JP2009250331A - 防振装置及び防振装置の製造方法 - Google Patents

防振装置及び防振装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストダウン、軽量化及び量産性の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】樹脂製のブラケット部材2と、ブラケット部材2の収容孔20に嵌合された第一取付部材3と、第二取付部材4と、第一取付部材3と第二取付部材4とを弾性的に連結するゴム弾性体5と、第一取付部材3の開口端を閉塞するダイヤフラム6と、液室7を主液室7Aと副液室7Bとに区画する仕切り部材8と、を備えた防振装置において、第一取付部材3を他方側から押さえる押さえ部材9が備えられ、ブラケット部材2には、第一取付部材3を一方側から押さえる係止部25と、押さえ部材9に形成された貫通孔97に挿入される突起部26と、が備えられ、貫通孔97から突出した突起部26の先端には、貫通孔97に挿入された突起部26を溶融することによって拡径部26aが形成され、拡径部26aと係止部25との間に押さえ部材9及び第一取付部材3が挟持されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車のエンジン等の振動発生部を車体等の振動受部にマウントする際に用いられる防振装置、及び、その防振装置の製造方法に関する。
この種の防振装置として、従来、例えば下記特許文献1に示されているように、樹脂製のブラケット部材を用いた構成が知られている。詳しく説明すると、この防振装置は、振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される樹脂製のブラケット部材と、ブラケット部材に形成された収容孔に嵌合された環状の第一取付部材と、振動発生部および振動受部のうちの何れか他方に連結される第二取付部材と、第一取付部材と第二取付部材とを弾性的に連結するとともに第一取付部材の一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、第一取付部材の他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、ゴム弾性体とダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部がゴム弾性体で形成されてゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部がダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、を備えている。この防振装置では、樹脂製のブラケット部材に金具をインサート成形しており、その金具の上端部と金属製の第一取付部材の上端部とを屈曲カシメにより固定し、さらに、上記第一取付部材の下端部とダイヤフラムの外周部分に加硫接着された金属製のダイヤフラムリングとを屈曲カシメにより固定している。
特開2006−189066号公報
しかしながら、上記した従来の防振装置では、樹脂製のブラケット部材に金具をインサート成形するので、金具の材料費がかかるだけでなく、成形コストが高くなり、コストがかかるという問題が存在する。また、ブラケット部材にインサート成形する金具によって重量が重くなるという問題もある。さらに、組み立て工数が多く、量産性が低いという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、コストダウン及び軽量化を図るとともに、量産性の向上を図ることができる防振装置、及び、その防振装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される樹脂製のブラケット部材と、該ブラケット部材に形成された収容孔に嵌合された環状の第一取付部材と、前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される第二取付部材と、前記第一取付部材と前記第二取付部材とを弾性的に連結するとともに前記第一取付部材の一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、前記第一取付部材の他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、を備えた防振装置において、前記第一取付部材を他方側から押さえる押さえ部材が備えられ、前記ブラケット部材には、前記第一取付部材を一方側から押さえる係止部と、前記押さえ部材に形成された貫通孔に挿入される突起部と、が備えられ、前記貫通孔から突出した前記突起部の先端には、前記貫通孔に挿入された前記突起部を溶融することによって前記貫通孔の内径よりも大径に拡径されて前記押さえ部材を他方側から押さえる拡径部が形成され、該拡径部と前記係止部との間に前記押さえ部材及び前記第一取付部材が挟持されていることを特徴としている。
このような特徴により、ブラケット部材の収容孔内に第一取付部材を嵌め込むとともに、この第一取付部材の他方側に押さえ部材を配置し、さらに、押さえ部材の貫通孔にブラケット部材の突起部を挿入させた後、この突起部を溶融して突起部の先端に拡径部を形成することにより、この拡径部とブラケット部材の係止部との間に押さえ部材及及び第一取付部材が挟み込まれ、ブラケット部材に第一取付部材等の各部材が組み付けられる。
また、本発明に係る防振装置は、前記押さえ部材として、環状のダイヤフラムリングが備えられ、該ダイヤフラムリングの内側に、該ダイヤフラムリングの内側を閉塞するように前記ダイヤフラムが張設されていることが好ましい。
