JP5081669B2 - 防振装置 - Google Patents

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本発明は、例えば自動車のエンジン等の振動発生部を車体等の振動受部にマウントする際に用いられる防振装置に関する。
この種の防振装置として、従来、例えば下記特許文献1に示されているような、振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、振動発生部および振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、筒部材と取付部材とを弾性的に連結するとともに筒部材の一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、筒部材の他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、ゴム弾性体とダイヤフラムとの間に形成された液室を、隔壁の一部がゴム弾性体で形成された主液室及び隔壁の一部がダイヤフラムで形成された副液室に区画する仕切り部材と、を備えた構成が知られている。上記した仕切り部材は、外周部分にオリフィス通路が形成されて中央部分に凹部が形成されたオリフィス部材と、凹部の開口端に被せられるプレートと、を備えている。上記した凹部とプレートとで囲まれた空間(メンブラン収容室)には、メンブラン弁が振動可能に収容されている。
また、他の構成の防振装置として、従来、例えば下記特許文献2に示されているような、ゴム弾性体に形成された凹溝とダイヤフラムに形成された凹溝とを組み合わせることでオリフィス通路を形成する構成のものが知られている。詳しく説明すると、ゴム弾性体には、筒部材の内周面に沿って形成されるとともに筒部材の内周面に接合された環状の第一リングゴム部が備えられており、この第一リングゴム部の下端面には周方向に延在する凹溝が形成されている。一方、ダイヤフラムには、第一リングゴム部の下端面に合わせられた環状の第二リングゴム部が備えられており、この第二リングゴム部の上端面には、上記した第一リングゴム部の凹溝に対向する凹溝が形成されている。これら第一リングゴム部の凹溝と第二リングゴム部の凹溝とによって、主液室と副液室とを連通するオリフィス通路が形成されている。
特開2006−118583号公報 特開2005−282662号公報
しかしながら、上記した前者の従来の防振装置では、樹脂もしくは金属製のオリフィス部材と金属製のプレートとがカシメ固定されるため、オリフィス部材やプレートの形状の精度のバラツキやカシメ部分のバラツキにより、オリフィス部材とプレートとの接触部分に隙間が生じる場合がある。この場合、部材同士の当たりによって異音が生じるという問題がある。
また、上記した後者の従来の防振装置では、仕切り部材の外周面が筒部材の内周面に当接されているため、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃が仕切り部材を介して筒部材に伝達される。このため、異音を十分に抑えることができないという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、異音レベルを十分に抑えることができる防振装置を提供することを目的としている。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、前記筒部材と前記取付部材とを弾性的に連結するとともに前記筒部材の一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、前記筒部材の他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、を備えた防振装置において、前記ゴム弾性体には、前記筒部材の内周面に沿って形成されるとともに前記筒部材の内周面に接合された環状の第一リングゴム部が備えられ、前記ダイヤフラムには、前記第一リングゴム部の端面に合わせられた環状の第二リングゴム部が備えられ、前記第一リングゴム部及び前記第二リングゴム部の互いに対向する端面には周方向に延在するとともに互いに対向する一対の凹溝がそれぞれ形成され、該一対の凹溝によって前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路が形成されており、前記第一リングゴム部の径方向内側の内壁部と前記第二リングゴム部の径方向内側の内壁部との間に前記仕切り部材の外縁部が前記内壁部の弾性力で挟持され、該仕切り部材の外周面は、前記一対の凹溝の径方向内側の内周面の一部を構成していて、前記一対の凹溝の径方向外側の内周面よりも径方向内側に形成されていることを特徴としている。
このような特徴により、仕切り部材は第一リングゴム部の内壁部と第二リングゴム部の内壁部とによって弾性支持された状態で液室内に設置されており、仕切り部材はゴム部と接触しているので、その接触部分に隙間が生じにくい。また、オリフィス通路の主液室側の出入口付近でキャビテーション現象が発生し易いが、オリフィス通路がゴム(第一リングゴム部、第二リングゴム部)で形成され、且つ、仕切り部材の外周面が一対の凹溝の径方向外側の内周面よりも径方向内側に形成されているため、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃が筒部材に伝わりにくい。
また、本発明に係る防振装置は、前記第一リングゴム部の内壁部に、前記主液室と前記オリフィス通路とを連通する主液室側オリフィス開口が形成されるとともに、前記第二リングゴム部の内壁部に、前記副液室と前記オリフィス通路とを連通する副液室側オリフィス開口が形成され、前記第一リングゴム部及び前記第二リングゴム部のうちの何れか一方に形成された凹溝が、前記筒部材の中心軸線周りに円環状に形成され、他方に、前記円環状の凹溝の内側に嵌合されて前記オリフィス通路を閉塞する隔壁部が設けられていることが好ましい。
