JP2015151879A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気体燃料及び液体燃料を使用可能な内燃機関において、内燃機関の制御パラメータの適合工数及び記憶容量を低減させる。【解決手段】制御部80は、基準燃料についての制御パラメータの適合値である基準適合値をエンジン運転状態ごとに記憶する。制御部80は、基準燃料が選択されている場合には、都度のエンジン運転状態に対応する基準適合値を読み出し、その読み出した基準適合値を用いて基準燃料によるエンジン10での燃焼を実施する。また制御部80は、変換対象燃料が選択されている場合には、都度のエンジン運転状態に対応する基準適合値を読み出し、その読み出した基準適合値を、気体燃料と液体燃料との物性差に基づき変換することにより変換対象燃料の適合値である適合変換値を算出する。そして、その適合変換値を用いて変換対象燃料によるエンジン10での燃焼を実施する。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは気体燃料と液体燃料とを切り替えて使用可能な車載内燃機関の制御装置に関する。
近年、圧縮天然ガス(CNG)や水素燃料などの気体燃料が、ガソリンなどの液体燃料に代わる代替燃料として注目されており、気体燃料を単独で又は液体燃料と共に燃焼用の燃料として使用する内燃機関が実用化されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1には、静圧降下に対応する流量の燃料を供給することで、空気質量/燃料質量の比率を燃料噴射期間全体に亘って常に一定になるように制御することが開示されている。
ところで、気体燃料と液体燃料とでは内燃機関の制御パラメータの適切値が異なり、そのため、使用する燃料に対してそれぞれ適合を行っているのが現状である。ところが、燃料ごとに適合することで、適合工数が増大したり、あるいは適合値を記憶しておくための記憶容量が増大したりしている。特に、気体燃料を使用可能な車両はコストダウンに対する要求が高く、こう言った点からも適合工数及び記憶容量の削減が求められている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、気体燃料及び液体燃料を使用可能な内燃機関において、内燃機関の制御パラメータの適合工数及び記憶容量を低減させることができる内燃機関の制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、気体燃料を噴射する気体噴射手段と、液体燃料を噴射する液体噴射手段とを備える内燃機関に適用される制御装置に関する。請求項1に記載の発明は、前記気体燃料及び前記液体燃料のうちの一方である基準燃料についての前記内燃機関の制御パラメータの適合値である基準適合値を前記内燃機関の運転状態ごとに記憶する記憶手段と、前記内燃機関の運転に使用する燃料として前記基準燃料が選択されている場合に、都度の前記内燃機関の運転状態に対応する前記基準適合値を前記記憶手段から読み出し、その読み出した基準適合値を用いて前記基準燃料による前記内燃機関での燃焼を実施する第1制御手段と、前記内燃機関の運転に使用する燃料として前記気体燃料及び前記液体燃料のうち前記基準燃料でない方の燃料である変換対象燃料が選択されている場合に、都度の前記内燃機関の運転状態に対応する前記基準適合値を前記記憶手段から読み出し、その読み出した基準適合値を、前記気体燃料と前記液体燃料との物性差に基づき変換することにより、前記変換対象燃料の適合値である適合変換値を算出する変換値算出手段と、前記内燃機関の運転に使用する燃料として前記変換対象燃料が選択されている場合に、前記変換値算出手段により算出した適合変換値を用いて前記変換対象燃料による前記内燃機関での燃焼を実施する第2制御手段と、を備えることを特徴とする。
要するに、上記構成では、気体燃料と液体燃料とのうちの基準とする燃料については適合値を記憶手段に記憶させておき、基準燃料でない方の燃料(変換対象燃料)については、基準燃料の適合値を、気体燃料と液体燃料との物性差に基づいて変換することによって適合値を演算により求める構成とした。複数種類の燃料を燃焼用の燃料に使用する内燃機関の場合、制御パラメータの最適値は燃料毎に異なるため、それぞれの燃料について適合値を定めておく必要がある。この点、上記構成によれば、複数の燃料のうち一部の燃料について適合値を予め定めて記憶させておけばよい。したがって、適合工数を削減することができるとともに、記憶手段の記憶容量を削減することができる。
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、気体燃料である圧縮天然ガス(CNG)と液体燃料であるガソリンとを燃焼用の燃料として使用する、いわゆるバイフューエルタイプの車載エンジン(内燃機関)に適用されるエンジン制御システムとして具体化している。本システムの全体概略図を図1に示す。
図1に示すエンジン10は、多気筒(例えば3気筒や4気筒)の火花点火式エンジンである。エンジン10の吸気ポートには吸気マニホールド12を介して吸気管11が接続されており、排気ポートには排気マニホールド13を介して排気管14が接続されている。吸気管11には、空気量調整手段としてのスロットル弁15が設けられている。スロットル弁15は、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15aにより開度調節される電子制御式のスロットル弁として構成されている。スロットル弁15の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15aに内蔵されたスロットル開度センサ15bにより検出される。
排気管14には、排気の成分を検出する排気センサと、排気を浄化する触媒19とが設けられている。排気センサとしては、排気中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する酸素センサ18a,18bが、触媒19の上流側及び下流側にそれぞれ設けられている。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートには、気筒内に導入される空気量を調整する機関バルブとしての吸気バルブ25及び排気バルブ26がそれぞれ設けられている。吸気バルブ25の開動作により空気と燃料との混合気が気筒内に導入され、排気バルブ26の開動作により燃焼後の排気が排気通路に排出される。
エンジン10の各気筒には点火プラグ20が設けられている。点火プラグ20には、点火コイル等よりなる点火装置20aを通じて、所望とする点火時期に高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ20の対向電極間に火花放電が発生し、気筒内に導入した燃料が着火され燃焼に供される。
本システムには、エンジン10の各気筒に対して燃料を噴射供給する燃料噴射手段として、気体燃料を噴射する第1噴射弁21と、液体燃料を噴射する第2噴射弁22とが設けられている。これら各噴射弁21,22は吸気マニホールド12にそれぞれ燃料を噴射する。
