JP6094146B2 - 回転電機の固定子鉄心の製造方法 - Google Patents

回転電機の固定子鉄心の製造方法 Download PDF

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本発明は、回転電機の固定子鉄心、とりわけ自動車用交流発電機の固定子に好適な固定子鉄心の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、この種の固定子鉄心としては、磁性板(例えば鋼板)から内周側にティース部およびスロット部を有するリング状板を打抜き、このリング状板を多数枚円筒状に積層して形成する積層コアに代わって、廃材が少なく材料歩留りが良いとの理由で、片側にティース部およびスロット部を打抜き形成した帯状のコアシートを、螺旋状(ヘリカル)に巻取りながら円筒状に複数層にわたって巻回積層してなる積層コアが、専ら採用されるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された従来の固定子鉄心を、図21に基づいて概説する。
この固定子鉄心は、鉄心素材として、帯状の磁性板(例えば鋼板)で形成されたコアシート100を用いるのが最大の特徴である。
当該コアシート100は、図21(a)、(b)に示すように、長さ方向の一方側に固定子コイルを巻装するためのティース(歯)部101およびスロット(溝)部102を有すると共に、長さ方向の他方側にこれらのティース部101およびスロット部102を所定のピッチで連結するヨーク(継鉄)部103を有するものであって、例えば、帯状の磁性板からティース部101およびスロット部102を互い違いに配置して打抜くことにより、一対(2枚)の帯状コアシート100を作製できることから、コアシート100の製造時における廃材部分を最小限にすることが可能となり、材料歩留りが良く、材料コストの低減を図ることができる。
そして、このコアシート100を、図21(c)のごとくヨーク部103が外周側となるように螺旋状に巻取りながら複数層にわたって巻回積層することにより、図21(e)のごとく円筒状の積層コア110とするものである。
なお、この積層コア110を巻回形成する過程においては、コアシート100のヨーク部103に圧延加工を施し、図21(d)に示すように、ヨーク部103の外周縁を圧延ロールによって薄く延ばして両面テーパ状部分104とすることにより、コアシート100のヨーク部103側の実質的な巻取り周長を長くし、螺旋状に巻取りし易くしているのが通例である。
〔従来技術の問題点〕
しかし、上述したように、両面テーパ状部分104を設けて螺旋巻きした円筒状の積層コア110は、ヨーク部103の各巻回層の外周縁の肉厚(板厚)がティース部101に比して薄くなるため、図21(f)に示すように、径方向に沿って切断する仮想断面(図10(e)におけるC−C断面)で見た場合、ヨーク部103の各巻回層間に隙間Gが生じることになり、この隙間Gが存在することによって次に列挙するごとき諸問題を抱えている。
(1) 積層コア110には、最終工程として、巻回層間を固定する外周溶接や外周形状を整えるためのしごき加工等を実施することになるが、隙間Gの存在により、薄くなって外力に対して脆弱な部位となった外周縁が最終工程への搬送過程でいびつに変形したり、損傷するなどの問題を招くほか、最終工程でも溶接不良が生じたり、脆弱な部位となった外周縁がしごき加工時にいびつに変形したり、破損する事態を招き、強度面、品質面で問題となる。
(2)また、自動車用交流発電機のように、固定子鉄心を回転電機の筺体の一部として利用する場合には、積層コア110の外周部の隙間Gの存在が大きな問題となる。
即ち、積層コア110の両端を積層方向(軸方向)からカップ(椀型)状のハウジング(以下、フレームとも呼ぶ。)で挟持固定しようとすると、ハウジングには隙間Gを縮小する方向に曲げモーメントが作用し、組立てボルトやハウジングに過大なストレスを与えることになる。もっとも、かかる対策としては、例えば特許文献2に記載されているように、積層コアの両端に板厚の厚い特別な環状シートを配設する方法が提案されているが、かえって回転電機の大型化、コスト高を招き、実用し難い。
(3)さらに、隙間Gは、積層コア110の外周部の積層方向における肉厚を減じているため、回転電機に小型・高出力が要求される場合には、ヨーク部103において磁束密度が高くなる部位の有効磁路面積が減り、磁気性能の低下、回転電機の出力低下を招く恐れがある。
本発明者は、かかる問題を究明すべく、種々の実験・研究を重ねた結果、鉄心素材として帯状のコアシートを用いながら、そのヨーク部に施す板厚変更領域の構造を工夫することにより、簡単な構成を充分に満足しつつ、高強度、高品質・高磁気性能の固定子鉄心を実現することのできる効果的な手段を見出した。
つまり、帯状のコアシートのヨーク部に、板厚と同等の厚みを有する厚肉部と、塑性変形加工により板厚より薄く形成された薄肉部とを、積層コアの各巻回層の外周側において円周方向に交互に位置するように配列させることにより、薄肉部が、積層コアを円筒状に巻回形成する過程で塑性変形するため、良好に円筒状の積層コアを形成することができ、しかも、厚肉部が、積層コアの積層方向に整列し、かつ積層コアの各巻回層の外周縁において互いに密接して積層されているため、積層コアの外周縁に隙間を生じることがなく、高品質・高強度を確保することができる。
しかしながら、このような固定子鉄心を、特に薄肉部の形成に要する加工荷重が小さくて済むようにして、如何に経済的に製造するかが課題となっている。
特許第4497187号公報 特開2001−112197号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な構成でありながら、高強度、高品質・高磁気特性を確保することができる回転電機の固定子鉄心を経済的に製造できる方法を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明は、鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシートを用い、内周側に固定子コイルを巻装するためのティース部およびスロット部を有する円筒状の積層コアからなる基本構成を備え、積層コアの各巻回層の外周側には、コアシートの板厚と同等の厚みを有する厚肉部と、塑性変形加工によりコアシートの板厚より薄く形成された薄肉部とが、円周方向に交互に位置するように配列されている、回転電機の固定子鉄心の製造方法であって、次のごとき4つの工程を備えていることを特徴としている。
第1工程として、長さ方向の一方側にティース部およびスロット部を有すると共に、長さ方向の他方側にティース部およびスロット部を所定のピッチで連結するヨーク部を有するように、コアシートを作製するコアシート工程を有している。
第2工程として、コアシートのヨーク部で、かつ積層コアの各巻回層の外周側に位置する領域において、板厚の一方向に向かって板厚以上に変位させて突出形成した突出部を有するオフセット部を、コアシートの長手方向に所定間隔で複数成形するオフセット工程を有している。
第3工程として、オフセット部を板厚の他方向に変位させ、その突出部が板厚内に収容され平坦化するまで押圧変形させることによって、薄肉部を厚肉部の間に形成する平坦化工程を有している。
第4工程として、この第3工程を経て得られたコアシートを、ヨーク部が外周側となるように螺旋状に巻取ることにより、積層コアを円筒状に巻回形成する巻取り工程を有している。
