりも少なめの供給割合となるため、内燃機関4のノッキングが生じる恐れがある。しかるに、この状況では、点火時期制御部22の前記した制御処理によって、実際の点火時期IGが、前記図6(a)または(b)に示したマップに従って決定される前記基本点火時期IG_bに決定される。このため、内燃機関4の運転状態(回転数NEおよび目標IMEP)を一定に維持した場合、前記混合燃料エタノール含有割合Et_rが“小”である場合に決定される点火時期IGは、該Et_rが“中”または“大”である場合に決定される点火時期IGよりも遅角側の点火時期となる。これにより、混合燃料エタノール含有割合Et_rが“小”である場合に内燃機関4のノッキングが発生するのが防止される。
また、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記下限値H_FL(1)よりも小さくなり、分離タンク3内のエタノールの残量が不足気味になると共に、ガソリンの残量がエタノールの残量に対して過剰気味になると、実エタノール供給割合Et_inj_rは、エタノール基本供給割合Et_inj_rbよりも小さい割合(Et_inj_r×k_R1)に決定されると共に、実ガソリン供給割合Et_inj_rは、ガソリン基本供給割合Ga_int_rb(=100−Et_inj_r[%])に決定される。このため、内燃機関4の運転に伴う分離タンク3内のエタノール水溶液の消費を抑制しつつ、ガソリンの消費が促進され、ひいては、分離タンク3内のエタノールの残量がさらに減少したり、あるいは、ガソリンの残量がさらに多くなるのが防止される。その結果、内燃機関4のノッキングの発生の防止などのために、エタノールを内燃機関4に供給することが好ましい状況で、該エタノールの供給を行うことができなくなるような事態が発生するのを極力防止することができる。
さらに、このように分離タンク3内のエタノールの残量が不足気味になると共に、ガソリンの残量がエタノールの残量に対して過剰気味になった状態では、実エタノール供給割合Et_inj_rが、エタノール基本供給割合Et_inj_rbよりも小さい割合に決定されることから、混合燃料エタノール含有割合Et_rが“小”、“中”、“大”のいずれの場合でも、内燃機関4のノッキングが発生する恐れがある。しかるに、この状況では、前記第1補正係数k_R1“1”よりも小さい値に設定されることから、実際の点火時期IGが、前記式(2)によって、基本点火時期IG_bよりも遅角側の点火時期に決定される。これにより、内燃機関4のノッキングの発生を防止することができる。
また、分離タンク3内の界面高さH_FLが前記上限値H_FL(2)よりも大きくなり、分離タンク3内のガソリンが不足気味になると共に、エタノール水溶液の残量がガソリンの残量に比して過剰気味になると、実エタノール供給割合Et_inj_rは、エタノール基本供給割合Et_inj_rb以上の割合に決定される。特に、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量が、界面高さH_FLの前記所定値H_FL(max)に対応する残量以上の残量になると共に、ガソリンの残量が、該所定値H_FL(max)に対応する残量以下の残量になると、実エタノール供給割合Et_inj_rは、混合燃料エタノール割合Et_rの検出値と同じ割合と、前記エタノール基本供給割合Et_inj_rbとのうちの大きい方の割合に決定される。このため、フィードポンプ7から供給されるエタノール、水、およびガソリンの混合液によって、速やかに分離タンク3内のエタノール水溶液の残量を減少させつつ、ガソリンの残量を増加させることができる。ひいては、内燃機関4の低負荷運転時など、ガソリンを内燃機関4に供給することが好ましい状況で、該ガソリンの供給を行うことができなくなるような事態が発生するのを極力防止することができる。
以上のようにして、本実施形態によれば、分離タンク3内のエタノール水溶液の残量とガソリンの残量とが不均衡になるのを防止しつつ、内燃機関4をノッキングの発生を防止し得る運転状態で効率よく運転させることができる。
ここで、図7は、本実施形態の内燃機関4の負荷(IMEP)と効率との関係を実線で例示するグラフである。なお、同図中の破線のグラフは、内燃機関4に供給する燃料をガソリンのみにした場合の比較例を例示している。同図に示す如く、本実施形態によれば、内燃機関4にエタノールが適切に供給されるため、中負荷、高負荷領域における内燃機関4の運転状態において、該内燃機関4のノッキングの発生を適切に防止しつつ、該内燃機関4の効率をガソリンのみを使用した場合(比較例)よりも高めることができる。