各噴射弁21,22は、電磁駆動部が電気的に駆動されることで弁体が閉位置から開位置にリフトされる開閉タイプの制御弁であり、制御部80から入力されるオン/オフ式の開弁駆動信号によりそれぞれ開弁駆動される。これら各噴射弁21,22は、通電により開弁し、通電遮断により閉弁することにより、通電時間に応じた量の燃料を噴射する。なお、本実施形態では、第1噴射弁21の先端部に噴射管23が接続されており、第1噴射弁21から噴出された気体燃料は噴射管23を介して吸気マニホールド12に噴射されるようになっている。第2噴射弁22について本実施形態ではポート噴射式としたが、エンジン10の気筒内に直接燃料を噴射する直噴式としてもよい。
次に、第1噴射弁21に対して気体燃料を供給する気体燃料供給部40と、第2噴射弁22に対して液体燃料を供給する液体燃料供給部70とについて説明する。
気体燃料供給部40には、気体燃料を高圧状態で貯留するガスタンク42と、ガスタンク42と第1噴射弁21とを接続するガス配管41と、が設けられている。ガス配管41の途中には、第1噴射弁21に供給される気体燃料の圧力を減圧調整する機能を有する圧力調整手段としてのレギュレータ43が設けられている。レギュレータ43は、ガスタンク42内に貯蔵された高圧状態(例えば最大20MPa)の気体燃料を所定の設定圧(例えば0.2〜1.0MPaの範囲内の一定圧)になるように減圧調整するものである。減圧調整後の気体燃料は、ガス配管41を通って第1噴射弁21に供給される。なお、レギュレータ43によって減圧調整された燃料圧力が第1噴射弁21の噴射圧に相当する。レギュレータ43は、第1噴射弁21に供給する燃料の圧力を可変調整することが可能な可変燃圧式であってもよい。
ガス配管41には更に、ガスタンク42の燃料出口の付近に配置されたタンク主止弁44と、タンク主止弁44よりも下流側であってレギュレータ43の燃料入口の付近に配置された遮断弁45とが設けられている。これら各弁44,45によって、ガス配管41における気体燃料の流通が許容及び遮断される。タンク主止弁44及び遮断弁45はいずれも電磁式の開閉弁であり、非通電時において気体燃料の流通が遮断され、通電時において気体燃料の流通が許容される常閉式である。また、ガス配管41において、レギュレータ43の上流側及び下流側には、燃料圧力を検出する圧力センサ46,47が設けられており、レギュレータ43の下流側には、燃料温度を検出する温度センサ48が設けられている。
液体燃料供給部70には、液体燃料を貯留する燃料タンク72が設けられており、燃料タンク72が第2噴射弁22に燃料配管71を介して接続されている。燃料配管71には、燃料タンク72内の液体燃料を第2噴射弁22に給送する燃料ポンプ73が設けられている。燃料ポンプ73により汲み上げられた液体燃料は、燃料配管71を通って第2噴射弁22に供給される。
制御部80は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等を備えており、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じた各種制御を実施する。具体的には、制御部80は、上述した各種センサや、本システムに設けられたその他のセンサ類(クランク角センサ81、吸気圧センサ82、冷却水温センサ83、車速センサ等)と電気的に接続されており、これらのセンサからの出力(検出信号)が入力される。また、制御部80は、点火装置20a、各噴射弁21,22、エンジン始動装置としてのスタータ(図示略)等の駆動部と電気的に接続されており、駆動信号を各駆動部に向けて出力することにより各駆動部の駆動を制御する。
制御部80は、エンジン運転状態やタンク内の燃料残量、図示しない燃料選択スイッチからの入力信号等に応じて、エンジン10の運転に使用する燃料を選択的に切り替えている。具体的には、燃料選択スイッチにより気体燃料の使用が選択されている場合又はタンク72内の液体燃料の残存量が所定値を下回った場合には、エンジン10の運転モードとして、気体燃料供給部40により気体燃料をエンジン10に供給する気体燃料モードを選択する。一方、燃料選択スイッチにより液体燃料の使用が選択されている場合又はガスタンク42内の気体燃料の残存量が所定値を下回った場合には、エンジン10の運転モードとして、液体燃料供給部70により液体燃料をエンジン10に供給する液体燃料モードを選択する。
本実施形態のシステムでは、電子スロットル制御や点火時期制御などのエンジン10の各種制御をトルク制御によって実行している。具体的には、アクセル開度やエンジン回転速度を基に要求トルクを算出するとともに、吸入空気量やエンジン回転速度を主たるパラメータとして実トルクを推定する。そして、実トルクが要求トルクに一致するようにトルクフィードバック制御を実施する。例えば、電子スロットル制御においては、要求トルクと実トルクとのフィードバック演算により要求吸気量を演算し、その要求吸気量に基づいて目標スロットル開度を算出する。また、制御部80は、スロットル開度が目標スロットル開度になるようにスロットル弁15を駆動する。
点火時期制御については、実トルクと要求トルクとの偏差に基づき算出した要求吸気量やエンジン回転速度を主たるパラメータとして、トルクが最大となる点火時期である最適点火時期(MBT)を算出する。本実施形態では、エンジン10に供給した燃料に点火した後に該燃料が所定の質量割合Rfまで燃焼するのに要するクランク角期間(以下「主燃焼期間」ともいう。)とMBT点火時期との関係が予め記憶されており、その関係を用いて、都度の主燃焼期間に対応するMBT点火時期を算出する。なお、主燃焼期間は、エンジン回転速度及び要求吸気量に基づいて演算することができ、本実施形態ではエンジン10に供給された燃料の50%が燃焼するまでに要するクランク角期間(50%燃焼期間)としている。また、制御部80は、算出したMBT点火時期で点火が実施されるように点火装置20aの駆動を制御する。
なお、エンジン10に供給した燃料の燃焼期間のうち所定の質量割合Rfまではトルクに寄与するが、その後はトルクにさほど寄与せず、またばらつきも大きい。そこで本実施形態では、所定の質量割合Rf(ここでは50質量%)の燃料が燃焼するまでの期間に基づき点火時期を算出することとしている。
ここで、気体燃料と液体燃料とでは、燃料密度[kg/Nm3]やオクタン価、沸点[℃]、層流燃焼速度[cm/s]、理論空燃比、低位発熱量[KJ/mol-fuel]等の各種の燃料物性がそれぞれ異なる。例えば、CNGはガソリンよりも高オクタン価であるためノッキングが生じにくい反面、ガソリンよりも同一体積当たりのエネルギ密度が低い。エンジン制御に際しては、こうした燃料の物性の相違を考慮し、都度のエンジン運転に使用する燃料の種類毎に制御パラメータを演算し、これを使用する必要がある。
