JP2008196382A - 内燃機関の燃料分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】混合燃料を炭化水素系燃料とアルコールとに分離させる燃料分離装置において、混合燃料の分離に使用する水の搭載量を少なくすることと水の補給頻度を低減することとを共に実現し、それにより混合燃料を使用する内燃機関の実用性を高める。
【解決手段】水を蓄えた水貯留部16と、水貯留部16内の水を混合燃料に添加して炭化水素系燃料と水/アルコール混合液とに分離させる第1の分離部24と、第1の分離部24から回収した水/アルコール混合液を水とアルコールとに分離させる第2の分離部36とを備え、第2の分離部36から回収した水を水貯留部16へ戻すようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガソリン等の炭化水素系燃料とアルコールとが混合した混合燃料を使用可能な内燃機関において混合燃料を炭化水素系燃料とアルコールとに分離させる燃料分離装置に関する。
従来、ガソリンとエタノール等のアルコールとが混合した混合燃料を使用する内燃機関が知られている。以下の特許文献1乃至3には、そのような内燃機関であって、混合燃料からガソリン或いはアルコールを取り出し、取り出したガソリン或いはアルコールを単独で使用するものについて開示されている。
特許文献1乃至3において混合燃料からガソリン或いはアルコールを取り出すための手段としては水が用いられている。内燃機関で使用されるアルコールは水に溶解しやすい低分子量のアルコールである。このため、混合燃料に水を添加すると、混合燃料中に分散しているアルコールは水に溶解し、混合燃料はガソリンと水/アルコール混合液とに相分離する。水/アルコール混合液はガソリンよりも比重が大きいので、容器の下部からは水/アルコール混合液を取り出すことができ、また、容器の上部からはガソリンを取り出すことができる。
特公平3−43458号公報 特開2006−257907号公報 特開平7−19124号公報 特開2006−144736号公報
しかしながら、特許文献1乃至3に記載の技術を自動車に適用する場合、現実の運用面において問題が生じる。それは、混合燃料の分離に使用する水の確保である。使用する水はタンクに蓄えておくことになるが、タンクの容量が小さいと頻繁な水補給が必要となってしまう。燃料の補給とは別に頻繁な水の補給も強いることは、ユーザに大きな負担をかけることになる。一方、水の補給頻度を下げるためにタンクの容量を大きくすると、車両の重量が増大することとなって燃費性能を悪化させてしまう。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、混合燃料を炭化水素系燃料とアルコールとに分離させる燃料分離装置において、混合燃料の分離に使用する水の搭載量を少なくすることと水の補給頻度を低減することとを共に実現し、それにより混合燃料を使用する内燃機関の実用性を高めることにある。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、炭化水素系燃料とアルコールとが混合した混合燃料を使用する内燃機関において混合燃料を炭化水素系燃料とアルコールとに分離させる燃料分離装置であって、
水を蓄えた水貯留部と、
前記水貯留部内の水を混合燃料に添加して炭化水素系燃料と水/アルコール混合液とに分離させる第1の分離部と、
前記第1の分離部から回収した水/アルコール混合液を水とアルコールとに分離させる第2の分離部とを備え、
前記第2の分離部から回収した水は前記水貯留部へ戻されることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記水貯留部内の水の貯留量を監視し、貯留量が所定量を下回ったときには所定の信号を出力する貯留量監視手段をさらに備えたことを特徴としている。
また、第3の発明は、炭化水素系燃料とアルコールとが混合した混合燃料を使用可能な内燃機関において、
水を蓄えた水貯留部と、
前記水貯留部内の水を混合燃料に添加して炭化水素系燃料と水/アルコール混合液とに分離させる第1の分離部と、
前記第1の分離部から回収した水/アルコール混合液を水とアルコールとに分離させる第2の分離部と、
