JP2000337235A - 内燃機関の点火制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火制御装置

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JP2000337235A
JP2000337235A JP11146694A JP14669499A JP2000337235A JP 2000337235 A JP2000337235 A JP 2000337235A JP 11146694 A JP11146694 A JP 11146694A JP 14669499 A JP14669499 A JP 14669499A JP 2000337235 A JP2000337235 A JP 2000337235A
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JP
Japan
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ignition
time
internal combustion
combustion engine
control device
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JP11146694A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Mogi
和久 茂木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重点火を行う内燃機関において、高速回転
領域にあって2回目以降の点火時期が遅れることに起因
してトルク変動が大きくなるのを回避する。 【解決手段】 点火信号による点火コイルへの通電後、
点火信号がオフに維持される放電時間td と点火信号が
再びオンに維持される休止時間tw との合計時間を、高
速回転領域では短くして、2回目以降の点火時期の遅れ
を防ぐ必要がある。回転速度が高くなると、燃焼も速く
なるため、放電時間td を短くしていっても一定の着火
性を維持することが可能である。そこで、回転速度が高
いときには放電時間td を短く設定する。放電時間td
を短くして放電途中の早い時期に再通電した場合、点火
コイルにはエネルギが残存しているため、点火コイル一
次側への充電時間である休止時間tw を短くしても所望
のエネルギを確保することができる。そこで、高速回転
時には休止時間tw も短く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の点火制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料消費率の向上の観点から、成層燃焼
を行う内燃機関が開発されている。成層燃焼とは、燃焼
室内に濃混合気と希薄混合気とを層状に形成し、まず、
濃混合気の部分に着火し、その炎によって希薄混合気の
部分も燃焼させることにより、不完全燃焼及び失火を回
避しつつ全体として希薄な混合気を燃焼させるものであ
る。一般に、成層燃焼を行うガソリン機関では、筒内直
接噴射方式を採用し、従来からの均質燃焼を行う場合に
は吸気行程で噴射を行う一方、上述の成層燃焼を行う場
合には圧縮行程で噴射を行うようにしている。
【0003】筒内直接噴射式ガソリン機関では、成層燃
焼を行う場合、気筒内の限定された空間に成層混合気を
形成するようにしているが、混合気の濃度分布の変化の
様子は1サイクルごとに大きくばらつく。そのため、一
定負荷かつ一定回転速度にあるときに一定のタイミング
で点火しても、適切な可燃混合気がスパークプラグ(点
火栓)近傍にある状態で点火しているとは必ずしも言え
ず、失火が発生する可能性がある。すなわち、成層燃焼
時には、着火に不安定性がある。
【0004】そこで、例えば特開平4−179859号
公報に開示されるように、成層燃焼時には均質燃焼時よ
りも点火回数を増加させることにより、即ちスパークプ
ラグにてスパーク(火花)を複数回発生させる多重点火
を行うことにより、着火機会を多く得て着火性を確保
し、成層燃焼を安定化させる対策が考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術においては、一定時間間隔でスパークを発生させてい