これにより、ダイヤフラムを保持するダイヤフラムリングによって第一取付部材が他方側から押さえられる。さらに、ダイヤフラムリングには、ブラケット部材の突起部が挿入される貫通孔が形成され、このダイヤフラムリングは、突起部の先端の拡径部によって他方側から押さえられ、第一取付部材と共にブラケット部材の係止部と拡径部との間に挟持される。
また、本発明に係る防振装置は、前記押さえ部材と前記第一取付部材との間に弾性変形可能な弾性部が介在されていることが好ましい。
これにより、弾性部が弾性変形することにより第一取付部材及び押さえ部材の寸法誤差が吸収される。また、弾性部の弾性力により、第一取付部材が一方側へ付勢されて係止部に圧接されるとともに、押さえ部材が他方側へ付勢されて拡径部に圧接される。さらに、ダイヤフラムリングが押さえ部材になっている場合、ダイヤフラムリングと第一取付部材との間のシール性が向上する。
また、本発明に係る防振装置は、前記第一取付部材が樹脂製であることが好ましい。
これにより、金属製のものに比べて第一取付部材が軽量になるので、防振装置が軽量化される。
また、本発明に係る防振装置は、前記押さえ部材が樹脂製であることが好ましい。
これにより、金属製のものに比べて押さえ部材が軽量になるので、防振装置が軽量化される。また、突起部を溶融して拡径部を形成する際、押さえ部材が突起部と溶融状態で接合される。
また、本発明に係る防振装置は、前記突起部の溶融が、超音波溶融、熱溶融、及びレーザ溶融のうちの何れかの一つの方法で行われていることが好ましい。
これにより、樹脂製の突起部が適正に溶融され、突起部の先端に所望の拡径部が形成される。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される樹脂製のブラケット部材と、該ブラケット部材に形成された収容孔に嵌合された環状の第一取付部材と、前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される第二取付部材と、前記第一取付部材と前記第二取付部材とを弾性的に連結するとともに、前記第一取付部材の一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、前記第一取付部材の他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、を備えた防振装置の製造方法において、前記第一取付部材、前記第二取付部材、前記ゴム弾性体、前記ダイヤフラム、前記仕切り部材、及び、前記第一取付部材を他方側から押さえる押さえ部材を、それぞれ組み合わせる工程と、前記ブラケット部材に備えられた突起部を前記押さえ部材に形成された貫通孔に挿入させつつ、前記収容孔の内側に前記第一取付部材を嵌合させる工程と、前記突起部を溶融して、前記貫通孔から突出した前記突起部の先端に前記貫通孔の内径よりも大径に拡径された拡径部を形成する工程と、を備え、前記拡径部で前記押さえ部材を他方側から押さえるとともに、前記ブラケット部材に形成された係止部で前記第一取付部材を一方側から押さえ、該拡径部と前記係止部との間に前記押さえ部材及び前記第一取付部材を挟み込むことを特徴としている。
これにより、第一取付部材等の各部材をブラケット部材に対してそれぞれ組み付ける場合に比べて、組み付け工程が簡素化される。
本発明に係る防振装置及び防振装置の製造方法によれば、ブラケット部材に金具をインサート成形する必要が無いため、材料コスト及び成形コストを低減させることができ、コストダウンを図ることができ、また、金具が無い分だけブラケット部材を軽量化することができ、防振装置の軽量化を図ることができる。さらに、ブラケット部材に第一取付部材等の各部材を組み付ける際の工数を減らすことができ、量産性を向上させることができる。
以下、本発明に係る防振装置及び防振装置の製造方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1は本実施の形態における防振装置1を上方(本発明における一方側)からみた平面図であり、図2は図1に示すA−A間の断面図であり、図3は図1に示すB−B間の断面図であり、図4は本実施の形態における防振装置1を下方(本発明における他方側)からみた平面図である。
なお、本実施の形態では、図2における下側がバウンド側、つまり防振装置1を設置した際に静荷重(初期荷重)が入力される方向であって、本発明における他方側に相当する。また、図2における上側がリバウンド側、つまり前記静荷重の入力方向の反対側であって、本発明における一方側に相当する。以下の説明においてバウンド側(他方側)を下側とし、リバウンド側(一方側)を上側とする。また、本実施の形態では、後述する内筒4の軸線方向(図1における縦方向)を前後方向とし、内筒4の軸線方向に直交する水平方向(図1における横方向)を左右方向とする。さらに、図2に示す符号Lは後述する収容孔20の中心軸線を示しており、以下、単に軸線Lと記す。
防振装置1は、振動発生部の一例であるエンジンを振動受部の一例である車体にマウントさせる際に用いられるものであり、振動発生部の振動を減衰させるための装置である。図1から図4に示すように、防振装置1は、図示せぬ車体に連結される樹脂製のブラケット部材2と、ブラケット部材2に形成された収容孔20に嵌合された環状の外筒3(本発明における第一取付部材に相当する。)と、図示せぬエンジンブラケットを介して図示せぬエンジンに連結される内筒4(本発明における第二取付部材に相当する。)と、外筒3と内筒4とを弾性的に連結するとともに外筒3の上側の開口端を閉塞するゴム弾性体5と、外筒3の下側の開口端を閉塞するダイヤフラム6と、ゴム弾性体5とダイヤフラム6との間に形成された液室7を主液室7Aと副液室7Bとに区画する仕切り部材8と、を備える基本構成である。
