JP2009256673A - 支持体付き接着フィルム - Google Patents

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弘行 伊澤
Shigeki Katogi
茂樹 加藤木
Toshiaki Shirasaka
敏明 白坂
Emi Miyazawa
笑 宮澤
Keiko Tomizawa
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Abstract

【課題】 支持体から転写して使用される接着フィルムであって、優れた接着強度を発揮するのみならず、信頼性試験(高温高湿試験)後においても安定した接着強度を維持することができる接着フィルムを提供すること。
【解決手段】 接着フィルムが剥離可能に支持体上に積層された支持体付き接着フィルムであって、前記支持体側の前記接着フィルムの表面において、X線光電子分光法(XPS)で観察されるケイ素原子の量が4.0%以下である、支持体付き接着フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、支持体付き接着フィルムに関する。
半導体素子及び液晶表示素子において、素子中の種々の部材を結合させる目的で、従来から種々の接着剤が使用されている。これらの接着剤には、接着性をはじめとして、耐熱性、高温高湿状態における信頼性等多岐に渡る特性が求められる。また、接着に使用される被着体は、プリント配線板やポリイミド等の有機基材をはじめ、銅、アルミニウム等の金属やITO、SiN、SiO等の多種多様な表面状態を有する基材であるため、被着体にあわせた接着剤の設計が必要である。
半導体素子や液晶表示素子用の接着剤組成物としては、従来、高信頼性を示すエポキシ樹脂を用いたエポキシ硬化系やラジカル重合性化合物を用いたラジカル硬化系等の硬化性樹脂が用いられてきた(例えば、特許文献1、2参照)。エポキシ硬化系は、一般に、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂と反応性を有するフェノール樹脂等の硬化剤、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進する熱潜在性触媒を構成成分として含有する。ラジカル硬化系の構成成分としては、アクリレート誘導体やメタアクリレート誘導体等のラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤である過酸化物が用いられる。支持体上にこれらの接着剤からなる層を形成させた場合、プロセスマージンや歩留まりの向上のために、接着剤の転写性等、取扱性の向上が求められる。
特開平01−113480号公報 国際公開第98/44067号パンフレット
しかしながら、転写性が良好な従来の接着剤は、一般に接着強度が低く、特に、高温高湿に晒された場合には接続信頼性が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的は、支持体から転写して使用される接着フィルムであって、優れた接着強度を発揮するのみならず、信頼性試験(高温高湿試験)後においても安定した接着強度を維持することができる接着フィルムを提供することにある。
本発明は、接着フィルムが剥離可能に支持体上に積層された支持体付き接着フィルムであって、支持体側の接着フィルムの表面において、X線光電子分光法(XPS)で観察されるケイ素原子の量が4.0%以下である、支持体付き接着フィルムを提供する。
本発明の支持体付き接着フィルムは、上記構成を備えるため、支持体からの剥離が容易であり、被着体に転写して接着させたときの常態(信頼性試験のための温度や湿度に晒さない状態を言う。以下同様)での接着強度が優れており、信頼性試験(高温高湿試験)後においても安定した接着強度を維持する。
このような効果は、支持体側の接着フィルムの表面において、XPSで観察されるケイ素原子が、接着フィルムに付着した離型剤由来のケイ素原子であるときに特に顕著に発揮される。
すなわち、離型剤由来の成分が、XPSで観察可能な接着フィルムの最表面に存在したとしても、その量を4.0%以下に制御することにより、常態及び信頼性試験後の接着強度が劇的に改善される。
離型剤は、接着フィルムの製造工程のいずれかで使用される可能性があり(例えば、製造装置に付着した離型剤)、製造途中に何らかの原因で接着フィルムに離型剤が付着しても、上記のような制御を行うことにより本発明の効果が発揮されるようになる。
しかしながら、本発明者らは、接着強度に影響を及ぼす離型剤について検討を重ねたところ、付着量を制御すべき離型剤としては、支持体から転写されたものが最も重要であることを見出した。また、離型剤を制御するに当り、XPSで観察可能な接着剤フィルム最表面領域を観察すればよく、検出の対象をケイ素原子としてその量を4.0%以下にすればよいとの新規知見を得た。
すなわち、XPSで観察されるケイ素原子は、支持体から接着フィルムに転写された、支持体が含有する離型剤由来のケイ素原子であることが好ましい。
上述した接着フィルムには、導電性粒子を含有させることもできる。導電性粒子を含有させることにより、接着強度のみならず導電性も良好な、支持体付き接着フィルムとして使用できるようになる。