そして、第2工程でオフセット部を成形する領域は、ティース部の配列位置のみに対応しており、第3工程で形成される薄肉部は、径方向の幅(P)がヨーク部の径方向幅(Q)に比して同等以下(P≦Q)に形成されている。
上記4工程を有する請求項1の発明によれば、帯状のコアシートを、ヨーク部に部分的に塑性変形加工により形成した薄肉部によって良好に螺旋状に巻取ることで積層コアを巻回形成することができ、しかも、積層コアにおいて、各巻回層の外周縁は局部的に凹部が生じるだけで、厚肉部が互いに密接して積層されているため、高強度、高品質の固定子鉄心を提供できる。
特に、 薄肉部を形成する工程として、板厚の一方向に向かって板厚以上に変位させて突出形成した突出部を有するオフセット部を成形するオフセット工程(第2工程)と、オフセット部を板厚の他方向に変位させ、その突出部が板厚内に収容され平坦化するまで押圧変形させる平坦化工程(第3工程)とを備えており、これらの工程は加工荷重が小さくて済むため、薄肉部をプレス押圧成形により形成する方法に比して、はるかに経済的に製造することができる。
本発明方法により製造された固定子鉄心を適用する自動車用交流発電機を模式的に示すもので、(a)は交流発電機の全体構成を示す半断面図、(b)は(a)のA−A断面に沿って固定子鉄心単体の形態を示す上半部分の正面図である(実施例1)。 本発明方法により製造される固定子鉄心の要部を示すもので、(a)は第1工程で作製されるコアシートの正面図、(b)および(c)は巻取り過程の説明に供するコアシートの正面図および側面図、(d)および(e)は(b)のA−A線およびB−B線に沿う断面図、(f)は積層コアの側面図、(g)は(f)におけるC−C線に沿う断面図である(実施例1)。 本発明方法の全体説明に供する模式的工程図である(実施例1)。 本発明方法の第2工程で得られるコアシートの要部を示すもので、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図、(c)は(a)のB−B線に沿う断面図である(実施例1)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる打出し成形手段における「材料投入」ステップの断面図である(実施例1)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる打出し成形手段における「面押さえ」ステップの断面図である(実施例1)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる打出し成形手段における「打出し」ステップの断面図である(実施例1)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる打出し成形手段における「取出し」ステップの断面図である(実施例1)。 本発明方法の数値的性能例の説明に供するもので、コアシートの要部をモデルケースとして示すものであり、(a)は薄肉部成形前の斜視図、(b)は薄肉部を本発明以外の方法で成形する場合の斜視図、(c)は薄肉部を本発明方法により成形する場合の斜視図である(実施例1)。 (a)、(b)は、図9(c)における打出し領域の上面図および断面図である(実施例1)。 本発明方法の第2工程で得られるコアシートの要部を示すもので、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う加工前および加工後の断面図、(c)は(a)のB−B線に沿う断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる打出し成形手段における「材料投入」ステップの断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる打出し成形手段における「面押さえ」ステップの断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる打出し成形手段における「打出し」ステップの断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる打出し成形手段における「取出し」ステップの断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる平坦化手段における「材料投入」ステップの断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる平坦化手段における「ガイド矢挿入」ステップの断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる平坦化手段における「面押さえ」ステップの断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる平坦化手段における「整形」ステップの断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は、本発明方法で用いる平坦化手段における「送出し」ステップの断面図である(実施例2)。 従来の回転電機の固定子鉄心の説明に供するもので、(a)は巻取り前のコアシートの正面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図、(c)は巻取り後のコアシートの正面図、(d)は(c)のB−B線に沿う断面図、(e)は積層コアの側面図、(f)は(e)におけるC−C線に沿う断面図である(従来例)。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す2つの実施例にしたがって詳細に説明する。
各実施例は、本発明の製造方法を適用する固定子鉄心の代表例として、自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心を示しており、以下の説明では、まず、自動車用交流発電機の基本構成を概説したのち、本発明の各実施例における特徴点および本発明の基本的機能について順次説明し、最後に本発明の特徴点毎の作用効果を要約列挙する。
なお、各実施例において、同一または均等部分には、同一符号を付し、重複説明を省略することとする。
[実施例1]
本発明の製造方法を適用する交流発電機ACGの基本構成について、図1および図2に基づいて説明する。
〔交流発電機ACGの基本構成〕
図1(a)に示すように、交流発電機ACGは、エンジンにより駆動される回転軸Jに取付けられた回転子GRと、一対のカップ(椀型)状のハウジング(以下、フレームとも呼ぶ。)Hに組立てボルトFによって挟持固定された固定子GSとを備えており、この固定子GSには、固定子コイル(多相巻線)Dを装着する鉄心として、図1(b)に示すごとき円筒状の積層コア1からなる固定子鉄心Eが用いられている。
この固定子鉄心Eは、一対のカップ(椀型)状のハウジングHで挟持固定されることにより、交流発電機ACGの筺体の一部として利用されるものであって、内周側に固定子コイルDが巻かれる多数のティース(歯)部E1とスロット(溝)部E2とを交互に備え、外周側に各ティース部E1およびスロット部E2を所定のピッチで環状に連結するヨーク(継鉄)部E3を備える円筒状の積層コア1で構成されている。環状のヨーク部E3は、固定子コイルDが巻かれない非巻線部分であり、ここに後で詳しく説明する板厚変更領域E4が、円周方向に複数配列されている。
〔積層コア1の基本構成〕