ブラケット部材2は、例えばポリアミドナイロンや芳香族ナイロン等からなる樹脂製の部材であり、その概略構成としては、上下方向(バウンド−リバウンド方向)に延在する略円筒形状のホルダー部21と、ホルダー部21の下端部の外周面から径方向外側に突出した脚部22と、内筒4のブラケット部材2(外筒3)に対する相対的な下方変位量が所定量に達したときに内筒4のブラケット部材2(外筒3)に対する相対的な下方移動を規制するバウンド用ストッパー部23と、内筒4のブラケット部材2(外筒3)に対する相対的な上方変位量が所定量に達したときに内筒4のブラケット部材2(外筒3)に対する相対的な上方移動を規制するリバウンド用ストッパー部24と、を備えている。
ホルダー部21は、外筒3を保持するための円筒部であり、上下方向に貫通した収容孔20が形成されている。この収容孔20の内周面には段差が形成されている。詳しく説明すると、収容孔20は、下方に向けて開放された平面視円形の大径孔20aと、大径孔20aの上方に配設されて大径孔20aよりも径が小さい平面視円形の小径孔20bと、から構成されており、上記した大径孔20aと小径孔20bは同軸(軸線L)上に形成されている。
脚部22は、軸線Lの垂直面に平行する平盤部であり、ホルダー部21の左右両側にそれぞれ配設されている。一方の脚部22Aの中央部分には、図示せぬ車体に締結するためのボルト等が挿入される筒状金具22aが埋設されている。また、一方の脚部22Aには、当該脚部22Aの上面とホルダー部21の外周面との間に形成された略三角形状のリブ22bが設けられている。他方の脚部22Bには、前後方向に並べられた一対の筒状金具22aが埋設されている。また、他方の脚部22Bには、当該脚部22Bの上面とホルダー部21の外周面との間に形成された略三角形状のリブ22cが設けられている。
バウンド用ストッパー部23は、ホルダー部21の上端面に突設された凸部であり、ホルダー部21における前後方向の一方側(以下、前方とする)の部分に配設されている。このバウンド用ストッパー部23は、平面視において、収容孔20の周方向に沿って円弧状に形成されている。また、バウンド用ストッパー部23の上端面は、軸線Lの垂直面に沿って平坦に形成されている。
リバウンド用ストッパー部24は、ホルダー部21の上端に立設された門形部であり、収容孔20の上方に間隔をあけて配設された当接部24aと、当接部24aの両端部をそれぞれ支持する一対の支持部24b,24cと、が備えられている。当接部24aは、軸線Lの垂直面に平行し、且つ左右方向に延在する板部である。支持部24b,24cは、ホルダー部21の上端面に立設され、上端が当接部24aの端部に連結された側壁部である。また、リバウンド用ストッパー部24の外周面(当接部24aの上面、支持部24b,24cの外側面)には、周方向に延在する複数の凸条部24dが並設されている。
また、ブラケット部材2には、外筒3を上側から押さえる係止部25と、後述するダイヤフラムリング9に形成された貫通孔97に挿通される突起部26が備えられている。
詳しく説明すると、係止部25は、小径孔20b(収容孔20)の上端部の内周面から径方向内側に突出した凸部であり、小径孔20b(収容孔20)の内周面に沿って全周に亘って形成されており、平面視円環状に形成されている。
突起部26は、ホルダー部21の下端面に突設されピン状の突起であり、ホルダー部21の下端面から下方に向けて突出されている。この突起部26は、収容孔20の周りに複数配設されている。具体的に説明すると、ホルダー部21の下端面のうち、左右方向の一方側(一方の脚部22A側)には、2つの突起部26が間隔をあけて配設されている。また、ホルダー部21の下端面のうち、左右方向の他方側(他方の脚部22B側)には、3つの突起部26が間隔をあけて均等に配設されている。さらに、ホルダー部21の下端面のうち、前方側の部分には、突起部26が1つ配設されている。
また、後述する貫通孔97から突出した突起部26の先端には、貫通孔97に挿入された突起部26を溶融することによって貫通孔97の内径よりも大径に拡径された拡径部26aが形成されている。突起部26の溶融方法としては、超音波溶融、熱溶融、及びレーザ溶融のうちの何れかの一つの方法で行われる。上記した拡径部26aによって後述するダイヤフラムリング9が下側から押さえられる。そして、この突起部26と上記した係止部25との間に、外筒3及びダイヤフラムリング9が重ねられた状態で挟持されている。
外筒3は収容孔20と同軸(軸線L)に配設された円環状の部材であり、外筒3の両端はそれぞれ開口されている。外筒3の上端側の内周面は、上方に向かうに従い漸次拡径されたテーパー面30になっている。外筒3の上部は、ブラケット部材2の収容孔20の小径孔20bの内側に嵌合されており、外筒3の上端面は、係止部25の下端面に当接されている。また、外筒3の下端部には、外筒3の外周面から径方向外側に突出したフランジ部31が形成されている。このフランジ部31は、外筒3の外周面に沿って全周に亘って形成されており、平面視円環状に形成されている。また、外筒3の下端面には、周方向に延在する凹溝32が形成されている。この凹溝32は、平面視において円弧状(C字状)に形成されており、凹溝32の一方側の端部における径方向内側の内周側壁34には、凹溝32の内側と外筒3の内側(主液室7A)とを連通する開口33が形成されている。また、外筒3の下部の内周面、内周側壁34の下端面、及び、内周側壁34の凹溝32内の側面には、ゴム弾性体5と一体に形成された被覆ゴム35が被覆されている。この被覆ゴム35は、外筒3に対して加硫接着されている。
