JP6060837B2 - 回転電機の固定子鉄心およびその製造方法 - Google Patents
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Description
従来より、積層コア型の固定子鉄心としては種々な構成のものが実用に供されているが、製造に使用する鉄心材料の歩留りを向上するため、例えば、特許文献1に記載のごとく、帯状の磁性板(例えば鋼板)からコアシートを打ち抜く際に、環状とはせずに帯状に連なる複数のセグメント鉄心片を打ち抜き形成し、これを巻回しながら積層して積層コアを製造する所謂巻きコアや、セグメント鉄心片を帯状のまま積層し、これを環状に曲げて積層コアを製造する所謂ポキポキコアが知られている。
なお、幅狭の連結部SRには、湾曲形成した際にその曲げられた部分の頂部SR1が積層コアの外周面から外径方向(反中心方向)に突出しないように、凹溝SR2が設けられている。
しかしながら、上記の固定子鉄心は、連結部SRを湾曲形成すると連結部SRの板厚方向(コアシート10の厚み方向)に膨出部が発生するという問題があった。このような膨出部は、上下に積層したセグメント鉄心片SE間に隙間を作り、最終的な積層コアの厚みにばらつきを生じさせるため、例えば、積層コアを使用した回転電機の組み立てにおいて、隙間をなくすための余分な加工処理を必要とするとか、あるいはまた、かかる隙間が回転電機の効率低下や磁気騒音を招く原因となり、回転電機の品質に悪影響を及ぼす結果となっていた。
また、このようにした場合、凹溝SR2によってそもそも幅狭である連結部SRが、コアシート10の段階で切欠き凹部SR3のさらなる追加によってより一層幅狭となるために、環状への湾曲形成工程等において連結部SRに破断等が生じ易く、積層コアとしての強度面で心配となる。
併せて、かかる固定子鉄心を、特別な工程を増やすことなく、簡単な製造工程で、経済的に製造することができる製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明(回転電機の固定子鉄心)は、鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシートを用い、内周側に固定子コイルを巻装するためのティース部およびスロット部を有する円筒状の積層コアからなる基本構成を備え、コアシートが、少なくとも1つのティース部を含む複数のセグメント鉄心片部と、隣り合うセグメント鉄心片部同士を周方向で連接する複数の結合部で構成されている。そして、この結合部が、ヨーク部に設けられていて、結合部の周方向の両端側に位置し、外周縁から中心方向に向かって伸びるとともに、隣り合うセグメント鉄心片部の周方向の端面とそれぞれ対向する溝壁面を有し、セグメント鉄心片部との境界線を形成する一対の外側切り離し溝と、この一対の外側切り離し溝間に設けられ、内周縁から反中心方向に向かって伸び、結合部を径方向に対してU字状に形造る内側切り離し溝とを備えている。
特に、外側切り離し溝間に設けられる内側切り離し溝は、外側切り離し溝と径方向でオーバーラップするように内周縁から反中心方向に向かって伸びながら対向する溝壁面を有しており、セグメント鉄心片部の周方向の端面と外側切り離し溝の溝壁面とが密接しているとともに、内側切り離し溝の溝壁面同士が密接していることを特徴としている。
また、結合部は、周方向の両端側に位置する一対の外側切り離し溝が、隣り合うセグメント鉄心片部の周方向の端面とそれぞれ対向する溝壁面を有している。したがって、対向する両面を密接させて、セグメント鉄心片部と結合部とを一連のヨーク部として機能させることにより、外側切り離し溝が磁気回路を犠牲にすることがなく、高磁気性能を確保することができる。
さらに、結合部は、外周側を特別に凹ます必要がなく、径方向の厚みを充分確保できるため、コアシートの環状への折曲形成時に結合部に破断等の支障を招くことなく良好に多層の積層コアを形成することができ、高強度の固定子鉄心とすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機の固定子鉄心を得るための製造方法であって、帯状のコアシートに対し、外周側となる一方の辺に開口するとともに内周側となる他方の辺に向かって伸び、ヨーク部を、少なくとも1つのティース部を含む複数のセグメント鉄心片部と、隣り合うセグメント鉄心片部同士を連接する複数の結合部とに区画する一対の外側切り離し溝、およびこの一対の外側切り離し溝間に設けられ、他方の辺に開口するとともに一方の辺に向かって伸び、結合部をU字状に形造る内側切り離し溝を形成する溝作製工程と、内側切り離し溝の溝間隔を狭めながら結合部を湾曲変形させることで、コアシートを環状に折曲形成する折り曲げ工程とを備えている。
