JP6060837B2 - 回転電機の固定子鉄心およびその製造方法 - Google Patents

回転電機の固定子鉄心およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、回転電機の固定子鉄心、とりわけ自動車用交流発電機の固定子に好適な積層コア型の固定子鉄心およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来より、積層コア型の固定子鉄心としては種々な構成のものが実用に供されているが、製造に使用する鉄心材料の歩留りを向上するため、例えば、特許文献1に記載のごとく、帯状の磁性板(例えば鋼板)からコアシートを打ち抜く際に、環状とはせずに帯状に連なる複数のセグメント鉄心片を打ち抜き形成し、これを巻回しながら積層して積層コアを製造する所謂巻きコアや、セグメント鉄心片を帯状のまま積層し、これを環状に曲げて積層コアを製造する所謂ポキポキコアが知られている。
これらの積層コア型固定子鉄心は、いずれの構造形態であっても、具体的には、所定数(1ないし複数個)のスロット部(またはティース部)を有するセグメント鉄心片同士を、幅狭の連結部により相互に連なった状態にして、長尺状の磁性板から金型で打ち抜くことにより、コアシートを作製することを基本としている。そして、かかるコアシートを、外周側に形成された幅狭の連結部で折り曲げながら、連続した複数のセグメント鉄心片を螺旋状に巻回して積層するか、または、帯状に連なる複数のセグメント鉄心片をそのまま(コアシートの状態で)所定の枚数積層したのち、幅狭の連結部を内周側に折り曲げながら、隣り合うセグメント鉄心片を順次環状に形成していくものである。
したがって、上記固定子鉄心は、いずれの積層構造形態であっても、図8(a)に示すように、帯状のコアシート10の段階では隣り合うセグメント鉄心片SEが長さ方向に真っ直ぐ伸びる網目模様を付した幅狭の連結部SRによって連結されており、この連結部SRを、図8(b)のごとく内周側に折り曲げる(湾曲形成する)ことによって、複数のセグメント鉄心片SEを環状に配置する点で共通している。
なお、幅狭の連結部SRには、湾曲形成した際にその曲げられた部分の頂部SR1が積層コアの外周面から外径方向(反中心方向)に突出しないように、凹溝SR2が設けられている。
〔従来技術の問題点〕
しかしながら、上記の固定子鉄心は、連結部SRを湾曲形成すると連結部SRの板厚方向(コアシート10の厚み方向)に膨出部が発生するという問題があった。このような膨出部は、上下に積層したセグメント鉄心片SE間に隙間を作り、最終的な積層コアの厚みにばらつきを生じさせるため、例えば、積層コアを使用した回転電機の組み立てにおいて、隙間をなくすための余分な加工処理を必要とするとか、あるいはまた、かかる隙間が回転電機の効率低下や磁気騒音を招く原因となり、回転電機の品質に悪影響を及ぼす結果となっていた。
なお、上記の膨出部が発生する原因としては、連結部SRが図8(a)のごとくコアシート10の長さ方向にほぼ沿った水平状態から、図8(b)の矢視のごとくほぼ垂直方向に曲げられるために、その曲げられる部分、とりわけ頂部SR1付近に生じる歪増大現象により板厚方向に膨れるためであると考えられている。
そこで、連結部を実質的に複数に分割して歪を分散すべく、例えば、図8(a)に示すように、連結部SRの内周側および外周側のいずれか一方または双方に複数の切欠き凹部SR3を積極的に設けて、連結部SRの折り曲げ時に発生する応力を複数個所に均等分散させるようにした改善策も提案されているが、連結部SRの変形メカニズムが実質的に同じであるため、上述の事象により膨出部が少なからず発生し、本質的な解決に至っていない。
また、このようにした場合、凹溝SR2によってそもそも幅狭である連結部SRが、コアシート10の段階で切欠き凹部SR3のさらなる追加によってより一層幅狭となるために、環状への湾曲形成工程等において連結部SRに破断等が生じ易く、積層コアとしての強度面で心配となる。
特開2010−172130号公報
本発明者は、かかる問題を究明すべく、種々の実験・研究を重ねた結果、コアシートの折曲形成の要となる連結部分において、その自由長、換言すれば折曲形成時の変位量に対する変形領域有効長を長くすることにより、平均曲げ歪みを小さくし、膨出部の発生を抑止し得る変形メカニズムを見いだした。そこで、この変形メカニズムを如何なる具体的手段で確立し、製造の簡単な構成を満足しつつ、高強度、高品質・高磁気性能の固定子鉄心を実現するかが当面の課題である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な構成でありながら、高強度、高品質・高磁気特性を確保することができる回転電機の固定子鉄心を提供することにある。
