JP2009254880A - 椅子の肘フレーム取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 肘掛けを取り付ける場合も、そうでない場合も、外観を良好に保つことができ、しかも肘フレームを簡単かつ強固に取付けることができるようにした、椅子の肘フレームの取付構造を提供する。
【解決手段】 座部の下方に設けた背凭れ支持杆6の前向き部6aの外側面に、外側方に向かって突出する肘フレーム取付部10を設け、この肘フレーム取付部10の外側面に前後方向に長い凹部13を設け、この凹部13に、肘掛けを支持する肘フレーム11における内向き部11aの先端に設けた凸部11bを嵌合するとともに、凸部16の先端面と、それに対向する凹部13の奥端面とのいずれか一方を山形の凸面16a、かつ他方を凸面16aとほぼ補形をなす谷形の凹面13aとして、それらを互いに圧接して、連結ボルト14をもって、肘フレーム11を肘フレーム取付部10に締着する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、椅子における肘フレームの取付構造に関する。
従来、椅子の座部の側方に位置する肘掛けは、これを下方から支持する正面視L字形の肘フレームの下端を、支基または座の下面に、連結ボルトにより締着することによって取り付けるようにしたものがあった。
しかし、このような肘フレームの取付構造においては、取付けに当たって、座部の下方の狭い空間内で、上向きの連結ボルトの位置合わせや締着作業を行わねばならず、無理な姿勢を余儀なくされて、組付けの作業性が悪い。また、着座者が肘掛けに凭れ掛かると、肘フレームの取付部の回りに、左右方向の面内で働くモーメントが生じ、このモーメントが、てこの原理で増大されて、連結ボルトが折れ曲がったり、抜け落ちたりするおそれがある。
下記特許文献1には、椅子の座部から左右に水平に延出する肘フレーム取付部の先端に山形の凸面を、またL字形肘フレーム水平部のこれと対向する内向きの先端に谷形の凹面を形成して、これらを互いに密接させるとともに、連結ボルトを外側方から肘フレームの水平部を挿通して、両者を螺着させる構造が示されている。
この取付構造においては、連結ボルトは、空間が拡がる側方から装着するため、作業性がよい。また、山形の凸面と谷形の凹面を係合させるため、位置決めが容易である。さらに、着座者が肘掛けに凭れ掛かったときに生ずるモーメントは、細い連結ボルトではなく、凸凹両面の接合部の広い面積で受けるため、連結ボルトが折れ曲がったり、抜け落ちたりする事態を避けることができる。
特開2001−197957号公報
上記特許文献1の肘フレーム取付構造においては、山形凸面と谷形凹面との接合の境界が外から見えるため、外観上好ましくない。また、肘掛けなしで使用する場合、肘フレーム取付部の先端に山形の凸面が露出するため、同様に外観上の問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、椅子に肘掛けを取り付ける場合も、そうでない場合も、外観を良好に保つことができ、しかも肘フレームを簡単かつ強固に取付けることができるようにした、椅子の肘フレームの取付構造を提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 座部の下方に設けた背凭れ支持杆の前向き部の外側面に、外側方に向かって突出する肘フレーム取付部を設け、この肘フレーム取付部の外側面に前後方向に長い凹部を設け、この凹部に、肘掛けを支持する肘フレームにおける起立部の下端より内側方を向く内向き部の先端に設けた凸部を嵌合するとともに、前記凸部と凹部との対向面のいずれか一方を山形の凸面、かつ他方を前記凸面と補形をなす谷形の凹面として、前記凹面と凸面とを互いに圧接し、さらに、連結ボルトをもって、前記肘フレームを肘フレーム取付部に締着する。
このような構成とすると、肘フレームを簡単かつ強固に取付けることができる。
