JP6102779B2 - 回転電機の固定子鉄心 - Google Patents

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本発明は、回転電機の固定子鉄心、とりわけ、自動車用交流発電機の固定子に好適な積層コア型の固定子鉄心に関する。
〔従来の技術〕
従来より積層コア型の固定子鉄心としては種々の構成のものが実用に供されているが、近年においては廃材が少なく材料歩留りが良いとの理由で、巻鉄心タイプが賞用されている。この巻鉄心タイプは、例えば、片側にティース部およびスロット部を打抜き形成した帯状のコアシートを、一枚づつ環状に丸めて複数枚円筒状に積層するか、或いは連続的に螺旋状(ヘリカル)に巻取りながら円筒状に複数層にわたって巻回積層することによって、積層コア型とするものである(例えば、特許文献1、2参照)。
さらに、この種の巻鉄心においては、付加的な機能構成として、図8に示すように、ヨーク部130に対し、軸方向の全領域にわたって、その外周面から内径方向に向かって凹む切欠き溝140が設けられている。なお、図8において、130Aは圧延されない板厚のままの領域(厚肉部)、130Bは圧延により板厚が薄くなった領域(薄肉部)、130Cは両領域の境界線を示している。
この切欠き溝140は、半円形状を呈していて、積層コア1固定用の構成要素をなすものである。つまり、例えば、積層コア1の各層を軸方向に固着して一体化するために、リベットや楔を嵌着するための溝(特許文献1参照)や、溶接するための溝(特許文献2参照)、或いは、積層コア1をハウジングに固定するための締付部材を挿通させるための溝(本願の図8参照)等として活用されている。
〔従来技術の問題点〕
ところで、自動車用交流発電機のごとく搭載上の制約が厳しい回転電機においては、毎年毎年より一層の小型化・高性能化が希求されており、とりわけ、固定子側の課題としては、積層コア型の特質を最大限に活かしながら如何にして固定子鉄心の小型化・高性能化を図っていくかが当業者の共通の命題である。
本発明者は、かかる命題に応えるべく、固定子鉄心の更なる小型化・高性能化の向上を目指し、数多の実験・研究を重ねて改良品を創案してきたが、このたび固定子鉄心の巻回状態を精査したところ、次のような問題点が内在していることを突き止めた。
(1)固定子鉄心の各巻きは、帯状のコアシートをティース部およびスロット部が内周側になるようにして環状に丸めることで形成されるものであり、外周側に設けられる切欠き溝はスロット部と協調して曲げやすさにも貢献しているものと考えられてきた。
(2)ところが、製品をつぶさに観察したところ、意外にも、切欠き溝のところで異常な変形・伸び等が生じ、積層コア(固定子鉄心)の真円度やスロット部の溝幅・配列位置(ピッチ)等に支障を来たす虞があり、固定子鉄心の一層の小型化・高性能化を阻害する一因であることが判明した。
(3)かかる問題点について、図9を参照しながら以下に概説する。
コアシート101を円滑に丸めるためには、例えば、外周側(ヨーク部130)を上下一対の圧延ローラRL(通常シリンダ定圧式のもの)によって板厚方向に加圧(圧延)して周方向長を伸長させながら行う手法(巻回助長効能が得られる)が採用される。これにより、コアシート101は、図9(a)に示す切欠き溝140直前の状態から、図9(b)、(c)に示すごとく圧延が進行していくにつれて、切欠き溝140のところが半円形状に沿って順次圧延されていくことになる。
なお、図9中の上図は下図のX−Xに沿った断面を示すものであり、下図において、t(t0、t1、t2)は説明の都合上のサンプリングポイントで、一対の圧延ローラRLのローラ間距離が最小値になる点を示しており、圧延成形領域は、ポイントtを境にして、図示左側が「圧延済」、図示左側が圧延途上もしくはそれに準ずる「圧延中」の領域を示している(後述する図4、6も同じ)。
上記の圧延過程を工程順にしたがって補足説明すると、まず、図9(a)に示すごとく、切欠き溝140の直前までの圧延成形領域では圧延面積が一定で圧下量も一定(したがって所定の伸び量α)である。続いて圧延が進行し、圧延成形領域が切欠き溝140の領域に差し掛かると、切欠き溝140の形状にしたがって圧延面積が漸減していく。そのため、ポイントt=t0から図9(b)に示すポイントt=t1に至ると、一対の圧延ローラRLが所定位置(二点鎖線位置)から実線位置へと移動(ローラ間ギャップが縮小)し、圧下量が増加していくことにより、上記伸び量αに比して大きな伸び量βを呈することになる。さらに、次の圧延成形領域では、切欠き溝140の特に溝底面141付近が主体となるため、ポイントt=t1から図9(c)に示すポイントt=t2に至ると、一対の圧延ローラRLが所定位置から実線位置へと大きく移動(ローラ間ギャップがさらに縮小)し、圧下量がさらに増加していくことによって、上記伸び量βよりさらに大きな伸び量γを呈することになる。
