JP2009251220A - 静電潜像現像用キャリア、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間画像形成に使用しても被覆層が摩耗、剥離せず、使用開始時と変わらないトナー帯電付与が可能な高耐久の樹脂被覆キャリアを提供する。
【解決手段】芯材粒子の形状係数SF−1が135以上155以下であり、芯材粒子表面に樹脂を被覆した静電潜像現像用キャリアの形状係数SF−1が100以上125以下である静電潜像現像用キャリア。
【選択図】図1
【解決手段】芯材粒子の形状係数SF−1が135以上155以下であり、芯材粒子表面に樹脂を被覆した静電潜像現像用キャリアの形状係数SF−1が100以上125以下である静電潜像現像用キャリア。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる静電潜像現像用キャリア(以下、樹脂被覆キャリア、あるいは簡単にキャリアともいう)、及び、当該キャリアを用いた画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成方法においては、良好な画質が得られやすく、帯電制御が行い易い等の理由により、樹脂被覆キャリアと呼ばれる芯材粒子表面を樹脂被覆した構造のキャリアを用いる2成分現像剤を用いた画像形成が広く行われている。
2成分系現像剤を構成するキャリアは、鉄やニッケル、フェライト等の強磁性体でできた芯材粒子(以下、キャリア芯材ともいう)表面を樹脂で均一に被覆した構造を有し、その表面は通常絶縁性を示すものである。この様に、芯材表面を樹脂被覆することにより、トナー微粉等のキャリア表面への付着を防いで、帯電付与性能の低下を防いでいる。
樹脂被覆キャリアは芯材の電気抵抗は低く、樹脂被覆層(以下、被覆層、樹脂層ともいう)の電気抵抗は高いことから、通常、キャリアの電気抵抗は樹脂被覆層で調整される。この様に、キャリアの電気抵抗を調整することにより、トナーへの帯電付与性能を安定化させることができる。具体的なキャリアの抵抗調整法としては、たとえば、被覆層の厚さを調整する方法の他、被覆層中にカーボンブラックや酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物等の導電性粒子を添加することにより調整が可能である(例えば、特許文献1〜3参照)。
この様に、被覆層中に導電性粒子を添加してキャリアの抵抗調整が行われてきたが、導電性粒子の添加量が多くなると、被覆層の強度が低下して長時間にわたる画像形成に用いると被覆層が摩耗、剥離等する問題を有していた。また、摩耗、剥離等の発生によりキャリア表面に導電性粒子が存在する様になり、安定したトナー帯電を行うことが困難になった。この問題を解消するため、導電性粒子の添加量を少なく抑えると、今度は初期段階で安定したトナー帯電が行えなくなった。たとえば、ハーフトーン画像部と並んでベタ画像部が存在するプリント画像を作製すると、ベタ画像部との境界付近のハーフトーン画像端部にトナーが行き届かず白抜けと呼ばれる画像不良を発生させた。
この様に、被覆層中に導電性粒子を含有させた樹脂被覆キャリアは、導電性粒子の影響で安定したトナー帯電を行うことに課題を有していたのである。
特開平11−174740号公報
特開昭62−45984号公報
特開2003−280286号公報
本発明は、安定したトナー帯電をいつでも行える樹脂被覆キャリアを提供することを目的とするものである。具体的には、長期間画像形成に使用しても被覆層が摩耗、剥離することがなく、使用開始時と変わらないトナー帯電付与が可能な高耐久の樹脂被覆キャリアを提供することを目的とするものである。また、初期段階から良好なトナー帯電が行え、ハーフトーン画像部とベタ画像部とが並んで存在するプリント画像を作製しても、ハーフトーン画像端部で白抜けを発生させず高品位な画像を安定して形成する樹脂被覆キャリアを提供するものである。
本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
請求項1に記載の発明は、
『芯材粒子表面に樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリアであって、
前記芯材粒子の形状係数SF−1が135以上155以下であって、かつ、樹脂被覆後の前記静電潜像現像用キャリアの形状係数SF−1が100以上125以下であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。』というものである。
『芯材粒子表面に樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリアであって、
前記芯材粒子の形状係数SF−1が135以上155以下であって、かつ、樹脂被覆後の前記静電潜像現像用キャリアの形状係数SF−1が100以上125以下であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。』というものである。
請求項2に記載の発明は、『前記芯材粒子表面を被覆する樹脂の質量は、前記芯材粒子の質量に対する比として0.015倍以上0.030倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。』というものである。
請求項3に記載の発明は、『少なくとも請求項1または2に記載の静電潜像現像用キャリアとトナーを含有する現像剤を用いて、像担持体上に形成された静電潜像を現像することを特徴とする画像形成方法。』というものである。
本発明によれば、安定したトナー帯電をいつでも行える樹脂被覆キャリアを提供することができる様になった。すなわち、本発明によれば、長期間画像形成に使用しても被覆層が摩耗、剥離することがなく、使用開始時と変わらないレベルのトナー帯電が安定して行える様になった。また、初期段階から良好なトナー帯電が行えてハーフトーン画像部とベタ画像部とが並んで存在するプリント画像を作製しても、ハーフトーン画像端部で白抜け等の画像不良を発生させることなく高品位な画像を安定して形成することができる様になった。
本発明は、芯材粒子表面に樹脂を被覆してなるいわゆる樹脂被覆キャリアとも呼ばれる静電潜像現像用キャリアに関するものである。
