JP7213653B2 - 椅子の部品間の接合構造及びそれを利用した椅子 - Google Patents

椅子の部品間の接合構造及びそれを利用した椅子 Download PDF

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Description

本発明は、椅子の部品間の接合構造及びそれを利用した椅子に関する。さらに詳述すると、本発明は、少なくとも一方が樹脂成形品から成る部品と他の部品との凹部と凸部との嵌め合いによって接続する椅子の部品間の接合構造及びそれを利用した椅子に関するものである。
椅子の部品間の接合構造において、少なくとも一方が樹脂成形品から成る部品と他の部品との凹部と凸部との嵌め合いによって椅子の部品同士を接続することがある。例えば、樹脂成形品である肘掛けと金属製パイプで構成される脚フレームとが接続されているものがある(例えば、特許文献1)。
一方が樹脂成形品からなる場合、強度不足を補うために厚肉とする必要があることから、樹脂成形品側の接合部分を金属製パイプの外に嵌まり込むような筒状(鞘状)とし、肘掛けの筒構造の被取付部を脚フレームの上部(取付部)に被せるように嵌合させてからビス止めするものが一般的である。しかし、この接合構造では、そのままでは構造強度が劣るので、金属製パイプと接合相手部品である樹脂製肘掛けとの接合部に金属製の芯材を介在させて脚フレームのパイプと肘掛けとを連結するようにしている。即ち、金属製パイプ側に金属製の芯材を突出させる一方、樹脂成形品である肘掛け側には、金属製芯材が嵌合する小径穴と、小径穴に連続しパイプ材が嵌合する大径穴とを連続的に形成した段付き穴の凹部が形成され、金属製芯材の一部をパイプ材から突出させて肘掛けの小径穴に嵌め込むと共に、パイプ材そのものの端部を大径穴に嵌め込むようにしている。そして、樹脂成形品と金属製芯材並びに金属製芯材を脚パイプに固定するビスとの2箇所のビス止めされている。
特開2014-226327号公報
しかしながら、金属製パイプ側に金属製芯材を突出させて樹脂成形品に対して差し込む構造では、樹脂成形品に肉厚の急激な変化が生ずる部分ができるため、外観不良(ひけ)を起こしやすい問題がある。この問題は、樹脂成形品を厚肉成形品とする場合や接続部分に長いパイプ状の凹部を設ける場合に特に顕著になる。
加えて、樹脂成形品側に金属製芯材を収容する小径穴を形成しなければならないので、細い中子に冷却のための流路を備えなければならず、金型の冷却が困難となるし、冷却不良に起因する外観不良(ひけ)をさらに起こし易くなる問題がある。
また、特許文献1の構造では、樹脂成形品に対して金属製芯材を固定するビスと、樹脂成形品の筒部を金属製芯材と共に脚パイプに固定するビスとの2箇所のビス止めが必要となる。このため、組み立て工数も部品点数も増え、その分だけ作業コスト並びに部品コストがかかる。
本発明は、接合相手部品に対する取付工程が1工程で済み接合部の強度を確保できる椅子の構成部品同士の接合構造を提供することを目的とする。また、本発明は、厚肉樹脂成形品をひけなどの外観不良を招くことなく成形できる椅子の構成部品同士の接合構造を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載の椅子の構成部品同士の接合構造は、少なくとも一方が樹脂成形品から成る部品と他の部品との凹部と凸部との嵌め合いによって接続する接合構造部において、凸部は樹脂成形品を成形する際にインサート成形され樹脂成形品に一部が埋め込まれて一体化されたインサート部品の一部であり、インサート部品が芯棒を樹脂で覆うようにして芯棒と該芯棒を覆う樹脂とが一体化されたものであり、インサート部品が樹脂成形品と他の部品の凹部とに跨がって占位するようにしている。
ここで、インサート部品の樹脂成形品から突出する凸部が他の部品の凹部に対応する外形に成形されていることが好ましい。また、インサート部品は芯棒が金属製であることが好ましく、より好ましくは樹脂成形品内にインサートされる部分の先端部が尖頭形を成すことである。
また、樹脂成形品は背凭れであり、他の部品は脚フレームであり、インサート部品は脚フレームの端部の穴に嵌合される凸部を有し、背凭れを成形するときに凸部を金型の外に出してインサート成形されるものであることが好ましい。