内筒4は軸線Lに直交する方向に延在して両端がそれぞれ開放された略角筒形状の部材である。内筒4は、ゴム材料によりゴム弾性体5と一体に形成されている。詳しく説明すると、軸線Lの垂直面と平行する底版部40と、底版部40の上面に立設されて互いに間隔をあけて対向する一対の側壁部41,41と、一対の側壁部41,41の上端間に架設された上壁部42と、から構成されている。底版部40内には、下方に向けて膨出した皿状の第一補強プレート43が埋設されている。また、一対の側壁部41,41及び上壁部42の内側には、内筒4の軸線方向(前後方向)に延在する断面視コ字形状の第二補強プレート44が埋設されている。
内筒4には、バウンド側ストッパー部23に当接可能なバウンド用当接部45が設けられている。このバウンド用当接部45は、底版部40の前方部分から前方に向けて突出された軸線Lの垂直面と平行する弾性変形可能なゴム製の平板部であり、内筒4と一体に形成されている。バウンド用当接部45は、バウンド側ストッパー部23の上端面に対して上下方向に間隔をあけて対向配置されている。
また、内筒4には、リバウンド側ストッパー部24の下面に当接された複数のリバウンド用当接部46が設けられている。このリバウンド用当接部46は、上壁部42の上面に突設された左右方向に延在する弾性変形可能なゴム製の凸条部であり、内筒4と一体に形成されている。複数のリバウンド用当接部46は、内筒4の軸線方向(前後方向)に間隔をあけて並列されている。
ゴム弾性体5は、外筒3の上端側の開口端を閉塞する略ドーム状のゴム弾性体であり、外筒3のテーパー面30と内筒4の底版部40との間に介在されている。すなわち、ゴム弾性体5の外周面が外筒3のテーパー面30に加硫接着されているとともに、ゴム弾性体5の上部が内筒4の底版部40と一体に形成されている。
ダイヤフラム6は、副液室7B内の液圧(内圧)の変化に応じて変形可能な薄膜部材であり、例えば弾性変形可能なゴム材料により形成されている。このダイヤフラム6は、環状のダイヤフラムリング9の内側に設けられており、このダイヤフラム6によってダイヤフラムリング9の内側が閉塞されている。
上記したダイヤフラムリング9は、ダイヤフラム6を保持する部材として機能するとともに、外筒3を下方から押さえる押さえ部材として機能する部材である。詳しく説明すると、ダイヤフラムリング9は、外径及び内径が外筒3と略同一の略円環状の部材である。ダイヤフラムリング9は、ブラケット部材2の収容孔20の大径孔20aの内側に配設されており、外筒3の下方に重ねられ、外筒3と同軸(軸線L)上に配設されている。
ダイヤフラムリング9の上端部には、ダイヤフラムリング9の外周面から径方向外側に突出した上側フランジ部90が形成されている。この上側フランジ部90は、ダイヤフラムリング9の外周面に沿って全周に亘って形成されており、平面視円環状に形成されている。また、ダイヤフラムリング9の上端面には、周方向に延在する凹溝91が形成されている。この凹溝91は、平面視において円弧状(C字状)に形成されており、外筒3の凹溝32に上下で対向されている。凹溝91の径方向内側の内周側壁92のうち、凹溝91の他方側の端部(上述した凹溝32の一端部の反対側の端部に対向する凹溝91の端部)の位置には、凹溝91の内側とダイヤフラムリング9の内側(副液室7B)とを連通する図示せぬ開口が形成されている。
上記した外筒3の凹溝32とダイヤフラムリング9の凹溝91とにより、主液室7Aと副液室7Bとを連通するオリフィス通路10が形成されている。すなわち、このオリフィス通路10は、外筒3及びダイヤフラムリング9の周方向に沿って延在されており、外筒3の開口33を介して主液室7Aに連通されており、ダイヤフラムリング9の内周側壁92の図示せぬ開口を介して副液室7Bに連通されている。また、このオリフィス通路10は、防振装置1に振動が入力された際に当該オリフィス通路10を流通する液体に液柱共振(共振現象)を生じさせて上記振動を減衰させるための液路であり、車両における低周波域(例えば8Hz〜12Hz)の共振振動であるシェイク振動の周波数及び振幅に対応するようにチューニングされている。
また、ダイヤフラムリング9の内周面、内周側壁92の上端面、凹溝91の内周面、及び、凹溝91の径方向外側の外周側壁93の上端面には、ダイヤフラム6と一体に形成された被覆ゴム94が被覆されている。この被覆ゴム94は、ダイヤフラムリング9に対して加硫接着されている。また、外周側壁93の上端面の被覆ゴム94の上面には、外筒3の下面とダイヤフラムリング9の上面との間に介在される弾性変形可能な弾性部95が突設されている。この弾性部95は、ダイヤフラムリング9の周方向に延在する凸条部である。また、弾性部95は、外筒3の下面とダイヤフラムリング9の上面との間をシールするシール部であり、外筒3の全周に亘って形成され、平面視円環状(Oリング状)に形成されている。
また、ダイヤフラムリング9の下端部には、ダイヤフラムリング9の外周面から径方向外側に突出した下側フランジ部96A,96B,96Cが形成されている。この下側フランジ部96A,96B,96Cは、ダイヤフラムリング9の外周面に沿って延在されている。また、下側フランジ部96A,96B,96Cは、ダイヤフラムリング9の左右両側部分及び前方部分にそれぞれ設けられており、これらの下側フランジ部96A,96B,96Cの上面は、ホルダー部21の下端面にそれぞれ当接されている。また、下側フランジ部96A,96B,96Cには、平面視円形の貫通孔97がそれぞれ形成されている。詳しく説明すると、一方の脚部22A側の下側フランジ部96Aには、両端部分に貫通孔97がそれぞれ形成されている。また、他方の脚部22B側の下側フランジ部96Bには、両端部分及び中央部分に貫通孔97がそれぞれ形成されている。さらに、ダイヤフラムリング9の前方部分に配設された下側フランジ部96Cには、中央部分に貫通孔97が形成されている。