特に、この折り曲げ工程は、外側切り離し溝の溝間隔を狭めるとともに、内側切り離し溝の溝間隔を一層狭めることにより、セグメント鉄心片部の周方向の端面と外側切り離し溝の溝壁面を密接させるとともに、内側切り離し溝の溝壁面同士を密接させて縮径する縮径工程を含むことを特徴としている。
なお、各実施例において、同一または均等部分には、同一符号を付し、重複説明を省略することとする。
本発明を適用する回転電機である交流発電機ACGの全体構成について、図1および図2に基づいて説明する。
図1に示すように、交流発電機ACGは、エンジンにより駆動される回転軸Aに取付けられた回転子GRと、一対のカップ(椀型)状のハウジング(フレームとも呼ぶ)Hに組立てボルトBによって挟持固定された固定子GSとを備えており、この固定子GSには、固定子コイル(多相巻線)Cを装着する鉄心として、図2に示すごとき円筒状の積層コア1からなる固定子鉄心(積層コア型固定子鉄心)Dが用いられている。
この固定子鉄心Dは、一対のカップ状ハウジングHで挟持固定されることにより、交流発電機ACGの筺体の一部として利用される。
図2に示すように、固定子鉄心Dをなす積層コア1は、内周側に固定子コイルCが巻かれる多数のティース(歯)部11とスロット(溝)部12とを交互に備え、外周側に各ティース部11およびスロット部12を所定のピッチで環状に連結するヨーク(継鉄)部13を備えている。環状のヨーク部13は、固定子コイルCが巻かれない非巻線部分であり、ここに後で詳しく説明する変形領域DXが、円周方向に複数配列されている。
そして、このコアシート10を、ヨーク部13が外周側となるように螺旋状に巻取りながら複数層にわたって巻回積層することにより、円筒状の積層コア1とするものである。
なお、積層コア1は、積層方向(軸方向)において、かしめ、溶接等の適宜の固着手段によって各層の相互間が固着され、固定子鉄心Dとして交流発電機ACGに組み付けられる。
積層コア1の各層は、図2(a)に示すごとく、少なくとも1つ(本実施例では1個)のティース部11を含む複数のセグメント鉄心片部D1と、隣り合うセグメント鉄心片部D1同士を周方向で連接する複数の結合部D2を有するコアシート10で構成されている。セグメント鉄心片部D1と結合部D2とは、後述するごとくヨーク部13に結合部D2が刻設されることで区分されており、結合部D2がコアシート10における変形領域DXの主体をなしている。
そして、結合部D2により連接されているセグメント鉄心片部D1は、結合部D2との間に第1の溝14が介在しているものの、セグメント鉄心片部D1の周方向の端面D1A、D1Bが第1の溝14の溝壁面14A、14Bと対向し、特に密接している。よって、セグメント鉄心片部D1と結合部D2との間には実質的な磁気空隙が生じることがなく、セグメント鉄心片部D1と結合部D2とが一連のヨーク部13として機能する。
上記構成の本発明の固定子鉄心Dによれば、次に列挙するような作用効果が得られる。(1)隣り合うセグメント鉄心片部D1を連接する結合部D2は、図4に示すように、一対の外側切り離し溝14とこの溝間に設けられた内側切り離し溝15との3つの溝によって網目模様のごとくU字状に形成されているため、一方の根元から他方の根元に至る、所謂自由長の長さを、U字部の径方向に伸びる両辺で稼いで矢印線(U字線)Xのごとく長く取ることができる。この自由長Xが折曲形成時における変位量に対する変形領域有効長となる。したがって、変形領域有効長Xを長くすることができるため、結合部D2の平均曲げ歪みを小さくし、結合部D2が板厚方向に膨れることなくコアシート10を良好に巻回積層することができ、高品質の固定子鉄心Dとすることができる。なお、このメカニズムの詳細については後述する製造方法とともに補足説明する。
(3)さらに、結合部D2は、従来品のごとき凹溝が不要でヨーク部13の外径と実質的に同じ外径にすることができる。したがって、結合部D2には、径方向の厚みを充分確保することができるため、結合部D2が折り曲げ時に破断等する恐れがなく、高強度の積層コア1を形成し、高強度の固定子鉄心Dとすることができる。
次に、上記実施例1に係る固定子鉄心D(積層コア1)の製造方法について説明する。
本方法においては、図2(a)に示すように、内周側に固定子コイルCを巻装するためのティース部11およびスロット部12を有するとともに、外周側にティース部11およびスロット部12を所定のピッチで連ねるヨーク部13を有する円筒状の積層コア1を作製するにあたり、鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシート10を用い、このコアシート10を環状に折曲形成するとともに軸方向に積層することで、全体として円筒状の積層コア1とすることを基本とし、以下に詳述するような溝作製工程および折り曲げ工程を備えていることを特徴としている。
他方の溝(第2の溝)15は、この一対の外側切り離し溝14間に設けられ、他方の辺10B(特にスロット部12の底面)に開口するとともに一方の辺10Aに向かって伸び、結合部D2をU字状に形造る内側切り離し溝である。