また、インサート部品の樹脂成形品から突出し他の部品の凹部に嵌合する凸部には、外周面に縦筋状のリブが形成され、他の部品の凹部にリブを介して嵌合されることが好ましい。
さらに本発明の椅子は、請求項1からのいずれか1つに記載の椅子の構成部品同士の接合構造を、少なくとも背凭れと背凭れ支持フレーム部とを含む樹脂成形品と金属製パイプから成る脚フレームの後脚パイプとの接合に用いたものである。
また、本発明の椅子は、請求項1からのいずれか1つに記載の椅子の構成部品同士の接合構造を、少なくとも背凭れと背凭れ支持フレーム部とを含む樹脂成形品と金属製パイプから成る脚フレームの後脚パイプとの接合に用いたものであり、樹脂成形品は背凭れと背凭れ支持フレーム部と肘掛けとが一体的に形成されたものであり、肘掛けの前端側が脚フレームの前脚パイプに挿入され、背凭れ支持フレーム部が脚フレームの後脚パイプにそれぞれ嵌合されて支持されているものである。
請求項1記載の椅子の構成部品同士の接合構造では、樹脂成形品と接合相手部品(即ち、他の部品)との間に跨がってインサート部品が占位するため、これが補強となって、接合強度が確保される。同時に、樹脂成形品と接合相手部品との間に跨がってインサート部品が占位するため、これが補強となって、接合相手部品の構造剛性も高くすることができる。したがって、一定の取り付けの強度を確保しつつ各部の外径寸法を小径化するのに適している。例えば、細径パイプで脚フレームをつくる場合にも十分な構造強度が確保できる。
しかも、樹脂成形品のインサート成形時にインサート部品が配置されることによって中空部が存在しないため、樹脂成形品側の接合部は中実でありかつ急激な肉厚の変化が起こらないため、外観不良(ひけ)が起こり難い。
インサート成形の際に、樹脂成形品とインサート部品とが一体化されるため、インサート部品の樹脂成形品から突出する凸部を接合相手部品の凹部に嵌合させて固定させるだけの作業で接合が完了するので、部品点数が少なくなると共に組立工程も半減する。
また、インサート部品の樹脂成形品内にインサートされる部分の先端部が尖頭形を成す場合には、樹脂成形品の肉厚が漸次変化するため、インサート成形時にひけが起き難い。特に、丸棒で樹脂成形品の接合部位が形成される場合には、本来肉厚であるためひけを起こし易いが、インサート部品の尖頭形先端部において肉厚が漸次変化するため、ひけが起こり難い。
本発明にかかる椅子の部品間の接合構造をスタッキング椅子に適用した一実施形態を示す斜視図である。 樹脂成形品の一実施形態を示す図で、背凭れ、背凭れ支持フレーム部及び肘掛け部を一体化した場合の斜視図である。 脚フレームの一実施形態を示す斜視図である。 樹脂成形品と脚フレームとインサート部品との関係を示す正面説明図で、樹脂成形品と脚フレームとは透明化して示す。 樹脂成形品からインサート部品を取り外した状態を説明する右側面図で、樹脂成形品の背凭れ支持フレーム部を断面し、インサート部品を破線で示している。 インサート部品の一実施形態を示す斜視図である。 図6のインサート部品の部分断面図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明の椅子の部品間の接合構造をスタッキング椅子に適用した一実施形態を示す。この実施形態にかかる椅子は、跳ね上げ式の座1と、背凭れ2と、肘掛け3並びにこれらを支持する細径の金属製パイプから成る脚フレーム(以下、脚パイプと呼ぶ)4とで構成されている。この椅子は、水平方向にスタッキング可能な椅子(ネスティング椅子とも呼ばれる)として構成され、キャスター5を備える移動可能なものとして、例えば、オフィスや一般的な会議室、或いは、高齢者の多い施設等において好適に使用される。
本実施形態において、肘掛け3及び背凭れ2は、図2に示すように、樹脂例えばポリプロピレン(PP)などによって一体に形成されている。即ち、本実施形態においては、肘掛け3及び背凭れ2で一つの樹脂成形品10を構成している。
具体的には、背凭れ2は、着座者の背中を支える背板部7と、その周縁部を囲うフレーム材としての縁部6と、後脚パイプ23に取り付けられるための背凭れ支持フレーム部8と、後脚パイプ23の凹部26に差し込まれる凸部13とで構成されている。即ち、背凭れ2は、背板7が棒状物状の厚肉の縁部6で縁取りされ、左右の後脚パイプ23に接続させられる背凭れ支持フレーム部8と連続的に形成されて、あたかも脚パイプ4が背板7の周りを囲むかのように延びるデザインとされているが、本発明はこのようなデザインに限定されるものではない。
