JP5986492B2 - 流体封入式防振装置およびその製造方法 - Google Patents

流体封入式防振装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいた防振効果を利用する流体封入式防振装置とその製造方法に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を相互に防振連結する防振連結体乃至は防振支持体の一種として、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結された構造を有する防振装置が知られている。更に、防振性能の向上を目的として、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいた防振効果を利用する流体封入式防振装置も提案されており、自動車のエンジンマウント等に適用されている。この流体封入式防振装置は、防振装置において、第二の取付部材によって支持された仕切部材の両側に、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室とを形成すると共に、それら受圧室と平衡室をオリフィス通路で相互に連通した構造を有している。なお、特開2009−299775号公報(特許文献1)に記載されているのがそれである。
ところで、昨今では、自動車等における軽量化や低コスト化の要求に応えるために、仕切部材を樹脂で形成することも試みられている。特に、特許文献1では、オリフィス通路の形成や可動部材の配設を実現するために、別体の第一の仕切部材と第二の仕切部材を溶着一体化することで、仕切部材を構成することが提案されている。
しかしながら、特許文献1では、オリフィス通路を形成するための凹溝や可動部材を収容するための凹所が、第一の仕切部材の上面に開口するように形成されていると共に、それら凹溝や凹所の開口部を覆うように薄肉円板状の第二の仕切部材が重ね合わされて、仕切部材が構成されている。それ故、オリフィス通路の通路断面積や通路長の設計自由度が低く、防振特性のチューニング可能な範囲が制限されてしまう不具合があった。
特開2009−299775号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、簡単な構造によって防振特性の幅広いチューニングを実現できる、新規な構造の流体封入式防振装置とその製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者は、仕切部材を厚肉化してオリフィス通路等の形状自由度を高めることで、防振特性のチューニング可能な範囲を大きくすることを考えた。その際、可動部材の一方の面に受圧室の液圧を及ぼすオリフィス通路(第二のオリフィス通路)のチューニングを調節するために、第一の仕切部材の外周筒状部に第二の仕切部材の内周挿入部を挿入する構造を採用して、可動部材の位置を調節しようと試みた。
しかしながら、このような構造を採用すると、第一の仕切部材と第二の仕切部材において外周部分と内周部分でそれぞれに軸方向の寸法誤差が生じることから、第一の仕切部材と第二の仕切部材の間で許容される可動部材の変位量や、仕切部材自体の軸方向寸法等に大きなばらつきが生じ得る。その結果、安定した防振特性の実現に悪影響を及ぼすおそれがあることが明らかとなった。
そこにおいて、本発明の第1の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されており、該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に受圧室と平衡室が形成されている一方、それら受圧室と平衡室との間に第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路が形成されていると共に、該第二のオリフィス通路を通じた該受圧室と該平衡室との間の流体流路上に可動部材が配設されており、該可動部材の変位量が該仕切部材で制限されている流体封入式防振装置において、前記仕切部材がそれぞれ熱可塑性樹脂からなる第一の仕切部材と第二の仕切部材を含んで構成されており、該第一の仕切部材に設けられた組付凹所に該第二の仕切部材が差し入れられて、該第一の仕切部材の該組付凹所の外周壁部に前記第一のオリフィス通路が形成されている一方、該第一の仕切部材の底壁部と該第二の仕切部材との重ね合わせ面間に前記可動部材が変位量を制限された状態で配設されていると共に、該第二の仕切部材における差し入れ方向寸法が該第一の仕切部材の該組付凹所の深さ寸法より大きくされており、該第一の仕切部材の該組付凹所の底壁部に対して該第二の仕切部材の一端側が当接せしめられた状態で、該第一の仕切部材の該組付凹所の開口部から該第二の仕切部材の他端側が突出しており、該第二の仕切部材における該組付凹所からの突出部分に設けられたフランジ部が、該第一の仕切部材の該外周壁部の端面に向かって湾曲変形されて当接した状態で該第一の仕切部材に対して溶着固定されているものであり、前記第一の仕切部材の前記組付凹所の前記外周壁部には周上の複数箇所で軸方向端面に突出する溶着突起が一体形成されていると共に、前記第二の仕切部材の前記フランジ部には周上の複数箇所に挿通穴が貫通形成されており、該溶着突起が該挿通穴に挿通されると共に、該溶着突起の先端部分が該挿通穴の開口周縁部に溶着係止されて、該フランジ部と該外周壁部が当接状態に固着保持されていることを、特徴とする。