積層コア1は、鉄心素材として図2(a)に示すごとき帯状のコアシート10が用いられている。このコアシート10は、例えば、幅広の帯状の磁性板からティース部およびスロット部が互い違いに配置されるように打抜くことにより、一対(2枚)の帯状コアシートとして作製されるもの、もしくは、幅狭の帯状の磁性板からその片側にティース部およびスロット部が交互に配置されるように打抜くことにより、1枚の帯状コアシートとして作製されるものであって、長さ方向の一方側に固定子コイルDを巻装するためのティース(歯)部11およびスロット(溝)部12を有すると共に、長さ方向の他方側にこれらのティース部11およびスロット部12を所定のピッチで連結するヨーク(継鉄)部13を有している。
そして、このコアシート10を、図2(b)に示すように、ヨーク部13が外周側となるように螺旋状に巻取りながら複数層にわたって巻回積層することにより、図2(f)、(g)に示すごとき円筒状の積層コア1とするものである。
〔積層コア1の特徴〕
本発明方法を適用する積層コア1は、コアシート10のヨーク部13に、図2(b)、(c)に示すごとく、板厚変更領域E4を形成するための塑性変形加工を施し、この板厚変更領域E4を利用して、コアシート10を円形状に丸める点に特徴を有している。
板厚変更領域E4は、図2(b)〜(e)に示すように、コアシート10の板厚と同等の厚みを有する厚肉部(非板厚減少部)14と、塑性変形加工によりコアシート10の板厚より薄く形成された薄肉部(板厚減少部)15とで構成され、図2(f)のごとく、積層コア1の各巻回層の外周縁において、厚肉部14と薄肉部15とが円周方向に交互に位置するように配列されている。
ここで、厚肉部14と薄肉部15とは、ヨーク部13において、薄肉部15を形成したのちの残部の板厚部分がすべて厚肉部14をなす相対関係になっている。よって、ヨーク部13には、全周にわたって板厚変更領域E4が複数配列されていることになる。
特に、本実施例では、図2(b)、(d)、(e)に示すように、厚肉部14と薄肉部15とで構成される板厚変更領域4Eは、コアシート10のヨーク部13において、薄肉部15がティース部11の配列位置に、厚肉部14がスロット部12の配列位置に、それぞれ対応するようにして、ティース部11およびスロット部12と同じ数だけ形成されている。
なお、薄肉部15自体の構造は、径方向の幅Pがヨーク部13の径方向幅Qより短く(P<Q)、径方向に沿って切断する仮想断面(図2(b)におけるB−B断面)において、図2(e)のごとく、板厚が積層コア1の外周縁に向かって一方の端面側から漸減していく片面テーパ形状のテーパ部15aをなしている。
また、この片面テーパ形状のテーパ部15aは、円周方向の幅が外周縁ほど広くなる台形状をなしている。
しかして、薄肉部15は、塑性変形加工により形成されるものであって、積層コア1の外周部(コアシート10のヨーク部13側の辺)の実質的な巻取り周長を長くし、コアシート10を螺旋状に巻取りし易くする機能を有している。
一方、厚肉部14は、ティース部11と同様に、図2(f)、(g)のごとく、積層コア1の積層方向(軸方向)に整列しており、各巻回層においてその外周縁を含めた全面が互いに密接して積層されている。
したがって、積層コア1の外周面には薄肉部15のところで局部的に凹部Mが形成されるものの、積層コア1の全体では積層コア1の外周縁を含めた全面が積層方向に実質的に密な積層状態にある。
次に、上記構成になる積層コア1の製造方法を図3に基づいて説明する。
図3は、本発明方法の全工程を模式的に示す工程図であって、本発明の製造方法は、大別すると、コアシート10を作製する第1工程(コアシート工程)から第2工程(オフセット工程)、第3工程(平坦化工程)を経て、積層コア1を完成する第4工程(巻取り工程)までの4つの工程で構成される。
まず、上記第1工程から第4工程までの各工程を、図3に示す模式的工程図にしたがって順次概説する。
○第1工程(コアシート工程)
この第1工程は、一般的に採用されている周知の工程であって、例えば帯鋼(SPCC)のごとき帯状磁性板Tをプレス機のような適宜の打抜き手段Uにより打抜き加工し、図2(a)に示すごときコアシート10、つまり、長さ方向の一方側にティース部11およびスロット部12を有すると共に、長さ方向の他方側にティース部11およびスロット部12を所定のピッチで連結するヨーク部13を有する帯状のコアシート10を作製する。
○第2工程(オフセット工程)
この第2工程は、本発明方法の主要工程の一つで、帯状のコアシート10の所定位置(薄肉部15を形成する位置)に、薄肉部15の基礎となるオフセット部16(構造の詳細は後述する。)を形成する打出し成形工程である。
前工程(コアシート工程)から移送されてくるコアシート10に対し、コアシート10のヨーク部13において、積層コア1の各巻回層の外周側に位置する領域(薄肉部15を形成する位置)に、打出し成形手段20によってオフセット部16が打出し成形される。このオフセット部16は、コアシート10の長手方向に所定間隔で複数個所に設けられるもので、本実施例では、ヨーク部13において、ティース部11の配列位置に対応させて設けられている。
打出し成形手段20の中枢機能の具体的な構造例は後述するが、上記第2工程においては、基本的に次の(1)〜(5)のステップからなるプロセスが実行される。
(1)前工程(コアシート工程)から移送されてくる帯状のコアシート10を、ダイ21上に載置する。
(2)このコアシート10に対し、スロット部12にガイド矢22を挿入して、あらかじめヨーク部13に施すオフセット部16の成形位置を合わせておく。
(3)シート面押さえ23で、コアシート10をダイ21上に押圧固定する。
(4)打出し成形用パンチ24をコアシート10のヨーク部13の所定箇所に押し込み、オフセット部16を打出し成形する。
(5)打出し成形後の帯状コアシート10を次工程(平坦化工程)へ移送する。
かくして、コアシート10に打出し成形された各オフセット部16は、図4に示すごとき形態を有している。
このオフセット部16は、両端を変位させることなく、中央部分のみを大きく変位させるようにしたもので、図4(a)、(b)に示すように、中央部分を板厚の一方向に向かって板厚以上に変位させることにより突出形成された断面V字状のドーム型突出部16aを有している。この突出部16aは、図4(c)に示すように、根元(ティース部11側=内径側)から先端(反ティース部11側=外径側)に向かって傾斜すると共に、突出高さが次第に大きくなっている。同時に、板厚が漸減してテーパ状になっており、先端が最も突出し、かつ、最も薄くなっている。
○第3工程(平坦化工程)
この第3工程は、上記第2工程(オフセット工程)と連携した本発明方法の主要工程をなすものであって、第2工程で打出し成形したオフセット部16を、その突出部16aが平坦になるように塑性変形させることで、図2(b)に示すように、厚肉部14の間に薄肉部15を形成するものである。
コアシート10のオフセット部16を平坦化するために平坦化手段30が用いられる。この平坦化手段30は、オフセット部16を板厚の他方向に変位させながら、突出部16aが板厚内に収容され平坦化するまで押圧変形させる機能を有している。かくして、平坦化された部分で薄肉部15が形成される。
この平坦化プロセスを、図3の第3工程に示す平坦化手段30の一例にしたがって概説する。
(1)前工程(オフセット工程)から移送されてくるオフセット部16を有するコアシート10は、平坦化手段30に投入され、当該手段30で平坦化された後に、コアシート10の先頭のスロット部12が巻取り手段40のティース配列ガイド41aに係合される(引っ掛けておく)という段取りがなされる。
(2)平坦化手段30は、多段(図示例では2段)の上下1対の第1段整形ローラ31および第2段整形ローラ32と、上下1対の送りローラ33と、これらの各ローラ31、32、33の挟持圧・回転速度を製造条件に応じてコントロールする制御装置34とを備えている。
