JP2009261218A - 回転電機の積層鉄心及びその製造方法並びに回転電機の電機子 - Google Patents

回転電機の積層鉄心及びその製造方法並びに回転電機の電機子 Download PDF

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Abstract

【課題】板状素材の無駄を抑制すると共に、製造し易くし、しかも、回転電機の作動時における磁気音の発生を抑制する。
【解決手段】本発明の回転電機の積層鉄心10は、板状素材32から打ち抜いて形成された帯状の鉄心素材30を螺旋状に巻回して積層することで構成されるものであり、そのティース先端部20は、ティース本体部16の先端側における幅方向両側に回動部24を介して回動可能に接続されている。しかも、このティース先端部20は、鉄心素材30において回動端20Aが回動部24に対するティース本体部16の基端側に位置するように形成された後、回動端20Aがティース本体部16の基端側から先端側(径方向内側から外側)に移動されるように、回動部24を中心として回動された構成とされている。さらに、この積層鉄心10は、互いに隣り合う鉄心構成片12における鉄心環状部構成部18同士を接続する腕部14を備えている。
【選択図】図1B

Description

本発明は、回転電機の積層鉄心及びその製造方法並びに回転電機の電機子に関する。
従来、回転電機の積層鉄心としては、例えば、次のものがある(例えば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1には、金属板から打ち抜いて形成された帯状の鉄心片を螺旋状に巻回して積層することで構成された回転電機の積層鉄心が開示されている。この積層鉄心では、円筒形状のヨークに径内方向に突出する突極子が形成されており、突極子は、その先端側に突極子の幅方向(積層鉄心の周方向)に延在する傘状部を有している。
特開2006−166498号公報(図11,図12)
しかしながら、上記特許文献1に記載の例のように、傘状部が予め突極子の幅方向(積層鉄心の周方向)に延在されていると、金属板から帯状の鉄心片を打ち抜いて形成する場合に、金属板に無駄が生じやすくなるという問題がある。
また、この種の回転電機の積層鉄心では、製造し易いこと、及び、回転電機の作動時における磁気音の発生を抑制できることが要求される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際に板状素材の無駄を抑制できる回転電機の積層鉄心及びその製造方法並びに回転電機の電機子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、回転電機の積層鉄心を製造し易くできる回転電機の積層鉄心及びその製造方法並びに回転電機の電機子を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、回転電機の作動時における磁気音の発生を抑制できる回転電機の積層鉄心及びその製造方法並びに回転電機の電機子を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法は、ティース本体部と、前記ティース本体部の基端側に接続された鉄心環状部構成部と、前記ティース本体部の先端側における幅方向両側に回動部を介して回動可能に接続され前記ティース本体部の長手方向に延在されたティース先端部とを各々が有し、前記ティース本体部の長手方向と直交する方向に並んで配置された複数の鉄心構成片と、前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片における前記鉄心環状部構成部同士を接続する腕部と、を備えた帯状の鉄心素材を、板状素材から打ち抜いて形成する打抜工程と、前記打抜工程によって得られた前記鉄心素材を、支柱を軸として螺旋状に巻回して積層する積層工程と、前記積層工程によって得られた前記鉄心素材から前記支柱を取り除くと共に、前記鉄心素材に対して径方向に力を加えて前記鉄心素材を縮径させることで前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片における前記鉄心環状部構成部同士を当接させる圧縮工程と、前記圧縮工程によって得られた前記鉄心素材における前記ティース先端部を、前記ティース本体部の幅方向に延在されるように前記回動部を中心として回動させる回動工程と、を含んでいる。
請求項1に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、打抜工程において板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際に、ティース先端部をティース本体部の長手方向に延在された状態(つまり傘状のティース先端部を閉じた状態)とする。従って、この打抜工程において、例えば、特定の鉄心素材における鉄心構成片の間に、他の鉄心素材における鉄心構成片が位置されるようにして、特定の鉄心素材及び他の鉄心素材を板状素材から打ち抜いて形成することができる(所謂、鉄心素材の多列取りができる)。これにより、ティース先端部を予めティース本体部の幅方向に延在された状態とする場合(つまり傘状のティース先端部を開いた状態とするため、所謂、鉄心素材の多列取りができない場合)に比して、板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際の板状素材の無駄を抑制できる。
また、請求項1に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、打抜工程において複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う鉄心構成片における鉄心環状部構成部同士を接続する腕部を形成する。従って、鉄心環状部構成部間にスリットを形成してこの鉄心環状部構成部同士が直接的に接続されるように形成する場合に比して、圧縮工程において鉄心環状部構成部同士を当接させるのに必要な力を小さくすることができるので、回転電機の積層鉄心を製造し易くできる。