このような第1の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置によれば、仕切部材が第一の仕切部材の組付凹所に第二の仕切部材を差し入れた構造を有していることから、第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路を高い設計自由度で設定することができて、防振特性の優れた調節自由度が実現される。
また、第二の仕切部材における差し入れ方向寸法が第一の仕切部材の組付凹所の深さ寸法より大きくされており、第二の仕切部材の一端側が組付凹所の底壁部に当接されている。それ故、第一の仕切部材の底壁部と第二の仕切部材との重ね合わせ面間に配設された可動部材の変位量が、高精度に設定される。
さらに、第二の仕切部材の組付凹所から突出した部分に設けられたフランジ部が外周壁部の端面に向かって湾曲変形されて当接した状態で第一の仕切部材に溶着固定されている。これにより、フランジ部と外周壁部の重ね合わせ面間における隙間の形成が防止されて、仕切部材の外周部分における軸方向寸法が安定すると共に、隙間によってフランジ部の弾性変形が許容されることに起因する仕切部材の振動と、それに伴う防振性能への悪影響が回避される。
また、仕切部材が熱可塑性樹脂で形成された第一の仕切部材と第二の仕切部材を含んで構成されていることにより、仕切部材の軽量化や生産性の向上等も図られる。しかも、それら第一の仕切部材と第二の仕切部材が溶着によって相互に固定されることから、固定構造の簡略化も実現される。
さらに、本態様によれば、フランジ部の挿通穴に挿通された溶着突起の先端部分を溶融させて挿通穴の周縁部分に固着させることにより、第一の仕切部材と第二の仕切部材を、部品点数の少ない簡単な構造で、容易に固着することができる。しかも、溶融された溶着突起の先端部分が挿通穴の開口周縁部に係止されることで、フランジ部が外周壁部の上端面から離隔するのを効果的に防ぐことができる。
本発明の第の態様は、第1の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記第一の仕切部材の前記組付凹所の前記外周壁部には、該組付凹所を該外周壁部の外周側に連通するエア抜孔が形成されているものである。
の態様によれば、仕切部材において、空気が残留し易い第一の仕切部材の組付凹所の内周面と第二の仕切部材との重ね合わせ面間が、エア抜孔を通じて外部に連通されている。これにより、第一の仕切部材と第二の仕切部材を溶着固定した後であっても、エア抜孔を通じて外部に空気を排出させることで、空気の残留による防振性能の低下を防ぐことができる。
本発明の第の態様は、第1又は第2の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記第一の仕切部材の前記組付凹所に前記第二の仕切部材が前記受圧室側から差し入れられて、該第二の仕切部材の前記フランジ部が該第一の仕切部材の前記外周壁部の端面に該受圧室側から当接した状態で該第一の仕切部材に対して溶着固定されているものである。
の態様によれば、受圧室の正圧が第二の仕切部材を第一の仕切部材に押し付けるように作用することから、大荷重の入力によって第二の仕切部材が第一の仕切部材から分離するのを防止できる。
本発明の第の態様は、流体封入式防振装置の製造方法であって、仕切部材を挟んだ両側に受圧室と平衡室が形成されると共に、それら受圧室と平衡室の相対的な圧力変動に基づいて変位可能とされた可動部材が該仕切部材で変位量を制限された状態で組み付けられた流体封入式防振装置を製造するに際して、外周壁部で囲まれた組付凹所を有する第一の仕切部材と、該組付凹所に差し入れ可能な外周形状で且つかかる差し入れ方向寸法が該組付凹所の深さ寸法より大きくされた第二の仕切部材とを、それぞれ熱可塑性樹脂で形成する工程と、該第一の仕切部材の該組付凹所に該第二の仕切部材を差し入れると共に、該第一の仕切部材の底壁部と該第二の仕切部材との重ね合わせ面間で変位量を制限せしめた状態で前記可動部材を組み付ける工程と、前記第一の仕切部材の前記組付凹所の前記外周壁部には周上の複数箇所で軸方向端面に突出する溶着突起が一体形成されていると共に、前記第二の仕切部材における前記組付凹所への差し入れ方向の後端側に設けられたフランジ部には周上の複数箇所に挿通穴が貫通形成されており、該溶着突起を該挿通穴に挿通すると共に、該第一の仕切部材の該組付凹所の底壁部に対して該第二の仕切部材の一端側を当接せしめた状態で、該組付凹所の開口部から突出した該第二の取付部材の他端側に設けられたフランジ部を、該第一の仕切部材の該外周壁部の端面に向かって湾曲変形させて押し当てながら、該溶着突起の先端部分を該挿通穴の開口周縁部に溶着係止せしめて該第一の仕切部材に対して溶着固定することにより、該第一の仕切部材の該外周壁部と該第二の仕切部材の該フランジ部とを当接状態に固着保持せしめて前記仕切部材を形成する工程とを、含むことを、特徴とする。
の態様に従う流体封入式防振装置の製造方法によれば、第一の仕切部材と第二の仕切部材を、第二の仕切部材の差し入れ方向寸法が第一の仕切部材の組付凹所の深さ寸法よりも大きくなるように形成して、第二の仕切部材の一端側を第一の仕切部材の組付凹所の底壁部に当接せしめた状態で、第一の仕切部材と第二の仕切部材を固着する。それ故、第一の仕切部材の底壁部と第二の仕切部材との重ね合わせ面間に組み付けられる可動部材の変位量が、高精度に且つ簡単に設定されて、目的とする防振特性を容易に得ることができる。
また、フランジ部を外周壁部の端面に向かって湾曲変形させて押し当てながら第一の仕切部材に対して溶着固定することにより、フランジ部と外周壁部の端面との間の隙間が低減乃至は消失せしめられて、仕切部材の外周部分において軸方向寸法のばらつきが低減される。しかも、湾曲変形されたフランジ部の弾性によって、第二の仕切部材が第一の仕切部材の組付凹所の底壁部に向かって付勢されることから、第一の仕切部材の底壁部と第二の仕切部材の重ね合わせ面間で、可動部材の変位量がより高精度に制限される。