背凭れ2は、本実施形態の場合、背板部7が僅かに後傾し、かつ平面視において中央部が後方に向かって凸となるように湾曲した板である。背板部7は、本実施形態の場合、クッション材や上張地を被せずにそのままの状態で使用に供されるものであり、所謂ヌードタイプと呼ばれるものであり、背カバーなどを取り付けない場合であっても商品として成立する外観に影響を与えないデザインとされている。
他方、肘掛け3は、本実施形態の場合、前後方向に延びる棒状物によって構成されており、肘が掛けられる中程の部分が椅子の幅方向外側に膨出するように湾曲させられ、後端側が内向きに折れ曲がって背凭れ支持フレーム部8に連結される一方、前端側が内向きに折れ曲がってからさらに下向きに折れ曲がることで前脚パイプ22と同軸上で嵌まり込むように設けられている。即ち、肘掛け3は、背板7の周縁を囲う厚肉の縁部6と背凭れ支持フレーム部8との境界部分に後端が合流されて負荷が集中し易い屈曲部分に樹脂の肉厚部分が配置されると共に、前端には前脚パイプ22の管端である嵌合受口27と嵌合する嵌合凸部9が一体的に形成されている。これによって、肘掛け3は、前に向かって幅方向外側に膨れ出るカーブを描きながら前脚パイプ22に流れ落ちるように接続される美しいフォルムを形成する。尚、嵌合凸部9は、嵌合受口27に挿入される部分に縦筋のようにリブが形成されており、該リブによって相手部品である前脚パイプの穴に隙間無く、がたつき無く嵌合される。
このような構成の肘掛け3は、着座者がどのような体格であっても肘掛けの機能を有効に使うことができるものとなるとともに、着座者が立ち上がる際の補助的機能を有効に発揮するものとなる。
これにより、背凭れ2と肘掛け3とを一体成形した樹脂成形品10は、前脚パイプ22と後脚パイプ23にそれぞれ前後端の凸部9,13が嵌合されることでそれぞれ接合されて支持され、背板7への荷重とともに肘掛け3への荷重が集約される態様においても、構造物として必要とされる十分な強度を発揮するものである。
ここで、背凭れ支持フレーム部8から突出する凸部13は、本実施形態の場合、脚パイプ23の穴(凹部26)に挿入される軸部であり、インサート部品11を樹脂成形品10の成形時にインサート成形することにより、一体的に成形されている。本実施形態の場合、インサート部品11は、芯棒19を樹脂でインサートしたものが採用されている。ここで、芯棒19は、金属製例えば鉄棒であっても良いし、それに匹敵するような高強度樹脂例えばガラス強化ポリプロピレン製であっても良い。芯棒19を樹脂製とする場合には、特定の樹脂に限定されるものではないが、周囲を覆う樹脂20よりも剛性が高いものであれば十分である。周囲の樹脂20が接合相手部品の凹部に嵌合し易い柔らかい樹脂例えばポリプロピレンあるいは芯棒よりも柔らかいガラス繊維入りポリプロピレンが用いられているのに対し、芯棒の樹脂は構造強度を保つため剛性の高い樹脂例えばガラス強化ポリプロピレンの使用が好ましい。例えば鉄棒19を合成樹脂20例えばガラス繊維入りポリプロピレンあるいはプリプロピレン等で覆うようにインサート成形することで、所望の外形を有する樹脂20と金属芯棒19とが一体化されたインサート部品11から得られる。そして、このインサート部品11をさらに背凭れ2を含む樹脂成形品10の射出成形型のキャビティ内の所定位置に配置してインサート成形することで、インサート部品11を一体化した樹脂成形品10を製作するようにしている。つまり、2段階インサート成形を行うことにより、インサート部品11の凸部13を有する樹脂成形品10を得るようにしている
インサート部品11は、特定の形状に限定されるものではなく、任意の外形状を成すことができる。例えば、本実施形態の場合、インサート部品11は、樹脂成形品10のインサート成形時に図示していないキャビティ内(換言すれば樹脂成形品10内)に占位する部分12の先端部21が尖頭部を成すペンシル型とされている。尖頭端部とすることで、インサート成形時の樹脂成形品の肉厚が漸次変化するように(急な肉厚の変化を抑える)配慮ができ、ひけの発生を抑えることができる(樹脂成形の際の外観品質を確保することができる。)。勿論、樹脂成形品の肉厚が漸次変化するように急な肉厚の変化を抑えるものであれば、前述の尖頭端部に限られるものではない。