また、前記課題を解決するために、請求項2に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法は、ティース本体部と、前記ティース本体部の基端側に接続された鉄心環状部構成部と、前記ティース本体部の先端側における幅方向両側に回動部を介して回動可能に接続され前記ティース本体部の長手方向に延在されたティース先端部とを各々が有し、前記ティース本体部の長手方向と直交する方向に並んで配置された複数の鉄心構成片と、前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片における前記鉄心環状部構成部同士を接続する腕部と、を備えた帯状の鉄心素材を、板状素材から打ち抜いて形成する打抜工程と、前記打抜工程によって得られた前記鉄心素材の前記腕部を、前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片が近接するように圧縮成形する圧縮工程と、前記圧縮工程によって得られた前記鉄心素材を、支柱を軸として螺旋状に巻回して積層する積層工程と、前記積層工程によって得られた前記鉄心素材から前記支柱を取り除く取除工程と、前記取除工程後に、前記鉄心素材における前記ティース先端部を、前記ティース本体部の幅方向に延在されるように前記回動部を中心として回動させる回動工程と、を含んでいる。
請求項2に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、打抜工程において板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際に、ティース先端部をティース本体部の長手方向に延在された状態(つまり傘状のティース先端部を閉じた状態)とする。従って、この打抜工程において、例えば、特定の鉄心素材における鉄心構成片の間に、他の鉄心素材における鉄心構成片が位置されるようにして、特定の鉄心素材及び他の鉄心素材を板状素材から打ち抜いて形成することができる(所謂、鉄心素材の多列取りができる)。これにより、ティース先端部を予めティース本体部の幅方向に延在された状態とする場合(つまり傘状のティース先端部を開いた状態とするため、所謂、鉄心素材の多列取りができない場合)に比して、板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際の板状素材の無駄を抑制できる。
また、請求項2に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、打抜工程において複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う鉄心構成片における鉄心環状部構成部同士を接続する腕部を形成する。従って、圧縮工程においては少ない力で鉄心素材を成形することができるので、回転電機の積層鉄心を製造し易くできる。
さらに、請求項2に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、打抜工程によって得られた鉄心素材の腕部を、複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う鉄心構成片が近接するように圧縮成形する。従って、この圧縮工程によって得られた鉄心素材は長さ方向に短くなるので、積層工程において鉄心素材を巻回する作業時間を短くできると共に、この鉄心素材を搬送するための設備や巻き取るためのボビン等を小型化することができる。これにより、設備費を低減することができる。
しかも、請求項2に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、上述のように、打抜工程によって得られた鉄心素材の腕部を圧縮成形することで、この圧縮成形の後に、鉄心素材に対して径方向に力を加える、所謂、内径成形工程を不要にすることができる。また、この内径成形工程が不要になることにより、この内径成形工程においてひずみを取るために必要とされていた軸方向の圧縮処理も不要となる。これにより、設備費をより一層低減することができる。
請求項3に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法のうち、前記打抜工程において、前記ティース先端部の回動端が前記回動部に対する前記ティース本体部の基端側に位置されるように、前記鉄心素材を形成し、前記回動工程において、前記ティース先端部を、前記回動端が前記ティース本体部の基端側から先端側に移動されるように、前記回動部を中心として回動させる。
請求項3に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、打抜工程において鉄心素材を形成する際に、ティース先端部の回動端が回動部に対するティース本体部の基端側に位置されるようにし、且つ、回動工程においてティース先端部の回動端がティース本体部の基端側から先端側に移動されるように、ティース先端部を回動部を中心として回動させる。従って、ティース先端部を形成するためにV字溝やU字溝にする必要が無いので、回転電機の積層鉄心をより一層製造し易くでき、しかも、ティース先端部間の窪みを防止できるので、回転電機の作動時における磁気音の発生を抑制できる。
請求項4に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法は、請求項3に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法のうち、前記打抜工程において、前記ティース先端部における前記回動部に対する前記回動端と反対側に、前記ティース本体部の先端側に対する基端側と反対側に位置され、且つ、前記回動部に対する前記回動端と反対側に延びる突起部が形成されるように、前記鉄心素材を形成し、前記回動工程において、前記ティース先端部を前記回動部を中心として回動させて、前記鉄心構成片における前記突起部同士を前記ティース本体部の幅方向に対向させた状態で互いに当接させる。
請求項4に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、打抜工程において形成した鉄心構成片における突起部同士をティース本体部の幅方向に対向させた状態で互いに当接させるので、ティース先端部間の窪みを防止してティース先端部における回転子対向面をより一層平滑にできる。