これにより、ゴム弾性体とダイヤフラムとを相対的に筒部材の中心軸周りに回転させることで、オリフィス通路の流路長が変更される。
また、本発明に係る防振装置は、前記仕切り部材に、径方向外側の外端面が前記第一リングゴム部または前記第二リングゴム部の内周面に当接した位置決め部が備えられていることが好ましい。
これにより、位置決め部が第一又は第二リングゴム部に係止されるので、仕切り部材の径方向への移動が規制され、仕切り部材が一定の位置で保持される。
また、本発明に係る防振装置は、前記仕切り部材に、前記筒部材の中心軸線に対して垂直に配設された基板部が備えられ、該基板部と前記位置決め部とが、前記中心軸線方向に間隔をあけて対向配置され、該基板部と該位置決め部との間に、前記中心軸線方向に振動可能であって前記基板部及び前記位置決め部にそれぞれ形成された連通口を開閉するメンブラン弁が収容されていることが好ましい。
これにより、防振装置に振動が入力されてゴム弾性体が弾性変形すると、ゴム弾性体が弾性変形に伴って主液室内の液圧が変化し、その変化する液圧が連通口を介してメンブラン弁に作用する。このとき、入力振動が大振幅且つ低周波数域のシェイク振動の場合には、メンブラン弁が基板部又は位置決め部に密着した状態となり、連通口を閉塞する。つまり、仕切り部材の径方向への移動が規制する位置決め部は、メンブラン弁を収容する空間(メンブラン収容室)を画成するための一方の壁部を兼ねており、メンブラン弁の一方の弁座となる。
また、本発明に係る防振装置は、前記仕切り部材において前記基板部と前記位置決め部との間の空間は径方向外側に向けて開放されていることが好ましい。
これにより、径方向外側から基板部と位置決め部との間にメンブラン弁を挿入することが可能となり、メンブラン弁が仕切り部材に容易に組み付けられる。
また、本発明に係る防振装置は、前記メンブラン弁がC字形状に形成されていることが好ましい。
これにより、主液室とオリフィス通路とを連通する主液室側オリフィス開口を確保し易い。すなわち、メンブラン弁の両端の間に形成された開放部分が主液室側オリフィス開口に対向するようにメンブラン弁を配置することで、十分な開口面積の主液室側オリフィス開口を形成することが可能である。
また、本発明に係る防振装置は、前記基板部及び前記位置決め部のうち、主液室側に配設された一方に、前記メンブラン弁の一部の主液室側への変形を許容する切り欠き部が形成されていることが好ましい。
これにより、防振装置に大振動が入力されて主液室内の液圧が大幅に低下した場合、メンブラン弁の一部が切り欠き部のところで主液室側に変形して隙間が形成される。この隙間によって圧抜きが行われ、主液室の液圧低下が抑えられる。
本発明に係る防振装置によれば、仕切り部材とゴム部(第一リングゴム部、第二リングゴム部)との接触部分に隙間が生じにくいため、部材同士の当たりによる異音の発生を抑止することができる。また、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃が筒部材に伝わりにくいため、キャビテーション現象による異音レベルを抑えることができる。
以下、本発明に係る防振装置の実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1は本実施の形態における防振装置1を後述する内筒7の軸線方向に沿って切断した断面図であり、図2は本実施の形態における防振装置1を後述する内筒7の軸線に直交する方向に沿って切断した断面図であり、図3は本実施の形態における防振装置1の分解斜視図であり、図4は後述するゴム弾性体8の部分斜視図であり、図5は本実施の形態における防振装置1の破断斜視図であり、図6は後述する仕切り部材4を主液室9A側からみた平面図である。
なお、本実施の形態では、図1、図2における下側がバウンド側、つまり防振装置1を設置した際に静荷重(初期荷重)が入力される方向であり、また、図1、図2における上側がリバウンド側、つまり前記静荷重の入力方向の反対側である。以下の説明においてバウンド側(他方側)を下側とし、リバウンド側(一方側)を上側とする。また、本実施の形態では、後述する内筒7の軸線方向(図1における横方向)を前後方向とし、内筒7の軸線方向に直交する水平方向(図2における横方向)を左右方向とする。さらに、図1、図2に示す符号Lは後述する外筒6の中心軸線を示しており、以下、単に軸線Lと記す。
防振装置1は、振動発生部の一例であるエンジンを振動受部の一例である車体にマウントさせる際に用いられるものであり、振動発生部の振動を減衰させるための装置である。図1から図3に示すように、防振装置1は、本体ゴム2に、メンブラン弁3が組み付けられた仕切り部材4と、ダイヤフラム5と、がそれぞれ組み付けられた構成になっている。詳しく説明すると、防振装置1は、図示せぬ車体ブラケットを介して図示せぬ車体に連結される外筒6(本発明における筒部材に相当する。)と、外筒6の上方に配設されて図示せぬエンジンブラケットを介して図示せぬエンジンに連結される内筒7(本発明における取付部材に相当する。)と、外筒6と内筒7とを弾性的に連結するゴム弾性体8と、外筒6の下端に設けられたダイヤフラム5と、ゴム弾性体8とダイヤフラム5との間に形成された液室9を主液室9Aと副液室9Bとに区画する仕切り部材4と、を備える基本構成である。なお、上記した本体ゴム2は、外筒6と内筒7とゴム弾性体8とから構成されている。