る。そのため、点火時期をクランク角度で表すと、1回
目の点火時期を一定クランク角度に設定しても、2回目
以降の点火時期は、機関回転速度に依存してばらつき、
高速回転時には低速回転時に比較して遅れることとな
る。したがって、特に高速回転時において、1回目の点
火時期に着火に失敗し、2回目以降の点火時期に着火に
成功した場合、トルク変動が大きくなるという問題が生
ずる。
【0006】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、多重点火を行う内燃機関に
おいてトルク変動を抑制することができる点火制御装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様によれば、バッテリ電圧の点火
コイル一次側への印加を指令する点火信号がオンに維持
される通電時間の後に、該点火信号がオフに維持される
放電時間と該点火信号が再びオンに維持される休止時間
との組み合わせを少なくとも1回設けることにより、点
火コイル二次側に接続されたスパークプラグでの火花放
電を複数回発生させる多重点火を、運転領域に応じて行
う内燃機関の点火制御装置であって、該機関の回転速度
を検出する回転速度検出手段と、多重点火を行うべき運
転領域にある場合において、前記回転速度検出手段によ
って検出される回転速度が高いときには、該放電時間を
短く設定する点火信号変更手段と、を具備する、内燃機
関の点火制御装置が提供される。
【0008】また、本発明の第2の態様によれば、前記
第1の態様に係る点火制御装置において、前記点火信号
変更手段は、該放電時間を短く設定する際に、該休止時
間を一定に維持する。
【0009】また、本発明の第3の態様によれば、前記
第1の態様に係る点火制御装置において、前記点火信号
変更手段は、該放電時間を短く設定する際に、該休止時
間も短く設定する。
【0010】また、本発明の第4の態様によれば、前記
第1又は第3の態様に係る点火制御装置において、前記
点火信号変更手段は、高速回転領域において該放電時間
と該休止時間とを回転速度に応じて連続的に変化させ
る。
【0011】また、本発明の第5の態様によれば、前記
第1から第4までの態様に係る点火制御装置において、
前記内燃機関は、成層燃焼を行う筒内直接噴射式火花点
火機関である。
【0012】また、本発明の第6の態様によれば、前記
第5の態様に係る点火制御装置において、成層燃焼を行
うべき運転領域にあるときにのみ多重点火が行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施形態に係る点火制
御装置を備えた電子制御式内燃機関の全体概要図であ
る。内燃機関1は、車両搭載用の筒内直接噴射式直列4
気筒4ストロークサイクルレシプロガソリン機関であっ
て均質燃焼及び成層燃焼を行うものである。機関1は、
シリンダブロック2及びシリンダヘッド3を備えてい
る。シリンダブロック2には、上下方向へ延びる4個の
気筒4が紙面の厚み方向へ並設され、各気筒4内には、
ピストン5が往復動可能に収容されている。各ピストン
5は、コネクティングロッド6を介し共通のクランクシ
ャフト7に連結されている。各ピストン5の往復運動
は、コネクティングロッド6を介してクランクシャフト
7の回転運動に変換される。
【0015】シリンダブロック2とシリンダヘッド3と
の間において、各ピストン5の上側は燃焼室8となって
いる。シリンダヘッド3には、その両外側面と各燃焼室
8とを連通させる吸気ポート9及び排気ポート10がそ
れぞれ設けられている。これらのポート9及び10を開
閉するために、シリンダヘッド3には吸気バルブ11及
び排気バルブ12がそれぞれ略上下方向への往復動可能
に支持されている。また、シリンダヘッド3において、
各バルブ11,12の上方には、吸気側カムシャフト1
3及び排気側カムシャフト14がそれぞれ回転可能に設
けられている。カムシャフト13及び14には、バルブ
11及び12を駆動するためのカム15及び16が取り
付けられている。カムシャフト13及び14の端部にそ
れぞれ設けられたタイミングプーリ17及び18は、ク
ランクシャフト7の端部に設けられたタイミングプーリ
19へタイミングベルト20により連結されている。
【0016】吸気ポート9には、エアクリーナ31、ス
ロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホル
ド34等を備えた吸気通路30が接続されている。機関
1外部の空気(外気)は、燃焼室8へ向けて吸気通路3
0の各部31,32,33及び34を順に通過する。な
お、本実施形態におけるスロットルバルブ32は、いわ
ゆる電子スロットルであり、運転席のアクセルペダルと
直接機械的に結合されておらず、スロットルモータ37
によって駆動せしめられる。
【0017】また、シリンダヘッド3には、各燃焼室8
へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁40が取付けられて
いる。燃料は、燃料タンク41に貯蔵されており、そこ
から燃料ポンプ42によりくみ上げられ、燃料配管43
を経て、機関により駆動される高圧ポンプ44により昇
圧されて燃料噴射弁40に供給される。燃料噴射弁40
から噴射される燃料は、吸気通路30、吸気ポート9及
び吸気バルブ11を介して燃焼室8へ導入される空気と
燃焼室8において合流して混合気となる。そして、均質
燃焼を行う場合には吸気行程で噴射が行われる一方、成
層燃焼を行う場合には圧縮行程で噴射が行われる。
【0018】この混合気に着火するために、シリンダヘ
ッド3にはスパークプラグ50が取付けられている。各
気筒には、各気筒毎に独立してスパークプラグ50に結
合するイグナイタ内蔵点火コイル52が設けられてい
る。点火時には、点火信号を受けた各気筒毎のイグナイ
タ内蔵点火コイル52内でイグナイタが1次電流の通電
及び遮断を制御し、2次電流がスパークプラグ50に供
給される。均質燃焼の場合、吸気行程噴射により燃焼室
8内に均一な混合気が形成された後に点火が行われる。
一方、成層燃焼の場合、圧縮行程噴射により噴射された
燃料がスパークプラグ50付近に多くあってその部分の
混合気のみがリッチな状態にあるときに点火が行われ、
その炎によって周辺のリーンな混合気の部分も燃焼する
こととなる。
【0019】燃焼した混合気は、排気ガスとして排気バ
ルブ12を介して排気ポート10に導かれる。排気ポー
ト10には、排気マニホルド61、触媒コンバータ62
等を備えた排気通路60が接続されている。触媒コンバ
ータ62には、不完全燃焼成分であるHC(炭化水素)
及びCO(一酸化炭素)の酸化と、空気中の窒素と燃え
残りの酸素とが反応して生成されるNOx (窒素酸化
物)の還元とを同時に促進する三元触媒が収容されてい
る。こうして触媒コンバータ62において浄化された排
気ガスが大気中に排出される。
【0020】機関1には各種のセンサが取付けられてい
る。シリンダブロック2には、機関1の冷却水の温度を
検出するための水温センサ74が取付けられている。吸
気通路30には、吸入空気流量を検出するためのエアフ
ローメータ70が取り付けられている。吸気通路30に
おいて、スロットルバルブ32の近傍には、その軸の回
動角度を検出するスロットル開度センサ72とアクセル
踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度セ
ンサ77とが設けられている。カムシャフト13には、
クランク角(CA)に換算して720°CAごとに基準
位置検出用パルスを発生させるクランク基準位置センサ
80が設けられている。また、クランクシャフト7に
は、30°CAごとに回転速度検出用パルスを発生させ
るクランク角センサ81が設けられている。
【0021】図2は、スパークプラグ50、イグナイタ
内蔵点火コイル52及びバッテリ56から構成される点
火装置の回路構成を示す図である。イグナイタ内蔵点火
コイル52内の点火コイル53の一次巻線53aの一端
及び二次巻線53bの一端は、バッテリ56の正電極に
接続されている。一次巻線53aの他端は、イグナイタ
内蔵点火コイル52内のイグナイタとしてのスイッチン
グ用トランジスタ54のコレクタに接続されている。そ
のトランジスタ54のエミッタは接地され、そのベース
には点火信号が印加されるように構成されている。二次
巻線53bの他端は、スパークプラグ50の中心電極5
0aに接続されている。スパークプラグ50の外側電極
50bは、接地されている。この回路において、まず、
点火信号がハイとなり、トランジスタ54がオンする
と、点火コイル一次巻線53aに電流が流れる。次い