上述のごとく、圧延工程が切欠き溝140の領域に至ると、圧延面積が漸減した後漸増し、溝底面141の円周方向中心位置(最深部)付近で圧延面積が最小、加圧力が最大(圧下量増加)となるため、この切欠き溝領域では円周方向への伸びがその周辺に比して極端に大きくなる(β+γ)。このように圧延面積の減少によるローラ荷重集中現象に起因して、コアシート101が不規則に伸びることで、コア曲率の歪み(いびつな変形)が生じ、コア内外径の真円度が悪化するとともに、コア内径側に配列するスロット部の溝幅やその配列位置(ピッチ)にバラツキを招くことが分かった。
(4)また、切欠き溝140は、ヨーク部130を有効活用してコア外径を大きくすることなく積層コア固定用の構成要素を構築できるため、今や必須の構成要素であり、かかる切欠き溝140を積極的に採用しながら固定子鉄心の一層の小型化・高性能化を図る手段が待望される。
特開昭62−244248号公報 特開2012−182914号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、切欠き溝の形状を工夫することで、切欠き溝のところで異常な伸び・変形等が生じるのを防ぎ、積層コアの所望の真円度やスロット部の適正な配置等を確保して固定子の小型・高性能化に資する固定子鉄心を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明(回転電機の固定子鉄心)は、鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシートを用い、内周側に固定子コイルを巻装するためのティース部およびスロット部を有するとともに、外周側にヨーク部を有する円筒状の積層コアからなる基本構成を備えている。そして、ヨーク部には、積層コア固定用の構成要素として、外周面から内径方向に向かって凹む特殊な形状の切欠き溝を設けている。
この切欠き溝は、全体として矩形状を呈していて、円周方向に沿って外径方向に膨らむ円弧状をなす底面と、この底面の両端部分に形成された一対の面取りと、この一対の面取りから外径方向に向かって延び開口部を形成する一対の側面とで構成されており、側面には、切欠き溝の円周方向の幅を狭める逆テーパ形状をなす逆テーパ面が形成されていることを特徴としている。
上記構成の本発明によれば、切欠き溝の底面が円周方向に沿って外径方向に膨らむ円弧状をなしているため、この切欠き溝の領域を限りなく無圧延領域に近づけて実質的に所定の伸び量以下となるようにすることで、切欠き溝のところで異常な伸び・変形等が生じるのを防ぐことができる。よって、積層コアの所望の真円度やスロット部の適正な配置等を確保して固定子の小型・高性能化に資する固定子鉄心を提供することができる。
なお、ヨーク部の外周側に切欠き溝を設けているため、従前通り、ヨーク部を有効活用してコア外径を大きくすることなく積層コア固定用の構成要素を構築することができることは勿論である。
また、本発明の切欠き溝形状によれば、廃材(切欠き溝の残材=カス)が逆テーパによる一種の鳩尾形状をなしているため、廃材自体が同形状をなすプレス抜き型のダイ穴より浮き上がる(所謂カス上がりが発生する)のを防ぐことができる。よって、コアシートとパンチとダイとの間に廃材が挟み込まれることによる諸問題を解消し、コアシートの品質向上やコアシートの製作速度(打抜き速度)の高速化を図ることができる。
さらに、本発明の切欠き溝は、逆テーパ形状を底面側に形成しているため、底面の円周方向長を長くしてそれだけ無圧延領域を拡大できる効果があり、加えて、開口部側がすぼまるため、ヨーク部の外周側の円周方向長を長くして有効磁路面積の確保を助長できる効果がある。
本発明の固定子鉄心を適用する自動車用交流発電機を模式的に示すもので、(a)は交流発電機の全体構成を示す上半部分の断面図、(b)は固定子鉄心単体の形態を示す上半部分の正面図である(実施例1)。 上記固定子鉄心の基本構成およびその製作過程の説明に供するもので、(a)、(b)はコアシート作製工程で得られる帯状コアシートの平面図およびA−A断面図、(c)、(d)は巻回工程で得られる帯状コアシートの平面図およびB−B断面図、(e)は積層コアの斜視図である(実施例1)。 本発明を適用した固定子鉄心の第1実施形態の説明に供するもので、切欠き溝の構成を示す主要部の模式的拡大図である(実施例1)。 上記固定子鉄心の機能説明に供するもので、(a)、(b)、(c)は圧延過程における工程順の状態を示す切欠き溝周辺の模式的展開図である(実施例1)。 本発明を適用した固定子鉄心の第2実施形態の説明に供するもので、切欠き溝の構成を示す主要部の模式的拡大図である(実施例2)。 