JPH10148143A - 圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制御装置及び点火時期制御装置 - Google Patents

圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制御装置及び点火時期制御装置

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JPH10148143A
JPH10148143A JP8309675A JP30967596A JPH10148143A JP H10148143 A JPH10148143 A JP H10148143A JP 8309675 A JP8309675 A JP 8309675A JP 30967596 A JP30967596 A JP 30967596A JP H10148143 A JPH10148143 A JP H10148143A
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gas
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高圧燃料タンクの内圧によって変化する圧縮天
然ガスの気化ガス組成に応じた空燃比及びオクタン価を
設定する。 【解決手段】圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク1
7とインジェクタ12とを連通する燃料ライン16に炭
化水素組成検出センサ19を配設し、炭化水素組成検出
センサ19の出力値に基づき上記インジェクタへ供給す
る圧縮天然ガスの気化ガスの組成値を検出し、この気化
ガスの組成値に応じた要求空燃比或いはオクタン価を設
定する。そして、要求空燃比に応じて燃料噴射量を補正
し、又オクタン価に応じて点火時期を補正することで、
燃焼に供される気化ガス組成に応じた燃料噴射量及び点
火時期を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮天然ガスの気
化ガス組成を検出し、この気化ガス組成に応じた燃料噴
射量或いは点火時期を設定するエンジンの燃料噴射制御
装置及び点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、天然ガスは水素、炭素比
が大きく、熱効率が高いため二酸化炭素(CO2)、及
び硫黄酸化物(SOx)の排出が少なく、又、天然ガス
の主成分であるメタンは炭化水素中もっとも安定した物
質であり、オクタン価が高く希薄燃焼が可能で低燃費、
高出力を得ることができ、低公害燃料として或いは石油
代替燃料として注目されている。
【0003】上述のように天然ガスの主成分はメタン
(CH4)であるが、それ以外に、エタン(C2H4)、
プロパン(C3H6)、ブタン(C4H10)、窒素(N
2)、二酸化炭素(CO2)等が含まれている。これらの
成分の気化圧力はそれぞれ相違しているため、現在開発
が進められている圧縮天然ガス(CNG)を燃料とする
エンジンでは、該CNGを貯留する高圧燃料タンク内の
圧力変化によりエンジンに供給される気化ガス中のメタ
ンの割合が相対的に変化する。尚、図6に、15.6℃にお
けるCNGの代表成分の気化圧力(絶対圧)を示す。
【0004】高圧燃料タンクにCNGを満杯に充填した
ときの内圧Pが210Kgf/cm2とすれば、気化圧力が210Kgf
/cm2以下のエタン等の成分は液体の状態にあり、このと
きインジェクタへ燃料として供給する気化ガスの成分
は、メタン(CH4)、窒素(N2)、二酸化炭素(CO
2)となる。
【0005】一方、高圧燃料タンク内のCNGの残量が
次第に減少すると内圧Pが低下するため、その過程にお
いて、図17に示すように、先ず、内圧Pが45.5Kg
f/cm2 以下になるとエタンが気化しメタンとの混合され
た気化ガスとしてインジェクタに供給され、次いで、内
圧Pが7.5Kgf/cm2 以下になるとプロパンが気化し、
又、2.3Kgf/cm2 以下ではブタンが気化する。その結
果、インジェクタへ供給される気化ガスの組成は内圧P
が変化する毎に相違する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、インジェ
クタへ供給されるCNGの気化ガス組成は内圧Pによっ
て変化し、従って、燃料切れ寸前まで補給しないユーザ
と、早めに補給するユーザとでは高圧燃料タンク内のC
NGの組成比率が異なってくる。すなわち、燃料切れ寸
前まで補給しないユーザの車は高圧燃料タンクの内圧P
が高圧状態から低圧状態へ大きく変化するため気化圧力
の低い成分も気化してインジェクタへ燃料として供給さ
れるが、早期に補給するユーザの車では気化圧力の低い
エタン、プロパン、ブタン等の成分は気化されず高圧燃
料タンクに蓄積される。その結果、CNGの主燃料がメ
タンであれば、早期に補給するユーザの高圧燃料タンク
の容量は補給を重ねる毎に実質的に減少してしまうこと
になり、空燃比或いは点火時期が気化ガスの主成分であ
るメタンに対応して設定されている場合、早期に補給す
るユーザの車は燃料切れ寸前まで補給しないユーザの車
に比べ、メタンの混合割合が少なくなるため空燃比が実
質的にリーンとなり、エンジン出力及び走行性能の低下
を招く。
【0007】この対策として、例えば特開昭61−21
0261号公報に開示されているような、ガソリンを燃
料とするエンジンの排気系に介装したO2センサからの
出力値に基づき排気ガス中の酸素濃度を検出し、これを
フィードバックさせて、実際の空燃比を理論空燃比に収
束させる技術をCNGを燃料とするエンジンに用いるこ
とで、高圧燃料タンクの内圧が変化することによって生
じる気化ガスの組成比率の変化に対応して空燃比をフィ
ードバック制御することも考えられるが、高圧燃料タン
クの内圧は走行中において時事刻々と変化し、CNGの
気化ガス組成の変化に従い要求空燃比が変化するため、
要求空燃比に対する追従性(収束性)が悪く適正な空燃
比制御性能を得ることができない。
【0008】又、特開平4−284171号公報には、
液化石油ガス(LPG)を貯留する燃料タンクに圧力セ
ンサと温度センサとを配設し、この各センサの出力値に
基づき燃料タンク内の飽和蒸気圧と飽和蒸気温度とを検
出し、この飽和蒸気圧と飽和蒸気温度とに基づきLPG
の組成比率を算出し、該組成比率とエンジン回転数とに
基づき点火時期を設定する技術が開示されており、一
方、特開昭61−275555号公報には、LPGを貯
留する燃料タンクに温度センサと圧力センサとを配設
し、この各センサにて検出した液化ガス温度と飽和蒸気
圧力とに基づき液化ガスの組成を算出し、この液化ガス
の組成に基づき、該液化ガス組成を完全燃焼させるに必
要な空気量を算出して空燃比を決定し、この空燃比に基
づきベーパライザのガス圧を調圧する技術が開示されて
いる。
【0009】しかし、前者においては液化ガス組成の検
出には気化ガスの沸点を支配する液体の温度が重要であ
り、飽和蒸気温度を検出しても液化ガス組成を推定する
ことはできない。この点、後者においては液体の温度を
検出しているため気化ガスの沸点を検出することはでき
るが、CNGは液化石油ガス(LPG)の組成に比べて
要求空燃比、沸点の大きく異なる多成分で構成されてお
り、仮に気化ガスの沸点を正確に求めることができたと
しても、高圧燃料タンクの内圧によって大きく変化する