併せて、かかる固定子鉄心を、特別な工程を増やすことなく、簡単な製造工程で、経済的に製造することができる製造方法を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明(回転電機の固定子鉄心)は、鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシートを用い、内周側に固定子コイルを巻装するためのティース部およびスロット部を有する円筒状の積層コアからなる基本構成を備え、コアシートが、少なくとも1つのティース部を含む複数のセグメント鉄心片部と、隣り合うセグメント鉄心片部同士を周方向で連接する複数の結合部で構成されている。そして、この結合部が、ヨーク部に設けられていて、結合部の周方向の両端側に位置し、外周縁から中心方向に向かって伸びるとともに、隣り合うセグメント鉄心片部の周方向の端面とそれぞれ対向する溝壁面を有し、セグメント鉄心片部との境界線を形成する一対の外側切り離し溝と、この一対の外側切り離し溝間に設けられ、内周縁から反中心方向に向かって伸び、結合部を径方向に対してU字状に形造る内側切り離し溝とを備えている。
特に、外側切り離し溝間に設けられる内側切り離し溝は、外側切り離し溝と径方向でオーバーラップするように内周縁から反中心方向に向かって伸びながら対向する溝壁面を有しており、セグメント鉄心片部の周方向の端面と外側切り離し溝の溝壁面とが密接しているとともに、内側切り離し溝の溝壁面同士が密接していることを特徴としている。
上記構成の本発明によれば、一対の外側切り離し溝とこの溝間に設けられた内側切り離し溝との3つの溝によって結合部を径方向に対してU字状に形成して、折曲形成時の変位量に対する変形領域有効長を長くすることができるため、結合部の平均曲げ歪みを小さくし、コアシートを板厚方向に膨れることなく良好に環状に折曲形成することができる。よって、各巻回層のコアシートを上下に隙間なく積層することができ、高品質の固定子鉄心とすることができる。
また、結合部は、周方向の両端側に位置する一対の外側切り離し溝が、隣り合うセグメント鉄心片部の周方向の端面とそれぞれ対向する溝壁面を有している。したがって、対向する両面を密接させて、セグメント鉄心片部と結合部とを一連のヨーク部として機能させることにより、外側切り離し溝が磁気回路を犠牲にすることがなく、高磁気性能を確保することができる。
さらに、結合部は、外周側を特別に凹ます必要がなく、径方向の厚みを充分確保できるため、コアシートの環状への折曲形成時に結合部に破断等の支障を招くことなく良好に多層の積層コアを形成することができ、高強度の固定子鉄心とすることができる。
〔請求項の手段〕
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機の固定子鉄心を得るための製造方法であって、帯状のコアシートに対し、外周側となる一方の辺に開口するとともに内周側となる他方の辺に向かって伸び、ヨーク部を、少なくとも1つのティース部を含む複数のセグメント鉄心片部と、隣り合うセグメント鉄心片部同士を連接する複数の結合部とに区画する一対の外側切り離し溝、およびこの一対の外側切り離し溝間に設けられ、他方の辺に開口するとともに一方の辺に向かって伸び、結合部をU字状に形造る内側切り離し溝を形成する溝作製工程と、内側切り離し溝の溝間隔を狭めながら結合部を湾曲変形させることで、コアシートを環状に折曲形成する折り曲げ工程とを備えている。
特に、この折り曲げ工程は、外側切り離し溝の溝間隔を狭めるとともに、内側切り離し溝の溝間隔を一層狭めることにより、セグメント鉄心片部の周方向の端面と外側切り離し溝の溝壁面を密接させるとともに、内側切り離し溝の溝壁面同士を密接させて縮径する縮径工程を含むことを特徴としている。
上記工程を備えた本発明方法によれば、ヨーク部に外側切り離し溝および内側切り離し溝の単に2種のスリットを設けるだけで、変形領域有効長の長い結合部を形成することができる。しかも、この溝作製工程はコアシート作製工程と実質的に同じ工程で実施することができる。よって、高強度で高品質・高磁気特性の固定子鉄心を、簡単な製造工程で、特別な工程を増やすことなく、経済的に製造することができる。
本発明の第1の実施形態に係る固定子鉄心を適用する回転電機の説明に供するもので、自動車用交流発電機の上半部の模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る固定子鉄心、特に積層コアの説明に供するもので、(a)は固定子鉄心(積層コア)の全体構成を示す平面図およびその変形領域部分の拡大図、(b)固定子鉄心(積層コア)の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る固定子鉄心の製造方法の説明に供するもので、溝作製工程で得られるコアシート全体の平面図およびその主要部をなす結合部分(変形領域部分)の拡大平面図である。 本発明方法における折り曲げ工程の説明に供するもので、(a)は同工程実施前のコアシートの結合部分(変形領域部分)の平面図、(b)は同工程実施後のコアシートの結合部分(変形領域部分)の平面図である。 