上記固定子鉄心の機能説明に供するもので、(a)、(b)は圧延過程における工程順の状態を示す模式的展開図である(実施例2)。 本発明を適用した固定子鉄心の第3実施形態の説明に供するもので、(a)、(b)はコアシート巻回工程での過程説明に供するモデル図、(c)は切欠き溝の構成を示す主要部の模式的拡大図である(実施例3)。 従来の回転電機の固定子鉄心における切欠き溝構造を示す模式的拡大図である(従来技術)。 従来の回転電機の固定子鉄心の説明に供するもので、(a)、(b)、(c)は圧延過程における工程順の状態を示す切欠き溝周辺の模式的展開図である(従来技術)。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す3つの実施例に従って詳細に説明する。
各実施例は、本発明を適用する固定子鉄心の代表例として、自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心を示している。以下の説明では、まず、自動車用交流発電機の基本構成を概説する。そして、本発明の各実施例における特徴点および本発明の基本的機能について順次説明し、最後に本発明の特徴点ごとの作用効果を要約列挙する。
なお、各実施例において、同一または均等部分には、同一符号を付し、重複説明を省略することとする。
[実施例1]
本発明の実施例1について、図1および図2に基づいて説明する。
〔交流発電機Gの基本構成〕
交流発電機Gは、図1(a)に示すように、エンジンにより駆動される回転軸Jに取付けられた回転子GRと、一対の椀型状のハウジングHに組立てボルト(固定部材)Fによって挟持固定された固定子GSとを備えている。この固定子GSには、固定子コイル(多相巻線)Dを装着する鉄心として、図1(b)に示すごとき円筒状の積層コアからなる固定子鉄心Eが用いられている。
固定子鉄心Eは、一対のハウジングHで挟持固定されることにより、交流発電機Gの筺体の一部として利用されるものであって、内周側に固定子コイルDが巻かれる多数のティース(歯)部E1とスロット(溝)部E2とを交互に備え、外周側に各ティース部E1およびスロット部E2を所定のピッチで環状に連結するヨーク(継鉄)部E3を備える円筒状の積層コア1で構成されている。環状のヨーク部E3は、固定子コイルDが巻かれない非巻線部分であり、このヨーク部E3の外周側には後で詳しく形状説明する切欠き溝E4が、円周方向に複数(本実施例では4個)等分配置されている。
なお、この切欠き溝E4は、積層コア1の固定用に供する構成要素をなすもので、本実施例では組立てボルトFを挿通するためのものであり、積層コア1の外周面に軸方向全域にわたって形成されている。
積層コア1は、図2に示すように、鉄心素材として鋼板のごとき磁性板100からなる帯状のコアシート10が用いられている。このコアシート10は、例えば、幅広の長尺状の磁性板からティース部およびスロット部が互い違いに配置されるように打抜くことにより、一対(2枚)の帯状コアシートとして作製されるもの、もしくは、幅狭の帯状の磁性板からその片側にティース部およびスロット部が交互に配置されるように打抜くことにより、1枚の帯状コアシートとして作製されるものである。
帯状のコアシート10は、図2(a)、(b)に示すように、長さ方向の一辺側に固定子コイルDを巻装するためのティース部11(E1)およびスロット部12(E2)を有するとともに、長さ方向の他辺側にこれらのティース部11およびスロット部12を所定のピッチで連結するヨーク部13(E3)を有しており、さらに、ヨーク部13の外周側には切欠き溝14(E4)が設けられている。
そして、このコアシート10を、図2(c)、(d)に示すように、ヨーク部13が外周側となるように環状に折曲形成しながら(螺旋状に巻取りながら)軸方向に複数層にわたって巻回積層することにより、図2(e)のごとく、円筒状の積層コア1(E)とするものである。
しかして、コアシート10のヨーク部13は、図2(d)に示すように、内周側が、ティース部11の板厚と同一板厚を有する厚肉部13Aをなすとともに、外周側が、この厚肉部13Aより外径方向に向かうほど板厚が漸減していくテーパ状の薄肉部13Bをなしている。この薄肉部13Bは、「積層コア1を円筒状に巻回形成する過程」において塑性変形加工により形成されるものであって、コアシート10の外周側を薄肉化することで実質的な巻取り周長を長くし、コアシート10を螺旋状に巻取りし易くする機能を担っている。
ここで、「積層コア1を円筒状に巻回形成する過程」とは、コアシート10を螺旋状に巻き取る前の段階(前工程)からコアシート10が一層分巻回されるまでの工程を意味しており、当該過程での薄肉部13Bの具体的形成手法としては大別すると次の2通りがある。第1の手法は、コアシート10を螺旋状に巻取る際に、例えばコアシート10を挟持するローラ手段として圧延ローラを備え、薄肉部13Bを形成しながら同時に螺旋状に巻取る方法であり、第2の手法は、図2(a)に示す帯状のコアシート10の段階で、コアシート10に対し、螺旋状に巻取る前工程として、例えばプレスにて薄肉部13Bを圧延形成する方法である。専ら、第1の手法が採用されており、本実施例においても、第1の手法を採用して説明することとする。