CNGの気化ガス組成を正確に検出することは困難であ
る。
【0010】本発明は、上記事情に鑑み、圧縮天然ガス
の気化ガス組成がユーザの補給条件或いは走行条件など
によって大きく変化した場合でも、燃料噴射量或いは点
火時期を適正に設定することのできる圧縮天然ガスエン
ジンの燃料噴射制御装置及び点火時期制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による第1の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制
御装置は、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンクから
インジェクタへ供給する気化ガスの組成値を気化ガス組
成検出手段により検出し、上記組成値に基づき該組成値
に対応する要求空燃比を設定し、上記要求空燃比に基づ
き燃料噴射量を補正する空燃比補正係数を設定し、少な
くともエンジン運転状態及び上記空燃比補正係数に基づ
き上記インジェクタに対する燃料噴射量を設定すること
を特徴とする。
【0012】本発明による第2の圧縮天然ガスエンジン
の燃料噴射制御装置は、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃
料タンクからインジェクタへ供給する気化ガスの組成値
を気化ガス組成検出手段により検出し、上記組成値に基
づき上記気化ガスの着火限界を設定し、少なくとも上記
着火限界に基づき始動時の燃料噴射量を設定することを
特徴とする。
【0013】本発明による第3の圧縮天然ガスエンジン
の燃料噴射制御装置は、上記第1の圧縮天然ガスエンジ
ンの燃料噴射制御装置、或いは上記第2の圧縮天然ガス
エンジンの燃料制御装置において、前記気化ガス組成検
出手段が前記高圧燃料タンクと前記インジェクタとを連
通する燃料ラインに配設されていることを特徴とする。
【0014】本発明による第4の圧縮天然ガスエンジン
の燃料噴射制御装置は、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃
料タンクに内圧検出手段を配設し、上記内圧検出手段で
検出した内圧に基づき上記高圧燃料タンクからインジェ
クタへ供給する気化ガスの組成値を設定し、上記組成値
に基づき該組成値に対応する要求空燃比を設定し、少な
くともエンジン運転状態及び上記要求空燃比に基づき上
記インジェクタに対する燃料噴射量を設定することを特
徴とする。
【0015】本発明による第5の圧縮天然ガスエンジン
の燃料噴射制御装置は、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃
料タンクに内圧検出手段を配設し、上記内圧検出手段で
検出した内圧に基づき上記高圧燃料タンクからインジェ
クタへ供給する気化ガスの組成値を設定し、上記組成値
に基づき該気化ガスの着火限界を設定し、少なくとも上
記着火限界に基づき始動時の燃料噴射量を設定すること
を特徴とする。
【0016】本発明による第6の圧縮天然ガスエンジン
の燃料噴射制御装置は、上記第4の圧縮天然ガスエンジ
ンの燃料噴射制御装置、或いは上記第5の圧縮天然ガス
エンジンの燃料噴射制御装置において、前記高圧燃料タ
ンクに該高圧燃料タンク内の液化ガスを検出する残留液
化ガス検出手段を配設し、上記残留液化ガス検出手段で
高圧燃料タンクの液化ガスの残留量が僅少或いはゼロと
検出されたときは前記気化ガスが単一成分であると推定
することを特徴とする。
【0017】本発明による第1の圧縮天然ガスエンジン
の点火時期制御装置は、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃
料タンクからインジェクタへ供給する気化ガスの組成値
を気化ガス組成検出手段により検出し、上記組成値に基
づき上記気化ガスのオクタン価を設定し、該オクタン価
に基づき点火時期補正値を設定し、少なくともエンジン
運転状態及び上記点火時期補正値に基づき最終的な点火
時期を設定することを特徴とする。
【0018】本発明による第2の圧縮天然ガスエンジン
の点火時期制御装置は、上記第1の圧縮天然ガスエンジ
ンの点火時期制御装置において、前記気化ガス組成検出
手段が前記高圧燃料タンクと前記インジェクタとを連通
する燃料ラインに配設されていることを特徴とする。
【0019】本発明による第3の圧縮天然ガスエンジン
の点火時期制御装置は、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃
料タンクに内圧検出手段を配設し、上記内圧検出手段で
検出した内圧に基づき上記高圧燃料タンクからインジェ
クタへ供給する気化ガスの組成値を設定し、上記組成値
に基づき該気化ガスのオクタン価を設定し、該オクタン
価に基づき点火時期補正値を設定し、少なくともエンジ
ン運転状態及び上記点火時期補正値に基づき最終的な点
火時期を設定することを特徴とする。
【0020】本発明による第4の圧縮天然ガスエンジン
の点火時期制御装置は、上記第3の圧縮天然ガスエンジ
ンの点火時期制御装置において、前記高圧燃料タンクに
該高圧燃料タンク内の液化ガスを検出する残留液化ガス
検出手段を配設し、上記残留液化ガス検出手段で高圧燃
料タンクの液化ガスの残留量が僅少或いはゼロと検出さ
れたときは前記気化ガスが単一成分であると推定するこ
とを特徴とする。
【0021】第1の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制
御装置では、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク内
で発生した気化ガスをインジェクタへ燃料として供給す
る際の気化ガスの組成値を気化ガス組成検出手段にて検
出し、この組成値に基づき上記気化ガスを完全燃焼させ
る要求空燃比を設定する。そして、この要求空燃比に基
づき燃料噴射量を補正する空燃比補正係数を設定し、少
なくともエンジン運転状態と上記空燃比補正係数とに基
づき上記インジェクタから噴射する実際の燃料噴射量を
設定する。
【0022】第2の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制
御装置では、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク内
で発生した気化ガスをインジェクタへ燃料として供給す
る際の気化ガスの組成値を気化ガス組成検出手段にて検
出し、この組成値に基づき上記気化ガスを完全燃焼させ
るに必要な空気との体積比である着火限界を設定し、少
なくとも該着火限界に基づき始動時の燃料噴射量を設定
する。
【0023】第3の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制
御装置では、上記第1の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴
射制御装置、或いは第2の圧縮天然ガスエンジンの燃料
噴射制御装置において、前記気化ガス組成検出手段を前
記高圧燃料タンクと前記インジェクタとを連通する燃料
ラインに配設することで、該燃料ラインを通過する気化
ガスから該気化ガスの組成値を検出する。
【0024】第4の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制
御装置では、高圧燃料タンクの内圧を内圧検出手段で検