請求項5に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法は、請求項3又は請求項4に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法のうち、前記回動工程において、前記ティース本体部の基端側から先端側に移動されるに従って前記ティース先端部を押圧しつつ前記ティース先端部の前記回動端側から基端側に移動される押圧部を備えた治具を用いて、前記ティース先端部を前記回動部を中心として回動させる。
請求項5に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、回動工程において、上記押圧部を備えた治具を用いることで、ティース先端部を回動部を中心として円滑に回動させることができる。
請求項6に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法のうち、前記打抜工程において、特定の前記鉄心素材における前記鉄心構成片の間に、他の前記鉄心素材における前記鉄心構成片が位置されるようにして、前記特定の鉄心素材及び前記他の鉄心素材を前記板状素材から打ち抜いて形成する。
請求項6に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法によれば、打抜工程において、所謂、鉄心素材の多列取りをするので、所謂、鉄心素材の多列取りができない場合に比して、板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際の板状素材の無駄を抑制できる。
また、前記課題を解決するために、請求項7に記載の回転電機の積層鉄心は、板状素材から打ち抜いて形成された帯状の鉄心素材を螺旋状に巻回して積層することで構成された回転電機の積層鉄心であって、前記積層鉄心の径方向に延在されたティース本体部と、前記ティース本体部の基端側に接続された鉄心環状部構成部と、前記ティース本体部の先端側における幅方向両側に回動部を介して回動可能に接続され前記ティース本体部の幅方向に延在されたティース先端部とを有し、前記積層鉄心の周方向に並んで配置された複数の鉄心構成片と、前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片における前記鉄心環状部構成部同士を接続する腕部と、を備えている。
請求項7に記載の回転電機の積層鉄心によれば、ティース先端部は、ティース本体部の先端側における幅方向両側に回動部を介して回動可能に接続されている。従って、板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際に、ティース先端部をティース本体部の長手方向に延在された状態(つまり傘状のティース先端部を閉じた状態)とすることができる。これにより、例えば、特定の鉄心素材における鉄心構成片の間に、他の鉄心素材における鉄心構成片が位置されるようにして、特定の鉄心素材及び他の鉄心素材を板状素材から打ち抜いて形成することができる(所謂、鉄心素材の多列取りができる)。よって、ティース先端部を予めティース本体部の幅方向に延在された状態とする場合(つまり傘状のティース先端部を開いた状態とするため、所謂、鉄心素材の多列取りができない場合)に比して、板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際の板状素材の無駄を抑制できる。
また、請求項7に記載の回転電機の積層鉄心によれば、複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う鉄心構成片における鉄心環状部構成部同士を接続する腕部を備えている。従って、例えば、鉄心環状部構成部間にスリットが形成されてこの鉄心環状部構成部同士が直接的に接続された構成に比して、鉄心環状部構成部同士を当接させるのに必要な力を小さくすることができるので、回転電機の積層鉄心を製造し易くできる。
請求項8に記載の回転電機の積層鉄心は、請求項7に記載の回転電機の積層鉄心において、前記ティース先端部が、前記鉄心素材において回動端が前記回動部に対する前記ティース本体部の基端側に位置するように形成された後、前記回動端が前記ティース本体部の基端側から先端側に移動されるように、前記回動部を中心として回動された、構成とされている。
請求項8に記載の回転電機の積層鉄心によれば、ティース先端部を形成するためにV字溝やU字溝にする必要が無いので、回転電機の積層鉄心をより一層製造し易くでき、しかも、ティース先端部間の窪みを防止できるので、回転電機の作動時における磁気音の発生を抑制できる。
請求項9に記載の回転電機の積層鉄心は、請求項8に記載の回転電機の積層鉄心において、前記ティース先端部には、前記回動部に対する前記回動端と反対側に、前記ティース本体部の先端側に対する基端側と反対側に位置され、且つ、前記回動部に対する前記回動端と反対側に延びる突起部が形成され、前記鉄心構成片における前記突起部同士が、前記ティース本体部の幅方向に対向した状態で互いに当接されている、構成とされている。
請求項9に記載の回転電機の積層鉄心によれば、鉄心構成片における突起部同士がティース本体部の幅方向に対向させた状態で互いに当接されているので、ティース先端部間の窪みを防止してティース先端部における回転子対向面をより一層平滑にできる。
さらに、前記課題を解決するために、請求項10に記載の回転電機の電機子は、請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の回転電機の積層鉄心と、前記ティース本体部にインシュレータを介して巻回された巻線と、を備えている。
請求項10に記載の回転電機の電機子によれば、上述の請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の回転電機の積層鉄心を備えているので、板状素材から帯状の鉄心素材を打ち抜いて形成する際に板状素材の無駄を抑制でき、しかも、回転電機の積層鉄心を製造し易くでき、さらに、回転電機の作動時における磁気音の発生を抑制できる。
以下、図面に基づき、本発明の一実施形態について説明する。
