JP2007202315A - ステータコアの製造装置および製造方法 - Google Patents

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Hisamitsu Saida
寿充 歳田
Shigeru Chikada
滋 近田
Yoshihiro Nishio
佳浩 西尾
Yoshinobu Wada
芳信 和田
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Abstract

【課題】ステータコアの形成時にワークに損傷を与えることなく、かつ効率的なステータコアの形成を実現することのできるステータコアの製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】ステータコアの製造装置10は、中央の固定部11と、その外周の可動部12とから構成される芯材1を備えており、ワークWが可動部12まわりに巻き回された姿勢で、固定部11に対して可動部12を芯材1の軸心方向に相対的に移動させることにより、次に巻き回されるワーク用のクリアランスCが形成されるように構成されている。クリアランスCの形成に際しては、可動部12の移動に加えて、押圧手段5を構成するピストンロッド51によるワークの下方からの押し上げもおこなわれ、かかる押し上げにより、ワークに生じた波打ちも解消することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータ(または電動機)のステータコアを帯状の鋼板からなるワークを巻き回しながら円筒状に積層形成する際に使用されるステータコアの製造装置とその製造方法に係り、特に、ステータコアの形成時にワークに損傷を与えることなく、かつ効率的なステータコアの形成を実現することのできるステータコアの製造装置および製造方法に関するものである。
モータを構成するステータコアの製造方法の一つに、螺旋巻き工法による方法がある。この方法は、コイルを形成する巻線が巻き回されるティースを一定間隔で備えた帯状の鋼板ワークを螺旋状に巻き回しながら積層することにより、円筒状のステータコアを形成する方法である。ワークの巻き回しの際には、円周方向に延設するヨークの板厚が減少するようにワークを圧延もしくは引張り加工、曲げ加工することにより、板厚のばらつき等の巻き回し時の不具合の防止を図っている。
上記するワークの巻き回しにおいて、ワークを圧延もしくは引張り加工、曲げ加工等の塑性加工を施した際に、ワークには応力歪曲線に表されるような、いわゆるスプリングバック力が生じる。例えば、燃費性能が要求されるハイブリット車や電気自動車をはじめとする近時の車両においては、車両に使用されるモータの小型化や高効率化が求められており(HVモータなど)、かかるモータの小型化により、ワークの巻き回し時の曲率が小さくなることに起因してスプリングバック力も大きくなり、施工性の低下が余儀なくされている。また、ワークの螺旋巻き工法に際しては、巻き回しの中心となる鋼製の芯材(芯金)まわりにワークを巻き回していくこととなるが、巻き回し時のスプリングバック力が大きくなるにしたがって、ワークへの芯材の食い付き力も大きくなり、かかるワークの食い付きにより、ワーク面が波打ってしまう、いわゆるラウンド変形や曲がり変形が招来される。芯材に食い付いたワークを、ワーク厚分のプレートにて芯材の軸心方向に押し上げることによって次に巻き回されるワーク用のクリアランスを形成し、形成されたクリアランスにワークを巻き回していく方法が螺旋巻き工法の一般的な方法であった。
かかる従来の螺旋巻き工法では、芯材に食い付いたワークを無理に押し上げてクリアランスを確保しようとするために、巻き回されたワークの変形やワーク表面の絶縁被膜を損傷させる原因となり、また、クリアランスの確保に際し、一巻ごとにプレートによるワークの押し上げをおこなうといった非効率的な方法のために、ステータコアの製造効率が悪いという問題があった。