出し、この内圧に基づき上記高圧燃料タンクからインジ
ェクタへ供給する気化ガスの組成値を設定し、この組成
値に基づき該気化ガスを完全燃焼させるための要求空燃
比を設定する。そして、少なくともエンジン運転状態と
上記要求空燃比とに基づき上記インジェクタから噴射す
る実際の燃料噴射量を設定する。
【0025】第5の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制
御装置では、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク内
で発生した気化ガスをインジェクタへ燃料として供給す
る際の該気化ガスの組成値を上記高圧燃料タンクに設け
た内圧検出手段で検出した内圧に基づき設定し、この組
成値に基づき該気化ガスを完全燃焼させるに必要な空気
量との体積比である着火限界を設定し、少なくとも該着
火限界に基づき始動時の燃料噴射量を設定する。
【0026】第6の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制
御装置では、上記第4の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴
射制御装置、或いは上記第5の圧縮天然ガスエンジンの
燃料噴射制御装置において、前記高圧燃料タンクに配設
した残留液化ガス検出手段で該高圧燃料タンク内の液化
ガスの残留量が僅少或いはゼロと検出されたときは、該
高圧燃料タンク内が単一成分の気化ガスで充満されてい
ると推定する。
【0027】第1の圧縮天然ガスエンジンの点火時期制
御装置では、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク内
で気化した気化ガスをインジェクタへ燃料として供給す
る際の気化ガスの組成値を気化ガス組成検出手段にて検
出し、この組成値に基づき上記気化ガスのオクタン価を
設定し、該オクタン価に基づき点火時期補正値を設定
し、少なくともエンジン運転状態と上記点火時期補正値
とに基づき最終的な点火時期を設定する。
【0028】第2の圧縮天然ガスエンジンの点火時期制
御装置では、上記第1の圧縮天然ガスエンジンの点火時
期制御装置において、前記気化ガス組成検出手段を前記
高圧燃料タンクと前記インジェクタとを連通する燃料ラ
インに配設することで、該燃料ラインを通過する気化ガ
スから該気化ガスの組成値を検出する。
【0029】第3の圧縮天然ガスエンジンの点火時期制
御装置では、圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンクの
内圧を内圧検出手段で検出し、該内圧に基づき上記高圧
燃料タンク内で気化しインジェクタへ燃料として供給す
る気化ガスの組成値を設定し、この組成値に基づき該気
化ガスのオクタン価を設定する。そして、少なくともエ
ンジン運転状態と上記点火時期補正値とに基づき最終的
な点火時期を設定する。
【0030】第4の圧縮天然ガスエンジンの点火時期制
御装置では、上記第3の圧縮天然ガスエンジンの点火時
期制御装置において、前記高圧燃料タンクに配設した残
留液化ガス検出手段で該高圧燃料タンク内の液化ガスの
残留量が僅少或いはゼロと検出されたときは、該高圧燃
料タンク内が単一成分の気化ガスで充満されていると推
定する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施の形態を説明する。図1〜図10に本発明の第1実
施の形態を示す。先ず、図9に基づき圧縮天然ガスエン
ジンの全体概略構成について説明する。同図の符号1は
エンジン本体で、本実施の形態では水平対向型多気筒エ
ンジンを示す。このエンジン本体1のシリンダヘッド2
に形成された各吸気ポート2aに吸気マニホルド3が連
通され、この吸気マニホルド3の上流集合部がエアチャ
ンバ4を介してスロットルチャンバ5、吸気管6に連通
され、この吸気管6の吸入空気取り入れ口側にエアクリ
ーナ7が取り付けられている。
【0032】又、上記吸気管6のエアクリーナ7の直下
流に、例えばホットワイヤ式等の吸入空気量センサ8が
介装され、更に、上記スロットルチャンバ5に設けられ
たスロットル弁5aに、スロットル開度に応じた電圧値
を出力するスロットル開度センサ9aとスロットル弁全
閉でONするアイドル接点を有するアイドルスイッチ9
bとが組み込まれたスロットルセンサ9が連設されてい
る。
【0033】又、上記スロットル弁5aの上流側と下流
側とを連通するバイパス通路10に、主にアイドル時の
吸入空気流量を制御するアイドルスピードコントロール
(ISC)弁11が介装されている。更に、上記吸気マ
ニホルド3の各気筒の各吸気ポート2a直上流側にイン
ジェクタ12が臨まされ、上記シリンダヘッド2には、
先端を燃焼室に露呈する点火プラグ13が各気筒毎に取
り付けられている。各点火プラグ13には点火コイル1
4がそれぞれ連設され、点火コイル14にイグナイタ1
5が接続されている。
【0034】又、エンジン本体1のシリンダブロック1
aにノックセンサ21が取り付けられると共に、シリン
ダブロック1aの左右バンクを連通する冷却水通路22
に冷却水温センサ23が臨まされている。
【0035】一方、エンジン本体1の排気ポート2bに
連通する排気マニホルド24の集合部が排気通路25に
連通され、この排気通路25にマフラ26が連通されて
いる。更に、この排気通路25の上記排気マニホルド2
4の集合部下流に触媒27が介装されていると共に、上
記排気マニホルド24の集合部にO2センサ28が配設
されている。
【0036】上記インジェクタ12は、燃料ライン16
を介して高圧燃料タンク17に連通され、更に、この燃
料ライン16にプレッシャレギュレータ18が介装され
ており、この燃料ライン16の上記プレッシャレギュレ
ータ18の上流に気化ガス組成検出手段の一例である炭
化水素(HC)組成検出センサ19が配設されている。
この高圧燃料タンク17には圧縮天然ガス(CNG)が
貯留されており、この高圧燃料タンク17内の気化ガス
が上記燃料ライン16を介し、上記プレッシャレギュレ
ータ18により吸気マニホルド3内圧との相対圧が一定
になるように調圧された状態で上記インジェクタ12に
供給される。又、上記HC組成検出センサ19の検出面
は、例えば、三酸化アルミ(Al2O3),二酸化チタン
(TiO2),二酸化スズ(SnO2)等を素材とする多
孔質セラミックで構成されており、この検出面の微粒子
状結晶表面に被検査雰囲気中のHC組成に応じた分子が
物理的に吸着し、1部分離した陽子(H+)の移動によ
る多孔質セラミックセンサのバルク方向の電気抵抗の変
化を検出することでHC組成を検出する。
【0037】又、上記シリンダブロック1aに支承され
たクランクシャフト1bに、クランクロータ29が軸着
され、このクランクロータ29の外周に、所定のクラン
ク角に対応する突起を検出する電磁ピックアップ等から
なるクランク角センサ30が対設され、更に、上記クラ
ンクシャフト1bに対して1/2回転するカムシャフト
1cに連設されたカムロータ31に、電磁ピックアップ
等からなる気筒判別用のカム角センサ32が対設されて
いる。上記クランクロータ29には、その外周に突起が
所定クランク角に対応して形成されており、後述する電
子制御装置40は、クランク角センサ30で検出した突
起すなわちクランク角信号の入力間隔時間からエンジン
回転数NEを算出し、また、カム角センサ32によって