図1A〜図1Cには、本発明の一実施形態に係る回転電機の積層鉄心10が示されている。これらの図に示される積層鉄心10は、後に詳述するように、板状素材から打ち抜いて形成された帯状の鉄心素材を螺旋状に巻回して積層することで構成されたものであって、次の構成とされている。
すなわち、この積層鉄心10は、インシュレータと、このインシュレータを介して後述のティース本体部16に巻回された巻線とで、アウターロータ型の回転電機における電機子を構成するものであり、図1A,図1Bに示されるように、複数の鉄心構成片12と、腕部14とを有する構成とされている。
複数の鉄心構成片12は、積層鉄心10の周方向に並んで配置されており、それぞれティース本体部16と、鉄心環状部構成部18と、ティース先端部20とを有して構成されている。
ティース本体部16は、積層鉄心10の径方向に延在されており、鉄心環状部構成部18は、ティース本体部16の基端側(径方向内側)に接続されて鉄心環状部22を構成している。ティース先端部20は、図1Cに示されるように、ティース本体部16の先端側(径方向外側)における幅方向両側に橋絡状の回動部24を介して回動可能に接続され、且つ、ティース本体部16の幅方向(周方向)に延在されている。
このティース先端部20には、回動部24に対する回動端20Aと反対側に突起部26が形成されている。突起部26は、ティース本体部16の先端側に対する基端側と反対側(径方向外側)に位置され、且つ、回動部24に対する回動端20Aと反対側(周方向に向かい合う側)に延びている。
また、各鉄心構成片12における突起部26同士は、ティース本体部16の幅方向(周方向)に対向した状態で互いに当接されている。さらに、この突起部26を含むティース先端部20の外周面20B(回転子対向面)は、積層鉄心10の周方向に沿って円弧状に形成されている。
腕部14は、橋絡状に形成されており、複数の鉄心構成片12のうち互いに隣り合う鉄心構成片12における鉄心環状部構成部18同士を接続している。
そして、上記構成からなる積層鉄心10は、例えば、次の二通りの製造方法により製造される。
[第一の製造方法]
はじめに、積層鉄心10の第一の製造方法について説明する。
図2〜図9には、積層鉄心10の第一の製造方法が示されている。この第一の製造方法では、打抜工程、積層工程、圧縮工程、回動工程の順に行う。
(打抜工程)
先ず、打抜工程では、図2,図3に示されるように、帯状の鉄心素材30を金属製の板状素材32から打ち抜いて形成する。このとき、帯状の鉄心素材30については、複数の鉄心構成片12と腕部14とを備えるようにする。また、複数の鉄心構成片12については、一定の方向、すなわち、ティース本体部16の長手方向と直交する方向(矢印X方向)に並んで配置されるようにする。さらに、各鉄心構成片12については、ティース本体部16と、鉄心環状部構成部18と、ティース先端部20とを有するようにする。
また、ティース先端部20については、ティース本体部16の先端側における幅方向両側に回動部24を介して回動可能に接続されるようにする。また、このとき、ティース先端部20については、その回動端20Aが回動部24に対するティース本体部16の基端側に位置されるようにし、且つ、ティース本体部16の長手方向(矢印Y方向)に延在されるようにする。さらに、ティース先端部20については、回動部24に対する回動端20Aと反対側に突起部26が形成されるようにする。また、突起部26については、ティース本体部16の先端側に対する基端側と反対側に位置され、且つ、回動部24に対する回動端20Aと反対側に延びるようにする。
また、この打抜工程においては、図2に示されるように、特定の鉄心素材30における鉄心構成片12の間に、他の鉄心素材30における鉄心構成片12が位置されるようにして、特定の鉄心素材30及び他の鉄心素材30を板状素材32から打ち抜いて形成する。
なお、このとき、ティース先端部20を、その外周面20B(回転子対向面)が積層鉄心10の周方向に沿って円弧状となるように打ち抜き加工、又は、半抜き押し戻し加工にて形成する。また、スリット部34は、切り出し加工を用いて予め形成しておき、これらの工程後に平打ちしてスリット部34の周辺部の歪を矯正する。また、板状素材32は、必要に応じて、所定の長さ毎に予め分断する。
(積層工程)
そして、打抜工程によって得られた鉄心素材30(図3参照)を、図4,図5に示されるように、完成品である積層鉄心10の鉄心環状部22(内径部;図1B参照)の内径よりも大きな支柱36を軸として螺旋状に巻回して積層する。そして、この鉄心素材30を必要な長さで分断する。
(圧縮工程)
続いて、図6に示されるように、積層工程によって得られた鉄心素材30から支柱36(図4,図5参照)を取り除き、この鉄心素材30を、内径絞りダイ38に圧入する。そして、この鉄心素材30に対して径方向に力を加えて腕部14を圧縮して折り曲げることで鉄心素材30を縮径させ、複数の鉄心構成片12のうち互いに隣り合う鉄心構成片12における鉄心環状部構成部18同士を当接させる。
(回動工程)
さらに、圧縮工程によって得られた鉄心素材30におけるティース先端部20を、図7に示されるように、ティース本体部16の幅方向に延在されるように回動部24を中心として回動させる。このとき、ティース先端部20を、回動端20Aがティース本体部16の基端側から先端側(径方向内側から外側)に移動されるように、回動部24を中心として回動させる。
また、このとき、図8Aに示されるように、ティース先端部20の開き始めのときには、第一治具40を用い、図8Bに示されるように、ティース先端部20の開き終わりのときには、第二治具42を用いる。
第一治具40及び第二治具42は、溝部44,46内を移動可能な押圧部としてのローラ48,50をそれぞれ有して構成されている。ローラ48,50は、図示しないバネ等によって溝部44,46の開口側(鉄心素材30の径方向内側)にそれぞれ付勢されており、第一治具40及び第二治具42の移動に伴ってティース本体部16の基端側から先端側(径方向内側から外側)に移動されるに従ってティース先端部20の外周面20Bを押圧しつつティース先端部20の回動端20A側から基端側(突起部26側)に転動される構成とされている。なお、このとき、一つの治具でティース先端部20を回動させても良い。