上記折り曲げ工程におけるメカニズムの説明に供するコアシートの結合部分(変形領域部分)の拡大平面図である。 本発明品と従来品との対比説明に供する模式図で、(a)は本発明品の説明図、(b)は従来品の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る固定子鉄心の説明に供するもので、(a)は折り曲げ工程実施前のコアシートの平面図、(b)は折り曲げ工程実施後のコアシートの平面図である。 従来例に係る固定子鉄心の説明に供するもので、(a)は折曲形成前のコアシートの連結部の平面図、(b)は折曲形成後のコアシートの連結部の平面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す2つの実施例にしたがって詳細に説明する。
各実施例は、本発明を適用する固定子鉄心の代表例として、自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心を示しており、以下の説明では、まず、自動車用交流発電機の基本構成を概説したのち、本発明の各実施例における特徴点および本発明の基本的機能について順次説明し、最後に本発明の特徴点毎の作用効果を要約列挙する。
なお、各実施例において、同一または均等部分には、同一符号を付し、重複説明を省略することとする。
[実施例1]
本発明を適用する回転電機である交流発電機ACGの全体構成について、図1および図2に基づいて説明する。
〔交流発電機ACGの基本構成〕
図1に示すように、交流発電機ACGは、エンジンにより駆動される回転軸Aに取付けられた回転子GRと、一対のカップ(椀型)状のハウジング(フレームとも呼ぶ)Hに組立てボルトBによって挟持固定された固定子GSとを備えており、この固定子GSには、固定子コイル(多相巻線)Cを装着する鉄心として、図2に示すごとき円筒状の積層コア1からなる固定子鉄心(積層コア型固定子鉄心)Dが用いられている。
この固定子鉄心Dは、一対のカップ状ハウジングHで挟持固定されることにより、交流発電機ACGの筺体の一部として利用される。
〔積層コア1の基本構成〕
図2に示すように、固定子鉄心Dをなす積層コア1は、内周側に固定子コイルCが巻かれる多数のティース(歯)部11とスロット(溝)部12とを交互に備え、外周側に各ティース部11およびスロット部12を所定のピッチで環状に連結するヨーク(継鉄)部13を備えている。環状のヨーク部13は、固定子コイルCが巻かれない非巻線部分であり、ここに後で詳しく説明する変形領域DXが、円周方向に複数配列されている。
積層コア1は、鉄心素材として図3に示すごとき磁性板100からなる帯状のコアシート10が用いられている。このコアシート10は、例えば、幅広の長尺状の磁性板からティース部およびスロット部が互い違いに配置されるように打抜くことにより、一対(2枚)の帯状コアシートとして作製されるもの、もしくは、幅狭の長尺状の磁性板からその片側にティース部およびスロット部が交互に配置されるように打抜くことにより、1枚の帯状コアシートとして作製されるものであって、長さ方向の一辺側に固定子コイルCを巻装するためのティース(歯)部11およびスロット(溝)部12を有するとともに、長さ方向の他辺側にこれらのティース部11およびスロット部12を所定のピッチで連結するヨーク(継鉄)部13を有している。
そして、このコアシート10を、ヨーク部13が外周側となるように螺旋状に巻取りながら複数層にわたって巻回積層することにより、円筒状の積層コア1とするものである。
なお、積層コア1は、積層方向(軸方向)において、かしめ、溶接等の適宜の固着手段によって各層の相互間が固着され、固定子鉄心Dとして交流発電機ACGに組み付けられる。
〔積層コア1の特徴〕
積層コア1の各層は、図2(a)に示すごとく、少なくとも1つ(本実施例では1個)のティース部11を含む複数のセグメント鉄心片部D1と、隣り合うセグメント鉄心片部D1同士を周方向で連接する複数の結合部D2を有するコアシート10で構成されている。セグメント鉄心片部D1と結合部D2とは、後述するごとくヨーク部13に結合部D2が刻設されることで区分されており、結合部D2がコアシート10における変形領域DXの主体をなしている。
結合部D2は、ヨーク部13において2種の溝によって径方向にU字状に刻設形成されるもので、ヨーク部13の外径と同一の外径を有している。結合部D2は、第1の溝として、周方向の両端側に位置し、外周縁から中心方向に向かって伸びるとともに、セグメント鉄心片部D1との境界線を形成する一対の外側切り離し溝(以下、第1の溝とも呼ぶ。)14を備えている。また、第2の溝として、この一対の外側切り離し溝14間において、内周縁(スロット部底面)から反中心方向に向かって伸び、結合部D2を径方向に対してU字状に形造る内側切り離し溝(以下、第2の溝とも呼ぶ。)15を備えている。