前記第2の分離部で得られたアルコールによるストイキ運転を行い、前記ストイキ運転時の実際のアルコール噴射量と吸入空気量から計算されるストイキアルコール噴射量との比較に基づいて、前記第2の分離部で得られたアルコールに含まれる水分の割合を計算する水分割合計算手段と、
前記水分割合計算手段で計算された水分割合に応じて、燃料としてのアルコールの使用規則を変更するアルコール使用規則変更手段と、
を備えることを特徴としている。
第4の発明は、第3の発明において、
前記アルコール使用規則変更手段は、混合燃料及び/又は前記第1の分離部で得た炭化水素系燃料と前記第2の分離部で得られたアルコールとによるリーンバーン運転時において、前記水分割合計算手段で計算された水分割合が所定値を超える場合にはアルコールの使用を禁止若しくは制限することを特徴としている。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、
前記アルコール使用規則変更手段は、混合燃料及び/又は前記第1の分離部で得た炭化水素系燃料と前記第2の分離部で得られたアルコールとによるストイキ運転時において、前記水分割合計算手段で計算された水分割合が所定値を超える場合には高負荷域でのアルコールの使用割合を増大させることを特徴としている。
第6の発明は、第3乃至第5の何れか1つの発明において、
前記水分割合計算手段で計算された水分割合が所定値を超える場合には混合燃料の分離を禁止する分離禁止手段をさらに備えたことを特徴としている。
第7の発明は、第3乃至第6の何れか1つの発明において、
前記水分割合計算手段で計算された水分割合が所定値を超えたときに所定の信号を出力する水分割合監視手段をさらに備えたことを特徴としている。
第1の発明によれば、混合燃料の分離に使用した水をアルコールから分離回収し、再び混合燃料の分離に使用することができるので、車両に搭載する水の量は少なくてよい。また、水は繰り返し使用することができるので、水を消費してしまう従来の装置に比較して水を補給する頻度は極めて少なく抑えられる。さらに、燃料であるアルコールを水と分離して使用できることから、噴射燃料に水が混じることによる燃焼の悪化を防止することもできる。
第2の発明によれば、水の補給が必要になったら信号が出力されるので、ユーザが水の補給時期を知ることができる。
第3の発明によれば、第2の分離部での水/アルコール混合液の分離精度によってはアルコールには水分が含まれるが、その水分割合に応じて燃料としてのアルコールの使用規則が変更されるので、アルコールの燃料性状に応じた最適な燃焼制御を実現することができる。
第4発明によれば、アルコールに含まれる水分の影響でリーンバーン運転時の燃焼状態が悪化することを前もって防止することができる。
第5の発明によれば、アルコールに含まれる水分の冷却効果によって筒内温度を低下させることができ、高負荷時のノックを改善することができる。
第6の発明によれば、アルコールに含まれる水分割合が大きくなったときには混合燃料の分離が禁止され、水分を多量に含んだアルコールの使用は停止されるので、水の影響で内燃機関の運転が不調若しくは不能になることを防止することができる。
第7の発明によれば、アルコールに含まれる水分割合が大きくなったときには信号が出力されるので、ユーザが第2の分離部の故障を知ることができる
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[燃料分離装置の構成]
図1は本発明の実施の形態としての燃料分離装置とそれを用いたエンジンシステムの構成を示す図である。本実施の形態の燃料分離装置は、燃料としてエタノール等のアルコールが混合したガソリンを使用可能な内燃機関60に適用されている。本実施の形態にかかる内燃機関60は、アルコール混合ガソリンを噴射するための噴射弁62とアルコールを噴射するための噴射弁64とを別々に備えたバイフューエルエンジンとして構成されている。
図1に示すように、燃料分離装置は主燃料タンク2を備えている。主燃料タンク2には外部から燃料を供給するための燃料供給口4が接続されている。燃料供給口4からはアルコール混合ガソリンが供給され、主燃料タンク2内にはアルコール混合ガソリンが貯留されている。主燃料タンク2には導管6が接続されている。導管6にはポンプ8が設けられ、ポンプ8は主燃料タンク2内のアルコール混合ガソリンを導管6に送り出している。
