JP2009275748A - 防振装置、及び防振装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】性能の安定性を向上させ、電蝕を防止し、部品数の増加を抑えることを目的とする。
【解決手段】振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材3と、振動発生部および振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材4と、筒部材3と取付部材4とを弾性的に連結するとともに筒部材3の軸線方向一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体5と、筒部材3の軸線方向他方側の開口端を閉塞するダイヤフラム6と、ゴム弾性体5とダイヤフラム6との間に形成された液室7を主液室7Aと副液室7Bとに区画する仕切り部材8を備えた防振装置1において、筒部材3には、液室7に液体を注入するための注入口36が形成され、筒部材3の内側には、注入口36から液室7に液体を導通するための流路9が形成され、流路9は、筒部材3を筒部材3の内方側に塑性変形させることで潰れるように変形して閉塞されている。
【選択図】図1
【解決手段】振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材3と、振動発生部および振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材4と、筒部材3と取付部材4とを弾性的に連結するとともに筒部材3の軸線方向一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体5と、筒部材3の軸線方向他方側の開口端を閉塞するダイヤフラム6と、ゴム弾性体5とダイヤフラム6との間に形成された液室7を主液室7Aと副液室7Bとに区画する仕切り部材8を備えた防振装置1において、筒部材3には、液室7に液体を注入するための注入口36が形成され、筒部材3の内側には、注入口36から液室7に液体を導通するための流路9が形成され、流路9は、筒部材3を筒部材3の内方側に塑性変形させることで潰れるように変形して閉塞されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車のエンジン等の振動発生部を車体等の振動受部にマウントする際に用いられる防振装置、及びその製造方法に関する。
この種の防振装置としては、従来、例えば下記特許文献1、2に記載されているような、振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、振動発生部および振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、筒部材と取付部材とを弾性的に連結するとともに筒部材の軸線方向一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、筒部材の軸線方向他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、ゴム弾性体とダイヤフラムとの間に形成された液室を、隔壁の一部がゴム弾性体で形成されてゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部がダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、を備えた構成が知られている。
上記した防振装置の製造方法としては、従来、例えば下記特許文献1に記載されているように、防振装置を構成する各部材を液中でアッセンブリーすることで液室内に液体を封入する方法(液中法)があるが、液中でアッセンブリーするため、締め代の精度や組み付けのバラツキが生じやすく、筒部材の内側の部品の位置精度や液室に封入される液量が安定せず、防振装置の性能が不安定になるというデメリットがある。そこで、従来、例えば特許文献2に記載されているように、防振装置を構成する各部材のアッセンブリー後に液室に液体を封入する真空注入法がある。この方法は、筒部材と取付部材とゴム弾性体とからなる本体ゴムに、仕切り部材及びダイヤフラムを組み付けた後、真空雰囲気中で、筒部材に形成された注入口から液室内に液体を注入し、その後、注入口にリベットを差し込んで注入口を封止する方法である。この方法によれば、組み付け等のバラツキを抑えることができ、性能の安定性を向上させることができる。
特開2000−65126号公報
