JP2007303389A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents
内燃機関の燃料供給装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007303389A JP2007303389A JP2006132972A JP2006132972A JP2007303389A JP 2007303389 A JP2007303389 A JP 2007303389A JP 2006132972 A JP2006132972 A JP 2006132972A JP 2006132972 A JP2006132972 A JP 2006132972A JP 2007303389 A JP2007303389 A JP 2007303389A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- auxiliary
- supply system
- fuel supply
- engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】アルコール燃料及びガソリン燃料が混合された混合燃料を機関に噴射供給する主燃料供給系と、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を機関に噴射供給する副燃料供給系とを備える内燃機関の燃料供給装置にあって、副燃料供給系での燃料の流量低下や閉塞の発生を抑えることのできる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】アルコール燃料及びガソリン燃料の混合燃料を主燃料噴射弁4から噴射供給する主燃料供給系と、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を副燃料噴射弁30から噴射供給する副燃料供給系とを備え、混合燃料による機関始動が困難である場合には、副燃料供給系から燃料の噴射供給を行う。副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、三方弁32を切り替えて副燃料噴射弁30と副燃料タンク34との連通遮断及び副燃料配管35内への外気導入を行うとともに、副燃料噴射弁30を開弁状態にするパージ制御を実行する。
【選択図】図1
【解決手段】アルコール燃料及びガソリン燃料の混合燃料を主燃料噴射弁4から噴射供給する主燃料供給系と、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を副燃料噴射弁30から噴射供給する副燃料供給系とを備え、混合燃料による機関始動が困難である場合には、副燃料供給系から燃料の噴射供給を行う。副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、三方弁32を切り替えて副燃料噴射弁30と副燃料タンク34との連通遮断及び副燃料配管35内への外気導入を行うとともに、副燃料噴射弁30を開弁状態にするパージ制御を実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関する。
近年、機関燃料としてアルコール燃料及びガソリン燃料を併用可能な内燃機関が実用化されつつある。こうした内燃機関では、アルコール燃料のみ、ガソリン燃料のみ、あるいはアルコール燃料とガソリン燃料とが任意の割合で混合された混合燃料でも運転が可能になっている。
こうしたアルコール燃料は、ガソリン燃料と比較して揮発性が低く、低温下にて気化しにくいといった特性を有している。そのため、アルコール燃料自体の濃度が高い場合、あるいはアルコール燃料とガソリン燃料とが混合された混合燃料においてアルコール燃料の比率が高い場合などのように、機関燃料のアルコール濃度が高くなるほど、機関の低温始動性は悪化するといった問題がある。
ここで、特許文献1に記載の燃料供給装置では、内燃機関に対してオクタン価の低い燃料を噴射供給する低オクタン価用の燃料供給系と、オクタン価の高い燃料を噴射供給する高オクタン価用の燃料供給系とをそれぞれ備えるようにしている。そして、冷間始動時などのように燃料の着火性が低い状態での機関始動時には、気化しやすく、着火性が良好な低オクタン価の燃料を噴射供給する低オクタン価用の燃料供給系から内燃機関に燃料を噴射供給するようにしている。
こうした特許文献1に記載の燃料供給装置を備える内燃機関において、低オクタン価用の燃料供給系に設けられる燃料タンクにガソリン燃料を含有する始動用燃料(例えばガソリン燃料を50%以上含む混合燃料など)を貯留し、高オクタン価用の燃料供給系に設けられる燃料タンクにアルコール燃料や混合燃料を貯留する。そして低温始動時などにおいては低オクタン価用の燃料供給系から燃料を噴射供給し、始動後の通常運転中には高オクタン価用の燃料供給系から燃料を噴射供給するようにすれば、機関始動に際して、揮発性の高いガソリン燃料で機関を始動させることができる。そのため、アルコール燃料や混合燃料を使用可能な内燃機関においても、その低温始動性を改善することができる。
特開2005−127315号公報
ところで、機関始動時に使用する燃料と、始動後の通常運転時に使用する燃料とを上記態様にて切り替える場合には、機関始動後において、始動用燃料を噴射供給する燃料供給系にガソリン燃料が残留するため、次のような不都合が生じるおそれがある。
すなわち、ガソリン燃料は高温に曝されると、その不飽和成分及び重質成分が粘度の高いガム状の物質に変化する。そのため、機関始動後において上記燃料供給系に残留したガソリン燃料は、内燃機関から発生する熱によってそうした粘度の高い物質に変質するおそれがあり、そのように変質してしまうと、燃料供給系での燃料の流量が低下したり、燃料供給系を構成する燃料配管や燃料噴射弁などの燃料噴射機構が閉塞してしまうおそれがある。
このように燃料供給系において燃料の流量低下や閉塞が発生すると、その燃料供給系を使用した機関始動は困難になり、場合によっては始動不能になるおそれもある。そして、こうした場合には、その燃料供給系を構成する部品の洗浄や交換などが必要になってしまう。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、アルコール燃料とガソリン燃料とが任意の割合で混合された混合燃料を機関に噴射供給する主燃料供給系と、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を機関に噴射供給する副燃料供給系とを備える内燃機関の燃料供給装置を適用対象とする。そして、その目的は、副燃料供給系での燃料の流量低下や閉塞の発生を抑えることのできる燃料供給装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、アルコール燃料とガソリン燃料とが任意の割合で混合された混合燃料を主燃料噴射機構から機関に噴射供給する主燃料供給系と、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を副燃料噴射機構から機関に噴射供給する副燃料供給系とを備え、前記混合燃料による機関始動が困難である場合には、前記副燃料供給系から燃料の噴射供給を行う内燃機関の燃料供給装置において、前記副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、同副燃料供給系に残留した前記始動用燃料を前記副燃料噴射機構から排出するパージ制御を行うことをその要旨とする。なお、同構成において、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料とは、上記混合燃料による機関始動が困難な低温下においても機関始動を保証することができる最低割合以上のガソリン燃料が含有された機関燃料のことをいう。
請求項1に記載の発明は、アルコール燃料とガソリン燃料とが任意の割合で混合された混合燃料を主燃料噴射機構から機関に噴射供給する主燃料供給系と、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を副燃料噴射機構から機関に噴射供給する副燃料供給系とを備え、前記混合燃料による機関始動が困難である場合には、前記副燃料供給系から燃料の噴射供給を行う内燃機関の燃料供給装置において、前記副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、同副燃料供給系に残留した前記始動用燃料を前記副燃料噴射機構から排出するパージ制御を行うことをその要旨とする。なお、同構成において、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料とは、上記混合燃料による機関始動が困難な低温下においても機関始動を保証することができる最低割合以上のガソリン燃料が含有された機関燃料のことをいう。