本発明によれば、仕切部材がそれぞれ熱可塑性樹脂からなる第一の仕切部材と第二の仕切部材を含んで構成されて、第一の仕切部材の組付凹所に第二の仕切部材が差し入れられている。これにより、第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路を高い自由度で設定することができて、要求される防振特性を高度に実現することができる。また、第一の仕切部材の底壁部と第二の仕切部材の重ね合わせ面間に可動部材が配設されていると共に、第二の仕切部材の差し入れ方向寸法が第一の仕切部材の組付凹所の深さ寸法よりも大きくされて、第二の仕切部材の一端側が組付凹所の底壁部に当接されている。それ故、可動部材の変位量が第一の仕切部材の底壁部と第二の仕切部材の重ね合わせ面間で高精度に制限されて、目的とする防振特性を実現することができる。更に、フランジ部が外周壁部の端面に向かって湾曲変形されて当接した状態で第一の仕切部材に溶着固定されていることから、フランジ部の弾性によって第二の仕切部材の一端側と組付凹所の底壁部が当接状態に安定して保持されると共に、フランジ部と外周壁部の重ね合わせ面間の隙間が低減されて、優れた寸法精度や防振性能が実現される。
本発明の1実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 図1に示されたエンジンマウントの別の断面を示す縦断面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材の斜視図。 図3に示された仕切部材の平面図。 図4のV−V断面図。 図4のVI−VI断面図。 図5のVII−VII断面図。 図3に示された仕切部材の分解斜視図。 図3に示された仕切部材の分解縦断面図。 図3に示された仕切部材において第一の仕切部材と第二の仕切部材を溶着する前の状態を示す縦断面図。 図3に示された仕切部材の要部を拡大して示す図であって、(a)が第一の仕切部材と第二の仕切部材の溶着前を、(b)が第一の仕切部材と第二の仕切部材の溶着後を、それぞれ示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1,図2には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の1実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第一の取付部材12と第二の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、マウント中心軸方向であり、振動荷重の主たる入力方向でもある、図1中の上下方向を言う。
より詳細には、第一の取付部材12は、鉄やアルミニウム合金等で形成された高剛性の部材であって、略逆向き円錐台形状を有している。更に、第一の取付部材12には、中心軸上を上下に延びて、上面に開口するねじ穴18が形成されている。
第二の取付部材14は、薄肉大径の略円筒形状を有しており、上下に延びる嵌着筒部20の上側に、外周側に開口する溝状で内周側に突出する括れ部22が一体形成されている。
そして、第一の取付部材12が第二の取付部材14の上方に離隔配置されて、それら第一の取付部材12と第二の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は厚肉大径の略円錐台形状を有しており、小径側の端部が第一の取付部材12に加硫接着されていると共に、大径側端部の外周面が第二の取付部材14の上部内周面に加硫接着されている。なお、本体ゴム弾性体16は、第一の取付部材12と第二の取付部材14を備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、本体ゴム弾性体16には、大径側の端面に開口する逆向きすり鉢状の大径凹所24が形成されている。更にまた、大径凹所24を外れた本体ゴム弾性体16の外周端部には、薄肉大径の略円筒形状を呈するシールゴム層26が一体形成されて下方に延び出しており、このシールゴム層26が第二の取付部材14の内周面に固着されている。
また、第二の取付部材14には、可撓性膜28が取り付けられている。可撓性膜28は、薄肉大径の略円板形状を有するゴム弾性体であって、容易に変形可能とされていると共に、充分な弛みを持った形状とされている。更に、可撓性膜28の外周端部には、環状の固定部材30が全周に亘って固着されている。そして、固定部材30が第二の取付部材14の下側開口部に挿入されて、第二の取付部材14に八方絞り等の縮径加工が施されると共に、第二の取付部材14の下端部が内周側に屈曲されて固定部材30の下面に当接されることにより、可撓性膜28が第二の取付部材14に取り付けられている。なお、第二の取付部材14と固定部材30の径方向間にシールゴム層26が挟み込まれることにより、第二の取付部材14と固定部材30の重ね合わせ面間が流体密に封止されている。
第二の取付部材14に可撓性膜28が取り付けられることにより、本体ゴム弾性体16と可撓性膜28の間には、外部から流体密に隔てられて、内部に非圧縮性流体を封入された流体室32が画成されている。流体室32に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものではないが、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液等が好適に採用される。なお、後述する流体の流動作用に基づいた防振効果を効率的に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体であることが望ましい。