また、対向する溝壁面15A、15Bの間には、上記隙間20より若干大きい隙間21が形成されている。この隙間21は、後工程の関係上、スロット部12側に向かって徐々に幅広となる逆V字形をなしている。
さらに、外側切り離し溝14の最奥端および内側切り離し溝15の最奥端には、それぞれ隙間20、21より大なる径を有し、応力分散要素として機能する欠円形状のC字穴16A、16Bが形成されている。
かくして、この折り曲げ工程では、図4に示すように、コアシート10の変形領域DXが図4(a)に示す形態から図4(b)に示す形態へと変化していくわけで、この変形メカニズムに最大の特徴がある。
図5において、破線は、折り曲げ工程実施前のコアシート10の状態、つまり図4(a)に示す状態を、また、実線は、折り曲げ工程実施後のコアシート10の状態、つまり図4(b)に示す状態を、それぞれ示している。
また、図6において、(a)は本発明品の折り曲げ過程を示しているのに対し、(b)は従来品の折り曲げ過程を示している。
折り曲げ工程に入ると、結合部D2は、上記の直線状態からコアシート10が環状に巻かれることにより、図4(b)に示すように、中間点(結合部頂部)D2Tを回転中心として溝15の隙間21の間隙が実質的になくなるまで内周側へ湾曲変形する〔図5の実線、図6(a)の右図も参照〕。
図5において、ティース部11の周方向変位量をP、結合部D2の根元部における周方向変位量をQ、結合部D2の頂部D2Tにおける変位量をRとしたとき、最終的なティース部11(もしくはスロット部12)の間隔は、製品仕様として一義的に決定されるため、このティース部周方向変位量Pを基準にして、各部の変位量を比較すると、
P>Q>R ………(a)
上記(a)のごとき関係式が成立し、結合部D2の根元部の変位量Qより結合部D2の頂部D2Tの変位量Rの方が小さくなる。
δ(平均曲げ歪み)=Q(変位量)/X(変形領域有効長)………(b)
上記(b)の関係式から、X(変形領域有効長)が長ければ長いほど、δ(平均曲げ歪み)を小さくすることができる。
したがって、本発明によれば、変形領域有効長Xが長いため、結合部D2の平均曲げ歪みδを小さくすることができ、結合部D2が板厚方向に膨れることなくコアシート10を所要の積層コア径まで湾曲変形させることができる。
なお、従来品は、連結部SRにおける変位量が、頂部も根元部とほぼ同じQ’になるのに対し、本発明品は、上式(a)のごとく、頂部D2Tの変位量Rを根元部の変位量Qより小さくできる(R<Q)ため、一層有利である。
そして、結合部D2に刻設する内側切り離し溝15には、溝壁面15Aに半円形状凹部17が、他方の溝壁面15Bに半円形状凸部18がそれぞれ設けられているため、折り曲げの過程で徐々に凹凸嵌合しながら、両溝壁面15A、15Bが密接していく。このように、凹凸嵌合により、溝壁面15A、15Bの径方向における当接位置が一義的に定まるため、コアシート10の各巻回層のより一層の真円度が確保される。
そして、本方法によれば、溝作製工程は単純なプレス加工でしかもコアシート作製工程と同時に実施でき、簡単な製造工程で、特別な工程を増やすことなく、積層コア1(固定子鉄心D)を経済的に製造することができる。
次に、本発明方法の実施例2について、上述の実施例1との相違点を中心に図7に基づいて説明する。
上述の実施例1では長尺状の帯状コアシート10を出発点とし、このコアシート10を螺旋状に巻回しながら積層することによって円筒状の積層コア1を形成したのに対し、この実施例2は、半円形状の帯状コアシート10を出発点とし、このコアシート10を所定の枚数積層したのち、全体を環状に形成するか、コアシート10を一枚ずつ環状に形成したのち、これを所定の枚数積層することによって、円筒状の積層コア1を形成するものである。
次いで、上記コアシート10を環状に折曲形成する折り曲げ工程では、外側切り離し溝14および内側切り離し溝15の溝間隔(隙間20、21)を狭めながら結合部D2を湾曲変形させるとともに、C字形の開口を閉塞するようにコアシート10の両端部10C、10Dをつき合わせることで、コアシート10を環状にする。かくして、コアシート10において、相隣るセグメント鉄心片部D1が環状に密に連なるように、所望の積層コア径まで縮径することができる。
以上本発明を2つの実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、その変形例を例示する。
(2)上記の各溝14、15の最奥端に設ける穴16、16A,16Bは、必ずしも円形に限定されるものではなく、応力集中を回避可能な滑らかな曲面を形成する形状であれば良い。
(3)内側切り離し溝(第2の溝)15の溝壁面15A、15Bに形成する嵌合構造も、円形に限ることなく、種々な形状を採用することができる。もっとも、溝壁面15A、15Bを良好に密接させコアシート10に所要の真円度を確保できる場合には、かかる凹凸嵌合構造を省略することもできる。
