JP2001171033A - 多層異方性導電膜積層体 - Google Patents
多層異方性導電膜積層体Info
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Abstract
ブロッキングすることなく、剥離フィルムの裏面から容
易に剥離し、転写後はACFから剥離フィルムを容易に
剥離して熱圧着を行うことができ、これにより優れた接
着強度を得ることが可能な多層異方性導電膜積層体を提
供する。 【解決手段】 剥離フィルム上に多層に異方性導電膜が
積層された多層異方性導電膜積層体であって、剥離フィ
ルムはシリコーンを含まず、引張強度が10kN/cm
2以上、表面張力が350μN/cm2以下であり、剥離
フィルム表面に接する第1の異方性導電膜の剥離力が2
N/5cm以下であって、剥離フィルムの裏面に接する
第2の異方性導電膜の剥離力よりも0.05N/5cm
以上大きいことを特徴とする多層異方性導電膜積層体
Description
る被接続部材を接続するための接続材料に用いられる異
方性導電膜を剥離フィルムに積層した多層異方性導電膜
積層体、特に剥離フィルムとしてのベースフィルムに異
方性導電膜の積層体が固着された多層異方性導電膜積層
体に関するものである。
を接続するための接続材料として、異方性導電膜(以
下、ACFという)が使用されている。このACFはプ
リント配線基板、LCD用ガラス基板、フレキシブルプ
リント基板等の基板や、IC、LSI等の半導体素子や
パッケージなどの被接続部材を接続する際、相対する電
極同士の導通状態を保ち、隣接する電極同士の絶縁を保
つように電気的接続と機械的固着を行う接続材料であ
る。
る接着剤成分と、必要により配合される導電性粒子とを
含むフィルム状に形成されており、PET(ポリエチレ
ンテレフタレート)等の剥離フィルムに積層した状態で
製品化されている。そして使用に際しては、ACFを被
接続部材に転写して仮圧着後剥離フィルムから剥離して
熱圧着を行い、熱硬化性樹脂を硬化させて部材間の機械
的固着を得るとともに、対向する電極間を直接または導
電性粒子を介して接触させて電気的接続を得る。
ルムに積層した積層体の状態でリールに巻かれており、
巻き締まりが生じるとACFがはみ出すので、巻き締ま
りが生じないことが要求される。また使用に際してはリ
ールから巻き戻し、ACFを剥離フィルムから剥離し
て、接続を行っていく。このときACFは剥離フィルム
の表面に載ったまま、ブロッキングすることなく、剥離
フィルムの裏面から容易に剥離して巻き戻され、被接続
部材への転着後はACFが剥離フィルムの表面から容易
に剥離する必要がある。このためACFは剥離フィルム
の表面と裏面で剥離力に差があることが要求される。
て、PETフィルムの表面にシリコーンなどの剥離処理
を施したものがあり、剥離力に差をつけるために表裏に
異なるシリコーンを用いるものがある。しかしシリコー
ンのような剥離剤がACF側に移行してACFが剥離フ
ィルムから脱落したり、あるいはシリコーンの架橋が不
十分な場合は溶媒に溶解してACFの成分と反応するた
め、熱圧着を行った後の接着強度が低くなるという問題
点がある。このような現象はリン酸アクリレートのよう
なリン酸含有樹脂を用いる場合に特に顕著である。
リテトラフルオロエチレンを用い、剥離力の差をつける
ために片面を粗面化するものがある。しかしこの方法で
は粗面化工程により工程が複雑になるほか、表面粗さの
違いによりACFの剥離強度のバラツキが生じ仮圧着が
できなかったり、あるいはACFが伸びて寸法精度が悪
くなるなどの問題点がある。
e)フィルムなどの場合、プラズマ処理等により表裏の
剥離力に差をつけることも行われているが、プラズマ処
理を行うと一般的に密着性が高くなり、仮圧着後にフィ
ルムを剥離することが困難になるという問題点がある。
Fが剥離フィルム表面上に載った状態でブロッキングす
ることなく、剥離フィルムの裏面から容易に剥離し、転
写後はACFから剥離フィルムを容易に剥離して熱圧着
を行うことができ、これにより優れた接着強度を得るこ
とが可能な多層異方性導電膜積層体を提供することであ
る。
導電膜積層体である。 (1) 剥離フィルム上に多層に異方性導電膜が積層さ
れた多層異方性導電膜積層体であって、剥離フィルムは
シリコーンを含まず、引張強度が10kN/cm2以
上、表面張力が350μN/cm2以下であり、剥離フ
ィルム表面に接する第1の異方性導電膜の剥離力が2N
/5cm以下であって、剥離フィルムの裏面に接する第
2の異方性導電膜の剥離力よりも0.05N/5cm以