(3)したがって、上記平坦化手段30では、各ローラ31、32、33を制御装置34によって協働(協調)させることにより、ここを通過するコアシート10に対し、オフセット部16(突出部16a)を段階的に平坦化していき、この平坦部分により所望の薄肉部15を形成することができる。
(4)かくして薄肉部15を有するコアシート10は、上記(1)の段取りにしたがい、巻取り手段40のティース配列ガイド41aによって次工程(巻取り工程)へ移送される。
しかして、上記(3)の平坦化過程において、オフセット部16は、突出部16aが平坦になるに伴って突出部16a自体の沿面が、径方向および周方向に広がることになる。
特に、突出部16aは、外径側が内径側に比して突出高さがあり、周方向の沿面長さが長いため、平坦となった場合には、外径側が周方向により大きく広がるため、コアシート10が、自動的にスロット部12側を内径側として湾曲状に変形していく。
このようにコアシート10が湾曲状に変形していくことは、次工程で実施されるコアシート10の螺旋状巻取り作業を至便にする。
○第4工程(巻取り工程)
この第4工程では、ヨーク部13に薄肉部15が形成されたコアシート10を、巻取り手段40によってヨーク部13が外周側となるように螺旋状に巻取ることにより、円筒状に巻回形成された積層コア1を完成する。
この巻取り工程でのプロセスを、図3の第4工程に示す巻取り手段40の一例にしたがって概説する。
(1)巻取り手段40は、芯金41が、コアシート10の送り速度に同期して回転される。この芯金41には、上述したティース配列ガイド41aと共に、内径規制ガイド41bが備えられているため、コアシート10を巻取りながら積層コア1の内径側寸法のバラツキが矯正される。
(2)一方、この芯金41に対向して固定側に外径ガイド42が配置されており、この外径ガイド42によって積層コア1の外径側寸法が規制される。
(3)また、外径ガイド42の上端面側には、側面ガイド43が配置されている。この側面ガイド43は、受け取り治具44上に螺旋状コアシート10が順次層状的に重ねられていくように、コアシート10に対してコア軸方向への送り方向を規定している。
(4)かくして、平坦化手段30から芯金41のティース配列ガイド41aによって移送され、上記の各ガイド41b、42、43を順次経由したコアシート10は、その先頭(前端)のスロット部12が、受け取り治具44上に円周方向に所定間隔で植立されたティース配列ガイド45に挿入され、段取りがなされる。
(5)巻取り手段40は、芯金41と受け取り治具44とを同期して回転させる駆動装置46を備えており、芯金41および受け取り治具45を回転させることで、受け取り治具44上に、螺旋状のコアシート10をティース部11およびスロット部12がそれぞれコア軸方向に整列した状態で順次積層(収容)していくことができる。
(6)必要巻回数を経た螺旋状に巻回されたコアシート10の後端を切断し、受け取り治具44から一個の積層コア1として取り出す。
次に、上述したオフセット工程(第2工程)について、この工程で用いる打出し成形手段20の具体的な構造例および当該手段20による具体的な加工ステップを、図5〜図8に基づいて補足説明する。ただし、図5〜図8に示す打出し成形手段20には、コアシート10の位置決めをするガイド矢が省略されている。
図5(a)、(b)に示すように、打出し成形手段20は、下側にダイ21を配置すると共に、上側にシート面押さえ23および打出し成形用パンチ24を配置している。
そして、ダイ21には、コアシート10を案内するガイド溝21aと、オフセット部16を形成するための凹所21bが設けられている。この凹所21bは、オフセット部16の突出部16aの外側面を規制するもので、一端から他端に向かって中央が次第に深くなるテーパ形状を呈している。
したがって、まず最初の「材料投入」ステップでは、図5(a)、(b)に示すように、前工程から移送されてくるコアシート10が、ガイド溝21aに案内されながらダイ21上の所定位置に載置される。これにより、打出し成形手段20への材料投入が完了する。
続いての「面押さえ」ステップでは、図6(a)、(b)に示すように、打出し成形手段20の上側が活用される。この上側に配置されているシート面押さえ23および打出し成形用パンチ24は、相対的に上下動できるように、ホルダ25に対して連結具26および復元ばね27によって支持されており、両者一緒に下降し、その後パンチ24のみが下降できるようになっている。
なお、連結具26はボルト26aとナット26bとからなり、シート面押さえ23とホルダ25との間に復元ばね27が装填されている。
したがって、「面押さえ」ステップにおいては、図6(a)、(b)に示すように、シート面押さえ23および打出し成形用パンチ24を矢印Aのごとく同時に下降させ、シート面押さえ23でコアシート10をダイ21に押し付けることによって、コアシート10をダイ21に押圧固定する。これにより、コアシート10にオフセット部16を成形する工程を、コアシート10のかかる領域の周辺(ティース部11およびヨーク部13)を押圧固定した状態で実施することができる。
この状態で、打出し成形用パンチ24のみを、さらに下降させる、次の「打出し」ステップ(図7)へ移行する。
打出し成形用パンチ24の下端面には、ダイ21の凹所21bに合致するテーパ状凸部24aが形成されている。
したがって、次の「打出し」ステップでは、図7(a)、(b)に示すように、打出し成形用パンチ24のみを矢印Bのごとくさらに下降させる(破線位置→実線位置)ことで、パンチ24の下端面の凸部24aでコアシート10の所要箇所をダイ21の凹所21bに押し込むことにより、コアシート10に突出部16aを有するオフセット部16を成形する。
なお、ダイ21には、オフセット部16成形後のコアシート10をダイ21から外すための取り出し機構28が装着されている。取り出し機構28は、例えば油圧によって上下動する1対の取り出しピン28a、28bを有する。
したがって、「取り出し」ステップでは、図8(a)、(b)に示すように、シート面押さえ23および打出し成形用パンチ24を矢印Cのごとく破線位置から実線位置まで同時に上昇させると共に、取り出し機構28の取り出しピン28a、28bを矢印Dのごとく上昇させることによって、このオフセット部16が成形されたコアシート10をダイ21から外し(取り出し)、次工程の平坦化工程へ移送する。
上述のようにして、第1〜第4工程を経て製造された積層コア1(固定子鉄心E)は、次のごとき基本的機能を有している。
(1) コアシート10にはヨーク部13に板厚変更領域E4が設けられており、厚肉部14と薄肉部15とが交互に配列されているため、コアシート10を螺旋状に巻取る際に、薄肉部15の塑性変形により各巻回層を良好に円形状に丸めることができ、高品質の円筒状積層コア1を得ることができる。
特に、薄肉部15は、オフセット部16の突出部16aの平坦化により形成されるもので、先細りの片面テーパ形状のテーパ部15aになっており、しかもこのテーパ部15aが外周縁に向かって円周方向の幅が広くなる台形状をなし、かつ平坦化される過程でコアシート10を湾曲状に変形させる作用を発揮するため、コアシート10を丸めにあたり、外周長を稼ぎながらより真円に近い円形状に曲げることができる。
(2)また、この積層コア1は、外周面に薄肉部15による凹部Mが局部的に存在しているものの、各巻回層には厚肉部14が存在しており、この厚肉部14が積層コア1の積層方向に整列し、かつ積層コア1の外周縁を含めた全面において互いに密接して積層されているため、外周縁の巻回層間には、図21(f)に示すような全周にわたる隙間Gを実質的に生じることがない。