〔積層コア1の特徴〕
本発明の特徴は、積層コア1(ヨーク部13)の外周側に積層コア1の固定用に供する構成要素として設ける切欠き溝14を、特殊な形状にしている点にある。
本実施例においては、かかる切欠き溝14として、図3に示すごとき形状の切欠き溝14が設けられている。
図3において、切欠き溝14は、次のような特徴を有している。
(1)切欠き溝14は、ヨーク部13において、外周面から内径方向に向かって凹むように形成されており、しかも、組立てボルトFを遊嵌状態で挿通することができるように、全体として、組立てボルトFの直径より大きな幅を有する矩形状を呈している。
(2)矩形状の切欠き溝14は、円周方向に沿って外径方向に膨らむ円弧状をなす底面14Aと、この底面14Aの両端部分に形成された一対の面取り(R面)14Bと、この一対の面取り14Bから外径方向に向かって延び開口部14Cを形成する一対の側面14Dとで構成されている。
なお、底面14Aは、図2(a)段階では円弧状でなく実質的に直線状を呈していて、図2(c)段階で円弧状に形成されるようにしても良いことは勿論である。
(3)そして、切欠き溝14は、最深部に位置する底面14Aが、厚肉部13Aと薄肉部13Bとの境界領域(境界線13C)に沿って円周方向に長く延展している。
(4)また、切欠き溝14の各側面14Dには、底面14A側から開口部14C側に向けて切欠き溝14の円周方向の幅を狭める逆テーパ形状(逆台形状)を形成する逆テーパ面14Eが設けられている。特に、本実施例では、各側面14Dにおいて、底面14Aから開口部14Cに至る全領域を直線状の逆テーパ面14Eで形成している。つまり、側面14D=逆テーパ面14Eの関係になっている。
〔実施例1の効果〕
上記構成によれば、固定子鉄心Eは、次のような作用効果を奏する。
(A)上記構成(1)のごとく、ヨーク部13の外周側に切欠き溝14を設けているため、従前通り、ヨーク部13を有効活用してコア外径を大きくすることなく積層コア1固定用の構成要素を構築することができる。
(B)上記構成(4)のごとく、切欠き溝14は、底面14A側が幅広となる逆台形状をなしているため、切欠き溝14を良好に打抜き形成することができる。
つまり、従前のごとく、溝形状を半円形状にした場合には、廃材(切欠き溝の残材=「カス」)も同形状を呈するが、プレス抜き型のダイ穴より浮き上がる所謂カス上がりが発生し易い。この「カス上がり」現象とは、周知のごとく、ダイ穴に排出された「カス」が、ダイ穴に巌入されていたパンチが高速で解除されることで生じる負圧により吸引されて浮上することで、この「カス」がコアシート10とパンチとダイとの間に挟まる事態を招く。そして、かかる事態が発生すると、コアシート10に打痕が生じ、品質低下(歩留まりの低下)を来たす他、パンチやダイの損傷を招来することにもなりかねず、これらの諸問題のために、コアシート10の製作速度(打抜き速度)の高速化が制約される傾向にあった。
本実施例の溝形状によれば、「カス」が鳩尾形状を呈し、ダイ穴も同形状を呈しているので、かかる形状効果により「カス」がダイ穴の内壁面に引っ掛かり易くなる(あるいは内壁面との摩擦が増加する)ため、「カス上がり」現象を抑制することができる。したがって、「カス」がコアシート10とパンチとダイとの間に挟まる事態を防いで、コアシート10の高品質化やコアシート10の製作速度(打抜き速度)の高速化に大きく貢献することができる。
(C)さらに、底面14Aと逆テーパ面14Eとを結ぶ箇所には、角(ピン角)のない面取り14Bを施しているため、環状に巻取るときに切欠き溝14の角部に亀裂が発生するのを防止できる。
(D)上記構成(2)、(3)のごとく、切欠き溝14は、全体として逆テーパの矩形状をなしており、かつ、最深部の底面として円周方向に沿って外径方向に膨らむ円弧状をなす底面14Aを有しているため、この切欠き溝14のすべての領域を限りなく無圧延領域に近づけて実質的に所定の伸び量以下となるようにすることができる。
かかる効果については、以下に、コアシート10の圧延過程における工程順を示す図4を参照しながら補足説明する。
コアシート10を環状に丸めるにあたり、ヨーク部13の外周側を上下一対の圧延ローラRL(例えばシリンダ定圧式)によって板厚方向に所定の加圧力で圧延していく。これにより、コアシート10は、図4(a)に示す切欠き溝14直前の状態から、図4(b)、(c)に示すごとく圧延が進行していくにつれて、切欠き溝14のところが逆テーパの矩形形状に沿って順次圧延されていくことになる。