そして、結合部D2により連接されているセグメント鉄心片部D1は、結合部D2との間に第1の溝14が介在しているものの、セグメント鉄心片部D1の周方向の端面D1A、D1Bが第1の溝14の溝壁面14A、14Bと対向し、特に密接している。よって、セグメント鉄心片部D1と結合部D2との間には実質的な磁気空隙が生じることがなく、セグメント鉄心片部D1と結合部D2とが一連のヨーク部13として機能する。
また、第2の溝15は、相互の溝壁面15A、15Bが凹凸嵌合により密接しており、その間に磁気空隙が生じるのを実質的に防いでいる。よって、結合部D2全体が磁気回路として良好に機能する。なお、凹凸嵌合の一例として、一方の溝壁面15Aには半円形状凹部17が、他方の溝壁面15Bには半円形状凸部18がそれぞれ設けられている。この凹凸嵌合により、溝壁面15A、15Bの径方向における当接位置が一義的に定まるため、コアシート10の各巻回層のより一層の真円度が確保される。
なお、第1の溝(外側切り離し溝)14の最奥端(内径側の端部)および第2の溝(内側切り離し溝)15の最奥端(外径側の端部)には、それぞれ円形状の穴16が形成されている。これらの穴16は、コアシート10の折曲形成時に応力分散手段として活用されるものである。
〔本実施例の効果〕
上記構成の本発明の固定子鉄心Dによれば、次に列挙するような作用効果が得られる。(1)隣り合うセグメント鉄心片部D1を連接する結合部D2は、図4に示すように、一対の外側切り離し溝14とこの溝間に設けられた内側切り離し溝15との3つの溝によって網目模様のごとくU字状に形成されているため、一方の根元から他方の根元に至る、所謂自由長の長さを、U字部の径方向に伸びる両辺で稼いで矢印線(U字線)Xのごとく長く取ることができる。この自由長Xが折曲形成時における変位量に対する変形領域有効長となる。したがって、変形領域有効長Xを長くすることができるため、結合部D2の平均曲げ歪みを小さくし、結合部D2が板厚方向に膨れることなくコアシート10を良好に巻回積層することができ、高品質の固定子鉄心Dとすることができる。なお、このメカニズムの詳細については後述する製造方法とともに補足説明する。
(2)また、セグメント鉄心片部D1と結合部D2とを区画形成する外側切り離し溝(第1の溝)14は、隣り合うセグメント鉄心片部D1の周方向の端面D1A、D1Bとそれぞれ対向し密接する溝壁面14A、14Bを有しており、セグメント鉄心片部D1と結合部D2が密接して一連のヨーク部13として機能するため、当該溝14によって磁気回路を犠牲にすることがなく、高磁気性能を確保することができる。
(3)さらに、結合部D2は、従来品のごとき凹溝が不要でヨーク部13の外径と実質的に同じ外径にすることができる。したがって、結合部D2には、径方向の厚みを充分確保することができるため、結合部D2が折り曲げ時に破断等する恐れがなく、高強度の積層コア1を形成し、高強度の固定子鉄心Dとすることができる。
〔本発明の製造方法〕
次に、上記実施例1に係る固定子鉄心D(積層コア1)の製造方法について説明する。
本方法においては、図2(a)に示すように、内周側に固定子コイルCを巻装するためのティース部11およびスロット部12を有するとともに、外周側にティース部11およびスロット部12を所定のピッチで連ねるヨーク部13を有する円筒状の積層コア1を作製するにあたり、鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシート10を用い、このコアシート10を環状に折曲形成するとともに軸方向に積層することで、全体として円筒状の積層コア1とすることを基本とし、以下に詳述するような溝作製工程および折り曲げ工程を備えていることを特徴としている。
本方法では、まず溝作製工程を実施し、その後折り曲げ工程を実施するものであり、かかる各工程の特徴点を、主として図3〜図5を参照しながら説明する。
溝作製工程は、図3に示すように、長尺状の磁性板100からティース部11およびスロット部12を有する帯状コアシート10を作製する工程(コアシート作製工程)と同時に実施されるもので、コアシート10のヨーク部13に対し、複数の2種の溝14、15を刻設し、セグメント鉄心片部D1と結合部D2とを区画形成する工程である。
2種の溝14、15のうち、一方の溝(第1の溝)14は、外周側となる一方の辺10Aに開口するとともに内周側となる他方の辺10Bに向かって伸び、ヨーク部13を、少なくとも1つ(本実施例では1つ)のティース部11を含む複数のセグメント鉄心片部D1と、隣り合うセグメント鉄心片部D1同士を連接する複数の結合部D2とに区画する一対の外側切り離し溝であって、セグメント鉄心片部D1の端面D1A、D1Bと、溝14の溝壁面14A、14Bとの間には切り離しに必要な若干の隙間20が形成されている。
他方の溝(第2の溝)15は、この一対の外側切り離し溝14間に設けられ、他方の辺10B(特にスロット部12の底面)に開口するとともに一方の辺10Aに向かって伸び、結合部D2をU字状に形造る内側切り離し溝である。