本発明によれば、優れた接着強度を得ることができるとともに、信頼性試験後(例えば、85℃、85%RH放置)後においても接着強度や接続抵抗の安定した性能を維持することが可能な接着フィルムを提供することができる。
(a)は、実施形態に係る支持体付き接着フィルムの斜視図であり、(b)は、(a)の支持体付き接着フィルムのI−I断面を示す図である。
以下、図面を参照しながら、好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率は説明のものとは必ずしも一致しない。
図1(a)は、実施形態に係る支持体付き接着フィルムの斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の支持体付き接着フィルムのI−I断面を示す図である。図1(a)及び(b)に示す支持体付き接着フィルム1は、支持体2と、支持体2上に剥離可能に積層された接着フィルム4とを備えている。なお、接着フィルム4の支持体2側の表面6には、ケイ素原子が存在し、その量は、X線光電子分光法(XPS)で観察した場合に4.0%以下である。
XPSの測定は、光源:Al−Kα(1486.7eV)単色光 出力:300〜400W、で行う。測定するエネルギー値は、炭素原子は280〜294eVのC1sの結合エネルギー値、酸素原子は528〜534eVのO1sの結合エネルギー値、窒素原子は396〜408eVのN1sの結合エネルギー値、ケイ素原子は100〜105eVのSi2pの結合エネルギー値とし、その他の原子について測定する場合は、各原子の酸化状態に固有の軌道エネルギーから求められる結合エネルギー値とする。なお、離型剤由来のケイ素原子の結合エネルギー値は102〜103eV、シランカップリング剤等のシラン化合物由来の結合エネルギー値は100eV以上102eV未満、シリカ由来の結合エネルギー値は103eVを超え105eV以下である。
なお、このような測定により、接着フィルム4の表面6から1nm〜100nm程度(典型的には、数nm〜数十nm)の深さの最表面領域のケイ素原子の分析が可能になる。また、直径0.6mmの領域が測定面積であり、通常は表面6の任意の1箇所を選んで測定すれば充分であるが、例えば、2〜5箇所、好ましくは2〜10箇所の測定点を選んでケイ素原子の量を測定してもよい。測定点を複数選ぶ場合においては、表面6全体を見渡して、充分に離れた測定点を選ぶことが好ましい。
XPSで観察されるケイ素原子の量は、上述のように0.0%以上4.0%以下であるが、ケイ素原子の量は、3.5%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましい。ケイ素原子の量が4.0%を超す場合は、常態及び信頼性試験後の接着強度が不十分になる。
XPSで観察されるケイ素原子は、接着フィルム4の製造途中又は製造後に、接着フィルム4以外の物から接着フィルム4に付着した物質に由来することが好ましい。接着フィルム4に付着するケイ素原子含有物質としては、離型剤(例えば、ジメチルシリコーン等のポリオルガノシロキサン)が典型的であることから、接着フィルムの製造工程のいずれかで使用された離型剤や、支持体2に付着していた離型剤、支持体2の表面にブリードアウトしてきた離型剤の由来するケイ素原子について、上記測定を行なうことが好ましい。
なお、接着フィルム4自体が、シランカップリング剤等のケイ素原子含有物質(離型剤以外のケイ素原子含有物質)を含んでいる場合があり、このような場合は、これらの物質と後発的に付着する離型剤とを区別することなく、接着フィルム4の最表面に存在するXPSで観察できるケイ素原子全体の量を測定する。接着フィルム4自体が含有する離型剤以外のケイ素原子含有物質の量は接着フィルム4全体に一様に分散しており、表面に局在することは少ないため、このような取り扱いをしても問題を生じない。
離型剤由来のケイ素原子は、X線光電子分光法(XPS)による測定によって算出された接着フィルム表面のケイ素原子の割合から、もしくは、接着フィルム表面のケイ素原子の割合から離型剤を有する支持体の表面に接していない接着フィルム断面のケイ素原子の割合の差から算出することができる。
支持体付き接着フィルム1を構成する接着フィルム4は、熱可塑性材料や、熱や光により硬化性を示す硬化性材料を含有するものが有用である。接続後の耐熱性の観点からは、接着フィルム1は硬化性材料を含有することが好ましい。硬化性材料としては、熱や光によりそれ自身が硬化反応を生じる硬化性材料や、開始剤、架橋剤、硬化剤等を併用する硬化性材料が挙げられる。硬化性材料の具体例としては、(メタ)アクリル化合物、アクリル樹脂、ウレタン化合物、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートなど同様の用法においても、同様に解釈する。
硬化性材料の硬化の形態としては、二重結合が反応点となるラジカル重合や、エポキシ樹脂のイオン重合、重付加など、いずれの重合形態でも良く、硬化性材料は、ラジカル重合開始剤、硬化剤(エポキシを硬化性材料とした場合はエポキシ硬化剤)を含有してもよい。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化物やアゾ化合物を用いることができる。安定性、反応性及び相溶性の観点から、1分間半減期温度が90〜175℃で、かつ分子量が180〜1,000の過酸化物が好ましい。また、これらを単独で、または2種類以上の混合体として使用できる。
