JP2005027437A - ティース部の製造方法、ステータコアの製造方法、ティース部の製造装置、ステータコアの製造装置および電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻き回し時の櫛歯の変形を防止する。
【解決手段】S200にて、プレス機により、複数の櫛歯が連結部で連結された帯状体を打抜く。このとき連結部には、帯状体の幅方向において凹んだ凹部が形成される。また、後方チャックにより、帯状体が挟持される。S300にて、前方チャックにより帯状体が挟持され、この状態で、前方チャックがスライドし、連結部が引伸ばされる。これにより、連結部は、帯状体の幅方向において細くなるように加工される。S400にて、帯状体を巻き回し、積層してティース部を形成する。
【選択図】 図4
【解決手段】S200にて、プレス機により、複数の櫛歯が連結部で連結された帯状体を打抜く。このとき連結部には、帯状体の幅方向において凹んだ凹部が形成される。また、後方チャックにより、帯状体が挟持される。S300にて、前方チャックにより帯状体が挟持され、この状態で、前方チャックがスライドし、連結部が引伸ばされる。これにより、連結部は、帯状体の幅方向において細くなるように加工される。S400にて、帯状体を巻き回し、積層してティース部を形成する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ティース部の製造方法、ステータコアの製造方法、ティース部の製造装置、ステータコアの製造装置および電動機に関し、特に、複数の櫛歯が連結部により連結された帯状体を、巻き回して形成されるティース部の製造方法、ステータコアの製造方法、ティース部の製造装置、ステータコアの製造装置および電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電動機のステータコアの製造方法に関し、複数の櫛歯が連結部により連結された帯状体を螺旋状に巻き回して積層し、ステータコアを形成する技術が提案されている。しかしながら、このような製造方法においては、帯状の部材を巻き回して変形させるため、巻き回し時に櫛歯や連結部が変形したり、皺や亀裂が発生するおそれがある。そのため、この問題を解決したステータコアの製造方法が要求されている。
【0003】
特開平8−80014号公報(特許文献1)は、皺や亀裂の発生を防止し、櫛歯の位置ずれを防止することができるステータコアの製造方法を開示する。特許文献1に記載のステータコアの製造方法は、帯状の基部の一方に、長手方向に所定ピッチで櫛歯が配置された帯状材を複数回螺旋状に巻き回し、板厚方向に積層して電動機のステータコアを製造する方法である。帯状材の基部は、少なくとも一部が板厚方向に加圧され、帯状材の長手方向に、巻き回した時の曲率半径に応じて所定量伸延される。このとき、基部は櫛歯側の伸び量よりも、櫛歯の反対側の伸び量が大きくなるように伸延される。伸延された帯状材は、櫛歯が基部よりも内周側となるように、櫛歯の間の切り欠きに係合する凸部を有する巻き取り治具に螺旋状に巻き付けられる。
【0004】
この公報に記載の発明によれば、基部が基部は櫛歯側の伸び量よりも、櫛歯の反対側の伸び量が大きくなるように伸延されるため、巻き回される前に帯状材が平面的に湾曲する。このため、巻き回されるときには、帯状材はすでに湾曲しているため、皺および亀裂の発生を防止することができる。したがって、皺によって積層された帯状材の間に隙間ができ、磁気抵抗が増加することを防止することができる。また、亀裂による磁気抵抗の増加、および帯状材の破断も防止することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−80014号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に記載のステータコアの製造方法においては、帯状材を圧延して帯状材を伸ばして湾曲することにより、巻き回し時の皺や亀裂を防止してはいるが、圧延して帯状材を変形させて湾曲させることに変わりはない。したがって、帯状材を湾曲させる際に櫛歯側には圧縮応力がかかり、その圧縮応力により櫛歯が変形してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、櫛歯の変形を防止したティース部の製造方法、ステータコアの製造方法、ティース部の製造装置、ステータコアの製造装置および電動機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るティース部の製造方法は、モータのステ−タコアを構成するティース部の製造方法である。この製造方法は、複数の櫛歯が連結部で連結した帯状体を薄板から打抜く打抜きステップと、連結部の幅を細くする連結部加工ステップと、帯状体を巻き回してティース部を形成する巻き回しステップとを含む。
【0009】
第1の発明によると、打抜きステップにて薄板から打抜かれた帯状体の連結部が、連結部加工ステップにて、細くなるように加工される。これにより、帯状体の連結部が細く加工されて、連結部が曲がりやすくなり、帯状体を容易に巻き回すことができる。そのため、帯状体を巻き回す際には連結部が曲がりやすく、発生する応力が小さくなる。その結果、製造時の櫛歯を変形を防止した、ティース部の製造方法を提供することができる。
【0010】
第2の発明に係るティース部の製造方法においては、第1の発明の構成に加え、連結部加工ステップは、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、連結部を引き伸ばすステップを含む。
【0011】