その一つの方法としては、燃料噴射制御、点火時期制御、トルク制御、空気量制御等における各種の制御パラメータの適合を燃料ごとに行うとともに、それら制御パラメータの適合値を燃料ごとに別個にROMに記憶させておくことが考えられる。こうした構成の場合、制御部80は、エンジン10での燃焼に使用する燃料に応じて、ROMに記憶されたデータの中から対応する燃料の適合値を読み出し、その読み出した適合値を用いてエンジン10の各種制御を実施する。これにより、燃料の物性に応じた最適な制御を実現可能となる。
ところが、複数の燃料を使用して運転を行うバイフューエルエンジンにおいて、上記のように燃料毎に適合を行い、その適合値を燃料毎に制御部80のROMに予め記憶させておく構成とした場合、ROM容量が増大し、その結果、コストが増大してしまう。また、気体燃料と液体燃料では制御仕様が同じであるにもかかわらず、それぞれの燃料について適合を実施する必要が生じ、適合工数が増大することも懸念される。
本発明者らは、重複適合の削減及びROM容量の低減を図るべく鋭意検討を重ね、燃料噴射制御、点火時期制御、トルク制御、空気量制御等の各種エンジン制御のうち、必要な適合工数全体に占める比率が高いトルク制御及び点火時期制御における適合工数及びROMに記憶させる情報量を削減することに着眼した。
図2は、各回転速度における空気量の最大値に対する実際の空気量の比である負荷率と、エンジン回転速度とに応じたトルク及びMBT点火時期をガソリン/CNGで比較した図である。図2中、(A)はトルクについて示し、(B)はMBT点火時期について示している。図2(A)によれば、ガソリンとCNGとのトルク差はエンジン運転領域に依らず略一定であり、また図2(B)によれば、ガソリンとCNGとのMBT点火時期の差はエンジン運転領域に依らず略一定であることが分かる。つまり、図2から、ガソリンとCNGとの違いに規則性があると言える。こうした知見に基づき、本発明者らは、気体燃料と液体燃料との物性の差に着目し、ガソリンの適合値をCNGの適合値に変換するモデルを構築することを試みた。
具体的には、トルク及び点火時期のそれぞれの制御パラメータについて、その制御パラメータに関係のある複数の燃料物性の中から、気体燃料と液体燃料との間で異なる燃料物性を特定した。また、その特定した燃料物性についての気体燃料と液体燃料との比率(気体燃料の物性値/液体燃料の物性値)を算出し、その比率を用いて液体燃料の適合値を気体燃料用に変換し、変換後の適合値を用いて気体燃料によるエンジン運転を行った。その結果、こうした手法によれば、液体燃料の適合値を気体燃料の適合値に変換できることが明らかになった。以下、トルク及び点火時期のそれぞれにおける本実施形態の変換モデルについて詳しく説明する。
<トルク変換モデル>
混合気の同一容積当たりでどれだけのトルクが発生するかは、エンジン10の気筒内に導入される空気と燃料との混合気中における空気の占める体積割合(充填効率η[%]=空気容積/混合気容積)と、単位空気量当たりの発熱量Qo[kJ/mol]と、エンジン10の熱効率[%]とを主たるパラメータとして決まる。なお、充填効率ηは、燃料密度と理論空燃比とにより算出される値であり、燃料の物性の一つである。これら燃料物性のうち熱効率については、混合気中における燃料の均質性が同じであれば、燃料にかかわらず略同じであるという結果が得られた。そこで、本発明者らは、気体燃料と液体燃料との間にトルク差が生じる主たる要因は、充填効率η及び発熱量Qoの少なくともいずれかであると考えた。そして、燃料間での充填効率η及び発熱量Qoの差(比率)を用いることによって、液体燃料のトルクを気体燃料のトルクに変換できるとの仮説を立てた。
混合気の同一容積当たりでどれだけのトルクが発生するかは、エンジン10の気筒内に導入される空気と燃料との混合気中における空気の占める体積割合(充填効率η[%]=空気容積/混合気容積)と、単位空気量当たりの発熱量Qo[kJ/mol]と、エンジン10の熱効率[%]とを主たるパラメータとして決まる。なお、充填効率ηは、燃料密度と理論空燃比とにより算出される値であり、燃料の物性の一つである。これら燃料物性のうち熱効率については、混合気中における燃料の均質性が同じであれば、燃料にかかわらず略同じであるという結果が得られた。そこで、本発明者らは、気体燃料と液体燃料との間にトルク差が生じる主たる要因は、充填効率η及び発熱量Qoの少なくともいずれかであると考えた。そして、燃料間での充填効率η及び発熱量Qoの差(比率)を用いることによって、液体燃料のトルクを気体燃料のトルクに変換できるとの仮説を立てた。
ここで、充填効率ηは、燃料に含まれる各成分の酸素との反応式と、各成分の燃料中における含有率とから算出可能である。また、単位空気量当たりの発熱量Qoは、燃料に含まれる各成分の低位発熱量と、各成分の燃料中における含有率とから算出可能である。この点に鑑み、本発明者らは、熱化学方程式を利用することによって各燃料の充填効率η及び発熱量Qoをそれぞれ算出し、燃料間での充填効率比Rt1(=ηc/ηp)及び発熱量比Rt2(=Qc/Qp)に基づいて、液体燃料のトルクに対する気体燃料のトルクの比率であるトルク比Rtを算出することとした。
具体的には、平均分子式CiHjの熱化学方程式は下記式(1)で表される。
1CiHj+A+(i+0.25j)O2+(4i+j)N2
=(排出ガス)+Qf[KJ/mol-fuel] …(1)
(式(1)中、Aは不純物、QfはCiHjの1モル当たりの発熱量である。)
1CiHj+A+(i+0.25j)O2+(4i+j)N2
=(排出ガス)+Qf[KJ/mol-fuel] …(1)
(式(1)中、Aは不純物、QfはCiHjの1モル当たりの発熱量である。)
また、上記式(1)を用いることにより、燃料容積は(1+A)と表され、空気容積は酸素と窒素の合計量(i+0.25j+4i+b=5i+1.25j)と表される。したがって、充填効率η[%]は下記式(2)で表され、単位空気量当たりの発熱量Qo[KJ/mol-air]は下記式(3)で表される。
η=(空気容積)/(混合気容積)
=(5i+1.25j)/(5i+1.25j+1+A) …(2)
Qa=(CiHjの1モル当たりの発熱量)/(空気容積)
=Qf/(5i+1.25j) …(3)
η=(空気容積)/(混合気容積)
=(5i+1.25j)/(5i+1.25j+1+A) …(2)
Qa=(CiHjの1モル当たりの発熱量)/(空気容積)
=Qf/(5i+1.25j) …(3)
上記式(1)〜(3)を用いて、気体燃料(CNG)及び液体燃料(ガソリン)のそれぞれの充填効率η及び単位空気量当たりの発熱量Qpを算出する。まずガソリンについて、平均分子式CiHjをヘプタン(C7H16)で代表し、不純物をゼロとする。この場合、熱化学方程式は下記式(4)で表される。
1C7H16+(7+0.25×16)O2+(4×7+16)N2
=(排出ガス)+4,490[KJ/mol-fuel] …(4)
1C7H16+(7+0.25×16)O2+(4×7+16)N2
=(排出ガス)+4,490[KJ/mol-fuel] …(4)
したがって、ガソリンの充填効率ηpは下記式(5)となり、ガソリンの単位空気量当たりの発熱量Qpは下記式(6)となる。
ηp=(5×7+1.25×16)/(5×7+1.25×16+1)
=98.2[%] …(5)
Qp=4490/(5×7+1.25×16)
=81.64[KJ/mol-air] …(6)