本発明に係るキャリアは、芯材粒子の形状係数SF−1が135以上155以下であり、かつ、樹脂被覆後のキャリアの形状係数SF−1が100以上125以下となるもので、この構成により安定したトナー帯電が行えることを見出したのである。本発明で用いられる芯材粒子は、その表面にかなりの凹凸を有するものであり、この様な形状の芯材粒子により課題が解消されるとは従来技術から全く予想されなかったものといえる。このことについて図1を用いて説明する。図1はキャリア粒子の形状、構造を示す模式図である。
従来技術において、安定したトナー帯電が行える樹脂被覆キャリアは、その形状が丸みを帯びた球に近い形状のものがよいと考えられていた。すなわち、図1(a)に示す様な表面に凹凸がほとんど存在しない球形形状の芯材粒子と均一な被覆層からなるものである。この形状と構造であれば、キャリア粒子表面のどの個所でも同じ帯電付与条件が得られるので良好なトナー帯電を安定して行えるものと考えられた。
しかしながら、図1(a)に示すキャリアは被覆層を厚くすると耐久性は向上するものの表面抵抗が高くなる傾向があった。そのため、ハーフトーン画像を形成すると画像端部にトナーが存在しない白抜けと呼ばれる画像不良を発生することがあった。そこで、被覆層を薄くしてトナー帯電に適した表面抵抗を得られる様にしたところ、被覆層が摩耗、剥離し易くなってキャリアの寿命を短くした。
本発明に係るキャリアは、図1(b)に示すイメージのもので、芯材粒子はある程度の凹凸がある芯材粒子を用いるとともに、被覆層が形成されたキャリアの形状はほぼ球形に近いものである。この様に、芯材表面の凹凸を樹脂で埋める様にして被覆層を形成したもので、被覆層形成後は丸みを帯び、流動性のよいキャリアが得られる。
すなわち、芯材粒子の凸部領域は被覆層が薄く形成され、キャリア粒子全体の電気抵抗が低く抑えられて帯電立ち上がり性を向上させるものと考えられる。一方、凸部以外の領域では被覆層が比較的厚く形成されて電荷を蓄積する役目を担うことによりキャリアとしての電荷付与性を付与するものと考えられる。また、キャリア粒子自体は丸みを帯びて流動性の高いものになるので、トナーとの混合性も向上するものとみられる。
この様に、本発明に係るキャリアは芯材粒子が凹凸を有するものの被覆層形成後のキャリア粒子は、その形状が球形に近いのでトナーとの混合性を損なうことがない。また、凹凸を有する芯材粒子を用いることにより、被覆層はその厚みに差があり、被覆層の薄い領域は帯電立ち上がり性を向上させ、被覆層の厚い領域は電荷付与性能を発現するものとみられる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
最初に、本発明に係るキャリアを構成するキャリア粒子及び芯材粒子の形状係数について説明する。なお、本発明ではキャリアとキャリア粒子とは同じものを指すものであるが、キャリア粒子の集合体をキャリアと呼ぶこともある。
前述した様に、本発明に係るキャリアは、芯材粒子の形状係数SF−1が135以上155以下であり、かつ、樹脂被覆後のキャリアの形状係数SF−1が100以上125以下となるものである。本発明に係るキャリア粒子と芯材粒子の形状係数SF−1は、下記式により定義されるものである。すなわち、
SF−1=(粒子の最大長)2/(粒子の投影面積)×(π/4)×100
上記式中でいう粒子とは、キャリアの形状係数を算出する場合はキャリア粒子のことであり、また、芯材粒子の形状係数を算出する場合は芯材粒子のことである。本発明では、キャリア粒子の形状係数をSF−1(carrier)、芯材粒子の形状係数をSF−1(core)表すこともある。なお、式中の「最大長」とはキャリア粒子の平面上への投影像を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる幅をいうものである。また、SF−1の値が100のものはその形状が真球であることを意味するものである。さらに、式中の「投影面積」は下記画像解析処理装置により算出されるキャリア粒子の投影面積値である。
SF−1=(粒子の最大長)2/(粒子の投影面積)×(π/4)×100
上記式中でいう粒子とは、キャリアの形状係数を算出する場合はキャリア粒子のことであり、また、芯材粒子の形状係数を算出する場合は芯材粒子のことである。本発明では、キャリア粒子の形状係数をSF−1(carrier)、芯材粒子の形状係数をSF−1(core)表すこともある。なお、式中の「最大長」とはキャリア粒子の平面上への投影像を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる幅をいうものである。また、SF−1の値が100のものはその形状が真球であることを意味するものである。さらに、式中の「投影面積」は下記画像解析処理装置により算出されるキャリア粒子の投影面積値である。
以下に形状係数SF−1の測定手順を説明するが、キャリア粒子の形状係数SF−1を測定する場合、試料がキャリア単体ではなくトナーとの混合物である現像剤の場合は以下の前準備処理を行う。
(前準備処理)
ビーカに、現像剤、少量の中性洗剤、純水をビーカに投入して、これらをよくなじませた後、ビーカの底に磁石を当てながら上澄み液を廃棄する。さらに、ビーカ内に純水を添加して同様に上澄み液を廃棄することによりトナーと中性洗剤を除去する。除去後、単離したキャリアを40℃で乾燥処理することでキャリア単体を得ることができる。この様にして、現像剤よりキャリアのみを分離することができる。
(測定)
倍率150倍に設定した走査型電子顕微鏡(TEM)によりキャリア粒子を写真撮影し、得られた写真画像観察により形状係数SF−1を算出する。倍率150倍に設定した電子顕微鏡を用いて100個以上のキャリア粒子をランダムに写真撮影し、スキャナにより取り込まれた写真画像を画像解析処理装置「LUZEX AP((株)ニレコ製)」を用いて測定する。キャリア粒子の個数平均1次粒子径が水平方向フェレ径の平均値として算出され、前述の式より算出される形状係数SF−1の平均値をキャリア粒子の形状係数SF−1(carrier)とする。なお、走査型電子顕微鏡の具体的な例としては、たとえば、フィールドエミッション走査型電子顕微鏡「S−4500(日立製作所(株)製)」等が挙げられ、また、画像解析処理装置の具体例としては、たとえば、「LUZEX AP(ニレコ社製)」等が挙げられる。