ところで、螺旋巻き工法によって帯状ワークを積層しながらステータコアを形成する装置および方法に関する技術は多義に亘っており、例えば特許文献1〜3を挙げることができる。特許文献1には、巻き回した帯状ワーク(ストリップ)を所定回転ごとに巻き込む回転力と巻き回した筒状外形へ加わる側圧または下方からの押し上げ力とによって積層かしめし、所定長さ巻き回した後にストリップを切断するステータコアの製造方法とその際に使用する製造装置が開示されている。この製造装置は、ストリップに切り起し部を形成し、積層した姿勢で隣接するストリップの切り起し部同士を嵌合させた姿勢でかしめるかしめ装置をさらに備えた構成となっている。また、特許文献2には、芯金でスパイラル積層コアの内径を拘束した状態で、スパイラルコアのスロット内に位置合わせ用のスロットピンを挿入し、さらにスパイラルコアの上下から2枚の挟圧板で該スパイラルコアを圧縮、成形する成形装置が開示されている。さらに、特許文献3には、スパイラルコアの成形と同時に、該コアの歯の整列を高精度かつ容易に実現可能なステータコアの製造装置が開示されている。
特開平2−106151号公報 特公平6−12944号公報 特開平1−148046号公報
特許文献1〜3に開示のストリップをスパイラル状に積層させることによってステータコアを製造する装置および方法によれば、特に、ステータコアの製造に際し、コイルが形成されるスロットの位置ずれを効果的に防止しながら、積層コアのかしめ等をおこなうことが可能となる。しかし、これらの装置や方法では、上記する問題、すなわち、帯状ワーク(ストリップ)の巻き回し/積層工程において、その内径を決める芯材(芯金)に食い付いたワークを該ワークに損傷を与えることなく芯材軸心方向に移動させる手段の開示がなく、したがって、積層ワークの芯材軸心方向への移動時にワークに変形等の損傷が生じるといった問題を解決することはできない。上記するように、モータが小型化/高性能化している近時においては、ステータコア製造時における上記問題の解決は不可避であることから、かかる問題解決手段を備えた装置ないし方法の開発が切望されている。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、帯状の鋼板からなるワークを芯材のまわりに螺旋状に巻き回しながら円筒状に積層形成する際に、該芯材に食い付いたワークに損傷を与えることなく、かつ効率的に芯材軸心方向に移動させることができ、したがって、効率的なステータコアの製造とステータコアの品質確保の双方を同時に満足させることのできるステータコアの製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるステータコアの製造装置は、平面視が略櫛型の帯状に成形された鋼板からなるワークを巻き回しながら円筒状に積層することにより、モータのステータコアを形成するステータコアの製造装置であって、前記ステータコアの製造装置は、中央の固定部と、その外周の可動部とから構成される芯材を備えており、ワークが該可動部のまわりに巻き回された姿勢で、固定部に対して可動部を芯材の軸心方向に相対的に移動させることにより、次に巻き回されるワーク用のクリアランスが形成されるように構成されていることを特徴とする。
鋼板は、ステータコアを製造する際に使用される電磁鋼板をはじめとする公知の鋼板を使用することができ、その磁気特性は等方性であっても異方性であってもよい。帯状のワーク(ストリップ)は、巻き回し/積層に際して、予め、ワークの軸心方向に直交する方向に延びるティースをその軸芯方向に略等間隔に打抜き成形されており(平面視が略櫛型に成形)、この帯状ワークを例えば鋼製の芯材のまわりに巻き回し、積層していきながら所定長さの円筒状のモータ用ステータコアを製造していく。芯材は円柱形状の部材からなり、その外径によってステータコアの所定の内径が決定される。
本発明のステータコアの製造装置においては、その外周にワークが巻き回される円柱状の芯材が、その中心の円柱状の固定部と、固定部の側面に摺接した姿勢で該固定部に対して相対的に移動可能な円筒状の可動部とから構成されている。なお、固定部と可動部の間にベアリングが介装されており、双方の間で可動部の移動時に動摩擦が生じないような構成であってもよい。可動部の一端(ワークが巻き回される側と反対側の端部)にはフランジ状のストッパーが備えられており、芯材の他端側から順次巻き回されて積層されたワークはこのストッパーに当接しながら芯材まわりに形成されていく。芯材は任意形状の台座上に載置されている。