で、点火信号がロウとされてトランジスタ54がオフに
されることにより一次電流が遮断されると、点火コイル
53の二次巻線53bに高電圧が誘起され、その結果、
スパークプラグ50にて火花放電が起こる。
【0022】図1及び図2における電子制御装置(EC
U)90は、燃料噴射制御、点火制御、スロットル制御
等を実行するマイクロコンピュータシステムである。E
CU90においては、各種制御のための前処理として、
吸入空気流量信号、スロットル開度信号、アクセル開度
信号、冷却水温信号及びバッテリ電圧信号が、一定クラ
ンク回転角毎に実行されるAD変換ルーチンによって取
り込まれ、それぞれ吸入空気流量データGA、スロット
ル開度データTA、アクセル開度データACP、冷却水
温データTHW及びバッテリ電圧データVBとしてメモ
リの所定領域に格納される。また、クランク角センサ8
1のパルス信号が入力される毎に、そのパルス間隔から
図示しないルーチンにより機関回転速度が算出され、機
関回転速度データNEとしてメモリの所定領域に格納さ
れる。また、GA/NEなる演算が周期的に行われ、吸
気量回転速度比データGNとしてメモリの所定領域に格
納される。
【0023】ECU90は、燃料噴射制御及び点火制御
において、基本的に、高負荷・高速回転時には吸気行程
噴射及び一回点火を選択して均質燃焼を実行することに
より出力の向上を図る一方、低負荷・低速回転時には圧
縮行程噴射及び多重点火を選択して成層燃焼を実行する
ことにより燃料消費率の向上を図る。
【0024】図3は、点火信号及び火花電流のタイムチ
ャートであって、(A)は一回点火の場合、(B)は多
重点火の場合を示す。一回点火の場合には、同図(A)
に示されるように、点火信号が1回だけオン・オフされ
ることにより、火花が1回だけ発生する。均質燃焼の場
合には、筒内全体が可燃濃度の混合気によって満たされ
た状態にあるときに点火することとなるため、一回点火
で充分な着火性が確保される。一方、多重点火の場合に
は、同図(B)に示されるように、点火信号が複数回
(図の例では3回)オン・オフされて複数の火花が発生
する。成層燃焼の場合には、スパークプラグ近傍が可燃
濃度の混合気で覆われる時期が限られるとともに、その
時期がサイクル間で変動するため、かかる多重点火が必
要となってくる。
【0025】ここで、図3における時刻t0 から時刻t
1 までの時間、すなわちバッテリ電圧の点火コイル一次
側への印加を指令する点火信号がオンに維持される時間
を通電時間te と呼ぶこととする。また、時刻t1 から
時刻t2 までの時間、すなわち点火信号がオフに維持さ
れる時間を放電時間td と呼ぶこととする。さらに、時
刻t2 から時刻t3 までの時間、すなわち点火信号が再
びオンに維持される時間を休止時間tw と呼ぶこととす
る。多重点火では、通電時間te の後に放電時間td
休止時間tw との組み合わせが少なくとも1回設けられ
ることとなる。図3(B)の例は3回点火であるため、
3回目の点火のために、時刻t3 から時刻t4 までの放
電時間td と、時刻t4 から時刻t5 までの休止時間t
w とが設けられている。
【0026】さて、燃焼速度は機関回転速度に比例して
おり、機関回転速度が高くなると燃焼も速くなる。換言
すれば、燃焼期間は、ほぼ一定のクランク角度範囲とな
る。図3(B)において、放電時間td と休止時間tw
とを一定に設定した場合、1回目の点火時期t1 を一定
クランク角度に設定しても、2回目以降の点火時期t 3
及びt5 は、クランク角度で表すとき、機関回転速度に
依存してばらつき、高速回転時には低速回転時に比較し
て遅れることとなる。したがって、高速回転時において
は、1回目の点火時期に着火に失敗し、2回目以降の点
火時期に着火に成功した場合、トルク変動が大きくな
る。特に、上死点以降に着火した場合、トルク変動が著
しい。
【0027】したがって、かかるトルク変動を抑制する
ためには、機関回転速度が高くなるのに応じて放電時間
d と休止時間tw との合計時間を短くする必要があ
る。ところで、前述のように、機関回転速度が高くなる
と燃焼も速くなるため、機関回転速度が高くなるほど放
電時間td を短くしていっても一定の着火性を維持する
ことが可能である。そこで、本発明は、回転速度が高い
ときには放電時間td を短く設定するように点火信号を
変更しようというものである。