第2の発明によると、連結部加工ステップにて、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、連結部が引き伸ばされる。これにより、たとえば、帯状体が巻き回される円周よりも、短い長さで帯状体を打抜き、その後に連結部を引き伸ばすことで、帯状体の長さを、巻き回される円周と一致させることができる。このため、帯状体を打抜く際の長さを、帯状体を巻き回す際の長さよりも短くし、帯状体を打抜くために必要な薄板の長さを抑制することができ、歩留り性を向上させることができる。
【0012】
第3の発明に係るティース部の製造方法においては、第1または第2の発明の構成に加え、打抜きステップは、連結部に、帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成する凹部形成ステップを含む。
【0013】
第3の発明によると、凹部形成ステップにて、連結部に、帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成する。これにより、帯状体を打抜く際に、連結部を細く形成することができ、帯状体をより曲がりやすくすることができる。しかも、打抜き時の連結部の幅が完成時よりも広くできることから、金型寿命をのばすことができ、連結部の仕上がり精度も高くできる。
【0014】
第4の発明に係るティース部の製造方法においては、第3の発明の構成に加え、凹部形成ステップは、凹部の角が曲線となるように凹部を形成するステップを含む。
【0015】
第4の発明によると、凹部の角が曲線となるように凹部が形成される。これにより、帯状体を巻き回す際に、凹部に応力が発生しても、その集中を緩和させ、凹部の角に亀裂が生じることを防止することができる。
【0016】
第5の発明に係るティース部の製造方法においては、第1ないし第4の発明の構成に加え、巻き回しステップは、櫛歯が連結部よりも半径方向で外方に位置するように、帯状体を巻き回すステップを含む。
【0017】
第5の発明によると、帯状体は、櫛歯が連結部よりも半径方向で外方に位置するように巻き回される。これにより、櫛歯が連結部よりも半径方向で内方に位置する場合に比べて、同じ径のステ−タ又はロータを形成する場合には、連結部が巻き回される半径が小さくなり、連結部がより小さい曲率で曲げられることとなる。しかしながら、このような場合であっても、帯状体の連結部が細くなるように加工されて、曲がりやすくなっているため、櫛歯にかかる応力が抑制され、変形を防止できる。
【0018】
第6の発明に係るステータコアの製造方法は、第1ないし第5のいずれかの発明によりティース部を製造するステップと、ティース部の外周部に接合されるヨーク部を製造するステップと、ティース部とヨーク部とを接合してステータコアを製造するステップとを含む。
【0019】
第6の発明によると、ヨーク部を、ティース部とは別に製造することができる。これにより、ティース部の影響を受けずに、ヨーク部を製造することができる。そのため、たとえば、ヨーク部の材料には、特定の方向に流れる磁束に対して鉄損の小さい磁化容易方向を持った方向性電磁鋼板を用い、ヨーク部の磁化容易方向が円周方向となるようにヨーク部を形成することができる。これにより、ヨーク部を流れる磁束の方向と、ヨーク部の磁化容易方向とが一致し、ヨーク部における鉄損を小さくすることができる。その結果、鉄損の少ないステータコアの製造方法を提供することができる。
【0020】
第7の発明に係るティース部の製造装置は、モータのステ−タコアを構成するティース部の製造装置である。この製造装置は、複数の櫛歯が連結部で連結した帯状体を薄板から打抜くための打抜き手段と、連結部の幅を細くするための連結部加工手段と、帯状体を巻き回してティース部を形成するための巻き回し手段とを含む。
【0021】
第7の発明によると、打抜き手段にて薄板から打抜かれた帯状体の連結部が、連結部加工手段にて、細くなるように加工される。これにより、帯状体の連結部が細く加工されて、連結部が曲がりやすくなり、帯状体を容易に巻き回すことができる。そのため、帯状体を巻き回す際には連結部が曲がりやすく、発生する応力が小さくなる。その結果、製造時の櫛歯を変形を防止した、ティース部の製造装置を提供することができる。
【0022】
第8の発明に係るティース部の製造装置においては、第7の発明の構成に加え、連結部加工手段は、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、連結部を引き伸ばすための手段を含む。
【0023】
第8の発明によると、連結部加工手段により、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、連結部が引き伸ばされる。これにより、たとえば、帯状体が巻き回される円周よりも、短い長さで帯状体を打抜き、その後に連結部を引き伸ばすことで、帯状体の長さを、巻き回される円周と一致させることができる。このため、帯状体を打抜く際の長さを、帯状体を巻き回す際の長さよりも短くし、帯状体を打抜くために必要な薄板の長さを抑制することができ、歩留り性を向上させることができる。
【0024】
第9の発明に係るティース部の製造装置においては、第7または第8の発明の構成に加え、打抜き手段は、連結部に、帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成するための凹部形成手段を含む。
【0025】
第9の発明によると、凹部形成手段により、連結部に、帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成する。これにより、帯状体を打抜く際に、連結部を細く形成することができ、帯状体をより曲がりやすくすることができる。