カムロータ31の外周に形成された気筒判別用の突起を
検出したときの割り込み信号から気筒判別を行う。
【0038】上記インジェクタ12、点火プラグ13、
ISC弁11等の各アクチュエータに対する制御量の演
算、制御信号の出力、すなわち燃料噴射制御、点火時期
制御などは、図10に示す電子制御装置40にて実行さ
れる。この電子制御装置40は、CPU41、ROM4
2、RAM43、バックアップRAM44、及びI/O
インターフェイス45がバスライン46を介して互いに
接続されたマイクロコンピュータを中心として構成さ
れ、その他、安定化電圧を各部に供給する定電圧回路4
7、上記I/Oインターフェイス45の出力ポートから
の信号によりアクチュエータ類を駆動する駆動回路4
8、及びセンサ類からのアナログ信号をデジタル信号に
変換するA/D変換器49等の周辺回路が内蔵されてい
る。
【0039】上記定電圧回路47は、電源リレー50の
リレー接点を介してバッテリ51に接続され、このバッ
テリ51に、上記電源リレー50のリレーコイルがイグ
ニッションスイッチ52を介して接続されており、上記
イグニッションスイッチ52がONされ、上記電源リレ
ー50の接点が閉となったとき、上記バッテリ51の電
圧を安定化して電子制御装置40の各部に供給する。更
に、上記バックアップRAM44には、バッテリ51が
上記定電圧回路47を介して直接接続されており、上記
イグニッションスイッチ52のON,OFFに拘らず常
時バックアップ用電源が供給される。
【0040】又、上記I/Oインターフェイス45の入
力ポートには、スタータスイッチ33、アイドルスイッ
チ9b、ノックセンサ21、クランク角センサ30、カ
ム角センサ32が接続されると共に、HC組成検出セン
サ19、吸入空気量センサ8、スロットル開度センサ9
a、冷却水温センサ23、及びO2センサ28等が上記
A/D変換器49を介して接続され、更に、このA/D
変換器49に上記バッテリ51の端子電圧VB が入力さ
れてモニタされる。
【0041】一方、上記I/Oインターフェイス45の
出力ポートには、イグナイタ15が接続されると共に、
上記駆動回路48を介してISC弁11及び各気筒毎に
備えたインジェクタ12が接続されている。
【0042】上記ROM42には、エンジン制御プログ
ラムや各種マップ或いはテーブル等の固定データが記憶
されており、又、上記RAM43には、上記各センサ
類、スイッチ類の出力信号を処理した後のデータ、及び
上記CPU41で演算処理したデータが格納される。
又、上記バックアップRAM44には制御用データ等が
ストアされ、上記イグニッションスイッチ52がOFF
のときにもデータが保持される。
【0043】上記CPU41では上記ROM42に記憶
されている制御プログラムに従い燃料噴射制御、点火時
期制御等のエンジン制御を所定周期毎に実行する。
【0044】このようなエンジン制御系において、イグ
ニッションスイッチ52がONされると、電源リレー5
0がONし、上記電子制御装置40では、定電圧回路4
7を介して各部に定電圧が供給されて各種制御を実行す
る。すなわち、CPU41が、ROM42に記憶されて
いる制御プログラムに従い、I/Oインターフェイス4
5を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの各種検
出信号、及びバッテリ電圧VB等を処理し、RAM43
及びバックアップRAM44に格納されている各種デー
タ、ROM42に記憶されている固定データ等に基づき
各種制御量を演算する。そして、演算した燃料噴射量に
相応する駆動パルス信号を所定のタイミングで該当気筒
のインジェクタ12に出力して燃料噴射制御を行い、
又、演算した点火時期に対応するタイミングでイグナイ
タ15に点火信号を出力して点火時期制御を実行し、更
には演算したデューティ比に対応してISC弁11に制
御デューティ信号を出力してアイドル回転数制御等を実
行する。
【0045】この中で燃料噴射制御は、図1〜図3に示
すフローチャートに従って実行され、点火時期制御は、
図4、図5に示すフローチャートに従って実行される。
【0046】先ず、燃料噴射制御について説明する。図
1に示すフローチャートは燃料噴射量設定ルーチンで、
ステップS1でエンジン始動中か否かを、例えばスター
タスイッチ33がオンかオフかで判定する。そして、ス
タータスイッチ33がオンの始動中のときはステップS
2へ進み、又、スタータスイッチ33がOFFの始動後
はステップS5へ進む。
【0047】始動中と判定されてステップS2へ進む
と、インジェクタ12へ供給される気化ガスの着火限界
LMTが設定される。
【0048】この着火限界は、図2に示す気化ガスの着
火限界設定ルーチンにて設定され、先ず、ステップS1
6で、燃料ライン16に配設したHC組成検出センサ1
9の出力値に基づきインジェクタ12へ供給する気化ガ
ス組成を物理量で表した気化ガス組成値CNGCOMを検
出する。そして、ステップS17で、上記気化ガス組成
値CNGCOMに基づき気化ガスの着火限界LMT(%)
をテーブル参照などにより設定してルーチンを抜ける。
上記着火限界LMTは気化ガスを完全燃焼させるに要す
る体積当たりの理論燃空比(m3/m3)であり、図6に示す
ように、気化ガスの成分毎に予め設定されている。
【0049】次いで、上記燃料噴射量設定ルーチンのス
テップS3へ戻り、上記着火限界LMTに基づき着火限
界係数KCLを、図7に示すテーブルを補間計算付きで参
照して設定する。
【0050】その後、ステップS4で、冷却水温度Tw
などに基づき設定する始動時燃料噴射パルス幅TSTを上
記着火限界係数KCLで補正して始動時における燃料噴射
パルス幅Tiを設定する。そして、ステップS11へ進
み、上記燃料噴射パルス幅Tiを噴射対象気筒の噴射タ
イマにセットしてルーチンを抜ける。
【0051】その結果、所定タイミングで上記噴射タイ
マがスタートされ、上記燃料噴射パルス幅Tiの駆動パ
ルス信号が噴射対象気筒のインジェクタ12へ出力さ
れ、該インジェクタ12から所定に計量された燃料が噴
射され、エンジンを駆動させる。
【0052】一方、スタータスイッチ33がオフの始動
後のときは、ステップS1からステップS5へ進み、ク
ランク角センサ30の出力信号に基づいて算出したエン
ジン回転数NEと、吸入空気量センサ8の出力信号に基
づいて算出した吸入空気量Qとから基本燃料噴射量Tp
を算出する。 Tp←α・Q/NE ここで、αは通常のガソリン使用時の理論空燃比におけ
るインジェクタ特性補正定数である。
【0053】そして、ステップS6で、O2センサ28
の出力電圧に基づき、RAM43の所定アドレスに格納
した空燃比フィードバック補正係数LAMBDAを読込
み、ステップS7で、冷却水温センサ23による冷却水
温Tw、スロットル開度センサ9aによるスロットル開
度、スロットル全閉時にON動作するアイドルスイッチ
9bからのアイドル出力等に基づいて、冷却水温補正、
加減速補正、全開増量補正、アイドル後増量補正等に係
わる各種増量分補正係数COEFを設定し、ステップS
8で、後述する空燃比補正係数設定ルーチン(図3参
照)で設定した空燃比補正係数KA/Fを読込む。
【0054】次いで、ステップS9でバッテリ51の端
子電圧VBに基づき、インジェクタ12の無効噴射時間
を補間する電圧補正係数Tsを設定する。
【0055】その後、ステップS10で、上記基本燃料
噴射量Tpを、上記空燃比補正係数KA/F、各種増量分