(前準備処理)
ビーカに、現像剤、少量の中性洗剤、純水をビーカに投入して、これらをよくなじませた後、ビーカの底に磁石を当てながら上澄み液を廃棄する。さらに、ビーカ内に純水を添加して同様に上澄み液を廃棄することによりトナーと中性洗剤を除去する。除去後、単離したキャリアを40℃で乾燥処理することでキャリア単体を得ることができる。この様にして、現像剤よりキャリアのみを分離することができる。
(測定)
倍率150倍に設定した走査型電子顕微鏡(TEM)によりキャリア粒子を写真撮影し、得られた写真画像観察により形状係数SF−1を算出する。倍率150倍に設定した電子顕微鏡を用いて100個以上のキャリア粒子をランダムに写真撮影し、スキャナにより取り込まれた写真画像を画像解析処理装置「LUZEX AP((株)ニレコ製)」を用いて測定する。キャリア粒子の個数平均1次粒子径が水平方向フェレ径の平均値として算出され、前述の式より算出される形状係数SF−1の平均値をキャリア粒子の形状係数SF−1(carrier)とする。なお、走査型電子顕微鏡の具体的な例としては、たとえば、フィールドエミッション走査型電子顕微鏡「S−4500(日立製作所(株)製)」等が挙げられ、また、画像解析処理装置の具体例としては、たとえば、「LUZEX AP(ニレコ社製)」等が挙げられる。
また、芯材粒子の形状係数SF−1の測定も上記キャリア粒子の測定と同様の手順で行えるが、キャリア粒子より芯材粒子を準備する場合は、以下に示す被覆層除去処理を行う必要がある。
(被覆層除去処理)
キャリア2gを20mlのガラス瓶に投入する。次に、メチルエチルケトン15mlをガラス瓶内に投入し、ウェーブロータで10分間撹拌処理を行って被覆層を構成する樹脂を溶解させる。次に、磁石を用いて溶媒を除去し、さらにメチルエチルケトン10mlにて芯材粒子を3回洗浄処理する。洗浄処理が済んだ芯材粒子を乾燥させることにより測定用の芯材粒子が得られる。
(測定)
上記被覆層除去処理により得られた芯材粒子を用いて、前記キャリア粒子の形状係数測定と同様の手順を採ることにより、芯材粒子の形状係数SF−1(core)を算出する。
(被覆層除去処理)
キャリア2gを20mlのガラス瓶に投入する。次に、メチルエチルケトン15mlをガラス瓶内に投入し、ウェーブロータで10分間撹拌処理を行って被覆層を構成する樹脂を溶解させる。次に、磁石を用いて溶媒を除去し、さらにメチルエチルケトン10mlにて芯材粒子を3回洗浄処理する。洗浄処理が済んだ芯材粒子を乾燥させることにより測定用の芯材粒子が得られる。
(測定)
上記被覆層除去処理により得られた芯材粒子を用いて、前記キャリア粒子の形状係数測定と同様の手順を採ることにより、芯材粒子の形状係数SF−1(core)を算出する。
以上の手順により、本発明に係るキャリア粒子及び当該キャリア粒子を構成する芯材粒子の形状係数SF−1を算出することができる。
(芯材と樹脂の質量比)
次に、キャリアの被覆層を形成する樹脂の含有量について説明する。本発明では、芯材粒子表面を被覆する樹脂の質量は、芯材粒子の質量に対する比として0.015倍以上0.030倍以下であることが好ましい。
(芯材と樹脂の質量比)
次に、キャリアの被覆層を形成する樹脂の含有量について説明する。本発明では、芯材粒子表面を被覆する樹脂の質量は、芯材粒子の質量に対する比として0.015倍以上0.030倍以下であることが好ましい。
芯材表面を被覆する樹脂の含有量が、芯材粒子に対して1.5質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。芯材粒子表面を被覆する樹脂の質量が芯材粒子の質量に対する比として0.015倍以上0.030倍以下のとき、芯材粒子表面に高耐久の被覆層を確実に形成することができ、同時に、キャリア表面にトナー帯電に最適な被覆層を形成することができる。
〔電子写真用キャリアの抵抗〕
次に、本発明に係るキャリアの電気抵抗について説明する。本発明に係るキャリアは、芯材粒子表面に樹脂製の被覆層を有するもので、前述した様に、芯材粒子表面の凸部では被覆層は薄く形成されている。本発明に係るキャリアは、前述した様に、長期間使用しても帯電付与性能に変化が起きることがなく、また、使用開始時より安定したトナー帯電を行うことができる。
次に、本発明に係るキャリアの電気抵抗について説明する。本発明に係るキャリアは、芯材粒子表面に樹脂製の被覆層を有するもので、前述した様に、芯材粒子表面の凸部では被覆層は薄く形成されている。本発明に係るキャリアは、前述した様に、長期間使用しても帯電付与性能に変化が起きることがなく、また、使用開始時より安定したトナー帯電を行うことができる。
使用開始時におけるキャリアの抵抗である初期抵抗は、使用開始時に現像剤よりトナーを分離して得られたキャリアの抵抗値を測定することにより得られる。キャリアの初期抵抗測定は後述する抵抗測定手順により得られるものである。
本発明に係るキャリアの使用開始時の抵抗、すなわち、初期抵抗は5×108〜3×1010Ωcmが好ましく、より好ましくは8×108〜1×1010Ωcmである。キャリアの初期抵抗が上記範囲内のとき、長期使用した後でもカブリやトナー飛散、ハーフトーン後端抜け等の画像不良の発生を抑制することができる。以下にキャリアの抵抗測定手順を説明する。
(キャリアの抵抗測定)
ここで、キャリア抵抗とは、磁気ブラシによる現像条件下で動的に測定することにより得られる抵抗値である。具体的には、感光体ドラムと同寸法のアルミ製電極ドラムを感光体ドラムに置き換え、現像スリーブ上にキャリア粒子を供給して磁気ブラシを形成させる。この磁気ブラシを前述の電極ドラムと摺擦させて、現像スリーブと電極ドラムの間に電圧(500V)を印加して両者間に流れる電流値を測定することにより、キャリア抵抗を算出することができる。なお、キャリア抵抗は下記式より算出することができる。
(キャリアの抵抗測定)