この可動部は、例えばサーボモータ等のアクチュエータを動力源とする適宜の移動手段によって昇降自在に構成されている。帯状のワークが芯材まわりに巻き回される際に、既に巻き回されたワークと芯材を固定する台座との間に次に巻き回されるワーク用のクリアランスを形成するために、ワークの巻き回しに同期して可動部が例えばワークの厚み分だけ上方に移動するように構成されている。芯材を構成する固定部の自転によってワークが巻き回される場合には、この固定部の自転と、可動部の上方への移動を制御装置にて同期制御すればよい。また、巻き回されるワークに形成されたスロット用の凹溝を積層方向に一致させるために、ワークの巻き回しに同期して、例えば台座から位置決めピンが昇降するようになっており、ワークの巻き回しに支障のない凹溝にはピンが挿入され、ワークの回転に応じてその巻き回しに支障が生じるようになったタイミングで挿入されていたピンが凹溝から抜け出るような構成とすることもできる。
本発明のステータコアの製造装置によれば、芯材のまわりに巻き回されたワークを無理に上方に押し上げながらワーク用のクリアランスを形成するものではなく、可動部が固定部に対して相対的に移動できるように構成されているため、ワークの巻き回し/積層時に該ワークに変形等の損傷を与える危険性がなくなるとともに、芯材まわりのワークの巻き回しとクリアランスの形成が同期しておこなわれることから、その製造効率を高めることが可能となる。
また、本発明によるステータコアの製造装置の他の実施形態は、ワークの巻き回しの際に該ワークの一側面を押圧することによってワークの巻き回しの際の波打ちを解消する押圧手段をさらに備えていることを特徴とする。
芯材のまわりにワークが圧延された姿勢で巻き回される際には、ワークが円周方向に波打った状態となり易く(ラウンド変形)、この状態のままでワークを積層していくことにより、隣接するワーク間に隙間が生じてしまい、ステータコアの性能低下の原因となる。そこで、本発明においては、芯材まわりに巻き回されたワークを、装置の下方に装着された押圧手段にて上方に押圧することにより、ワークの波打ちを解消しながら積層していくことが可能となる。
押圧手段の形態は特に限定するものではないが、例えばシリンダーユニットを台座に装着しておき、シリンダから出入りするピストンロッドをワークの巻き回しに同期して昇降するようにしておくことで、巻き回されたワークの下方面をピストンロッドにて下方から上方に押圧する形態が適用できる。また、他の形態として、円柱状または角柱状の部材をバネの付勢によって押し上げながらワークを押圧する形態などであってもよい。
また、本発明によるステータコアの製造装置の他の実施形態において、前記可動部が、送りねじ機構を構成するナットの移動に応じて移動することを特徴とする。
送りねじ機構は、送りねじ(ねじ軸)と、送りねじに螺合されたナット部材とから構成され、送りねじはアクチュエータの一実施例であるサーボモータにて回転可能となっている。この送りねじの回転に応じて該送りねじの軸方向にナットが移動可能に装着されており、このナットの移動に応じて該ナットに直接的または間接的に固設された芯材の可動部が、縁切りされた固定部に対して相対的に芯材軸心方向に昇降自在に構成される。例えば、ワークの端部(端面)を当接させるために設けられ、可動部の一端に装着されたストッパーとナット部材が連結部材を介して繋げられた形態であってもよい。
公知の送りねじ機構を使用することで、装置を比較的安価に製造することができ、かつサーボモータによって最適なワーク用クリアランスの形成をおこなうことが可能となる。
また、本発明によるステータコアの製造装置の他の実施形態は、巻き回されたワーク同士をかしめるためのかしめ手段をさらに備えたことを特徴とする。
芯材まわりに所定の巻き数だけ巻き回し/積層されたワークを、ワークの下方から押圧するかしめ手段、例えばプレス機にてかしめるとともに、ワークの所定厚さの積層とかしめを繰り返すことにより、所望の高さを有するステータコアを製造することができる。ここで、ワークの下方からの押圧により、ワーク上方の端面はストッパーに当接した姿勢となり、該ストッパーと押圧手段とで挟まれた状態で上下方向から加圧されることにより、積層ワークをかしめることができる。
また、本発明によるステータコアの製造装置の他の実施形態は、巻き回されたワーク同士を溶着するための溶接手段をさらに備えたことを特徴とする。