そして、この内側切り離し溝15は、対向する溝壁面15A、15Bが凹凸嵌合により密接できるように、一方の溝壁面15Aには半円形状凹部17が、他方の溝壁面15Bには半円形状凸部18がそれぞれ設けられている。
また、対向する溝壁面15A、15Bの間には、上記隙間20より若干大きい隙間21が形成されている。この隙間21は、後工程の関係上、スロット部12側に向かって徐々に幅広となる逆V字形をなしている。
さらに、外側切り離し溝14の最奥端および内側切り離し溝15の最奥端には、それぞれ隙間20、21より大なる径を有し、応力分散要素として機能する欠円形状のC字穴16A、16Bが形成されている。
折り曲げ工程は、上記溝作製工程に引き続いて実施されるもので、図3に示すコアシート10をヨーク部13が外周側になるように環状に折曲形成する工程であって、とりわけ、内側切り離し溝15の溝間隔(隙間21)を狭めながら結合部D2を湾曲変形させることを基本としている。特に、本実施例では、各コアシート10の相隣るセグメント鉄心片部D1が環状にしかも密接して連なるように、外側切り離し溝14および内側切り離し溝15の溝間隔(隙間20、21)が実質的になくなるまで縮径する縮径工程を含んでいる。
かくして、この折り曲げ工程では、図4に示すように、コアシート10の変形領域DXが図4(a)に示す形態から図4(b)に示す形態へと変化していくわけで、この変形メカニズムに最大の特徴がある。
以下、かかる変形メカニズムについて、図5および図6をも参照しながら補足説明する。
図5において、破線は、折り曲げ工程実施前のコアシート10の状態、つまり図4(a)に示す状態を、また、実線は、折り曲げ工程実施後のコアシート10の状態、つまり図4(b)に示す状態を、それぞれ示している。
また、図6において、(a)は本発明品の折り曲げ過程を示しているのに対し、(b)は従来品の折り曲げ過程を示している。
さて、折り曲げ工程実施前においては、結合部D2は、図4(a)に示すように、一対の外側切り離し溝14とこの溝間に設けられた内側切り離し溝15との3つの溝によって網目模様のごとくU字状に形成されている。したがって、結合部D2は、直線状態にあるものの、中心方向に向かって開口するU字形状であるため、一方の根元から他方の根元に至るU字状の線長部分(矢印線X)がすべて自由長となり、この自由長が変位量に対する変形領域有効長Xとなる〔図5の破線、図6(a)の左図も参照〕。
折り曲げ工程に入ると、結合部D2は、上記の直線状態からコアシート10が環状に巻かれることにより、図4(b)に示すように、中間点(結合部頂部)D2Tを回転中心として溝15の隙間21の間隙が実質的になくなるまで内周側へ湾曲変形する〔図5の実線、図6(a)の右図も参照〕。
この折り曲げ過程における結合部D2の変形を、破線から実線への変位量として、図5に示す。
図5において、ティース部11の周方向変位量をP、結合部D2の根元部における周方向変位量をQ、結合部D2の頂部D2Tにおける変位量をRとしたとき、最終的なティース部11(もしくはスロット部12)の間隔は、製品仕様として一義的に決定されるため、このティース部周方向変位量Pを基準にして、各部の変位量を比較すると、
P>Q>R ………(a)
上記(a)のごとき関係式が成立し、結合部D2の根元部の変位量Qより結合部D2の頂部D2Tの変位量Rの方が小さくなる。
また、この変形によって結合部D2に生ずる平均曲げ歪みδは、図6にも示すように、
δ(平均曲げ歪み)=Q(変位量)/X(変形領域有効長)………(b)
上記(b)の関係式から、X(変形領域有効長)が長ければ長いほど、δ(平均曲げ歪み)を小さくすることができる。
したがって、本発明によれば、変形領域有効長Xが長いため、結合部D2の平均曲げ歪みδを小さくすることができ、結合部D2が板厚方向に膨れることなくコアシート10を所要の積層コア径まで湾曲変形させることができる。
ちなみに、本発明品と従来品とを対比すると、図6に示すように、従来品の場合は、連結部SRの根元部間の長さ(変形領域有効長)が、連結部SR自体の周方向長と実質的に同じで最大でもX’の円弧長であり、本発明品の変形領域有効長(U字線長)Xより明らかに短い。そのため、連結部SRの根元部における周方向変位量Q’を、本発明品の結合部D2の根元部における周方向変位量Qと同じである(Q’=Q)と仮定しても、従来品の平均曲げ歪みδ’は、本発明品の平均曲げ歪みδより明らかに大きくなる。
なお、従来品は、連結部SRにおける変位量が、頂部も根元部とほぼ同じQ’になるのに対し、本発明品は、上式(a)のごとく、頂部D2Tの変位量Rを根元部の変位量Qより小さくできる(R<Q)ため、一層有利である。
さらに、本発明によれば、各溝14、15の最奥端にC字穴16A、16Bを設けており、滑らかな曲面を形成しているため、C字穴16A、16Bから円形穴16へと縮径変形する過程での応力を分散することができる。