導管6の先端には切替弁10が取り付けられている。この切替弁10は2つの出口ポートを有する三方弁であり、各出口ポートには導管12,14が接続されている。その一方の導管12はその先端を内燃機関60のアルコール混合ガソリン噴射弁62に接続されている。もう一方の導管14はその先端を相分離タンク24に接続されている。
相分離タンク24の上部には、導管18を介して水タンク16が接続されている。水タンク16は本発明にかかる「水貯留部」に相当する。水タンク16は相分離タンク24よりも高い位置にあって、水タンク16内の水は導管18を通って自然に相分離タンク24内に流れ込むようになっている。導管18には調整弁20が設けられている。導管18を通って相分離タンク24に供給される水の量は、調整弁20の開度及び開時間によって調整することができる。
アルコール混合ガソリンに水が添加されると、アルコール混合ガソリンはガソリンと水/アルコール混合液とに相分離する。ガソリンと水/アルコール混合液との比重の違いによって、相分離タンク24内の液体は、ガソリンの層(上層)と水/アルコール混合液の層(下層)とに分かれる。相分離タンク24は本発明にかかる「第1の分離部」に相当する。
相分離タンク24の内部には、導管26が配置されている。導管26の吸込み口は相分離タンク24の中程の高さに位置し、その先端は相分離タンク24の壁面を介して外部の導管28に接続されている。導管28はその先端を主燃料タンク2に接続されている。導管28にはポンプ30が設けられ、ポンプ30は相分離タンク24の上層の液体、すなわち、ガソリンを主燃料タンク2に送り出している。
また、相分離タンク24の底部には、導管32が接続されている。導管32はその先端を水/アルコール分離装置36に接続されている。導管32にはポンプ34が設けられ、ポンプ34は相分離タンク24の下層の液体、すなわち、水/アルコール混合液を水/アルコール分離装置36に送り出している。
水/アルコール分離装置36は、分離膜を利用して水/アルコール混合液を水とアルコールとに分離する装置である。水/アルコール分離装置36は本発明にかかる「第2の分離部」に相当する。水/アルコール分離装置36には、分離した水を排出するポートと、分離したアルコールを排出するポートとが設けられている。水の排出ポートには導管38が接続されている。この導管38はその先端を水タンク16に接続されている。一方、アルコールの排出ポートには導管40が接続されている。この導管40はその先端をアルコールタンク42に接続されている。
アルコールタンク42には水/アルコール分離装置36で分離されたアルコールが貯留されている。アルコールタンク42には導管44が接続されている。導管44はその先端を内燃機関60のアルコール噴射弁64に接続されている。導管44にはポンプ46が設けられ、ポンプ46はアルコールタンク42内のアルコールをアルコール噴射弁64に送り出している。
燃料分離装置には、その動作を制御するための制御装置50が設けられている。切替弁10の切替方向や調節弁20の開度、及びポンプ30,34の作動/停止は、この制御装置50によって制御されている。また、制御装置50は、車室内に配置された警報灯56に信号を出力する機能も有している。
制御装置50にはアルコール濃度センサ52や水位センサ54が接続されている。アルコール濃度センサ52は主燃料タンク2に取り付けられ、主燃料タンク2内に貯留された燃料のアルコール濃度に応じた信号を出力している。水位センサ54は水タンク16に取り付けられ、水タンク16内の水位に応じた信号を出力している。制御装置50は、これらセンサ52,54の信号を利用して燃料分離装置の動作を制御している。
[燃料分離装置の動作と作用]
次に、本実施の形態での燃料分離装置の動作とその作用について具体的に説明する。まず、制御装置50は、アルコール濃度センサ52の信号から主燃料タンク2内に貯留された燃料がアルコール混合ガソリンか、或いは、通常のガソリンであるか判定する。アルコール混合ガソリンであると判断した場合は、所定の切替条件の成立時、切替弁10を操作して導管6を導管14に連通させる。この切替条件には、内燃機関60にてアルコール混合ガソリンが使用されていないことが含まれる。切替弁10の操作により、ポンプ8によって送り出されたアルコール混合ガソリンは相分離タンク24に供給される。アルコール混合ガソリンの相分離タンク24への供給量が所定量に達した時点で、制御装置50は再び切替弁10を操作し、導管6を導管12に連通させる。