同構成では、機関始動に際して上記副燃料供給系からガソリン燃料を含有した始動用燃料が噴射供給された場合、その噴射供給が終了したときに、同副燃料供給系に残留した始動用燃料を副燃料噴射機構から排出するパージ制御を行うようにしている。従って、副燃料供給系からの燃料供給が終了した後の同副燃料供給系内にあって、残留したガソリン燃料の量を減少させることができる。そのため、残留したガソリン燃料の変質により生じるおそれのある副燃料供給系での燃料の流量低下や閉塞の発生を好適に抑えることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記副燃料供給系は、前記始動用燃料が貯留される副燃料タンクと、前記副燃料噴射機構と前記副燃料タンクと接続する副燃料配管と、同副燃料配管の途中に設けられる弁であって、その弁の作動状態を切り替えることにより、前記副燃料噴射機構に向けて前記副燃料タンク内の前記始動用燃料を供給可能な第1の状態と、前記副燃料噴射機構と前記副燃料タンクとの連通を遮断して前記副燃料配管内に外気を導入可能な第2の状態とに切り替える切替弁とを備え、前記パージ制御の実行に際しては、前記第2の状態となるように前記切替弁の作動状態を切り替えるとともに、前記副燃料噴射機構の噴射孔を開口状態にすることをその要旨とする。
同構成によれば、機関始動に際して切替弁の状態を上記第1の状態にすることにより、内燃機関にガソリン燃料を噴射供給することができる。
一方、副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、切替弁の状態が上記第2の状態にされるとともに副燃料噴射機構の噴射孔が開口状態にされる。そのため、副燃料供給系に残留したガソリン燃料は、機関内の負圧(例えば副燃料噴射機構の噴射部先端が吸気通路内に露出している場合には吸気通路内の負圧、副燃料噴射機構の噴射部先端が気筒内に露出している場合には気筒内の負圧)によって、副燃料噴射機構から機関内に排出される。
一方、副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、切替弁の状態が上記第2の状態にされるとともに副燃料噴射機構の噴射孔が開口状態にされる。そのため、副燃料供給系に残留したガソリン燃料は、機関内の負圧(例えば副燃料噴射機構の噴射部先端が吸気通路内に露出している場合には吸気通路内の負圧、副燃料噴射機構の噴射部先端が気筒内に露出している場合には気筒内の負圧)によって、副燃料噴射機構から機関内に排出される。
従って、同構成によれば、機関始動に際してのガソリン燃料の使用、及び上記パージ制御の実行を適切に行うことができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記切替弁は、2つの入口ポートと1つの出口ポートとを備える三方弁であって、その出口ポートは前記副燃料配管にあって前記副燃料噴射機構側に接続されており、2つの入口ポートのうちの一方は前記副燃料配管にあって前記副燃料タンク側に接続されており、2つの入口ポートのうちの他方は大気開放されてなることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記切替弁は、2つの入口ポートと1つの出口ポートとを備える三方弁であって、その出口ポートは前記副燃料配管にあって前記副燃料噴射機構側に接続されており、2つの入口ポートのうちの一方は前記副燃料配管にあって前記副燃料タンク側に接続されており、2つの入口ポートのうちの他方は大気開放されてなることをその要旨とする。
同構成によれば、三方弁の2つの入口ポートのうちの一方と出口ポートとが連通するようにその弁体を切り替えることにより、同三方弁の作動状態を上記第1の状態、すなわち副燃料噴射機構に向けて副燃料タンク内の始動用燃料を供給可能な状態にすることができる。
また、三方弁の2つの入口ポートのうちの他方と出口ポートとが連通するようにその弁体を切り替えることにより、同三方弁の作動状態を上記第2の状態、すなわち副燃料噴射機構と副燃料タンクとの連通を遮断して副燃料配管内に外気を導入可能な状態にすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記副燃料噴射機構の噴射部先端にあってその外周面周辺の圧力状態に応じて前記パージ制御の実行時間を可変設定することをその要旨とする。
例えば副燃料噴射機構が吸気通路に設けられている場合には吸気通路内の負圧、副燃料噴射機構が気筒内に設けられている場合には気筒内の負圧が大きいときほど、パージ制御を実行したときに副燃料供給系から排出される残留燃料の量は多くなり、同パージ制御の実行時間を短くすることができる。そこで、同構成では、副燃料噴射機構の噴射部先端にあってその外周面周辺の圧力状態に応じて前記パージ制御の実行時間を可変設定するようにしており、これにより同実行時間を適切に設定することができるようになる。なお、副燃料噴射機構の噴射部先端にあってその外周面周辺の圧力状態とは、例えば副燃料噴射機構の噴射部先端が吸気通路内に露出している場合には吸気通路内の負圧の大きさのことをいい、副燃料噴射機構の噴射部先端が気筒内に露出している場合には気筒内の負圧の大きさのことをいう。
また、上記態様にてパージ制御の実行時間を可変設定する場合には、請求項5に記載の発明によるように、前記外周面周辺の圧力が小さいときほど前記実行時間を短くする、といった構成を採用するとよい。なお、同構成において、外周面周辺の圧力が小さいとは、同外周面周辺の負圧が大きいことをいう。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、機関温度が予め設定された温度に達するまで前記副燃料供給系からの燃料の噴射供給を行うことをその要旨とする。
機関の低温始動に際して副燃料供給系からガソリン燃料を噴射供給し、機関始動が完了した後、速やかに主燃料供給系からの燃料供給に切り替えると、暖機が十分に完了しておらず、低温状態にある内燃機関に揮発性の低い燃料が供給されることになり、混合気の燃焼状態が不安定になるおそれがある。この点、同構成では、機関温度が予め設定された温度に達するまで副燃料供給系から燃料を供給するようにしているため、機関始動時から内燃機関の温度がある程度の温度に達するまでは、揮発性の高いガソリン燃料が供給されるようになり、これにより低温始動された後の混合気の燃焼状態を安定させることができるようになる。なお、予め設定された上記温度としては、アルコール燃料のみ、あるいは混合燃料にて内燃機関が運転される場合にあって、混合気の燃焼状態が安定する機関温度を設定することが望ましい。また、同構成における上記機関温度としては、冷却水温や、内燃機関を潤滑する潤滑油の温度などが挙げられる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記副燃料供給系からの燃料供給を終了する際には、当該副燃料供給系からの燃料噴射量を徐々に減量するとともに、その減量分に応じて前記主燃料供給系からの燃料噴射量を増大させることをその要旨とする。
副燃料供給系からの燃料供給を終了する際、当該副燃料供給系からの燃料供給を直ちに中止して主燃料供給系からの燃料供給を開始すると、その切り替え時に機関出力等が急変するおそれがある。この点、同構成によれば、副燃料供給系からの燃料供給を終了する際、副燃料供給系からの燃料噴射量が徐々に減量されるとともに、その減量分に応じた量の燃料が主燃料供給系から供給されるようになり、そうした機関出力等の急変を好適に抑えることができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、機関始動時における吸気温、冷却水温、及び油温の少なくとも1つが予め設定された低温判定値より低い場合に、前記混合燃料による機関始動が困難であると判定することをその要旨とする。
同構成によれば、前記混合燃料による機関始動が困難であるか否かを適切に判定することができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記混合燃料のアルコール濃度を検出するとともに、その検出されたアルコール濃度に基づいて前記低温判定値を可変設定することをその要旨とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記混合燃料のアルコール濃度を検出するとともに、その検出されたアルコール濃度に基づいて前記低温判定値を可変設定することをその要旨とする。
上述したように、機関燃料のアルコール濃度が高くなるほど、機関の低温始動性は悪化する。そのため、混合燃料による機関始動が困難であるか否かを上記低温判定値を用いて判定する場合には、アルコール濃度が高いときほど上記低温判定値を低く設定することが望ましい。そこで、同構成では、混合燃料のアルコール濃度を検出し、その検出されたアルコール濃度に基づいて上記低温判定値を可変設定するようにしており、これにより混合燃料による機関始動が困難であるか否かをさらに適切に判定することができるようになる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記内燃機関は、燃料噴射量に対して空燃比制御が行われる機関であって、機関運転中において目標空燃比を維持するために要求された燃料噴射量が多いときほど、前記混合燃料中のアルコール濃度の推定値を高く設定し、機関始動時における前記混合燃料のアルコール濃度として、前記推定値を設定することをその要旨とする。
