JP2007296077A - 椅子の背凭れ支持フレーム - Google Patents

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Abstract

【課題】側部フレームと上部フレームとの結合部の形状を簡素化し、両フレームの製造コストを低減するとともに、一体感を呈するように結合する。
【解決手段】左右の側部フレーム10における上端の結合片10aの内側面に設けた非円形の突部12に、上部フレーム11の側端面に設けた凹溝14を嵌合させて、上部フレーム11を側部フレーム10の上端の対向面間に位置決めして保持し、かつ上部フレーム11の両側端部の前面に設けた挿入溝15に挿入したボルト18を、上部フレーム11の側端を挿通して、側部フレーム10の内側面に設けためねじ孔13に螺合することにより、左右の側部フレーム10の上端の対向面間に、上部フレーム11を結合する。
【選択図】図3

Description

本発明は、座体の後部より起立する、前面視ほぼ下向コ字状をなす椅子の背凭れ支持フレームに関する。
本願の出願人は、椅子のデザイン性を考慮し、かつ高級感や質感を高めるために、背凭れ支持フレームを、アルミニウム合金等により、前面視ほぼ下向コ字状に形成したものを先に提案している(例えば特許文献1参照)。
特開2004−57396号公報
上記特許文献1に記載されている背凭れ支持フレームは、その製造や取扱い等を容易とするために、左右1対の側部フレームと上部フレームとからなるものとし、両側部フレームの上端同士を、左右方向を向く上部フレームにより結合することにより、前面視ほぼ下向コ字状に形成しているが、それらの結合構造に解決すべき課題が残されていた。
すなわち、側部フレームと上部フレームとを強固に結合するべく、側部フレームの上端に、内向きの係合突部を有するボス軸を一体的に形成し、かつ上部フレームの側端にも、上記係合突部と係合する非円形部を有するボス軸を一体的に形成しているので、両フレームの結合部の形状が複雑となり、フレームの製造コストが大となる問題を有していた。
また、側部フレームと上部フレームとが、比較的大径のボス軸同士で結合されているので、結合部が大きく膨らむとともに、側部フレーム側のボス軸の外側方より挿入したボルトにより結合しているため、側部フレームと上部フレームとを一体感を呈するように結合することは難かしく、背凭れ支持フレームの見栄えが悪いものとなっていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、側部フレームと上部フレームとの結合部の形状を簡素化し、それらの製造コストを低減するとともに、結合部が一体感を呈するようにして、見栄えや結合強度を向上させうるようにした、椅子の背凭れ支持フレームを提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)座体の後部より起立し、前面に背凭れを取付けうるようにした左右1対の側部フレームの上端の内側面間に、上部フレームを架設するようにした椅子の背凭れ支持フレームにおいて、前記左右の側部フレームにおける上端の内側面と、前記上部フレームの両側端面とのいずれか一方に非円形の突部を、かつ他方に、突部に嵌合可能な凹溝をそれぞれ設け、これら突部と凹溝を互いに嵌合させて、上部フレームを側部フレームの上端の対向面間に位置決めして保持し、かつ上部フレームの両側端部の前面に設けた前方に開口する左右方向を向く挿入溝に挿入したボルトを、上部フレームの側端を挿通して、前記側部フレームの内側面に設けためねじ孔に螺合することにより、左右の側部フレームの上端の対向面間に、上部フレームを、前面視ほぼ下向コ字状をなすように結合する。
(2)上記(1)項において、突部と凹溝をほぼ方形をなすものとするとともに、凹溝を、前方または後方に開口するものとする。
(3)上記(2)項において、凹溝を、側部フレーム側に設けたときには後方に開口させ、上部フレーム側に設けたときには前方に開口させる。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、左右の側部フレームの上端に、内向きに突出する結合片を連設し、両結合片の対向面間に上部フレームを結合する。
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、上部フレームを、後方に向かって凸円弧状に湾曲させ、その両側端部前面に設けたボルトの挿入溝の深さを、側端に向かうにしたがって漸次大とする。
請求項1記載の発明によれば、左右の側部フレームと上部フレームとは、それらの対向面に設けた突部と凹溝とを互いに嵌合させて、上部フレームの前面側より螺合したボルトにより結合しているので、それら互いの結合部の形状が簡素化し、両フレームの製造コストを低減することができる。
また、従来のように、結合部が膨らむことはなく、かつボルトも上部フレームの前面の挿入溝内に位置して目立たないので、両フレーム同士を、一体感を呈するように見栄えよく結合することができる。
さらに、側部フレームと上部フレームとは、非円形をなす突部と凹溝とを互いに嵌合させてボルトにより結合しているため、結合強度が大きく、上部フレームに大きな外力が加わっても、結合部において位置ずれする恐れはない。
請求項2記載の発明によれば、左右の側部フレームの下端部が椅子の支基等に取付けられていても、前後いずれかの方向から突部と凹溝とを嵌合させて、左右の側部フレーム間に上部フレームを容易に結合することができる。
請求項3記載の発明によれば、左右の側部フレームの前面に背凭れが取付けられていても、後方から突部と凹溝とを嵌合させて、左右の側部フレーム間に上部フレームを容易に結合することができる。
請求項4記載の発明によれば、背凭れ支持フレームの上端隅部のねじり剛性等が、それに一体的に連設された結合片により強化される。
また、上部フレームの左右寸法が、結合片の分だけ短寸となり、左右の結合部の間隔が小さくなるため、上下方向の荷重やねじれに対し、高い剛性を有するようになる。
請求項5記載の発明によれば、ボルトの頭部が挿入溝の奥部に位置するので、それがより目立ちにくくなる。
また、上部フレームは、後方に凸円弧状に湾曲し、かつ挿入溝を側端に向かうにしたがって漸次大としているので、挿入溝に挿入したボルトの締付作業を、上部フレームの前面の側方から容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した椅子の側面視、図2は、同じく後面図で、椅子は、キャスタ(1)付きの脚体(2)と、その中央より起立する脚柱(3)と、その上端に取付けられた、座体(4)を支持する支基(5)と、この支基(5)の両側部に下端が回動可能に枢着され、下部が斜め後ろ上方かつ上部が座体(4)の後方において起立する前面視ほぼ縦長下向コ字状をなす背凭れ支持フレーム(6)と、この背凭れ支持フレーム(6)の両側の下端部に取付けられた左右1対の肘掛け(7)(7)とを備えている。