溶接手段としては、例えばレーザー溶接機を使用することができ、所定厚さにワークが積層された段階でワーク間をレーザー溶接することができる。なお、ワークのかしめとワーク間の溶着の双方をおこなうことができることは勿論のことである。
さらに、本発明によるステータコアの製造方法は、平面視が略櫛型の帯状に成形された鋼板からなるワークを巻き回しながら円筒状に積層することによってモータのステータコアを形成するステータコアの製造方法において、該製造方法は、中央の固定部と、その外周の可動部とから構成される芯材を備えており、ワークが該可動部のまわりに巻き回された姿勢で、固定部に対して可動部を芯材の軸心方向に相対的に移動させることにより、次に巻き回されるワーク用のクリアランスが形成されるように構成されている製造装置を使用してなるステータコアの製造方法であって、可動部を少なくともワークの厚さ分だけ固定部に対して相対的に移動させることによってクリアランスを形成し、該クリアランスにワークを巻き回し、クリアランスの形成と該クリアランスへのワークの巻き回しとを繰り返しながら所定長さの円筒状のステータコアを形成する第一の工程と、隣接するワーク間のかしめ、および/または溶着をおこなう第二の工程と、からなり、第一の工程と第二の工程を繰り返すことによってステータコアを形成することを特徴とする。
本発明のステータコアの製造方法は、既述する製造装置を使用して帯状ワークを可動部まわりに巻き回し、ワークの巻き回しと可動部の移動を同期させながらワーク用のクリアランス(既に巻き回されたワークと固定部が固設された台座の間のクリアランス)を形成し、このクリアランスにワークを巻き回していく方法である。第一の工程における円筒状のステータコアの所定の長さとは、例えば鋼板2ないし5枚分の厚みの総計であり、ステータコアが所定の厚みとなった段階でそれらをかしめ(第二の工程)、かしめ加工後に、再度、第一の工程と第二の工程を繰り返しながら所定高さのステータコアを製造することができる。なお、第一の工程において、既述する押圧手段にてワークの波打ちを解消しながらワークを積層していくのが好ましい。
第一の工程においては、所定厚さの積層ワークをかしめる代わりに、積層ワーク間をレーザー溶接等する方法であってもよく、かしめと溶接をともにおこなう方法であってもよい。
以上の説明から理解できるように、本発明のステータコアの製造装置および製造方法によれば、ワークが巻き回される芯材を固定部と可動部との二重構造とし、可動部を固定部に対して相対的に移動させる構成としたことで、ワーク巻き回し用のクリアランスを形成する際にワークに損傷を与える危険性がなくなり、かつ、ステータコアの製造効率を格段に高めることができる。また、本発明のステータコアの製造装置によれば、芯材外周に巻き回されたワークの波打ちを解消しながらワークの積層をおこなうとともに、ワークのかしめないし溶着をおこなうことにより、品質に優れたステータコアの製造をおこなうことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の製造装置の一実施形態を示した側面図を、図2は、図1のII―II矢視図をそれぞれ示している。図3は、可動部の移動によってクリアランスを形成している状況を説明した図であり、図3aは可動部が移動する前の状況を示した図で、図3bは可動部が移動した後の図である。図4は、押圧手段によってワークの波打ちを解消している状況を説明した図を、図5は、本発明の製造装置の他の実施形態を示した側面図をそれぞれ示している。図6は、従来のステータコアの製造装置と本発明の製造装置において、芯材に巻き付いた状態のワークを押し上げる際の巻き数と押し上げ力の関係を比較したグラフである。
図1は、ステータコアの製造装置の一実施形態を示した側面図である。この製造装置10は、台座3上に鋼製の芯材1が載置されており、この芯材1は中央の円柱状の固定部11とその外周を囲繞しながら該固定部1に摺接する可動部12とから構成されており、可動部12は、送りねじ機構4を構成するナット部材42に連結部材44,44を介して接続されている。送りねじ機構4は、ねじ軸43を回転駆動するサーボモータ41と、ねじ軸43の回転により、該ねじ軸43に螺合されたナット部材42が昇降自在となっている(X1方向)。ワークWは、可動部12の上方移動(X1方向)に伴って生じる台座3の上端面と、既に可動部まわりに巻き回され、積層されたワークWの下端面との間に形成されるクリアランスに巻き回されることとなる。