エポキシ硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミンの塩、オニウム塩、ジシアンジアミドなど、及びこれらの変性物を用いることができる。これらは、アニオン又はカチオン重合型などのいわゆるイオン重合性の触媒型硬化剤であり、これらを単独で、または2種類以上の混合体として使用できる。エポキシ硬化剤としては、安定性、反応性及び相溶性の観点から、硬化剤を核としその表面を高分子物質又は無機物で被覆したマイクロカプセル型硬化剤が好ましい。
接着フィルム4は、それ自身では熱硬化しないフィルム形成ポリマーを含んでもよい。フィルム形成ポリマーとしては、特に制限なく公知のものを使用することができる。このようなポリマーとしては、ポリイミド、ポリアミド、フェノキシ樹脂類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリエステルウレタン類、ポリビニルブチラール類などを用いることができる。これらは単独で、または2種類以上を混合して反応させることができる。
また、本発明に用いる接着フィルムには、アルコキシシラン誘導体やシラザン誘導体に代表されるカップリング剤を適宜添加してもよい。シランカップリング剤としては、下記一般式で示される化合物が好ましく、単独で用いる他に、2種類以上の化合物を混合して添加してもよい。
Figure 2009256673
ここでR、R、Rは独立に、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、又はアリール基を示し、Rは(メタ)アクリロイル基、ビニル基、イソシアナート基、イミダゾール基、メルカプト基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェニルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、モルホリノ基、ピペラジノ基、ウレイド基、又はグリシジル基を示し、Aは1〜10の数を示す。但し、R、R及びRのうち少なくとも一つは、炭素数1〜5のアルコキシ基でなければならない。
支持体付き接着フィルム1を構成する支持体2は、接着フィルム4をフィルム状に保つことができるものであれば、その形状や素材は任意である。支持体2は、離型性が付与されたものであってもよい。離型性の付与は、接着フィルム4を構成するベースフィルム上に離型剤を付着又は反応させるか、ベースフィルムに離型剤を予めブレンドする方法で行なうことができる。
このような用途に使用する離型剤としては、ジメチルシリコーン等のポリオルガノシロキサンを基本とするシリコーン系や、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキッド樹脂に代表される非シリコーン系が挙げられる。離型性のコントロールの点からは、シリコーン系離型剤を用いることが好ましい。シリコーン系離型剤としては、溶剤希釈型、無溶剤型及びエマルジョン型がある他、縮合タイプと付加反応タイプの硬化型シリコーンがある。また、ベースとなるシリコーンの架橋状態を変化させたり、添加剤等を添加して、剥離力のコントロールを行ってもよい。また、取扱性を向上させるために、静電処理等を行ってもよい。
支持体2としては、具体的には、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)又は不織布等の基材を用いることができる。
接着フィルム4には、導電性粒子を含有させてもよいが、導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等が挙げられる。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等を核とし、この核に上記金属、金属粒子やカーボンを被覆したものでもよい。導電性粒子が、プラスチックを核としてこの核に上記金属、金属粒子やカーボンを被覆したものである場合、又ははんだなどの熱溶融金属粒子である場合は、加熱加圧による変形性を有するため回路接続時に電極の厚みバラツキを吸収したり、電極との接触面積が増加したりして信頼性が向上するので好ましい。
また、これらの導電性粒子の表面を、さらに高分子樹脂などで被覆した微粒子は、導電性粒子の配合量を増加した場合の粒子同士の接触による短絡を抑制し、電極回路間の絶縁性が向上できることから、適宜これを単独あるいは導電性粒子と混合して用いてもよい。 この導電性粒子の平均粒径は、分散性、導電性の点から1〜18μmであることが好ましい。このような導電性粒子を含有する場合、接着剤組成物は異方導電接着剤として、好適に用いることができる。
導電性粒子の使用量は、特に制限は受けないが、接着フィルム4の総量100体積に対して0.1〜30体積%とすることが好ましく、0.1〜10体積%とすることがより好ましい。この値が、0.1体積%未満であると導電性が劣る傾向があり、30体積%を超えると回路の短絡が起こる傾向がある。なお、体積%は23℃の硬化前の各成分の体積をもとに決定されるが、各成分の体積は、比重を利用して重量から体積に換算することができる。また、メスシリンダー等にその成分を溶解したり膨潤させたりせず、その成分をよくぬらす適当な溶媒(水、アルコール等)を入れたものに、その成分を投入し増加した体積をその体積として求めることもできる。