一般に、内燃機関では、燃焼室内の混合気についてその空燃比を最適な目標空燃比にするために、排気中の酸素濃度に基づき燃料噴射量を補正する空燃比制御が行われる。ここで、燃料中のアルコール濃度が高くなるほど、目標空燃比を得るために必要とされる燃料噴射量は多くなる傾向がある。そこで、アルコールセンサなどを用いて上記アルコール濃度を実際に検出することも可能であるが、同構成によるように、機関運転中において目標空燃比を維持するために要求された燃料噴射量が多いときほど、混合燃料中のアルコール濃度は高いと推定する。そして、機関始動時における混合燃料のアルコール濃度として、その推定された値を設定することにより、アルコールセンサ等を用いることなく、混合燃料中のアルコール濃度を求めることができるようになる。
以下、本発明に係る内燃機関の燃料供給装置を具体化した一実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
図1に、本実施形態にかかる燃料供給装置が適用される内燃機関1、及びにその燃料供給装置の概略構成を示す。
図1に、本実施形態にかかる燃料供給装置が適用される内燃機関1、及びにその燃料供給装置の概略構成を示す。
内燃機関1には、複数の気筒が設けられており、各気筒の上方にはシリンダヘッドが設けられている。このシリンダヘッドには、吸入空気を気筒内に導入するための吸気ポートと、燃焼ガスを気筒外へ排出するための排気ポートと、燃料及び空気が混合された混合気を火花点火するための点火プラグとが、各気筒に対応して設けられている。
また、各気筒に対応する吸気ポートには、それぞれ主燃料噴射弁4が取り付けられており、それら主燃料噴射弁4からは各吸気ポートに向けて燃料が噴射供給される。なお、この主燃料噴射弁4は、前記主燃料噴射機構を構成している。
主燃料噴射弁4は、主燃料配管14を介して主燃料タンク11に接続されている。この主燃料配管14には、主燃料タンク11内の燃料を主燃料噴射弁4に送油する主燃料ポンプ12や、各気筒に対応して設けられた主燃料噴射弁4に主燃料ポンプ12から送油された燃料を分配する主デリバリパイプ13等が設けられている。
主燃料タンク11には、アルコール燃料とガソリン燃料とが任意の割合で混合された混合燃料が貯留されている。そして、内燃機関1は、アルコール燃料のみ(混合燃料中のアルコール燃料の割合が「100%」の場合)や、ガソリン燃料(混合燃料中のガソリン燃料の割合が「100%」の場合)のみ、或いはアルコール燃料とガソリン燃料とが混合された燃料を使用可能な、FFV(Flexible Fuel Vehicle:フレキシブル燃料車)用の機関となっている。なお、主燃料噴射弁4、主燃料配管14、主燃料タンク11、主燃料ポンプ12、及び主デリバリパイプ13等は、本実施形態における燃料供給装置において主燃料供給系を構成している。
前記各排気ポートには、排気の通路となる排気通路26が接続されており、この排気通路26の途中には、排気を浄化する触媒27が設けられている。この触媒27の排気浄化機能は、混合気の空燃比が適切な状態に制御されることにより発揮される。
前記各吸気ポートには、インテークマニホールド7が接続されており、同インテークマニホールド7は、サージタンク8を介して吸気通路9に接続されている。この吸気通路9内にあってサージタンク8の上流側には、吸入空気量を調整するためのスロットル弁16が設けられている。
内燃機関1には、機関運転状態を検出するための各種センサやスイッチが設けられている。例えば、スロットル弁16の吸気上流側には、吸入空気量GAを検出する吸入空気量センサ40や吸入空気の温度(吸気温TWA)を検出する吸気温センサ41が設けられている。また、排気通路26にあって触媒27の排気上流側には、排気中の酸素濃度を検出する空燃比センサ42が設けられており、この酸素濃度に基づいて混合気の空燃比AFが検出される。この他、内燃機関1の冷却系には、冷却水の水温THWを検出する水温センサ43が設けられており、潤滑系には、潤滑油の油温THOを検出する油温センサ44が設けられている。また、内燃機関1のクランクシャフト近傍には、機関回転速度NEを検出する回転速度センサ45が設けられており、スロットル弁16には、その開度(スロットル開度TA)を検出するスロットルセンサ46が設けられている。そして、運転者による機関始動要求を検出するためのイグニッションスイッチ47も設けられている。
これら各種センサやスイッチの出力は制御装置50に入力される。この制御装置50は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。そして、例えば、主燃料噴射弁4の燃料噴射制御、主燃料ポンプ12の駆動制御、スロットル弁16の開度制御、点火プラグの点火時期制御などといった内燃機関1の各種制御を行う。また、混合気の空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比など)にするために、上記検出される空燃比AFに基づいて主燃料噴射弁4から噴射される燃料の量を補正する、いわゆる空燃比制御も行う。この空燃比制御では、空燃比AFが理論空燃比よりもリッチになると、燃料噴射量に対して減量補正が行われ、空燃比AFが理論空燃比よりもリーンになると、燃料噴射量に対して増量補正が行われる。
ところで、内燃機関1は、アルコール燃料を機関燃料として使用可能な内燃機関となっているが、同アルコール燃料は、ガソリン燃料と比較して揮発性が低く、低温下にて気化しにくいといった特性を有している。そのため、アルコール燃料自体の濃度が高い場合、あるいは混合燃料中のアルコール燃料の比率が高い場合などのように、機関燃料のアルコール濃度が高いときほど、機関の低温始動性は悪化するといった問題がある。そこで、本実施形態における燃料供給装置には、上記主燃料供給系の他、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を内燃機関1に噴射供給するための副燃料供給系も備えられており、混合燃料による機関始動が困難な場合には、副燃料供給系から燃料の噴射供給が行われる。そして、機関始動が完了し、機関温度がある程度上昇した時点で、副燃料供給系からの燃料噴射を中止し、主燃料供給系から燃料を噴射供給するようにしている。これにより、例えば低温始動に際しては、揮発性が高く、着火性が良好なガソリン燃料を多く含む始動用燃料で機関の始動を行うことができ、アルコール燃料や混合燃料を使用可能な内燃機関1において、その低温始動性が改善される。
他方、機関始動時に使用する燃料と、始動後の通常運転時に使用する燃料とを上記態様にて切り替える場合には、機関始動後において、始動用燃料を噴射供給する副燃料供給系にガソリン燃料が残留するため、次のような不都合が生じるおそれがある。
すなわち、ガソリン燃料は高温に曝されると、その不飽和成分及び重質成分が粘度の高いガム状の物質に変化する。そのため、機関始動後において上記副燃料供給系に残留したガソリン燃料は、内燃機関1から発生する熱によって粘度の高い物質に変質するおそれがあり、そのように変質してしまうと、副燃料供給系での燃料の流量が低下したり、副燃料供給系を構成する燃料配管や燃料噴射弁などが閉塞してしまうおそれがある。
このように副燃料供給系において燃料の流量低下や閉塞が発生すると、その副燃料供給系を使用した機関始動は困難になり、場合によっては始動不能になるおそれもある。そして、こうした場合には、その副燃料供給系を構成する部品の洗浄や交換などが必要になってしまう。
そこで、本実施形態にかかる燃料供給装置では、図1に示す副燃料供給系を備えるとともに、以下に説明する始動燃料選択処理及び低温時始動処理の実行を通じて、副燃料供給系での燃料の流量低下や閉塞の発生を抑えるようにしている。
本実施形態における上記副燃料供給系は、図1に示すように、インテークマニホールド7に設けられた副燃料噴射弁30や、副デリバリパイプ31、2つの入口ポートと1つの出口ポートを備える三方弁32、副燃料ポンプ33、副燃料タンク34、並びに副燃料配管35等から構成されている。
より詳細には、副燃料噴射弁30は、各気筒に対応してそれぞれ設けられており、先の主燃料噴射弁4と同様な構造を有する電磁弁である。そして、副燃料噴射弁30に設けられた噴射孔が弁体によって開閉されることにより、燃料の噴射及び噴射停止が行われる。この副燃料噴射弁30の噴射部先端は、吸気通路内、本実施形態ではインテークマニホールド7内に露出しており、制御装置50からの駆動信号に応じて弁体の開閉状態が制御されることにより、噴射される燃料の量が調整される。なお、同副燃料噴射弁30は、前記副燃料噴射機構を構成している。
副燃料噴射弁30は、副燃料配管35を介して副燃料タンク34に接続されている。この副燃料タンク34には、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料が貯留されている。この始動用燃料としては、上記混合燃料による機関始動が困難な低温下においても機関始動を保証することができる最低割合以上のガソリン燃料が含有された機関燃料が使用される。本実施形態では、例えばアルコール燃料とガソリン燃料との混合体であって、ガソリン燃料の混合割合が上記最低割合以上(例えば50%以上)となっている混合燃料が始動用燃料として使用される。ちなみに、ガソリン燃料の混合割合が100%となっている機関燃料、すなわちガソリン燃料そのものを始動用燃料として使用することも可能である。