ここで、キャリア抵抗とは、磁気ブラシによる現像条件下で動的に測定することにより得られる抵抗値である。具体的には、感光体ドラムと同寸法のアルミ製電極ドラムを感光体ドラムに置き換え、現像スリーブ上にキャリア粒子を供給して磁気ブラシを形成させる。この磁気ブラシを前述の電極ドラムと摺擦させて、現像スリーブと電極ドラムの間に電圧(500V)を印加して両者間に流れる電流値を測定することにより、キャリア抵抗を算出することができる。なお、キャリア抵抗は下記式より算出することができる。
DVR(Ωcm)=(V/I)×(N×L/Dsd)
DVR:キャリア抵抗(Ωcm)
V:現像スリーブとドラム間の電圧(V)
I:測定電流値(A)
N:現像ニップ幅(cm)
L:現像スリーブ長(cm)
Dsd:現像スリーブとドラム間距離(cm)
本発明では、電圧(V)=500V、現像ニップ幅(N)=1cm、現像スリーブ長(L)=6cm、現像スリーブとドラム間距離(Dsd)=0.6mmに設定して測定したものである。
DVR:キャリア抵抗(Ωcm)
V:現像スリーブとドラム間の電圧(V)
I:測定電流値(A)
N:現像ニップ幅(cm)
L:現像スリーブ長(cm)
Dsd:現像スリーブとドラム間距離(cm)
本発明では、電圧(V)=500V、現像ニップ幅(N)=1cm、現像スリーブ長(L)=6cm、現像スリーブとドラム間距離(Dsd)=0.6mmに設定して測定したものである。
〔キャリアの作製〕
次に、本発明に係るキャリアの作製方法について説明する。
次に、本発明に係るキャリアの作製方法について説明する。
先ず、本発明に使用される芯材粒子は、原料のフェライト等を造粒、乾燥した後、加熱処理による焼成処理を行い、形成された焼成物を解砕、分級する工程を経て作製することができる。ここで、焼成処理工程は造粒乾燥して得られた粒子を容器に投入し、当該容器を焼成炉に配置して焼成を行うものである。
本発明では、芯材粒子の形状係数SF−1が135以上155以下のものが用いられるが、この様な形状係数を有する芯材粒子は丸みを帯びた芯材粒子に比べて流動性はあまりよくない。本発明ではこの様な形状の芯材粒子表面を樹脂で被覆して、形状係数SF−1が100以上125以下の丸みを帯びた形状のキャリア粒子を作製するものである。
本発明では、芯材粒子表面に樹脂を被覆した後、たとえば、公知の方法でストレスを加えることにより、被覆した樹脂に熱や衝撃が加わり、芯材粒子の凸部領域にある樹脂を凹部領域に移動させ、凹部を樹脂で埋める様にしてキャリアの球形化が行えるものである。
この様に、ストレス等の作用で樹脂を移動させることにより、芯材粒子の凸部領域に対応する被覆層は薄くなり帯電立ち上がりに寄与するとともに、凹部領域に対応する被覆層は厚いので電荷を蓄積して帯電付与性能に寄与するものと考えられる。なお、芯材粒子表面への被覆層の形成方法は後述する「樹脂被覆層の作製方法」の項に記載の方法で形成することができる。
〔本発明に係るキャリアの構成材料〕
次に、本発明に係るキャリアに用いられる芯材粒子や被覆層形成用樹脂等、各種構成材料について説明する。
(芯材粒子)
最初に、本発明に係るキャリアに使用される芯材粒子について説明する。
次に、本発明に係るキャリアに用いられる芯材粒子や被覆層形成用樹脂等、各種構成材料について説明する。
(芯材粒子)
最初に、本発明に係るキャリアに使用される芯材粒子について説明する。
本発明に係るキャリアに使用される芯材粒子は、鉄粉、マグネタイト、各種フェライト系粒子又はそれらを樹脂中に分散したものを挙げることができる。好ましくはマグネタイトや各種フェライト系粒子である。フェライトとしては銅、亜鉛、ニッケル、マンガン等の重金属を含有するフェライトやアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましく、特に好ましくはアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトである。
本発明に係わるキャリア芯材は磁性体粒子であり、その組成としては、Li、Na等のアルカリ金属及び/又はMg、Ca、Sr、Baのアルカリ土類金属を含有するものであり、下記組成を有するものである。
(M2O)x(Fe2O3)1−x或いは(MO)x(Fe2O3)1−x
更に、このM2O及び/又はFe2O3の一部をアルカリ土類金属酸化物で置換したものであってもよい。Mとしては前述のLi、Na等のアルカリ金属及び/又はMg、Ca、Sr、Baのアルカリ土類金属を示す。また、xとしては30モル%以下である。
更に、このM2O及び/又はFe2O3の一部をアルカリ土類金属酸化物で置換したものであってもよい。Mとしては前述のLi、Na等のアルカリ金属及び/又はMg、Ca、Sr、Baのアルカリ土類金属を示す。また、xとしては30モル%以下である。
この軽金属フェライト或いはマグネタイトが好ましい理由としては、廃棄時の環境への影響が他の物質に比べてはるかに低いことに加え、キャリア自体を軽量化できることや、トナーに対するストレスを軽減できるといった利点を有していることが挙げられる。
磁性体粒子径としては、体積平均粒径で10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。更に、キャリア自体が有する磁化特性としては、飽和磁化で2.5×10−5〜10.0×10−5Wb・m/kgが好ましい。
尚、磁性体粒子の体積平均粒径は、湿式分散器を備えてなるレーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS」(シンパテック社製)により測定される体積基準の平均粒径である。
(被覆層形成用樹脂)
本発明に係るキャリアの被覆層形成に好適な樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル系樹脂及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチレン−アクリル酸共重合体等の共重合体樹脂;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変成樹脂(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成樹脂);ポリテトラクロルエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロルトリフルロルエチレン等のフッ素樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリカーボネート樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等である。なお、トナー微粉のキャリア表面への付着防止の点で、特に好ましい樹脂としては、ポリアクリレート樹脂あるいはスチレン−アクリル酸共重合体樹脂である。