可動部12の一端部(図1における上端のフランジ部)には、巻き回され、積層されたワークWの一端面が当接するためのストッパー2が固設されており、可動部12とストッパー2がナット部材42の移動にともなって昇降する。ワークWの巻き回しは、例えば、図示しない駆動モータにて芯材1および送りねじ機構4を、台座3に対して相対的に自転するように構成しておき、芯材1の自転に応じて可動部12まわりにワークが巻き回される構成や、ワークを束ねたボビン等が可動部12のまわりを公転することによってワークが可動部まわりに巻き回される構成などがある。
台座3内には、3種類のシリンダ52,62,82が内蔵されている。シリンダ52は、その上端の開口から出入りする(図のX3方向)ピストンロッド51を有して押圧手段5を構成している。このピストンロッド51は、後述するように、帯状ワークWの巻き回しの際に生じる波打ちを防止するためのものであり、ワークWの巻き回し後に該ワークWの下方面にピストンロッド51が当接するとともに上方に押圧することにより、ワークWの波打ちを解消しながら既に巻き回されたワークWの下方面に新たに巻き回されたワークWの上方面を確実に当接させることができる。この押圧手段5は、台座3内の適宜の箇所に複数設けられており、ワークWが巻き回された後に、連続するワークWが次に巻き回される際の該巻き回しに支障のないタイミングおよび支障のない箇所をピストンロッド51にて押圧するようになっている。また、このピストンロッド51によるワークの上方への押出しにより、可動部12の上方移動と合わせて後述するクリアランスの形成をおこなうものである。
台座3内に内蔵された他のシリンダ62も、その上端開口から出入りする(図のX4方向)ピストンロッド61を有してワークかしめ用のプレス機6(またはパンチ)を構成している。このピストンロッド61は、ワークWが、例えば2ないし5回程度巻き回された段階でワークWの下面を上方に加圧することにより、積層ワークWは、上端のストッパー2と下端のピストンロッド61との間で挟圧されてかしめ加工がおこなわれる。このかしめ加工に際しても、ワークの巻き回しに支障のないタイミングでおこなわれる方法や、かしめ加工時には、ワークの巻き回しを一時的に停止させる方法などが適用される。
台座3内に内蔵されたさらに他のシリンダ82は、その上端開口から出入りする(図のX2方向)ピストンロッド81を有して位置決めピン機構8を構成している。このピストンロッド81は、可動部まわりに巻き回されたワークを構成する凹溝W3(図2参照)内に挿入されることで、積層されたワーク同士の凹溝W3またはティースW2のずれを防止しながら、さらに新たなワークの積層を可能ならしめるものである。ピストンロッド81の凹溝W3への挿入のタイミングや凹溝W3からのピストンロッド81の抜き出しのタイミングは、ワークの巻き回しに支障のないタイミングでおこなわれる。
また、かしめ加工のほかに当接するワーク間を溶着させる際には、ワークが積層されて可動部12が上方へ移動した際に、レーザースポット7が水平方向にスライドし(図のY方向)、ワークの下方から上方に向かって2〜5枚に積層されたワークごとにレーザー溶接することもできる。
図2は、図1のII―II矢視図である。ステータコアを構成する帯状ワークWは、長手方向に延びるヨークW1と、該ヨークW1の軸心方向に直交する方向に突出するとともに、ヨークW1の軸心方向に等間隔で設けられたティースW2、W2,…とから構成されており、平面視が略櫛型に成形されている。これを可動部12まわりに螺旋状に巻き回しながら積層していくことにより、所定高さのステータコアが形成される。隣接するティースW2,W2間にできる凹溝W3は、後にコイルが挿入されるためのスロットを形成する。