次に、制御装置50は、調整弁20を操作して水タンク16の水を相分離タンク24内に供給する。水の供給量は、アルコール混合ガソリンの供給量やその濃度に応じて、アルコール混合ガソリンからのアルコールの分離に十分な量に調整する。アルコール混合ガソリンに水を添加することで、ガソリン中に分散しているアルコールは水に溶解し、水/アルコール混合液となって相分離タンク24の底に沈殿する。これにより、相分離タンク24内の液体は、比重の軽いガソリンの層と、比重が重い水/アルコール混合液の層とに分離する。
制御装置50は、ガソリンと水/アルコール混合液とが完全に2層に分離したタイミングでポンプ30,34を作動させる。ポンプ30を作動させることで、相分離タンク24内の上層にあるガソリンは導管26,28を通って主燃料タンク2に戻される。一方、相分離タンク24内の下層にある水/アルコール混合液は導管32を通って水/アルコール分離装置36に供給される。
水/アルコール分離装置36では、分離膜の作用によって水/アルコール混合液は水とアルコールとに分離される。分離されたアルコールはポンプ34の圧力によって導管40に押しされ、導管40を通ってアルコールタンク42に供給される。一方、分離された水はポンプ34の圧力によって導管38に押しされ、導管38を通って再び水タンク16に戻される。水タンク16内の水の貯留量は、水位センサ54と制御装置50とによって監視されている。制御装置50は、水の貯留量が所定量を下回ったときには、警告灯56に信号を出力して警告灯56を点灯させる。
[燃料分離装置の効果]
以上の説明からも明らかなように、本実施の形態の燃料分離装置によれば、アルコール混合ガソリンの分離に使用した水をアルコールから分離回収し、再びアルコール混合ガソリンの分離に使用することができる。したがって、大量の水を車両に搭載する必要はなく、水タンク16は容積の小さなもので足りる。また、水は繰り返し使用することができるので、水を消費してしまう従来の装置に比較して水を補給する頻度は極めて少なく抑えられる。さらに、燃料であるアルコールを水と分離して使用できることから、噴射燃料に水が混じることによる燃焼の悪化を防止することもできる。
なお、本実施の形態の燃料分離装置では水の積極的な消費はないものの、蒸発などによる水の自然減は起こり得る。また、相分離タンク24において一部の水/アルコール混合液が導管26に吸い込まれて主燃料タンク2へ流れてしまう可能性もある。また、水/アルコール分離装置36において一部の水がアルコールとともにアルコールタンク42へ流れてしまう可能性もある。したがって、運転に伴って水タンク16内の水の貯流量は僅かながら減少していくが、水の補給が必要になったら警告灯56が点灯するので、ユーザは水の補給時期を知ることができる。
[内燃機関の燃焼制御]
次に、図1に示すエンジンシステムにおいて実施される内燃機関60の燃焼制御の一例について説明する。上述のように、本実施の形態の燃料分離装置によれば、分離膜を用いた水/アルコール分離装置36によって燃料であるアルコールを水と分離して使用することができる。しかし、分離膜の機能は使用に伴って徐々に低下する。このため、分離膜の機能の低下によってアルコールタンク42に水分が流れこみ、水分を含んだアルコールがアルコール噴射弁64から噴射される可能性がある。以下に説明する内燃機関60の燃焼制御は、アルコールに水分が含まれる場合において、アルコールタンク42内のアルコールを効果的に使用するための燃焼制御である。
図2のフローチャートは、本実施の形態で実施される内燃機関60の燃焼制御のルーチンを示している。内燃機関60の燃焼制御は、制御装置50によって実施される。図2に示すルーチンでは、内燃機関60の燃焼制御と併せて燃料分離装置の分離禁止/許可の制御も行われる。
図2に示すルーチンの最初のステップS2では、燃料分離装置による燃料分離が禁止状態か否か判定される。燃料分離禁止フラグがONになっていれば、燃料分離装置による燃料分離は禁止される。初期状態では燃料分離禁止フラグはOFFであり、後述する条件の成立によってONにされる。