(被覆層形成用樹脂)
本発明に係るキャリアの被覆層形成に好適な樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル系樹脂及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチレン−アクリル酸共重合体等の共重合体樹脂;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変成樹脂(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成樹脂);ポリテトラクロルエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロルトリフルロルエチレン等のフッ素樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリカーボネート樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等である。なお、トナー微粉のキャリア表面への付着防止の点で、特に好ましい樹脂としては、ポリアクリレート樹脂あるいはスチレン−アクリル酸共重合体樹脂である。
〔樹脂被覆層の作製方法〕
被覆層の具体的作製法としては、湿式被覆法、乾式被覆法が挙げられる。以下に各方法について詳細に述べる。
被覆層の具体的作製法としては、湿式被覆法、乾式被覆法が挙げられる。以下に各方法について詳細に述べる。
湿式被覆法としては、
(1)流動層式スプレー被覆法
被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液を、流動層を用いて磁性体粒子の表面にスプレー塗布し、次いで乾燥して被覆層を作製する方法
(2)浸漬式被覆法
被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液中に、磁性体粒子を浸漬して塗布処理し、次いで乾燥して被覆層を作製する方法
(3)重合法
反応性化合物を溶剤に溶解した塗布液中に、磁性体粒子を浸漬して塗布処理し、次いで熱等を加えて重合反応を行い被覆層を作製する方法等を挙げることができる。
(1)流動層式スプレー被覆法
被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液を、流動層を用いて磁性体粒子の表面にスプレー塗布し、次いで乾燥して被覆層を作製する方法
(2)浸漬式被覆法
被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液中に、磁性体粒子を浸漬して塗布処理し、次いで乾燥して被覆層を作製する方法
(3)重合法
反応性化合物を溶剤に溶解した塗布液中に、磁性体粒子を浸漬して塗布処理し、次いで熱等を加えて重合反応を行い被覆層を作製する方法等を挙げることができる。
乾式被覆法としては、
被覆しようとする粒子の表面に樹脂粒子を被着させ、その後機械的衝撃力を加えて、被覆しようとする粒子表面に被着した樹脂粒子を溶融或いは軟化させて固着し被覆層を作製する方法である。キャリア芯材、樹脂及び低抵抗微粒子等を非加熱下、もしくは加熱下で機械的衝撃力が付与できる高速撹拌混合機を用い、高速撹拌して当該混合物に衝撃力を繰り返して付与し、磁性体粒子の表面に溶解あるいは軟化させて固着したキャリアを作製するのである。加熱する場合には、60〜130℃が好ましい。加熱温度が過大になるとキャリア粒子同士の凝集が発生しやすくなるためである。
被覆しようとする粒子の表面に樹脂粒子を被着させ、その後機械的衝撃力を加えて、被覆しようとする粒子表面に被着した樹脂粒子を溶融或いは軟化させて固着し被覆層を作製する方法である。キャリア芯材、樹脂及び低抵抗微粒子等を非加熱下、もしくは加熱下で機械的衝撃力が付与できる高速撹拌混合機を用い、高速撹拌して当該混合物に衝撃力を繰り返して付与し、磁性体粒子の表面に溶解あるいは軟化させて固着したキャリアを作製するのである。加熱する場合には、60〜130℃が好ましい。加熱温度が過大になるとキャリア粒子同士の凝集が発生しやすくなるためである。
なお、本発明に係るキャリアを作製する場合、芯材粒子表面に被覆層を形成する方法としては乾式被覆法で行うことが最も好ましい。
〔電子写真用トナーの製造〕
次に、本発明に用いられるトナーについて説明する。本発明に用いられるトナーとしては、通常よく用いられるものを特に限定なく用いることができる。例えば結着樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂或いはポリエステル系樹脂を用いることができ、また、着色剤も従来より用いられている着色剤を用いることができ、更に必要に応じて離型剤や荷電制御剤を添加することができる。
次に、本発明に用いられるトナーについて説明する。本発明に用いられるトナーとしては、通常よく用いられるものを特に限定なく用いることができる。例えば結着樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂或いはポリエステル系樹脂を用いることができ、また、着色剤も従来より用いられている着色剤を用いることができ、更に必要に応じて離型剤や荷電制御剤を添加することができる。
製造方法は、いわゆる粉砕法でも重合法によるトナー製造方法でもよく、トナー粒子形成後、シリカ微粒子等の外添剤を添加してなるトナーとすることもできる。
〔画像形成方法〕
本発明に係るキャリアは、感光体ドラムと現像スリーブの移動方向が、双方が最も近接し対面する領域(いわゆる現像領域)において同一方向となる現像システム(正転現像システム)でより効果が得られる。正転現像システムでは、上記領域での感光体ドラムの移動方向と現像剤スリーブの移動方向が逆方向になる現像システム(逆転現像システム)と比較して、ハーフトーン後端抜けがより発生しやすく、本発明の構成を用いるとそれを有効に防止するからである。