図3は、可動部12の移動によってクリアランスCを形成している状況を説明した図である。図3aでは、ピストンロッド81を凹溝W3内に挿入しながら積層されるワークWの位置決めをおこない、かかる姿勢で次のワークWが巻き回されている。次に、図3bに移行し、サーボモータ41を駆動させてナット部材42と連結部材44、および可動部12をワークWの厚み分だけ上方に移動させることにより(X方向)、次に巻き回されるワーク用のクリアランスCを形成する。なお、より具体的には、可動部を移動させるとともに、ワークWを押圧手段にて上方へ押し上げることによって、クリアランスCが形成される。この際、凹溝3内に挿入されたピストンロッド81はシリンダ82内に収容され(Y方向)、該ピストンロッド81がワークの巻き回しに支障のない巻き回し環境を形成する。クリアランスCが形成された後、再度図3aに移行してワークWの巻き回しをおこなう。かかる繰返し工程をワークが2ないし5枚積層されるまでおこなった後に、後述するプレス機6によるかしめ加工ないしは溶接加工、またはその双方をおこなって中間製品を製造し、かかる工程を繰返すことにより、所定高さのステータコアを製造するものである。
図4は、押圧手段5を構成するピストンロッド51を上方に移動させ(X方向)、可動部まわりに巻き回されたワークWの下面から押圧することによって、ワークWに生じた波打ち部分をプレス加工し、上方の隣接ワークWの下面に当接させている状況を示している。かかるプレス加工は、ワークの巻き回しごとに、あるいは複数枚のワークが巻き回された段階でおこなうことができる。尤も、ピストンロッド51によるワークの押し上げは、次に芯材まわりに巻き回されるワーク用のクリアランス形成に必要な作業となるため、ワークの巻き回しごとにおこなわれるのが望ましい。
上記するナット部材42および可動部12のワーク厚み分の移動と、芯材1の自転、位置決めピン機構8のピストンロッド81の昇降、押圧手段5を構成するピストンロッド51の昇降、プレス機6を構成するピストンロッド61の昇降は、図示しない制御装置にてそれぞれの機器が既述する最適なタイミングで稼動するように制御されている。また、各シリンダユニットは、空気圧ユニットであっても油圧ユニットであってもよい。上記するように、所定のワーク積層枚数ごとにかしめ加工ないしは溶接加工を施しながら、所望高さの円筒形状のステータコアが製造される。
図5は、製造装置の他の実施形態を示した側面図であり、特にその特徴である芯材部分の内部を示した図である。この製造装置10Aを構成する芯材1では、固定部11と可動部12の間に複数のベアリング9,9,…が介装された構成となっている。ベアリングを介装した芯材とすることにより、固定部11に対する可動部12の相対的な移動に際して、双方間の動摩擦を格段に低減することができ、可動部12のスムースな昇降と、固定部11および可動部12のメンテナンスフリーを実現することが可能となる。
次に、発明者等による実験結果を図6に基づいて説明する。この実験は、図1に示した製造装置10を使用した際の、芯材に巻き付いた状態のワークを押し上げる際の巻き数と押し上げ力の関係と、従来の製造装置のそれを比較したものである。ここで、従来の製造装置とは、芯材が固定部と可動部との二重構造となっておらず、芯材まわりに巻き回されたワークを下方から押圧手段にてストッパー側に押し上げるように構成された装置である。
図6におけるグラフXは従来の装置の結果を、グラフYは本発明の製造装置の結果をそれぞれ示している。ワークの巻き数に応じて積層ワークをストッパー側へ押し上げる際に要する押し上げ力は比例して増大する傾向を示すが、図からも明らかなように、本発明の製造装置によれば、従来の製造装置の場合に要する押上げ力の20%程度まで押上げ力を低減することができる。したがって、押圧手段に要求される出力性能を格段に低減することができる。なお、図5に示す製造装置10Aによれば、より高い押上げ力の低減効果を得ることが期待できる。
本発明のステータコアの製造装置および製造方法によれば、芯材を構成する可動部の移動と押圧手段によるワークの押圧(または押し上げ)により、芯材まわりに巻き回された帯状ワークを損傷させることなく、かつ次に巻き回されるワーク用のクリアランスを効率的に形成することができるため、ステータコアの品質の確保と効率的なステータコアの製造の双方を実現することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の製造装置の一実施形態を示した側面図。 図1のII―II矢視図。 可動部の移動によってクリアランスを形成している状況を説明した図であり、(a)は可動部が移動する前の状況を示した図で、(b)は可動部が移動した後の図。 押圧手段によってワークの波打ちを解消している状況を説明した図。 本発明の製造装置の他の実施形態を示した側面図。 従来のステータコアの製造装置(X)と本発明の製造装置(Y)において、芯材に巻き付いた状態のワークを押し上げる際の巻き数と押し上げ力の関係を比較したグラフ。