補正係数COEF、及び上記空燃比フィードバック補正
係数LAMBDAにより空燃比補正すると共に、上記電
圧補正係数Tsにより電圧補正して最終的な燃料噴射量
を定める燃料噴射パルス幅Tiを、 Ti←Tp・KA/F・COEF・LAMBDA+Ts により算出する。
【0056】そして、ステップS11で、上記燃料噴射
パルス幅Tiを燃料噴射対象気筒の噴射タイマにセット
してルーチンを抜ける。
【0057】その結果、所定タイミングで上記噴射タイ
マがスタートされ、上記燃料噴射パルス幅Tiの駆動パ
ルス信号が噴射対象気筒のインジェクタ12へ出力さ
れ、該インジェクタ12から所定に計量された燃料が噴
射される。
【0058】上記ステップS8で読込まれる空燃比補正
係数KA/Fは、図3に示す空燃比補正係数設定ルーチン
で設定される。
【0059】このルーチンでは、先ず、ステップS21
でHC組成検出センサ19の出力値に基づきインジェク
タ12へ供給される気化ガス組成値CNGCOMを検出す
る。次いで、ステップS22で、上記気化ガス組成値C
NGCOMに基づき現在の気化ガスを完全燃焼させるに要
する空燃比(要求空燃比)A/FDEを設定する。図6に
示すように、CNGの気化ガスを完全燃焼させるための
空燃比(A/F)は、気化ガス組成毎に相違しており、
ステップS22ではステップS21で検出した気化ガス
組成値CNGCOMに基づき、メタンの単一成分、或いは
メタンと他の気化ガスとの混合成分に対応した要求空燃
比A/FDEを設定する。
【0060】そして、ステップS23で、上記要求空燃
比A/FDEに基づきテーブルを補間計算付きで参照して
基本空燃比をフィードフォワード補正する空燃比補正係
数KA/Fを設定してルーチンを抜ける。図8に示すよう
に、上記テーブルには要求空燃比A/FDEが15(通常
のガソリン使用時の理論空燃比)のときの空燃比補正係
数KA/Fを1.0(基準値)とし、上記要求空燃比A/
FDEの増減にほぼ比例する空燃比補正係数KA/Fが予め
実験などから求めて格納されている。従って、上記基本
燃料噴射量Tpが空燃比補正係数KA/Fで空燃比補正さ
れることにより、上記燃料噴射パルス幅Tiは上記気化
ガス組成値CNGCOMに対応した値に設定される。
【0061】次に、点火時期制御について、図4、図5
に示すフローチャートに従って説明する。図4に示す点
火時期設定ルーチンでは、先ず、ステップS31でエン
ジン回転数NEと基本燃料噴射量Tpに基づきマップを
補間計算付きで参照して基本点火時期IGREGを設定す
る。尚、上記マッブの各運転領域に格納されている基本
点火時期IGREGは、例えばオクタン価ONが90(レ
ギュラーガソリンのオクタン価に相当)のときの最適点
火時期である。
【0062】次いで、ステップS32で、後述する点火
時期補正値設定ルーチンで設定する点火時期補正値とし
ての点火時期補正係数TCMP、及び気化ガス組成補正
値ADVCNGを読込み、ステップS33でノック補正係
数ADVNを設定する。このノック補正係数ADVNはノ
ックセンサ21からの信号に基づき判別したノッキング
発生の有無に応じて設定される。
【0063】そして、ステップS34で次式に基づき上
記基本点火時期IGREGを補正して点火時期進角量AD
Vを算出する。 ADV←IGREG+ADVN+(TCMP・IGMBT)+
ADVCNG ここで、IGMBTは、エンジン運転状態に基づいて設定
される点火進角補正値である。
【0064】そして、ステップS35で上記点火進角量
ADVに対応する点火タイミングを点火対象気筒の点火
タイマにセットしてルーチンを抜ける。
【0065】その結果、予め設定されているクランク角
を基準として上記点火タイマがスタートし、点火タイミ
ングに達したとき点火対象気筒の点火プラグ13がスパ
ークする。
【0066】上記ステップS32で読込まれる点火時期
補正係数TCMP、及び気化ガス組成補正係数ADVCN
Gは、図5に示す点火時期補正係数及び気化ガス組成補
正値設定ルーチンで設定される。このルーチンでは、先
ず、ステップS41で燃料ライン16に配設したHC組
成検出センサ19の出力値に基づきインジェクタ12へ
供給する気化ガス組成値CNGCOMを検出する。
【0067】次いで、ステップS42で上記気化ガス組
成値CNGCOMに基づき、該気化ガス組成値CNGCOMの
オクタン価ONを設定する。図6に示すように、オクタ
ン価ONは気化ガス組成毎に相違しており、上記ステッ
プS42ではステップS41で検出した気化ガス組成値
CNGCOMに基づき、メタンの単一成分、或いはメタン
と他の気化ガスとの混合成分に対応したオクタン価ON
を設定する。
【0068】そして、ステップS43で上記オクタン価
ONに基づきテーブルを補間計算付きで参照し、或いは
演算によりて点火時期補正係数TCMP、及び気化ガス
組成補正値ADVCNGを設定し、ルーチンを抜ける。
【0069】上記ステップS43では、オクタン価ON
が高くなるに従いノック限界クランク角が進角方向へ移
行するため、オクタン価ONが高いときには大きい値の
点火時期補正係数TCMP、及び気化ガス組成補正値A
DVCNGが設定され、逆にオクタン価ONが低いときは
小さい値の点火時期補正係数TCMP、及び気化ガス組
成補正値ADVCNGが設定される。
【0070】このように、本実施の形態によれば、燃料
噴射制御ではインジェクタ12へ供給される気化ガスの
組成をHC組成検出センサ19にて逐次検出しているの
で、CNGの気化ガス組成値CNGCOMが走行中に急激
に変化した場合であっても、常に要求空燃比A/FDEに
対応する燃料噴射パルス幅Tiを設定することができ、
従って、例えばCNGを早期に補給することで気化ガス
の主成分であるメタンの混合割合が低下した場合、或い
は走行中に気化ガス組成値CNGCOMが大きく変化した
場合でも、当該気化ガス組成値CNGCOMに応じた要求
空燃比A/FDEが設定されるため、空燃比がリーン化す
ることなく安定した燃焼が得られ、排気エミッションの
低減、及び良好な始動性能を図ることができる。
【0071】又、点火時期制御では、インジェクタ12
へ供給するCNGの気化ガス組成値CNGCOMに対応す
るオクタン価ONを設定し、該オクタン価ONに応じた
点火時期補正係数TCMP、気化ガス組成補正値ADV
CNGで基本点火時期IGREGを補正するようにしたので、
インジェクタ12へ供給される気化ガス組成値CNGCO
Mが、ユーザの補給タイミング等の使用条件或いは走行
条件などにより変化した場合であっても、常に最適な点
火時期が設定され、良好な運転性能が得られるばかりで
なく排気エミッションの低減を図ることができる。
【0072】尚、上記HC組成検出センサ19を燃料ラ
イン16の上記プレッシャレギュレータ18とインジェ
クタ12との間に配設すれば、気化ガス組成が急変した
場合であっても燃焼に供する気化ガスの組成に対応する
要求空燃比A/FDEを瞬時に設定することができる。
【0073】又、図11〜図16に本発明の第2実施の
形態を示す。本実施の形態では、図15、図16に示す
ように、前記第1実施の形態で採用したHC組成検出セ
ンサ19に代えて、高圧燃料タンク17の上部に内圧検
出手段の一例である内圧センサ34を配設し、更に、高
圧燃料タンク17の底部に残留液化ガス検出手段の一例
である液面センサ35を配設し、上記内圧センサ34で
検出する気化ガス雰囲気内の圧力Pに基づきインジェク
タ12へ供給される気化ガス組成値CNGCOMを設定