外筒6は、両端がそれぞれ開放された略円筒状の金具である。外筒6の上端部には、外筒6の径方向内側に折り曲げられてゴム弾性体8内に埋設されたインナー補強部60が形成されている。このインナー補強部60は、外筒6を構成する円筒金具の上端部をその内側に折り返して形成される板部であり、外筒6の全周に亘って形成されている。具体的に説明すると、インナー補強部60は、外筒6の上端から下方に向かうに従い漸次縮径されたテーパー部61と、テーパー部61の下端から下方に垂下された円筒部62と、から構成されている。円筒部62は、後述する本体ゴム側リングゴム部80の内壁部85内に埋設されている。一方、外筒6の下端部には、径方向外側に折り曲げられて後述するダイヤフラムリング50のフランジ部56にカシメ固定されるカシメ部63が形成されている。
内筒7は、軸線Lに直交する方向に延在して両端がそれぞれ開放された略角筒形状のものである。内筒7は、ゴム材料により形成されており、ゴム弾性体8と一体に形成されている。詳しく説明すると、軸線Lの垂直面と平行する底版部70と、底版部70の上面に立設されて互いに間隔をあけて対向する一対の側壁部71,71と、一対の側壁部71,71の上端間に架設された上壁部72と、から構成されている。底版部70内には、下方に向けて膨出した皿状の第一補強プレート73が埋設されている。また、一対の側壁部71,71及び上壁部72の内側には、内筒7の軸線方向(前後方向)に延在する断面視コ字形状の第二補強プレート74が埋設されている。
ゴム弾性体8は、外筒6の上端側の開口端を閉塞するゴム弾性体である。詳しく説明すると、ゴム弾性体8は、外筒6の内周面に沿って形成された円環状の本体ゴム側リングゴム部80(本発明における第一リングゴム部に相当する。)と、本体ゴム側リングゴム部80と内筒7の底版部70との間に介在された略円錐状のドームゴム部81と、を備えている。
ドームゴム部81の下面には、上方に向かうに従い漸次縮径された空洞部82が形成されており、この空洞部82が主液室9Aとなっている。本体ゴム側リングゴム部80は、外筒6の内周面に加硫接着されており、その内側にはインナー補強部60が埋設されている。
図4に示すように、本体ゴム側リングゴム部80の下端面には、周方向に延在する断面視略矩形の凹溝83が形成されている。この凹溝83は、軸線L周りに略円環状に延設されている。また、本体ゴム側リングゴム部80には、本体ゴム側リングゴム部80の下端面よりも下方に向けて突出した略円弧状の隔壁部84が形成されている。この隔壁部84は、本体ゴム側リングゴム部80の凹溝83の内側に設けられており、この隔壁部84により凹溝83の一部の区間が閉塞され、凹溝83は平面視略C字形に形成されている。
また、本体ゴム側リングゴム部80の径方向内側の内壁部85には、後述するオリフィス通路10と主液室9Aとを連通する主液室側オリフィス開口86が形成されている。この主液室側オリフィス開口86は、凹溝83の径方向内側に形成された略円筒状の内壁部85の一部分を切り欠いた切り欠き部であり、この主液室側オリフィス開口86を介して凹溝83の内側と主液室9Aとが連通されている。また、主液室側オリフィス開口86は、隔壁部84が設けられた位置に周方向に隣接して配設されており、主液室側オリフィス開口86の周方向一方側の側端面は、隔壁部84の周方向他方側の端面に対して連続的(面一)に形成されている。
図1から図3に示すように、ダイヤフラム5は、外筒6の下端側の開口端を閉塞する閉塞部材であり、外筒6の下端に固定されるダイヤフラムリング50と、ダイヤフラムリング50の内側に設けられたダイヤフラムゴム51と、ダイヤフラムリング50に加硫接着されたダイヤフラム側リングゴム部52(本発明における第二リングゴム部に相当する。)と、を備えている。
ダイヤフラムリング50は、軸線Lを中心軸線にして配設された断面視略L字形状のリング金具であり、軸線Lの垂直面に沿って配設された円環部53と、円環部53の外縁部から立設された円筒状の外筒部54と、円環部53の内縁部から立設された円筒状の内筒部55と、外筒部54の上端から径方向外側に突出したフランジ部56と、を備えている。上記した内筒部55は、後述するダイヤフラム側リングゴム部52の内壁部58内に埋設されている。
ダイヤフラムゴム51は、副液室7B内の液圧(内圧)の変化に応じて変形可能な薄膜ゴムであり、その中央部分が上方に向けて半球状に膨出されている。このダイヤフラムゴム51の外周部は、ダイヤフラムリング50の円環部53の下面に加硫接着されており、このダイヤフラムゴム51によってダイヤフラムリング50の内側が閉塞されている。
ダイヤフラム側リングゴム部52は、本体ゴム側リングゴム部80の下端面に合わせられた円環状のゴム部であり、ダイヤフラムリング50の外筒部54の内周面に沿って形成されている。ダイヤフラム側リングゴム部52は、その外周面がダイヤフラムリング50の外筒部54の内周面に、そして、その下面が円環部53の上面にそれぞれ加硫接着されている。ダイヤフラム側リングゴム部52の内周部はダイヤフラムゴム51の外周部に連結されており、ダイヤフラム側リングゴム部52はダイヤフラムゴム51に一体に形成されている。
ダイヤフラム側リングゴム部52の上端面には、周方向に延在する断面視略矩形の凹溝57が形成されている。この凹溝57は、軸線L周りに略円環状に延設されており、本体ゴム側リングゴム部80の凹溝83に対向して形成されている。また、ダイヤフラム側リングゴム部52の凹溝57の内側には、上記した本体ゴム側リングゴム部80の隔壁部84の先端部が嵌合されており、この隔壁部84により凹溝57の一部の区間が閉塞されている。
また、ダイヤフラム側リングゴム部52の径方向内側の内壁部58には、後述するオリフィス通路10と副液室9Bとを連通する副液室側オリフィス開口59が形成されている。この副液室側オリフィス開口59は、凹溝57の径方向内側に形成された略円筒状の内壁部58の一部分を切り欠いた切り欠き部であり、この副液室側オリフィス開口59を介して凹溝57の内側と副液室9Bとが連通されている。