また、流体室32には、仕切部材34が配設されている。仕切部材34は、図3〜図7に示されているように、全体として厚肉大径の略円板形状を有しており、図8,図9にも示されているように、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38の間に可動部材としての可動板40が挟み込まれた構造とされている。
第一の仕切部材36は、熱可塑性樹脂で形成された硬質の部材であって、上方に開口する組付凹所41を中央部分に備えた略有底円筒形状とされており、筒状の外周壁部42と、外周壁部42の下開口部に設けられる底壁部44とを一体で備えている。なお、第一の仕切部材36の形成材料としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール等の各種の熱可塑性樹脂が採用される。
外周壁部42は、大径の略円筒形状を有して、外周面に開口して周方向に延びる周溝46が上下2段で折り返されて形成されており、周溝46の一方の端部が外周連通口48を通じて内周側に連通されていると共に、周溝46の他方の端部が下連通口50を通じて下方に連通されている。更に、外周壁部42において周溝46を周方向で外れた部分には、径方向に貫通するエア抜孔52が形成されており、外周壁部42の内周側に設けられた組付凹所41が外周壁部42の外周側に対してエア抜孔52を通じて連通されている。更にまた、外周壁部42には、上方に向かって突出する複数の溶着突起54が一体形成されている。この溶着突起54は、小径の略円形断面を有する突起であって、本実施形態では、周上で略等間隔に3つの溶着突起54が形成されている。
底壁部44は、外周壁部42の下端開口部に一体形成されており、径方向の中央部分には上面に開口する収容凹所56が形成されている。この収容凹所56の形成部分では、収容凹所56の底壁内面で構成される第一の仕切部材36の底壁内面が、組付凹所41の底壁内面よりも下方に位置しており、底壁部44の外周端部には組付凹所41の底壁内面で構成された環状の当接段差面58が設けられている。更に、収容凹所56の底壁には、中央部分を上下に貫通する下連通孔60が形成されている。なお、第一の仕切部材36の底壁部44は、当接段差面58が設けられた外周端部において組付凹所41の底壁部で構成されていると共に、当接段差面58を外れた中央部分において収容凹所56の底壁部で構成されている。
第二の仕切部材38は、第一の仕切部材36と同様の熱可塑性樹脂で形成されており、上下に延びる中央挿入部62と、中央挿入部62の上端において外周側に突出するフランジ部64とを、一体で備えている。
中央挿入部62は、略円柱形状を有しており、径方向の中央部分において下面に開口する浅底円形の中央凹所66が形成されていると共に、中央凹所66の底壁中央から上方に貫通して延びる上連通孔68が形成されている。更に、上連通孔68の外周側には、中央挿入部62の上面に開口して周方向環状に延びる肉抜凹所70が形成されている。更にまた、肉抜凹所70の外周側の壁部には、周上の一部を貫通する内周連通口72が形成されており、内周連通口72の周方向一方の側には、上下に広がって外周側に突出する平板状の位置決め壁部74が、肉抜凹所70の外周側の壁部と一体で形成されている。
フランジ部64は、略円環板形状であって、中央挿入部62の上端部に一体形成されている。更に、フランジ部64には、周上で内周連通口72と対応する部分において、部分的に内径が拡大されており、内周連通口72が上方にも開口していると共に、位置決め壁部74の上端がフランジ部64に対して一体で接続されている。更にまた、フランジ部64には、厚さ方向に貫通する複数の挿通穴76が形成されている。この挿通穴76は、小径の略円形断面で上下に延びており、本実施形態では、周上で略等間隔に3つの挿通穴76が形成されている。なお、挿通穴76は、フランジ部64の径方向中央よりも内周側に偏倚して設けられている。
可動板40は、略円板形状を有するゴム弾性体に対して、薄肉の略円板形状を有する硬質の補強プレート78を埋設固着した構造を有している。更に、図8にも示されているように、可動板40の外周端部には、環状の厚肉挟持部80が設けられていると共に、厚肉挟持部80が周上の4箇所において更に厚肉とされ、且つ内周側に突出している。なお、本実施形態では、厚肉挟持部80から内周側に延び出す緩衝突部82が、可動板40の外周部分において両面に突出するように一体形成されている。
この可動板40が第一の仕切部材36の収容凹所56に挿入配置されると共に、第二の仕切部材38の中央挿入部62が第一の仕切部材36の組付凹所41に上方から差し入れられる。第二の仕切部材38は、中央挿入部62の下端が第一の仕切部材36の当接段差面58に当接された状態で、組付凹所41の開口部から上方に突出しており、組付凹所41から突出した上端部にフランジ部64が一体形成されている。そして、フランジ部64が外周壁部42に上方から重ね合わされて、外周壁部42の溶着突起54がフランジ部64の挿通穴76に挿通されている。なお、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38は、位置決め壁部74が外周連通口48に挿入されて、周溝46の周方向端面に当接されることにより、周方向の相対的な向きが容易に規定されるようになっている。これにより、外周連通口48と内周連通口72が相対的に位置決めされて直列的に接続されており、周溝46が外周連通口48と内周連通口72とを通じて肉抜凹所70に連通されている。