インサート部品11の樹脂成形品10の外に突出した凸部・軸部13と接合相手部品たる脚パイプ23との固定は、圧入などによる摩擦固着力によっても可能であるが、好ましくは機械的固定手段によることである。例えば、凸部・軸部13の樹脂部分に、径方向に貫通する孔16あるいはねじ孔17をあけて、図示していない脚パイプ23の貫通孔を貫通させてスプリングピンあるいは締結ねじを装着可能とすることで、インサート部品11の軸部13を脚パイプ23に固定するように設けても良い。
ペンシル型インサート部品11は、係着力を強化するための穴や凹部、突起や鍔などが必要に応じて設けられる。例えば、本実施形態では、樹脂成形品10内に埋没される部分12に樹脂が流入する穴15が設けられている。これによって、インサート成形の際に、樹脂が穴15内に流れ込んで引っ掛かりとなる部分を形成することとなる。尚、樹脂成形品10内に埋没される部分12と外に突出する部分(軸部)13との境界には、環状の鍔18が形成されている。この鍔18を図示していないキャビティの外に配置して型締めすることでインサート成形時の位置決めを可能としている。
インサート部品11によって凸部・軸部13を形成することによって、接合相手部品の凹部(例えば後脚パイプ23の穴26)との嵌合性を高め得る。つまり、樹脂成形により接合相手部品と嵌合する部分の形状や寸法などを自由に調整できるので、接合相手部品の形状との組み合わせの自由度が高くなる。また、樹脂成形品の外に突出する部分13の径や形状を自由に調整(つまり、設計)できるので、接合相手部品の嵌合凹部の状況に応じて適宜形状を作り出してがたつきのない接合を可能とすることが容易にできる。例えば、接合相手部品の穴形状に応じて、自在に形状を変化させ得る。つまり、インサート部品は径を自由に変更できるので相手部品の凹部との嵌合状態を調整し易い。
また、樹脂成形品10の外に突出するインサート部品11の凸部(例えば軸部)13の表面が樹脂20で覆われているので、必要な形状に容易に成形できると共に圧入嵌合時の変形や滑りも比較的容易であることから、接合相手部材たる脚パイプ23との嵌合を調整可能である。例えば、樹脂表面に図6に示すような縦筋状のリブ14を形成すれば、このリブ14の山部分が軽く潰れたり、あるいは脚パイプ23の嵌合凹部(穴)の内周面と隙間無く接することにより、パイプの穴に嵌め込み易く、差し込んだときのがたつきを防止できると共に、差し込みの強度をもたせることができる。
他方、接合相手部品となる脚フレーム4は、例えば金属製パイプ材によって構成されており、前脚パイプ22と、後脚パイプ23と、これら前脚パイプ22と後脚パイプ23とを相互に連結させると共に座1を支える連結杆24,25とを備え、溶接によって一体化されている。座受部は、前脚パイプ22と後脚パイプ23とを連結する一対の縦連結杆24と、一対の縦連結杆24同士を連結すると共に座1を支える前後一対の横連結杆25とで構成されている。前脚パイプ22と後脚パイプ23とは前後方向に延びる縦連結杆24と、左右一対の縦連結杆24同士を連結する横連結杆25とで、前後左右に連結されて一体化されている。横連結杆25は座1の座板(図示省略)を揺動自在に支持して翻転軸として機能する後方フレームと、座1の前方で座板を受け支え支持する前方フレームとで構成されている。横連結杆25は、本実施形態の場合、座フレームの形状に対応させて縦連結杆24よりも低い位置で座1を支持するように中央部分が凹んだ形状とされている。また、左右一対の後脚パイプ23の間及び座1の後端側寄りの部分は、前脚パイプ22及び座1の前端側寄りの部分よりも狭く形成され、他の椅子の前脚パイプの間に水平スタッキング可能なクリアランスを発生させるように配慮されている。