燃料分離禁止フラグがOFFであれば、ステップS4に進んで燃料分離装置による燃料分離が実行される。まず、アルコール混合ガソリンが主燃料タンク2から相分離タンク24に供給され、それと同時に或いはそれに続いて、水タンク16の水が相分離タンク24内に供給される。アルコール混合ガソリンに水を添加することで、ガソリン中に分散しているアルコールは水に溶解し、水/アルコール混合液となって相分離タンク24の底に沈殿する。続いて、相分離タンク24内の下層にある水/アルコール混合液を水/アルコール分離装置36に供給し、分離膜の作用によって水/アルコール混合液を水とアルコールとに分離させる。なお、以上説明した燃料分離装置の燃料分離動作は、所定の実施条件が成立したときに実施される。
ステップS6では、分離膜による水/アルコール混合液の分離が完了したか否か判定される。ただし、分離の完了を判定する基準には限定はない。例えば、ポンプ30,34の作動によって相分離タンク24内の液体の量が所定量まで減少した時点を分離完了時点とみなしてもよい。或いは、所定量のアルコールが得られた時点を分離完了時点とみなしてもよい。分離が完了するまでは以降のステップの処理は行われない。
分離膜による水/アルコール混合液の分離が完了したら、ステップS8の処理が実施される。ステップS8では、アルコールタンク42内のアルコールのみを用いて内燃機関60のストイキ運転が実施される。このストイキ運転では、スロットル開度は所定の一定開度に設定される。そして、図示しない排気ガスセンサ(空燃比センサ、或いは酸素濃度センサ)の出力信号に基づくフィードバック制御により、排気ガスの空燃比がストイキになるようにアルコール噴射弁64のアルコール噴射量が調整される。フィードバック制御によってアルコール噴射量が一定値に収束したら、その値をメモリに記憶する。
次のステップS10では、ストイキ運転の結果からアルコールタンク42内のアルコールに含まれる水分の割合が計算される。アルコールに水分が含まれる場合、空燃比をストイキにするために必要なアルコール噴射量は、完全な無水アルコールを使用する場合のアルコール噴射量に比較して含まれる水の分だけ多くなる。したがって、実際のアルコール噴射量をQf、無水アルコールを使用する場合のアルコール噴射量をQeとすると、水分割合Rwは次の(1)式によって表すことができる。なお、無水アルコールを使用してストイキを実現する場合のアルコール噴射量Qeは、吸入空気量から計算することができる。
Rw = 1−Qe/Qf ・・・(1)
図3はストイキ時のアルコール噴射量Qfと水分割合Rwとの関係を示している。制御装置50には、この関係がマップデータとして記憶されている。ステップS8でメモリに記憶したアルコール噴射量の値を図3に示すマップに当てはめることで、アルコールタンク42内のアルコールの水分割合を算出することができる。
以下のステップでは、ステップS10で計算されたアルコールの水分割合に応じて、燃料としてのアルコールの使用規則の変更が行われる。まず、ステップS12では、アルコールの水分割合が所定値αよりも大きいか否か判定される。アルコールの水分割合が所定値α以下の場合、つまり、アルコールへの水分の混入が極僅かの場合には、通常の使用規則に従ってアルコールタンク42内のアルコールが使用される。ここでいう通常の使用規則とは、アルコールに水分が含まれていない前提での使用規則、つまり、アルコール本来のポテンシャルを発揮させるための使用規則である。
水分割合が所定値αよりも大きい場合には、続いて、ステップS14の判定が実施される。ステップS14では、アルコールの水分割合が所定値βよりも小さいか否か判定される。所定値βは所定値αよりも大きい値である。本実施の形態にかかる内燃機関60の燃焼制御では、アルコールの水分割合が所定値αを超える場合であっても所定値βを超えていなければ、アルコールタンク42内のアルコールを燃料として使用する。ただし、上述のように、その使用規則は次のように変更する。
ステップS16では、現時点或いはこれからの内燃機関60の運転域がリーンバーン運転を行う運転域か否か判定される。通常の使用規則に従えば、リーンバーン運転域では二つの噴射弁62,64がともに駆動されてアルコール混合ガソリンとアルコールとが燃料として使用される。しかし、アルコールに含まれる水分が多いとリーンバーン運転時の燃焼状態が悪化し、燃焼変動に伴うトルク変動や排気性能の悪化を招く可能性がある。図4には水分がリーンバーン運転時の燃焼状態に与える影響を示している。