しかしながら、上記した従来の技術では、筒部材が金属製の場合、リベットの本体金属部と金属製の筒部材とが接触して電蝕が発生し、注入口のシール性が低下するおそれがあるという問題が存在する。また、液中法に比べてリベットの分だけ部品数が増加し、コストアップとなるという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、性能の安定性を向上させることができるとともに、電蝕を防止することができ、且つ、部品数の増加を抑えることができる防振装置、及び防振装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、前記筒部材と前記取付部材とを弾性的に連結するとともに前記筒部材の軸線方向一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、前記筒部材の軸線方向他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、を備えた防振装置において、前記筒部材には、前記液室に液体を注入するための注入口が形成され、前記筒部材の内側には、前記注入口から前記液室に前記液体を導通するための流路が形成されており、該流路は、前記筒部材を該筒部材の内方側に塑性変形させることで潰れるように変形して閉塞されていることを特徴としている。
このような特徴により、筒部材、取付部材、及びゴム弾性体からなる部材(本体ゴム)に、仕切り部材及びダイヤフラムをアッセンブリーした後、注入口から流路を通して液室に液体を充填した後、筒部材を塑性変形させて流路を潰すように変形させることで、流路が閉塞され、液室が密閉される。
また、本発明に係る防振装置は、前記筒部材の内側に嵌め込まれた収容部材の表面のうち、前記筒部材の内面に接する部分に、前記注入口に連通する窪み部が形成されており、該窪み部と前記筒部材の内面とによって前記流路の少なくとも一部が形成され、前記筒部材を塑性変形させることで、前記窪み部の内面の少なくとも一部と前記筒部材の内周面とが密接されていることが好ましい。
これにより、筒部材の塑性変形した部分によって流路の少なくとも一部が確実に閉塞される。
また、本発明に係る防振装置は、前記窪み部は、前記筒部材の塑性変形時に形状を保持する程度の硬さを有する硬質部に形成されていることが好ましい。
これにより、筒部材に対してその内方側に向けて加圧すると、筒部材の一部が窪み部の形状に応じた形状に塑性変形し、窪み部の内面の少なくとも一部に筒部材の内周面が確実に密接される。
また、本発明に係る防振装置は、前記窪み部に、椀形状の球面部が備えられており、該球面部に沿って前記筒部材が塑性変形されていることが好ましい。
これにより、筒部材に対してその内方側に向けて加圧すると、筒部材が、該球面部に沿って塑性変形され、球面部と筒部材の内周面とが確実に密接される。
また、本発明に係る防振装置は、前記筒部材の塑性変形に伴い閉塞された前記流路の閉塞部分には弾性体が介在されていることが好ましい。
これにより、流路の閉塞部分が弾性体によってシールされ、液室が確実に密閉される。
本発明に係る防振装置の製造方法は、振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、前記筒部材と前記取付部材とを弾性的に連結するとともに前記筒部材の軸線方向一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、前記筒部材の軸線方向他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、を備えた防振装置の製造方法において、前記筒部材、前記取付部材、及び前記ゴム弾性体からなる本体ゴムに、前記仕切り部材及び前記ダイヤフラムを組み付ける工程と、前記筒部材に形成された注入口から前記液体を注入し、該液体を、前記筒部材の内側に形成された流路を通して前記液室に流入させて該液室に前記液体を充填する工程と、前記筒部材の少なくとも一部を該筒部材の内方側に塑性変形させ、前記流路の少なくとも一部を潰すように変形させて閉塞する工程と、を備えることを特徴としている。
このような特徴により、液室に液体を注入した後に筒部材を塑性変形させるだけで、液室が密閉されて液室内に液体が封入される。
本発明に係る防振装置、及び防振装置の製造方法によれば、防振装置を構成する各部材を気中でアッセンブリーすることができるので、締め代の精度や組み付けのバラツキを抑えることができ、防振装置の性能の安定性を向上させることができる。また、リベット等を用いることなく液室を密閉することができるので、電蝕を防止することができるとともに、部品数の増加を抑えることができる。