ηp=(5×7+1.25×16)/(5×7+1.25×16+1)
=98.2[%] …(5)
Qp=4490/(5×7+1.25×16)
=81.64[KJ/mol-air] …(6)
次に、CNGについての充填効率ηc及び単位空気量当たりの発熱量Qcを算出する。CNGは常温で気体状態である複数の化合物の混合物であり、各成分の含有率で平均化した平均分子式CiHjは、例えば日本 13Aの場合にはC1.17H4.33で表される。不純物をゼロとした場合、CNGの熱化学方程式は下記(7)で表される。
1C1.17H4.33+(1.17+0.25×4.33)O2+(4×1.17+4.33)N2
=(排出ガス)+907[KJ/mol-fuel] …(7)
1C1.17H4.33+(1.17+0.25×4.33)O2+(4×1.17+4.33)N2
=(排出ガス)+907[KJ/mol-fuel] …(7)
したがって、CNGの充填効率ηcは下記式(8)となり、CNGの単位空気量当たりの発熱量Qair-cは下記式(9)となる。
ηc=(5×1.17+1.25×4.33)/(5×1.17+1.25×4.43+1)
=91.8[%] …(8)
Qc=940/(5×1.17+1.25×4.33)
=80.47[KJ/mol-air] …(9)
ηc=(5×1.17+1.25×4.33)/(5×1.17+1.25×4.43+1)
=91.8[%] …(8)
Qc=940/(5×1.17+1.25×4.33)
=80.47[KJ/mol-air] …(9)
本実施形態では、同一運転条件下において、ガソリントルクに対するCNGトルクの比率であるトルク比Rtを、ガソリンの充填効率ηpに対するCNGの充填効率ηcの比率である充填効率比Rt1(=ηc/ηp)と、ガソリンの発熱量Qpに対するCNGの発熱量Qcの比率である発熱量比Rt2(=Qc/Qp)との積によって表す。具体的には下記式(10)の通りである。
トルク比Rt=充填効率比Rt1×発熱量比Rt2 …(10)
=(91.8/98.2)×(80.47/81.64)
=0.921
この数値(Rt=0.921)は、エンジン10での燃焼をガソリンにより行った場合に発生するトルクに対して、同一運転条件下でCNGにより行った場合に発生するトルクが7.9%ダウンすることを示している。なお、気体燃料は単位質量当たりの体積量が大きく、そのため、燃料噴射弁から噴射された気体燃料が空気との混合気中に占める体積割合が液体燃料に比べて大きくなる。こうした燃料物性の相違に起因して両者の充填効率ηが異なると言える。
トルク比Rt=充填効率比Rt1×発熱量比Rt2 …(10)
=(91.8/98.2)×(80.47/81.64)
=0.921
この数値(Rt=0.921)は、エンジン10での燃焼をガソリンにより行った場合に発生するトルクに対して、同一運転条件下でCNGにより行った場合に発生するトルクが7.9%ダウンすることを示している。なお、気体燃料は単位質量当たりの体積量が大きく、そのため、燃料噴射弁から噴射された気体燃料が空気との混合気中に占める体積割合が液体燃料に比べて大きくなる。こうした燃料物性の相違に起因して両者の充填効率ηが異なると言える。
上記ようにして設定したトルク比Rtが、ガソリントルクとCNGトルクとの比率を正確に示す値であるか否かの検証結果を図3に示す。図3は、負荷率及びエンジン回転速度が異なる複数のエンジン運転領域でのトルクを示す図であり、(A)は実測値、(B)はガソリントルクの実測値にトルク比Rtを乗算することにより求めた計算値(適合変換値)を示している。
図3(A)に示すように、何れのエンジン運転領域でも、ガソリントルク(黒印)に対してCNGトルク(白印)は低トルクとなる。ガソリントルクの実測値に対してトルク比Rtを乗算してCNGトルクへの変換を試みたところ、図3(B)に示すように、その変換値(黒印)とCNGトルクの実測値(白印)とが略一致した。この検証結果から、下記式(11)で表される変換モデルによってガソリントルクTpをCNGトルクTcに変換できると言える。
Tc=Tp×Rt …(11)
Tc=Tp×Rt …(11)
<点火時期変換モデル>
次に、点火時期変換モデルについて説明する。まず、燃料間におけるMBT点火時期の違いが生じている要因について検証した。図4(A)に各燃料のMBT点火時期特性、(B)に燃焼速度特性を示す。図4(A)によれば、CNGはガソリンよりもMBT点火時期が進角側にあること、及び両者のMBT点火時期の違いがエンジン運転領域に依らず概ねΔθ1であることが分かる。また、図4(B)によれば、CNGはガソリンよりも燃焼速度が遅いこと、及び両者の燃焼速度の違いがΔθ2であることが分かる。また、MBT点火時期の違いΔθ1と燃料速度の違いΔθ2とが略同じであることから、ガソリンとCNGとでは、燃焼速度の違いによってMBT点火時期に違いが生じていると考えた。
次に、点火時期変換モデルについて説明する。まず、燃料間におけるMBT点火時期の違いが生じている要因について検証した。図4(A)に各燃料のMBT点火時期特性、(B)に燃焼速度特性を示す。図4(A)によれば、CNGはガソリンよりもMBT点火時期が進角側にあること、及び両者のMBT点火時期の違いがエンジン運転領域に依らず概ねΔθ1であることが分かる。また、図4(B)によれば、CNGはガソリンよりも燃焼速度が遅いこと、及び両者の燃焼速度の違いがΔθ2であることが分かる。また、MBT点火時期の違いΔθ1と燃料速度の違いΔθ2とが略同じであることから、ガソリンとCNGとでは、燃焼速度の違いによってMBT点火時期に違いが生じていると考えた。
ここで、燃焼速度の算出式であるMetghalchi and Keckの式によれば、燃焼速度は、層流燃焼速度[cm/s]と温度変化と圧力変化とを主たるパラメータとして決定される。これらのうち温度変化及び圧力変化については、同一運転条件であれば同じである。一方、層流燃焼速度は、気体燃料と液体燃料とで異なる物性であり、CNGよりもガソリンの方が速い。そこで本発明者らは、気体燃料と液体燃料との間で点火時期の差が生じる主たる要因は燃焼速度であり、液体燃料の燃焼速度に対する気体燃料の燃焼速度の比である燃焼速度比Rvを用いることにより、ガソリンのMBT点火時期θp1をCNGのMBT点火時期θc1に変換できるとの仮説を立てた。
上記の仮説に基づく点火時期の変換方法について以下に説明する。まず、ガソリン適合値の近似式を算出してガソリン適合データを関数化する。ここでは、主燃焼期間(本実施形態では50%燃焼期間)とMBT点火時期との関係を、ガソリン適合値を用いて一次式として算出する。点火時期の一次式は下記式(12)で表される。
Y=a×x+b …(12)
(式中、xは主燃焼期間、YはMBT点火時期、a及びbは一定値を示す。)
なお、CNGの点火時期も同一線上に乗るため、上記一次式は共有することができる。
Y=a×x+b …(12)
(式中、xは主燃焼期間、YはMBT点火時期、a及びbは一定値を示す。)
なお、CNGの点火時期も同一線上に乗るため、上記一次式は共有することができる。