し、又上記液面センサ35で高圧燃料タンク17に貯留
されている液化ガスの油面が僅少或いはゼロを示す程度
まで低下したときは上記気化ガス組成値CNGCOMが単
一成分であると推定する。
【0074】以下、本実施の形態で実行する燃料噴射制
御、及び点火時期制御について、図11〜図14に示す
フローチャートに従って説明する。
【0075】図11に示すフローチャートは燃料噴射量
設定ルーチンで、このルーチンでは、先ず、ステップS
51でエンジン始動中か否かを、例えばスタータスイッ
チ33がオンかオフかで判別する。そして、スタータス
イッチ33がONの始動中のときはステップS52へ進
み、又OFFのときはステップS55へ進む。
【0076】ステップS52へ進むと、図12に示す着
火限界設定ルーチンが実行され、インジェクタ12へ供
給する気化ガスの着火限界LMTが設定される。この着
火限界設定ルーチンでは、先ず、ステップS61で内圧
センサ34の出力値に基づいて検出した内圧Pに基づき
気化ガス組成値CNGCOMを設定する。すなわち、高圧
燃料タンク17にCNGが満杯のときの内圧Pを、例え
ば210Kgf/cm2とした場合、メタンは気化ガスの状態で存
在するが、その他の成分は、図6、図17に示すよう
に、気化圧力が210Kgf/cm2以下であるため液化ガスの状
態にあり、その後、内圧Pが低下して45.5Kgf/cm2以下
になると、エタンが気化し、気化ガスはメタンとエタン
との混合ガスになる。又、内圧Pが7.5Kgf/cm2以下では
プロパンが気化するため、気化ガスはメタンとエタンと
プロパンとの混合ガスになる。そして、内圧Pが2.3Kgf
/cm2以下ではブタンが気化し、気化ガスはメタンとエタ
ンとプロパンとブタンとの混合ガスになる。従って、上
記高圧燃料タンク17の内圧Pを検出することで、イン
ジェクタ12へ供給する気化ガス組成値CNGCOMを設
定することができる。
【0077】次いで、ステップS62へ進むと、上記気
化ガス組成値CNGCOMに基づき着火限界LMT(%)
をテーブル参照などにより設定してルーチンを抜ける。
この着火限界LMTは気化ガスを完全燃焼させるに要す
る体積当たりの理論燃空比(m3/m3)であり、第1実施の
形態と同様、図6に示すように、気化ガスの成分毎に予
め設定されている。
【0078】そして、上記燃料噴射量設定ルーチンのス
テップS53へ戻ると、上記着火限界LMTに基づき着
火限界係数KCLを設定し、ステップS54で冷却水温度
Twなどに基づき設定する始動時燃料噴射パルス幅TST
を上記着火限界係数KCLで補正して始動時における燃料
噴射パルス幅Tiを設定する。そして、ステップS11
へ進み、始動時の燃料噴射パルス幅Tiを噴射対象気筒
の噴射タイマにセットしてルーチンを抜ける。
【0079】その結果、所定タイミングで上記噴射タイ
マがスタートされ、上記燃料噴射パルス幅Tiの駆動パ
ルス信号が噴射対象気筒のインジェクタ12へ出力さ
れ、該インジェクタ12から所定に計量された燃料が噴
射され、エンジンを駆動させる。
【0080】一方、スタータスイッチ33がオンの始動
後のときはステップS51からステップS55へ進み、
後述する空燃比補正係数設定ルーチンで設定する空燃比
補正係数KA/Fを読込み、ステップS56で基本燃料噴
射量Tpを、 Tp←(KA/F・α)・Q/N に基づき算出する。すなわち、通常のガソリン使用時の
理論空燃比におけるインジェクタ特性補正定数αを空燃
比補正係数KA/Fで補正し、要求空燃比A/FDEに対応
する基本燃料噴射量Tpを求める。
【0081】次いで、ステップS6〜S10を経て、前
述した第1実施の形態と同様、始動後の燃料噴射パルス
幅Tiを算出し、ステップS11で燃料噴射対象気筒の
燃料噴射タイマに上記燃料噴射パルス幅Tiをセットし
てルーチンを抜ける。
【0082】上記ステップS55で読込まれる始動後の
空燃比補正係数KA/Fは、図13に示す空燃比補正係数
設定ルーチンで設定される。
【0083】このルーチンでは、先ず、ステップS71
で高圧燃料タンク17に設けた液面センサ35の出力電
圧を読込み、ステップS72で、上記液面センサ35の
出力電圧と基準電圧とを比較して、上記高圧燃料タンク
17に液化ガスの油面が僅少或いはゼロを示す程度まで
低下したか否かを判別する。そして、上記出力値が基準
電圧以上の液化ガスが未だ十分に残留しているときは、
ステップS73へ進み、上記高圧燃料タンク17に設け
た内圧センサ34の出力値に基づいて検出した高圧燃料
タンク17の内圧Pを読込み、ステップS74で上記内
圧Pに基づき気化ガス組成値CNGCOMを、上記図12
に示す着火限界設定ルーチンのステップS61と同様に
設定する。
【0084】次いで、ステップS75へ進み、上記気化
ガス組成値CNGCOMに基づき要求空燃比A/FDEを演
算、或いはテーブル参照により設定し、ステップS77
へ進む。図6に示すように、CNG組成中の各成分を完
全燃焼させるための空燃比、及び各成分の気化圧力は予
め知られており、従って、上記高圧燃料タンク17の内
圧Pを検出することで上記気化ガス組成値CNGCOMに
対応する要求空燃比A/FDEを簡単に求めることができ
る。
【0085】一方、上記ステップS72で、上記液面セ
ンサ35の出力電圧が基準電圧未満、すなわち高圧燃料
タンク17内に残留する液化ガスの液面が僅少或いはゼ
ロを示すまでに低下したときは、ステップS76へ分岐
し、メタン対応の要求空燃比A/FDEを設定してステッ
プS77へ進む。すなわち、高圧燃料タンク17内に液
化ガスが存在していれば、内圧Pが低下するに従い残留
液化ガスが気化し、インジェクタ12へ混合ガスとして
供給されるが、残留液化ガスが存在しない或いは僅少な
場合は、その後内圧Pが変化しても高圧燃料タンク17
内の気化ガス成分のみがインジェクタ12に供給される
ことになる。このときの気化ガスの混合成分はメタンが
大部分を支配していると考えられる。
【0086】そして、上記ステップS75或いはステッ
プS76からステップS77へ進むと、上記要求空燃比
A/FDEに基づきテーブル(図8参照)を補間計算付き
で参照して空燃比補正係数KA/Fを設定し、ルーチンを
抜ける。
【0087】このように、本実施の形態における燃料噴
射制御では、内圧センサ34を高圧燃料タンク17に配
設し、この高圧燃料タンク17の内圧Pに基づき気化ガ
ス組成値CNGCOMを検出するようにしたので、燃料ラ
イン16に配設したHC組成検出センサ19により燃料
ライン16を通過する気化ガスから組成値CNGCOMを
検出する第1実施の形態に比し、気化ガス組成値CNG
COMを瞬時に検出することができ、インジェクタ12へ
供給される気化ガス組成値CNGCOMに応じた要求空燃
比A/FDEに対応する燃料噴射パルス幅Tiを設定する
ことができる。又、同時に高圧燃料タンク17に液面セ
ンサ35を配設し、この液面センサ35の出力値に基づ
き高圧燃料タンク17に貯留する液化ガスの液面が僅少
或いはゼロを示すまでに低下したときは、インジェクタ
12へ供給する気化ガスがメタンの単一成分であると推
定し、このメタンを完全燃焼させる要求空燃比A/FDE
に対応する燃料噴射パルス幅Tiが設定されるので演
算、及び制御を簡略化することかできる。
【0088】又、本実施の形態で実行する点火時期制御
は、第1実施の形態の図4に示す点火時期設定ルーチン
と同等のルーチンを経て設定され、当該ルーチンのステ
ップS22で読み込まれる点火時補正係数TCMP、及