また、肘フレーム取付部の外端面に凹部を設け、この凹部の中で、肘フレーム取付部と肘フレームの山形凸面と谷形凹面とを接合させるため、山形凸面と谷形凹面の接合に係る境界は外から見えず、外観を良好に保つことができる。
さらに、肘フレームを取外して使用する場合も、肘フレーム取付部先端の山形凸面または谷形凹面が凹部内にあって外部に露出しないため、外観を良好に保つことができる。なお、凹部の開口を適宜の蓋板(発明外の構成)により閉塞すると、さらに体裁をよくすることができる。
(2) 上記(1)項において、凹部を、前後方向に長い楕円形する。
このような構成とすると、肘掛けを後方に倒すようなモーメントが働いた場合にも、凹部内でこのモーメントをバランスよく受けることができ、凹部で部品の破損が生ずるおそれを避けることができる。
(3) 上記(1)または(2)項において、凹部内における前後の方向で対向する2つの面に、谷形の凹面を形成する対称な傾斜面を形成する。
このような構成とすると、凹部の谷形凹面と凸部の山形凸面とが接合することにより、凹部と突部とが容易に位置決めされる。
本発明によると、椅子に肘掛けを取り付ける場合も、そうでない場合も、外観を良好に保つことができ、しかも肘フレームを簡単かつ強固に取付けることができるようにした、椅子の肘フレームの取付構造を提供することができる。
本発明の一実施形態を備える椅子の正面図である。 同じく、側面図である。 図2のIII−III線に沿う拡大断面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 図3と図4に示す肘フレームと肘フレーム取付部の下方から視た分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施形態を備える椅子を示す。図1および図2に示すように、この椅子においては、放射状に延びる5本の脚(1)の付け根において支柱(2)が起立し、支柱(2)の上端部には、水平面内において回動可能に支基(3)が取り付けられている。各脚(1)の先端には、キャスタ(4)が付設されている。
支基(3)の前後方向の中間部には、左右方向を向く枢軸(5)が、その中心枢軸線の回りに回動可能として貫通されており、この枢軸(5)の両端部には、側面視ほぼL字状をなす左右1対の背凭れ支持杆(6)(6)における下部の前向部(6a)(6a)の前端部が固着されている。背凭れ支持杆(6)(6)は、この前向部(6a)(6a)の後端より起立する起立部(6b)(6b)によって、背凭れ(7)を支持している。
各背凭れ支持杆(6)は、その前向部(6a)の上方において座部(8)の後下部と連結されており、背凭れ(7)が後傾するのに連動して、座部(8)は、後下方へ移動するようになっている。この傾動は、図示していないリクライニング制御装置により制御される。
背凭れ支持杆(6)(6)の前向部(6a)の中間部外側面には、外側方に向かってわずかに突出する、肘フレーム取付部(10)が設けられている。肘フレーム取付部(10)には、正面視ほぼL字状の肘フレーム(11)における内向き部(11a)の内端部が取付けられ、肘フレーム(11)における内向き部(11a)の外端より起立する起立部(11b)の上端部には、肘掛け(12)が設けられている。
図2〜図5に示すように、肘フレーム取付部(10)の先端面(外側端面)には、前後方向に長い楕円形の凹部(13)が設けられている。凹部(13)内には、前後の方向で対向する2つの面が、谷形の凹面(13a)を形成する対称な傾斜面が形成されており、さらにその谷部の中央には、段孔(13b)が形成されている。さらに段孔(13b)の中央には、肘フレーム(11)を肘フレーム取付部(10)に締着するための連結ボルト(14)が螺合されるねじ孔(15)が設けられている。
肘フレーム(11)の内向き部(11a)の下面には、凹部(13)とほぼ補形をなす凸部(16)が形成されている。すなわち、凹部(13)の谷形の凹面(13a)と対向する凸部(16)の先端面には、凹部(13a)とほぼ補形をなす平面視ほぼ山形の凸面(16a)が形成されている。また、凸面(16a)の頂部中央には、段孔(13b)と補形をなす短寸の筒部(16b)が形成されている。