そして、結合部D2に刻設する内側切り離し溝15には、溝壁面15Aに半円形状凹部17が、他方の溝壁面15Bに半円形状凸部18がそれぞれ設けられているため、折り曲げの過程で徐々に凹凸嵌合しながら、両溝壁面15A、15Bが密接していく。このように、凹凸嵌合により、溝壁面15A、15Bの径方向における当接位置が一義的に定まるため、コアシート10の各巻回層のより一層の真円度が確保される。
かくして、図2に示す高強度、高品質、高磁気性能の積層コア1(固定子鉄心D)を得ることができる。
そして、本方法によれば、溝作製工程は単純なプレス加工でしかもコアシート作製工程と同時に実施でき、簡単な製造工程で、特別な工程を増やすことなく、積層コア1(固定子鉄心D)を経済的に製造することができる。
[実施例2]
次に、本発明方法の実施例2について、上述の実施例1との相違点を中心に図7に基づいて説明する。
上述の実施例1では長尺状の帯状コアシート10を出発点とし、このコアシート10を螺旋状に巻回しながら積層することによって円筒状の積層コア1を形成したのに対し、この実施例2は、半円形状の帯状コアシート10を出発点とし、このコアシート10を所定の枚数積層したのち、全体を環状に形成するか、コアシート10を一枚ずつ環状に形成したのち、これを所定の枚数積層することによって、円筒状の積層コア1を形成するものである。
本実施例においては、まず、図7(a)に示すように、比較的幅広の磁性板100から、あらかじめ全体として、長手方向の両端部10C、10Dが開口を介して対向するC字形(半円形状)をなすように、コアシート10を打ち抜き形成する。そして、このコアシート10の作製工程において、同時に溝作製工程を実施して、実施例1と同様に、セグメント鉄心片部D1と結合部D2とを区画形成する一対の外側切り離し溝(第1の溝)14、および結合部D2をU字状に形造る内側切り離し溝(第2の溝)15を刻設するなど、必要な加工を施す。
次いで、上記コアシート10を環状に折曲形成する折り曲げ工程では、外側切り離し溝14および内側切り離し溝15の溝間隔(隙間20、21)を狭めながら結合部D2を湾曲変形させるとともに、C字形の開口を閉塞するようにコアシート10の両端部10C、10Dをつき合わせることで、コアシート10を環状にする。かくして、コアシート10において、相隣るセグメント鉄心片部D1が環状に密に連なるように、所望の積層コア径まで縮径することができる。
以上本発明方法の実施例2について概説したが、この実施例2においても、実施例1と同様、溝作製工程をコアシート10の作製工程で同時に実施することができ、高強度で高品質・高磁気特性の固定子鉄心Dを、簡単な製造工程で、特別な工程を増やすことなく、経済的に製造することができ、実施例1と同様の効果を得ることができる。
〔変形例〕
以上本発明を2つの実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、その変形例を例示する。
(1)セグメント鉄心片部D1と結合部D2とを区画形成する一対の外側切り離し溝(第1の溝)14は、二つ以上のティース部11を含むセグメント鉄心片部D1を区画形成するように設けることもできる。この場合には、結合部D2の周方向長が長くなるため、内側切り離し溝(第2の溝)15を各スロット部12に対応させて設けるとよい。
(2)上記の各溝14、15の最奥端に設ける穴16、16A,16Bは、必ずしも円形に限定されるものではなく、応力集中を回避可能な滑らかな曲面を形成する形状であれば良い。
(3)内側切り離し溝(第2の溝)15の溝壁面15A、15Bに形成する嵌合構造も、円形に限ることなく、種々な形状を採用することができる。もっとも、溝壁面15A、15Bを良好に密接させコアシート10に所要の真円度を確保できる場合には、かかる凹凸嵌合構造を省略することもできる。
(4)以上の実施形態では、折り曲げ工程に縮径工程を含む実施例について説明したが、固定子鉄心Dの要求仕様によっては、縮径工程を完全にもしくは一部省略した手法を採用することもできる。つまり、縮径工程とは、外側切り離し溝14の溝間隔(隙間20)を狭めるとともに、内側切り離し溝15の溝間隔(隙間21)を一層狭めて、セグメント鉄心片部D1の周方向の端面D1A、D1と外側切り離し溝14の溝壁面14A、14Bを密接させるとともに、内側切り離し溝15の溝壁面15A、15B同士を密接させることにより、所望の積層コア径まで縮径・整径する工程であるが、縮径工程を完全にもしくは一部省略することよって、隙間20、21を積極的に残存させるとともに、その残存量を加減することができる。
例えば、隙間20、21が残存すると実質的な磁気空隙が生じるが、この磁気空隙をカバーするだけの磁路面積がヨーク部13の径方向幅や他の磁気連絡手段で確保されている場合とか、獲得可能な磁気性能が要求性能を満足している場合には、かかる手法を採用し、製法の簡便化を図ることができる。また、かかる手法を採用することで、各溝14、15の最奥端に設ける欠円形状のC字穴16A,16Bも、円形穴16に移行する途中段階で留めることになるが、かかる場合においても、C字穴16A,16Bが縮径するように変形することで、結合部D2における応力分散を図ることができる。つまり、図5に基づいて説明したように、結合部根元周方向変位量Qの方が、結合部頂部周方向変位量R(頂部は変位量が最小)よりも大きいため、必ずしも完全な円形状の穴16にならなくとも、所望の応力分散効果を得ることができる。