液室7は、液体が封入された密閉空間であり、その内部に配設された仕切り部材8によって、リバウンド側の主液室7Aとバウンド側の副液室7Bとに区画されている。主液室7Aは、隔壁の一部(上壁)がゴム弾性体4で形成された室であり、主液室7Aの内容積は、ゴム弾性体5の変形により変化する。副液室7Bは、隔壁の一部(下壁)がダイヤフラム6で形成された室であり、副液室7Bの内容積は、副液室7B内の液圧(内圧)の変化によってダイヤフラム6が変形することで変化する。
仕切り部材8は、外筒3の内側に嵌合された本体部材80と、本体部材に形成された収容室81に収容された可動部材82と、を備えている。
本体部材80は、軸線Lの垂直面に平行する平面視円形の下板部83と、下板部83の中央部分に立設された平面視C形状の内壁部84と、内壁部84の上端部から径方向外側に突出した平面視C字形状の上板部85と、上板部85の周方向の両端部と下板部83との間に形成された端壁部86と、から構成されている。下板部83の外縁部は、外筒3の内周側壁34の下端面とダイヤフラムリング9の内周側壁92の上端面との間に挟まれている。平面視C形状の内壁部84及び上板部85は、外筒3の開口33に対向する位置がそれぞれ開口されており、主液室7Aとオリフィス通路10とが開口33を介して連通されている。また、上板部85は、下板部83に対して間隔をあけて配設されており、上板部85の外周面は外筒3の内周面に密接されている。収容室81は、上記した下板部83、内壁部84、上板部85、端壁部86、及び外筒3の内周側壁34(被覆ゴム35)で囲まれた平面視C字形状の空間である。また、下板部83には、収容室81と副液室7Bとを連通する連通孔87が形成されており、上板部85には、収容室81と主液室7Aとを連通する連通孔88が形成されている。
可動部材82は、上記した連通孔87,88を介して主液室7A又は副液室7Bの液圧が作用する弾性変形可能なメンブランであり、主液室7Aや副液室7Bにおける液圧変動を吸収するものである。具体的に説明すると、可動部材82は、収容室81に沿って延びた平面視C字形状に形成されている。この可動部材82は、車両のアイドリング運転時に発生する高周波域(例えば20Hz〜40Hz)のアイドル振動が防振装置1に入力された際に、主液室7Aや副液室7Bにおける液圧変動を吸収するようにチューニングされている。
次に、上記した構成からなる防振装置1の製造方法について説明する。
まず、外筒3と内筒4とゴム弾性体5とからなる本体ゴムを形成する工程を行う。詳しく説明すると、内筒4及びゴム弾性体5の金型の中に外筒3及び第一,第二補強プレート43,44をそれぞれ所定位置に配置するとともに、外筒3及び第一,第二補強プレート43,44のゴム接着部分にそれぞれ接着剤を塗布する。その後、上記金型の中に加硫ゴムを流し込んで内筒4及びゴム弾性体5を加硫成形するとともに、ゴム弾性体5と一体に被覆ゴム35、バウンド用当接部45、リバウンド用当接部46をそれぞれ加硫成形する。そして、上記した内筒4やゴム弾性体5等の硬化後に上記金型を取り外す。これにより、本体ゴム3,4,5が製作される。
次に、外筒3に仕切り部材8を組み付ける工程を行う。詳しく説明すると、外筒3の下部の内側に仕切り部材8の上板部85を圧入嵌合し、仕切り部材8の下板部83の外縁部の上面を外筒3の内周側壁34の下端面(被覆ゴム35)に当接させる。
次に、仕切り部材8が組み付けられた上記した本体ゴム3,4,5をブラケット部材2の収容孔20の内側に嵌め込む工程を行う。詳しく説明すると、ブラケット部材2の収容孔20の小径孔20bの内側に外筒3の上部を下方から差し込む。このとき、リバウンド用当接部46がリバウンド側ストッパー部24の当接部24aの下面に当接するとともに、外筒3がブラケット部材2に対して相対的に上側に押し込まれる。これにより、ゴム弾性体5に予圧縮が作用する。
次に、ブラケット部材2の突起部26をダイヤフラムリング9の貫通孔97に挿入させつつ、ダイヤフラム6及びダイヤフラムリング9からなるダイヤフラム部材を外筒3の下方に配置する工程を行う。詳しく説明すると、まず、予めダイヤフラムリング9の内側にダイヤフラム6を形成しておく。具体的には、ダイヤフラムリング9のゴム接着部分に接着剤を塗布した後、ダイヤフラムリング9の内側にダイヤフラム6、被覆ゴム94及び弾性部95を加硫成形し、ダイヤフラム部材6,9を製作する。次に、ダイヤフラム部材6,9をブラケット部材2の収容孔20の大径孔20aの内側に配置する。このとき、ダイヤフラムリング9の貫通孔97の内側に突起部26をそれぞれ挿通させる。また、ダイヤフラムリング9を外筒3側に押し込み、ダイヤフラムリング9の上側フランジ部90を外筒3のフランジ部31に押し付けるとともに、ダイヤフラムリング9の下側フランジ部96A,96B,96Cをホルダー部21の下面に押し付ける。これにより、外筒3の上端面がブラケット部材2の係止部25に圧接され、外筒3が係止部25により上方から押さえられる。また、外筒3とダイヤフラムリング9との間に介在された弾性部95に予圧縮が作用する。