また、第二の仕切部材38における差し入れ方向寸法、即ちフランジ部64の下面から下方に突出する中央挿入部62の突出寸法(H)が、第一の仕切部材36における組付凹所41の深さ寸法(D)よりも大きく(D<H)されている。これにより、中央挿入部62の下端面が当接段差面58に当接された状態で、フランジ部64の内周端部が外周壁部42の上端面に対して上方に離隔している。
そして、フランジ部64が外周壁部42の上端面に向かって湾曲変形されて当接した状態で、溶着突起54が挿通穴76の開口周縁部に溶着係止されることで、フランジ部64が第一の仕切部材36の外周壁部42に固定されて、仕切部材34が構成されている。なお、3つの溶着突起54のフランジ部64に対する溶着係止に加えて、フランジ部64と外周壁部42との重ね合わせ面間を接着や溶着等の手段で固定しても良い。
さらに、可動板40が第一の仕切部材36の底壁部44と第二の仕切部材38の中央挿入部62との重ね合わせ面間に配設されており、可動板40の厚肉挟持部80が底壁部44と中央挿入部62との軸方向間で挟持されている。これにより、可動板40が、厚肉挟持部80の弾性変形によって中央部分の上下変位を許容された状態で、仕切部材34に組み付けられている。この可動板40は、中央部分の上下方向の変位量が、厚肉挟持部80の圧縮量や中央部分のクリアランス(中央凹所66の深さ寸法)等を調節することで、仕切部材34で制限されている。
かくの如き構造とされた仕切部材34は、流体室32に対して軸直角方向に広がるように収容配置されており、外周面が第二の取付部材14の嵌着筒部20に対してシールゴム層26を介して密着されると共に、外周端部が第二の取付部材14の括れ部22と固定部材30の軸方向間で挟持されて、第二の取付部材14で支持されている。
仕切部材34が第二の取付部材14に取り付けられることにより、流体室32は仕切部材34を挟んで上下に二分されている。即ち、仕切部材34を挟んだ上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起される受圧室84が形成されていると共に、仕切部材34を挟んだ下側には、壁部の一部が可撓性膜28で構成されて、容積変化が容易に許容される平衡室86が形成されている。なお、肉抜凹所70が受圧室84の一部を構成しており、受圧室84の容積が効率的に確保されている。
また、第一の仕切部材36の外周壁部42に形成された周溝46の外周開口部が、第二の取付部材14によって流体密に閉塞されて、トンネル状の流路が形成されている。このトンネル状の流路は、一方の端部が外周連通口48および内周連通口72を通じて受圧室84に連通されていると共に、他方の端部が下連通口50を通じて平衡室86に連通されている。これにより、受圧室84と平衡室86を相互に連通する第一のオリフィス通路88が、第一の仕切部材36の外周壁部42に形成された周溝46を利用して、仕切部材34の外周端部に形成されている。なお、第一のオリフィス通路88は、流体室32の壁ばね剛性を考慮しながら、通路断面積(A)と通路長(L)の比(A/L)を適当に設定することで、流動流体の共振周波数であるチューニング周波数が、例えばエンジンシェイクに相当する10Hz程度の低周波数に設定される。
また、仕切部材34の中央部分に直列的に設けられた上下の連通孔68,60および中央凹所66は、一方の端部が受圧室84に連通されていると共に、他方の端部が平衡室86に連通されており、受圧室84と平衡室86を相互に連通する流体流路が形成されている。更に、この流体流路上には可動板40が配設されており、可動板40の上面に上連通孔68および中央凹所66を通じて受圧室84の液圧が及ぼされると共に、下面に下連通孔60を通じて平衡室86の液圧が及ぼされている。これにより、受圧室84と平衡室86の相対的な圧力変動に基づいて生じる可動板40の上下変位によって、上連通孔68に流体流動が生ぜしめられて、受圧室84と平衡室86が実質的に連通されるようになっており、もって、受圧室84と平衡室86を相互に連通する第二のオリフィス通路90が形成されている。なお、本実施形態の第二のオリフィス通路90は、第一のオリフィス通路88よりも高周波数にチューニングされており、例えばアイドリング振動に相当する十数Hzから数十Hz程度の中周波数にチューニングされている。また、可動板40の共振周波数も中周波数に設定されており、第二のオリフィス通路90を通じての流体流動がより積極的に生ぜしめられるようになっている。
このような構造とされたエンジンマウント10は、第一の取付部材12が図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第二の取付部材14が同じく図示しない車両ボデーに取り付けられることにより、車両に装着される。そして、車両への装着状態で、エンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動が入力されると、受圧室84と平衡室86の間で第一のオリフィス通路88を通じた流体流動が生じて、流体の共振作用等の流動作用に基づいた防振効果が発揮される。なお、第二のオリフィス通路90は、可動板40の変位量が入力振動の振幅に追従し得ないことから、実質的に遮断されて、第一のオリフィス通路88の流体流動量が効率的に確保される。
本実施形態の仕切部材34では、第一のオリフィス通路88が略円筒形状の外周壁部42に対して、折り返して上下2段に延びるように形成可能とされている。これにより、第一のオリフィス通路88の通路長の調節幅が大きく確保されて、チューニング周波数の高い自由度が実現される。