本実施形態の場合、脚パイプ4は、後脚パイプ23と前脚パイプ22とでは高さを異にしており、前脚パイプ22側が高く、後脚パイプ23側が前脚パイプ22よりも低く形成されている。後脚パイプ23は肘掛け3よりも低い位置まで延びる背凭れ支持フレーム部8と接合されるため、低く形成されている。他方、前脚パイプ22は、肘掛け3の前端側の折れ曲がった取付部(凸部9)が嵌合されるため、折れ曲がり部に近い位置即ち高い位置で受け止めるように構成されている。勿論、前脚パイプ22と後脚パイプ23との高さ関係は本発明の本質とは無関係であり、同じ高さでもあるいは前脚パイプ22よりも後脚パイプ23側が高い関係にあっても良い。また、肘掛け3を構成する水平フレーム部分も座1の高さとの関係で肘高さが定まるため、本実施形態の場合には、背凭れ2の屈曲する背凭れ支持フレーム8の付け根部分から延びるように成形されているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては背凭れ支持フレーム8と交差するように形成しても良いし、背凭れ2の側方の縁部6と交差するように形成されても良い。
さらに、後脚パイプ23は、背凭れ支持フレーム8と同じ角度、例えば床面等の水平面に対して側面視で70~80°の範囲で僅かに前傾している。そして、後脚パイプ23の上端の少なくともインサート部品11の凸部(軸部)13が嵌め込まれる範囲においては、背凭れ支持フレーム8の下端から突出するインサート部品11の凸部(軸部)13が嵌め込まれる開口部(即ち接合相手部品の凹部)26が直線的に形成されると共に塞がれること無く、開口されたままとされている。
上述の実施形態の背凭れ2と脚フレーム4との接合構造によれば、背凭れの両側の背凭れ支持フレーム部8の下端から突出する凸部・軸部13と、肘掛け3の先端の凸部9とを、後脚パイプ23の穴26及び前脚パイプ22の穴27にそれぞれ挿入した後、例えばビス止めすることで固定される。即ち、後脚パイプ23の嵌合受口・凹部26に、樹脂成形品10の凸部・軸部13を嵌合し、嵌合凹部26の孔(図示省略)を通過させた締結用ねじあるいはスプリングピンを凸部・軸部13に形成されたねじ孔17あるいは貫通孔16に螺合あるいは装着することで両者を固定することができる。
この場合、インサート成形時にインサート部品11は樹脂成形品10に埋め込まれて一体化されるため、接合相手部品に対する固定のための手段例えばビスなどが不要となる。つまり、本実施形態では、片側のビス止め即ち金属製パイプに嵌合される凸部13の固定だけで接合を完了できる。樹脂成形品10から突出する凸部・軸部13を脚パイプ23に挿入して固定するだけであり、ビス及びビス止めの工程が半減する。すなわち、嵌合凹部に突出部分を内嵌させ、両者を締結するだけで、例えば突出部分のねじ孔にねじを螺着するだけであるので、組立性に優れたものとなる。
また、芯棒19が含まれるインサート部品11を背凭れ支持フレーム部8に突出させてインサート成形により一体化した樹脂成形品10は、背凭れ支持フレーム部8の外径を太くせずに細くしたまま、構造強度が確保される。同時に、接合相手部品である後脚パイプ23の凹部26にも金属製芯棒19が含まれるインサート部品11の凸部・軸部13が嵌合されることで、樹脂成形品10と後脚パイプ23の双方に跨がって芯棒19が差し込まれるため、接合強度が確保される。このため、樹脂成形品10の背凭れ支持フレーム部8の外径が後脚パイプ23の直径と同一径のまま、即ち背凭れ支持フレーム部8を後脚パイプ23に対して面一にして、接合することができる。即ち、接合部における樹脂成形品と相手部材との外形が同一外径あるいは同一外形とすることも容易に可能であり、意匠性を向上させるための設計の自由度を高くすることができる。勿論、接合部における取付部のパイプ材の外周面と被取付部の外周面とを突き合わせ接合面において同一外形状・外径(つまり、面一)に形成するものに限らなくても良い。
また、インサート部品11の芯棒19が樹脂成形品10と接合相手部品である後脚パイプ23の凹部26とに跨がって占位するため、即ち樹脂成形品10と後脚パイプ23の双方に跨がって芯棒19が差し込まれるため、接合強度が確保される。同時に、樹脂成形品10と接合相手部品である脚パイプ23との間に跨がってインサート部品11の中の芯棒19が占位するため、これが補強となって、脚パイプ23の構造剛性を高くすることができる。
さらに、インサート部品11の芯棒19が後脚パイプ23の縦連結杆24が接合(溶接)される部分にまで達するようにすれば、後脚パイプ23と縦連結杆24との溶接部分の補強がされる。このため、細径パイプで脚フレームをつくる場合にも十分な構造強度が確保できる。