図1、図2、図5に示すように、上記したダイヤフラム側リングゴム部52の凹溝57と本体ゴム側リングゴム部80の凹溝83とによって、主液室9Aと副液室9Bとを連通する断面視略矩形のオリフィス通路10が形成されている。すなわち、オリフィス通路10は、外筒6及びダイヤフラムリング50の周方向に沿って延在されており、主液室側オリフィス開口86を介して主液室9Aに連通されており、副液室側オリフィス開口59を介して副液室9Bに連通されている。このオリフィス通路10は、上記した隔壁部84によってその一部の区間が閉塞されており、主液室側オリフィス開口86と副液室側オリフィス開口59とを結ぶ円弧状のオリフィス通路10が形成されている。また、このオリフィス通路10は、防振装置1に振動が入力された際に当該オリフィス通路10を流通する液体に液柱共振(共振現象)を生じさせて上記振動を減衰させるための液路であり、大振幅かつ低周波数域(例えば8Hz〜15Hz)の共振振動であるシェイク振動の周波数及び振幅に対応するように設定(チューニング)されている。
液室9は、液体が封入された密閉空間であり、その内部に配設された仕切り部材4によって、リバウンド側の主液室9Aとバウンド側の副液室9Bとに区画されている。主液室9Aは、隔壁の一部(上壁)がゴム弾性体8で形成された室であり、主液室9Aの内容積は、ドームゴム部81の変形により変化する。副液室9Bは、隔壁の一部(下壁)がダイヤフラム5で形成された室であり、副液室9Bの内容積は、副液室9B内の液圧(内圧)の変化によってダイヤフラムゴム51が変形することで変化する。
図1から図3、及び図6に示すように、仕切り部材4は、軸線Lに対して垂直に配設された平面視円形の基板部40と、基板部40の上面の中央部分に立設された略円筒状の内壁部41と、内壁部41の上端部から径方向外側に突出した上壁部42(本発明における位置決め部に相当する。)と、上壁部42の周方向の両端部と基板部40との間に形成された一対の端壁部43,43と、から構成されている。
基板部40の外縁部は、本体ゴム側リングゴム部80の内壁部85とダイヤフラム側リングゴム部52の内壁部58との間に、上下の内壁部58,85の弾性力で挟持されている。すなわち、上下の内壁部58,85にはそれぞれ予圧縮力が付与されており、この予圧縮力により基板部40の外縁部が弾性支持されている。基板部40の外周面40aは、上記した一対の凹溝57,83(オリフィス通路10)の径方向外側の内周面57a,83aよりも径方向内側に形成されている。具体的に説明すると、基板部40の外周面40aは一対の凹溝57,83(オリフィス通路10)の径方向内側の内周面57b,83bと略面一に形成されており、基板部40の外周面40aがオリフィス通路10の径方向内側の内周面の一部を構成している。つまり、基板部40の外径と凹溝57,83(オリフィス通路10)の内径とが略同一になっており、基板部40の中心が軸線L上に配置されるように仕切り部材4が位置決めされている。また、基板部40には、後述するメンブラン収容室47と副液室9Bとを連通する複数の連通口44が形成されている。これら複数の連通口44は、上壁部42に対向する位置にそれぞれ形成されており、所定間隔をあけてC字状(円弧状)に並べて配設されている。
内壁部41は、軸線Lを中心軸にして配設された平面視C形の円筒壁部であり、C字状に並設された複数の連通口44の内側に配設されている。内壁部41は、そのC形の両側端間に形成さrた開口部分が主液室側オリフィス開口86に対して径方向に対向するように配設されている。
上壁部42は、仕切り部材4を本体ゴム2に対して所定の位置に設置するための位置決め部であり、軸線Lの垂直面に平行するとともに内壁部41の外周面に沿って延在する平面視C字形状の板部である。上壁部42は、基板部40の上方に間隔をあけて対向配置されている。また、上壁部42は、そのC形の両端間に形成された開口部分が主液室側オリフィス開口86に対して径方向に対向するように配設されている。上壁部42の径方向外側の外周面(外端面)は、本体ゴム側リングゴム部80の内周面に当接されている。詳しく説明すると、上壁部42は、本体ゴム側リングゴム部80の内側に圧入嵌合されており、上壁部42の外周面は、全周に亘って本体ゴム側リングゴム部80の内周面に圧接されている。
上壁部42には、後述するメンブラン収容室47と主液室9Aとを連通する複数の連通口45が形成されている。これら複数の連通口45は、基板部40の連通口44に対向する位置にそれぞれ形成されており、上壁部42の周方向に沿って所定間隔をあけて並べて配設されている。また、上壁部42の周方向の一方端には、後述するメンブラン弁3の周方向の一端部の上方(主液室9A側)への変形を許容する切り欠き部46が形成されている。この切り欠き部46は、上壁部42の径方向外側の外周部分に形成されており、連通口45Aに径方向に隣接して形成されている。つまり、上壁部42の周方向の一方端に形成された連通口45Aは、その径方向外側の部分が切り欠き部46によって切除された状態になっており、切り欠き部46を介して径方向外側に開放され、平面視略凹状に形成されている。
端壁部43は、基板部40に対して垂直に立設された壁部である。一対の端壁部43,43は、仕切り部材4の径方向の内側から外側に向かうに従い、その間隔が漸次拡幅されるように、平面視においてハ字状に配設されている。端壁部43の径方向内側の側端面は、内壁部41の周方向の端部に連結されており、端壁部43の径方向外側の側端面は、本体ゴム側リングゴム部80の内周面に当接(圧接)されている。