接着フィルム4は、加熱及び加圧を併用して、被着体に接着させることができる。加熱温度は、特に制限は受けないが、100〜250℃が好ましい。圧力は、被着体に損傷を与えない範囲であればよく、一般的には0.1〜10MPaが好ましい。これらの加熱及び加圧は、0.5〜120秒間の範囲で行うことが好ましく、140〜200℃、1〜3MPa、1〜10秒間の加熱でも接着させることが可能である。
接着フィルム4に含有させることができる上記以外の成分(以下、添加成分という)としては、導電性粒子以外のフィラー、帯電防止剤、可塑剤、着色剤、イオン交換体等が挙げられる。接着フィルム4が、硬化性材料と、これを硬化させる成分(開始剤、架橋剤、硬化剤等)とを含む場合は、前者と後者の混合比は硬化反応が充分に生じる比にすればよいが(例えば、当量比を掲載して求める。)、一般には前者100質量部に対して、後者0.01質量部〜50質量部である。上記添加成分は、接着フィルム4の全質量を基準として、0.01〜20質量%程度の含有量とすることが好ましい。
支持体付き接着フィルム1において、支持体2の厚さは10〜100μmが好ましく、接着フィルム4の厚さは3〜50μmが好ましい。また、支持体付き接着フィルム1はロール上に巻き取ってもよい。
接着フィルム4は、熱膨張係数の異なる異種の被着体の接着剤として使用することができる。具体的には、異方導電接着剤、銀フィルム等に代表される回路接続材料、CSP用エラストマー、CSP用アンダーフィル材、LOCテープ等に代表される半導体素子接着材料として使用することができる。
導電性粒子を含有する接着フィルムを異方導電フィルムとして用い、電極と接続する場合においては、異方導電フィルムを、基板上の相対時する電極間に存在させ、加熱加圧することにより、両電極が直接又は導電性粒子を介して接触すると同時に、基板間が接着される。電極を形成する基板としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機質、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等のこれら複合の各組み合わせが適用できる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[接着フィルムの準備]
(熱可塑性樹脂の準備)
(フェノキシ樹脂の調整)
フェノキシ樹脂(YP−70、東都化成株式会社製、商品名)40gを、メチルエチルケトン60gに溶解して、固形分40重量%の溶液とした。
(ポリエステルウレタン樹脂の合成)
テレフタル酸(東京化成工業株式会社製)300質量部(1.80mol)とネオペンチルグリコール(和光純薬工業株式会社製)340質量部(3.26mol)、及び触媒として三酸化アンチモン(和光純薬工業株式会社製)をテレフタル酸に対して0.003mol%の量を、撹拌機、温度計、コンデンサー及び真空発生装置と窒素ガス導入管が備え付けられたヒーター付きステンレス製オートクレーブに投入した。0.35MPaの窒素圧下で2.5時間かけて250℃まで昇温して、そのまま1時間撹拌した。その後、1mmHgまで30mmHg/minで減圧し、そのまま3時間撹拌した。冷却後、白色沈殿を取り出し、水洗後、真空乾燥することでポリエステルポリオールを得た。
得られたポリエステルポリオールを十分に乾燥した後、トルエンに溶解し、撹拌機、滴下漏斗、還流冷却機、窒素ガス導入管を取り付けた四つ口フラスコに投入した。また、触媒としてジブチルスズジラウレート(和光純薬工業株式会社製)をポリエステルポリオール100重量部に対して0.02重量部となる量を投入した。一方4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(東京化成工業株式会社製)490質量部(1.96mol)をトルエンに溶解し滴下漏斗に入れた。反応系内を乾燥窒素で置換してから加熱を開始し、還流が始まったら滴下漏斗内の溶液を一度に半分加えて激しく撹拌した。残りは3時間かけて滴下し、滴下後さらに1時間撹拌した。冷却することで得られた沈殿をジメチルホルムアミド300mLに溶解し、これにメタノール300mLを加えて冷蔵庫内に一晩放置して得られた沈殿を真空乾燥することで、ポリエステルウレタン樹脂を得た。
(ポリエステルウレタン樹脂の準備)
上記手法で得られたポリエステルウレタン樹脂40gを、メチルエチルケトン60gに溶解して、固形分40重量%の溶液とした。
(ラジカル重合性化合物の準備)
イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート(M−215、東亜合成株式会社製、商品名)、及び2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート(ライトエステルP−2M、共栄社株式会社製、商品名)を準備した。
(ウレタンアクリレート(UA)の合成)