次に、上記した突起部26を溶融して、貫通孔97から突出した突起部26の先端に貫通孔97の内径よりも大径に拡径された拡径部26aを形成する工程を行う。詳しく説明すると、超音波溶融、熱溶融、及びレーザ溶融のうちの何れかの一つの方法で突起部26を溶融し、突起部26の先端に拡径部26aを形成する。これにより、樹脂製の突起部26が適正に溶融され、突起部26の先端に所望の拡径部26aが形成される。この拡径部26aにより、ダイヤフラムリング9が下方から押さえられ、ダイヤフラムリング9のブラケット部材2に対して相対的に下方に移動することが規制される。これにより、ダイヤフラムリング9と外筒3とが重ねられた状態で、係止部25と拡径部26aとの間に挟持される。このとき、外筒3とダイヤフラムリング9との間に介在された弾性部95が弾性変形することで、外筒3やダイヤフラムリング9等の寸法誤差が吸収される。また、弾性部95に予圧縮が作用しているので、この弾性部95の弾性力によって、外筒3が上方に付勢されて外筒3の上端面が係止部25に圧接されるとともに、ダイヤフラムリング9が下方に付勢されてダイヤフラムリング9の下側フランジ部96A,96B,96Cの下面が突起部26の拡径部26aに圧接される。
次に、液室7内に液体を封入する工程を行う。詳しく説明すると、図示せぬ液体注入口から液室7内に液体を注入して液室7内に液体を充填し、その後、前記液体注入口を閉塞させて液室7を封止する。このとき、弾性部95が外筒3の下端面に密接されるので、外筒3とダイヤフラムリング9との間のシール性が向上している。
以上により、ブラケット部材2に対して本体ゴム3,4,5やダイヤフラム部材6,9等が組み付けられ、防振装置1が製作される。
上記した構成からなる防振装置1によれば、ブラケット部材2に金具をインサート成形することなく、ブラケット部材2に外筒3やダイヤフラムリング9等の各部材がブラケット部材2に組み付けられるため、ブラケット部材2に金具をインサート成形する場合に比べて、材料コスト及び成形コストを低減させることができ、コストダウンを図ることができる。また、金具が無い分だけブラケット部材2を軽量化することができ、防振装置1の軽量化を図ることができる。さらに、ブラケット部材2に外筒3等の各部材を組み付ける際の工数を減らすことができ、防振装置1の量産性を向上させることができる。
また、ダイヤフラム6を保持するダイヤフラムリング9によって外筒3が下方側から押さえられるので、ダイヤフラムリング9の他に押さえ部材を設ける場合に比べて部品数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
また、外筒3とダイヤフラムリング9との間に介在された弾性部95によって、外筒3等の寸法誤差が吸収されるので、寸法誤差による不良率を低減させることができる。また、弾性部95の予圧縮により外筒3が係止部25に圧接されるとともにダイヤフラムリング9が突起部26の拡径部26aに圧接されるので、係止部25と突起部26の拡径部26aとの間に挟持された外筒3やダイヤフラムリング9のガタツキを防止することができる。
また、突起部26の溶融が、超音波溶融、熱溶融、及びレーザ溶融のうちの何れかの一つの方法で行われ、突起部26の先端に所望の拡径部26aが形成されるので、拡径部26aによってダイヤフラムリング9を下方側から確実に押さえることができ、係止部25と拡径部26aとの間に、外筒3とダイヤフラムリング9とを確実に挟持させることができる。
以上、本発明に係る防振装置及び防振装置の製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、防振装置1の製造方法としては、外筒3、内筒4、ゴム弾性体5、ダイヤフラム6、仕切り部材8及びダイヤフラムリング9を組み合わせて防振装置本体を形成した後、この防振装置本体をブラケット部材2に組み付ける方法が好ましい。
すなわち、防振装置1の製造方法としては、まず、外筒3、内筒4、ゴム弾性体5、ダイヤフラム6、仕切り部材8及びダイヤフラムリング9を組み合わせる工程を行う。具体的に説明すると、外筒3、内筒4及びゴム弾性体5からなる本体ゴムを製作し、その本体ゴムの外筒3の内側に仕切り部材8を嵌合させ、その後、ダイヤフラムリング9及びダイヤフラム6からなるダイヤフラム部材を外筒3の下側に組み付ける。このとき、ダイヤフラムリング9と外筒3とを溶着などで接合させる。
次に、ブラケット部材2の突起部26をダイヤフラムリング9の貫通孔97に挿入させつつ、収容孔20の内側に外筒3を嵌合させる工程を行う。
次に、上記した突起部26を溶融して、貫通孔97から突出した突起部26の先端に拡径部26aを形成する工程を行う。これにより、拡径部26aでダイヤフラムリング9が下方側から押さえられるとともに、ブラケット部材2の係止部25で外筒3が上方側から押さえられ、係止部25と突起部26の拡径部26aとの間に外筒3とダイヤフラムリング9とが挟み込まれる。
この製造方法によれば、上述した製造方法に比べて、組み付け工程が簡素化されるので、防振装置1の量産性をさらに向上させることができる。
また、上記した実施の形態では、外筒3の下端面とダイヤフラムリング9の上端面とが当接され、外筒3とダイヤフラムリング9とが重ね合わせられているが、本発明は、外筒3とダイヤフラムリング9(押さえ部材)との間に別部材が介在されていてもよく、ダイヤフラムリング9(押さえ部材)が別部材を介して外筒3を下方側から押さえる構成であってもよい。
また、上記した実施の形態では、外筒3を下方側から押さえる押さえ部材としてダイヤフラムリング9が備えられているが、本発明は、ダイヤフラムリングの他に押さえ部材が備えられた構成であってもよい。すなわち、ダイヤフラムリングの下方に、当該ダイヤフラムリングを介して外筒3を下方側から押さえる押さえ部材が配置され、この押さえ部材に貫通孔が形成されており、この押さえ部材の挿通孔に突起部26が挿入されて拡径部26aが形成される構成であってもよい。これにより、ブラケット部材2の係止部25と突起部26の拡径部26aとの間に、押さえ部材とダイヤフラムリングと外筒3とが挟持される。