上記した基板部40と上壁部42との間には、メンブラン弁3を収容するメンブラン収容室47が形成されている。このメンブラン収容室47は、上記した基板部40と内壁部41と上壁部42と端壁部43とで囲まれた空間であり、平面視C字形状の空間である。仕切り部材4においては、メンブラン収容室47が径方向外側に向けて開放されている。そして、仕切り部材4が本体ゴム2に組み付けられることで、そのメンブラン収容室47の径方向外側が本体ゴム側リングゴム部80によって閉塞される。つまり、仕切り部材4の外周面には、径方向外側からメンブラン収容室47にメンブラン弁3を挿入するための開放口48が形成されている。
メンブラン弁3は、平面視C字形状に形成されたゴム板である。このメンブラン弁3は、基板部40及び上壁部42にそれぞれ形成された連通口44,45を開閉する弁体であり、メンブラン収容室47内に軸線L方向に振動可能に収容されている。このメンブラン弁3の上下面には、周方向に延在する弾性変形可能な凸条部30が径方向に複数形成されており、これらの凸条部30が基板部40の上面や上壁部42の下面に当接可能になっている。また、メンブラン弁3の上下面には、メンブラン弁3の縁部に沿って延在する弾性変形可能なシール部31が突設されている。
次に、上記した構成からなる防振装置1の製造工程について説明する。
まず、外筒6と内筒7とゴム弾性体8とからなる本体ゴム2を形成する工程を行う。詳しく説明すると、内筒7及びゴム弾性体8の金型の中に外筒6及び第一,第二補強プレート73,74をそれぞれ所定位置に配置するとともに、外筒6及び第一,第二補強プレート73,74のゴム接着部分にそれぞれ接着剤を塗布する。その後、上記金型の中に加硫ゴムを流し込んで内筒7及びゴム弾性体8を加硫成形する。そして、上記した内筒7やゴム弾性体8の硬化後に上記金型を取り外す。これにより、本体ゴム2が製作される。
次に、仕切り部材4のメンブラン収容室47内にメンブラン弁3を挿入する工程を行う。詳しく説明すると、仕切り部材4の径方向外側(開放口48)からメンブラン収容室47内にメンブラン弁3を挿入する。これにより、メンブラン弁3が仕切り部材4に容易に組み付けられる。また、このとき、C字形のメンブラン弁3の開口部分が仕切り部材4の内壁部41によって押し拡げられ、メンブラン弁3が弾性変形しつつ内壁部41の外周に装着される。これにより、メンブラン収容室47内に収容されたメンブラン弁3は、その周方向の両端部分が内壁部41に引っ掛かるため、メンブラン収容室47から抜けにくい。
次に、上述したようにメンブラン弁3が組み付けられた仕切り部材4を本体ゴム2に組み付ける工程を行う。詳しく説明すると、本体ゴム側リングゴム部80の内側に、仕切り部材4の上壁部42を圧入嵌合し、仕切り部材4の基板部40の外縁部上面を本体ゴム側リングゴム部80の内壁部85の下端面に当接させる。これにより、上壁部42が本体ゴム側リングゴム部80に係止され、仕切り部材4の径方向への移動が規制され、仕切り部材4が一定の位置で保持される。
次に、上述したように仕切り部材4が組み付けられた本体ゴム2にダイヤフラム5を組み付ける工程を行う。詳しく説明すると、まず、予めダイヤフラムリング50の内側にダイヤフラムゴム51及びダイヤフラム側リングゴム部52をそれぞれ形成しておく。具体的には、ダイヤフラムリング50のゴム接着部分に接着剤を塗布した後、ダイヤフラムリング50の内側にダイヤフラムゴム51及びダイヤフラム側リングゴム部52を一体的に加硫成形し、ダイヤフラム5を製作する。次に、ダイヤフラム側リングゴム部52の上端面を本体ゴム側リングゴム部80の下端面に重ね合わせるように、本体ゴム2の下面にダイヤフラム5を配置する。このとき、本体ゴム側リングゴム部80の内壁部85とダイヤフラム側リングゴム部52の内壁部58との間に仕切り部材4の基板部40の外縁部が挟み込まれる。続いて、本体ゴム2とダイヤフラム5とを圧縮しつつ、外筒6のカシメ部63をダイヤフラムリング50のフランジ部56にカシメ固定する。これにより、本体ゴム側リングゴム部80及びダイヤフラム側リングゴム部52にそれぞれ予圧縮力が付与され、仕切り部材4は、本体ゴム側リングゴム部80の内壁部85とダイヤフラム側リングゴム部52の内壁部58とによって弾性支持された状態で液室9内に設置される。このとき、仕切り部材4の基板部40の外縁部はゴム部(内壁部58,85)と接触しているので、その接触部分に隙間が生じにくい。また、本体ゴム2(本体ゴム側リングゴム部80)とダイヤフラム5(ダイヤフラム側リングゴム部52)とを相対的に軸線L周りに回転させることで、オリフィス通路10の流路長が変更される。
次に、液室9内に液体を封入する工程を行う。詳しく説明すると、外筒6の内側に形成された液室9内を真空にし、その真空状態の液室9内に図示せぬ液体注入口から液体を注入して液室9内に液体を充填し、その後、前記液体注入口を閉塞させて液室9を封止する。
以上により、防振装置1の製造が完了する。
次に、上記した構成からなる防振装置1の作用について説明する。
上記した構成からなる防振装置1では、車両におけるエンジンからの振動が図示せぬエンジンブラケットを介して内筒7に伝達され、さらに内筒7からゴム弾性体8に伝達され、ゴム弾性体8が弾性変形する。このとき、ゴム弾性体8は振動吸収主体として作用し、ゴム弾性体8の内部摩擦等に基づく吸振作用によって振動が吸収され、外筒6から図示せぬ車体ブラケットを介して車体側へ伝播する振動が低減される。