そこで、アルコールの水分割合が所定値αからβの範囲にあって、且つ、リーンバーン運転域では、ステップS18の処理が選択される。ステップS18では、リーンバーン運転域でのアルコールの噴射が禁止され、アルコール混合ガソリンのみによるリーンバーン運転に切り替えられる。この処理により、水分の影響によるリーンバーンの悪化を前もって防止することができる。
内燃機関60の運転域がリーンバーン運転域でない場合は、続いてステップS20の判定が行われる。ステップS20では、現時点或いはこれからの内燃機関60の運転域がストイキ運転を行う運転域であって、且つ、高負荷域か否か判定される。通常の使用規則に従えば、ストイキ運転域では二つの噴射弁62,64がともに駆動されてアルコール混合ガソリンとアルコールとが燃料として使用される。図4からも分かるように、ストイキ運転の場合、水分が燃焼状態に与える影響はリーンバーンに比較して小さい。寧ろ、アルコールに水分が含まれている場合には、高負荷時において水分による冷却効果が期待できる。図5にはアルコールの水分割合とノック改善効果との関係について示している。
そこで、アルコールの水分割合が所定値αからβの範囲にあり、ストイキ且つ高負荷域では、ステップS22の処理が選択される。ステップS22では、アルコールの使用割合、つまり、総燃料噴射量に対するアルコール噴射量の割合が通常の使用規則による使用割合よりも増大側に補正される。この処理により、アルコールに含まれる水分の冷却効果によって筒内温度を低下させることができ、高負荷時のノックを改善することが可能になる。なお、ストイキ運転域ではあるが高負荷域ではない場合には、通常の使用規則に従ってアルコールの使用割合が決定される。
ステップS14の判定の結果、アルコールの水分割合が所定値β以上となっている場合、つまり、アルコールへの水分の混入が多大になった場合には、分離膜の機能の低下が著しいと判断することができる。その場合には、ステップS24及びステップS26の処理が選択される。ステップS24では、上述の燃料禁止フラグがオンにされる。これにより、それ以降の燃料分離装置による燃料分離は禁止され、水分を多く含んだアルコールが燃料として製造されることは停止される。また、ステップS26では、警告灯56に信号を出力して警告灯56を点灯させる。警告灯56が点灯することで、ユーザは水/アルコール分離装置36の故障を知ることができる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる内燃機関60の燃焼制御によれば、アルコールに含まれる水分の割合に応じて、燃料としてのアルコールの使用規則を変更することができる。これによれば、水/アルコール分離装置36における水とアルコールとの分離が完全ではない場合であっても、アルコールの燃料性状に応じた最適な燃焼制御を実現することができる。
なお、本実施の形態では、図2に示すルーチンのステップS8及びS10の処理が実行されることで、第3の発明の「水分割合計算手段」が実現されている。また、ステップS12,S14,S16,S18,S20及びS22の処理が実行されることで、第3乃至第5の発明の「アルコール使用規則変更手段」が実現されている。また、ステップS14及びS24の処理が実行されることで、第6の発明の「分離禁止手段」が実現され、ステップS14及びS26の処理が実行されることで、第7の発明の「水分割合監視手段」が実現されている。
[その他]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変形して実施することもできる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
主燃料タンク2とは別にガソリン専用のガソリンタンクを備え、相分離タンク24で分離したガソリンをガソリンタンクに貯留するようにしてもよい。これによれば、燃料として、アルコール混合ガソリン、アルコール、そしてガソリンの三種類を使用することが可能になる。なお、本発明に関しては、各燃料の使用方法には限定はない。それぞれに適した用途で使用すればよい。例えば、アルコールはオクタン価が高く耐ノック性に優れるので、ノックが検出されたらアルコールを噴射する等の使用方法も可能である。
また、上記実施の形態では、燃料分離装置はアルコール混合ガソリンを分離する装置として構成されているが、本発明にかかる燃料分離装置は、ガソリン以外の炭化水素系燃料とアルコールとの混合燃料を分離する装置として構成することもできる。