例えば、隙間20、21が残存すると実質的な磁気空隙が生じるが、この磁気空隙をカバーするだけの磁路面積がヨーク部13の径方向幅や他の磁気連絡手段で確保されている場合とか、獲得可能な磁気性能が要求性能を満足している場合には、かかる手法を採用し、製法の簡便化を図ることができる。また、かかる手法を採用することで、各溝14、15の最奥端に設ける欠円形状のC字穴16A,16Bも、円形穴16に移行する途中段階で留めることになるが、かかる場合においても、C字穴16A,16Bが縮径するように変形することで、結合部D2における応力分散を図ることができる。つまり、図5に基づいて説明したように、結合部根元周方向変位量Qの方が、結合部頂部周方向変位量R(頂部は変位量が最小)よりも大きいため、必ずしも完全な円形状の穴16にならなくとも、所望の応力分散効果を得ることができる。
また、実施例2において、コアシート10の両端部10C、10D間に隙間を積極的に残存させるとともに、その残存量を加減するようにしても良い。
セグメント鉄心片部D1と結合部D2とを区画形成する一対の外側切り離し溝(第1の溝)14の最奥端および結合部D2をU字状に形造る内側切り離し溝(第2の溝)15の最奥端には円形状の穴16が形成されていることを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、各溝14、15の最奥端を滑らかな曲面に形成しているため、欠円形状のC字穴16A、16Bから円形状の穴16へと縮径変形する過程において応力を分散し、応力集中が生じるのを防ぐことができる。
内側切り離し溝15は、対向する溝壁面15A、15Bが互いに凹凸嵌合(凹部17、凸部18)していることを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、凹凸嵌合(凹部17、凸部18)によって溝壁面15A、15Bの径方向の位置決めを行うことができ、各巻回層のコアシート10の真円度を向上することができる。
請求項4に記載の固定子鉄心Dの製造方法において、帯状のコアシート10は、あらかじめ全体として、長手方向の両端部10C、10Dが開口を介して対向するC字形をなすように、磁性板100から打ち抜き形成されており、
折り曲げ工程では、両端部10C、10Dが対向する開口を閉塞するように結合部D2を湾曲変形させることで、コアシート10を環状にすることを特徴としている(実施例2)。
上記手段によれば、磁性板100として短尺状のものを使用することができる。また、C字形のコアシート10を打ち抜いた後の廃材部分は、モータの場合、回転子のコア(回転子鉄心)の素材として有効活用することができる。
Claims (7)
- 鉄心素材として磁性板(100)からなる帯状のコアシート(10)が用いられ、このコアシート(10)が環状に折曲形成されるとともに軸方向に積層されることで、全体として円筒状の積層コア(1)が構成される回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)であって、
前記コアシート(10)は、内周側に固定子コイル(C)を巻装するためのティース部(11)およびスロット部(12)を有するとともに、外周側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を所定のピッチで連ねるヨーク部(13)を有しており、
前記コアシート(10)は、少なくとも1つの前記ティース部(11)を含む複数のセグメント鉄心片部(D1)と、隣り合う前記セグメント鉄心片部(D1)同士を周方向で連接する複数の結合部(D2)で構成されており、
前記結合部(D2)は、前記ヨーク部(13)に設けられていて、
前記結合部(D2)の周方向の両端側に位置し、外周縁から中心方向に向かって伸びるとともに、隣り合う前記セグメント鉄心片部(D1)の周方向の端面(D1A、D1B)とそれぞれ対向する溝壁面(14A、14B)を有し、前記セグメント鉄心片部(D1)との境界線を形成する一対の外側切り離し溝(14)と、
この一対の外側切り離し溝(14)間に設けられ、前記外側切り離し溝(14)と径方向でオーバーラップするように内周縁から反中心方向に向かって伸びながら対向する溝壁面(15A、15B)を有し、前記結合部(D2)を径方向に対してU字状に形造る内側切り離し溝(15)とを備え、
前記セグメント鉄心片部(D1)の周方向の端面(D1A、D1B)と前記外側切り離し溝(14)の溝壁面(14A、14B)とが密接しているとともに、前記内側切り離し溝(15)の溝壁面(15A、15B)同士が密接していることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)。 - 請求項1に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)において、