また、上記した防振装置1に、相対的に周波数が低く振幅が大きいシェイク振動が入力されると、このシェイク振動によってゴム弾性体8が弾性変形し、主液室9A内に、相対的に大きな液圧変化が生じ、主液室9A内の液圧は周期的に大きな昇降を繰り返す。このとき、主液室9A内の液圧が上壁部42の連通口45を介してメンブラン弁3に作用する。これにより、主液室9A内の液圧変化に同期してメンブラン弁3が軸線L方向に振動し、基板部40の上面又は上壁部42の下面にメンブラン弁3が密着し、基板部40の連通口44又は上壁部42の連通口45がメンブラン弁3によって閉塞される。具体的に説明すると、主液室9Aの内容積が収縮して主液室9A内の液圧が上昇したときには、メンブラン弁3は基板部40の上面に当接し、反対に、主液室9Aの内容積が拡大して主液室9A内の液圧が低下したときには、メンブラン弁3は上壁部42の下面に当接する。このように、仕切り部材4の径方向への移動が規制する上壁部42は、メンブラン収容室47を画成するための一方の壁部を兼ねており、メンブラン弁3の一方の弁座となる。また、このとき、メンブラン弁3の凸条部30が弾性変形した状態で基板部40の上面や上壁部42の下面に押し付けられるので、メンブラン弁3の基板部40又は上壁部42との密着性が向上する。また、メンブラン弁3のシール部31が弾性変形した状態で基板部40の上面や上壁部42の下面に押し付けられるので、連通口44,45がメンブラン弁3によって確実に密閉される。
上記したように連通口44,45がメンブラン弁3によって閉塞されると、液体がメンブラン収容室47内を通って主液室9Aと副液室9Bとの間で流通しなくなり、オリフィス通路10のみを通って主液室9Aと副液室9Bとの間で液体が相互に流通する。このとき、オリフィス通路10はシェイク振動に対応するようにチューニングされているため、上述したように液室9内の液体がオリフィス通路10を通って主液室9Aと副液室9Bとの間を往来する際、当該オリフィス通路10を流通する液体に液柱共振が生じる。このため、防振装置1に入力されたシェイク振動は、オリフィス通路10における液柱共振によって減衰され、車体側に伝達されるシェイク振動は低減される。
一方、防振装置1に、相対的に高い周波数、つまり前述した低周波数域よりも小さい周波数(例えば13Hz〜天板部40Hz)で振幅が小さいアイドル振動が入力されると、このアイドル振動によってゴム弾性体8が弾性変形し、主液室9A内に、相対的に小さな液圧変化が生じ、主液室9A内の液圧は周期的に小さい昇降を繰り返す。このとき、シェイク振動に適合するようにチューニングされたオリフィス通路10には液体が流れ難くなる。しかしながら、メンブラン弁3がメンブラン収容室47内で主液室9Aの液圧変化に同期して軸線L方向に振動することにより、主液室9A内の液圧変化が緩和される。このため、防振装置1に入力されたアイドル振動は、メンブラン弁3の振動によって減衰され、車体側に伝達されるアイドル振動は低減される。
また、防振装置1に大きなバウンド方向の振動が入力されて主液室9Aの液圧が急激に上昇した後、その反動で、リバウンド方向に振動が入力されて主液室9Aが負圧になったとき、主液室側オリフィス開口86から主液室9Aにかけて液中に多数の気泡が生成されるキャビテーション現象が発生する場合がある。上記した防振装置1では、オリフィス通路10がゴム(本体ゴム側リングゴム部80、ダイヤフラム側リングゴム部52)で形成され、且つ、仕切り部材4(基板部40)が一対の凹溝57,83の径方向外側の内周面57a,83aよりも径方向内側に形成されているため、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃が外筒6に伝わりにくい。
また、防振装置1では、上述したように防振装置1に大振動が入力されて主液室9A内の液圧が大幅に低下した場合、メンブラン弁3の一端部が切り欠き部46のところで主液室9A側(上方)に変形して隙間が形成される。この隙間によって圧抜きが行われ、主液室9Aの液圧低下が抑えられる。これにより、上記したキャビテーション現象の発生が抑制される。
上記した構成からなる防振装置1によれば、仕切り部材4(基板部40の外縁部)とゴム部(本体ゴム側リングゴム部80、ダイヤフラム側リングゴム部52)との接触部分に隙間が生じにくいため、部材同士の当たりによる異音の発生を抑止することができる。
また、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃が外筒6に伝わりにくいため、キャビテーション現象による異音レベルを抑えることができる。
また、主液室9A内の液圧が大幅に低下した場合、切り欠き部46の部分で圧抜きが行われ、主液室9Aの液圧低下が抑えられ、キャビテーション現象の発生が抑制されるので、キャビテーション現象による異音の発生を防止することができる。
また、本体ゴム2とダイヤフラム5とを相対的に軸線L周りに回転させることで、オリフィス通路10の流路長を変更することが可能なので、オリフィス通路10のチューニングを容易に行うことができ、要求に応じてオリフィス通路10のチューニングを容易に変更することができる。
上壁部42によって仕切り部材4の径方向への移動が規制され、仕切り部材4が一定の位置で保持されるので、仕切り部材4のガタツキを防止することができ、防振装置1の性能を安定して発揮させることができる。
また、上記した上壁部42がメンブラン収容室47の一方の壁部(弁座)を兼ねているので、部品数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
また、径方向外側からメンブラン収容室47にメンブラン弁3を挿入することが可能であり、メンブラン弁3が仕切り部材4に容易に組み付けられるので、生産性を向上させることができるとともに、上壁部42と基板部40とを一体に形成することができ、部品数を減らしてコストダウンを図ることができる。
また、メンブラン弁3がC字形状に形成されていることで、主液室側オリフィス開口86を確保し易い。すなわち、メンブラン弁3の両端の間に形成された開放部分が主液室側オリフィス開口86に対向するようにメンブラン弁3を配置することで、仕切り部材4の形状を複雑化することなく、十分な開口面積の主液室側オリフィス開口86を形成することが可能である。これにより、仕切り部材4の構成の簡素化を図ることができ、生産性の向上及びコストダウンを図ることができる。