また、アイドリング振動に相当する中周波小振幅振動の入力時には、可動板40が共振状態で上下に変位して、第二のオリフィス通路90を通じての流体流動が積極的に生ぜしめられる。これにより、第二のオリフィス通路90を通じて流動する流体の流動作用に基づいて、目的とする防振効果が発揮される。なお、第一のオリフィス通路88は、反共振による実質的な遮断状態とされることから、第二のオリフィス通路90を通じての流体流動が効率的に惹起される。
ここにおいて、エンジンマウント10では、第二のオリフィス通路90を構成する上連通孔68が、外周壁部42に挿入される厚肉の中央挿入部62に形成されており、第二のオリフィス通路90の通路長を高い自由度で設定することが可能となっている。それ故、幅広い要求特性に対応することができて、目的とする防振効果を効率的に発揮せしめることができる。
このように外周筒状部に中央挿入部を挿入すると、組付凹所の深さ寸法のばらつきと、中央挿入部のフランジ部下面からの突出寸法のばらつきとの組み合わせによっては、仕切部材の外周端部の軸方向寸法や、可動板の厚肉挟持部の圧縮量に、大きなばらつきが生じ得る。しかしながら、本実施形態の仕切部材34では、組付凹所41の深さ寸法(D)に対して中央挿入部62の差し入れ方向寸法(H)が大きく(D<H)されていることから、中央挿入部62の下端面が当接段差面58に当接されて、可動板40の厚肉挟持部80の圧縮量が高精度に設定されている。更に、フランジ部64が外周壁部42の上端面に向かって湾曲変形されて、当接状態で溶着固定されていることで、仕切部材34の外周端部における軸方向寸法が略一定とされている。
加えて、フランジ部64が外周壁部42の上端面に向かって湾曲変形されて当接した状態で溶着固定されていることから、中央挿入部62がフランジ部64の弾性によって下向きに付勢されている。これにより、中央挿入部62の下端面と当接段差面58との当接状態がより確実に保持されることから、振動荷重の入力時にも可動板40の変位量が高精度に設定された状態とされて、目的とする防振性能を安定して得ることができる。
また、フランジ部64が外周壁部42の上端面に向かって湾曲変形されて当接した状態で溶着固定されていることから、仕切部材34の第二の取付部材14への取付け状態において、フランジ部64と外周壁部42の間の隙間によって、フランジ部64の弾性変形が許容されることはなく、仕切部材34の振動(共振)が防振性能に悪影響を及ぼすことも回避される。
このような本実施形態に係るエンジンマウント10は、例えば以下の如くして製造される。
すなわち、先ず、第一の取付部材12と第二の取付部材14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品と、固定部材30を備えた可撓性膜28の一体加硫成形品を準備する。
次に、外周壁部42と底壁部44とを備えて組付凹所41を有する第一の仕切部材36と、組付凹所41に挿入可能な外周形状を有する中央挿入部62とフランジ部64とを備えた第二の仕切部材38とを、それぞれ熱可塑性樹脂で形成する。これにより、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38の形成工程を、完了する。
ここにおいて、第一の仕切部材36の組付凹所41の深さ寸法、即ち、外周壁部42の上端面から当接段差面58までの距離(D)に対して、第二の仕切部材38における中央挿入部62のフランジ部64からの突出寸法、即ち、中央挿入部62の下端面からフランジ部64下面までの距離(H)が、大きくされている(D<H)。なお、組付凹所41の深さ寸法(D)と中央挿入部62の突出寸法(H)は、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38の寸法の誤差等も考慮して、常にD<Hが成立するように設定される。具体的には、設計上での組付凹所41の深さ寸法(D’)に公差(d)を加えた組付凹所41の深さ寸法の最大値(D’+d)に対して、設計上での中央挿入部62の突出寸法(H’)から公差(h)を引いた組付凹所41の深さ寸法の最小値(H’−h)が大きくなるように、組付凹所41の深さ寸法(D’)と中央挿入部62の突出寸法(H’)を設定することで、D<Hが常に成立する。
また次に、第二の仕切部材38の中央挿入部62を、第一の仕切部材36の組付凹所41に差し入れる。この際に、別に準備した可動板40を第一の仕切部材36の収容凹所56に予め収容しておくことで、収容凹所56の底壁内面と中央挿入部62の下面との間で可動板40の厚肉挟持部80を挟持させて、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38の間で変位量を制限せしめた状態で可動板40を組み付ける。これにより、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38と可動板40との仮組工程を、完了する。なお、本実施形態では、中央挿入部62を組付凹所41に差し入れると同時に、第一の仕切部材36の溶着突起54を第二の仕切部材38の挿通穴76に挿通する。
このように中央挿入部62を組付凹所41に差し入れて、中央挿入部62の下面を当接段差面58に当接せしめた状態では、図10に示すように、外周壁部42の上端面とフランジ部64の下面との間に隙間92が形成されており、外周壁部42とフランジ部64が隙間92を隔てて上下に対向配置されている。