攪拌機、温度計、及び塩化カルシウム乾燥管を備えた還流冷却管と、窒素ガス導入管とを備えた反応容器に数平均分子量860のポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール(アルドリッチ社製)860質量部(1.00モル)、及びジブチルスズジラウレート(アルドリッチ社製)5.53重量部を投入した。充分に窒素ガスを導入した後、70〜75℃に加熱し、イソフォロンジイソシアネート(アルドリッチ社製)666重量部(3.00モル)を3時間で均一に滴下し、反応させた。滴下完了後、約10時間反応を継続した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレート(アルドリッチ社製)238質量部(2.05モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(アルドリッチ社製)0.53重量部を投入し、さらに10時間反応させ、IR測定によりイソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ウレタンアクリレート(UA)を得た。得られたUAの数平均分子量は、3,700であった。
(カップリング剤の準備)
カップリング剤として、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM503、信越化学工業株式会社製、商品名)を準備した。
(ラジカル重合開始剤の準備)
ラジカル重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂株式会社製の商品名)を準備した。
(導電性粒子の作製)
ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金層を設け、平均粒径4μm、比重2.5の導電性粒子を作製した。
(離型性を有する支持体の準備)
表1に示すシリコーン系離型剤を有する支持体を準備した。
固形重量比で表2に示すように配合し、さらに導電性粒子を1.5体積%配合分散させ、表1記載の支持体に塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが20μmのフィルム状接着剤を得た。
Figure 2009256673

Figure 2009256673
〔接着強度、接続抵抗の測定〕
上記製法によって得たフィルム状接着剤を用いて、ライン幅25μm、ピッチ50μm、厚み18μmの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC)と、0.2μmの酸化インジウム(ITO)の薄層を形成したガラス(厚み1.1mm、表面抵抗20Ω/□とを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジニアリング株式会社製)を用いて温度160℃、3MPa、10秒間の加熱加圧を行って幅2mmにわたり接続し、接続体を作製した。
この接続体の隣接回路間の抵抗値を、接着直後と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に250時間保持した後にマルチメータで測定した。抵抗値は隣接回路間の抵抗37点の平均で示した。
上記の接続体の接着強度をJIS−Z0237に準じて90度剥離法で測定し、評価し
た。ここで、接着強度の測定装置は、東洋ボールドウィン株式会社製テンシロンUTM−4(剥離速度50mm/min、25℃)を使用した。
〔X線光電子分光法(XPS)の測定〕
上記製法によって得た接着フィルムを熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジニアリング株式会社製)を用いて70℃の温度で、1MPa、2秒間加熱加圧して、0.2μmの酸化インジウム(ITO)の薄層を形成したガラス(厚み1.1mm表面抵抗20Ω/□)に転写させた後、支持体をはがして、接着フィルム表面を測定した。測定は、島津/Kratos製 AXSIS−165型、光源:mono−Al−Kα(1486.7eV)単色光 出力:300Wで行った。
接着強度及びX線光電子分光法(XPS)の測定結果を表3に示した。
Figure 2009256673
実施例1〜5で得られた接着フィルムは、X線光電子分光法(XPS)の測定においてケイ素原子の割合は3.4%以下であり、加熱温度160℃において、接着直後及び85℃、85%RHの高温高湿槽中に250時間保持した後で、良好な接続抵抗及び接着強度を示し、良好な特性を示すことが分かった。これらに対して、比較例1〜3では、X線光電子分光法(XPS)の測定においてケイ素原子の割合は4.0%以上であり、また、接着直後及び高温高湿試験後の接着強度が低い値であった。
1…支持体付き接着フィルム、2…支持体、4…接着フィルム、6…表面。

Claims (4)

  1. 接着フィルムが剥離可能に支持体上に積層された支持体付き接着フィルムであって、
    前記支持体側の前記接着フィルムの表面において、X線光電子分光法(XPS)で観察されるケイ素原子の量が4.0%以下である、支持体付き接着フィルム。
  2. 前記ケイ素原子は、離型剤由来のケイ素原子である、請求項1記載の支持体付き接着フィルム。
  3. 前記ケイ素原子は、前記支持体から前記接着フィルムに転写された、前記支持体が含有する離型剤由来のケイ素原子である、請求項1記載の支持体付き接着フィルム。
  4. 接着フィルムは、導電性粒子を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の支持体付き接着フィルム。
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