以上、本発明に係る防振装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、内筒7に、振動発生源である図示せぬエンジンがエンジン側ブラケットを介して連結され、外筒6に、振動受部である図示せぬ車体が車体側ブラケット等を介して連結されているが、本発明は、内筒7(取付部材)に振動受部が連結され、外筒6(筒部材)にエンジン側ブラケット等を介して振動発生源が連結されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、車両のエンジンマウントとして適用される防振装置1について説明しているが、本発明に係る防振装置はエンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、本発明に係る防振装置を、建設機械に搭載された発電機のマウントとして適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントとして適用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、内筒7が軸線Lに直交する方向に延在されており、内筒7の内側にエンジン側ブラケットの圧入部が圧入される構成になっているが、本発明は、外筒6と同軸上に内筒7が配設されていてもよく、或いは、雌ねじ部が形成された内筒が備えられ、その雌ねじ部にボルトを螺着させることでブラケットが取り付けられる構成であってもよい。
また、上記した実施の形態では、外筒6の下端部にダイヤフラムリング50がカシメ固定されているが、本発明は、ダイヤフラムリング50が外筒6にカシメ固定された構成に限定されず、例えば、ダイヤフラムリング50が外筒6に止め具等によって固定されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、中央部分が上方に向かって膨出した形状のダイヤフラムゴム51を有するダイヤフラム5が備えられているが、本発明におけるダイヤフラムは、
上記した構成に限定されず、ダイヤフラムゴムの中央部分に膨出した部分が形成されてなく、ダイヤフラムゴムが弛緩した状態でダイヤフラムリング50の内側に張設された構成にすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、本体ゴム2と仕切り部材4とダイヤフラム5とを組み立てた後、液室9内を真空にして液体を注入する真空注入法を採用しているが、本発明は、液室9内に充填する液体の中で、上記した本体ゴム2と仕切り部材4とダイヤフラム5とを組み立てることで、液室9内に液体を充填する液中組み立て法を採用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、主液室9Aが鉛直方向上側に位置し、且つ副液室9Bが鉛直方向下側に位置するように取り付けられて設置される圧縮式の防振装置1について説明しているが、本発明は、主液室9Aが鉛直方向下側に位置し、且つ副液室9Bが鉛直方向上側に位置するように取り付けられて設置される吊り下げ式の防振装置に適用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、本体ゴム側リングゴム部80に隔壁部84が設けられ、この隔壁部84が、円環状に形成されたダイヤフラム側リングゴム部52の凹溝57の内側に嵌合させる構成になっているが、本発明は、ダイヤフラム側リングゴム部52に隔壁部84が設けられ、円環状に形成された本体ゴム側リングゴム部80の凹溝83に隔壁部84が嵌合される構成であってもよい。また、本発明は、隔壁部84を省略することも可能であり、その場合、凹溝を円環状に形成する必要はなく、例えば円弧状に形成することも可能である。
また、上記した実施の形態では、仕切り部材4には、径方向外側の外端面が本体ゴム側リングゴム部80の内周面に当接する上壁部42(位置決め部)が備えられているが、本発明は、径方向外側の外端面がダイヤフラム側リングゴム部52の内周面に当接する位置決め部が備えられた仕切り部材4であってもよい。例えば、仕切り部材4を上下反転させて用いることも可能であり、基板部40の下方(副液室9B側)に下壁部(位置決め部)が配設された構成にすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、仕切り部材4の径方向の移動を規制する上壁部42(位置決め部)がメンブラン収容室47の一方の壁部も兼ねているが、本発明は、メンブラン収容室47の一方の壁部とは別に、位置決め部を形成してもよく、或いは、位置決め部を省略することも可能である。
また、上記した実施の形態では、仕切り部材4においてメンブラン収容室47は径方向外側に向けて開放されているが、本発明は、仕切り部材4においてメンブラン収容室47の径方向外側が閉塞されていてもよい。例えば、上壁部42が基板部40や内壁部41から取り外し可能な構成にし、メンブラン収容室47内にメンブラン弁3を収容させた後、上壁部42を取り付ける構成にすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、メンブラン弁3がC字形状に形成されているが、本発明は、他の形状のメンブラン弁を用いることも可能である。例えば、円形のメンブラン収容室の場合、円形状のメンブラン弁を用いることが可能である。或いは、複数の弁片からなるメンブラン弁であってもよい。