そして、図8Bにて示される程度にティース先端部20を回動させた(広げた)状態で、図9に示されるように、鉄心素材30をダイ52に挿入し、治具54によってティース先端部20を最終形状まで回動させる。このとき、各鉄心構成片12における突起部26同士をティース本体部16の幅方向に対向させた状態で互いに当接させる。なお、各鉄心構成片12における突起部26同士の合わせ目については適宜段階で溶接しても良い。
続いて、ティース本体部16間の隙間及び鉄心環状部22(内径部)の内側に心金56,58(パンチ)を挿入し、治具54によって鉄心素材30を径方向内側に圧縮する。以上の要領により、鉄心素材30から積層鉄心10が完成される。
次に、上述の本発明の一実施形態に係る第一の製造方法の作用及び効果について説明する。
先ず、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法の作用及び効果をより明確にするために、比較例について説明する。図11には、第一比較例に係る回転電機の積層鉄心110の製造方法が示されており、図12A,図12Bには、第二比較例に係る回転電機の積層鉄心210の製造方法が示されており、図13A,図13Bには、第三比較例に係る回転電機の積層鉄心310の製造方法が示されている。
なお、第一比較例〜第三比較例に係る回転電機の積層鉄心110,210,310において、上述の本発明の一実施形態に係る回転電機の積層鉄心10と同一名称の構成については、便宜上、同一の符合を用いることとする。
第一〜第三比較例に係る回転電機の積層鉄心110,210,310の製造方法では、上述の本発明の一実施形態と同様な工程によって積層鉄心が完成されるが、以下の点で異なる。
すなわち、第一比較例に係る回転電機の積層鉄心110の製造方法では、図11に示されるように、板状素材から帯状の鉄心素材30を打ち抜いて形成する際に、ティース先端部20を予めティース本体部16の幅方向(積層鉄心110の周方向)に延在されるようにしている。
また、第二比較例及び第三比較例に係る回転電機の積層鉄心210,310の製造方法では、図12A,図13Aに示されるように、打抜工程において鉄心環状部構成部18間にスリット60を形成してこの鉄心環状部構成部18同士が直接的に接続されるようにしている。
また、第二比較例及び第三比較例に係る回転電機の積層鉄心210,310の製造方法では、打抜工程においてティース先端部20の回動端20Aが回動部24に対するティース本体部16の基端側と反対側(径方向外側)に位置されるようにしている。
さらに、第二比較例に係る回転電機の積層鉄心210の製造方法では、図12Aに示されるように、ティース先端部20を形成するために打抜工程においてV字溝62を形成しており、第三比較例に係る回転電機の積層鉄心310の製造方法では、図13Aに示されるように、ティース先端部20を形成するために打抜工程においてU字溝64を形成している。
そして、この第二比較例及び第三比較例に係る回転電機の積層鉄心210,310の製造方法では、回動工程において、ティース先端部20を、回動端20Aが回動部24に対するティース本体部16の基端側と反対側から基端側(径方向外側から内側)に移動されるように、回動部24を中心として回動させ、これにより、図12B,図13Bに示されるように、ティース先端部20を、ティース本体部16の幅方向(積層鉄心210,310の周方向)に延在させるようにしている。
しかしながら、図11に示される第一比較例に係る回転電機の積層鉄心110の製造方法のように、ティース先端部20が予めティース本体部16の幅方向に延在されていると、板状素材から帯状の鉄心素材30を打ち抜いて形成する場合に、板状素材に無駄が生じやすくなるという問題がある。
また、図12A〜図13Bに示される第二比較例及び第三比較例に係る回転電機の積層鉄心210,310の製造方法のように、鉄心環状部構成部18間にスリット60を形成してこの鉄心環状部構成部18同士が直接的に接続されるように形成する場合には、磁気特性を高めるためにティース本体部16の幅を広くする場合や、積層鉄心10の外径部に対して鉄心環状部22(内径部)の寸法が小さい場合において、圧縮工程における鉄心環状部22の形成に大きな径方向の力が必要になる。従って、鉄心環状部22のひずみを取るため、鉄心環状部22に対して更に大きな軸方向の圧縮が必要であり、大掛かりな設備が必要でコストが上がるという問題がある。
さらに、図12A,図12Bに示される第二比較例に係る回転電機の積層鉄心210の製造方法では、ティース先端部20を形成するために打抜工程においてV字溝62を形成しているが、このV字溝62の形成には非常に高い精度が要求され、加工が困難であるという問題がある。
一方、図13A,図13Bに示される第三比較例に係る回転電機の積層鉄心310の製造方法では、ティース先端部20を形成するために打抜工程においてU字溝64を形成しているが、回動工程においてティース先端部20を回動させたときには、図13Bに示されるように、ティース先端部20間の窪み66が形成される。このように、ティース先端部20間の窪み66が形成されると、回転子の磁石とティース先端部20の外周面20Bとのエアギャップが不均一となり、回転電機の作動時における磁気音の発生源となる虞があるという問題がある。
これに対して、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法によれば、図2,図3に示されるように、打抜工程において板状素材32から帯状の鉄心素材30を打ち抜いて形成する際に、ティース先端部20をティース本体部16の長手方向に延在された状態(つまり傘状のティース先端部20を閉じた状態)とする。
従って、この打抜工程において、図2に示されるように、例えば、特定の鉄心素材30における鉄心構成片12の間に、他の鉄心素材30における鉄心構成片12が位置されるようにして、特定の鉄心素材30及び他の鉄心素材30を板状素材32から打ち抜いて形成することができる(所謂、鉄心素材30の多列取りができる)。
これにより、上述の第一比較例のように、ティース先端部20を予めティース本体部16の幅方向に延在された状態とする場合(つまり傘状のティース先端部20を開いた状態とするため、所謂、鉄心素材30の多列取りができない場合;図11参照)に比して、板状素材32から帯状の鉄心素材30を打ち抜いて形成する際の板状素材32の無駄を抑制できる。