上大きいことを特徴とする多層異方性導電膜積層体。 (2) 第1の異方性導電膜の剥離力が0.25〜1N
/5cm、第2の異方性導電膜の剥離力が0.05〜
0.35N/5cmである上記(1)記載の多層異方性
導電膜積層体。 (3) 第1の異方性導電膜のタック力が6.2N/5
mmφ以下であって、第2の異方性導電膜のタック力よ
り0.1N/5mmφ以上大きい上記(1)または
(2)記載の多層異方性導電膜積層体。 (4) 第1の異方性導電膜のタック力が0.3〜6N
/5mmφ、第2の異方性導電膜のタック力が0.2〜
5N/5mmφである上記(1)ないし(3)のいずれ
かに記載の多層異方性導電膜積層体。 (5) 第1および第2の異方性導電膜はリン酸含有樹
脂を含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の多
層異方性導電膜積層体。
CFを積層可能であって、使用に際してACFを剥離す
ることが可能なフィルムである。このような剥離フィル
ムとして本発明ではシリコーンを含まず、引張強度が1
0kN/cm2以上、好ましくは13〜40kN/c
m2、表面張力が350μN/cm2以下、好ましくは5
0〜350μN/cm2のものを使用する。フィルムの
材質としては上記のような特性を有するものであれば制
限はなく、極性が低いポリオレフィンなどが使用できる
が、特にOPP(Oriented Polypropylene)、PMP
(ポリメチルペンテン)などが好ましい。
ものであり、ACF中に移行して接着性を低下させるた
めシリコーンを含まないものを使用する。他の剥離処理
剤についても含まないものが好ましい。引張強度が上記
範囲にあることにより、ACFをリールに巻いたときの
巻き締まりによるACFのはみ出しを防止できる効果が
大きくなる。また表面張力が上記範囲にあることによ
り、ACFを容易に剥離して使用に供することができ
る。本発明では剥離フィルムの表面張力が表面と裏面で
差のないものを使用できるが、表面処理等により差をつ
けてもよい。
は、従来から相対する電極を有する被接続部材の接続材
料として用いられてきたものであって、相対する電極間
の電気的接続と隣接する電極間の絶縁を保った状態で被
接続部材間の機械的固着を行う接続材料が使用できる。
このようなACFとしては熱硬化性樹脂を含む接着剤成
分のみからなるもの、あるいはこのような接着剤成分と
導電性粒子を含むものなどがあげられる。
てきたエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、
水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂
のような縮合型の熱硬化性樹脂のほかに、単官能および
多官能のビニル系モノマーを用いるラジカル重合型、あ
るいはこれらの混合型など、任意の樹脂を使用すること
ができる。
なリン酸含有樹脂を用いる場合に効果的である。リン酸
アクリレートはエポキシアクリレートのような官能基含
有ビニルモノマーおよび有機過酸化物を用いて、熱圧着
によりラジカル重合と縮合(開環反応)による硬化反応
を行うように用いられる。このようなリン酸含有樹脂は
シリコーンのような剥離処理剤を含む剥離フィルムに積
層すると、剥離処理剤がACF側に移行して接着強度の
低下を生じやすいが、本発明ではシリコーンを含まない
剥離フィルムを用いることにより、接着強度の低下は防
止される。
性樹脂のほかに、フィルム形成性を改善するためにフェ
ノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム等
の熱可塑性高分子材料、ならびにカップリング剤、老化
防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。接着剤成分とと
もに用いられる導電性粒子としては金属粒子、高分子材
料粒子をメッキ等により導電材で被覆した導電被覆粒
子、これらの粒子を絶縁性樹脂で被覆した絶縁被覆粒子
等があげられる。
ム上に多層に積層された積層体を用いる。この場合AC
Fの積層数に制限はないが、剥離フィルムの表面に接す
る第1のACFの剥離力は2N/5cm以下であって、
剥離フィルムの裏面に接する第2のACFの剥離力より
も0.05N/5cm以上、好ましくは0.1N/5c
m大きいものを用いる。このような剥離力とすることに
より、ブロッキングなしにACFの剥離を可能にする。
〜1N/5cm、好ましくは0.3〜0.9N/5c
m、第2のACFの剥離力は0.05〜0.35N/5
cm、好ましくは0.05〜0.3N/5cmとするの
が好ましい。ACF同士の剥離力は第1のACFと剥離