本発明に係るキャリアは、感光体ドラムと現像スリーブの移動方向が、双方が最も近接し対面する領域(いわゆる現像領域)において同一方向となる現像システム(正転現像システム)でより効果が得られる。正転現像システムでは、上記領域での感光体ドラムの移動方向と現像剤スリーブの移動方向が逆方向になる現像システム(逆転現像システム)と比較して、ハーフトーン後端抜けがより発生しやすく、本発明の構成を用いるとそれを有効に防止するからである。
以下に、正転現像システムである画像形成装置の一例について、図2を用いて説明する。
図2に示す画像形成装置1はタンデム型カラー画像形成装置とも呼ばれるもので、少なくとも以下の様な手段より構成されるものである。すなわち、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9K、ベルト状の中間転写体6、給紙手段、搬送手段、トナーカートリッジ5Y、5M、5C、5K、定着装置10、及び操作部91等より構成される。
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット9Yは、像担持体(以下、感光体ともいう)1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y、転写手段7Y、クリーニング手段8Yを有する。
マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット9Mは、感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M、転写手段7M、クリーニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成ユニット9Cは、感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C、転写手段7C、クリーニング手段8Cを有する。黒色画像を形成する画像形成ユニット9Kは、感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K、転写手段7K、クリーニング手段8Kを有する。
中間転写体6は、複数のローラ6A、6B、6Cに巻回され、回動可能に支持されている。中間転写体6上では、画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kで形成された各色の画像が転写手段7Y、7M、7C、7Kにより逐次1次転写され、これらの画像より合成されたカラー画像が形成される。給紙手段である給紙カセット20内に収容された用紙Pは、給紙ローラ21により1枚ずつ給紙され、レジストローラ22を経て、転写手段7Aに搬送され、用紙P上に前記カラー画像が2次転写される。カラー画像が転写された前記用紙Pは、定着装置10に搬送された後、定着処理され、搬送手段である搬送ローラ23、24を経て、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
以下、本発明を下記の実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、記載中の「部」は「質量部」を表すものである。
実験その1
〔キャリアの作製〕
(キャリア芯材の作製)
下記の手順により、マンガン(Mn)−マグネシウム(Mg)フェライト粒子を作製し、形状係数SF−1が130〜160の芯材粒子「Co1−1〜Co1−5」を作製した。
〔キャリアの作製〕
(キャリア芯材の作製)
下記の手順により、マンガン(Mn)−マグネシウム(Mg)フェライト粒子を作製し、形状係数SF−1が130〜160の芯材粒子「Co1−1〜Co1−5」を作製した。
先ず、マンガン含有量がMnO換算で21.0モル%、マグネシウム含有量がMgO換算で3.3モル%、ストロンチウム含有量がSrO換算で0.7モル%、鉄含有量がFe2O3換算で75.0モル%となるフェライト粒子を以下の手順で作製した。マンガン、マグネシウム、ストロンチウム、鉄の含有量が前述の値となる様に、市販の各種原材料を配合し、配合物に水を添加して、湿式ボールミルで10時間粉砕、混合処理した後、乾燥させ、950℃で4時間この状態を保持した。
上記保持により得られた保持物を再びスラリーにし、さらに、湿式ボールミルで24時間粉砕処理を行うことによりスラリーを造粒、乾燥させた。得られた造粒物を焼成炉内に投入して、1250℃にて4時間保持した後、解砕処理を行い、粒子径が35μmになる様に粒度調整を行うことにより、芯材粒子「Co1−1」を作製した。また、芯材粒子「Co1−1」を作製した工程において、焼成炉内温度を1275℃、1300℃、1325℃、1350℃に変更した他は同様にすることにより、後述する表1に示す形状係数SF−1を有する芯材粒子「Co1−2〜1−5」を作製した。
次に、マンガン含有量をMnO換算で25.0モル%、鉄含有量をFe2O3換算で75.0モル%となるフェライト粒子を作製する様に各原材料を配合した他は前記芯材粒子「Co1−1〜1−5」と同様の手順で芯材粒子「Co2−1〜2−5」を作製した。芯材粒子「Co2−1〜2−5」の形状係数SF−1は芯材粒子「Co1−1〜1−5」と同じ値となった。
さらに、乾式合成により作製されたマグネタイトを原材料を用いた他は前記芯材粒子「Co1−1〜1−5」と同様の手順で芯材粒子「Co3−1〜3−5」を作製した。芯材粒子「Co3−1〜3−5」の形状係数SF−1は芯材粒子「Co1−1〜1−5」と同じ値となった。芯材粒子「Co2−1〜2−5」は実験その2で使用するものであり、芯材粒子「Co3−1〜3−5」は実験その3で使用するものである。
(被覆層の形成)
後述する表2に示す様に、表1の各芯材粒子100質量部とスチレン/メチルメタクリレート共重合体樹脂(共重合比2/8)微粒子2.1質量部を撹拌羽根付き高速混合機に投入する。高速混合機への投入後、120℃で撹拌混合を行うことにより機械的衝撃力を付与して前記芯材粒子表面に被覆層を形成させた。この様にして、表面が樹脂で被覆されてなる17種類のキャリア「Ca1−1〜1−17」を作製した。なお、120℃での撹拌混合処理時間は作用させる時間は「Ca1−7」で120分間とし、この時間を調整することによりキャリアの形状係数が異なるものを作製できる様にした。