また、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法によれば、打抜工程において複数の鉄心構成片12のうち互いに隣り合う鉄心構成片12における鉄心環状部構成部18同士を接続する腕部14を形成する。
従って、上述の第二又は第三比較例のように、鉄心環状部構成部18間にスリット60を形成してこの鉄心環状部構成部18同士が直接的に接続されるように形成する場合(図12A,図13A)に比して、圧縮工程において鉄心環状部構成部18同士を当接させるのに必要な力を小さくすることができるので、積層鉄心10を製造し易くできる。
また、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法によれば、打抜工程において鉄心素材30を形成する際に、ティース先端部20の回動端20Aが回動部24に対するティース本体部16の基端側(径方向内側)に位置されるようにし、且つ、回動工程においてティース先端部20の回動端20Aがティース本体部16の基端側から先端側(径方向内側から外側)に移動されるように、ティース先端部20を回動部24を中心として回動させる。
従って、上述の第二又は第三比較例のように、ティース先端部20を形成するためにV字溝62やU字溝64(図12A,図13A参照)にする必要が無いので、積層鉄心10をより一層製造し易くでき、しかも、ティース先端部20間の窪み66を防止できるので、回転電機の作動時における磁気音の発生を抑制できる。
さらに、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法によれば、打抜工程において形成した鉄心構成片12における突起部26同士をティース本体部16の幅方向に対向させた状態で互いに当接させるので、ティース先端部20間の窪み66を防止してティース先端部20の外周面20B(回転子対向面)をより一層平滑にできる。
また、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法によれば、上述のように、ティース先端部20を回動端20Aがティース本体部16の基端側から先端側(径方向内側から外側)に移動されるように回動部24を中心として回動させる手法を採用することにより、上述の第二又は第三比較例に比して、ティース先端部20の外周面20B(回転子対向面)を積層鉄心10の周方向に沿って円弧状に形成し易くできる。
また、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法によれば、上述のように、ティース先端部20を回動端20Aがティース本体部16の基端側から先端側(径方向内側から外側)に移動されるように回動部24を中心として回動させる手法を採用することにより、ティース先端部20に突起部26を形成する必要が生じたが、同時に腕の加工に自由度ができ、加工コストを上げることなく、腕部14の形成(打ち抜き)ができる。
また、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法によれば、鉄心環状部構成部18を腕部14で繋ぐことにより、ティース本体部16の幅の設定を自由に行うことができ、積層鉄心10について磁気特性の損失の少ない形状とすることができる。
また、本発明の一実施形態に係る第一の製造方法によれば、回動工程において、上記押圧部を備えた治具54を用いるので、ティース先端部20を回動部24を中心として円滑に回動させることができる。
[第二の製造方法]
次に、積層鉄心10の第二の製造方法について説明する。
この第二の製造方法では、打抜工程、圧縮工程、積層工程、取除工程、回動工程の順に行う。
(打抜工程)
先ず、打抜工程では、帯状の鉄心素材30を金属製の板状素材32から打ち抜いて形成する。この打抜工程は、上述の第一の製造方法における打抜工程(図2,図3参照)と同一である。
(圧縮工程)
続いて、圧縮工程では、上述の打抜工程によって得られた鉄心素材30の腕部14を圧縮成形する。
ここで、図10A〜図10Cには、この圧縮工程において鉄心素材30の腕部14が圧縮成形される様子が示されている。
なお、この圧縮工程では、圧縮成形機70を用いる。圧縮成形機70は、第一の可動部72、第二の可動部74、第三の可動部76、第四の可動部78を有して構成されている。この第一の可動部72、第二の可動部74、第三の可動部76、第四の可動部78は、第一の溝部82、第二の溝部84、第三の溝部86、第四の溝部88にそれぞれ移動可能に支持されており、図示しない移動機構によって送り方向(X方向)移動される構成とされている。
先ず、図10Aに示されるように、送り方向先端側に位置する鉄心構成片12A及び送り方向後端側に位置する鉄心構成片12Bを位置決めする。
つまり、送り方向先端側に位置する鉄心構成片12Aについて、第一可動部72をティース本体部16に対する送り方向先端側からティース本体部16に当接させ、第二の可動部74を鉄心環状部構成部18に対する送り方向先端側から鉄心環状部構成部18に当接させる。
また、送り方向後端側に位置する鉄心構成片12Bについて、第三の可動部76をティース本体部16に対する送り方向後端側からティース本体部16に当接させ、第四の可動部78を鉄心環状部構成部18に対する送り方向後端側から鉄心環状部構成部18に当接させる。
そして、図10Bに示されるように、第一の可動部72及び第二の可動部74を停止させたまま、第三の可動部76及び第四の可動部78を送り方向先端側(X1側)に移動させ、一対の鉄心構成片12A,12Bを接続する腕部14を圧縮成形する。
このように、圧縮工程では、鉄心素材30の腕部14を、互いに隣り合う鉄心構成片12A,12Bが近接するように圧縮成形する。
続いて、図10Cに示されるように、第一の可動部72、第二の可動部74、第三の可動部76、第四の可動部78を同時に送り方向先端側(X1側)に移動させ、一対の鉄心構成片12A,12Bを送り出す(鉄心素材30の全体を送り方向先端側に移動させる)。
そして、上述の要領で、図10A〜図10Cの作業を繰り返し行うことで、鉄心素材30の全ての腕部14を圧縮成形する。