また、上記した実施の形態では、外筒3とダイヤフラムリング9との間に、全周に亘って形成された弾性部95が介在されており、この弾性部95によって外筒3とダイヤフラムリング9との間のシール性が向上しているが、本発明は、弾性部によってシール性を向上させる必要が無い場合には、弾性部が全周に亘って形成されていなくてもよく、部分的に弾性部が配設されていてもよい。さらに、本発明は、上記弾性部95を省略することも可能である。
また、上記した実施の形態では、ブラケット部材2が樹脂製になっているが、本発明は、外筒3が樹脂製であることが好ましい。これにより、外筒3が軽量になり、外筒3が金属製の場合に比べて防振装置1を軽量化することができる。なお、本発明は、外筒3を樹脂製以外で形成することも可能であり、例えば金属製の外筒3を用いることも可能である。
また、本発明は、ダイヤフラムリング9(押さえ部材)が樹脂製であることが好ましい。これにより、ダイヤフラムリング9(押さえ部材)が軽量になり、ダイヤフラムリング9(押さえ部材)が金属製の場合に比べて防振装置1を軽量化することができる。さらに、突起部26を溶融して拡径部26aを形成する際、ダイヤフラムリング9(押さえ部材)が突起部26と溶融状態で接合される。これにより、ブラケット部材2に対するダイヤフラムリング9(押さえ部材)の固定強度が向上し、外筒3等の部材を確実にブラケット部材2の収容孔20内に保持させることができる。なお、本発明は、ダイヤフラムリング9(押さえ部材)を樹脂製以外で形成することも可能であり、例えば金属製のダイヤフラムリング9(押さえ部材)を用いることも可能である。
また、本発明は、図5(a)に示すように、ダイヤフラムリング9の貫通孔197の下端部の内周面が、下方に向かうに従い漸次拡径されたR形状になっていることが好ましい。これにより、この貫通孔197に挿入された突起部26を溶融させたとき、図5(b)に示すように、突起部26の拡径部26a´が大きくなり、拡径部26a´の強度が向上し、拡径部26a´によってダイヤフラムリング9を確実に押さえることができる。
また、本発明は、ブラケット部材2の樹脂材料にガラスファイバー等の補強繊維を混合させることが好ましい。例えば、ガラスファイバーが30%以上(樹脂成分に対する容積比)混入された樹脂材料によりブラケット部材2を形成する。この場合、熱又は高周波誘導加熱装置を用いて突起部26を溶融し、拡径部26aを形成する。
また、上記した実施の形態では、突起部26がホルダー部21の底面に突設されているが、本発明は、突起部がホルダー部21(ブラケット部材の本体)と別体になっていてもよい。例えば、図6に示すように、別体のピン体126(突起部)が備えられ、ホルダー部21の底面に上記ピン体126が挿入されるピン孔127が形成された構成であってもよい。このピン孔127は、ダイヤフラムリング9の貫通孔97に対応する位置に形成されている。このような構成からなる防振装置1では、ダイヤフラムリング9の貫通孔97とピン孔127とを孔合わせしつつ、外筒3の下方にダイヤフラムリング9を配置し、その後、上記した貫通孔97及びピン孔127にピン体126を挿入し、ピン体126を溶融する。これにより、ピン体126がホルダー部21のピン穴127に対して溶融状態で接合され、また、ピン体126に形成された拡径部126aによってダイヤフラムリング9が下方側から押さえられる。この場合、ガラスファイバーが30%以上(樹脂成分に対する容積比)混入された樹脂材料によりホルダー部21を形成した場合であっても、ガラスファイバーの混入率が低い(樹脂成分に対する容積比で0〜30%)樹脂材料によりピン体126を形成することによって、ピン体126を超音波溶融により溶融させることができる。
また、上記した実施の形態では、外筒3の凹溝32とダイヤフラムリング9の凹溝91とを組み合わせることでオリフィス通路10が形成される構成になっており、仕切り部材8が、本体部材80の収容室81内に可動部材82が収容された構成になっているが、本発明は、ブラケット部材2の収容孔20内に収容される防振装置本体の構成は適宜変更可能であり、例えば、オリフィス通路が形成された仕切り部材が外筒3内に収容されていてもよく、或いは、ピストンや逆止弁などが備えられた仕切り部材を備える液圧切換式の防振装置であってもよく、その他の構成の防振装置であってもよい。
また、上記した実施の形態では、軸線Lに垂直な断面視においてC字形状を成す収容室81が形成された本体部材80と、上記収容室81内に収容された平面視C字形状の可動部材82と、を備える仕切り部材8が備えられているが、本発明における仕切り部材の構成は適宜変更可能である。例えば、図7に示すように、平板状の基板180と、その基板180上に重ね合わされたハット形状の上蓋183と、基板180と上蓋183との間に形成された収容室181内に収容された板状の可動部材182と、を備えた仕切り部材108を用いてもよい。この仕切り部材108(基板180及び上蓋183)の外周部分は、外筒3の内周壁部34の下端面とダイヤフラムリング9の内周側壁92の上端面との間に挟まれて支持されている。また、基板180には、上記収容室181と副液室7Bとを連通する複数の連通孔187が形成されており、上蓋183には、上記収容室181と主液室7Aとを連通する複数の連通孔188が形成されている。可動部材182は、ゴム等の弾性部材からなる円盤状の部材であり、連通孔187,188を介して主液室7A又は副液室7Bの液圧が作用される。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施の形態を説明するための上方からみた防振装置の平面図である。 図1に示すA−A間の断面図でる。 図1に示すB−B間の断面図でる。 本発明の実施の形態を説明するための下方からみた防振装置の平面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための押さえ部材に形成された貫通孔の拡大断面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための突起部の拡大断面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための防振装置の断面図である。