また、上記した実施の形態では、上壁部42(位置決め部)の周方向の一端部に切り欠き部46が形成されているが、本発明は、位置決め部が副液室側に配設され、基板部が主液室側に配設されている場合、切り欠き部46は基板部に形成される。また、本発明は、切り欠き部46が上壁部42(位置決め部または基板部)の周方向の端部に形成されている構成に限定されず、周方向の中央部分に切り欠き部46が形成されていてもよい。また、切り欠き部46は複数形成されていてもよく、或いは、切り欠き部46を省略することも可能である。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施の形態を説明するための防振装置の断面図である。 本発明の実施の形態を説明するための防振装置の断面図である。 本発明の実施の形態を説明するための防振装置の分解斜視図である。 本発明の実施の形態を説明するための防振装置の部分斜視図である。 本発明の実施の形態を説明するための防振装置の破断斜視図である。 本発明の実施の形態を説明するための仕切り部材の平面図である。
符号の説明
1 防振装置
3 メンブラン弁
4 仕切り部材
5 ダイヤフラム
6 外筒(筒部材)
7 内筒(取付部材)
8 ゴム弾性体
9 液室
9A 主液室
9B 副液室
10 オリフィス通路
40 基板部
42 上壁部(位置決め部)
44 連通口
45 連通口
46 切り欠き部
52 ダイヤフラム側リングゴム部(第二リングゴム部)
57 凹溝
58 内壁部
59 副液室側オリフィス開口
80 本体ゴム側リングゴム部(第一リングゴム部)
83 凹溝
84 隔壁部
85 内壁部
86 主液室側オリフィス開口
L 軸線(中心軸線)

Claims (7)

  1. 振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、
    前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、
    前記筒部材と前記取付部材とを弾性的に連結するとともに前記筒部材の一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、
    前記筒部材の他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、
    前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、
    を備えた防振装置において、
    前記ゴム弾性体には、前記筒部材の内周面に沿って形成されるとともに前記筒部材の内周面に接合された環状の第一リングゴム部が備えられ、
    前記ダイヤフラムには、前記第一リングゴム部の端面に合わせられた環状の第二リングゴム部が備えられ、
    前記第一リングゴム部及び前記第二リングゴム部の互いに対向する端面には周方向に延在するとともに互いに対向する一対の凹溝がそれぞれ形成され、該一対の凹溝によって前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路が形成されており、
    前記第一リングゴム部の径方向内側の内壁部と前記第二リングゴム部の径方向内側の内壁部との間に前記仕切り部材の外縁部が前記内壁部の弾性力で挟持され、該仕切り部材の外周面は、前記一対の凹溝の径方向内側の内周面の一部を構成していて、前記一対の凹溝の径方向外側の内周面よりも径方向内側に形成されていることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置において、
    前記第一リングゴム部の内壁部に、前記主液室と前記オリフィス通路とを連通する主液室側オリフィス開口が形成されるとともに、前記第二リングゴム部の内壁部に、前記副液室と前記オリフィス通路とを連通する副液室側オリフィス開口が形成され、
    前記第一リングゴム部及び前記第二リングゴム部のうちの何れか一方に形成された凹溝は、前記筒部材の中心軸線周りに円環状に形成され、他方には、前記円環状の凹溝の内側に嵌合されて前記オリフィス通路を閉塞する隔壁部が設けられていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1または2記載の防振装置において、
    前記仕切り部材には、径方向外側の外端面が前記第一リングゴム部または前記第二リングゴム部の内周面に当接した位置決め部が備えられていることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項3記載の防振装置において、
    前記仕切り部材には、前記筒部材の中心軸線に対して垂直に配設された基板部が備えられ、
    該基板部と前記位置決め部とは、前記中心軸線方向に間隔をあけて対向配置され、
    該基板部と該位置決め部との間には、前記中心軸線方向に振動可能であって前記基板部及び前記位置決め部にそれぞれ形成された連通口を開閉するメンブラン弁が収容されていることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項4記載の防振装置において、
    前記仕切り部材において前記基板部と前記位置決め部との間の空間は径方向外側に向けて開放されていることを特徴とする防振装置。
  6. 請求項4または5に記載の防振装置において、
    前記メンブラン弁はC字形状に形成されていることを特徴とする防振装置。
  7. 請求項4から6のいずれか記載の防振装置において、
    前記基板部及び前記位置決め部のうち、主液室側に配設された一方には、前記メンブラン弁の一部の主液室側への変形を許容する切り欠き部が形成されていることを特徴とする防振装置。
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