ガソリンとCNGとの燃焼速度比Rvは、CNGの代表1点の主燃焼期間の計測値Tcng0と、同一条件下におけるガソリンの主燃焼期間の計測値Tpet0とから下記式(13)を用いて算出される。
Rv=Tpet0/Tcng0 …(13)
Rv=Tpet0/Tcng0 …(13)
CNGの各運転領域における主燃焼期間Tc0は、同一運転条件下におけるガソリンの主燃焼期間Tp0と、上記式(13)で表される燃焼速度比Rvとから下記式(14)を用いて算出される。なお、ガソリンの主燃焼期間Tp0については、実験等により予め実測した値を用いる。
Tc0=Rv×Tp0 …(14)
Tc0=Rv×Tp0 …(14)
CNGの各運転領域におけるMBT点火時期θc1は、上記式(12)で表されるガソリン適合値の一次式を用いて、上記式(14)で算出されるCNG燃焼期間Tc0から算出できる。つまり、CNGのMBT点火時期θc1は下記式(15)で表される。
θc1=a×Tc0+b …(15)
θc1=a×Tc0+b …(15)
上記の演算により求めたMBT点火時期θc1が正確な値であるか否かについて、負荷率及びエンジン回転速度が異なる複数のエンジン運転領域(A)〜(D)で検証した結果を図5に示す。なお、図中、三角印はMBT点火時期の実測値を示し、丸印は上記式(15)によるMBT点火時期の演算値を示す。MBT点火時期の演算値について実測値との比較を行ったところ両者は略一致した。この検証結果から、上記式(14)及び式(15)で表される変換モデルによって、ガソリン点火時期をCNG点火時期に変換できると言える。
以上の検証結果に基づき、本システムでは、気体燃料及び液体燃料のうち基準とする燃料(基準燃料)のみについて、エンジン制御パラメータの適合値をエンジン運転状態ごとにROMに記憶しておく。そして、基準燃料を用いてのエンジン運転時では、都度のエンジン運転状態に対応する適合値をROMから読み出し、その読み出した適合値を用いて、基準燃料によるエンジン10での燃焼を実施する(第1制御手段)。一方、気体燃料及び液体燃料のうち基準燃料ではない方の燃料(変換対象燃料)を用いてのエンジン運転時では、都度のエンジン運転状態に対応する基準燃料の適合値をROMから読み出し、その読み出した適合値を、気体燃料と液体燃料との物性差に基づき変換することにより、変換対象燃料の適合値である適合変換値を算出する。そして、その適合変換値を用いて、変換対象燃料によるエンジン10での燃焼を実施する(第2制御手段)。本実施形態では、液体燃料(ガソリン)を基準燃料とし、気体燃料(CNG)を変換対象燃料としている。
本実施形態における適合値変換モデルの概要を図6の機能ブロック図に基づいて説明する。以下に説明する各種の演算パラメータのうち、アクセル開度、エンジン回転速度、吸気圧はそれぞれ、スロットル開度センサ15b、クランク角センサ81、吸気圧センサ82の各検出値に基づいて算出される。
図6に示すように、制御部80は、ガソリン要求トルク算出部M10と、要求吸気量算出部M23と、要求開度算出部M40と、MBT点火時期算出部M54と、実吸気量算出部M60と、推定トルク算出部M70とを備えている。なお、これら各算出部に記憶されているマップはガソリン基準マップとなっている。
ガソリン要求トルク算出部M10では、アクセル開度とエンジン回転速度とをパラメータとして、ガソリンを用いて燃焼を行う場合のエンジン10の要求トルクであるガソリン要求トルクTrpを算出する。詳しくは、ガソリン要求トルク算出部M10には、ガソリン基準で予め規定した要求トルクマップが記憶されている。ガソリン要求トルク算出部M10では、この要求トルクマップを用いて、都度のアクセル開度及びエンジン回転速度に基づきガソリン要求トルクTrpを算出する。要求トルクマップによれば、アクセル開度が大きいほど、又はエンジン回転速度が高いほど、ガソリン要求トルクTrpとして大きい値が算出される。ガソリン要求トルク算出部M10で算出したガソリン要求トルクTrpは燃料切替部M21に出力される。
燃料切替部M21では、気体燃料及び液体燃料のいずれをエンジン運転に使用するかの信号として燃料選択信号S1を入力する。なお、燃料選択信号S1は、例えば燃料選択スイッチから入力される。また、その入力した燃料選択信号S1に応じて、ガソリン要求トルクTrpをCNG要求トルク算出部M22に出力するか、それとも要求吸気量算出部M23に出力するかを切り替える。
具体的には、燃料切替部M21に入力される燃料選択信号S1が、液体燃料をエンジン運転に使用することを示す信号である場合には、燃料切替部M21はガソリン要求トルク算出部M10から入力したガソリン要求トルクTrpを要求吸気量算出部M23に出力する。一方、燃料切替部M21に入力される燃料選択信号S1が、気体燃料をエンジン運転に使用することを示す信号である場合には、燃料切替部M21はガソリン要求トルク算出部M10から入力したガソリン要求トルクTrpをCNG要求トルク算出部M22に出力する。つまり、燃料切替部M21では、ガソリン要求トルクTrpをCNG要求トルクTrcに変換するか否かを切り替える。
CNG要求トルク算出部M22では、ガソリン要求トルク算出部M10で算出したガソリン要求トルクTrpを入力し、その入力したガソリン要求トルクTrpを、気体燃料と液体燃料との物性差に基づき変換することにより、適合変換値としてのCNG要求トルクTrcを算出する。詳しくは、CNG要求トルク算出部M22には、予め規定したトルク比Rtが記憶されている。なお、トルク比Rtについて本実施形態では、基準となる燃料組成に基づき、上記式(10)を用いて一定値に設定してある。CNG要求トルク算出部M22では、ガソリン要求トルクTrpとトルク比Rtとを積算してCNG要求トルクTrc(=Trp×Rt)を算出する。
要求吸気量算出部M23では、要求トルク(ガソリン要求トルクTrp又はCNG要求トルクTrc)に基づいて要求吸気量Qrqを算出する。詳しくは、要求吸気量算出部M23には、予め規定した要求吸気量マップが記憶されている。要求吸気量算出部M23では、この要求吸気量マップを用いて、要求トルク(Trc,Trp)に基づき要求吸気量Qrqを算出する。要求吸気量マップによれば、要求トルクが大きいほど、要求吸気量Qrqとして大きい値が算出される。なお、ここでは使用燃料に関わらず同一の要求吸気量マップが用いられる。要求吸気量QrqはFB補正量算出部M30に出力される。
FB補正量算出部M30では、要求吸気量Qrqと実吸気量Qaとを入力し、要求吸気量Qrqと実吸気量Qaとの偏差に基づいてフィードバック補正量Kfbを算出する。なお、実吸気量Qaは、都度の吸気圧及びエンジン回転速度に基づいて実吸気量算出部M60で算出された値が入力される。また、全要求吸気量算出部M31では、要求吸気量算出部M23で算出した要求吸気量Qrqと、FB補正量算出部M30で算出したフィードバック補正量Kfbとを入力し、それら入力値に基づいて全要求吸気量Qtgを算出する。ここでは、下記(16)を用いて全要求吸気量Qtgを算出する。
Qtg=Qrq−Kfb …(16)
Qtg=Qrq−Kfb …(16)