【0028】高速回転時に放電時間td を短く設定する
際、休止時間tw は一定時間に維持したままでもよい
が、本実施形態では、放電時間td の短縮に応じて休止
時間t w も短く設定される。すなわち、放電時間td
短くして放電途中の早い時期に再通電した場合、点火コ
イルにはエネルギが残存しているため、点火コイル一次
側への充電時間である休止時間tw を短くしても所望の
エネルギを確保することができる。そこで、本発明で
は、高速回転時に放電時間td に加えて休止時間t w
短く設定することにより、2回目以降の点火時期を更に
進めることができるようにしている。
【0029】図4は、機関回転速度NEに対する放電時
間td 及び休止時間tw の設定値を示す図である。15
00rpm程度以下の低速回転領域において放電時間t
d 及び休止時間tw が一定値にされているのは、かかる
極低速回転領域では、点火コイルの充電に時間的余裕が
あり、また、放電時間td や休止時間tw を長くして2
回目以降の点火時期を遅角側にするとトルク変動の問題
が生ずるからである。同図に示されるように、高速回転
領域において放電時間と休止時間とを回転速度に応じて
連続的に変化させることにより、2回目以降の点火時期
の遅れを最小限に抑えることができる。図4に示され
る、機関回転速度NEと放電時間td との関係、及び機
関回転速度NEと休止時間tw との関係は、マップ化さ
れて予め記憶されている。
【0030】図5は、点火制御ルーチンの処理手順を示
すフローチャートである。本ルーチンは、本実施形態で
は4気筒機関のため、180°CA周期で実行される。
まず、ステップ102では、成層燃焼を行うべき低負荷
・低速回転の運転領域にあるか、又は均質燃焼を行うべ
き高負荷・高速回転の運転領域にあるか、が判別され
る。ただし、機関冷却水温THWが低い場合には、均質
燃焼が選択される。なお、機関負荷としては、吸気量回
転速度比(機関1回転当たりの吸入空気量)GN又はア
クセル開度ACPが使用される。
【0031】次いで、ステップ104では、機関負荷L
Dと回転速度NEとに基づいて、クランク角度位置とし
て表される点火時期t1 (図3(A)又は(B)参照)
が決定される。詳細には、均質燃焼を行うべき運転領域
にあるときには、均質燃焼用の所定のマップに基づく補
間演算により、吸気量回転速度比GNと回転速度NEと
に応じた点火時期t1 が決定される。一方、成層燃焼を
行うべき運転領域にあるときには、成層燃焼用の所定の
マップに基づく補間演算により、アクセル開度ACPと
回転速度NEとに応じた点火時期t1 が決定される。
【0032】次いで、ステップ106では、所定のマッ
プに基づく補間演算により、バッテリ電圧VBに応じた
通電時間te (図3(A)又は(B)参照)が決定され
る。バッテリ電圧VBが低下してくると、バッテリ電圧
VBの印加を開始してから点火コイルにエネルギが蓄積
されるまでに要する時間が増大するため、バッテリ電圧
が低くなるほど通電時間te は長く設定される。
【0033】次いで、ステップ108、110及び11
2では、成層燃焼を行うべき運転領域にあるときのみ、
放電時間td 及び休止時間tw が決定される。すなわ
ち、ステップ110では、図4に示される、機関回転速
度NEと放電時間td との関係を表すマップに基づく補
間演算により、機関回転速度NEに応じた放電時間td
(図3(B)参照)が決定される。また、ステップ11
2では、図4に示される、機関回転速度NEと休止時間
w との関係を表すマップに基づく補間演算により、機
関回転速度NEに応じた休止時間tw (図3(B)参
照)が決定される。かくして、多重点火の場合に使用さ
れる放電時間td 及び休止時間tw は、高速回転領域に
おいて、機関回転速度NEが高いほど短く設定される。
【0034】最後のステップ114では、点火信号が形
成され出力される。すなわち、均質燃焼運転領域にあっ
ては、決定された点火時期t1 及び通電時間te に基づ
いて、図3(A)に示される如き一回点火用の点火信号
が形成され出力される。一方、成層燃焼運転領域にあっ
ては、決定された点火時期t1 、通電時間te 、放電時
間td 及び休止時間tw に基づいて、図3(B)に示さ
れる如き多重点火用の点火信号が形成され出力される。
【0035】上述の実施形態では、放電時間td 及び休