【0026】
第10の発明に係るティース部の製造装置においては、第9の発明の構成に加え、凹部形成手段は、凹部の角が曲線となるように凹部を形成するための手段を含む。
【0027】
第10の発明によると、凹部の角が曲線となるように凹部が形成される。これにより、帯状体を巻き回す際に、凹部に応力が発生しても、その集中を緩和させ、凹部の角に亀裂が生じることを防止することができる。
【0028】
第11の発明に係るティース部の製造装置は、第7ないし第10のいずれかの発明の構成に加え、巻き回し手段は、櫛歯が連結部よりも半径方向で外方に位置するように、帯状体を巻き回すための手段を含む。
【0029】
第11の発明によると、帯状体は、櫛歯が連結部よりも半径方向で外方に位置するように巻き回される。これにより、櫛歯が連結部よりも半径方向で内方に位置する場合に比べて、連結部が巻き回される半径が小さくなり、連結部がより小さい曲率で曲げられることとなる。しかしながら、このような場合であっても、帯状体の連結部が細くなるように加工されて、曲がりやすくなっているため、櫛歯にかかる応力が抑制され、変形を防止できる。
【0030】
第12の発明に係るステータコアの製造装置は、第7ないし第11のいずれかの発明によりティース部を製造するための手段と、ティース部の外周部に接合されるヨーク部を製造するための手段と、ティース部とヨーク部とを接合してステータコアを製造するための手段とを含む。
【0031】
第12の発明によると、ヨーク部を、ティース部とは別に製造することができる。これにより、ティース部の影響を受けずに、ヨーク部を製造することができる。そのため、たとえば、ヨーク部の材料には、特定の方向に流れる磁束に対して鉄損の小さい磁化容易方向を持った方向性電磁鋼板を用い、ヨーク部の磁化容易方向が円周方向となるようにヨーク部を形成することができる。これにより、ヨーク部を流れる磁束の方向と、ヨーク部の磁化容易方向とが一致し、ヨーク部における鉄損を小さくすることができる。その結果、鉄損の少ないステータコアの製造装置を提供することができる。
【0032】
第13の発明に係る電動機は、第6の発明により製造されたステータコアを含む。
【0033】
第13の発明によると、電動機は、第6の発明により製造されたステータコアを含んでいるため、櫛歯の変形を防止した、電動機を提供することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細の説明は繰返さない。
【0035】
図1を参照して、本実施の形態に係る電動機10は、円筒状のケース(図示せず)と、ケース(図示せず)の半径方向内方に収容されたステータコア20と、ステータコア20に巻き付けられたコイル30と、ステータコア20の半径方向内方側で回転するように設けられたロータ40とを含む。
【0036】
ステータコア20は、ティース部22と、ティース部22の外周部に接合した円筒状のヨーク部24とを含む。ティース部22と、ヨーク部24はそれぞれ別々に製造されている。ティース部22は、半径方向を指向して環状に配列された複数の櫛歯26と、隣合う櫛歯26の半径方向内端部を連結する連結部28とを含む。ヨーク部24は、櫛歯26の外端部と接合し、ティース部22を取囲んでいる。櫛歯26は、連結部28よりも半径方向で外方に位置しており、これらの櫛歯26のそれぞれに、コイル30が巻き付けられている。
【0037】
コイル30に電流を流すと、ステータコア20に磁束が流れる。ステータコア20を流れる磁束は、図1中の矢印で示すように、ティース部22においては半径方向に、ヨーク部24においては円周方向に流れる。ここで、ヨーク部24の材料には、方向性電磁鋼板が用いられている。方向性電磁鋼板は、特定の方向に流れる磁束に対して鉄損の小さい磁化容易方向を有する。ヨーク部24は、方向性電磁鋼板を用いることで、磁化容易方向が円周方向を指向するように形成される。すなわち、ヨーク部24を流れる磁束の方向と、磁化容易方向が一致している。これにより、ヨーク部24の鉄損を小さくし、ステータコア10全体としての鉄損を小さくできる。
【0038】
なお、方向性電磁鋼板を用いて、ヨーク部24の磁化容易方向を所望の方向を指向するように形成するには、周知の技術を用いればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。また、別々に形成されたティース部22と、ヨーク部24とを接合し、ステータコア20を形成するには、周知の技術を用いればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0039】
ロータ40は、シャフト42と、ロータ40の外周部に沿って環状に配列された複数の永久磁石44と、ロータ40の両端に設けられたエンドプレート46とを含む。永久磁石44は、ステータコア20を流れる磁束により櫛歯26側に引き寄せられる。これにより、ロータ40がシャフト42を中心に回転する。
【0040】
図2および図3を参照して、本実施の形態に係る電動機10のティース部22の製造装置について説明する。
【0041】
図2に示すように、ティース部22の製造装置は、電磁鋼板100をプレスし帯状体300を打抜くプレス機210と、帯状体300を引伸ばす引張機220と、帯状体300を巻き回して回転軸方向に積層する巻き回し機230とを含む。
【0042】