この圧延過程を工程順にしたがって詳説すると、まず、図4(a)に示すごとく、切欠き溝14の直前までの圧延成形領域では圧延面積が一定で圧下量も一定(したがって所定の伸び量α)である。続いての圧延では、圧延成形領域が切欠き溝14の領域に差し掛かるが、切欠き溝14は逆テーパの矩形状を呈している。したがって、切欠き溝14の領域に差し掛かった直後の図4(b)のポイントt=t1付近においては、圧延面積としては逆テーパ部分(側面14D)と面取り14B部分とが関与するために微減に留まる。これにより、一対の圧延ローラRLは所定位置(二点鎖線位置)から実線位置へと僅かに移動(ローラ間ギャップが縮小)し、圧下量が微増するだけで、実質的に伸びる長さ(伸び増加分)は僅少となる。そして、ポイントt=t1を過ぎると、圧延中の領域は実質的に切欠き溝14の溝底面14Aになる。切欠き溝14は、圧延されない板厚のままの厚肉部13Aと圧延により形成されるテーパ状薄肉部13Bとの境界線13C上に底面14Aが位置している。よって、ポイントt=t1以降は、例えば、図4(c)に示すポイントt=t2に代表されるように、一対の圧延ローラRLが所定位置(二点鎖線位置)から実線位置へと大幅に移動しローラ間ギャップが最小化(ギャップ=0)しても、圧延ローラRLがコアシート10に実質的に触れることがなく、コアシート10が何ら圧延されない(材料圧下がない)わけで、圧下量=伸び量=0である。
かくして、切欠き溝14のすべての領域を限りなく無圧延領域に近づけて実質的に所定の伸び量以下となるようにすることができるため、切欠き溝14のところで異常な伸びや変形等を生じるのを防ぐことができる。
よって、積層コア1の所望の真円度やスロット部12の適正な配置等を確保して固定子GSの小型・高性能化に資する固定子鉄心Eを提供することができる。
(E)なお、切欠き溝14は、底面14A側が幅広となる逆台形状をなしているため、底面14Aの円周方向長を長くしてそれだけ無圧延領域を拡大できる効果があり、加えて、開口部14C側がすぼまるため、ヨーク部13の外周側の実質的な円周方向長を長くして有効磁路面積の確保を助長できる効果がある。
[実施例2]
次に、本発明を適用した固定子鉄心Eの第2実施形態について図5および図6を参照しながら説明する。
〔実施例2の特徴〕
上述した実施例1においては、切欠き溝14の形状を、側面14Dが全領域にわたって逆テーパ面14Eで形成されている逆台形状の矩形状にしたが、本実施例では、ヨーク部13の有効磁路面積がより一層増大するように溝形状を工夫したもので、切欠き溝14の形状を、底面14A側の逆台形状と開口部14C側の半欠円形状とを組み合わせた異形の矩形状(カップ型形状)にしたものである。
図5において、切欠き溝14は、実施例1同様、積層コア1取付用の固定部材をなす組立てボルトFを挿通するためのものであって、全体として、底面14A側の逆台形状と開口部14C側の半欠円形状とを組み合わせたカップ型形状を呈しており、底面14Aの円周方向長が短く、開口部14Cの円周方向長が長くなっている。
切欠き溝14の底面14Aは、円周方向長が短いものの、実施例1同様、円周方向に沿って外径方向に膨らむ円弧状をなしているとともに、厚肉部13Aと薄肉部13Bとの境界線13C上に位置している。
また、この底面14Aの両端側には面取り14Bを介して側面14Dが形成されているが、この側面14Dは、底面14A側に形成された逆台形状をなす逆テーパ面14Eと、この逆テーパ面14Eより外径側に幅広く形成され半欠円形状の開口部14Cをなす開口面14Fとで構成されている。
そして、開口面14Fが、組立てボルトFの外径より若干大きい内径を有する円弧面を有している。したがって、切欠き溝14に対して、組立てボルトFを遊嵌状態で挿通できるようになっている。
〔実施例2の効果〕
上記構成の本実施例によれば、次のような作用効果を奏する。
(A)切欠き溝14の底面14Aは、円周方向に沿って外径方向に膨らむ円弧状をなしており、かつ、図6(b)に示すように、圧延ローラRLによる圧延時には圧延されない板厚のままの厚肉部13Aと圧延により形成される薄肉部13Bとの境界線13C上に底面14Aが位置することになるため、この底面14Aに対して圧延ローラRLが触れることはない(圧延されることがない)。
したがって、切欠き溝14の底面部の領域を無圧延領域にすることができるため、実施例1と同様、切欠き溝14のところで異常な伸びや変形等を生じるのを防ぐことができる。
ここで、かかる効果について、上記の切欠き溝14領域における圧延過程を示す図6を参照しながら補足説明する。