なお、この圧縮工程において、鉄心素材30の板厚方向両側に規制板を配置しておくと、腕部14を圧縮成形する際における鉄心構成片12A,12Bの浮き上がりや反り返り等を防止できるので好適である。また、この場合に、鉄心素材30の送りを阻害しないように、規制板と鉄心素材30との間に鉄心素材30の板厚程度の隙間を設けても良い。また、規制板が腕部14の圧縮成形時における鉄心素材30の板厚方向への変形を阻害しないように、規制板における腕部14が位置する部位に逃がし穴を設けても良い。
(積層工程)
続いて、上述の第一の製造方法における積層工程において用いた支柱36と同様な支柱を用い、上述の圧縮工程によって得られた鉄心素材30を、この支柱を軸として螺旋状に巻回して積層する(図5参照)。
(取除工程)
そして、積層工程によって得られた鉄心素材30から支柱を取り除く。
(回動工程)
続いて、取除工程後に、鉄心素材30におけるティース先端部20を、ティース本体部16の幅方向に延在されるように回動部24を中心として回動させる。なお、この回動工程は、上述の第一の製造方法における回動工程(図7〜図9)と同一である。以上の要領により、鉄心素材30から積層鉄心10が完成される。
次に、上述の本発明の一実施形態に係る第二の製造方法の作用及び効果について説明する。
本発明の一実施形態に係る第二の製造方法によれば、打抜工程において複数の鉄心構成片12のうち互いに隣り合う鉄心構成片12における鉄心環状部構成部18同士を接続する腕部14を形成する。従って、圧縮工程においては少ない力で鉄心素材30を成形することができるので、積層鉄心10を製造し易くできる。
また、本発明の一実施形態に係る第二の製造方法によれば、打抜工程によって得られた鉄心素材30の腕部14を、複数の鉄心構成片12のうち互いに隣り合う鉄心構成片12が近接するように圧縮成形する。従って、この圧縮工程によって得られた鉄心素材30は長さ方向(X方向)に短くなるので、積層工程において鉄心素材30を巻回する作業時間を短くできると共に、この鉄心素材30を搬送するための設備や巻き取るためのボビン等を小型化することができる。これにより、設備費を低減することができる。
しかも、本発明の一実施形態に係る第二の製造方法によれば、上述のように、打抜工程によって得られた鉄心素材30の腕部14を圧縮成形することで、この圧縮成形の後に、鉄心素材30に対して径方向に力を加える、所謂、内径成形工程を不要にすることができる。また、この内径成形工程が不要になることにより、この内径成形工程においてひずみを取るために必要とされていた軸方向の圧縮処理も不要となる。これにより、設備費をより一層低減することができる。
なお、本発明の一実施形態に係る第二の製造方法において、打抜工程及び回動工程は、上述の第一の製造方法における打抜工程及び回動工程と同一とされているので、この打抜工程及び回動工程において得られる作用及び効果は、上述の第一の製造方法と同一である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、ティース本体部16の径方向内側に鉄心環状部構成部18が形成され、ティース本体部16の径方向外側にティース先端部20が形成され、これにより積層鉄心10がアウターロータ型の回転電機における電機子を構成するようになっていたが、ティース本体部16の径方向外側に鉄心環状部構成部18が形成され、ティース本体部16の径方向内側にティース先端部20が形成され、これにより積層鉄心10がインナーロータ型の回転電機における電機子を構成するようになっていても良い。
本発明の一実施形態に係る回転電機の積層鉄心を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る回転電機の積層鉄心を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る回転電機の積層鉄心を示す要部拡大平面図である。 本発明の一実施形態における板状素材を示す図である。 本発明の一実施形態における帯状の鉄心素材を示す図である。 本発明の一実施形態における鉄心素材を支柱に螺旋状に巻回して積層する様子(第一の製造方法における積層工程)を示す図である。 本発明の一実施形態における鉄心素材を支柱に螺旋状に巻回して積層する様子(第一の製造方法における積層工程)を説明する概略説明図である。 本発明の一実施形態における鉄心素材を内径絞りダイに圧入して縮径させる様子(第一の製造方法における圧縮工程)を説明する図である。 本発明の一実施形態におけるティース先端部が回動される様子(第一の製造方法における回動工程)を説明する図である。 本発明の一実施形態におけるティース先端部を第一治具によって回動させる様子(第一の製造方法における回動工程)を説明する図である。 本発明の一実施形態におけるティース先端部を第二治具によって回動させる様子(第一の製造方法における回動工程)を説明する図である。 本発明の一実施形態における鉄心素材が最終形状に形成されて鉄心素材から積層鉄心が完成される様子を説明する図である。 本発明の一実施形態における腕部が圧縮成形される様子(第二の製造方法における圧縮工程)を説明する図である。 本発明の一実施形態における腕部が圧縮成形される様子(第二の製造方法における圧縮工程)を説明する図である。 本発明の一実施形態における腕部が圧縮成形される様子(第二の製造方法における圧縮工程)を説明する図である。 第一比較例に係る回転電機の積層鉄心の製造方法を示す図である。 第二比較例に係る回転電機の積層鉄心の製造方法を示す図である。 第二比較例に係る回転電機の積層鉄心を示す図である。 第三比較例に係る回転電機の積層鉄心の製造方法を示す図である。 第三比較例に係る回転電機の積層鉄心を示す図である。
符号の説明
10…積層鉄心、12…鉄心構成片、14…腕部、16…ティース本体部、18…鉄心環状部構成部、20…ティース先端部、20A…回動端、20B…外周面、22…鉄心環状部、24…回動部、26…突起部、30…鉄心素材、32…板状素材、34…スリット部、36…支柱、38…内径絞りダイ、40…第一治具、42…第二治具、44,46…溝部、48,50…ローラ(押圧部)、52…ダイ、54…治具、56,58…心金、60…スリット

Claims (10)