本発明の実施の形態としての燃料分離装置とそれを用いたエンジンシステムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態で実施される内燃機関の燃焼制御のルーチンを示すフローチャートである。 ストイキ時のアルコール噴射量とその水分割合との関係を示す図である。 水分がリーンバーン運転時の燃焼状態に与える影響を示す図である。 水分によるノック改善効果について示す図である。
符号の説明
2 主燃料タンク
10 切替弁
16 水タンク
20 調整弁
24 相分離タンク
36 水/アルコール分離装置
42 アルコールタンク
50 制御装置
52 アルコール濃度センサ
54 水位センサ
56 警告灯
60 内燃機関
62 アルコール混合ガソリン噴射弁
64 アルコール噴射弁

Claims (7)

  1. 炭化水素系燃料とアルコールとが混合した混合燃料を使用可能な内燃機関において混合燃料を炭化水素系燃料とアルコールとに分離させる燃料分離装置であって、
    水を蓄えた水貯留部と、
    前記水貯留部内の水を混合燃料に添加して炭化水素系燃料と水/アルコール混合液とに分離させる第1の分離部と、
    前記第1の分離部から回収した水/アルコール混合液を水とアルコールとに分離させる第2の分離部とを備え、
    前記第2の分離部から回収した水は前記水貯留部へ戻されることを特徴とする内燃機関の燃料分離装置。
  2. 前記水貯留部内の水の貯留量を監視し、貯留量が所定量を下回ったときには所定の信号を出力する貯留量監視手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料分離装置。
  3. 炭化水素系燃料とアルコールとが混合した混合燃料を使用可能な内燃機関において、
    水を蓄えた水貯留部と、
    前記水貯留部内の水を混合燃料に添加して炭化水素系燃料と水/アルコール混合液とに分離させる第1の分離部と、
    前記第1の分離部から回収した水/アルコール混合液を水とアルコールとに分離させる第2の分離部と、
    前記第2の分離部で得られたアルコールによるストイキ運転を行い、前記ストイキ運転時の実際のアルコール噴射量と吸入空気量から計算されるストイキアルコール噴射量との比較に基づいて、前記第2の分離部で得られたアルコールに含まれる水分の割合を計算する水分割合計算手段と、
    前記水分割合計算手段で計算された水分割合に応じて、燃料としてのアルコールの使用規則を変更するアルコール使用規則変更手段と、
    を備えることを特徴とするアルコール混合燃料使用内燃機関。
  4. 前記アルコール使用規則変更手段は、混合燃料及び/又は前記第1の分離部で得た炭化水素系燃料と前記第2の分離部で得られたアルコールとによるリーンバーン運転時において、前記水分割合計算手段で計算された水分割合が所定値を超える場合にはアルコールの使用を禁止若しくは制限することを特徴とする請求項3記載のアルコール混合燃料使用内燃機関。
  5. 前記アルコール使用規則変更手段は、混合燃料及び/又は前記第1の分離部で得た炭化水素系燃料と前記第2の分離部で得られたアルコールとによるストイキ運転時において、前記水分割合計算手段で計算された水分割合が所定値を超える場合には高負荷域でのアルコールの使用割合を増大させることを特徴とする請求項3又は4記載のアルコール混合燃料使用内燃機関。
  6. 前記水分割合計算手段で計算された水分割合が所定値を超える場合には混合燃料の分離を禁止する分離禁止手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の内燃機関の燃料分離装置。
  7. 前記水分割合計算手段で計算された水分割合が所定値を超えたときに所定の信号を出力する水分割合監視手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の内燃機関の燃料分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010112245A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の燃料供給装置

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