したがって、固定子鉄心Eの製造最終工程へ積層コア1を搬送する過程で、たとえ外力が加わったとしても、積層コア1の外周縁に変形や損傷を招くことがない。
同様に、上記の製造最終工程において、積層コア1の外周部に、巻回層間を固定するための溶接加工や外周形状を整えるためのしごき加工を実施する際にも、溶接不良や外周縁が変形・破損等することがなく、固定子鉄心Eとして高強度、高品質を確保できる。
(3)さらに、固定子鉄心Eを交流発電機ACGの筺体の一部として利用するために、図1(a)のごとく、一対のハウジングHで挟持し組立てボルトFで締付固定する場合にも、積層コア1をその積層方向の両端面側から平行して締め付けていくことができるため、ハウジングHや組立てボルトFに過大なストレスを与えることがない。
次に、上述した本発明の製造方法、とりわけ、第2工程および第3工程が、小さい加工荷重で済み経済的であることを、以下のモデル(図9および図10参照)に基づく数値的性能例にしたがって説明する。
〔モデルの諸元〕
○積層コア1の要求寸法;
外径(Dφ)=130mm、内径(dφ)=100mm、ヨーク部13の径方向幅=4mm、ティース部11およびスロット部12の数=各96個、各ティース部11およびスロット部12の寸法=周方向幅2mm×径方向幅11mm。
○コアシート10の加工プロセス;
帯鋼(SPCC)<板厚(t)=0.5mm、幅(W)15mm>から図9(a)に示すごときコアシート10をプレス打抜き加工し(このときのティース部11の中心線間隔=ティース部11の仮想外径D´φ(=122mmφ)×π/96に相当)、各ティース部11の背後(ヨーク部13)に薄肉部15を形成してヘリカル巻き取りし、積層コア1を完成する。
○対比すべき加工方法;
各薄肉部15を、プレス押圧成形(比較例)により形成する場合(図9(b)参照)と、本実施例の方法(オフセット工程および平坦化工程)により形成する場合との加工荷重を対比する。
ただし、帯鋼(SPCC)の特性は、標準規格にしたがい、せん断強さ280N/mm、圧縮強さ441N/mmとする。
〔各加工工程に要する荷重(加工荷重)〕
(1)プレス打抜き荷重A(比較例、実施例1の第1工程で実施)― 図9(a)参照
<スロット部12の打抜き荷重>
A=板厚(t)×打抜領域の断面積(ティース部11の断面+スロット部12底部
の断面)×帯鋼のせん断強さ
=0.5×(2×11+2)×280=3.36×10
(2)プレス押圧成形荷重B(比較例)― 図9(b)参照
B=プレス面積(押圧前プレス圧延領域の面積)×帯鋼の圧縮強さ
<ただし、
プレス面積=D´φにおける周方向幅×径方向幅(ヨーク部13径方向幅)
=(122π/96−2=1.99)×4=7.96(mm)>
B=プレス面積×帯鋼の圧縮強さ
=7.96×441=3.51×10
したがって、スロット部12を打抜くために要する荷重Aに比して、薄肉部15をプレスで押圧成形するために要する荷重Bの方がむしろ大きくなり、大型のプレス押圧成形装置を必要とする。
なお、ちなみに、薄肉部15(押圧後プレス圧延領域)の最外径部における寸法(周方向長L、板厚t)は、次の通り。
L=(130−122)π/96+1.99=2.25(mm)
t=0.47(mm)
(3)本実施例の場合
(3A)第2工程(オフセット工程)での打出し成形荷重(C)― 図9(c)および図10(a)、(b)参照
この打出し成形は、図9(c)に示す打出し領域を板厚方向の一方向に板厚以上に変位させることによって、図10(a)、(b)に示すごとき突出部16aを有するオフセット部16を形成するものであって、換言すれば、材料の引張りによる変形を活用する引張り成形(引張り領域)と引張り曲げ成形(引張り曲げ領域)との組合せに相当するものであり、次の式(Y)が成立する。
C=任意の半径位置(Δr=x)における引張り応力(σ)×引張りが作用する断面積 ……… 式(Y)
上記式(Y)において、引っ張り応力(σ)は任意の半径位置(Δr=x)が大きくなると大きくなる値を示し、計算上Δr=4mmでは264N/mmとなる。
したがって、打出し成形荷重(C)は、次の通りである。
C=264×(4×0.5=2)=528N
(3B)第3工程(平坦化工程)での曲げ戻し荷重(D)
この平坦化加工は、打出し形状を元の平面に戻すもので、突出部16aの頂部および根元の平面との境界部分における所謂折り曲げ形状を曲げ戻す加工に相当するものである。ただし、曲げ方式は、上記境界部分を固定する単純曲げによるものとし、突出部16aの各曲げ部に要する荷重を(頂部における荷重=境界部分における荷重)と考え、各曲げ部の断面積=板厚(t)×径方向長=0.5×4=2mmとする。
ここで、次式(Z1)、(Z2)の関係から、曲げ戻し荷重(D)を求める式(Z)が成立する。
・曲げモーメント(M)=曲げ戻し荷重(D)×最終外径におけるティース部11間距 離(L)/8 ………式(Z1)
・曲げ変形応力=曲げモーメント(M)/断面係数(O)………式(Z2)
ただし、断面係数(O)=曲げ部材の幅(回転軸方向)×(曲げ部高さ)/6
曲げ変形応力=M/O
=M(=D×L)/O(4×0.5/6)
=降伏点における曲げ変形応力(帯鋼の場合、185N/mm
・したがって、曲げ戻し荷重(D)は、次の通りとなる。
D=185×(4×0.5/6)/((130π/96)/8)………式(Z)
57.98N
上述のごとく、本実施例の第2、第3工程で要する荷重C、Dは、プレス打抜き荷重Aおよびプレス押圧成形荷重Bに比して、それぞれ極端に小さい荷重で済み、小型の装置で経済的に実施することができる。
[実施例2]
次に、本発明方法の実施例2について、上述の実施例1との相違点を中心に図11〜図20に基づいて説明する。
この実施例2は、第2工程(オフセット工程)で実行される、コアシート10にオフセット部16を打出し成形する方法を、他の方法で行う例である。つまり、実施例1との相違点は、実施例1ではオフセット部16を、その両端を変位させることなく、中央部分を変位させるようにして形成した断面V字状のドーム型形状(図4参照)であるのに対し、本実施例2においては、図11に示すように、オフセット部16を、その片端側を変位させながら形成していく全く別異の方法である。
コアシート10には、図11(a)のごとくヨーク部13の所要箇所においてオフセット部16を成形するが、図11(b)に示すように、オフセット部16の片端を板厚の一方向に向かって板厚以上に斜めに変位させる、換言すれば両端を持って捻るような感じで変形させることで、図11(c)に示すごとき突出部16aを有するオフセット部16を形成する。つまり、この突出部16aは、根元(ティース部11側)から先端(反ティース部11側)に向かって、傾斜しながら板厚が漸減するテーパ状を呈する。したがって、オフセット部16は、先端の周方向長が加工前に対し加工後の方が長くなるため、実質的に台形状を呈し、かつ先端側の板厚が最も薄くなっている。
かくして得られたコアシート10は、オフセット部16を、次工程(第3工程)の平坦化工程にて平坦化する。例えば、図3に示す平坦化手段30の各整形ローラ31,31を通過させることにより、オフセット部16を板厚の他方向に変位させ、その突出部16aが板厚内に収容され平坦化するまで押圧変形させる。これによって、実施例1と同様、図2に示すごとき薄肉部15を形成することができる。
上述の実施例2において、オフセット工程(第2工程)を効果的に実施するために、図12〜図15に基づいて、上記オフセット工程で用いる打出し成形手段200の具体的な構造例および当該手段200による具体的な加工ステップについて説明する。ただし、図12〜図15に示す打出し成形手段200には、コアシート10の位置決めをするガイド矢が省略されている。