以下、本発明に係る防振装置、及び防振装置の製造方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1は本実施の形態における防振装置1の断面図であり、図2は後述するオリフィス部材80の斜視図であり、図3は本実施の形態における防振装置1の分解断面図であり、図4は後述する液室7に液体を注入する際の防振装置1の断面図である。
なお、本実施の形態では、図1における下側がバウンド側、つまり防振装置1を設置した際に静荷重(初期荷重)が入力される方向であって、本発明における他方側に相当する。また、図1における上側がリバウンド側、つまり前記静荷重の入力方向の反対側であって、本発明における一方側に相当する。以下の説明においてバウンド側(他方側)を下側とし、リバウンド側(一方側)を上側とする。また、図1に示す符号Lは外筒3(本発明における筒部材に相当する。)の中心軸線を示しており、以下、単に軸線Lと記す。
なお、本実施の形態では、図1における下側がバウンド側、つまり防振装置1を設置した際に静荷重(初期荷重)が入力される方向であって、本発明における他方側に相当する。また、図1における上側がリバウンド側、つまり前記静荷重の入力方向の反対側であって、本発明における一方側に相当する。以下の説明においてバウンド側(他方側)を下側とし、リバウンド側(一方側)を上側とする。また、図1に示す符号Lは外筒3(本発明における筒部材に相当する。)の中心軸線を示しており、以下、単に軸線Lと記す。
防振装置1は、振動発生部の一例であるエンジンを振動受部の一例である車体にマウントさせる際に用いられるものであり、振動発生部の振動を減衰させるための装置である。図1に示すように、防振装置1は、図示せぬ車体ブラケットを介して図示せぬ車体に連結される略円筒状の外筒3と、図示せぬエンジンブラケットを介して図示せぬエンジンに連結される内筒4(本発明における取付部材に相当する。)と、外筒3と内筒4とを弾性的に連結するとともに外筒3の上側の開口端を閉塞するゴム弾性体5と、外筒3の下側の開口端を閉塞するダイヤフラム6と、ゴム弾性体5とダイヤフラム6との間に形成された液室7を主液室7Aと副液室7Bとに区画する仕切り部材8と、を備える基本構成である。なお、上記した外筒3と内筒4とゴム弾性体5とは一体的に形成されており、外筒3と内筒4とゴム弾性体5とによって本体ゴム2が構成されている。
外筒3は、両端がそれぞれ開放された略円筒状の金具であり、その概略構成としては、外筒3の軸線L方向の中間部分に配設された環状の窪み部30と、窪み部30よりも上側に形成された円筒状の上側筒状部31と、窪み部30よりも下側に形成された円筒状の下側筒状部32と、を備えている。
窪み部30は、上側筒状部31及び下側筒状部32よりも径方向内側に屈曲変形させた絞り部であり、外筒3の全周に亘って形成されている。上側筒状部31は、下側筒状部32よりも大径の円筒部であり、その内周面にゴム弾性体5が加硫接着されている。また、下側筒状部32は、その内側に仕切り部材8及びダイヤフラム6を収容する筒部である。下側筒状部32及び窪み部30の内周面には、ゴム弾性体5と一体に形成された被覆ゴム33(本発明におけるゴム層に相当する。)が全周に亘って形成されており、被覆ゴム33の上部には、厚肉化されて内径が縮径された厚肉部34が形成されている。つまり、被覆ゴム33の内周面の上部(厚肉部34)は、径方向内側に突出されており、下側筒状部32の内部空間は、その上部が段差状に縮径された形状になっている。
また、外筒3(下側筒状部32)の下端部には、径方向内側に所定角度で折り曲げられて後述するダイヤフラムリング60にカシメ固定されるカシメ部35が外筒3の全周に亘って形成されている。
また、外筒3(下側筒状部32)の下端部には、径方向内側に所定角度で折り曲げられて後述するダイヤフラムリング60にカシメ固定されるカシメ部35が外筒3の全周に亘って形成されている。
また、外筒3の下側筒状部32の上部には、液室7に液体を注入するための注入口36が形成されている。この注入口36は、液体を圧送する図示せぬ真空注入機のノズルに接続される貫通孔であり、円形の孔になっている。この注入口36は、上記した被覆ゴム33を貫通して形成されている。また、外筒3の下側筒状部32には、上記した注入口36の下方の位置に、径方向内側に向けて窪んだ塑性変形部37が形成されている。この塑性変形部37は、後述するオリフィス部材80の窪み部88の一部(球面部88c)に沿って塑性変形した部分であり、椀状に形成されている。また、この塑性変形部37の内周面には、上記した被覆ゴム33(本発明における弾性体に相当する。)が被覆されている。
内筒4は、下側に向かうに従い漸次縮径された略円錐形状の金具である。この内筒4は、ゴム弾性体5内に埋設されており、内筒4の外周面及び下端面には、ゴム弾性体5が加硫接着されている。また、内筒4には、その上端面から下方に延在する有底の雌ねじ部40が形成されており、この雌ねじ部40に螺合される図示せぬボルトによって、図示せぬエンジンに取り付けられた図示せぬエンジン側ブラケットが取り付けられる。