肘フレーム(11)における内向き部(11a)の下面には、下方と外側方に開口する横長の切欠き(11c)が形成されており、この切欠き(11c)から筒部(16b)の先端までを左右方向に貫いて、連結ボルト(14)を挿通するためのボルト挿通孔(17)が穿設されている。ボルト挿通孔(17)は、凸部(16)の稜線および凹部(13)の谷底線の中央を通る位置に形成されている。
この実施形態においては、凹部(13)の奥端面と凸部(16)の先端面とに、それぞれ互いにほぼ補形をなす谷形の凹面(13a)と山形の凸面(16a)とを設け、さらにそれらの中央と、段孔(13b)と筒部(16b)とを設けているが、例えば、凹部(13)の奥端面に、山形の凸面を設け、それに対向する突部の先端面に、凸面と補形をなす面を設けたり、その際に、凸面の中央と凹面の中央とに、互いに嵌合する段孔と筒部とを凹面とを設けることもできる。
本発明によれば、肘掛け(12)を使用する場合には、肘掛け(12)を取り付けた肘フレーム(11)の凸部(16)を、図5に示すように、肘フレーム取付部(10)の凹部(13)に嵌合する。このとき、凹部(13)の谷形凹面(13a)と凸部(16)の山形凸面(16a)とが接合することにより、凹部(13)と突部(16)とが容易に位置決めされる。
連結ボルト(14)は、肘フレーム(11)の外側方から取付けるため、肘フレーム(11)の着脱時に無理な姿勢をとらずにすむ。凸部(16)は、凹部(13)の中に完全に収容されるため、肘フレーム(11)と肘フレーム取付部(10)との境目には、山谷の境界線が生じず、外観を良好に保つことができる。
また、凹部(13)の奥端面に、本実施形態とは違って凸面が形成される場合でも、この凸面は、凹部(13)の外にまで露出することはないため、肘フレームを取り付けない場合においても体裁がよく、また安全上の問題は生じない。なお、肘フレームを取り付けない場合は、凹部(13)の開口部を蓋材(図示略)等により閉塞しておくのが望ましい。
さらに、本実施形態においては、筒部(16b)の外径をボルト挿通孔(17)の径より十分に大きくしておくことにより、ボルト挿通孔(17)の端部が欠けるおそれはない。また、連結ボルト(14)は、凸部(16)および凹部(13)の中央部に挿通されるため、肘掛け(12)を使用して、肘掛け(12)を後方に倒すようなモーメントが働いた場合にも、凹部(13)内でこのモーメントをバランスよく受けることができ、凹部(13)で部品の破損が生ずるおそれを避けることができる。
(1)脚
(2)支柱
(3)支基
(4)キャスタ
(5)枢軸
(6)背凭れ支持杆
(6a)前向部
(6b)起立部
(7)背凭れ
(8)座部
(10)肘フレーム取付部
(11)肘フレーム
(11a)内向き部
(11b)起立部
(11c)切欠き
(12)肘掛け
(13)凹部
(13a)凹面
(13b)段孔
(14)連結ボルト
(15)ねじ孔
(16)凸部
(16a)凸面
(16b)筒部
(17)ボルト挿通孔

Claims (3)

  1. 座部の下方に設けた背凭れ支持杆の前向き部の外側面に、外側方に向かって突出する肘フレーム取付部を設け、この肘フレーム取付部の外側面に前後方向に長い凹部を設け、この凹部に、肘掛けを支持する肘フレームにおける起立部の下端より内側方を向く内向き部の先端に設けた凸部を嵌合するとともに、前記凸部と凹部との対向面のいずれか一方を山形の凸面、かつ他方を前記凸面と補形をなす谷形の凹面として、前記凹面と凸面とを互いに圧接し、さらに、連結ボルトをもって、前記肘フレームを肘フレーム取付部に締着したことを特徴とする椅子の肘フレーム取付構造。
  2. 凹部が、前後方向に長い楕円形である請求項1記載の椅子の肘フレーム取付構造。
  3. 凹部内における前後の方向で対向する2つの面に、谷形の凹面を形成する対称な傾斜面を形成した請求項1または2記載の椅子の肘フレーム取付構造。
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