上記副燃料配管35の途中には、副燃料噴射弁30から副燃料タンク34に向かって順に、上記副デリバリパイプ31、三方弁32、及び副燃料ポンプ33が設けられている。
副燃料ポンプ33は、副燃料タンク34内の始動用燃料を副燃料噴射弁30に送油するポンプであり、制御装置50からの駆動信号に応じて送油と送油停止とが切り替えられる。また、その吸い込み口は副燃料タンク34側に、吐出口は三方弁32の第1入口ポート32a側にそれぞれ接続されている。
副燃料ポンプ33は、副燃料タンク34内の始動用燃料を副燃料噴射弁30に送油するポンプであり、制御装置50からの駆動信号に応じて送油と送油停止とが切り替えられる。また、その吸い込み口は副燃料タンク34側に、吐出口は三方弁32の第1入口ポート32a側にそれぞれ接続されている。
三方弁32は、上記第1入口ポート32a、第2入口ポート32b、及び出口ポート32cを備える電磁弁である。そして、通電時には第1入口ポート32aと出口ポート32cとの連通は遮断されるとともに、第2入口ポート32bと出口ポート32cとが連通される。一方、非通電時には、第1入口ポート32aと出口ポート32cとが連通されるとともに、第2入口ポート32bと出口ポート32cとの連通は遮断される。なお、この三方弁32も制御装置50によってその作動状態が制御される。
三方弁32の出口ポート32cに接続された副デリバリパイプ31には、各気筒に対応して設けられた各副燃料噴射弁30が接続されており、副燃料ポンプ33から送油された燃料は各副燃料噴射弁30に分配される。
このように三方弁32の出口ポート32cは、副デリバリパイプ31側に接続されており、副燃料配管35にあって副燃料噴射弁30側に接続されている。また、三方弁32の第1入口ポート32aは、副燃料ポンプ33側に接続されており、副燃料配管35にあって副燃料タンク34側に接続されている。
このように構成される副燃料供給系は、三方弁32を非通電状態とすることにより、副燃料タンク34内の始動用燃料を副燃料噴射弁30に向けて供給可能な第1の状態(以下、この状態をガソリン供給状態という)にされる。また、三方弁32を通電状態とすることにより、副燃料噴射弁30と副燃料タンク34との連通が遮断されるとともに副燃料配管35内に外気を導入可能な第2の状態(以下、この状態をエア導入状態という)にされる。
次に、図2に示す処理手順を併せ参照して、上記始動燃料選択処理を説明する。なお、本処理は、運転者による機関始動要求がなされたとき、すなわちイグニッションスイッチ47がオン状態からオフ状態にされたときに、制御装置50によって実行される。
本処理が開始されると、まず、主燃料供給系に供給される燃料、すなわち混合燃料のアルコール濃度ADが読み込まれる(S100)。また、機関の低温始動性に関与するパラメータである、吸気温THA、水温THW、及び油温THOも読み込まれる(S100)。
なお、混合燃料のアルコール濃度ADは、燃料の電気伝導度や静電容量等に基づいてアルコール濃度を検出するセンサなどを用いて直接検出することも可能であるが、本実施形態では、以下のようにしてアルコール濃度ADを推定することにより、そうしたセンサを用いることなく、アルコール濃度ADを検出することができるようにしている。
すなわち、内燃機関1では、上述したごとく、燃料噴射量に対して空燃比制御が行われるが、図3に示すように、燃料中のアルコール濃度が高くなるほど、目標空燃比を得るために必要とされる燃料噴射量Qは多くなる傾向がある。そこで、本実施形態では、機関運転中において目標空燃比を維持するために要求された燃料噴射量Qに基づき、混合燃料中のアルコール濃度ADを推定するといった処理が制御装置50によって行われる。この推定に際しては、先の図3に示したように、燃料噴射量Qが多いときほど、アルコール濃度ADの推定値はより高い値に設定される。そして、機関始動時における混合燃料のアルコール濃度ADとして、その推定された値が設定される。ちなみに、アルコール濃度の推定を行う場合には、実際の空燃比と目標空燃比との乖離度合が十分に小さくなっており、かつそうした状態がある程度継続しているときの燃料噴射量Qに基づいてアルコール濃度ADを推定することにより、その推定精度を高めることができる。
次に、混合燃料による機関始動が困難であるか否かを判定するための低温判定値を設定するべく、吸気温判定値THAα、水温判定値THWα、及び油温判定値THOαといった低温判定値がアルコール濃度ADに基づいて設定される(S110)。ここでは、機関燃料のアルコール濃度が高くなるほど、機関の低温始動性は悪化するため、アルコール濃度ADが高いときほど上記低温判定値は低い値に設定される。より詳細には、図4に示すように、アルコール濃度ADが高いときほど、吸気温判定値THAαはより低い値に設定される。また、図5に示すように、アルコール濃度ADが高いときほど、水温判定値THWαはより低い値に設定される。そして、図6に示すように、アルコール濃度ADが高いときほど、油温判定値THOαはより低い値に設定される。
次に、副燃料供給系を使用した始動条件が成立しているか否かが判定される(S120)。ここでは、次の条件(1)〜条件(3)の少なくとも1つが成立している場合に、副燃料供給系を使用した始動条件が成立している旨判定される。
条件(1):吸気温THAが吸気温判定値THAαよりも低い。
条件(2):水温THWが水温判定値THWαよりも低い。
条件(3):油温THOが油温判定値THOαよりも低い。
条件(2):水温THWが水温判定値THWαよりも低い。
条件(3):油温THOが油温判定値THOαよりも低い。
そして、条件(1)〜条件(3)の全てが満たされていない場合には(S120:NO)、混合燃料による機関始動が可能な程度に吸気温及び機関温度は高くなっていると判断され、この場合には、機関始動に使用する燃料として混合燃料が選択されて(S140)、本処理は終了される。そして、混合燃料が選択された場合には、機関始動に際して、主燃料供給系から混合燃料が噴射供給される。
一方、ステップS120にて、副燃料供給系を使用した始動条件が成立している旨判定される場合には(S120:YES)、混合燃料による機関始動が困難であると判断され、この場合には、機関始動に使用する燃料として、上記始動用燃料が選択され(S130)、本処理は終了される。そして、始動用燃料が選択された場合には、機関始動に際して、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料が副燃料供給系から噴射供給される。
次に、図7に示す処理手順を併せ参照して、上記低温時始動処理を説明する。なお、本処理は、上記始動燃料選択処理のステップS130にて始動用燃料が選択され、副燃料供給系から燃料が噴射供給される場合に、制御装置50によって実行される。
本処理が開始されると、まず、三方弁32がガソリン供給状態にされるとともに、副燃料ポンプ33の駆動が開始され(S200)、副燃料供給系からの燃料噴射が準備される。
そして、副燃料噴射弁30の燃料噴射制御が開始され(S210)、同副燃料噴射弁30から内燃機関1にガソリン燃料を多く含む始動用燃料が噴射供給される。これにより、上記条件(1)〜条件(3)の少なくとも1つを満たすような低温状態においても、機関は容易に始動される。
なお、副燃料噴射弁30の上記燃料噴射制御に際して、副燃料噴射弁30から噴射される燃料の量(以下、副燃料噴射量Qsという)は、吸気温THA、水温THW、油温THO、及び機関回転速度NEに基づいて設定される。
次に、始動完了条件が成立したか否かが判定される(S220)。ここでは、水温THWが判定値A以上となっている場合、または油温THOが判定値B以上となっている場合に、機関温度が予め設定された温度に達していると判断され、これにより始動完了条件が成立していると判定される。なお、判定値Aや判定値Bは、予め設定されている値であって、アルコール燃料のみ、あるいは混合燃料にて内燃機関1が運転される場合にあって、混合気の燃焼状態が安定する温度が設定されている。このステップS220の処理は、次の理由に基づき行われる。
すなわち、機関の低温始動に際して副燃料供給系からガソリン燃料を含有する始動用燃料を噴射供給し、機関始動が完了した後、速やかに主燃料供給系からの燃料供給に切り替えると、暖機が十分に完了しておらず、低温状態にある内燃機関1に揮発性の低い燃料が供給されることになり、混合気の燃焼状態が不安定になるおそれがある。そこで、本処理では、機関温度が予め設定された温度に達するまで副燃料供給系からの燃料の噴射供給を行うようにしており、これにより機関始動時から内燃機関1の温度がある程度の温度に達するまでは、揮発性の高いガソリン燃料が供給されるようにして、低温始動された後の混合気の燃焼状態を安定させるようにしている。