図6(a)において、例えば、ポイントt=t0からt=t1までの圧延成形領域では、半欠円形状の開口部14Cをなす開口面14F付近を含むため、圧延面積が減少するものの、欠円形状により円周方向の幅が小さく全体として比較的大きな面積を確保できる。よって、この部分での実質的な伸び(伸び増加分)を図9(b)に示す伸び量β以下に抑えることができる。続いての圧延においては、図6(b)に示すように、切欠き溝14の特に溝底面14Aとなる。切欠き溝14は、圧延されない板厚のままの厚肉部13Aと圧延により形成されるテーパ状薄肉部13Bとの境界線13C上に底面14Aが位置しているため、ポイントt=t2で例示するごとく、一対の圧延ローラRLが所定位置(二点鎖線位置)から実線位置へと大幅に移動しローラ間ギャップが最小化(ギャップ=0)しても、圧延ローラRLがコアシート10に実質的に触れることがなく、コアシート10が圧延されない(材料圧下がない)わけで、厚下量=伸び量=0である。
かくして、実施例1と同様に、切欠き溝14の領域を限りなく無圧延領域に近づけて実質的に所定の伸び量以下となるようにすることができる。
(B)切欠き溝14は、底面14A側が面積の小さい逆台形状をなし、開口部14C側が面積の大きい半欠円形状をなしている。したがって、図5において、仮想線で示す実施例1の切欠き溝との対比で明らかなごとく、半欠円形状部分と面積を小さくした逆台形状部分とで形成される余肉部分(ハッチング部分)を磁路面積として活用することができ、ヨーク部13の有効磁路面積を実施例1より大きく確保することができる。
[実施例3]
次に、本発明を適用した固定子鉄心Eの第3実施形態について図7を参照しながら説明する。
本実施例は、製作過程における塑性変形メカニズムを巧みに活用して、切欠き溝14の配設位置を特定したものである。なお、切欠き溝14の溝形状としては、上述の両実施例1、2で詳説したいずれの形状であっても採用可能であるが、本実施例では、実施例1の形状を採用した実施態様について説明する。
本発明で対象とする巻鉄心型の固定子鉄心Eは、そもそも、実施例1で詳述した図2に示すごとき製作過程、とりわけ、コアシート作製工程および巻回工程を基本工程とする構造である。
つまり、基本工程として、図2(a)、(b)に示すように、磁性板100からティース部11、スロット部12、ヨーク部13および切欠き溝14を有する帯状のコアシート10を作製するコアシート作製工程と、図2(c)、(d)に示すように、ヨーク部13の一部を圧延(テーパ状の薄肉部13Bを形成)しながら、コアシート10をヨーク部13が外周側となるように環状に折曲形成する巻回工程とを備えている。
〔実施例3の特徴〕
本実施例の特徴は、巻回工程において生じるコアシート10の塑性変形現象を考慮して切欠き溝14の配置を次のごとく特別な関係に設定している点にある。
即ち、コアシート10の塑性変形現象について考察すると、巻回工程においては、コアシート10を、図7に示すごとき変形モデルに従って塑性変形させていくのが一般的である。 図7において、コアシート10を、図7(a)に示す真っ直ぐな状態から矢印のごとく曲げモーメントMを加えて曲げることにより、図7(b)のごとく、外周側には伸張しようとする塑性変形現象が生じ、内周側には逆に圧縮しようとする塑性変形現象が生じる。
このように、コアシート10の内周側および外周側に生じる塑性変形領域を、それぞれ圧縮側変形領域および引張り側変形領域と呼ぶとき、この2つの領域の境界をなし圧縮も伸張もしない領域が存在する。この領域が一点鎖線で示す部分で、これを中立線10Xと呼ぶこととする。
本実施例の切欠き溝14は、図7(c)に示すように、切欠き溝14の底面14Aを、中立線10X付近(中立線10Xの線上もしくは中立線10Xより外径側)に位置するようにしている点が特徴である。
〔実施例3の効果〕
上記構成によれば、コアシート10の巻回工程において、図7(c)に示すように、切欠き溝14およびその周辺部分は開口部14Cがより拡開すべく引張り側変形状態に移行するにもかかわらず、底面14Aは中立線10X付近に位置しているため、何ら影響を受けない。
したがって、切欠き溝14には、上記巻回工程において底面14A側に塑性変形が生じるのを極力防ぐことができる。
なお、切欠き溝14の底面14Aの位置を中立線10Xより内径側にすると、底面14A側が圧縮側変形領域に位置することになるため、上記巻回工程において底面14A側に圧縮歪みが生じる虞がある。
[変形例]
以上本発明を3つの実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、その変形例を例示する。
(1)各実施例おいて、コアシート10には、ヨーク部13の外周側に薄肉部として全周にわたって上下両面がテーパ面をなすテーパ状の薄肉部13Bを設けたが、上下のいずれかの片面のみをテーパ面とする片面テーパ状の薄肉部としても良い。なお、テーパ面は直線状に限定されることなく、適当な曲率を有する凹面状や凸面状であっても良い。