び気化ガス組成補正値ADVCNGは、図14に示す点火
時期補正係数及び気化ガス組成補正値設定ルーチンに従
って実行される。
【0089】先ず、ステップS81で高圧燃料タンク1
7に設けた液面センサ35の出力電圧を読込み、ステッ
プS82で、上記液面センサ35の出力電圧と基準電圧
とを比較して、上記高圧燃料タンク17に残留する液化
ガスが僅少或いはゼロを示す程度まで低下したか否かを
判別する。そして、出力電圧が基準電圧以上の液化ガス
が十分に残留しているときはステップS83へ進み、上
記高圧燃料タンク17に設けた内圧センサ34の出力値
に基づいて検出した高圧燃料タンク17の内圧Pを読込
み、ステップS84で上記内圧Pに基づき気化ガス組成
値CNGCOMを設定する。そして、ステップS85で、
上記気化ガス組成値CNGCOMに基づきオクタン価ON
(図6参照)を設定し、ステップS87へ進む。
【0090】一方、上記液面センサ35の出力電圧が基
準電圧未満の液化ガスの油面が僅少或いはゼロを示す程
度まで低下したときは、ステップS82からステップS
86へ分岐し、メタンの単一成分に対応するオクタン価
ONを算出してステップS87へ進む。
【0091】そして、ステップS85或いはステップS
86からステップS87へ進むと、上記オクタン価ON
に基づきテーブルを補間計算付きで参照し、或いは演算
によりて点火時期補正係数TCMP、及び気化ガス組成
補正値ADVCNGを設定し、ルーチンを抜ける。
【0092】このように、本実施の形態における点火時
期制御では、高圧燃料タンク17の内圧Pに基づいてイ
ンジェクタ12へ供給する気化ガス組成値CNGCOMを
設定し、この気化ガス組成値CNGCOMに基づきオクタ
ン価ONを算出するので、燃料ライン16を通過する気
化ガス組成値CNGCOMからオクタン価ONを検出する
第1実施の形態に比し、オクタン価ONに応じた点火時
期を早期に設定することができる。又、同時に高圧燃料
タンク17に液面センサ35を配設し、この液面センサ
35の出力値に基づき液化ガスの油面が僅少或いはゼロ
を示す程度まで低下したときは、インジェクタ12から
噴射する気化ガスがメタンの単一成分であると推定し、
このメタンのオクタン価ONに基づき点火時期補正係数
TCMP、気化ガス組成補正値ADVCNGを設定するの
で、演算が簡略化される。
【0093】更に、上述した各実施の形態では高圧燃料
タンク内の液化ガス温度を検出する必要がないので、高
圧燃料タンクに温度センサを配設する必要がなく、その
分部品点数を削減することができる。
【0094】尚、上述した各実施の形態では始動時の燃
料噴射パルス幅Tiを、始動時燃料噴射パルス幅TSTを
着火限界係数KCLで補正して設定しているが、本発明は
これに限らず、始動時燃料パルス幅TSTを設定する際の
補正項を着火限界LMTの関数で補正することで始動時
の燃料噴射パルス幅Tiを設定したり、或いは該補正項
中に着火限界LMTの関数を補正係数として取り込むこ
とで、始動時の燃料噴射パルス幅Tiを設定するように
しても良い。
【0095】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば以
下に列記する効果が奏される。
【0096】請求項1記載の発明によれば、圧縮天然ガ
スを貯留する高圧燃料タンクからインジェクタへ供給す
る気化ガスの組成値を気化ガス組成検出手段により検出
するようにしたので、高圧燃料タンク内の飽和蒸気圧と
液化ガス温度とに基づいて気化ガス組成を検出する従来
のものに比し、部品点数が少なくなり、その分、コスト
の低減を図ることができる。又、上記気化ガス組成値に
基づいて要求空燃比を設定し、この要求空燃比に応じ燃
料噴射量を設定するようにしたので、ユーザの燃料補給
タイミングが早く高圧燃料タンク内のメタン容量が実質
的に低下した場合、或いは走行条件により気化ガス組成
の混合割合が大きく変化した場合であっても、空燃比が
リーン化することなく適正な空燃比制御性を得ることが
できる。
【0097】請求項2記載の発明によれば、上記気化ガ
ス組成検出手段で検出した気化ガスの組成値に基づきイ
ンジェクタへ供給する気化ガスの着火限界を設定し、少
なくとも該着火限界に基づいて始動時の燃料噴射量を設
定するようにしたので、気化ガス組成に応じた始動時の
燃料噴射量を適正に設定することができ良好な始動性を
得ることができる。
【0098】請求項3記載の発明によれば、前記請求項
2或いは3記載の発明において、前記気化ガス組成検出
手段を高圧燃料タンクとインジェクタとを連通する燃料
ラインに配設することで、インジェクタへ供給される気
化ガスの組成値を直接検出することができ、従って気化
ガス組成が急変した場合であっても該気化ガスを完全燃
焼させる要求空燃比を直ちに設定することができて良好
な燃料噴射制御性を得ることができる。
【0099】請求項4記載の発明によれば、圧縮天然ガ
スを貯留する高圧燃料タンクの内圧を内圧センサで検出
し、この内圧に基づいてインジェクタへ供給する気化ガ
スの組成値を設定することで、気化圧力の異なる複数の
成分からなる圧縮天然ガスの気化ガス組成を圧力の変化
のみから簡単に検出することができ、気化ガス組成の変
化に対応した迅速な空燃比制御性を得ることができる。
【0100】請求項5記載の発明によれば、圧縮天然ガ
スを貯留する高圧燃料タンクの内圧を内圧センサで検出
し、この内圧に基づいてインジェクタへ供給する気化ガ
スの組成値を設定し、この気化ガス組成値に基づき上記
気化ガスの着火限界を設定し、少なくとも該着火限界に
基づいて始動時の燃料噴射量を設定するようにしたの
で、気化ガス組成に応じて始動時の燃料噴射量を適正に
設定することができ良好な始動性を得ることができる。
【0101】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
4或いは5記載の発明において、前記高圧燃料タンクに
残留液化ガス検出手段を配設し、上記残留液化ガス検出
手段で高圧燃料タンクの液化ガスの残留量が僅少或いは
ゼロと検出されたときは前記気化ガスが単一成分である
と推定し、単一の気化ガス成分に基づいて要求空燃比を
設定し、或いは着火限界を設定することで燃料噴射制御
を簡略化することができる。
【0102】請求項7記載の発明によれば、圧縮天然ガ
スを貯留する高圧燃料タンクからインジェクタへ供給す
る気化ガスの組成値を気化ガス組成検出手段により検出
し、この気化ガス組成値に基づいて該気化ガスのオクタ
ン価を設定し、該オクタン価に基づいて点火時期を補正
するようにしたので、燃焼に供する気化ガス組成が大き
く変化した場合であっても、常に適正な点火時期を設定
することができる。
【0103】請求項8記載の発明によれば、上記請求項
7記載の発明において、前記気化ガス組成検出手段を高
圧燃料タンクとインジェクタとを連通する燃料ラインに
配設することで、インジェクタへ供給される気化ガスか
ら該気化ガスの組成値を直接検出することができ、従っ
て気化ガス組成が急変した場合であっても該気化ガス組
成に対応する点火時期を直ちに設定することができ良好
な点火時期制御性を得ることができる。
【0104】請求項9記載の発明によれば、圧縮天然ガ
スを貯留する高圧燃料タンクの内圧を内圧センサで検出
し、この内圧に基づいて気化ガス組成を設定し、この気
化ガス組成値に基づき当該気化ガスのオクタン価を設定
し、該オクタン価に基づいて点火時期を補正するように