前記外側切り離し溝(14)の最奥端および前記内側切り離し溝(15)の最奥端には円形状の穴(16)が形成されていることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)。 - 請求項1または2に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)において、
前記内側切り離し溝(15)は、対向する溝壁面(15A、15B)が互いに凹凸嵌合(17、18)していることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)。 - 鉄心素材として磁性板(100)からなる帯状のコアシート(10)を用い、このコアシート(10)を環状に折曲形成するとともに軸方向に積層することで、全体として円筒状の積層コア(1)とする請求項1に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法であって、
内周側に固定子コイル(C)を巻装するためのティース部(11)およびスロット部(12)を有するとともに、外周側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を所定のピッチで連ねるヨーク部(13)を有する円筒状の積層コア(1)を作製するにあたり、
前記コアシート(10)に対し、外周側となる一方の辺(10A)に開口するとともに内周側となる他方の辺(10B)に向かって伸び、前記ヨーク部(13)を、少なくとも1つの前記ティース部(11)を含む複数のセグメント鉄心片部(D1)と、隣り合う前記セグメント鉄心片部(D1)同士を連接する複数の結合部(D2)とに区画する一対の外側切り離し溝(14)、およびこの一対の外側切り離し溝(14)間に設けられ、前記他方の辺(10B)に開口するとともに前記一方の辺(10A)に向かって伸び、前記結合部(D2)をU字状に形造る内側切り離し溝(15)を形成する溝作製工程と、
前記内側切り離し溝(15)の溝間隔を狭めながら前記結合部(D2)を湾曲変形させることで、前記コアシート(10)を前記ヨーク部(13)が外周側になるように環状に折曲形成する折り曲げ工程と
を備え、
前記折り曲げ工程には、前記外側切り離し溝(14)の溝間隔を狭めるとともに、前記内側切り離し溝(15)の溝間隔を一層狭めることにより、前記セグメント鉄心片部(D1)の周方向の端面(D1A、D1B)と前記外側切り離し溝(14)の溝壁面(14A、14B)を密接させるとともに、前記内側切り離し溝(15)の溝壁面(15A、15B)同士を密接させて縮径する縮径工程を含むことを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法。 - 請求項4に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法において、
前記帯状のコアシート(10)は、あらかじめ全体として、長手方向の両端部(10C、10D)が開口を介して対向するC字形をなすように、前記磁性板(100)から打ち抜き形成されており、
前記折り曲げ工程では、前記両端部(10C、10D)が対向する前記開口を閉塞するように前記結合部(D2)を湾曲変形させることで、前記コアシート(10)を環状にすることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法。 - 請求項4または5に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法において、
前記溝作製工程では、前記外側切り離し溝(14)の最奥端および前記内側切り離し溝(15)の最奥端に欠円形状のC字穴(16A、16B)を形成しておき、
前記折り曲げ工程では、前記C字穴(16A、16B)を縮径するように変形させることで、前記結合部(D2)における応力分散を図ることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法。 - 請求項4〜6のいずれか1つに記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法において、
前記溝作製工程では、前記内側切り離し溝(15)の対向する溝壁面(15A、15B)に凹凸嵌合可能な凹凸部(17、18)を形成しておき、
前記折り曲げ工程では、前記凹凸部(17、18)を凹凸嵌合させながら前記結合部(D2)を湾曲変形させることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法。
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