したがって、本実施形態の接合構造は、構造強度並びに接合強度が確保されるため、一定の取り付けの強度を確保しつつ各部の外径寸法を小径化するのに適している。脚フレームは、軽量化やデザイン上の観点から、細径のパイプが好まれるが、従来の支持フレームの取付部と肘掛けの被取付部は、取り付けの強度を確保する必要から、それぞれの外径寸法が比較的大きくならざるを得ないという一面があった。また、筒構造を樹脂成型する場合には冷却不良に起因する外観不良(ひけ)を起こしやすい問題があることから、樹脂成形品側に筒状の長い凹部を形成する場合には、厚肉に形成せざるを得ない。このため、樹脂成形品側に厚肉の筒部(凹部)を設けて脚フレームに嵌まり込む形態を採らざるを得ないことから、細径のパイプと樹脂成形品とを接合する際に、接合部分を面一に構成すること、即ち同じ外径あるいは同じ外形とすることは、容易ではなかった。
本実施形態の接合構造は、上述の要望を簡易な構造で実現することができる。
また、樹脂成形品10のインサート成形の際に、インサート部品11の存在で背凭れ支持フレーム部8が無垢状態となるので冷却が不要となる。依って、金型の冷却不良に起因する背凭れ支持フレーム部8のひけなどの外観不良を起こすことがない。さらに、樹脂成形品のインサート成形時にインサート部品が配置されることによって中空部が存在しないため、樹脂成形品に肉厚の急激な変化が生ずる部分ができない。このため、外観不良(ひけ)を起こし難い。特に、本実施形態の背凭れの場合、背板部7の周りの縁部(底辺を除く、左右両側辺及び上辺)6が中実の丸棒で縁取り(形成)されているため、急に肉薄の部分を形成すると、ひけを起こし易い構造であるが、インサート部品11が配置され、尚且つ境界に相当する部分が尖頭形状とされることで漸次肉厚が変化するため、長い棒・背凭れ支持フレーム部分の外観にひけ(sink)をつくらずにインサート成形することができる。
本実施形態にかかる接合構造は、少なくとも一方が樹脂成形品であれば、他方は金属成形品でも樹脂成形品でも良い。また、インサート部品の一部が樹脂成形品の外に出っ張っていて、それを相手部材の凹部に差し込む構造であれば良い。出っ張っている部分の外形状は樹脂成形品によって形成されるので、相手部材の凹部に合わせた形状に自由に成形できる。したがって、どのような端部開口形状の部品であっても、接合可能である。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施形態では、水平方向にスタッキング可能な椅子(ネスティング椅子とも呼ばれる)に適用した例を挙げて主に説明しているが、必ずしもスタッキング可能な椅子である必要はなく、他の構造の椅子に適用するようにしても良い。
また、上述の実施形態では、背凭れ2と脚パイプ23との間の連結構造に適用した例を挙げて説明したが、これに特に限られるものではなく、例えば座1または肘掛け3などの樹脂成形品についても適用できる。即ち、座1と脚パイプ22,23との連結構造、あるいは肘掛け3と脚パイプ22若しくは背凭れ支持フレーム部8との間の連結構造などにも適用できることは言うまでもない。例えば、図示していないが、座と脚パイプとの接合に適用する場合には、座を構成する座枠の四隅、即ち脚パイプと対向する部分(支持箇所)に脚パイプに向けて突出する凸部をインサート成形で設け、座を直接脚パイプに連結させて支持させる構造とすることもできる。要は、インサート部品の一部が脚部に嵌合されるように突出し、一部が座枠内にインサート成形により一体化して埋没するものであれば良い。また、上述した実施形態では、取付部が背凭れに設けられたものとして説明したが、これに限定されるものではなく、背凭れとは独立した肘掛けの端部に備えるようにしても良い。
また、本実施形態では、樹脂成形品と金属製の接合相手部品例えばパイプとの接合を例に挙げているが、これに特に限定されるものではなく、樹脂成形品と樹脂製の接合相手部品例えばパイプとの接合にも適用できるし、接合相手部品はパイプに限られない。
また、本実施形態の背凭れ支持フレーム部と後脚パイプ23との接合構造は、接合面が面一となるとして構成した例を挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、樹脂成形品10の凸部13の周囲が接合相手部品に覆い被さるように嵌め込まれる構造、例えば特許文献1に示すような肘掛けと脚パイプとの嵌合関係となるような接合構造でも適用できることは言うまでもない。