後述する表2に示す様に、表1の各芯材粒子100質量部とスチレン/メチルメタクリレート共重合体樹脂(共重合比2/8)微粒子2.1質量部を撹拌羽根付き高速混合機に投入する。高速混合機への投入後、120℃で撹拌混合を行うことにより機械的衝撃力を付与して前記芯材粒子表面に被覆層を形成させた。この様にして、表面が樹脂で被覆されてなる17種類のキャリア「Ca1−1〜1−17」を作製した。なお、120℃での撹拌混合処理時間は作用させる時間は「Ca1−7」で120分間とし、この時間を調整することによりキャリアの形状係数が異なるものを作製できる様にした。
〔現像剤の調製〕
上記手順により作製したキャリア「Ca1−1〜1−17」をそれぞれ100質量部に黒色トナーを6質量部を投入し、撹拌機で混合することにより「現像剤1−1〜1−17」を作製した。なお、使用した黒トナーは、体積基準メディアン径(D50)が6.0μmのもので重合法により作製されたものである。また、前記黒トナーは個数平均1次粒径10nmのシリカ粒子を0.05部添加したものである。
上記手順により作製したキャリア「Ca1−1〜1−17」をそれぞれ100質量部に黒色トナーを6質量部を投入し、撹拌機で混合することにより「現像剤1−1〜1−17」を作製した。なお、使用した黒トナーは、体積基準メディアン径(D50)が6.0μmのもので重合法により作製されたものである。また、前記黒トナーは個数平均1次粒径10nmのシリカ粒子を0.05部添加したものである。
〔評価実験〕
上記手順で作製した「現像剤1−1〜1−17」をそれぞれトナーカートリッジに充填し、これを実験用に改造した市販の画像形成装置「bizhub pro C500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」に搭載して評価を行った。このとき、本発明の構成を有するキャリアを用いた「現像剤1−3〜1−5、1−7〜1−10、1−14〜1−17」を順に「実施例1〜11」とした。また、本発明の構成を有さないキャリアを用いた「現像剤1−1、1−2、1−6、1−11〜1−13」を「比較例1〜6」とした。
上記手順で作製した「現像剤1−1〜1−17」をそれぞれトナーカートリッジに充填し、これを実験用に改造した市販の画像形成装置「bizhub pro C500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」に搭載して評価を行った。このとき、本発明の構成を有するキャリアを用いた「現像剤1−3〜1−5、1−7〜1−10、1−14〜1−17」を順に「実施例1〜11」とした。また、本発明の構成を有さないキャリアを用いた「現像剤1−1、1−2、1−6、1−11〜1−13」を「比較例1〜6」とした。
評価は、黒(Bk)トナー単色で画素率10%の画像(文字画像が7%、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像)をA4判上質紙(64g/m2)上に出力してその画質を評価したものである。さらに初期、50万枚出力後の画質評価も行った。
〈トナーの帯電量測定〉
平行平板(アルミ)電極間に現像剤を配置し、電極間ギャップが0.5mm、DCバイアスが1.0kV、ACバイアスが4.0kV、2.0kHzの条件でトナーを現像させた際の現像効率を測定した。現像されたトナーの電荷量と質量を測定し、単位質量当たりの電荷量Q/m(μC/g)を帯電量とした。
平行平板(アルミ)電極間に現像剤を配置し、電極間ギャップが0.5mm、DCバイアスが1.0kV、ACバイアスが4.0kV、2.0kHzの条件でトナーを現像させた際の現像効率を測定した。現像されたトナーの電荷量と質量を測定し、単位質量当たりの電荷量Q/m(μC/g)を帯電量とした。
トナーの帯電量が−23〜−43μC/gとなるものを合格とする。すなわち、トナー帯電量が前記範囲内のとき問題ないレベルの画質が得られるものと評価した。
〈トナー飛散〉
上記評価機で50万枚のプリント作製を行い、トナーカートリッジを交換する際の手の汚れ具合を目視で判定することにより、機内におけるトナー飛散状態を評価した。交換作業時に手を汚さなかったものを合格(○)、手が汚れたものを不合格(×)とした。
上記評価機で50万枚のプリント作製を行い、トナーカートリッジを交換する際の手の汚れ具合を目視で判定することにより、機内におけるトナー飛散状態を評価した。交換作業時に手を汚さなかったものを合格(○)、手が汚れたものを不合格(×)とした。
〈カブリ〉
カブリ濃度の測定は、まず印字されていない白紙について、マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、白紙濃度とする。次に評価形成画像50万枚目の白地部分について、同様に20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。カブリ濃度が0.010以下のものを実用的に問題ないものと判断した。
カブリ濃度の測定は、まず印字されていない白紙について、マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、白紙濃度とする。次に評価形成画像50万枚目の白地部分について、同様に20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。カブリ濃度が0.010以下のものを実用的に問題ないものと判断した。
◎:0.003未満
○:0.003〜0.006未満
△:0.006〜0.010以下
×:0.010より大きい値
〈ハーフトーン後端抜け〉
プリント初期時(1枚目)に、画像濃度0.5のハーフトーン画像のプリント方向後部に画像濃度1.3のベタ画像が存在する画像をプリントし、ベタ画像部との境界付近のハーフトーン画像上における白抜けの発生の有無を以下の様に評価した。◎と○を合格とした。
○:0.003〜0.006未満
△:0.006〜0.010以下
×:0.010より大きい値