したので、燃焼に供する気化ガス組成に対応した適正な
点火時期を設定することができる。
【0105】請求項10記載の発明によれば、上記請求
項9記載の発明において、前記高圧燃料タンクに残留液
化ガス検出手段を配設し、上記残留液化ガス検出手段で
高圧燃料タンクの液化ガスの残留量が僅少或いはゼロと
検出されたときは前記気化ガスが単一成分であると推定
し、単一の気化ガス成分に基づいて点火時期を設定する
ことで点火時期制御を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による燃料噴射量設
定ルーチンを示すフローチャート
【図2】同、気化ガスの着火限界設定ルーチンを示すフ
ローチャート
【図3】同、空燃比補正係数設定ルーチンを示すフロー
チャート
【図4】同、点火時期設定ルーチンを示すフローチャー
【図5】同、点火時期補正係数及び気化ガス組成補正値
設定ルーチンを示すフローチャート
【図6】同、圧縮天然ガス成分の性状を示す図表
【図7】同、着火限界係数を格納するテーブルの概念図
【図8】同、空燃比補正係数を格納するテーブルの概念
【図9】同、エンジンの全体概略構成図
【図10】同、電子制御装置の回路図
【図11】本発明の第2の実施の形態による燃料噴射量
設定ルーチンを示すフローチャート
【図12】同、気化ガスの着火限界設定ルーチンを示す
フローチャート
【図13】同、空燃比補正係数設定ルーチンを示すフロ
ーチャート
【図14】同、点火時期補正係数及び気化ガス組成補正
値設定ルーチンを示すフローチャート
【図15】同、エンジンの全体概略構成図
【図16】同、電子制御装置の回路図
【図17】圧縮天然ガスの気化ガス組成を圧力毎に示す
図表
【符号の説明】
1…エンジン本体 12…インジェクタ 16…燃料ライン 17…高圧燃料タンク 19…気化ガス組成検出手段(炭化水素組成検出セン
サ) 34…内圧検出手段(内圧センサ) 35…残留液化ガス検出手段(液面センサ) ADV…点火時期 A/FDE…要求空燃比 CNGCOM…気化ガス組成値 IGREG…基本点火時期 KA/F…空燃比補正係数 LMT…着火限界 ON…オクタン価 P…内圧 TCMP,ADVCNG…点火時期補正値 Ti…燃料噴射量(燃料噴射パルス幅)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02P 5/15 F02P 5/15 B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク
    からインジェクタへ供給する気化ガスの組成値を気化ガ
    ス組成検出手段により検出し、 上記組成値に基づき該組成値に対応する要求空燃比を設
    定し、 上記要求空燃比に基づき燃料噴射量を補正する空燃比補
    正係数を設定し、 少なくともエンジン運転状態及び上記空燃比補正係数に
    基づき上記インジェクタに対する燃料噴射量を設定する
    ことを特徴とする圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制御
    装置。
  2. 【請求項2】 圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク
    からインジェクタへ供給する気化ガスの組成値を気化ガ
    ス組成検出手段により検出し、 上記組成値に基づき上記気化ガスの着火限界を設定し、 少なくとも上記着火限界に基づき始動時の燃料噴射量を
    設定することを特徴とする圧縮天然ガスエンジンの燃料
    噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 前記気化ガス組成検出手段が前記高圧燃
    料タンクと前記インジェクタとを連通する燃料ラインに
    配設されていることを特徴とする請求項1或いは2記載
    の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク
    に内圧検出手段を配設し、 上記内圧検出手段で検出した内圧に基づき上記高圧燃料
    タンクからインジェクタへ供給する気化ガスの組成値を
    設定し、 上記組成値に基づき該組成値に対応する要求空燃比を設
    定し、 少なくともエンジン運転状態及び上記要求空燃比に基づ
    き上記インジェクタに対する燃料噴射量を設定すること
    を特徴とする圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制御装
    置。
  5. 【請求項5】 圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク
    に内圧検出手段を配設し、 上記内圧検出手段で検出した内圧に基づき上記高圧燃料
    タンクからインジェクタへ供給する気化ガスの組成値を
    設定し、 上記組成値に基づき該気化ガスの着火限界を設定し、 少なくとも上記着火限界に基づき始動時の燃料噴射量を
    設定することを特徴とする圧縮天然ガスエンジンの燃料
    噴射制御装置。
  6. 【請求項6】 前記高圧燃料タンクに該高圧燃料タンク
    内の液化ガスを検出する残留液化ガス検出手段を配設
    し、 上記残留液化ガス検出手段で高圧燃料タンクの液化ガス
    の残留量が僅少或いはゼロと検出されたときは前記気化
    ガスが単一成分であると推定することを特徴とする請求
    項4或いは5記載の圧縮天然ガスエンジンの燃料噴射制
    御装置。
  7. 【請求項7】 圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク
    からインジェクタへ供給する気化ガスの組成値を気化ガ
    ス組成検出手段により検出し、 上記組成値に基づき上記気化ガスのオクタン価を設定
    し、 該オクタン価に基づき点火時期補正値を設定し、 少なくともエンジン運転状態及び上記点火時期補正値に
    基づき最終的な点火時期を設定することを特徴とする圧
    縮天然ガスエンジンの点火時期制御装置。
  8. 【請求項8】 前記気化ガス組成検出手段が前記高圧燃
    料タンクと前記インジェクタとを連通する燃料ラインに
    配設されていることを特徴とする請求項7記載の圧縮天
    然ガスエンジンの点火時期制御装置。
  9. 【請求項9】 圧縮天然ガスを貯留する高圧燃料タンク
    に内圧検出手段を配設し、 上記内圧検出手段で検出した内圧に基づき上記高圧燃料
    タンクからインジェクタへ供給する気化ガスの組成値を
    設定し、 上記組成値に基づき該気化ガスのオクタン価を設定し、 該オクタン価に基づき点火時期補正値を設定し、 少なくともエンジン運転状態及び上記点火時期補正値に
    基づき最終的な点火時期を設定することを特徴とする圧
    縮天然ガスエンジンの点火時期制御装置。
  10. 【請求項10】 前記高圧燃料タンクに該高圧燃料タン
    ク内の液化ガスを検出する残留液化ガス検出手段を配設
    し、 上記残留液化ガス検出手段で高圧燃料タンクの液化ガス
    の残留量が僅少或いはゼロと検出されたときは前記気化
    ガスが単一成分であると推定することを特徴とする請求
    項9記載の圧縮天然ガスエンジンの点火時期制御装置。
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