要求開度算出部M40では、全要求吸気量Qtgを入力し、全要求吸気量Qtgに基づいて要求スロットル開度THrqを算出する。詳しくは、要求開度算出部M40には、予め規定した要求スロットル開度マップが記憶されている。要求開度算出部M40では、この要求スロットル開度マップを用いて、全要求吸気量Qtgに基づき要求スロットル開度THrqを算出する。要求スロットル開度マップによれば、全要求吸気量Qtgが大きいほど、要求スロットル開度THrqとして大きい値(開弁側の値)が算出される。そして制御部80は、実スロットル開度THaが要求スロットル開度THrqになるようにスロットルアクチュエータ15aの駆動を制御する(第1制御手段、第2制御手段)。
次に、エンジン10の推定トルクを算出する処理について説明する。図6において、実吸気量算出部M60では、吸気圧とエンジン回転速度とをパラメータとして実吸気量Qaを算出する。詳しくは、実吸気量算出部M60には、予め規定した実吸気量マップが記憶されている。実吸気量算出部M60では、この実吸気量マップを用いて、都度の吸気圧及びエンジン回転速度に基づき実吸気量Qaを算出する。実吸気量マップによれば、吸気圧が高いほど、又はエンジン回転速度が高いほど、実吸気量aとして大きい値が算出される。実吸気量算出部M60で算出した実吸気量Qaは推定トルク算出部M70に出力される。
推定トルク算出部M70は、ガソリン推定トルク算出部M71と、燃料切替部M72と、CNG推定トルク算出部M73とを備えている。
ガソリン推定トルク算出部M71では、実吸気量算出部M60から実吸気量Qaを入植するとともに、実吸気量Qaをパラメータとして、ガソリンを用いて燃焼を行った場合にエンジン10で発生する推定トルクであるガソリン推定トルクTepを算出する。詳しくは、ガソリン推定トルク算出部M71には、予め規定した推定トルクマップが記憶されている。ガソリン推定トルク算出部M71では、この推定トルクマップを用いて、都度の実吸気量Qaに基づきガソリン推定トルクTepを算出する。推定トルクマップによれば、実吸気量Qaが多いほど、ガソリン推定トルクTepとして大きい値が算出される。ガソリン推定トルク算出部M71で算出したガソリン推定トルクTepは燃料切替部M72に出力される。
燃料切替部M72では、燃料選択信号S1を入力するとともに、その入力した燃料選択信号に応じて、ガソリン推定トルクTepをCNG推定トルク算出部M73に出力するか、それともガソリン推定トルクTepを最終の推定トルクとしてそのまま出力するかを切り替える。具体的には、燃料切替部M72に入力される燃料選択信号S1が、液体燃料をエンジン運転に使用することを示す信号である場合には、ガソリン推定トルク算出部M71から入力したガソリン推定トルクTepを推定トルクとしてそのまま出力する。一方、燃料切替部M72に入力される燃料選択信号S1が、気体燃料をエンジン運転に使用することを示す信号である場合には、ガソリン推定トルク算出部M71から入力したガソリン推定トルクTepをCNG推定トルク算出部M73に出力する。
CNG推定トルク算出部M73では、燃料切替部M72からガソリン推定トルクTepを入力し、その入力したガソリン推定トルクTepを、気体燃料と液体燃料との物性差に基づき変換することにより、適合変換値としてのCNG推定トルクTecを算出する。詳しくは、CNG推定トルク算出部M73には、上記式(10)を用いて予め設定したトルク比Rtが記憶されている。CNG推定トルク算出部M73では、ガソリン推定トルクTepとトルク比Rtとを積算してCNG推定トルクTec(=Tep×Rt)を算出する。制御部80は、算出した推定トルク(Tep,Tec)を用いて、例えばトランスミッションの駆動を制御する。なお、CNG要求トルク算出部M22及びCNG推定トルク算出部M73が変換値算出手段に相当する。
次に、MBT点火時期の算出処理について説明する。図6において、ガソリン燃焼期間算出部M51では、エンジン回転速度と全要求吸気量Qtgとをパラメータとして、ガソリンを用いて燃焼を行った場合の主燃焼期間(本実施形態では50%燃焼期間)であるガソリン燃焼期間を算出する。詳しくは、ガソリン燃焼期間算出部M51には、予め規定したガソリン燃焼期間マップが記憶されている。ガソリン燃焼期間算出部M51では、このガソリン燃焼期間マップを用いて、都度のエンジン回転速度及び全要求吸気量Qtgに基づきガソリン燃焼期間Tp0を算出する。ガソリン燃焼期間算出部M51で算出したガソリン燃焼期間Tp0は燃料切替部M52に出力される。
燃料切替部M52では、入力した燃料選択信号S1に応じて、ガソリン燃焼期間Tp0をCNG燃焼期間算出部M53に出力するか、それともMBT点火時期算出部M54に出力するかを切り替える。具体的には、燃料切替部M52に入力される燃料選択信号S1が、液体燃料をエンジン運転に使用することを示す信号である場合には、燃料切替部M52は、ガソリン燃焼期間算出部M51から入力したガソリン燃焼期間Tp0をMBT点火時期算出部M54に出力する。一方、燃料切替部M52に入力される燃料選択信号S1が、気体燃料をエンジン運転に使用することを示す信号である場合には、燃料切替部M52は、ガソリン燃焼期間算出部M51から入力したガソリン燃焼期間Tp0をCNG燃焼期間算出部M53に出力する。
CNG燃焼期間算出部M53では、ガソリン燃焼期間算出部M51から入力したガソリン燃焼期間Tp0を、気体燃料と液体燃料との物性差に基づき変換することにより、適合変換値としてのCNG燃焼期間Tc0を算出する。詳しくは、CNG燃焼期間算出部M53には、上記式(14)により予め設定した燃焼速度比Rvが記憶されている。なお、燃焼速度比Rvについて本実施形態では、基準の燃料組成に基づき一定値が設定してある。CNG燃焼期間算出部M53では、ガソリン燃焼期間Tp0と燃焼速度比Rvとを積算してCNG燃焼期間Tc0(=Tp0×Rv)を算出する。
MBT点火時期算出部M54では、主燃焼期間をパラメータとしてMBT点火時期θmbtを算出する。詳しくは、MBT点火時期算出部M54には、予め規定した点火時期マップが記憶されている。MBT点火時期算出部M54では、この点火時期マップを用いて、主燃焼期間(ガソリン燃焼期間Tp0又はCNG燃焼期間Tc0)に基づきMBT点火時期θmbtを算出する。そして制御部80は、MBT点火時期θmbtで点火が行われるように点火装置20aの駆動を制御する。
なお、本システムには、CNG燃料については制御パラメータの適合値を記憶する手段を備えていない(図6参照)。これによりROM容量の低減を図っている。
次に、本実施形態のエンジン制御について図7〜図9のフローチャートを用いて説明する。まずは、図7の推定トルク算出処理について説明する。この処理は、制御部80により所定周期毎に実行される。
図7のステップS101では、吸気圧センサ82により検出される吸気圧及びクランク角センサ81により検出されるエンジン回転速度を入力し、ステップS102で、吸気圧及びエンジン回転速度をパラメータとして実吸気量Qaを算出する。続くステップS103では、ガソリン基準で規定したマップを用いて、実吸気量Qaに基づいてガソリン推定トルクTepを算出する。ステップS104では、エンジン10の運転モードとして気体燃料モードが選択されているか否かを判定する。液体燃料モードが選択されている場合にはステップS105へ進み、推定トルクにガソリン推定トルクTepを設定する。
