JP2009255303A - 成型用金型の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ベアやスピューの発生を防止するとともに、成型金型の分割数を削減して生産性の向上と製作コストの削減を図ることができる成型用金型の製造方法を供する。
【解決手段】 鋳型の型面に金属薄板片25を植え込む薄板片植込み工程と、溶融金属を鋳型に流し込み金属薄板片25を鋳ぐるみながら成型用金型ピース10を鋳造する金型ピース鋳造工程と、成型用金型ピース10に鋳ぐるみ植設された金属薄板片25を除去してスリット12を形成するスリット形成工程と、成型用金型ピース10の背面からスリット12に通じる通気孔13を形成する通気孔形成工程と、複数の成型用金型ピース10を組み合わせて成型用金型1とする金型ピース組合せ工程とからなる成型用金型の製造方法。
【選択図】 図7
【解決手段】 鋳型の型面に金属薄板片25を植え込む薄板片植込み工程と、溶融金属を鋳型に流し込み金属薄板片25を鋳ぐるみながら成型用金型ピース10を鋳造する金型ピース鋳造工程と、成型用金型ピース10に鋳ぐるみ植設された金属薄板片25を除去してスリット12を形成するスリット形成工程と、成型用金型ピース10の背面からスリット12に通じる通気孔13を形成する通気孔形成工程と、複数の成型用金型ピース10を組み合わせて成型用金型1とする金型ピース組合せ工程とからなる成型用金型の製造方法。
【選択図】 図7
Description
本発明は、分割された成型用金型ピースを組み合わせて成型用金型とする成型用金型の製造方法に関する。
例えば、タイヤを加硫成型するタイヤ成型用金型は、加硫成型時に金型の型面と未加硫ゴムとの間に空気や発生したガスが封じ込められてガス溜まりが生じ易く、成型されたタイヤ表面にこのガス溜まりによる凹み(ベア)が形成されて商品性を低下させることがある。
そのため、一般的には金型に微小孔(ベントホール、マイクロベント)を設けてガスを金型の背後に抜く方法が試みられているが、微小孔のため加工工数がかかる。
そこで、特許文献1に開示されているように、分割された金型ピースの分割面にガス抜き用の隙間(スリット)を部分的に設けることで、加工を容易にした例が提案されている。
特開平10−264169号公報
そこで、特許文献1に開示されているように、分割された金型ピースの分割面にガス抜き用の隙間(スリット)を部分的に設けることで、加工を容易にした例が提案されている。
しかるに、隣接する金型ピース間のスリットは、幅が広過ぎると、ゴムが侵入してタイヤ表面にゴムの突起物(スピュー)が生じ、これを除去するための設備が別途必要となるなどの不具合があるので、スリットの幅は広くできない。
そのため、幅狭のスリットで十分なガス抜きを確保するために、成型金型の分割数すなわち金型ピースの数を多くして、隣接する金型ピースの分割面に形成されるスリットの量を多くしている。
しかし、成型金型の分割された金型ピースの数が多いと、生産効率が悪く、製作コストもかかることになる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ベアやスピューの発生を防止するとともに、成型金型の分割数を削減して生産性の向上と製作コストの削減を図ることができる成型用金型の製造方法を供する点にある。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ベアやスピューの発生を防止するとともに、成型金型の分割数を削減して生産性の向上と製作コストの削減を図ることができる成型用金型の製造方法を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、鋳型の型面に金属薄板片を植え込む薄板片植込み工程と、溶融金属を鋳型に流し込み前記金属薄板片を鋳ぐるみながら成型用金型ピースを鋳造する金型ピース鋳造工程と、前記成型用金型ピースに鋳ぐるみ植設された前記金属薄板片を除去してスリットを形成するスリット形成工程と、前記成型用金型ピースの背面から前記スリットに通じる通気孔を形成する通気孔形成工程と、複数の前記成型用金型ピースを組み合わせて成型用金型とする金型ピース組合せ工程とからなる成型用金型の製造方法とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の成型用金型の製造方法において、前記スリット形成工程にて、前記成型用金型ピースに鋳ぐるみ植設された前記金属薄板片を抜き取ることによりスリットを形成することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の成型用金型の製造方法において、前記スリット形成工程にて、前記成型用金型ピースに鋳ぐるみ植設された前記金属薄板片を溶液により溶解除去してスリットを形成することを特徴とする。