また、図8(a),(b),(c)は、本実施形態の効果の一例を説明するためのグラフである。図8(a)は、本実施形態における内燃機関4の目標IMEP(要求負荷)と点火時期の経時変化の例をそれぞれ実線、破線のグラフで示している。また、図8(b)は、本実施形態における内燃機関4のエタノール噴射量(前記エタノール要求噴射量Et_inj)と分離タンク3内のエタノール残量の経時変化の例をそれぞれ実線、破線のグラフで示している。さらに、図8(c)は、本実施形態において分離タンク3内の界面高さH_FLに応じてエタノールおよびガソリンの供給割合を制御することを省略した場合(これは、前記第1補正係数k_R1、第2補正係数k_R2をそれぞれ強制的に“1”、“0”に維持した場合に相当する)の比較例におけるエタノール噴射量と分離タンク3内のエタノール残量の経時変化の例、それぞれ実線、破線のグラフで示している。
図8(a)の実線のグラフで示すように内燃機関4の目標IMEPを変化させたとき、上記比較例では、図8(c)の破線のグラフで示すように、分離タンク3内のエタノールの残量が“0”にまで低下してしまう。そして、以後は、エタノール噴射量が“0”になり、内燃機関4にエタノールを供給することができなくなる。これに対して、本実施形態では、分離タンク3内のエタノールの残量がある程度少なくなると、エタノール噴射量が減少され、エタノールの残量が“0”にまで低下してしまうのが防止される。また、本実施形態では、このようにエタノール噴射量が少なくなると、図8(a)に示すように、目標IMEPが一定であっても、点火時期が遅角側に制御され、その結果、内燃機関4のノッキングの発生が防止される。
なお、以上説明した実施形態では、第1燃料をエタノール、第2燃料をガソリンとしたが、第1燃料をガソリン、第2燃料をエタノールとしてよい。
また、前記実施形態では、ガソリンおよびエタノール水溶液を単一の分離タンク3内に収容するようにしたが、これらのガソリンおよびエタノール水溶液を、分離後に、各別のタンクに収容するようにしてもよい。その場合には、前記フロートセンサ15の代わりに、ガソリンの残量とエタノールの残量とを各別に検出するセンサを備えるようにすればよい。さらに、混合燃料からの2種類の燃料の分離は、本実施形態に示した手法以外の手法で行うようにしてもよい。
また、混合燃料を組成する2種類の燃料は、エタノールとガソリンとの組み合わせに限られるものではない。例えば、ガソリンの代わりに、ナフサ、もしくは灯油、もしくは軽油を含有する混合燃料を使用してもよい。また、エタノールの代わりに、メタノールなどアルコールを含有する混合燃料を使用してもよい。
本発明の一実施形態の燃料供給システムの全体構成を概略的に示す図。 図1の燃料供給システムに備えた制御ユニット(ECU)の制御処理機能を示すブロック図。 図3(a),(b),(c)は、図2に示すエタノール基本供給割合決定部23aの処理で用いるマップを例示するグラフ。 図2に示すk_R1決定部23bの処理で使用するデータテーブルを例示するグラフ。 図2に示すk_R2決定部24aの処理で使用するデータテーブルを例示するグラフ。 図6(a),(b)は、図2に示す基本点火時期決定部31の処理で使用するマップを例示するグラフ。 実施形態の効果を説明するためのグラフ。 図8(a),(b),(c)は、実施形態の効果を説明するためのグラフ。
符号の説明
1…燃料供給システム、2…メインタンク(混合燃料収容タンク)、3…分離タンク(分離燃料収容タンク)、4…内燃機関、5,6…燃料噴射弁、14…割合センサ(混合燃料割合検出手段)、15…フロートセンサ(分離燃料残量検出手段)、17…制御装置、21…燃料噴射制御部(燃料供給制御手段)、22…点火時期制御部(点火時期制御手段)、23a…エタノール基本供給割合決定部(基本供給割合設定手段)、23b…k_R1決定部(実供給割合決定手段)、23c…補正演算部(実供給割合決定手段)、24…第2供給割合決定部(実供給割合決定手段)、25…選択部(実供給割合決定手段)。

Claims (6)

  1. オクタン価が異なる2種類の燃料である第1燃料および第2燃料を混合してなる混合燃料を収容する混合燃料収容タンクと、該混合燃料収容タンク内の混合燃料から分離された前記2種類の燃料を収容する分離燃料収容タンクとを備え、該分離燃料収容タンクから前記2種類の燃料を内燃機関に供給する燃料供給システムにおいて、
    前記混合燃料収容タンク内の混合燃料における前記2種類の燃料のそれぞれの含有割合に応じた出力を発生する混合燃料割合検出手段と、
    前記分離燃料収容タンク内の前記2種類の燃料のそれぞれの残量に応じた出力を発生する分離燃料残量検出手段と、