フィルムの剥離力より、0.05N/5cm以上、好ま
しくは0.1N/5cm大きくするのが好ましい。これ
により剥離フィルムとACFの剥離を容易にすることが
できる。
5mmφ以下であって、第2のACFのタック力より
0.1N/5mmφ以上、好ましくは0.15N/5m
mφ大きくするのが好ましい。この場合第1のACFの
タック力を0.3〜6N/5mmφ、好ましくは0.5
〜6N/5mmφ、第2のACFのタック力を0.2〜
5N/5mmφ、好ましくは0.2〜0.45N/5m
mφとすることが好ましい。これにより上記の剥離力の
第1および第2のACFを得ることができる。
それぞれの成分および配合量を選択することにより、剥
離力およびタック力を調整することができる。このよう
なACFの剥離力およびタック力の調整は容易であり、
剥離フィルムの表裏面の表面張力に差をつけることより
も容易に行うことができる。本発明のACF積層体はこ
のような第1のACFが剥離フィルムの表面に接し、第
2のACFが最上層に積層されるように構成される。第
1および第2のACF間に他のACFが積層されていて
もよい。
の表面に第1のACFを積層し、必要により他のACF
を積層した後最上層に第2のACFを積層するか、ある
いはこれらを同時に積層することにより、製造すること
ができる。それぞれのACFの積層は必要により溶媒を
加えてペースト状にしたACFを剥離フィルムまたは他
のACF上に塗布して溶媒を除去することにより積層し
てもよく、また押出成形等により積層してもよい。
は剥離フィルムが下側になるようにリールに巻いて製品
とされ、保存、運搬される。本発明の積層体は剥離フィ
ルムが特定の引張強度を有するため、巻き締まりによる
ACFのはみ出しはなく、ACFは所定の寸法を維持す
る。
離フィルムを剥離して他の被接続部材を重ね、熱圧着に
より接続を行う。リールに巻いた状態では第2のACF
は剥離フィルムの裏面に付着しているが、第1のACF
の剥離力が大きくなっているため、第2のACFは剥離
フィルムの裏面から容易に剥離し、ブロッキングは起こ
らない。その後剥離フィルムと第1のACFを剥離する
ときは、剥離フィルムは特定の表面張力を有するため容
易に剥離することができる。これによりACFは変形す
ることなく所定の寸法を維持し、所定の接着力を得るこ
とができる。
測定される。 引張強度:JIS K7127 表面張力:JIS K6768 剥離力 :JIS K6854 180°剥離 タック力:タッキング試験機(LT25A−500、
(株)レスカ社製)を用い、5mmφSUSプローブを
2Nの荷重で押し付け引はがし時の最大強度を測定
特定の第1および第2のACFを含むACFを多層に積
層するようにしたので、ACFが剥離フィルム表面上に
載った状態でブロッキングすることなく、剥離フィルム
の裏面から容易に剥離し、転写後はACFから剥離フィ
ルムを容易に剥離して熱圧着を行うことができ、これに
より優れた接着強度を得ることができる。
より説明する。図1は実施形態の多層ACF積層体を一
部断面図で示す説明図である。
り、剥離フィルム2の表面に第1のACF3が積層さ
れ、最上層に第2のACF4が積層されている。このよ
うな多層ACF積層体1はコア6を有するリール5に巻
き取られて製品とされる。剥離フィルム2、第1のAC
F3および第2のACF4は前記の特性を有するものが
使用されている。第1および第2のACF3、4間には
他のACFが積層されていてもよい。
剥離フィルム2の表面に第1のACF3が付着し、第2
のACF4は上に重なる剥離フィルム2の裏面に付着し
ている。この状態で剥離フィルム2は特定の引張強度を
有するため、巻き締まりはなく、所定の巻取力で巻き取
った状態ではACF3、4は圧縮されず、所定の寸法を
維持する。
の方が大きいため第2のACF4が先に剥離フィルムの
裏面から剥離し、このためACF4が剥離フィルム2に
付着するブロッキング現象が生じることなく、積層体1
の巻き戻しが行われる。こうして巻き戻した積層体1か
らACF3、4を被接続部材の一方に転着し、剥離フィ
ルムを剥離する際、剥離フィルムが特定の表面張力を有
するため容易に剥離し、ACF3、4が変形することが
ない。このためACF3、4上に他の被接続部材を重ね
て熱圧着すると、所定の機械的固着と電気的接続が得ら
れる。
施例に用いた剥離フィルムの物性を表1に示す。表1
中、Aは厚さ50μmのPETフィルムの両面をシリコ
ーンで表面処理したもの(テイジン社製、A−70、商
品名)、Bは厚さ80μmのポリテトラフルオロエチレ
ン(日東電工社製、ニトフロン900UL、商品名)、
CはOPP(東レ社製、トレファン、商品名)、DはP