プレス機210は、パンチ212により電磁鋼板100をプレスし、複数の櫛歯26が連結部28で連結された帯状体300を打抜く。このとき、図2(B)に示すように、プレス機210は、帯状体300を打抜く際、帯状体300における幅方向に凹み、曲線状の角部28Bを備えた凹部28Aを、連結部28に形成する。なお、本実施の形態においては、帯状体300とは、プレス機210により打抜かれた後であって、巻き回し機230に巻き回される前の帯状の部材を指す。
【0043】
図2(A)に戻り、引張機220は、帯状体300を挟持する後方チャック222と前方チャック224とを含む。後方チャック222と前方チャック224とで、帯状体300の櫛歯26を挟持した状態で、前方チャック224は、帯状体300の送り方向にスライドする。これにより、図3に示すように、連結部28が帯状体300の長手方向に引き伸ばされ、隣合う櫛歯26の間隔が広がる。このとき、連結部28は帯状体300の幅方向において細くなる。このように、打抜かれた後の帯状体300を引伸ばし、帯状体300を所望の長さにすることで、帯状体300を打抜く際の長さを、帯状体300を巻き回す際の長さより短くすることができる。そのため、帯状体300を打抜くために必要な電磁鋼板100の長さを抑制することができる。
【0044】
巻き回し機230は、図3に示すように、櫛歯26が連結部28よりも半径方向で外方に位置するように、帯状体22を巻き回してティース部22を形成する。このとき、連結部28には凹部28Aが設けられており、この凹部28Aにより、連結部28は帯状体300の幅方向において細くなっている。さらに、連結部28は引伸ばされ、帯状体300の幅方向において細くなるように加工されている。このため、帯状体300は連結部28で曲がりやすくなっている。その結果、帯状体300を巻き回す際は、帯状体300は連結部28で曲がりやすく、発生する応力が小さくなり、櫛歯26にかかる応力を抑制することができる。また、凹部28Aの角部28Bは曲線状であるため、帯状体300を巻き回す際に凹部28Aに応力が発生しても、角部28Bに応力が集中することがない。そのため、角部28Bに亀裂が発生することを防止できる。
【0045】
図4を参照して、本実施の形態に係る電動機10のステータコア20の製造方法について、フローチャートを用いて説明する。
【0046】
ステップ200(以下、ステップをSと略す)にて、電磁鋼板100がプレス機210によりプレスされ、帯状体300が打抜かれる。このとき、プレスと同時に、後方チャック222が帯状体300を上下から挟みつける。
【0047】
S300にて、前方チャック224が帯状体300を上下から挟みつけ、帯状体300の送り方向にスライドする。これにより、連結部28が、帯状体300の長手方向に引き伸ばされるとともに、帯状体300における幅方向に細くされる。
【0048】
S400にて、帯状体300が巻取り機230により、螺旋状に巻き取られ、積層される。これによりティース部22が形成される。
【0049】
S500にて、ヨーク部24が形成される。なお、ヨーク部24を形成する装置、および方法については、周知の技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0050】
S600にて、ティース部22と、ヨーク部24とが接合され、ステータコア20が形成される。なお、ティース部22と、ヨーク部24とを接合する装置、および方法については、周知の技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0051】
以上のように、本実施の形態に係る電動機10においては、電磁鋼板100から帯状体300を打抜く時、連結部28に凹部28Aが形成される(S200)。この凹部28Aにより、連結部28は帯状体の幅方向において細くなっている。さらに、連結部28は引伸ばされ、帯状体の幅方向において細くなるように加工され(S300)、連結部28が曲がりやすくなる。このため、帯状体300を巻き回す際(S400)は、帯状体300は連結部28で曲がることとなり、櫛歯26にかかる応力を抑制することができる。その結果、櫛歯26の変形を防止して、ティース部22を形成することができる。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る電動機を示す図である。
【図2】ティース部の製造装置を示す図である。
【図3】ティース部の製造装置を示す図である。
【図4】ステータコアの製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 電動機、20 ステータコア、22 ティース部、24 ヨーク部、26 櫛歯、28 連結部、28A 凹部、28B 角部、100 電磁鋼板、210 プレス機、212 パンチ、220 引伸ばし機、222 後方チャック、224 前方チャック、230 巻き回し機、300 帯状体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ティース部の製造方法、ステータコアの製造方法、ティース部の製造装置、ステータコアの製造装置および電動機に関し、特に、複数の櫛歯が連結部により連結された帯状体を、巻き回して形成されるティース部の製造方法、ステータコアの製造方法、ティース部の製造装置、ステータコアの製造装置および電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電動機のステータコアの製造方法に関し、複数の櫛歯が連結部により連結された帯状体を螺旋状に巻き回して積層し、ステータコアを形成する技術が提案されている。しかしながら、このような製造方法においては、帯状の部材を巻き回して変形させるため、巻き回し時に櫛歯や連結部が変形したり、皺や亀裂が発生するおそれがある。そのため、この問題を解決したステータコアの製造方法が要求されている。