請求項1記載の成型用金型の製造方法によれば、金属薄板片が植え込まれた鋳型に溶融金属を流し込んで金属薄板片を鋳ぐるみながら鋳造された成型用金型ピースから金属薄板片を除去してスリットを形成し通気孔を形成して連通させるので、成型用金型ピースの型面には金属薄板片が取り除かれた跡に所定狭幅のスリットが形成されていて、同成型用金型ピースを組み合わせた成型用金型を用いて成型することで、型面に形成されたスリットによりガスを抜いてベアの発生を防止することができるとともに、スリットを所定狭幅に容易に形成できることからスピューの発生も防止することができる。
このように、成型用金型ピースにベアやスピューの発生を防止できるスリットを容易に形成することができるので、隣接するピース間の隙間のみを利用してガス抜きを実行する場合に比べて成型用金型ピースの数を大幅に減らすことができ、生産性の向上および製作コストの削減を図ることができる。
請求項2記載の成型用金型の製造方法によれば、スリット形成工程にて、成型用金型ピースに鋳ぐるみ植設された金属薄板片を抜き取ることによりスリットを形成するので、作業が単純である。
請求項3記載の成型用金型の製造方法によれば、スリット形成工程にて、成型用金型ピースに鋳ぐるみ植設された金属薄板片を溶液により溶解除去してスリットを形成するので、成型用金型ピースの型面には金属薄板片が溶液により溶解除去された跡に所定狭幅のスリットが容易に形成される。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図8に基づいて説明する。
本実施の形態に係る成型用金型は、タイヤのクラウン部を成型する金型であり、図1に示すように周方向に複数分割された分割形式のタイヤ成型用金型1である。
本実施の形態に係る成型用金型は、タイヤのクラウン部を成型する金型であり、図1に示すように周方向に複数分割された分割形式のタイヤ成型用金型1である。
すなわち、7〜9分割(図1では7分割)されたホルダー2の内面にタイヤのトレッドパターンを付与する金型がさらに分割された成型用金型ピース10として複数各ホルダー2に型面を内側にして保持される。
成型用金型ピース10を保持した各ホルダー2が径方向に摺動可能で、遠心方向に一斉に摺動して開き、中央に未加硫ゴム材料である生タイヤGをセットし、次いで中心方向に一斉に摺動して合体し環状のタイヤ成型用金型1が形成され、内側の生タイヤGの加硫成型がなされる。
環状に形成されるタイヤ成型用金型1の各成型用金型ピース10は、周方向に14分割されるとともに軸方向にも2分割されている。
したがって、7個に分割されたホルダー2は、周方向および軸方向に2個ずつ計4個の成型用金型ピース10を保持している。
したがって、7個に分割されたホルダー2は、周方向および軸方向に2個ずつ計4個の成型用金型ピース10を保持している。
この成型用金型ピース10を製造する工程を、図2ないし図7に図示し説明する。
図2および図3に成型用金型ピース10を鋳造する石膏鋳型20を示す。
石膏鋳型20の溶湯を流し込む凹部21は、図3に示す側面視で両側の法面22,22の間に底面がタイヤトレッドを模した円弧面をなす型面23が形成されている。
図2および図3に成型用金型ピース10を鋳造する石膏鋳型20を示す。
石膏鋳型20の溶湯を流し込む凹部21は、図3に示す側面視で両側の法面22,22の間に底面がタイヤトレッドを模した円弧面をなす型面23が形成されている。
図2に示す平面視で両側の法面22,22の屈曲に合わせて型面23も変形クランク状に屈曲しており、この型面23に厚さ10〜100μmの帯状をなす金属薄板25が3枚屈曲した法面22,22に合わせて変形クランク状に屈曲して互いに平行でかつ概ね等間隔に植え込まれている。
この石膏鋳型20の製造については、例えば基本的なタイヤ表面のピースを作成し、同ピースへゴムを流し込んでゴム型を作成し、このゴム型に金属薄板25を差し込み、石膏を流し込むことにより、ゴム型を外す際に金属薄板25は石膏側に残り、本石膏鋳型20が製造される。
図3に示すように、金属薄板25は、型面23より外部に大部分が突出するようにする。
なお、図面においては金属薄板25は、見易くするために実際より厚く表示されている。
なお、図面においては金属薄板25は、見易くするために実際より厚く表示されている。
以上のように型面23に金属薄板25が植え込まれた石膏鋳型20の凹部21に、溶融アルミニウム合金を流し込み、図4に示すように3枚の金属薄板25を鋳ぐるみながら成型用金型ピース10を鋳造する。
成型用金型ピース10を石膏鋳型20から取り出すと、図5に示すように、石膏鋳型20の型面23に植え込まれていた金属薄板25の突出していた部分がアルミニウム合金に鋳ぐるまれて、今度は成型用金型ピース10の型面11に植設されることになる。