図12(a)、(b)に示すように、打出し成形手段200は、下型50と上型60とを備えている。下型50には、コアシート10(特にヨーク部13)を受ける揺動式受け51、この受け51の揺動許容角度を調整するコマ52、このコマ52を押さえると共にコアシート10(特にティース部11)を受ける固定式受け53、さらには成形後のコアシート10を取り出す取り出し機構54が組み込まれている。なお、受け51、53には、コアシート10を案内するガイド溝55が設けられている。
したがって、まず最初の「材料投入」ステップでは、前工程から移送されてくるコアシート10が、図12(a)、(b)に示すように、下型50の受け51、53上に載置される。
続いての「面押さえ」ステップは、図13(a)、(b)に示すように、上型60で実行される。上型60には、シート面押さえ61および回動式成形用パンチ62が、相対的に上下動できるように、ホルダ63に対して連結具64および復元ばね65によって支持されており、両者一緒に下降し、その後パンチ62のみが下降し、かつ回動できるようになっている。
なお、連結具64はボルト64aとナット64bとからなり、シート面押さえ61とホルダ63との間に復元ばね65が装填されている。
したがって、「面押さえ」ステップにおいては、図13(a)、(b)に示すように、シート面押さえ61および成形用パンチ62を矢印Aのごとく同時に下降させると共に、シート面押さえ61でコアシート10を下型50(受け51、53)に押し付けることによって、コアシート10を下型50に押圧固定する。これにより、コアシート10にオフセット部16を成形する工程を、コアシート10のかかる領域の周辺(ティース部11およびヨーク部13)を押圧固定した状態で実施することができる。
この状態で、成形用パンチ62を、コアシート10と干渉するまで下降させながら、回動させて実行するのが、図14(a)、(b)に示す次のステップ(「打出し」ステップ)である。
回動式の成形用パンチ62は、長孔62aを有しており、この長孔62aに嵌入された拘束ピン62bの作用で、矢印Bのごとく下降しながら、復元用の制御ばね機構66に抗して矢印Cのごとく回動することができる。そして、このパンチ62の回動は、下型50の揺動式受け51と協働(協調)してなされる。
揺動式受け51は、取り出し機構54に抗してコマ52で調整される許容角度で矢印Dのごとく揺動することができる。つまり、パンチ62の回動を受け、受け51が同じ方向に揺動する。
したがって、図14(a)、(b)に示す「打出し」ステップでは、成形用パンチ62を、コアシート10と干渉するまで下降させ、かつ回動させることにより、受け51を揺動させながら、コアシート10の所要箇所を受け51に押し込んで、突出部16aを有するオフセット部16を成形する。
そして、最後の「取り出し」ステップでは、図15(a)、(b)に示すように、上型60(シート面押さえ61および成形用パンチ62)を矢印Eのごとく上昇させることにより、パンチ62を矢印Fのごとく回動復帰させ(戻し)、取り出し機構54によって、揺動式の受け51を原位置に矢印Jのごとく回動復帰させ(戻し)、オフセット部16が成形されたコアシート10を下型50から外し(取り出し)、次工程(第3工程)の平坦化工程へ移送する。
この実施例2における平坦化工程(第3工程)も、前述のごとく、図3の第3工程に示す平坦化手段30で実施することができるが、ここでは、図16〜図20に基づいて、とりわけ、本実施例2で採用するに好適な平坦化手段300の具体的構造例および当該手段300による具体的な加工ステップについて概説する。
図16(a)、(b)に示すように、平坦化手段300は、打出しパンチ式で、受けダイ70、ガイド矢71、シート面押さえ72、およびパンチ73を中枢機構として備えている点で、オフセット工程(第2工程)を実施するために用いる打出し成形手段20、200と、基本的に類似している。なお、上記中枢機構における各部品の機能は次の通りである。
・受けダイ70は、コアシート10を載置する加工台である。
・ガイド矢71は、コアシート10に対し、スロット部12に嵌挿することにより、平坦化するオフセット部16の位置を合わせておくものである。
・シート面押さえ72は、コアシート10を受けダイ70上に押圧固定するものである。
・整形用のパンチ73は、オフセット部16を押圧し平坦化するためのものである。
そして、上記中枢機構は、例えば図3に示す巻取り手段40の芯金41と同期して回転する胴軸74の周りに配置されている。
まず、最初の「材料投入」ステップでは、図16(a)、(b)に示すように、前工程(オフセット工程)から矢印のごとく移送されてくるコアシート10が、受けダイ70に載置される。この段階においては、ガイド矢71は、第1ホルダ75、第2ホルダ76、復元ばね77および連結具78によって上昇位置に保持されている。
続いての「ガイド矢挿入」ステップでは、図17(a)、(b)に示すように、第1ホルダ75を復元ばね77に抗して矢印Aのごとく下降させ、ガイド矢71をコアシート10のスロット部12に嵌挿する。このガイド矢71は、板状を呈しており、胴軸74の位置決め部74aにも案内されていることから、受けダイ70に対してコアシート10、とりわけそのオフセット部16を確実に位置決めすることができる。
次の「面押さえ」ステップでは、シート面押さえ72が活用される。このシート面押さえ72は、整形用のパンチ73と相対的に上下動できるように、第2ホルダ76に対して連結具79および復元ばね80によって支持されており、両者一緒に下降し、その後パンチ73のみが下降できるようになっている。
したがって、「面押さえ」ステップにおいては、図18(a)、(b)に示すように、第2ホルダ76を復元ばね80に抗して矢印Bのごとく下降させることによってシート面押さえ72および整形用パンチ73を同時に下降させ、シート面押さえ23でコアシート10を受けダイ70に押し付ける。これによって、コアシート10を受けダイ70に押圧固定する。
続いての「整形」ステップでは、図19(a)、(b)に示すように、整形用のパンチ73のみを矢印Cのごとくさらに下降させ、オフセット部16を平坦化し、薄肉部15を形成する。
最後の「送出し」ステップにおいて、コアシート10は、図20(a)、(b)に示すように、オフセット部16の平坦化により矢印Dのごとく湾曲状に変形しながら次工程(巻取り工程)へ移送される。なお、上側の中枢機構をなすガイド矢71、シート面押さえ72、パンチ73等は、矢印Eのごとく上昇し、初期位置に復帰する。
以上実施例2について詳述したが、この実施例2における第2工程、第3工程も材料の引張りによる変形を活用するものであるため、実施例1と同様の加工荷重で済み、同様の効果を得ることができる。
〔変形例〕
以上本発明方法を2つの実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、その変形例を例示する。
(1)図16〜図20に示すパンチ式の平坦化手段300は、第1実施例においても、ローラ式の平坦化手段30に代えて採用することができる。
(2)実施例1におけるオフセット手段を、実施例2と同じように、上下から挟んでオフセット部16を打出し成形する強制協調の手段に変更にすることができる。
(3)実施例1、2では、ティース部11に対応させてオフセット部16を成形したが、スロット部12に対応させてオフセット部16を成形してもよく、ティース部11およびスロット部12の両者に対応させてオフセット部16を成形してもよい。