一方、気体燃料モードが選択されている場合には、ステップS106へ進み、ROMに予め記憶してあるトルク比Rtを読み出す。また、ステップS107では、ガソリン推定トルクTepとトルク比Rtとの積算により適合変換値としてのCNG推定トルクTecを算出する(変換値算出手段)。その後、ステップS108では、推定トルクにCNG推定トルクTecを設定し、本ルーチンを終了する。
次に、要求スロットル開度算出処理について図8のフローチャートを用いて説明する。この処理は、制御部80により所定周期毎に実行される。
図8において、ステップS201では、スロットル開度センサ15bにより検出されるアクセル開度及びクランク角センサ81により検出されるエンジン回転速度を入力し、ステップS202で、アクセル開度及びエンジン回転速度をパラメータとしてガソリン要求トルクTrpを算出する。続くステップS203では、エンジン10の運転モードとして気体燃料モードが選択されているか否かを判定する。
液体燃料モードが選択されている場合には、ステップS206へ進み、要求トルクにガソリン要求トルクTrpを設定するとともに、要求トルクマップを用いてガソリン要求トルクTrpに基づき要求吸気量Qrqを算出する。続くステップS207では、実吸気量Qaと要求吸気量Qrqとの偏差に基づいて全要求吸気量Qtgを算出する。その後、ステップS208では、全要求吸気量Qtgをパラメータとして要求スロットル開度THrqを算出し、本ルーチンを終了する。
一方、気体燃料モードが選択されている場合には、ステップS203で肯定判定がなされ、ステップS204へ進む。ステップS204では、ROMに予め記憶してあるトルク比Rtを読み出す。また、ステップS205では、ガソリン要求トルクTrpとトルク比Rtとに基づいて、適合変換値としてのCNG要求トルクTrcを算出する(変換値算出手段)。
続くステップS206では、要求トルクにCNG要求トルクTrcを設定し、液体燃料モード時と同一の要求トルクマップを用いて、CNG要求トルクTrcに基づき要求吸気量Qrqを算出する。その後ステップS207及びS208の処理を実行し、本ルーチンを終了する。
次に、MBT点火時期算出処理について図9のフローチャートを用いて説明する。この処理は、制御部80により所定周期毎に実行される。
図9において、ステップS301では、クランク角センサ81により検出されるエンジン回転速度を入力する。ステップS302では、エンジン回転速度及び全要求吸気量Qtgをパラメータとしてガソリン燃焼期間Tp0を算出する。続くステップS303では、エンジン10の運転モードとして気体燃料モードが選択されているか否かを判定する。
液体燃料モードが選択されている場合には、ステップS303で否定判定されてステップS306へ進む。ステップS306では、主燃焼期間にガソリン燃焼期間Tp0を設定し、点火時期マップを用いて、ガソリン燃焼期間Tp0に基づきMBT点火時期を算出する。一方、気体燃料モードが選択されている場合には、ステップS303で肯定判定されてステップS304へ進む。ステップS304では、ROMに予め記憶してある燃焼速度比Rvを読み出す。またステップS305では、ガソリン燃焼期間Tp0と燃焼速度比Rvとに基づいて、適合変換値としてのCNG燃焼期間Tc0を算出する(変換値算出手段)。その後、ステップS306では、液体燃料モード時と同一の点火時期マップを用いて、CNG燃焼期間Tc0に基づきMBT点火時期を算出し、本ルーチンを終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
気体燃料と液体燃料とのうち、基準とする方の燃料(基準燃料)については適合値をROMに記憶させておき、もう一方の燃料(変換対象燃料)については、基準燃料の適合値を、気体燃料と液体燃料との物性差に基づいて変換することによって適合値を演算により求め、この演算値を用いて変換対象燃料によるエンジン運転を実施する構成とした。バイフューエルエンジンでは、制御パラメータの最適値は燃料毎に異なるため、それぞれの燃料について適合値を定めておく必要があるが、上記構成によれば、一方の燃料について適合値を予め定めて記憶させておけばよい。したがって、適合工数を削減することができるとともに、記憶手段の記憶容量を削減することができる。
具体的には、対象とする制御パラメータに関係のある燃料物性のうち、基準燃料と変換対象燃料との間で値が異なる燃料物性について、基準燃料に対する変換対象燃料の比率を設定し、この比率を用いて基準適合値を変換することにより適合変換値を算出する構成とした。こうした構成によれば、複雑な制御を用いることなく、かつ正確に変換対象燃料の制御パラメータを算出することができる。
エンジン10の各種制御のうちトルク制御及び点火時期制御は、必要な適合工数の全体に対して占める比率が高い。そこで、トルク制御及び点火時期制御について変換モデルを構築して重複適合を低減することにより、適合工数及びROM容量の低減効果が高く好適である。
具体的には、液体燃料の充填効率ηpに対する気体燃料の充填効率ηcの比率である充填効率比Rt1に基づいて、液体燃料を用いた場合のトルクの適合値を気体燃料の適合値に変換することにより、気体燃料の適合値をROMに記憶させておかない構成とした。充填効率ηがトルクに関係する燃料物性である点、及び充填効率ηが気体燃料と液体燃料との間で異なる点に着目し上記構成とすることにより、トルク適合値について気体燃料と液体燃料とのうちの一方のみを適合しておけばよく、またROM容量を低減させることができる。
また、液体燃料の発熱量に対する気体燃料の発熱量の比率である発熱量比Rt2に基づいて、液体燃料を用いた場合のトルク適合値を気体燃料の適合値に変換することにより、気体燃料の適合値をROMに記憶させておかない構成とした。エンジン10での燃料の燃焼による発熱量が気体燃料と液体燃料との間で異なる燃料物性であり、発熱量がトルクに関係する燃料物性であることに着目して上記構成とすることにより、トルク適合値について気体燃料と液体燃料とのうちの一方のみを適合しておけばよい。また、ROM容量を低減させることができる。
特に、充填効率比Rt1と発熱量比Rt2とを用いて設定したトルク比Rtを用いて、液体燃料を用いた場合のトルク適合値を気体燃料の適合値に変換する構成としたことから、気体燃料の適合値を演算により精度良く求めることができる。
点火時期は燃焼速度と相関があり、一次式で表すことができる点に着目し、燃焼速度比Rvを用いてガソリン点火時期をCNG点火時期に変換する構成とした。こうした構成によれば、点火時期の適合値について一方の燃料に関する値のみを記憶しておけばよいため、ROMの低減や適合工数の削減を図ることができる。