    前記内燃機関に供給する燃料全体に対する前記2種類の燃料のそれぞれの供給割合を、前記混合燃料割合検出手段の出力と前記分離燃料残量検出手段の出力とに応じて変化させるように該内燃機関への前記2種類の燃料のそれぞれの供給量を制御する燃料供給制御手段とを備えたことを特徴とする燃料供給システム。
  2. 請求項1記載の燃料供給システムにおいて、前記燃料供給制御手段は、前記内燃機関の要求負荷および回転数を少なくとも含む該内燃機関の運転状態と前記混合燃料割合検出手段の出力とに応じて前記内燃機関に供給する前記2種類の燃料のそれぞれの基本供給割合を規定する基本供給割合規定パラメータを設定する基本供給割合設定手段と、少なくとも該基本供給割合設定手段により設定された基本供給割合規定パラメータと前記分離燃料残量検出手段の出力とに基づいて前記内燃機関に実際に供給する前記2種類の燃料の供給割合を決定する実供給割合決定手段とを備え、
    前記基本供給割合設定手段は、前記混合燃料割合検出手段の出力により示される前記メインタンク内の混合燃料における第2燃料の含有割合に対する第1燃料の含有割合の比率が大きいほど、前記第1燃料の基本供給割合を大きくすると共に前記第2燃料の基本供給割合を小さくするように、前記基本供給割合規定パラメータを設定し、
    前記実供給割合決定手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記2種類の燃料のそれぞれの残量が所定範囲内に存する状態では、前記基本供給割合規定パラメータにより規定される前記2種類の燃料のそれぞれの基本供給割合を前記内燃機関に実際に供給する前記2種類の燃料の供給割合として決定することを特徴とする燃料供給システム。
  3. 請求項2記載の燃料供給システムにおいて、前記実供給割合決定手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が該第1燃料に対応する前記所定範囲の下限値よりも小さく、且つ前記第2燃料の残量が該第2燃料に対応する前記所定範囲の上限値よりも大きい状態では、前記内燃機関に実際に供給する前記第1燃料の供給割合を該第1燃料に対応する前記基本供給割合よりも小さい供給割合に決定すると共に前記第2燃料の供給割合を該第2燃料に対応する前記基本供給割合よりも大きい供給割合に決定することを特徴とする燃料供給システム。
  4. 請求項2または3記載の燃料供給システムにおいて、前記実供給割合決定手段は、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が前記所定範囲の上限値以上の所定値よりも大きく、且つ、前記第2燃料の残量が前記所定範囲の下限値よりも小さい状態では、前記内燃機関に実際に供給する前記第1燃料の供給割合を、前記混合燃料割合検出手段の出力により示される前記メインタンク内の混合燃料における前記第1燃料の含有割合と、該第1燃料に対応する前記基本供給割合とのうちの大きい方の割合に決定すると共に、前記内燃機関に供給する燃料全体から該第1燃料を差し引いた残余の燃料の供給割合を前記第2燃料の供給割合として決定することを特徴とする燃料供給システム。
  5. 請求項2記載の燃料供給システムにおいて、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記2種類の燃料のそれぞれの残量が前記所定範囲内に存する状態で、前記混合燃料割合検出手段の出力により示される前記第1燃料の含有割合と第2燃料の含有割合とのうち、オクタン価がより高い高オクタン価燃料の含有割合が、所定値以下である場合には、前記内燃機関の運転状態が所定の高負荷領域での運転状態である場合に、該内燃機関に供給する燃料の点火時期を、該高オクタン価側の燃料の含有割合が所定値以下である場合よりも、遅角側の点火時期に制御する点火時期制御手段を備えることを特徴とする燃料供給システム。
  6. 請求項3記載の燃料供給システムにおいて、前記第1燃料は、第2燃料よりもオクタン価が高い高オクタン価燃料であり、少なくとも前記分離燃料残量検出手段の出力により示される前記第1燃料の残量が該第1燃料に対応する前記所定範囲の下限値よりも小さく、且つ前記第2燃料の残量が該第2燃料に対応する前記所定範囲の上限値よりも大きい状態では、該内燃機関に供給する燃料の点火時期を、前記2種類の燃料のそれぞれの残量が前記所定範囲内に存する状態での点火時期よりも遅角側の点火時期に制御する点火時期制御手段を備えることを特徴とする燃料供給システム。
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