そして、フランジ部64を外周壁部42の上端面に向かって接近するように湾曲変形させて、フランジ部64の下面と外周壁部42の上端面とを押し当てながら、図11に示すように、溶着突起54を超音波溶着によって挿通穴76の開口周縁部に溶着固定する。これにより、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38とを固着して仕切部材34を形成する工程を、完了する。なお、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38は、溶着突起54の溶着によって固定されるが、例えば、フランジ部64と外周壁部42の重ね合わせ面間を溶着しても良いし、フランジ部64と外周壁部42の重ね合わせ面間を接着等の手段によって補助的に固着しても良い。
このようにして形成された仕切部材34を、非圧縮性流体を満たした水槽中で、可撓性膜28の一体加硫成形品と共に本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に組み付けることにより、エンジンマウント10の製造工程を完了する。そこにおいて、仕切部材34では、内外挿される外周壁部42と中央挿入部62の径方向間に空気が残留し易いことから、第二の取付部材14への取付け前に、エア抜孔52を利用した空気抜きを行うことが望ましい。即ち、外周壁部42と中央挿入部62の径方向間の隙間を外部空間に連通するエア抜孔52を通じて、外周壁部42と中央挿入部62の径方向間に残留した空気を外部に排出できる。
このようなエンジンマウント10の製造方法によれば、第二の仕切部材38の中央挿入部62を第一の仕切部材36の組付凹所41に差し入れる際に、中央挿入部62の下端面を組付凹所41の底壁内面である当接段差面58に当接させることで、可動板40の厚肉挟持部80の圧縮量を高精度に設定することができる。これにより、可動板40の変位量が適切に設定されて、防振特性の安定化が図られる。
しかも、第一の仕切部材36の組付凹所41の深さ寸法(D)に対して、第二の仕切部材38における中央挿入部62の突出寸法(H)を大きく(D<H)設定し、特に第一, 第二の仕切部材36,38の寸法公差を考慮して、組付凹所41の深さ寸法の最大値に対して、中央挿入部62の突出高さの最小値を大きく設定している。これにより、第一, 第二の仕切部材36,38の製造上の寸法の誤差に関わらず、中央挿入部62の下端面と当接段差面58を当接させて、可動板40の変位量を高精度に設定することができる。従って、金属に比して成形後の収縮等によって寸法誤差が生じ易い樹脂製の第一, 第二の仕切部材36,38を、それぞれ厚肉として組み合わせても、可動板40の変位量や仕切部材34の外周部分の軸方向寸法を高精度に設定することができる。
また、中央挿入部62の下端面を当接段差面58に当接せしめた状態で、フランジ部64を外周壁部42の上端面に向かって湾曲変形させて押し当てながら、溶着突起54を挿通穴76の開口周縁部に溶着して、第一の仕切部材36と第二の仕切部材38を相互に固着している。これにより、中央挿入部62の下端面と当接段差面58を当接状態に保持して、可動板40の変位量を高精度に設定された仕切部材34を容易に得ることが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、第一の仕切部材の組付凹所が平衡室側に開口しており、第二の仕切部材が組付凹所に対して平衡室側から差し入れられると共に、フランジ部が外周壁部に対して平衡室側から重ね合わされて溶着固定されていても良い。
また、フランジ部と外周壁部は全体が密着していることが望ましいが、それらフランジ部と外周壁部の間に実質的に問題とならない程度の隙間が残っていても、本発明の効果は有効に発揮され得る。
さらに、フランジ部は、必ずしも第二の仕切部材の上端に位置していなくても良く、組付凹所から突出した部分であれば、第二の仕切部材の上下方向の中間に設けられていても良い。
また、組付凹所の底壁内面である当接段差面は、必ずしも外周端部に環状に設けられるものに限定されず、例えば、径方向の中央部分に設けられていても良い。この場合には、収容凹所が周方向環状に延びる形状とされると共に、第二のオリフィス通路が径方向中央を外れて設けられる。
また、溶着突起および挿通穴の形状や数、形成位置等は、何れも特に限定されず、要求される第一, 第二の仕切部材の固定強度や、溶着突起および挿通穴を形成可能なスペースの大きさ乃至は形状等に応じて適宜に設定され得る。
さらに、挿通穴に挿通された溶着突起の先端部分を溶着することでフランジ部と外周壁部を固定する溶着固定構造は、あくまでも例示であって、例えば、フランジ部と外周壁部の重ね合わせ面間が部分的に或いは全面に亘って超音波溶着されていても良い。なお、溶着突起の先端部分を溶着する前記実施形態の構造では、超音波による直接溶着が好適に採用されるが、フランジ部と外周壁部の重ね合わせ面間を溶着する場合には、超音波による伝達溶着が好適に採用される。
更にまた、溶着方法としては、超音波溶着が好適であるが、例えば熱溶着等の別の溶着方法を採用することも可能である。
前記実施形態では、可動部材として、補強プレートを備えると共に厚肉挟持部を仕切部材によって支持された可動板が例示されているが、例えば、補強プレートの無い可動膜や、厚肉挟持部が無く全体が収容凹所の底壁部と中央挿入部の下端面との間で上下方向の変位を許容されたフロートタイプの可動板等であっても良い。
また、第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路の通路形状は、要求特性に応じて適宜に変更され得るものであって、特に限定されない。
さらに、防振特性のチューニング等を目的として、3つ以上のオリフィス通路を設けることも可能である。具体的には、例えば、第二のオリフィス通路と並列に上下に延びる第三のオリフィス通路を形成しても良い。