背凭れ支持フレーム(6)の前面には、背凭れ(8)における後面のメッシュ状の背凭れ板(9)が取付けられている。
背凭れ支持フレーム(6)は、図3〜図5にも示すように、アルミニウム合金等により成形された左右1対の側部フレーム(10)(10)と、同じくアルミニウム合金等により、後向き凸円弧状に成形された上部フレーム(11)とからなっている。
両側部フレーム(10)の上端の対向面には、内端部の上下寸法と前後寸法を上部フレーム(11)のそれと等しくした結合片(10a)(10a)が、上部フレーム(11)の両側端部と連続するように、それとほぼ等しい曲率で、斜め後方内向きに突設されている。
両結合片(10a)の内端面における後端部を除く中央部には、側面視ほぼ方形をなす位置決め用突部(12)が、内向きに突設され、この位置決め用突部(12)には、左右方向を向くめねじ孔(13)が、結合片(10a)の内部に向かって形成されている。
上部フレーム(11)の両側端面には、上記位置決め用突部(12)に後方から嵌合しうるように、前方と外側方に開口された方形をなす凹溝(14)が形成されている。
また、上部フレーム(11)の両側端部の前面、すなわち後向き凹状に湾曲する前面には、側端に向かうにしたがって漸次に深さが大となる前方に開口する左右方向を向く円弧状のボルト挿入溝(15)が、凹溝(14)の近傍まで形成されている。ボルト挿入溝(15)の外方の端面には、凹溝(14)に貫通する左右方向を向くボルト挿通孔(16)が、上記めねじ孔(13)と対向しうるように穿設されている。
(17)(17)は、背凭れ板(9)を取付けるための取付部材である。
左右の側部フレーム(10)の上端部同士を、上部フレーム(11)により結合するには、上部フレーム(11)の両側端面の凹溝(14)を、左右の側部フレーム(10)の後方より、それらの結合片(10a)の位置決め用突部(12)に嵌合し、互いに上下と前後方向の位置決めをして保持したのち、上部フレーム(11)の前面の両側端部に設けたボルト挿入溝(15)とボルト挿通孔(16)に内方より挿入した六角穴付ボルト(18)(18)を、位置決め用突部(12)に設けためねじ孔(13)に螺合して締付ければよい。
これにより、左右の側部フレーム(10)と上部フレーム(11)は、図4に示すように、互いの結合部が膨らんだりすることなく、一体感を呈するように見栄えよく結合される。
また、側部フレーム(10)の結合片(10a)に突設した側面視ほぼ方形の位置決め用突部(12)に、上部フレーム(11)の方形をなす凹溝(14)を嵌合して、ボルト(18)により固定するのみで、両フレーム(10)(11)同士を結合しているので、それらの結合部の形状が簡素化し、製造コストが低減される。
さらに、両フレーム(10)(11)同士は、位置決め用突部(12)に凹溝(14)を嵌合して結合されているので、後方に凸円弧状に湾曲している上部フレーム(11)に上下方向の強い力が加わっても、上下方向に回動したり、前方及び上下方向に位置ずれしたりする恐れはない。
ボルト(18)は、上部フレーム(11)の前面に形成したボルト挿入溝(15)内に位置しており、しかも、背凭れ支持フレーム(6)の前面には、背凭れ(8)が取付けられるので、ボルト(18)が目立たず、見栄えがよい。
左右の側部フレーム(10)の上端の対向面に、内向きの結合片(10a)を一体的に連設し、この結合片(10a)に上部フレーム(11)を結合しているため、背凭れ支持フレーム(6)の上端隅部のねじり剛性が大となる。また、上部フレーム(11)の左右寸法が結合片(10a)の分だけ短寸となり、左右の結合部の間隔が小さくなるため、上部フレーム(11)に加わる上下方向の荷重やねじれに対し、高い剛性を有する。
上部フレーム(11)は、後方に凸円弧状に湾曲し、かつボルト挿入溝(15)の深さを、側端に向かうにしたがって漸次後方に大として、その外方の端面に左右方向を向くボルト挿通孔(16)を設けているため、ボルト(18)の締付作業を、上部フレーム(11)の前面の側方から容易に行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、側部フレーム(10)である結合片(10a)側に位置決め用突部(12)を設け、上部フレーム(11)側に、位置決め用突部(12)に嵌合する凹溝(14)を設けているが、これとは反対に、図6に示すように、結合片(10a)側の後部寄りに凹溝(14)を、上部フレーム(11)側に、凹溝(14)に後方より嵌合する位置決め用突部(12)を設けてもよい。
また、図7に示すように、結合片(10a)側に、前方に開口する凹溝(14)を設け、上部フレーム(11)側に、凹溝(14)に前方より嵌合可能な位置決め用突部(12)を設けてもよい。
なお、図3及び図6に示すように、結合片(10a)に設けた突部(12)又は凹溝(14)に、上部フレーム(11)に設けた凹溝(14)又は突部(12)が後方より嵌合されるようにすると、側部フレーム(10)の前面に背凭れ(8)が取付けられていたり、側部フレーム(10)の下端が支基(5)に取付けられていても、上部フレーム(11)を側部フレーム(10)の結合片(10a)間に、後方から容易に取付けることができる。
上記実施形態では、結合片(10a)及び上部フレーム(11)は後方に凸円弧状に湾曲するものとしたが、それらをストレート状とすることもある。
また、側部フレーム(10)に結合片(10a)を突設しないで、上部フレーム(11)の両側端を、左右の側部フレーム(10)の上端間に、上述のような位置決め用突部(12)と凹溝(14)を介して、ボルト(18)により直接結合することもある。
本発明の背凭れ支持フレームを備える椅子の側面図である。 同じく、後面図である。 同じく、背凭れ支持フレームの上部の分解斜視図である。 同じく、結合後の背凭れ支持フレーム上部の斜視図である。 図4のV−V線拡大縦断側面図である。 位置決め用突部と凹溝を左右反対に設けた変形例を示す分解斜視図である。 同じく、位置決め用突部と凹溝の位置のさらなる変形例を示す分解斜視図である。
符号の説明
(1)キャスタ
(2)脚体
(3)脚柱
(4)座体
(5)支基
(6)背凭れ支持フレーム
(7)肘掛け
(8)背凭れ
(9)背凭れ板
(10)側部フレーム
(10a)結合片
(11)上部フレーム
(12)位置決め用突部
(13)めねじ孔
(14)凹溝
(15)ボルト挿入溝
(16)ボルト挿通孔
(17)取付部材
(18)ボルト