また、上述した実施形態では、他方の椅子の部品の被取付部がパイプ状の真円の凹部であり、これに嵌合される一方の椅子の部品の取付部即ち背凭れ支持フレームから突出する凸部が円形の棒状物である組み合わせの例を挙げて主に説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも取付部の突出部分が内嵌される嵌合凹部を備えた組み合わせであれば良い。即ち、被取付部である凹部は、真円のパイプに限られず、楕円形のパイプでも、角パイプや任意の形状の穴・凹部であっても良い。一方の椅子の部品の取付部即ち背凭れ支持フレームから突出する凸部は、樹脂成形品であるので、相手部材の凹部形状に合わせた形状、例えば楕円形であってり、角棒状であったり、あるいは任意の形状の非棒状物であっても自由に成形することができる。
2 背凭れ
3 肘掛け
4 脚フレーム
8 背凭れ支持フレーム部
10 樹脂成形品
11 インサート部品
12 インサート部品の樹脂成形品に埋没する部分
13 インサート部品の樹脂成形品から突出する部分(凸部・軸部)
21 インサート部品の樹脂成形品内にインサートされる部分の尖頭形の先端部
19 芯棒
23 後脚パイプ(接合相手部品)
26 接合相手部品の凹部(穴)

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が樹脂成形品から成る部品と他の部品との凹部と凸部との嵌め合いによって接続する接合構造部において、
    前記凸部は前記樹脂成形品を成形する際にインサート成形され前記樹脂成形品に一部が埋め込まれて一体化されたインサート部品の一部であり、
    前記インサート部品が芯棒を樹脂で覆うようにして前記芯棒と該芯棒を覆う前記樹脂とが一体化されたものであり、
    前記インサート部品が前記樹脂成形品と前記他の部品の凹部とに跨がって占位する
    ことを特徴とする椅子の構成部品同士の接合構造。
  2. 前記インサート部品前記樹脂成形品から突出する凸部が前記他の部品の凹部に対応する外形に成形されていることを特徴とする請求項1記載の椅子の構成部品同士の接合構造。
  3. 前記芯棒は金属製であることを特徴とする請求項1または2記載の椅子の構成部品同士の接合構造。
  4. 前記インサート部品の前記樹脂成形品内にインサートされる部分の先端部が尖頭形を成すことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の椅子の構成部品同士の接合構造。
  5. 前記樹脂成形品は背凭れであり、前記他の部品は金属製パイプから成る脚フレームであり、前記インサート部品は前記脚パイプの端部の穴に嵌合される凸部を有し、前記背凭れを成形するときに前記凸部を金型の外に出してインサート成形されるものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の椅子の構成部品同士の接合構造。
  6. 前記インサート部品の前記樹脂成形品から突出し前記他の部品の凹部に嵌合する凸部には、外周面に縦筋状のリブが形成され、前記他の部品の凹部に前記リブを介して嵌合されることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の椅子の構成部品同士の接合構造。
  7. 請求項1からのいずれか1つに記載の椅子の構成部品同士の接合構造を、少なくとも背凭れと背凭れ支持フレーム部とを含む樹脂成形品と金属製パイプから成る脚フレームの後脚パイプとの接合に用いたものである
    ことを特徴とする椅子。
  8. 請求項1からのいずれか1つに記載の椅子の構成部品同士の接合構造を、少なくとも背凭れと背凭れ支持フレーム部とを含む樹脂成形品と金属製パイプから成る脚フレームの後脚パイプとの接合に用いたものであり、
    前記樹脂成形品は前記背凭れと前記背凭れ支持フレーム部と肘掛けとが一体的に形成されたものであり、
    前記肘掛けの前端側が前記脚フレームの前脚パイプに挿入され、前記背凭れ支持フレーム部が前記脚フレームの後脚パイプにそれぞれ嵌合されて支持されている
    ことを特徴とする椅子。
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