もっとも、実施例1、2のごとく、ティース部11のみに対応させてオフセット部16を成形した場合には、ヨーク部13において、磁束密度はティース部11近傍よりスロット部12近傍の方が相対的に高くなるために、ティース部11の背後に薄肉部15を存在させることにより、スロット部12背後のヨーク部分を厚肉部14とし、磁束密度が高くなるスロット部12背後の部位の有効磁路断面積を最大限に活用することができる。
なお、ティース部11の背後の有効磁路面積に余裕がある場合には、薄肉部15の径方向の幅Pをヨーク部13の径方向幅Qとほぼ同等(P=Q)にしてもよい。
(4)実施例1、2では、薄肉部15を片面テーパ状にしたが、オフセット部16の打出し成形、それを平坦化するための平坦化手段を適宜選定することにより、薄肉部15を両面テーパ状にすることもできる。
(5)第2工程および第3工程で実施する打出し成形加工および平坦化加工は、素材の特質(例えばスプリングバック)を考慮して加工ストロークが適宜決定されることは勿論である。
(6)以上の実施形態では、本発明を自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心に適用した場合について説明したが、これに限ることなく、鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシートが用いられる固定子鉄心を持つ回転電機、例えば高電圧駆動モータに適用し、同様の作用効果を奏することができる。
以上詳述してきた本発明方法の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲に記載の各請求項(特に請求項2〜請求項10)の手段にしたがって要約列挙すれば、次の通りである。
(特徴点1=請求項2の手段)
基本構成として請求項1に記載の製造方法と同様の第1工程〜第4工程を備えている固定子鉄心Eの製造方法において、第2工程で成形するオフセット部16は、内周側の片側端から外周側の他側端に向かって一方向に斜めに変位させることで、突出部16aが、全体として一つの傾斜面を形成し、かつ、内周側に対して外周側の周方向長が長くなる台形状を呈していることを特徴としている(実施例2)。
(特徴点2=請求項3の手段)
請求項1または2に記載の固定子鉄心Eの製造方法において、第2工程で成形するオフセット部16は、内径側部分より外径側部分の方が板厚方向に大きく変位していることを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、オフセット部16を平坦化した場合に、外径側の沿面長さを長くする、つまり、コアシート10のヨーク部13側の実質的な巻取り周長を長くすることができるため、螺旋状に巻取りし易くなる。
(特徴点3=請求項4の手段)
請求項1に記載の固定子鉄心Eの製造方法において、第2工程で成形するオフセット部16は、内径側部分より外径側部分の方が板厚方向に大きく変位しているとともに、オフセット部16は、中央部分がV字状に凹んだ突出部16aを有していることを特徴としている(実施例1)。
上記手段によれば、特に、突出部16aは、外径側が内径側に比して突出高さがあり、周方向の沿面長さが長いため、平坦となった場合には、外径側が周方向により大きく広がるため、コアシート10のヨーク部13側の実質的な巻取り周長を一段と長くすることができ、より一層螺旋状に巻取りし易くなる。
(特徴点4=請求項5の手段)
請求項1〜4のいずれか1つに記載の固定子鉄心Eの製造方法において、第2工程では、コアシート10にオフセット部16を成形するにあたり、コアシート10のかかる領域の周辺を押圧固定した状態で実施することを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、コアシート10を確実に係止した状態でオフセット部16の成形を行うことができるため、オフセット部16を精度良く成形加工することができる。
(特徴点5=請求項6の手段)
請求項1〜5のいずれか1つに記載の固定子鉄心Eの製造方法において、第2工程では、コアシート10にオフセット部16を成形するにあたり、コアシート10のかかる領域を、上下から挟持した状態で板厚の一方向に向かって板厚以上に変位させることによってオフセット部16を形成することを特徴としている(例えば、実施例2)。
上記手段によれば、パンチ62の押し込みに協調して下型50の受け51が後退するため、オフセット部16の形状を正確に成形することができる。
(特徴点6=請求項7の手段)
請求項1〜6のいずれか1つに記載の固定子鉄心Eの製造方法において、
第3工程では、オフセット部16が平坦化されることでヨーク部13が円周方向に広がり、これにより、コアシート10は、長さ方向の他方側が長さ方向の一方側に対して長くなり、ヨーク部13側が外径側になるように湾曲状に変形することを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、上記特徴点2と同様な効果を得ることができる。
(特徴点7=請求項8の手段)
請求項1〜7のいずれか1つに記載の固定子鉄心Eの製造方法において、 第3工程では、一対の整形ローラ31間にコアシート10を通過させながら、オフセット部16を平坦化することを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、コアシート10を移送しながら連続的に平坦化加工を行うことができるため、生産性が向上する。なお、パンチによる押圧整形の場合には、送りを一旦止めてプレス加工を行うので、平均の送り速度がそれだけ低く設定されることになる。
(特徴点8=請求項9の手段)
請求項1〜8のいずれか1つに記載の固定子鉄心Eの製造方法において、第3工程では、オフセット部16一箇所につき、複数回に分けて平坦化加工を施すことを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、ローラによる整形の場合には、オフセット部16をローラが乗り越えず、座屈やしわが生じる不具合を回避することができ、また、パンチによる押圧整形の場合には、一回当たりの整形負荷を減らすことで、プレスストロークを減らし、加工速度を高くすることができる。
(特徴点9=請求項10の手段)
請求項1〜9のいずれか1つに記載の固定子鉄心Eの製造方法において、
第4工程では、厚肉部14が積層コア1の積層方向に整列するように、コアシート10を螺旋状に巻取ることで、積層コア1が、各巻回層においてその外周縁を含めた全面で互いに密接して積層されるようにしたことを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、固定子鉄心Eの製造最終工程へ積層コア1を搬送する過程で、たとえ外力が加わったとしても、積層コア1の外周縁に変形や損傷を招くことがなく、しかも、当該製造最終工程において、積層コア1の外周部に、巻回層間を固定するための溶接加工や外周形状を整えるためのしごき加工を実施する際にも、溶接不良や外周縁が変形・破損等することがなく、固定子鉄心Eとして高強度、高品質を確保できる。
1…積層コア、10…コアシート、11…ティース部、12…スロット部、13…ヨーク部、14…厚肉部(非板厚減少部)、15…薄肉部(板厚減少部)、16…オフセット部、16a…突出部、ACG…自動車用交流発電機(回転電機)、D…固定子コイル、E…固定子鉄心、E4…板厚変更領域(厚肉部および薄肉部)。

Claims (10)