なお、アルコール燃料や混合燃料の混合気についてその燃焼状態が安定するようになる水温THWや油温THOは、アルコール燃料中、あるいは混合燃料中のアルコール濃度ADに応じて変化する。そこで、アルコール濃度ADに基づいて上記判定値Aや判定値Bを可変設定するようにしてもよく、この場合には、アルコール濃度ADが高いときほど判定値Aや判定値Bがより高い値となるように可変設定することにより、機関燃料を切り替えた後の上記燃焼状態をさらに安定させることができる。
上記ステップS220にて、始動完了条件が成立していない旨判定される場合には(S220:NO)、同始動完了条件が成立するまで、ステップS220の判定処理が繰り返し行われる。
一方、始動完了条件が成立している場合には(S220:NO)、内燃機関1の燃料を、始動用燃料からアルコール燃料、あるいは始動用燃料から混合燃料に切り替えても、燃料状態が安定するため、副燃料噴射弁30からの燃料噴射を終了させて、主燃料噴射弁4からの燃料噴射が開始される。
ここで、副燃料噴射弁30からの燃料噴射を終了する際、同副燃料噴射弁30からの燃料噴射を直ちに中止して主燃料噴射弁4からの燃料噴射を開始するようにすると、その切り替え時に機関出力等が急変するおそれがある。そこで、本処理では、そうした急変を抑えるべく、次のステップS230及びステップS240の処理が行われる。
ステップS230では、副燃料噴射量Qsを所定量ずつ徐々に減量させる減量処理が実行される。
そして、その減量処理の実行開始に合わせて主燃料噴射弁4の燃料噴射制御が開始される(S240)。ここでは、上記減量処理にて減量される副燃料噴射量Qsの減量分に応じて主燃料噴射弁4から噴射される燃料量は増大される。これらステップS230及びステップS240の処理を行うことにより、内燃機関1の燃料を始動用燃料からアルコール燃料、あるいは始動用燃料から混合燃料に切り替える際の機関出力等の急変が抑えられる。
そして、その減量処理の実行開始に合わせて主燃料噴射弁4の燃料噴射制御が開始される(S240)。ここでは、上記減量処理にて減量される副燃料噴射量Qsの減量分に応じて主燃料噴射弁4から噴射される燃料量は増大される。これらステップS230及びステップS240の処理を行うことにより、内燃機関1の燃料を始動用燃料からアルコール燃料、あるいは始動用燃料から混合燃料に切り替える際の機関出力等の急変が抑えられる。
次に、副燃料噴射量Qsの減量処理が完了したか否かが判定される(S250)。ここでは、副燃料噴射量Qsが「0」となっている場合に、減量処理が完了したと判定される。そして、減量処理が完了していない旨判定される場合には(S250:NO)、減量処理が完了するまで、ステップS250の判定処理が繰り返し行われる。
一方、減量処理が完了している場合には(S250:YES)、副燃料供給系に残留したガソリン燃料を副燃料噴射弁30から排出するパージ制御を行うべく、以下のステップS260〜ステップS300の処理が行われる。
まず、ステップS260では、パージ制御の実行時間であるパージ時間PTが設定される。このパージ時間PTは、副燃料配管35にあって、三方弁32の出口ポート32cから副燃料噴射弁30までの間に存在するガソリン燃料を、インテークマニホールド7内の負圧を利用して副燃料噴射弁30から排出させる際に必要とされる時間である。そして、スロットル開度TA及び機関回転速度NEに基づいて推定される吸気圧PMに応じて、その時間は可変設定される。ここでは、図8に示すように、吸気圧PMが小さいときほど、換言すれば負圧が大きいときほどパージ時間PTが短くなるように、同パージ時間PTは可変設定される。このように吸気圧PMに基づいてパージ時間PTを設定する理由は、副燃料噴射弁30の噴射部先端にあってその外周面周辺の圧力状態、すなわちインテークマニホールド7内の負圧が大きいときほど、パージ制御を実行したときに副燃料噴射弁30から排出される残留燃料の量が多くなり、パージ制御の実行時間を短くすることができるためである。なお、吸気圧PMを、吸入空気量GA及び機関回転速度NEに基づいて推定してもよく、サージタンク8などに吸気圧センサを設けて直接吸気圧PMを検出するようにしてもよい。
こうしてパージ制御の実行準備が整うと、副燃料ポンプ33の駆動が停止され(S270)、パージ制御が開始される(S280)。このパージ制御では、三方弁32がエア導入状態にされるとともに、副燃料噴射弁30の開弁制御が開始される。この開弁制御の実行中には、副燃料噴射弁30の弁体が全開状態に保持され、副燃料噴射弁30の噴射孔は開口状態にされる。なお、弁体の全開状態を保持する際には、副燃料噴射弁30の弁体を開閉する電磁アクチュエータに連続通電を行って同弁体を開弁状態にしてもよいが、消費電力や電磁アクチュエータへの負荷を考慮すると、同電磁アクチュエータへはパルス状に電力供給を行うことが望ましい。
次に、パージ制御が開始されてから、パージ時間PTが経過したか否かが判定される(S290)。そして、パージ時間PTが経過していない旨判定される場合には(S290:NO)、パージ時間PTが経過するまで、ステップS290の判定処理が繰り返し行われる。
一方、パージ時間PTが経過している場合には(S290:YES)、パージ制御が終了される(S300)。ここでは、副燃料噴射弁30の開弁制御が終了され、同副燃料噴射弁30の弁体は閉弁状態にされる。そして、本処理は終了される。
図9に、副燃料噴射弁30から内燃機関1に供給される副燃料量Q1、及び主燃料噴射弁4から内燃機関1に供給される主燃料量Q2について、上記低温時始動処理が実行されたときの変化態様、特に機関燃料の切替が行われる際の変化態様について一例を示す。なお、図9の時刻t1以前においては、上記始動燃料選択処理の実行を通じて、機関始動用の燃料として始動用燃料が選択されており、副燃料噴射弁30の燃料噴射制御が開始されている。
まずはじめに、副燃料量Q1の変化態様について説明する。
同図9の時刻t1において、始動完了条件が成立している旨判定されると(ステップS220:YES)、機関温度はある程度高くなっており、アルコール燃料、または混合燃料による機関運転を安定して行うことができるため、副燃料噴射弁30からの燃料噴射を終了して、主燃料噴射弁4からの燃料噴射を開始するための処理が開始される。すなわち、副燃料噴射量Qsの減量処理が開始され、これにより副燃料量Q1は徐々に減少していく。
同図9の時刻t1において、始動完了条件が成立している旨判定されると(ステップS220:YES)、機関温度はある程度高くなっており、アルコール燃料、または混合燃料による機関運転を安定して行うことができるため、副燃料噴射弁30からの燃料噴射を終了して、主燃料噴射弁4からの燃料噴射を開始するための処理が開始される。すなわち、副燃料噴射量Qsの減量処理が開始され、これにより副燃料量Q1は徐々に減少していく。
そして、副燃料噴射量Qsの減量処理が完了し、副燃料噴射弁30の燃料噴射制御を通じて噴射される燃料量が「0」になると、副燃料ポンプ33の駆動が停止されるとともに上記パージ制御が開始される(時刻t2)。このパージ制御が開始されると、三方弁32の出口ポート32cと第1入口ポート32aとの連通が遮断されて、副燃料噴射弁30と副燃料タンク34との連通が遮断される。また、出口ポート32cと第2入口ポート32bとが連通状態となり、同出口ポート32cは大気開放状態にされる。そして、副燃料噴射弁30は開弁状態とされる。そのため、副燃料供給系の副燃料配管35にあって、三方弁32の出口ポート32cから副燃料噴射弁30までの間に残留した始動用燃料は、インテークマニホールド7内の負圧の作用により、第2入口ポート32bから導入される外気とともに副燃料噴射弁30から排出され始め、副燃料量Q1は再び増大する。
そして、残留した始動用燃料の大半が排出されると、副燃料量Q1は再び「0」になり(時刻t3)、その後、パージ制御の開始時点(時刻t2)からパージ時間PTが経過すると(時刻t4)、パージ制御は終了される。このように、本実施形態においては、機関始動に際して副燃料供給系からガソリン燃料を多く含む始動用燃料が噴射供給された場合、その噴射供給が終了したときに、同副燃料供給系に残留した始動用燃料を副燃料噴射弁30から排出するパージ制御が行われる。従って、副燃料供給系からの燃料供給が終了した後の同副燃料供給系内にあって、残留したガソリン燃料の量は減少するようになる。そのため、残留したガソリン燃料の変質により生じるおそれのある副燃料供給系での燃料の流量低下や閉塞の発生が抑えられる。
なお、パージ制御の実行中には、吸気通路9を介して内燃機関1に吸入される空気の他に、三方弁32の第2入口ポート32bから吸入されたパージ用の空気も内燃機関1に導入される。そのため、パージ制御の実行中には、その非実行時と比較して、パージ用の空気の分だけ内燃機関1に吸入される空気量は増大し、機関回転速度が上昇するおそれがある。そこで、パージ制御の実行中には(時刻t2〜時刻t4)、パージ用の空気量に相当する分だけ、吸気通路9を介して内燃機関1に吸入される空気量を減量補正するべく、制御装置50は、スロットル弁16の開度を減少させる処理を実行する。ちなみに、パージ用の空気量は、第2入口ポート32bから副燃料噴射弁30の噴射口までの圧力損失及び吸気圧PM等に基づいて推定したり、第2入口ポート32bから副燃料噴射弁30の燃料導入口までの間の副燃料供給系に空気量センサを設けて直接検出したりすることで、把握することができる。