【0003】
特開平8−80014号公報(特許文献1)は、皺や亀裂の発生を防止し、櫛歯の位置ずれを防止することができるステータコアの製造方法を開示する。特許文献1に記載のステータコアの製造方法は、帯状の基部の一方に、長手方向に所定ピッチで櫛歯が配置された帯状材を複数回螺旋状に巻き回し、板厚方向に積層して電動機のステータコアを製造する方法である。帯状材の基部は、少なくとも一部が板厚方向に加圧され、帯状材の長手方向に、巻き回した時の曲率半径に応じて所定量伸延される。このとき、基部は櫛歯側の伸び量よりも、櫛歯の反対側の伸び量が大きくなるように伸延される。伸延された帯状材は、櫛歯が基部よりも内周側となるように、櫛歯の間の切り欠きに係合する凸部を有する巻き取り治具に螺旋状に巻き付けられる。
【0004】
この公報に記載の発明によれば、基部が基部は櫛歯側の伸び量よりも、櫛歯の反対側の伸び量が大きくなるように伸延されるため、巻き回される前に帯状材が平面的に湾曲する。このため、巻き回されるときには、帯状材はすでに湾曲しているため、皺および亀裂の発生を防止することができる。したがって、皺によって積層された帯状材の間に隙間ができ、磁気抵抗が増加することを防止することができる。また、亀裂による磁気抵抗の増加、および帯状材の破断も防止することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−80014号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に記載のステータコアの製造方法においては、帯状材を圧延して帯状材を伸ばして湾曲することにより、巻き回し時の皺や亀裂を防止してはいるが、圧延して帯状材を変形させて湾曲させることに変わりはない。したがって、帯状材を湾曲させる際に櫛歯側には圧縮応力がかかり、その圧縮応力により櫛歯が変形してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、櫛歯の変形を防止したティース部の製造方法、ステータコアの製造方法、ティース部の製造装置、ステータコアの製造装置および電動機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るティース部の製造方法は、モータのステ−タコアを構成するティース部の製造方法である。この製造方法は、複数の櫛歯が連結部で連結した帯状体を薄板から打抜く打抜きステップと、連結部の幅を細くする連結部加工ステップと、帯状体を巻き回してティース部を形成する巻き回しステップとを含む。
【0009】
第1の発明によると、打抜きステップにて薄板から打抜かれた帯状体の連結部が、連結部加工ステップにて、細くなるように加工される。これにより、帯状体の連結部が細く加工されて、連結部が曲がりやすくなり、帯状体を容易に巻き回すことができる。そのため、帯状体を巻き回す際には連結部が曲がりやすく、発生する応力が小さくなる。その結果、製造時の櫛歯を変形を防止した、ティース部の製造方法を提供することができる。
【0010】
第2の発明に係るティース部の製造方法においては、第1の発明の構成に加え、連結部加工ステップは、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、連結部を引き伸ばすステップを含む。
【0011】
第2の発明によると、連結部加工ステップにて、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、連結部が引き伸ばされる。これにより、たとえば、帯状体が巻き回される円周よりも、短い長さで帯状体を打抜き、その後に連結部を引き伸ばすことで、帯状体の長さを、巻き回される円周と一致させることができる。このため、帯状体を打抜く際の長さを、帯状体を巻き回す際の長さよりも短くし、帯状体を打抜くために必要な薄板の長さを抑制することができ、歩留り性を向上させることができる。
【0012】
第3の発明に係るティース部の製造方法においては、第1または第2の発明の構成に加え、打抜きステップは、連結部に、帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成する凹部形成ステップを含む。
【0013】
第3の発明によると、凹部形成ステップにて、連結部に、帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成する。これにより、帯状体を打抜く際に、連結部を細く形成することができ、帯状体をより曲がりやすくすることができる。しかも、打抜き時の連結部の幅が完成時よりも広くできることから、金型寿命をのばすことができ、連結部の仕上がり精度も高くできる。
【0014】
第4の発明に係るティース部の製造方法においては、第3の発明の構成に加え、凹部形成ステップは、凹部の角が曲線となるように凹部を形成するステップを含む。
【0015】
第4の発明によると、凹部の角が曲線となるように凹部が形成される。これにより、帯状体を巻き回す際に、凹部に応力が発生しても、その集中を緩和させ、凹部の角に亀裂が生じることを防止することができる。
【0016】
第5の発明に係るティース部の製造方法においては、第1ないし第4の発明の構成に加え、巻き回しステップは、櫛歯が連結部よりも半径方向で外方に位置するように、帯状体を巻き回すステップを含む。
【0017】