また、エア抜孔は複数が形成されていても良く、各エア抜孔の形状は特に限定されない。一方、第一の仕切部材と第二の仕切部材の間において空気の残留が問題にならない場合には、エア抜孔を省略することもできる。
本発明は、エンジンマウントにのみ適用されるものではなく、ボデーマウントやサブフレームマウント、デファレンシャルギヤマウント等といった各種の流体封入式防振装置にも適用可能である。更に、本発明の適用範囲は、自動車用の流体封入式防振装置に限定されず、自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両等に用いられる流体封入式防振装置にも好適に適用され得る。
10:エンジンマウント、12:第一の取付部材、14:第二の取付部材、16:本体ゴム弾性体、34:仕切部材、36:第一の仕切部材、38:第二の仕切部材、40:可動板(可動部材)、41:組付凹所、42:外周壁部、44:底壁部、52:エア抜孔、54:溶着突起、64:フランジ部、76:挿通穴、88:第一のオリフィス通路、90:第二のオリフィス通路、92:隙間

Claims (4)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されており、該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に受圧室と平衡室が形成されている一方、それら受圧室と平衡室との間に第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路が形成されていると共に、該第二のオリフィス通路を通じた該受圧室と該平衡室との間の流体流路上に可動部材が配設されており、該可動部材の変位量が該仕切部材で制限されている流体封入式防振装置において、
    前記仕切部材がそれぞれ熱可塑性樹脂からなる第一の仕切部材と第二の仕切部材を含んで構成されており、該第一の仕切部材に設けられた組付凹所に該第二の仕切部材が差し入れられて、該第一の仕切部材の該組付凹所の外周壁部に前記第一のオリフィス通路が形成されている一方、該第一の仕切部材の底壁部と該第二の仕切部材との重ね合わせ面間に前記可動部材が変位量を制限された状態で配設されていると共に、
    該第二の仕切部材における差し入れ方向寸法が該第一の仕切部材の該組付凹所の深さ寸法より大きくされており、該第一の仕切部材の該組付凹所の底壁部に対して該第二の仕切部材の一端側が当接せしめられた状態で、該第一の仕切部材の該組付凹所の開口部から該第二の仕切部材の他端側が突出しており、該第二の仕切部材における該組付凹所からの突出部分に設けられたフランジ部が、該第一の仕切部材の該外周壁部の端面に向かって湾曲変形されて当接した状態で該第一の仕切部材に対して溶着固定されているものであり、
    前記第一の仕切部材の前記組付凹所の前記外周壁部には周上の複数箇所で軸方向端面に突出する溶着突起が一体形成されていると共に、前記第二の仕切部材の前記フランジ部には周上の複数箇所に挿通穴が貫通形成されており、該溶着突起が該挿通穴に挿通されると共に、該溶着突起の先端部分が該挿通穴の開口周縁部に溶着係止されて、該フランジ部と該外周壁部が当接状態に固着保持されている
    ことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記第一の仕切部材の前記組付凹所の前記外周壁部には、該組付凹所を該外周壁部の外周側に連通するエア抜孔が形成されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記第一の仕切部材の前記組付凹所に前記第二の仕切部材が前記受圧室側から差し入れられて、該第二の仕切部材の前記フランジ部が該第一の仕切部材の前記外周壁部の端面に該受圧室側から当接した状態で該第一の仕切部材に対して溶着固定されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 仕切部材を挟んだ両側に受圧室と平衡室が形成されると共に、それら受圧室と平衡室の相対的な圧力変動に基づいて変位可能とされた可動部材が該仕切部材で変位量を制限された状態で組み付けられた流体封入式防振装置を製造するに際して、
    外周壁部で囲まれた組付凹所を有する第一の仕切部材と、該組付凹所に差し入れ可能な外周形状で且つかかる差し入れ方向寸法が該組付凹所の深さ寸法より大きくされた第二の仕切部材とを、それぞれ熱可塑性樹脂で形成する工程と、
    該第一の仕切部材の該組付凹所に該第二の仕切部材を差し入れると共に、該第一の仕切部材の底壁部と該第二の仕切部材との重ね合わせ面間で変位量を制限せしめた状態で前記可動部材を組み付ける工程と、
    前記第一の仕切部材の前記組付凹所の前記外周壁部には周上の複数箇所で軸方向端面に突出する溶着突起が一体形成されていると共に、前記第二の仕切部材における前記組付凹所への差し入れ方向の後端側に設けられたフランジ部には周上の複数箇所に挿通穴が貫通形成されており、該溶着突起を該挿通穴に挿通すると共に、該第一の仕切部材の該組付凹所の底壁部に対して該第二の仕切部材の一端側を当接せしめた状態で、該組付凹所の開口部から突出した該第二の取付部材の他端側に設けられたフランジ部を、該第一の仕切部材の該外周壁部の端面に向かって湾曲変形させて押し当てながら、該溶着突起の先端部分を該挿通穴の開口周縁部に溶着係止せしめて該第一の仕切部材に対して溶着固定することにより、該第一の仕切部材の該外周壁部と該第二の仕切部材の該フランジ部とを当接状態に固着保持せしめて前記仕切部材を形成する工程と
    を、含むことを特徴とする流体封入式防振装置の製造方法。
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