つぎに、主燃料量Q2の変化態様について説明する。
同図9の時刻t1において、副燃料噴射量Qsの減量処理が開始されると、副燃料噴射量Qsの減量分に応じて主燃料噴射弁4から噴射される燃料量は徐々に増大される。これにより副燃料量Q1は徐々に減少する一方で主燃料量Q2は徐々に増大されていく。
同図9の時刻t1において、副燃料噴射量Qsの減量処理が開始されると、副燃料噴射量Qsの減量分に応じて主燃料噴射弁4から噴射される燃料量は徐々に増大される。これにより副燃料量Q1は徐々に減少する一方で主燃料量Q2は徐々に増大されていく。
そして、パージ制御の実行が開始されると(時刻t2)、副燃料噴射弁30から排出される始動用燃料の分だけ空燃比はリッチ化する。ここで、内燃機関1では、上記空燃比制御が行われるため、そうしたリッチ化が起きると、主燃料噴射弁4から噴射される燃料量は、その排出される始動用燃料の量に応じて減量補正される。そのため、副燃料量Q1の減量に応じて増大されていた主燃料量Q2は、時刻t2において一旦減少する。
その後、時刻t3において副燃料配管35内に残留した始動用燃料の大半が排出されると、その排出されていた始動用燃料の量に応じて実行されていた上記減量補正が終了するため、主燃料量Q2は、減量補正されていた分だけ増大する。
そして、時刻t3以降の主燃料量Q2は、主燃料噴射弁4の燃料噴射制御に応じた量となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、次の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、次の作用効果を得ることができる。
(1)アルコール燃料とガソリン燃料とが任意の割合で混合された混合燃料による機関始動が困難である場合には、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を副燃料供給系から機関に噴射供給するようにしている。そして、副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、同副燃料供給系に残留した、ガソリン燃料を多く含む始動用燃料を当該副燃料噴射弁から排出するパージ制御を行うようにしている。従って、副燃料供給系からの燃料供給が終了した後の同副燃料供給系内にあって、残留したガソリン燃料の量を減少させることができ、その残留したガソリン燃料の変質により生じるおそれのある副燃料供給系での燃料の流量低下や閉塞の発生を好適に抑えることができるようになる。
(2)上記副燃料供給系を、始動用燃料が貯留される副燃料タンク34と、副燃料噴射弁30と副燃料タンク34と接続する副燃料配管35と、副燃料配管35の途中に設けられる切替弁とで構成するようにしている。また、その弁の作動状態を切り替えることにより、副燃料噴射弁30に向けて副燃料タンク34内の始動用燃料を内燃機関1に供給可能な第1の状態と、副燃料噴射弁30と副燃料タンク34との連通を遮断して副燃料配管35内に外気を導入可能な第2の状態とに、副燃料供給系の状態を切り替えるようにしている。そして、パージ制御の実行に際しては、上記第2の状態となるように切替弁の作動状態を切り替えるとともに、副燃料噴射弁30を開弁状態にするようにしている。そのため、機関始動に際して切替弁の状態を上記第1の状態にすることにより、内燃機関1にガソリン燃料を多く含む始動用燃料を噴射供給することができるようになる。
一方、副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、切替弁の状態が上記第2の状態にされるとともに副燃料噴射弁30は開弁状態にされる。そのため、副燃料供給系に残留したガソリン燃料は、機関内の負圧(上記実施形態にあってはインテークマニホールド7内の負圧)によって、副燃料噴射弁30から機関内に排出される。従って、機関始動に際してのガソリン燃料の使用、及び上記パージ制御の実行を適切に行うことができるようになる。
(3)上記切替弁として、2つの入口ポートと1つの出口ポートとを備える三方弁32を用いるようにしている。そして、その出口ポート32cを副燃料配管35にあって副燃料噴射弁30側に接続している。また、2つの入口ポートのうちの一方である第1入口ポート32aを副燃料配管35にあって副燃料タンク34側に接続し、2つの入口ポートのうちの他方である第2入口ポート32bを大気開放させるようにしている。
そのため、三方弁32の2つの入口ポートのうちの一方(第1入口ポート32a)と出口ポート32cとが連通するようにその弁体を切り替えることにより、同三方弁32の作動状態を上記第1の状態、すなわち副燃料噴射弁30に向けて副燃料タンク34内の始動用燃料を供給可能な状態にすることができるようになる。
また、三方弁32の2つの入口ポートのうちの他方(第2入口ポート32b)と出口ポート32cとが連通するようにその弁体を切り替えることにより、同三方弁32の作動状態を上記第2の状態、すなわち副燃料噴射弁30と副燃料タンク34との連通を遮断して副燃料配管35内に外気を導入可能な状態にすることができるようになる。
(4)副燃料噴射弁30の噴射部先端にあってその外周面周辺の圧力状態である吸気圧PMに応じて、パージ制御の実行時間であるパージ時間PTを可変設定するようにしている。より詳細には、上記外周面周辺の圧力が小さいときほど、すなわち吸気圧PMが小さいときほどパージ時間PTが短くなるように可変設定するようにしている。そのため、パージ制御の実行時間を適切に設定することができるようになる。
(5)機関の低温始動に際して、副燃料供給系からガソリン燃料を多く含む始動用燃料を噴射供給し、機関始動が完了した後、速やかに主燃料供給系からの燃料供給に切り替えると、暖機が十分に完了しておらず、低温状態にある内燃機関に揮発性の低い燃料が供給されることになり、混合気の燃焼状態が不安定になるおそれがある。この点、本実施形態では、水温THWや油温THOといった機関温度が予め設定された温度(上記判定値Aや判定値B)に達するまで、副燃料供給系からの燃料の噴射供給を行うようにしている。そのため、機関始動時から内燃機関1の温度がある程度の温度に達するまでは、揮発性の高いガソリン燃料が供給されるようになり、これにより低温始動された後の混合気の燃焼状態を安定させることができるようになる。
(6)副燃料供給系からの燃料供給を終了する際、当該副燃料供給系からの燃料供給を直ちに中止して主燃料供給系からの燃料供給を開始すると、その切り替え時に機関出力等が急変するおそれがある。この点、本実施形態では、副燃料供給系からの燃料供給を終了する際、副燃料供給系からの燃料噴射量を徐々に減量するとともに、その減量分に応じて主燃料供給系からの燃料噴射量を増大させるようにしている。そのため、そうした機関出力等の急変を好適に抑えることができるようになる。
(7)機関始動時における吸気温THA、水温THW、及び油温THOの少なくとも1つが予め設定された低温判定値(吸気温判定値THAα、水温判定値THWα、及び油温判定値THOα)より低い場合に、混合燃料による機関始動が困難であると判定するようにしている。そのため、混合燃料による機関始動が困難であるか否かを適切に判定することができるようになる。
(8)混合燃料のアルコール濃度ADを検出するとともに、その検出されたアルコール濃度ADに基づいて上記低温判定値を可変設定するようにしている。そのため、混合燃料による機関始動が困難であるか否かをさらに適切に判定することができるようになる。
(9)機関運転中において目標空燃比を維持するために要求された燃料噴射量Qが多いときほど、混合燃料中のアルコール濃度ADの推定値を高く設定し、機関始動時における混合燃料のアルコール濃度ADとして、その推定値を設定するようにしている。そのため、アルコールセンサ等を用いることなく、混合燃料中のアルコール濃度ADを求めることができるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・吸気圧PMに基づいてパージ時間PTを可変設定するようにしたが、同パージ時間PTを予め設定された固定値とするようにしてもよい。
・吸気圧PMに基づいてパージ時間PTを可変設定するようにしたが、同パージ時間PTを予め設定された固定値とするようにしてもよい。
・吸気温判定値THAα、水温判定値THWα、及び油温判定値THOαをアルコール濃度ADに基づいて可変設定するようにしたが、それら各判定値の少なくとも1つを予め設定された固定値とするようにしてもよい。
・図2のステップS120では、上記条件(1)〜条件(3)の少なくとも1つが成立している場合に、混合燃料による機関始動が困難であると判断するようにした。この他、上記条件(1)〜条件(3)の全てが成立している場合に、混合燃料による機関始動が困難であると判断するようにしてもよい。また、混合燃料による機関始動が困難であるか否かを判断するためのパラメータとして、吸気温THA、水温THW、及び油温THOを利用するようにしたが、それら各パラメータのうちの少なくとも1つを利用するようにしてもよい。