第5の発明によると、帯状体は、櫛歯が連結部よりも半径方向で外方に位置するように巻き回される。これにより、櫛歯が連結部よりも半径方向で内方に位置する場合に比べて、同じ径のステ−タ又はロータを形成する場合には、連結部が巻き回される半径が小さくなり、連結部がより小さい曲率で曲げられることとなる。しかしながら、このような場合であっても、帯状体の連結部が細くなるように加工されて、曲がりやすくなっているため、櫛歯にかかる応力が抑制され、変形を防止できる。
【0018】
第6の発明に係るステータコアの製造方法は、第1ないし第5のいずれかの発明によりティース部を製造するステップと、ティース部の外周部に接合されるヨーク部を製造するステップと、ティース部とヨーク部とを接合してステータコアを製造するステップとを含む。
【0019】
第6の発明によると、ヨーク部を、ティース部とは別に製造することができる。これにより、ティース部の影響を受けずに、ヨーク部を製造することができる。そのため、たとえば、ヨーク部の材料には、特定の方向に流れる磁束に対して鉄損の小さい磁化容易方向を持った方向性電磁鋼板を用い、ヨーク部の磁化容易方向が円周方向となるようにヨーク部を形成することができる。これにより、ヨーク部を流れる磁束の方向と、ヨーク部の磁化容易方向とが一致し、ヨーク部における鉄損を小さくすることができる。その結果、鉄損の少ないステータコアの製造方法を提供することができる。
【0020】
第7の発明に係るティース部の製造装置は、モータのステ−タコアを構成するティース部の製造装置である。この製造装置は、複数の櫛歯が連結部で連結した帯状体を薄板から打抜くための打抜き手段と、連結部の幅を細くするための連結部加工手段と、帯状体を巻き回してティース部を形成するための巻き回し手段とを含む。
【0021】
第7の発明によると、打抜き手段にて薄板から打抜かれた帯状体の連結部が、連結部加工手段にて、細くなるように加工される。これにより、帯状体の連結部が細く加工されて、連結部が曲がりやすくなり、帯状体を容易に巻き回すことができる。そのため、帯状体を巻き回す際には連結部が曲がりやすく、発生する応力が小さくなる。その結果、製造時の櫛歯を変形を防止した、ティース部の製造装置を提供することができる。
【0022】
第8の発明に係るティース部の製造装置においては、第7の発明の構成に加え、連結部加工手段は、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、連結部を引き伸ばすための手段を含む。
【0023】
第8の発明によると、連結部加工手段により、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、連結部が引き伸ばされる。これにより、たとえば、帯状体が巻き回される円周よりも、短い長さで帯状体を打抜き、その後に連結部を引き伸ばすことで、帯状体の長さを、巻き回される円周と一致させることができる。このため、帯状体を打抜く際の長さを、帯状体を巻き回す際の長さよりも短くし、帯状体を打抜くために必要な薄板の長さを抑制することができ、歩留り性を向上させることができる。
【0024】
第9の発明に係るティース部の製造装置においては、第7または第8の発明の構成に加え、打抜き手段は、連結部に、帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成するための凹部形成手段を含む。
【0025】
第9の発明によると、凹部形成手段により、連結部に、帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成する。これにより、帯状体を打抜く際に、連結部を細く形成することができ、帯状体をより曲がりやすくすることができる。
【0026】
第10の発明に係るティース部の製造装置においては、第9の発明の構成に加え、凹部形成手段は、凹部の角が曲線となるように凹部を形成するための手段を含む。
【0027】
第10の発明によると、凹部の角が曲線となるように凹部が形成される。これにより、帯状体を巻き回す際に、凹部に応力が発生しても、その集中を緩和させ、凹部の角に亀裂が生じることを防止することができる。
【0028】
第11の発明に係るティース部の製造装置は、第7ないし第10のいずれかの発明の構成に加え、巻き回し手段は、櫛歯が連結部よりも半径方向で外方に位置するように、帯状体を巻き回すための手段を含む。
【0029】
第11の発明によると、帯状体は、櫛歯が連結部よりも半径方向で外方に位置するように巻き回される。これにより、櫛歯が連結部よりも半径方向で内方に位置する場合に比べて、連結部が巻き回される半径が小さくなり、連結部がより小さい曲率で曲げられることとなる。しかしながら、このような場合であっても、帯状体の連結部が細くなるように加工されて、曲がりやすくなっているため、櫛歯にかかる応力が抑制され、変形を防止できる。
【0030】
第12の発明に係るステータコアの製造装置は、第7ないし第11のいずれかの発明によりティース部を製造するための手段と、ティース部の外周部に接合されるヨーク部を製造するための手段と、ティース部とヨーク部とを接合してステータコアを製造するための手段とを含む。
【0031】
第12の発明によると、ヨーク部を、ティース部とは別に製造することができる。これにより、ティース部の影響を受けずに、ヨーク部を製造することができる。そのため、たとえば、ヨーク部の材料には、特定の方向に流れる磁束に対して鉄損の小さい磁化容易方向を持った方向性電磁鋼板を用い、ヨーク部の磁化容易方向が円周方向となるようにヨーク部を形成することができる。これにより、ヨーク部を流れる磁束の方向と、ヨーク部の磁化容易方向とが一致し、ヨーク部における鉄損を小さくすることができる。その結果、鉄損の少ないステータコアの製造装置を提供することができる。
【0032】
第13の発明に係る電動機は、第6の発明により製造されたステータコアを含む。