また、実施例2において、コアシート10の両端部10C、10D間に隙間を積極的に残存させるとともに、その残存量を加減するようにしても良い。
(5)以上の実施形態では、本発明を自動車用交流発電機(オルタネータ)の固定子鉄心に適用した場合について説明したが、これに限ることなく、鉄心素材として磁性板からなる帯状のコアシートが用いられる固定子鉄心を持つ回転電機、例えば高電圧駆動モータに適用し、同様の作用効果を奏することができる。
以上詳述してきた本発明の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲において従属項として記載した各手段にしたがって構造面および方法面の両面から要約列挙すれば、次の通りである。
(特徴点1=請求項2、の手段)
セグメント鉄心片部D1と結合部D2とを区画形成する一対の外側切り離し溝(第1の溝)14の最奥端および結合部D2をU字状に形造る内側切り離し溝(第2の溝)15の最奥端には円形状の穴16が形成されていることを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、各溝14、15の最奥端を滑らかな曲面に形成しているため、欠円形状のC字穴16A、16Bから円形状の穴16へと縮径変形する過程において応力を分散し、応力集中が生じるのを防ぐことができる。
(特徴点2=請求項3、の手段)
内側切り離し溝15は、対向する溝壁面15A、15Bが互いに凹凸嵌合(凹部17、凸部18)していることを特徴としている(実施例1、2)。
上記手段によれば、凹凸嵌合(凹部17、凸部18)によって溝壁面15A、15Bの径方向の位置決めを行うことができ、各巻回層のコアシート10の真円度を向上することができる。
(特徴点=請求項の手段)
請求項に記載の固定子鉄心Dの製造方法において、帯状のコアシート10は、あらかじめ全体として、長手方向の両端部10C、10Dが開口を介して対向するC字形をなすように、磁性板100から打ち抜き形成されており、
折り曲げ工程では、両端部10C、10Dが対向する開口を閉塞するように結合部D2を湾曲変形させることで、コアシート10を環状にすることを特徴としている(実施例2)。
上記手段によれば、磁性板100として短尺状のものを使用することができる。また、C字形のコアシート10を打ち抜いた後の廃材部分は、モータの場合、回転子のコア(回転子鉄心)の素材として有効活用することができる。
ACG…自動車用交流発電機(回転電機)、C…固定子コイル、D…固定子鉄心、D1…セグメント鉄心片部、D1A、D1B…周方向の端面、D2…結合部、DX…変形領域(セグメント鉄心片部D1および結合部D2)、1…積層コア、10…コアシート、10A、10B…長手方向の両辺、11…ティース部、12…スロット部、13…ヨーク部、14…外側切り離し溝、14A、14B…溝壁面、15…内側切り離し溝、15A、15B…溝壁面、100…磁性板。

Claims (7)

  1. 鉄心素材として磁性板(100)からなる帯状のコアシート(10)が用いられ、このコアシート(10)が環状に折曲形成されるとともに軸方向に積層されることで、全体として円筒状の積層コア(1)が構成される回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)であって、
    前記コアシート(10)は、内周側に固定子コイル(C)を巻装するためのティース部(11)およびスロット部(12)を有するとともに、外周側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を所定のピッチで連ねるヨーク部(13)を有しており、
    前記コアシート(10)は、少なくとも1つの前記ティース部(11)を含む複数のセグメント鉄心片部(D1)と、隣り合う前記セグメント鉄心片部(D1)同士を周方向で連接する複数の結合部(D2)で構成されており、
    前記結合部(D2)は、前記ヨーク部(13)に設けられていて、
    前記結合部(D2)の周方向の両端側に位置し、外周縁から中心方向に向かって伸びるとともに、隣り合う前記セグメント鉄心片部(D1)の周方向の端面(D1A、D1B)とそれぞれ対向する溝壁面(14A、14B)を有し、前記セグメント鉄心片部(D1)との境界線を形成する一対の外側切り離し溝(14)と、
    この一対の外側切り離し溝(14)間に設けられ、前記外側切り離し溝(14)と径方向でオーバーラップするように内周縁から反中心方向に向かって伸びながら対向する溝壁面(15A、15B)を有し、前記結合部(D2)を径方向に対してU字状に形造る内側切り離し溝(15)とを備え、