符号の説明
1…芯材、11…固定部、12…可動部、2…ストッパー、3…台座、4…送りねじ機構、41…サーボモータ、42…ナット部材、43…ねじ軸、44…連結部材、5…押圧手段、51…ピストンロッド、52…シリンダ、6…プレス機(かしめ手段)、61…ピストンロッド、62…シリンダ、7…レーザースポット(溶接手段)、8…位置決めピン機構、81…ピストンロッド、82…シリンダ、9…ベアリング、10,10A…製造装置、W…帯状ワーク、W1…ヨーク、W2…ティース、W3…凹溝(スロット)、C…クリアランス

Claims (6)

  1. 平面視が略櫛型の帯状に成形された鋼板からなるワークを巻き回しながら円筒状に積層することにより、モータのステータコアを形成するステータコアの製造装置であって、
    前記ステータコアの製造装置は、中央の固定部と、その外周の可動部とから構成される芯材を備えており、ワークが該可動部のまわりに巻き回された姿勢で、固定部に対して可動部を芯材の軸心方向に相対的に移動させることにより、次に巻き回されるワーク用のクリアランスが形成されるように構成されていることを特徴とするステータコアの製造装置。
  2. 前記ステータコアの製造装置は、ワークの巻き回しの際に該ワークの一側面を押圧することによってワークの巻き回しの際の波打ちを解消する押圧手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のステータコアの製造装置。
  3. 前記可動部が、送りねじ機構を構成するナットの移動に応じて移動することを特徴とする請求項1または2に記載のステータコアの製造装置。
  4. 巻き回されたワーク同士をかしめるためのかしめ手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のステータコアの製造装置。
  5. 巻き回されたワーク同士を溶着するための溶接手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のステータコアの製造装置。
  6. 平面視が略櫛型の帯状に成形された鋼板からなるワークを巻き回しながら円筒状に積層することによってモータのステータコアを形成するステータコアの製造方法において、該製造方法は、中央の固定部と、その外周の可動部とから構成される芯材を備えており、 ワークが該可動部のまわりに巻き回された姿勢で、固定部に対して可動部を芯材の軸心方向に相対的に移動させることにより、次に巻き回されるワーク用のクリアランスが形成されるように構成されている製造装置を使用してなるステータコアの製造方法であって、
    可動部を少なくともワークの厚さ分だけ固定部に対して相対的に移動させることによってクリアランスを形成し、該クリアランスにワークを巻き回し、クリアランスの形成と該クリアランスへのワークの巻き回しとを繰り返しながら所定長さの円筒状のステータコアを形成する第一の工程と、隣接するワーク間のかしめ、および/または溶着をおこなう第二の工程と、からなり、第一の工程と第二の工程を繰り返すことによってステータコアを形成することを特徴とするステータコアの製造方法。
JP2006018361A 2006-01-27 2006-01-27 ステータコアの製造装置および製造方法 Pending JP2007202315A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106411068A (zh) * 2016-12-23 2017-02-15 潘学勇 一种配电站电动机定子铁芯固定装置
CN106856364A (zh) * 2017-03-24 2017-06-16 常州神力电机股份有限公司 大功率风电电机定子铁芯叠压一体装置

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