【0033】
第13の発明によると、電動機は、第6の発明により製造されたステータコアを含んでいるため、櫛歯の変形を防止した、電動機を提供することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細の説明は繰返さない。
【0035】
図1を参照して、本実施の形態に係る電動機10は、円筒状のケース(図示せず)と、ケース(図示せず)の半径方向内方に収容されたステータコア20と、ステータコア20に巻き付けられたコイル30と、ステータコア20の半径方向内方側で回転するように設けられたロータ40とを含む。
【0036】
ステータコア20は、ティース部22と、ティース部22の外周部に接合した円筒状のヨーク部24とを含む。ティース部22と、ヨーク部24はそれぞれ別々に製造されている。ティース部22は、半径方向を指向して環状に配列された複数の櫛歯26と、隣合う櫛歯26の半径方向内端部を連結する連結部28とを含む。ヨーク部24は、櫛歯26の外端部と接合し、ティース部22を取囲んでいる。櫛歯26は、連結部28よりも半径方向で外方に位置しており、これらの櫛歯26のそれぞれに、コイル30が巻き付けられている。
【0037】
コイル30に電流を流すと、ステータコア20に磁束が流れる。ステータコア20を流れる磁束は、図1中の矢印で示すように、ティース部22においては半径方向に、ヨーク部24においては円周方向に流れる。ここで、ヨーク部24の材料には、方向性電磁鋼板が用いられている。方向性電磁鋼板は、特定の方向に流れる磁束に対して鉄損の小さい磁化容易方向を有する。ヨーク部24は、方向性電磁鋼板を用いることで、磁化容易方向が円周方向を指向するように形成される。すなわち、ヨーク部24を流れる磁束の方向と、磁化容易方向が一致している。これにより、ヨーク部24の鉄損を小さくし、ステータコア10全体としての鉄損を小さくできる。
【0038】
なお、方向性電磁鋼板を用いて、ヨーク部24の磁化容易方向を所望の方向を指向するように形成するには、周知の技術を用いればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。また、別々に形成されたティース部22と、ヨーク部24とを接合し、ステータコア20を形成するには、周知の技術を用いればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0039】
ロータ40は、シャフト42と、ロータ40の外周部に沿って環状に配列された複数の永久磁石44と、ロータ40の両端に設けられたエンドプレート46とを含む。永久磁石44は、ステータコア20を流れる磁束により櫛歯26側に引き寄せられる。これにより、ロータ40がシャフト42を中心に回転する。
【0040】
図2および図3を参照して、本実施の形態に係る電動機10のティース部22の製造装置について説明する。
【0041】
図2に示すように、ティース部22の製造装置は、電磁鋼板100をプレスし帯状体300を打抜くプレス機210と、帯状体300を引伸ばす引張機220と、帯状体300を巻き回して回転軸方向に積層する巻き回し機230とを含む。
【0042】
プレス機210は、パンチ212により電磁鋼板100をプレスし、複数の櫛歯26が連結部28で連結された帯状体300を打抜く。このとき、図2(B)に示すように、プレス機210は、帯状体300を打抜く際、帯状体300における幅方向に凹み、曲線状の角部28Bを備えた凹部28Aを、連結部28に形成する。なお、本実施の形態においては、帯状体300とは、プレス機210により打抜かれた後であって、巻き回し機230に巻き回される前の帯状の部材を指す。
【0043】
図2(A)に戻り、引張機220は、帯状体300を挟持する後方チャック222と前方チャック224とを含む。後方チャック222と前方チャック224とで、帯状体300の櫛歯26を挟持した状態で、前方チャック224は、帯状体300の送り方向にスライドする。これにより、図3に示すように、連結部28が帯状体300の長手方向に引き伸ばされ、隣合う櫛歯26の間隔が広がる。このとき、連結部28は帯状体300の幅方向において細くなる。このように、打抜かれた後の帯状体300を引伸ばし、帯状体300を所望の長さにすることで、帯状体300を打抜く際の長さを、帯状体300を巻き回す際の長さより短くすることができる。そのため、帯状体300を打抜くために必要な電磁鋼板100の長さを抑制することができる。
【0044】
巻き回し機230は、図3に示すように、櫛歯26が連結部28よりも半径方向で外方に位置するように、帯状体22を巻き回してティース部22を形成する。このとき、連結部28には凹部28Aが設けられており、この凹部28Aにより、連結部28は帯状体300の幅方向において細くなっている。さらに、連結部28は引伸ばされ、帯状体300の幅方向において細くなるように加工されている。このため、帯状体300は連結部28で曲がりやすくなっている。その結果、帯状体300を巻き回す際は、帯状体300は連結部28で曲がりやすく、発生する応力が小さくなり、櫛歯26にかかる応力を抑制することができる。また、凹部28Aの角部28Bは曲線状であるため、帯状体300を巻き回す際に凹部28Aに応力が発生しても、角部28Bに応力が集中することがない。そのため、角部28Bに亀裂が発生することを防止できる。
【0045】
図4を参照して、本実施の形態に係る電動機10のステータコア20の製造方法について、フローチャートを用いて説明する。
【0046】