〈ハーフトーン後端抜け〉
プリント初期時(1枚目)に、画像濃度0.5のハーフトーン画像のプリント方向後部に画像濃度1.3のベタ画像が存在する画像をプリントし、ベタ画像部との境界付近のハーフトーン画像上における白抜けの発生の有無を以下の様に評価した。◎と○を合格とした。
◎:白抜けなし
○:白抜けはしていないが濃度が若干薄くなっている
×:白抜け発生
以上の結果を表1に示す。
○:白抜けはしていないが濃度が若干薄くなっている
×:白抜け発生
以上の結果を表1に示す。
表1の結果から明らかな様に、本発明の構成を有する静電潜像キャリアを使用した実施例1〜11では、当該キャリアを長期間画像形成に使用しても画質の良好な画像を安定して作製できた。すなわち、キャリアの抵抗及び帯電性が安定しているため、画質が変化せずに一定レベルの画質を長期間維持できるものと考えられる。
実験その2
前述した手順により作製した各芯材粒子「Co2−1〜2−5」を用い、実験その1と同様の手順で芯材粒子表面に樹脂被覆を行うことにより、17種類のキャリア「Ca2−1〜2−17」を作製した。各キャリアの形状係数は表2に示すとおりである。
前述した手順により作製した各芯材粒子「Co2−1〜2−5」を用い、実験その1と同様の手順で芯材粒子表面に樹脂被覆を行うことにより、17種類のキャリア「Ca2−1〜2−17」を作製した。各キャリアの形状係数は表2に示すとおりである。
作製したキャリア「Ca2−1〜2−17」を用いて実験その1と同様の評価を行った。なお、キャリア「Ca2−4、2−5、2−7〜2−10、2−12〜2−14」を用いたものを順に「実施例21〜29」、キャリア「Ca2−1〜2−3、2−6、2−11、2−15〜2−17」を用いたものを順に「比較例21〜28」とした。結果を表2に示す。
表2の結果から明らかな様に、本発明の構成を有するキャリアを使用した実施例21〜29では、当該キャリアを長期間画像形成に使用しても画質の良好な画像が安定して作製できた。すなわち、キャリアの抵抗及び帯電性が安定しているため、画質が変化せずに一定レベルの画質を長期間維持できるものと考えられる。
実験その3
前述した手順により作製したマグネタイトを原材料とする芯材粒子「Co3−1〜3−5」を用い、実験その1と同様の手順で芯材粒子表面に樹脂被覆を行うことにより、9種類のキャリア「Ca3−1〜3−9」を作製した。各キャリアの形状係数は表3に示すとおりである。
前述した手順により作製したマグネタイトを原材料とする芯材粒子「Co3−1〜3−5」を用い、実験その1と同様の手順で芯材粒子表面に樹脂被覆を行うことにより、9種類のキャリア「Ca3−1〜3−9」を作製した。各キャリアの形状係数は表3に示すとおりである。
作製したキャリア「Ca3−1〜3−9」を用いて実験その1と同様の評価を行った。なお、キャリア「Ca3−3〜3−7」を用いたものを順に「実施例31〜35」、キャリア「Ca3−1、3−2、3−8、3−9」を用いたものを順に「比較例31〜34」とした。結果を表3に示す。
表3の結果から明らかな様に、本発明の構成を有するキャリアを使用した実施例31〜35では、当該キャリアを長期間画像形成に使用しても画質の良好な画像が安定して作製できた。すなわち、キャリアの抵抗及び帯電性が安定しているため、画質が変化せずに一定レベルの画質を長期間維持できるものと考えられる。
1 画像形成装置
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K トナーカートリッジ
6 中間転写体
7Y、7M、7C、7K 転写手段
8Y、8M、8C、8K クリーニング手段
9Y、9M、9C、9K 画像形成ユニット
10 定着装置
20 給紙カセット
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K トナーカートリッジ
6 中間転写体
7Y、7M、7C、7K 転写手段
8Y、8M、8C、8K クリーニング手段
9Y、9M、9C、9K 画像形成ユニット
10 定着装置
20 給紙カセット
Claims (3)
- 芯材粒子表面に樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリアであって、
前記芯材粒子の形状係数SF−1が135以上155以下であって、かつ、樹脂被覆後の前記静電潜像現像用キャリアの形状係数SF−1が100以上125以下であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - 前記芯材粒子表面を被覆する樹脂の質量は、前記芯材粒子の質量に対する比として0.015倍以上0.030倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
- 少なくとも請求項1または2に記載の静電潜像現像用キャリアとトナーを含有する現像剤を用いて、像担持体上に形成された静電潜像を現像することを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008098069A JP2009251220A (ja) | 2008-04-04 | 2008-04-04 | 静電潜像現像用キャリア、画像形成方法 |
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JP (1) | JP2009251220A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018054916A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | コニカミノルタ株式会社 | 静電潜像現像用二成分現像剤、画像形成方法 |
JP2018128515A (ja) * | 2017-02-07 | 2018-08-16 | コニカミノルタ株式会社 | 電子写真画像形成装置 |
-
2008
- 2008-04-04 JP JP2008098069A patent/JP2009251220A/ja active Pending
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