・図7のステップS220では、水温THWが判定値A以上となっている場合、または油温THOが判定値B以上となっている場合に、始動完了条件が成立している旨判定するようにした。この他、水温THWが判定値A以上となっており、かつ油温THOが判定値B以上となっている場合に、始動完了条件が成立している旨判定するようにしてもよい。また、始動完了条件が成立しているか否かを、水温THWのみ、あるいは油温THOのみに基づいて判定するようにしてもよい。
・副燃料噴射系からの燃料供給を終了させる際には、副燃料噴射弁30からの燃料噴射量を徐々に減量させるとともに、その減量分に応じて主燃料噴射弁4からの燃料噴射量を増大させるようにしたが、副燃料噴射弁30からの燃料噴射を直ちに中止して主燃料噴射弁4からの燃料噴射を開始するようにしてもよい。この場合であっても、上記(6)以外の作用効果を得ることができる。
・機関始動後、水温THWや油温THOといった機関温度が予め設定された温度に達するまで副燃料供給系からの燃料噴射を行うようにしたが、機関完爆後、すなわち内燃機関1がスタータモータなどの外力によることなく自立運転を開始するまで、副燃料供給系からの燃料噴射を行うようにしてもよい。この場合でも、上記(5)以外の作用効果を得ることができる。
・副燃料供給系の状態を、ガソリン供給状態とエア導入状態とに切り替える切替弁として、三方弁32を設けるようにしたが、この他の切替弁を設けるようにしてもよい。
例えば図10に示すように、副燃料配管35にあって副燃料ポンプ33と副デリバリパイプ31との間に、入口ポート60a及び出口ポート60bを1つずつ備える二方弁にて構成される第1制御弁60を設ける。そして、入口ポート60aを副燃料ポンプ33側に、出口ポート60bを副デリバリパイプ31側に接続する。また、第1制御弁60の出口ポート60bと副デリバリパイプ31との間の副燃料配管35に対して、一端が同副燃料配管35に接続され、他端には第2制御弁61が設けられた分岐管70を接続する。この第2制御弁61は、入口ポート61a及び出口ポート61bを1つずつ備える二方弁であって、その出口ポート61bは分岐管70に接続されている。また、入口ポート61aは大気開放されている。この変形例においては、第1制御弁60を開弁状態にするとともに第2制御弁61を閉弁状態にすることにより、副燃料供給系の状態を上記ガソリン供給状態にすることができる。一方、第1制御弁60を閉弁状態にするとともに第2制御弁61を開弁状態にすることにより、副燃料供給系の状態を上記エア導入状態にすることができる。
例えば図10に示すように、副燃料配管35にあって副燃料ポンプ33と副デリバリパイプ31との間に、入口ポート60a及び出口ポート60bを1つずつ備える二方弁にて構成される第1制御弁60を設ける。そして、入口ポート60aを副燃料ポンプ33側に、出口ポート60bを副デリバリパイプ31側に接続する。また、第1制御弁60の出口ポート60bと副デリバリパイプ31との間の副燃料配管35に対して、一端が同副燃料配管35に接続され、他端には第2制御弁61が設けられた分岐管70を接続する。この第2制御弁61は、入口ポート61a及び出口ポート61bを1つずつ備える二方弁であって、その出口ポート61bは分岐管70に接続されている。また、入口ポート61aは大気開放されている。この変形例においては、第1制御弁60を開弁状態にするとともに第2制御弁61を閉弁状態にすることにより、副燃料供給系の状態を上記ガソリン供給状態にすることができる。一方、第1制御弁60を閉弁状態にするとともに第2制御弁61を開弁状態にすることにより、副燃料供給系の状態を上記エア導入状態にすることができる。
・上記副燃料噴射弁30をインテークマニホールド7に設けるようにしたが、主燃料噴射弁4と同様に、シリンダヘッドに設けるようにしてもよい。
・上記実施形態の副燃料供給系には、副燃料噴射機構として、電磁弁を有する副燃料噴射弁30が設けられていた。この他、電磁弁を備えておらず、燃料噴霧に適した小径の噴射孔が形成されており、その噴射孔が常に開口されている燃料噴霧器が副燃料噴射機構として設けられている場合であっても、上記パージ制御と同様な制御を実行することにより、当該パージ制御による同様な効果を得ることができる。
・上記実施形態の副燃料供給系には、副燃料噴射機構として、電磁弁を有する副燃料噴射弁30が設けられていた。この他、電磁弁を備えておらず、燃料噴霧に適した小径の噴射孔が形成されており、その噴射孔が常に開口されている燃料噴霧器が副燃料噴射機構として設けられている場合であっても、上記パージ制御と同様な制御を実行することにより、当該パージ制御による同様な効果を得ることができる。
例えば、図11に示すように、副燃料噴射弁30及び副デリバリパイプ31を省略する。そして、各気筒に対応した燃料噴霧器80をインテークマニホールド7にそれぞれ設け、各燃料噴霧器80を適宜の接続態様にて三方弁32の出口ポート32cに連通させる。また、三方弁32の第1入口ポート32aと副燃料ポンプ33とを接続する副燃料配管35の途中に、弁体の開度を任意に変更することのできる電磁弁90を設ける。なお、この電磁弁90は、副燃料ポンプ33と副燃料タンク34とを接続する副燃料配管35の途中に設けてもよい。そして、機関始動時にあって始動用燃料を噴射するときには、副燃料ポンプ33を駆動するとともに、電磁弁90を開弁させ、さらに三方弁32をガソリン供給状態にする。これにより、副燃料ポンプ33から各燃料噴霧器80に圧送された始動用燃料は、同燃料噴霧器80の噴射孔からインテークマニホールド7内に向けて噴射される。そして、機関始動がなされた後、電磁弁90が閉弁状態にされて始動用燃料の噴射が終了した時点で、上述したようなパージ制御を実行する。なお、副燃料噴射機構として、上記副燃料噴射弁30を使用する場合には、パージ制御の実行に併せて当該副燃料噴射弁30の開弁制御を実行する必要があった。しかし、この燃料噴霧器80には電磁弁が設けられておらず、その噴射孔は常に開口状態となっているため、パージ制御の実行時には自ずと噴射孔は開口状態になっている。そのため、前記開弁制御は不要である。
このように副燃料噴射機構として、上述したような燃料噴霧器80を備える場合にも、上記パージ制御を実行することにより、副燃料供給系での燃料の流量低下や、副燃料供給系を構成する副燃料配管35、或いは燃料噴霧器80等の閉塞を抑えることができる。
・上記実施形態では、吸気ポートに向けて燃料が噴射される、いわゆる吸気ポート噴射式の内燃機関の燃料供給装置に本発明を適用した場合について説明した。この他、気筒内に燃料を直接噴射供給する、いわゆる筒内噴射式の内燃機関の燃料供給装置に本発明を適用することも可能であり、この場合にも上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
なお、筒内噴射式の内燃機関において、副燃料噴射弁30が吸気通路に設けられており、その噴射先端部が吸気通路内に露出している場合には、吸気通路内の吸気圧の小ささ、すなわち吸気通路内の負圧の大きさが、上記副燃料噴射弁の噴射部先端にあってその外周面周辺の圧力状態に相当する。また、副燃料噴射弁30がシリンダヘッドに設けられており、その噴射先端部が気筒内に露出している場合には、気筒内の圧力の小ささ、すなわち気筒内の負圧の大きさが、上記副燃料噴射弁の噴射部先端にあってその外周面周辺の圧力状態に相当する。ちなみに、気筒内の負圧の大きさは、気筒内に吸入された空気の量等に基づいて推定可能である。
1…内燃機関、4…主燃料噴射弁、7…インテークマニホールド、8…サージタンク、9…吸気通路、11…主燃料タンク、12…主燃料ポンプ、13…主デリバリパイプ、14…主燃料配管、16…スロットル弁、26…排気通路、27…触媒、30…副燃料噴射弁、31…副デリバリパイプ、32…三方弁、32a…第1入口ポート、32b…第2入口ポート、32c…出口ポート、33…副燃料ポンプ、34…副燃料タンク、35…副燃料配管、40…吸入空気量センサ、41…吸気温センサ、42…空燃比センサ、43…水温センサ、44…油温センサ、45…回転速度センサ、46…スロットルセンサ、47…イグニッションスイッチ、50…制御装置、60…第1制御弁、60a…入口ポート、60b…出口ポート、61…第2制御弁、61a…入口ポート、61b…出口ポート、70…分岐管、80…燃料噴霧器、90…電磁弁
Claims (10)
- アルコール燃料とガソリン燃料とが任意の割合で混合された混合燃料を主燃料噴射機構から機関に噴射供給する主燃料供給系と、規定割合以上のガソリン燃料を含有する始動用燃料を副燃料噴射機構から機関に噴射供給する副燃料供給系とを備え、前記混合燃料による機関始動が困難である場合には、前記副燃料供給系から燃料の噴射供給を行う内燃機関の燃料供給装置において、
前記副燃料供給系からの燃料噴射が終了したときには、同副燃料供給系に残留した前記始動用燃料を前記副燃料噴射機構から排出するパージ制御を行う
ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 前記副燃料供給系は、
前記始動用燃料が貯留される副燃料タンクと、