Claims (5)

  1. 座体の後部より起立し、前面に背凭れを取付けうるようにした左右1対の側部フレームの上端の内側面間に、上部フレームを架設するようにした椅子の背凭れ支持フレームにおいて、前記左右の側部フレームにおける上端の内側面と、前記上部フレームの両側端面とのいずれか一方に非円形の突部を、かつ他方に、突部に嵌合可能な凹溝をそれぞれ設け、これら突部と凹溝を互いに嵌合させて、上部フレームを側部フレームの上端の対向面間に位置決めして保持し、かつ上部フレームの両側端部の前面に設けた前方に開口する左右方向を向く挿入溝に挿入したボルトを、上部フレームの側端を挿通して、前記側部フレームの内側面に設けためねじ孔に螺合することにより、左右の側部フレームの上端の対向面間に、上部フレームを、前面視ほぼ下向コ字状をなすように結合したことを特徴とする椅子の背凭れ支持フレーム。
  2. 突部と凹溝をほぼ方形をなすものとするとともに、凹溝を、前方または後方に開口するものとした請求項1記載の椅子の背凭れ支持フレーム。
  3. 凹溝を、側部フレーム側に設けたときには後方に開口させ、上部フレーム側に設けたときには前方に開口させてなる請求項2記載の椅子の背凭れ支持フレーム。
  4. 左右の側部フレームの上端に、内向きに突出する結合片を連設し、両結合片の対向面間に上部フレームを結合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の椅子の背凭れ支持フレーム。
  5. 上部フレームを、後方に向かって凸円弧状に湾曲させ、その両側端部前面に設けたボルトの挿入溝の深さを、側端に向かうにしたがって漸次大としてなる請求項1〜4のいずれかに記載の椅子の背凭れ支持フレーム。
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JP2021065622A (ja) * 2019-10-28 2021-04-30 株式会社イトーキ 椅子

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