こうして成型用金型ピース10の型面11に植設された金属薄板25を、抜き取ることにより、図6に示すように、型面11には金属薄板25が取り除かれた跡に所定狭幅(10〜100μm)のスリット12が形成される。
そして、図7に示すように、同成型用金型ピース10の背面からスリット12に向かって通気孔13を穿設し、通気孔13を介してスリット12を成型用金型ピース10の背面に連通するようにする。
以上のようにして形成された成型用金型ピース10を、図8に示すように周方向に14個配列することでタイヤ成型用金型1が構成される。
実際には、7分割されたホルダー2が、それぞれ周方向に成型用金型ピース10を2個(軸方向に2個)ずつ保持して、径方向に摺動自在に配設される。
実際には、7分割されたホルダー2が、それぞれ周方向に成型用金型ピース10を2個(軸方向に2個)ずつ保持して、径方向に摺動自在に配設される。
7個のホルダー2が遠心方向に摺動して開いたタイヤ成型用金型1の中央に、生タイヤGをセットし、中心方向に一斉に摺動して成型用金型ピース10を環状に合体して、内部に包み込んだ生タイヤGを加硫成型する。
この加硫成型時に型面11と未加硫ゴムとの間に空気や発生したガスが封じ込められるところを、各成型用金型ピース10に3本で全周では42本設けらたスリット12および隣接する成型用金型ピース10,10間の14本の隙間14によりガスを十分抜くことができ、成型されたタイヤ表面にガス溜まりによるベアを発生させることがない。
また、各スリット12は、幅が10〜100μmの狭幅であるので、ゴムの侵入がなくタイヤ表面にスピューを発生させない。
このような幅狭のスリット12を十分なガス抜きを可能とする数だけ備えた成型用金型ピース10を、前記したように容易に製造することができるので、周方向に関して成型用金型ピース10が14個で足りている。
従来のように隣接する成型用金型ピース間の隙間のみを利用してガス抜きを実行するとなると、成型用金型ピース10をその3本のスリット12の箇所で3分割する必要があり、成型用金型ピースが本タイヤ成型用金型1に比べ3倍に増えることになる。
このように、本タイヤ成型用金型1は、隣接するピース間の隙間のみを利用してガス抜きを実行する場合に比べて成型用金型ピースの数を大幅に減らすことができ、生産性の向上および製作コストの削減を図ることができる。
前記実施の形態では、図5に示すように型面11に金属薄板25が植設された成型用金型ピース10から金属薄板25を機械力により引き抜くことが行われていたが、金属薄板25を溶液により溶解除去するようにしてもよい。
例えば、アルミニウム合金の成型用金型ピースに、ステンレス鋼製の金属薄板が植設されている場合、アルカリの溶液に浸透させて金属薄板だけを腐食加工することで、腐食除去された跡に所定狭幅のスリットを容易に形成することができる。
1…タイヤ成型用金型、2…ホルダー、
10…成型用金型ピース、11…型面、12…スリット、13…通気孔、
20…石膏鋳型、21…凹部、22…法面、23…型面、
25…金属薄板。
10…成型用金型ピース、11…型面、12…スリット、13…通気孔、
20…石膏鋳型、21…凹部、22…法面、23…型面、
25…金属薄板。
Claims (3)
- 鋳型の型面に金属薄板片を植え込む薄板片植込み工程と、
溶融金属を鋳型に流し込み前記金属薄板片を鋳ぐるみながら成型用金型ピースを鋳造する金型ピース鋳造工程と、
前記成型用金型ピースに鋳ぐるみ植設された前記金属薄板片を除去してスリットを形成するスリット形成工程と、
前記成型用金型ピースの背面から前記スリットに通じる通気孔を形成する通気孔形成工程と、
複数の前記成型用金型ピースを組み合わせて成型用金型とする金型ピース組合せ工程とからなることを特徴とする成型用金型の製造方法。 - 前記スリット形成工程にて、前記成型用金型ピースに鋳ぐるみ植設された前記金属薄板片を抜き取ることによりスリットを形成することを特徴とする請求項1記載の成型用金型の製造方法。
- 前記スリット形成工程にて、前記成型用金型ピースに鋳ぐるみ植設された前記金属薄板片を溶液により溶解除去してスリットを形成することを特徴とする請求項1記載の成型用金型の製造方法。
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JP2016539033A (ja) * | 2013-12-06 | 2016-12-15 | コンティネンタル・ライフェン・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 冬用および全天候型車両タイヤ用の加硫成形型、加硫成形型を製造する方法、および空気式車両タイヤ |
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