    前記セグメント鉄心片部(D1)の周方向の端面(D1A、D1B)と前記外側切り離し溝(14)の溝壁面(14A、14B)とが密接しているとともに、前記内側切り離し溝(15)の溝壁面(15A、15B)同士が密接していることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)。
  2. 請求項1に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)において、
    前記外側切り離し溝(14)の最奥端および前記内側切り離し溝(15)の最奥端には円形状の穴(16)が形成されていることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)において、
    前記内側切り離し溝(15)は、対向する溝壁面(15A、15B)が互いに凹凸嵌合(17、18)していることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)。
  4. 鉄心素材として磁性板(100)からなる帯状のコアシート(10)を用い、このコアシート(10)を環状に折曲形成するとともに軸方向に積層することで、全体として円筒状の積層コア(1)とする請求項1に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法であって、
    内周側に固定子コイル(C)を巻装するためのティース部(11)およびスロット部(12)を有するとともに、外周側に前記ティース部(11)および前記スロット部(12)を所定のピッチで連ねるヨーク部(13)を有する円筒状の積層コア(1)を作製するにあたり、
    前記コアシート(10)に対し、外周側となる一方の辺(10A)に開口するとともに内周側となる他方の辺(10B)に向かって伸び、前記ヨーク部(13)を、少なくとも1つの前記ティース部(11)を含む複数のセグメント鉄心片部(D1)と、隣り合う前記セグメント鉄心片部(D1)同士を連接する複数の結合部(D2)とに区画する一対の外側切り離し溝(14)、およびこの一対の外側切り離し溝(14)間に設けられ、前記他方の辺(10B)に開口するとともに前記一方の辺(10A)に向かって伸び、前記結合部(D2)をU字状に形造る内側切り離し溝(15)を形成する溝作製工程と、
    前記内側切り離し溝(15)の溝間隔を狭めながら前記結合部(D2)を湾曲変形させることで、前記コアシート(10)を前記ヨーク部(13)が外周側になるように環状に折曲形成する折り曲げ工程と
    を備え、
    前記折り曲げ工程には、前記外側切り離し溝(14)の溝間隔を狭めるとともに、前記内側切り離し溝(15)の溝間隔を一層狭めることにより、前記セグメント鉄心片部(D1)の周方向の端面(D1A、D1B)と前記外側切り離し溝(14)の溝壁面(14A、14B)を密接させるとともに、前記内側切り離し溝(15)の溝壁面(15A、15B)同士を密接させて縮径する縮径工程を含むことを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法。
  5. 請求項4に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法において、
    前記帯状のコアシート(10)は、あらかじめ全体として、長手方向の両端部(10C、10D)が開口を介して対向するC字形をなすように、前記磁性板(100)から打ち抜き形成されており、
    前記折り曲げ工程では、前記両端部(10C、10D)が対向する前記開口を閉塞するように前記結合部(D2)を湾曲変形させることで、前記コアシート(10)を環状にすることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法において、
    前記溝作製工程では、前記外側切り離し溝(14)の最奥端および前記内側切り離し溝(15)の最奥端に欠円形状のC字穴(16A、16B)を形成しておき、
    前記折り曲げ工程では、前記C字穴(16A、16B)を縮径するように変形させることで、前記結合部(D2)における応力分散を図ることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか1つに記載の回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法において、
    前記溝作製工程では、前記内側切り離し溝(15)の対向する溝壁面(15A、15B)に凹凸嵌合可能な凹凸部(17、18)を形成しておき、
    前記折り曲げ工程では、前記凹凸部(17、18)を凹凸嵌合させながら前記結合部(D2)を湾曲変形させることを特徴とする回転電機(ACG)の固定子鉄心(D)の製造方法。
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