MP(三井化学社製、TPX、商品名)である。 (引張強度の測定)引張強度は次のようにして測定し
た。所定フィルムを1cm×10cmの短冊状にスリッ
トし、引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、
商品名)にて引張スピード50mm/minにて延伸
し、破断強度を断面積にて除した値を引張強度とした。
定用標準試薬を用いて測定した。
表2に示す。表2中、エポキシアクリレートは共栄化学
社製、3002A、フェノキシ樹脂は東都化成社製、Y
P50、リン酸アクリレートは日本化薬社製、PM2、
有機過酸化物は日本油脂社製、パーヘキサ3M(いずれ
も商品名)、導電性粒子はソニーケミカル社製、Auメ
ッキ導電粒子である。
固形分濃度40重量%となるよう溶媒MEK(メチルエ
チルケトン)に溶解し、15μmの乾燥厚となるようP
ET上にコーティングし、60℃で5分間乾燥しACF
を作成した。このACFを試料とし、タックテスタ
((株)レスカ社製、LT25A−500、商品名)を
用い、直径5mmφのステンレス鋼製円柱形のプローブ
を2Nの荷重で試料に押し付け、5mm/minで剥が
して応答ピークをタック力とした。
層した。積層は表2のa〜eの組成の各成分を溶媒とし
てのトルエンに溶解して固形濃度40重量%とし、これ
を表3の乾燥厚になるように剥離フィルムにコーティン
グし、60℃で5分間乾燥させて第1のACFを積層し
た。その後同様の操作で第2のACFを積層して多層A
CF積層体を製造した。
幅に切り取り、第2のACF側に粘着テープを貼り付
け、剥離フィルムからACFが剥離するよう180°の
方向に30cm/minの速度で引き剥がした時の剥離
強度を剥離フィルム表側の剥離力とした。剥離フィルム
の裏側に50℃で1m/minでACFをラミネート
し、上記と同様に180°剥離強度を測定し、裏側の剥
離力とした。
ACF積層体を接続材料とし、スズメッキした18μm
厚、0.1mmピッチの銅電極を有する75μm厚のポ
リイミド基材TCP(Tape carrier Package)と1.1
mm厚ガラス基板とを、140℃、200N/cm2で
10秒間熱圧着し、引張速度50cm/minで90°
方向に剥離したときの剥離強度を接着強度とした。
スリットし、コア直径を2.54cm、外径110mm
のリールに0.2N/mm2のテンションで巻き取り、
室温で1日間放置後、外観観察により、はみ出しなしを
○、はみ出しありを×で評価した。
ら積層体を送り出し、剥離フィルムの裏面を観察し、裏
面にACF付着なしを○、付着ありを×で評価した。上
記の結果を表3に示す。
の実施例1〜3は、接着強度、巻締まり性、ブロッキン
グ性に優れていた。シリコーンを含む剥離フィルムを用
いる比較例1は接着強度に劣る。引張強度の低い剥離フ
ィルムを用いる比較例2は巻締まり性に劣る。第1およ
び第2のACFのタック力、剥離強度が同等または差が
小さく、あるいは逆転している比較例3〜5はブロッキ
ング性に劣る。また第1のACFのタック力および剥離
力が大きい比較例6は転着が困難であった。
Claims (5)
- 【請求項1】 剥離フィルム上に多層に異方性導電膜が
積層された多層異方性導電膜積層体であって、剥離フィ
ルムはシリコーンを含まず、引張強度が10kN/cm
2以上、表面張力が350μN/cm2以下であり、 剥離フィルム表面に接する第1の異方性導電膜の剥離力
が2N/5cm以下であって、剥離フィルムの裏面に接
する第2の異方性導電膜の剥離力よりも0.05N/5
cm以上大きいことを特徴とする多層異方性導電膜積層
体。 - 【請求項2】 第1の異方性導電膜の剥離力が0.25
〜1N/5cm、第2の異方性導電膜の剥離力が0.0
5〜0.35N/5cmである請求項1記載の多層異方
性導電膜積層体。 - 【請求項3】 第1の異方性導電膜のタック力が6.2
N/5mmφ以下であって、第2の異方性導電膜のタッ
ク力より0.1N/5mmφ以上大きい請求項1または
2記載の多層異方性導電膜積層体。 - 【請求項4】 第1の異方性導電膜のタック力が0.3
〜6N/5mmφ、第2の異方性導電膜のタック力が
0.2〜5N/5mmφである請求項1ないし3のいず
れかに記載の多層異方性導電膜積層体。 - 【請求項5】 第1および第2の異方性導電膜はリン酸
含有樹脂を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の多
層異方性導電膜積層体。
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