エンジン10に供給した燃料の燃焼期間のうち所定の質量割合Rfまではトルクに寄与するが、その後はトルクにさほど寄与せず、かつばらつきも大きい点を考慮し、所定の質量割合Rfの燃料が燃焼するまでの期間に基づき点火時期を算出する構成とした。こうした構成とすることにより、点火時期の制御性を良好にすることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、液体燃料を基準燃料とし、気体燃料を変換対象燃料としたが、気体燃料を基準燃料とし、液体燃料を変換対象燃料としてもよい。この場合、気体燃料について制御パラメータの適合値を予め定めてROMに記憶しておく。そして、液体燃料についての制御パラメータの適合値については、ROMに記憶してある気体燃料についての適合値を物性差に基づき変換することにより算出する。
・CNGなどの天然ガスは産地や生産工程によって組成にばらつきがあり、各国あるいは各地域によって燃料組成が異なる。この点を考慮し、車両が使われる国や地域の燃料組成に応じて、基準燃料の燃料物性に対する変換対象燃料の燃料物性の比率を設定し、その設定した比率を用いて基準適合値を変換する構成とする。具体的には、車両が使われる国や地域での燃料組成に応じてトルク比Rt及び燃焼速度比Rvを設定し、その設定した比率を工場出荷時に予めROMに記憶させておく。
・基準燃料の燃料物性に対する変換対象燃料の燃料物性の比率を燃料組成ごとに予め複数定めて記憶しておき、気体噴射手段としての第1噴射弁21に供給される燃料の組成に応じて上記比率を選択する構成としてもよい。具体的には、燃料組成ごとにトルク比Rt及び燃焼速度比Rvを予め複数定めてROMに記憶させておく。制御部80は、ROMに記憶された複数のトルク比Rt及び燃焼速度比Rvの中から、CNGのトルクが最適となる比率を選択し、その選択したトルク比Rt及び燃焼速度比Rvを用いて基準適合値を変換する。なお、いずれの比率が最適であるかは、例えば工場出荷後に実際にエンジン運転を行い、そのときのエンジン運転状態に基づき決定する。
・上記実施形態の点火時期変換モデルではMBT点火時期を算出する構成について説明したが、MBT点火時期に限らない。
・上記実施形態のMBT点火時期算出部M54では点火時期マップを用いてMBT点火時期θmbtを算出したが、上記式(12)で表される一次式を用いてMBT点火時期θmbtを算出する構成としてもよい。
・上記実施形態では、充填効率比Rt1と発熱量比Rt2とを用いてトルク比Rtを算出したが、充填効率比Rt1及び発熱量比Rt2のいずれかを用いてトルク比Rtを算出する構成としてもよい。
・上記実施形態では気体燃料をCNG燃料としたが、標準状態で気体状態の他の気体燃料を用いることもでき、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、水素、ジメチルエーテルなどを主成分とする燃料を用いる構成としてもよい。また、液体燃料についてもガソリン燃料に限定しない。例えば燃焼用の燃料として軽油を用いるディーゼルエンジンに対して気体燃料の供給系を搭載したシステムに本発明を適用してもよい。
10…エンジン(内燃機関)、21…第1噴射弁(気体噴射手段)、22…第2噴射弁(液体噴射手段)、40…気体燃料供給部、70…液体燃料供給部、80…制御部(記憶手段、第1制御手段、変換値算出手段、第2制御手段)。
Claims (9)
- 気体燃料を噴射する気体噴射手段(21)と、液体燃料を噴射する液体噴射手段(22)とを備える内燃機関(10)に適用され、
前記気体燃料及び前記液体燃料のうちの一方である基準燃料についての前記内燃機関の制御パラメータの適合値である基準適合値を前記内燃機関の運転状態ごとに記憶する記憶手段と、
前記内燃機関の運転に使用する燃料として前記基準燃料が選択されている場合に、都度の前記内燃機関の運転状態に対応する前記基準適合値を前記記憶手段から読み出し、その読み出した基準適合値を用いて前記基準燃料による前記内燃機関での燃焼を実施する第1制御手段と、
前記内燃機関の運転に使用する燃料として前記気体燃料及び前記液体燃料のうち前記基準燃料でない方の燃料である変換対象燃料が選択されている場合に、都度の前記内燃機関の運転状態に対応する前記基準適合値を前記記憶手段から読み出し、その読み出した基準適合値を、前記気体燃料と前記液体燃料との物性差に基づき変換することにより、前記変換対象燃料の適合値である適合変換値を算出する変換値算出手段と、
前記内燃機関の運転に使用する燃料として前記変換対象燃料が選択されている場合に、前記変換値算出手段により算出した適合変換値を用いて前記変換対象燃料による前記内燃機関での燃焼を実施する第2制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記変換値算出手段は、前記制御パラメータに関係のある燃料物性のうち前記基準燃料と前記変換対象燃料とで異なる燃料物性について、該燃料物性の前記基準燃料に対する前記変換対象燃料の比率を用いて前記基準適合値を変換することにより前記適合変換値を算出する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記変換値算出手段による前記適合変換値の算出対象となる制御パラメータが前記内燃機関のトルクである請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記変換値算出手段は、前記内燃機関の気筒内に導入される空気と燃料との混合気中において空気が占める空気体積割合について、前記基準燃料の前記空気体積割合に対する前記変換対象燃料の前記空気体積割合の比率を用いて前記基準適合値を変換することにより前記適合変換値を算出する請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記変換値算出手段は、前記基準燃料の発熱量に対する前記変換対象燃料の発熱量の比率を用いて前記基準適合値を変換することにより前記適合変換値を算出する請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記変換値算出手段は、前記基準燃料の前記空気体積割合に対する前記変換対象燃料の前記空気体積割合の比率と、前記基準燃料の発熱量に対する前記変換対象燃料の発熱量の比率とを用いて前記基準適合値を変換することにより前記適合変換値を算出する請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記変換値算出手段による前記適合変換値の算出対象となる制御パラメータが前記内燃機関の点火時期である請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記変換値算出手段は、前記基準燃料の燃焼速度に対する前記変換対象燃料の燃焼速度の比率を用いて前記基準適合値を変換することにより前記適合変換値を算出する請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記変換対象燃料についての前記内燃機関の制御パラメータの適合値を前記内燃機関の運転状態ごとに記憶する手段を備えていない請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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