  1. ティース本体部と、前記ティース本体部の基端側に接続された鉄心環状部構成部と、前記ティース本体部の先端側における幅方向両側に回動部を介して回動可能に接続され前記ティース本体部の長手方向に延在されたティース先端部とを各々が有し、前記ティース本体部の長手方向と直交する方向に並んで配置された複数の鉄心構成片と、前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片における前記鉄心環状部構成部同士を接続する腕部と、を備えた帯状の鉄心素材を、板状素材から打ち抜いて形成する打抜工程と、
    前記打抜工程によって得られた前記鉄心素材を、支柱を軸として螺旋状に巻回して積層する積層工程と、
    前記積層工程によって得られた前記鉄心素材から前記支柱を取り除くと共に、前記鉄心素材に対して径方向に力を加えて前記鉄心素材を縮径させることで前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片における前記鉄心環状部構成部同士を当接させる圧縮工程と、
    前記圧縮工程によって得られた前記鉄心素材における前記ティース先端部を、前記ティース本体部の幅方向に延在されるように前記回動部を中心として回動させる回動工程と、
    を含む回転電機の積層鉄心の製造方法。
  2. ティース本体部と、前記ティース本体部の基端側に接続された鉄心環状部構成部と、前記ティース本体部の先端側における幅方向両側に回動部を介して回動可能に接続され前記ティース本体部の長手方向に延在されたティース先端部とを各々が有し、前記ティース本体部の長手方向と直交する方向に並んで配置された複数の鉄心構成片と、前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片における前記鉄心環状部構成部同士を接続する腕部と、を備えた帯状の鉄心素材を、板状素材から打ち抜いて形成する打抜工程と、
    前記打抜工程によって得られた前記鉄心素材の前記腕部を、前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片が近接するように圧縮成形する圧縮工程と、
    前記圧縮工程によって得られた前記鉄心素材を、支柱を軸として螺旋状に巻回して積層する積層工程と、
    前記積層工程によって得られた前記鉄心素材から前記支柱を取り除く取除工程と、
    前記取除工程後に、前記鉄心素材における前記ティース先端部を、前記ティース本体部の幅方向に延在されるように前記回動部を中心として回動させる回動工程と、
    を含む回転電機の積層鉄心の製造方法。
  3. 前記打抜工程において、前記ティース先端部の回動端が前記回動部に対する前記ティース本体部の基端側に位置されるように、前記鉄心素材を形成し、
    前記回動工程において、前記ティース先端部を、前記回動端が前記ティース本体部の基端側から先端側に移動されるように、前記回動部を中心として回動させる、
    請求項1又は請求項2に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法。
  4. 前記打抜工程において、前記ティース先端部における前記回動部に対する前記回動端と反対側に、前記ティース本体部の先端側に対する基端側と反対側に位置され、且つ、前記回動部に対する前記回動端と反対側に延びる突起部が形成されるように、前記鉄心素材を形成し、
    前記回動工程において、前記ティース先端部を前記回動部を中心として回動させて、前記鉄心構成片における前記突起部同士を前記ティース本体部の幅方向に対向させた状態で互いに当接させる、
    請求項3に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法。
  5. 前記回動工程において、前記ティース本体部の基端側から先端側に移動されるに従って前記ティース先端部を押圧しつつ前記ティース先端部の前記回動端側から基端側に移動される押圧部を備えた治具を用いて、前記ティース先端部を前記回動部を中心として回動させる、
    請求項3又は請求項4に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法。
  6. 前記打抜工程において、特定の前記鉄心素材における前記鉄心構成片の間に、他の前記鉄心素材における前記鉄心構成片が位置されるようにして、前記特定の鉄心素材及び前記他の鉄心素材を前記板状素材から打ち抜いて形成する、
    請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の回転電機の積層鉄心の製造方法。
  7. 板状素材から打ち抜いて形成された帯状の鉄心素材を螺旋状に巻回して積層することで構成された回転電機の積層鉄心であって、
    前記積層鉄心の径方向に延在されたティース本体部と、前記ティース本体部の基端側に接続された鉄心環状部構成部と、前記ティース本体部の先端側における幅方向両側に回動部を介して回動可能に接続され前記ティース本体部の幅方向に延在されたティース先端部とを各々が有し、前記積層鉄心の周方向に並んで配置された複数の鉄心構成片と、
    前記複数の鉄心構成片のうち互いに隣り合う前記鉄心構成片における前記鉄心環状部構成部同士を接続する腕部と、
    を備えた回転電機の積層鉄心。
  8. 前記ティース先端部は、前記鉄心素材において回動端が前記回動部に対する前記ティース本体部の基端側に位置するように形成された後、前記回動端が前記ティース本体部の基端側から先端側に移動されるように、前記回動部を中心として回動された、
    請求項7に記載の回転電機の積層鉄心。
  9. 前記ティース先端部には、前記回動部に対する前記回動端と反対側に、前記ティース本体部の先端側に対する基端側と反対側に位置され、且つ、前記回動部に対する前記回動端と反対側に延びる突起部が形成され、
    前記鉄心構成片における前記突起部同士は、前記ティース本体部の幅方向に対向した状態で互いに当接されている、
    請求項8に記載の回転電機の積層鉄心。
  10. 請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の回転電機の積層鉄心と、
    前記ティース本体部にインシュレータを介して巻回された巻線と、
    を備えた回転電機の電機子。
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