もっとも、製品側としての諸元、例えば、積層コア1の直径(曲率)、コアシート10の径方向幅、や製造側の条件、例えば、曲げ加工手段等を総合勘案して、実質的に同一板厚のまま(特別に薄肉部を設けることなく)環状に折曲げるタイプの固定子鉄心Eにも、本発明を適用して、切欠き溝14付近における異常な変形を防止できることは勿論である。
(2)また、各実施例おいては、実施例1に代表されるように、巻鉄心型の積層コアとして、帯状のコアシート10を連続的に螺旋状(ヘリカル)に巻取りながら円筒状に複数層にわたって巻回積層してなる積層コア1を例示したが、帯状のコアシート10から一枚づつ環状に丸めた環状板を作製し、これを複数枚に積層するタイプの円筒状巻鉄心にも、同様に適用することができる。
(3)また、各実施例において、切欠き溝14の形状は、全体として矩形状を呈していて、円周方向に沿って外径方向に膨らむ円弧状をなす底面14Aと、側面14Dの少なくとも一部が底面14A側から開口部14C側に向けて切欠き溝14の円周方向の幅を狭める逆テーパ面14Eを備えていることが肝要であって、この逆テーパ面14Eは直線状に限定されることなく、適当な曲率を有する凹面状や凸面状であっても良い。
また、底面14Aと逆テーパ面14Eとを結ぶ面取り14Bの形状も、例示のR面14Bに限定されることなく、直線的な所謂C面であっても良い。
(4)以上の実施形態では、本発明を適用する切欠き溝14として、積層コア1取付用の固定部材をなす組立てボルトFを挿通するための構成要素で代表したが、例えば、積層コア1の各層を軸方向に固着して一体化するために、リベットや楔などの固定部材を嵌合するための溝(特許文献1参照)や、溶接するための溝(特許文献2参照)についても、本発明を適用し同様の作用効果を奏することができる。なお、切欠き溝14の数や配置間隔は、目的に応じて選択できることは勿論である。
(5)また、以上の実施形態では、本発明を自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心に適用した場合について説明したが、これに限ることなく、鉄心素材として磁性板からなる巻鉄心型の固定子鉄心を持つ回転電機、例えば高電圧駆動モータに適用し、同様の作用効果を奏することができる。
以上詳述してきた本発明の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲において従属項(請求項2〜5)として記載した各手段にしたがって要約列挙すれば、次の通りである。
(特徴点1=請求項2の手段)
請求項1に記載の回転電機(交流発電機G)の固定子鉄心Eにおいて、ヨーク部13は、内周側が、ティース部11の板厚と同一板厚を有する厚肉部13Aをなすとともに、この厚肉部13Aより外周側が、外径方向に向かうほど板厚が漸減していくテーパ状の薄肉部13Bをなしており、切欠き溝14の底面14Aが、厚肉部13Aと薄肉部13Bとの境界領域に沿って円周方向に延展していることを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、切欠き溝14の底面14Aが、圧延部(薄肉部13B)の境界領域に沿って円周方向に延展しているため、切欠き溝14の底面14A(圧延領域の減少域に該当する)全域を実質的に圧下量=0の無圧延領域とすることができ、テーパ状の薄肉部13Bによる巻回助長効能と相俟って、積層コア1の所望の真円度やスロット部12の適正な配置等の確保に一層貢献することができる。
(特徴点2=請求項3の手段)
請求項1または2に記載の回転電機(交流発電機G)の固定子鉄心Eにおいて、切欠き溝14は、側面14Dが底面14Aから開口部14Cに至る全領域にわたって逆テーパ形状をなす逆テーパ面14Eで形成されていることを特徴としている(実施例1)。
上記手段によれば、切欠き溝14の全域において実質的に圧下量=0の無圧延領域を実現することができる。
(特徴点3=請求項4の手段)
請求項1または2に記載の回転電機(交流発電機G)の固定子鉄心Eにおいて、切欠き溝14は、積層コア1取付用の固定部材(組立てボルトF)を挿通するためのものであって、側面14Dが、底面14A側に形成された逆テーパ状のテーパ面14Eと、このテーパ面14Eより外径側に拡開して形成された半欠円形状の開口面14Fとで構成されており、この開口面14Fに固定部材(組立てボルトF)が嵌合していることを特徴としている(実施例2)。
上記手段によれば、切欠き溝14を、底面14A側が面積の小さい逆台形状、開口部14C側が面積の大きい半欠円形状として構成できるため、半欠円形状部分を、固定部材(組立てボルトF)の外形形状に合致させた最小限の大きさに留めて、切欠き溝14の側面14D側に余肉部分を確保することができるため、ヨーク部13の有効磁路面積をより大きくすることができる。