ステップ200(以下、ステップをSと略す)にて、電磁鋼板100がプレス機210によりプレスされ、帯状体300が打抜かれる。このとき、プレスと同時に、後方チャック222が帯状体300を上下から挟みつける。
【0047】
S300にて、前方チャック224が帯状体300を上下から挟みつけ、帯状体300の送り方向にスライドする。これにより、連結部28が、帯状体300の長手方向に引き伸ばされるとともに、帯状体300における幅方向に細くされる。
【0048】
S400にて、帯状体300が巻取り機230により、螺旋状に巻き取られ、積層される。これによりティース部22が形成される。
【0049】
S500にて、ヨーク部24が形成される。なお、ヨーク部24を形成する装置、および方法については、周知の技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0050】
S600にて、ティース部22と、ヨーク部24とが接合され、ステータコア20が形成される。なお、ティース部22と、ヨーク部24とを接合する装置、および方法については、周知の技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0051】
以上のように、本実施の形態に係る電動機10においては、電磁鋼板100から帯状体300を打抜く時、連結部28に凹部28Aが形成される(S200)。この凹部28Aにより、連結部28は帯状体の幅方向において細くなっている。さらに、連結部28は引伸ばされ、帯状体の幅方向において細くなるように加工され(S300)、連結部28が曲がりやすくなる。このため、帯状体300を巻き回す際(S400)は、帯状体300は連結部28で曲がることとなり、櫛歯26にかかる応力を抑制することができる。その結果、櫛歯26の変形を防止して、ティース部22を形成することができる。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る電動機を示す図である。
【図2】ティース部の製造装置を示す図である。
【図3】ティース部の製造装置を示す図である。
【図4】ステータコアの製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 電動機、20 ステータコア、22 ティース部、24 ヨーク部、26 櫛歯、28 連結部、28A 凹部、28B 角部、100 電磁鋼板、210 プレス機、212 パンチ、220 引伸ばし機、222 後方チャック、224 前方チャック、230 巻き回し機、300 帯状体。
Claims (13)
- モータのステータコアを構成するティース部の製造方法であって、
複数の櫛歯が連結部で連結した帯状体を薄板から打抜く打抜きステップと、
前記連結部の幅を細くする連結部加工ステップと、
前記帯状体を巻き回してティース部を形成する巻き回しステップとを含む、ティース部の製造方法。 - 前記連結部加工ステップは、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、前記連結部を引き伸ばすステップを含む、請求項1に記載のティース部の製造方法。
- 前記打抜きステップは、前記連結部に、前記帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成する凹部形成ステップを含む、請求項1または2に記載のティース部の製造方法。
- 凹部形成ステップは、前記凹部の角が曲線となるように前記凹部を形成するステップを含む、請求項3に記載のティース部の製造方法。
- 前記巻き回しステップは、前記櫛歯が前記連結部よりも半径方向で外方に位置するように、前記帯状体を巻き回すステップを含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のティース部の製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の製造方法によりティース部を製造するステップと、
前記ティース部の外周部に接合されるヨーク部を製造するステップと、
前記ティース部と前記ヨーク部とを接合してステータコアを製造するステップとを含む、ステータコアの製造方法。 - モータのステータコアを構成するティース部の製造装置であって、
複数の櫛歯が連結部で連結した帯状体を薄板から打抜くための打抜き手段と、
前記連結部の幅を細くするための連結部加工手段と、
前記帯状体を巻き回してティース部を形成するための巻き回し手段とを含む、ティース部の製造装置。 - 前記連結部加工手段は、隣合う櫛歯の間隔を広げるように、前記連結部を引き伸ばすための手段を含む、請求項7に記載のティース部の製造装置。
- 前記打抜き手段は、前記連結部に、前記帯状体における幅方向に凹んだ凹部を形成するための凹部形成手段を含む、請求項7または8に記載のティース部の製造装置。
- 凹部形成手段は、前記凹部の角が曲線となるように前記凹部を形成するための手段を含む、請求項9に記載のティース部の製造装置。
- 前記巻き回し手段は、前記櫛歯が前記連結部よりも半径方向で外方に位置するように、前記帯状体を巻き回すための手段を含む、請求項7ないし10のいずれかに記載のティース部の製造装置。
- 請求項7ないし11のいずれかに記載の製造装置によりティース部を製造するための手段と、
前記ティース部の外周部に接合されるヨーク部を製造するための手段と、
前記ティース部と前記ヨーク部とを接合してステータコアを製造するための手段とを含む、ステータコアの製造装置。 - 請求項6に記載のステータコアの製造方法により製造されたステータコアを含む、電動機。
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