前記副燃料噴射機構と前記副燃料タンクと接続する副燃料配管と、
同副燃料配管の途中に設けられる弁であって、その弁の作動状態を切り替えることにより、前記副燃料噴射機構に向けて前記副燃料タンク内の前記始動用燃料を供給可能な第1の状態と、前記副燃料噴射機構と前記副燃料タンクとの連通を遮断して前記副燃料配管内に外気を導入可能な第2の状態とに切り替える切替弁とを備え、
前記パージ制御の実行に際しては、前記第2の状態となるように前記切替弁の作動状態を切り替えるとともに、前記副燃料噴射機構の噴射孔を開口状態にする
請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記切替弁は、2つの入口ポートと1つの出口ポートとを備える三方弁であって、その出口ポートは前記副燃料配管にあって前記副燃料噴射機構側に接続されており、2つの入口ポートのうちの一方は前記副燃料配管にあって前記副燃料タンク側に接続されており、2つの入口ポートのうちの他方は大気開放されてなる
請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記副燃料噴射機構の噴射部先端にあってその外周面周辺の圧力状態に応じて前記パージ制御の実行時間を可変設定する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記外周面周辺の圧力が小さいときほど、前記実行時間は短くされる
請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 機関温度が予め設定された温度に達するまで前記副燃料供給系からの燃料の噴射供給を行う
請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記副燃料供給系からの燃料供給を終了する際には、当該副燃料供給系からの燃料噴射量を徐々に減量するとともに、その減量分に応じて前記主燃料供給系からの燃料噴射量を増大させる
請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 機関始動時における吸気温、冷却水温、及び油温の少なくとも1つが予め設定された低温判定値より低い場合に、前記混合燃料による機関始動が困難であると判定する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記混合燃料のアルコール濃度を検出するとともに、その検出されたアルコール濃度に基づいて前記低温判定値を可変設定する
請求項8に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記内燃機関は、燃料噴射量に対して空燃比制御が行われる機関であって、機関運転中において目標空燃比を維持するために要求された燃料噴射量が多いときほど、前記混合燃料中のアルコール濃度の推定値を高く設定し、
機関始動時における前記混合燃料のアルコール濃度として、前記推定値を設定する
請求項9に記載の内燃機関の燃料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006132972A JP2007303389A (ja) | 2006-05-11 | 2006-05-11 | 内燃機関の燃料供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006132972A JP2007303389A (ja) | 2006-05-11 | 2006-05-11 | 内燃機関の燃料供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007303389A true JP2007303389A (ja) | 2007-11-22 |
Family
ID=38837523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006132972A Pending JP2007303389A (ja) | 2006-05-11 | 2006-05-11 | 内燃機関の燃料供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007303389A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057562A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の燃料供給装置 |
JP2019094906A (ja) * | 2015-03-27 | 2019-06-20 | 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 | 内燃機関の制御装置及びそれを用いた陸舶産業用内燃機関 |
US10954893B2 (en) | 2018-08-30 | 2021-03-23 | Kohler, Co. | Accumulator device |
-
2006
- 2006-05-11 JP JP2006132972A patent/JP2007303389A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057562A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の燃料供給装置 |
JP2019094906A (ja) * | 2015-03-27 | 2019-06-20 | 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 | 内燃機関の制御装置及びそれを用いた陸舶産業用内燃機関 |
US10954893B2 (en) | 2018-08-30 | 2021-03-23 | Kohler, Co. | Accumulator device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4719136B2 (ja) | エンジンの制御装置 | |
US7845334B2 (en) | Fuel system for multi-fuel engine | |
EP2027380B1 (en) | Control apparatus and method for internal combustion engine and fuel property determining apparatus and method | |
US7802562B2 (en) | Engine boost control for multi-fuel engine | |
JP2007154881A (ja) | エンジンの制御装置及び制御方法 | |
JP2006258039A (ja) | 内燃機関の燃料供給装置 | |
JP4449706B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2011163220A (ja) | 燃料供給システムの制御装置 | |
JP2005351159A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御方法 | |
JP3759855B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射システム | |
JP2014066154A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP4872832B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2011220114A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2007303389A (ja) | 内燃機関の燃料供給装置 | |
JP6118238B2 (ja) | マルチフューエルエンジンの燃料供給装置 | |
JP4806987B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2007192032A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP5181890B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2010024886A (ja) | エンジンの燃料供給システム | |
JP4063603B2 (ja) | 内燃機関の燃料供給装置 | |
JP2009138569A (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
JP2007132191A (ja) | 内燃機関の燃料供給装置 | |
KR100608937B1 (ko) | 내연기관의 연료공급장치 | |
JP4039343B2 (ja) | 内燃機関の蒸発燃料処理装置 | |
JP2010001772A (ja) | 内燃機関の燃料供給装置 |