(特徴点4=請求項5の手段)
請求項1〜4のいずれか1つに記載の回転電機(交流発電機G)の固定子鉄心Eにおいて、コアシート10が環状に折曲形成される際にコアシート10の内周側および外周側に生じる塑性変形領域を、それぞれ圧縮側変形領域および引張り側変形領域と呼び、この2つの領域の境界をなし圧縮も伸張もしない領域を中立線10Xと呼ぶとき、切欠き溝14の底面14Aが中立線10Xを含む外径側に位置するようにしたことを特徴としている(実施例3)。
上記手段によれば、コアシート10の巻回工程における塑性変形現象(圧延には関係しない)に対しても、切欠き溝14の底面14A付近に歪みが生じるのを防ぐことができ、積層コア1の所望の真円度やスロット部12の適正な配置等の確保に一層貢献することができる。
1…積層コア、10…コアシート、11…ティース部、12…スロット部、13…ヨーク部、14…切欠き溝、14A…底面、14B…面取り、14C…開口部、14D…側面、14E…テーパ面、100…磁性板、E…固定子鉄心、G…自動車用交流発電機(回転電機)。

Claims (5)

  1. 鉄心素材として磁性板(100)からなる帯状のコアシート(10)が用いられ、このコアシート(10)が環状に折曲形成されるとともに軸方向に積層されることで、全体として円筒状の積層コア(1)が構成されており、
    前記コアシート(10)が、内周側に固定子コイル(D)を巻装するためのティース部(11)およびスロット部(12)を交互に有するとともに、外周側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を所定のピッチで連ねるヨーク部(13)を有している回転電機(G)の固定子鉄心(E)において、
    前記ヨーク部(13)は、前記積層コア(1)の固定用に供する構成要素として、外周面から内径方向に向かって凹む切欠き溝(14)を備えており、
    前記切欠き溝(14)は、全体として矩形状を呈していて、円周方向に沿って外径方向に膨らむ円弧状をなす底面(14A)と、この底面(14A)の両端部分に形成された一対の面取り(14B)と、この一対の面取り(14B)から外径方向に向かって延び開口部(14C)を形成する一対の側面(14D)とで構成されており、
    前記側面(14D)には、前記底面(14A)側から前記開口部(14C)側に向けて前記切欠き溝(14)の円周方向の幅を狭める逆テーパ形状をなす逆テーパ面(14E)が形成されていることを特徴とする回転電機(G)の固定子鉄心(E)。
  2. 請求項1に記載の回転電機(G)の固定子鉄心(E)において、
    前記ヨーク部(13)は、内周側が、前記ティース部(11)の板厚と同一板厚を有する厚肉部(13A)をなすとともに、この厚肉部(13A)より外周側が、外径方向に向かうほど板厚が漸減していくテーパ状の薄肉部(13B)をなしており、
    前記切欠き溝(14)の底面(14A)が、前記厚肉部(13A)と前記薄肉部(13B)との境界領域に沿って円周方向に延展していることを特徴とする回転電機(G)の固定子鉄心(E)。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機(G)の固定子鉄心(E)において、
    前記切欠き溝(14)は、前記側面(14D)が前記底面(14A)から前記開口部(14C)に至る全領域にわたって逆テーパ形状をなす逆テーパ面(14E)で形成されていることを特徴とする回転電機(G)の固定子鉄心(E)。
  4. 請求項1または2に記載の回転電機(G)の固定子鉄心(E)において、
    前記切欠き溝(14)は、前記積層コア(1)取付用の固定部材(F)を挿通するためのものであって、
    前記側面(14A)が、前記底面(14A)側に形成された前記逆テーパ面(14E)と、この逆テーパ面(14E)より外径側に拡開して形成された半欠円形状の開口面(14F)とで構成されており、
    前記開口面(14F)に前記固定部材(F)が嵌合していることを特徴とする回転電機(G)の固定子鉄心(E)。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の回転電機(G)の固定子鉄心(E)において、
    前記コアシート(10)が環状に折曲形成される際に前記コアシート(10)の内周側および外周側に生じる塑性変形領域を、それぞれ圧縮側変形領域および引張り側変形領域と呼び、この2つの領域の境界をなし圧縮も伸張もしない領域を中立線(10X)と呼ぶとき、
    前記切欠き溝(14)の前記底面(14A)が前記中立線(10X)を含む外径側に位置するようにしたことを特徴とする回転電機(G)の固定子鉄心(E)。
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