符号の説明
1 防振装置
2 ブラケット部材
3 外筒(第一取付部材)
4 内筒(第二取付部材)
5 ゴム弾性体
6 ダイヤフラム
7 液室
7A 主液室
7B 副液室
8、108 仕切り部材
9 ダイヤフラムリング(押さえ部材)
20 収容孔
25 係止部
26 突起部
26a、26a´ 拡径部
97、197 貫通孔
126 ピン体(突起部)

Claims (7)

  1. 振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される樹脂製のブラケット部材と、
    該ブラケット部材に形成された収容孔に嵌合された環状の第一取付部材と、
    前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される第二取付部材と、
    前記第一取付部材と前記第二取付部材とを弾性的に連結するとともに前記第一取付部材の一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、
    前記第一取付部材の他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、
    前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、
    を備えた防振装置において、
    前記第一取付部材を他方側から押さえる押さえ部材が備えられ、
    前記ブラケット部材には、前記第一取付部材を一方側から押さえる係止部と、前記押さえ部材に形成された貫通孔に挿入される突起部と、が備えられ、
    前記貫通孔から突出した前記突起部の先端には、前記貫通孔に挿入された前記突起部を溶融することによって前記貫通孔の内径よりも大径に拡径されて前記押さえ部材を他方側から押さえる拡径部が形成され、
    該拡径部と前記係止部との間に前記押さえ部材及び前記第一取付部材が挟持されていることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置において、
    前記押さえ部材として、環状のダイヤフラムリングが備えられ、
    該ダイヤフラムリングの内側に、該ダイヤフラムリングの内側を閉塞するように前記ダイヤフラムが張設されていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1又は2に記載の防振装置において、
    前記押さえ部材と前記第一取付部材との間に弾性変形可能な弾性部が介在されていることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の防振装置において、
    前記第一取付部材が樹脂製であることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の防振装置において、
    前記押さえ部材が樹脂製であることを特徴とする防振装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の防振装置において、
    前記突起部の溶融は、超音波溶融、熱溶融、及びレーザ溶融のうちの何れかの一つの方法で行われていることを特徴とする防振装置。
  7. 振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される樹脂製のブラケット部材と、
    該ブラケット部材に形成された収容孔に嵌合された環状の第一取付部材と、
    前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される第二取付部材と、
    前記第一取付部材と前記第二取付部材とを弾性的に連結するとともに、前記第一取付部材の一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、
    前記第一取付部材の他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、
    前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、
    を備えた防振装置の製造方法において、
    前記第一取付部材、前記第二取付部材、前記ゴム弾性体、前記ダイヤフラム、前記仕切り部材、及び、前記第一取付部材を他方側から押さえる押さえ部材を、それぞれ組み合わせる工程と、
    前記ブラケット部材に備えられた突起部を前記押さえ部材に形成された貫通孔に挿入させつつ、前記収容孔の内側に前記第一取付部材を嵌合させる工程と、
    前記突起部を溶融して、前記貫通孔から突出した前記突起部の先端に前記貫通孔の内径よりも大径に拡径された拡径部を形成する工程と、
    を備え、
    前記拡径部で前記押さえ部材を他方側から押さえるとともに、前記ブラケット部材に形成された係止部で前記第一取付部材を一方側から押さえ、該拡径部と前記係止部との間に前記押さえ部材及び前記第一取付部材を挟み込むことを特徴とする防振装置の製造方法。
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