止時間tw を時間により設定しているが、それらに代え
て一定のクランク角度範囲としての放電期間及び休止期
間を定義し、点火信号を作成するようにしてもよい。そ
のようにすれば、回転速度が高くなるほど放電時間も休
止時間も短くされることとなるからである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多重点火を行う内燃機関において、高速回転領域にあっ
て2回目以降の点火時期にて着火がなされることに起因
してトルク変動が大きくなるという事態を回避すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る点火制御装置を備え
た電子制御式内燃機関の全体概要図である。
【図2】点火装置の回路図である。
【図3】点火信号及び火花電流のタイムチャートであっ
て、(A)は一回点火の場合、(B)は多重点火の場合
を示す。
【図4】機関回転速度NEに対する放電時間td 及び休
止時間tw の設定値を示す図である。
【図5】点火制御ルーチンの処理手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1…筒内直接噴射式直列4気筒4ストロークサイクルレ
シプロガソリン機関 2…シリンダブロック 3…シリンダヘッド 4…気筒 5…ピストン 6…コネクティングロッド 7…クランクシャフト 8…燃焼室 9…吸気ポート 10…排気ポート 11…吸気バルブ 12…排気バルブ 13…吸気側カムシャフト 14…排気側カムシャフト 15…吸気側カム 16…排気側カム 17,18,19…タイミングプーリ 20…タイミングベルト 30…吸気通路 31…エアクリーナ 32…スロットルバルブ 33…サージタンク 34…吸気マニホルド 37…スロットルモータ 40…燃料噴射弁 41…燃料タンク 42…燃料ポンプ 43…燃料配管 44…高圧ポンプ 50…スパークプラグ 52…イグナイタ内蔵点火コイル 53…点火コイル 54…トランジスタ 56…バッテリ 60…排気通路 61…排気マニホルド 62…触媒コンバータ 70…エアフローメータ 72…スロットル開度センサ 74…水温センサ 77…アクセル開度センサ 80…クランク基準位置センサ 81…クランク角センサ 90…電子制御装置(ECU)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリ電圧の点火コイル一次側への印
    加を指令する点火信号がオンに維持される通電時間の後
    に、該点火信号がオフに維持される放電時間と該点火信
    号が再びオンに維持される休止時間との組み合わせを少
    なくとも1回設けることにより、点火コイル二次側に接
    続されたスパークプラグでの火花放電を複数回発生させ
    る多重点火を、運転領域に応じて行う内燃機関の点火制
    御装置であって、 該機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、 多重点火を行うべき運転領域にある場合において、前記
    回転速度検出手段によって検出される回転速度が高いと
    きには、該放電時間を短く設定する点火信号変更手段
    と、 を具備する、内燃機関の点火制御装置。
  2. 【請求項2】 前記点火信号変更手段は、該放電時間を
    短く設定する際に、該休止時間を一定に維持する、請求
    項1に記載の内燃機関の点火制御装置。
  3. 【請求項3】 前記点火信号変更手段は、該放電時間を
    短く設定する際に、該休止時間も短く設定する、請求項
    1に記載の内燃機関の点火制御装置。
  4. 【請求項4】 前記点火信号変更手段は、高速回転領域
    において該放電時間と該休止時間とを回転速度に応じて
    連続的に変化させる、請求項1又は請求項3に記載の内
    燃機関の点火制御装置。
  5. 【請求項5】 前記内燃機関は、成層燃焼を行う筒内直
    接噴射式火花点火機関である、請求項1から請求項4ま
    でのいずれか1項に記載の内燃機関の点火制御装置。
  6. 【請求項6】 成層燃焼を行うべき運転領域にあるとき
    にのみ多重点火が行われる、請求項5に記載の内燃機関
    の点火制御装置。
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