  1. 鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシート(10)が用いられ、内周側に固定子コイル(D)を巻装するためのティース部(11)およびスロット部(12)を有する円筒状の積層コア(1)で構成され、前記積層コア(1)の各巻回層の外周側には、前記コアシート(10)の板厚と同等の厚みを有する厚肉部(14)と、塑性変形加工により前記コアシート(10)の板厚より薄く形成された薄肉部(15)とが、円周方向に交互に位置するように配列されている、回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法であって、
    長さ方向の一方側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を有すると共に、長さ方向の他方側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を所定のピッチで連結するヨーク部(13)を有するように、前記コアシート(10)を作製する第1工程と、
    前記ヨーク部(13)で、かつ前記積層コア(1)の各巻回層の外周側に位置する領域において、板厚の一方向に向かって板厚以上に変位させて突出形成した突出部(16a)を有するオフセット部(16)を、前記コアシート(10)の長手方向に所定間隔で複数成形する第2工程と、
    前記オフセット部(16)を板厚の他方向に変位させ、前記突出部(16a)が板厚内に収容され平坦化するまで押圧変形させることによって、前記薄肉部(15)を前記厚肉部(14)の間に形成する第3工程と、
    かくして得られた前記コアシート(10)を、前記ヨーク部(13)が外周側となるように螺旋状に巻取ることにより、前記積層コア(1)を円筒状に巻回形成する第4工程とを備えており、
    前記第2工程で前記オフセット部(16)を成形する前記領域は、前記ティース部(11)の配列位置のみに対応していて、
    前記第3工程で形成される前記薄肉部(15)は、径方向の幅(P)が前記ヨーク部(13)の径方向幅(Q)に比して同等以下(P≦Q)に形成されていることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  2. 鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシート(10)が用いられ、内周側に固定子コイル(D)を巻装するためのティース部(11)およびスロット部(12)を有する円筒状の積層コア(1)で構成され、前記積層コア(1)の各巻回層の外周側には、前記コアシート(10)の板厚と同等の厚みを有する厚肉部(14)と、塑性変形加工により前記コアシート(10)の板厚より薄く形成された薄肉部(15)とが、円周方向に交互に位置するように配列されている、回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法であって、
    長さ方向の一方側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を有すると共に、長さ方向の他方側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を所定のピッチで連結するヨーク部(13)を有するように、前記コアシート(10)を作製する第1工程と、
    前記ヨーク部(13)で、かつ前記積層コア(1)の各巻回層の外周側に位置する領域において、板厚の一方向に向かって板厚以上に変位させて突出形成した突出部(16a)を有するオフセット部(16)を、前記コアシート(10)の長手方向に所定間隔で複数成形する第2工程と、
    前記オフセット部(16)を板厚の他方向に変位させ、前記突出部(16a)が板厚内に収容され平坦化するまで押圧変形させることによって、前記薄肉部(15)を前記厚肉部(14)の間に形成する第3工程と、
    かくして得られた前記コアシート(10)を、前記ヨーク部(13)が外周側となるように螺旋状に巻取ることにより、前記積層コア(1)を円筒状に巻回形成する第4工程とを備えており、
    前記第2工程で成形する前記オフセット部(16)は、内周側の片側端から外周側の他側端に向かって一方向に斜めに変位させることで、前記突出部(16a)が、全体として一つの傾斜面を形成し、かつ、内周側に対して外周側の周方向長が長くなる台形状を呈していることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法において、
    前記第2工程で成形する前記オフセット部(16)は、内径側部分より外径側部分の方が板厚方向に大きく変位していることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  4. 請求項1に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法において、
    前記第2工程で成形する前記オフセット部(16)は、内径側部分より外径側部分の方が板厚方向に大きく変位しており、
    前記オフセット部(16)は、中央部分がV字状に凹んだ突出部(16a)を有していることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法において、
    前記第2工程では、前記コアシート(10)に前記オフセット部(16)を成形するにあたり、前記コアシート(10)の前記領域の周辺を押圧固定した状態で実施することを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法において、
    前記第2工程では、前記コアシート(10)に前記オフセット部(16)を成形するにあたり、前記コアシート(10)の前記領域を、上下から挟持した状態で板厚の一方向に向かって板厚以上に変位させることによって前記オフセット部(16)を形成することを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法において、
    前記第3工程では、前記オフセット部(16)が平坦化されることで前記ヨーク部(13)が円周方向に広がり、これにより、前記コアシート(10)は、長さ方向の他方側が長さ方向の一方側に対して長くなり、ヨーク部(13)側が外径側になるように湾曲状に変形することを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法において、
    前記第3工程では、一対の整形ローラ(31)間に前記コアシート(10)を通過させながら、前記オフセット部(16)を平坦化することを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法において、
    前記第3工程では、前記オフセット部(16)一箇所につき、複数回に分けて平坦化加工を施すことを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法において、
    前記第4工程では、前記厚肉部(14)が前記積層コア(1)の積層方向に整列するように、前記コアシート(10)を螺旋状に巻取ることで、前記積層コア(1)が、各巻回層においてその外周縁を含めた全面で互いに密接して積層されるようにしたことを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(E)の製造方法。
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