ゴム弾性体5は、上側筒状部31の内周面と内筒4の外周面との間に介在されたゴム弾性体であり、その外周面が上方に向かうに従い漸次縮径された逆さ向きのすり鉢形状(山形状)になっている。ゴム弾性体5の下面の外縁は、上記した被覆ゴム33の厚肉部34の内周面の上端に連結されている。
ダイヤフラム6は、外筒3の下側筒状部32の内側に被覆ゴム33を介して嵌合されたダイヤフラムリング60と、ダイヤフラムリング60の内側に形成されたダイヤフラムゴム61と、を備えている。ダイヤフラムリング60は、円環状の金具であり、外筒3(下側筒状部32)の下端部の内側に嵌め込まれ、外筒3の下端部(カシメ部35)を径方向内側に屈曲させることによりカシメ固定されている。ダイヤフラムゴム61は、副液室7B内の液圧(内圧)の変化に応じて変形可能な薄膜部材であり、ダイヤフラムリング60の内周面に加硫接着されている。
液室7には、ゴム弾性体5の下面と外筒3の内周面(被覆ゴム33)とダイヤフラム6の上面とで囲まれた室であり、例えばエチレングリコールや水、シリコーンオイル等の液体が封入されている。この液室7には、仕切り部材8の上側に形成されたリバウンド側の主液室7Aと、仕切り部材8の下側に形成されたバウンド側の副液室7Bと、が備えられている。主液室7Aは、隔壁の一部(上壁)がゴム弾性体5で形成された室であり、主液室7Aの内容積は、ゴム弾性体5の変形により変化する。副液室7Bは、隔壁の一部(下壁)がダイヤフラム6(ダイヤフラムゴム61)で形成された室であり、副液室7Bの内容積は、副液室7B内の液圧(内圧)の変化によってダイヤフラム6(ダイヤフラムゴム61)が変形することで変化する。
仕切り部材8は、略円筒形状のオリフィス部材80(本発明における収容部材に相当する。)と、オリフィス部材80の内側に張設されたメンブラン81と、オリフィス部材80の上端に被着された押さえプレート82と、を備えている。仕切り部材8は、外筒3の内側に嵌合されており、その上端が上記した被覆ゴム33の厚肉部34の下面に当接され、その下端がダイヤフラムリング60の上端に当接されている。すなわち、仕切り部材8とダイヤフラム6(ダイヤフラムリング60)とは、上下に重ね合わせた状態で、厚肉部34とカシメ部35とによって上下方向から挟持されている。
図1、図2に示すように、オリフィス部材80は、外筒3の内側に嵌合されており、軸線Lに沿って延設されている。このオリフィス部材80は、上記した外筒3の塑性変形時に形状を保持する程度の硬さを有する硬質材料からなり、例えば、ポリアセタールやナイロン、ポリフェニルサルファイド(PPS)等の硬質樹脂材料、若しくは鉄やアルミ等の金属材料からなる。
オリフィス部材80の内周面には、メンブラン81を保持するメンブラン保持部83が突設されている。このメンブラン保持部83は、メンブラン81の外縁部に係合される係合部であり、オリフィス部材80の内周面に沿って全周に亘って形成されている。また、メンブラン保持部83は、オリフィス部材80の軸線L方向の中間部分に形成されている。
また、オリフィス部材80の外周面には、上記主液室7Aと副液室7Bとを連通するオリフィス通路84が形成されている。このオリフィス通路84は、防振装置1に振動が入力された際に当該オリフィス通路84を流通する液体に液柱共振(共振現象)を生じさせて上記振動を減衰させるための液路であり、大振幅かつ低周波数域(例えば8Hz〜15Hz)の共振振動であるシェイク振動の周波数及び振幅に対応するようにチューニングされている。
具体的に説明すると、オリフィス部材80の外周面には、オリフィス部材80の周方向に延在する凹溝85が形成されている。この凹溝85は、平面視C字状に延設されており、凹溝85の一端は、オリフィス部材80の上端部に形成された主液室側連通路86を介して主液室7Aに連通されており、凹溝85の他端は、オリフィス部材80の下端部に形成された副液室側連通路87を介して副液室7Bに連通されている。また、凹溝85の開放側(径方向外側)は外筒3の下側筒状部32によって閉塞されており、この凹溝85と下側筒状部32の内周面(被覆ゴム33)とによってオリフィス通路84が形成されている。
メンブラン81は、弾性変形可能な板状の弾性部材であり、軸線Lに対して垂直に配設されている。メンブラン81の外縁部は、全周に亘って上記したメンブラン保持部83に係合されており、メンブラン81はメンブラン保持部83によって保持されている。また、メンブラン81の上面の中央部分には、凹部81aが形成されている。上記した構成のメンブラン81は、車両のアイドリング運転時に発生する相対的に高い周波数、つまり前述した低周波数域よりも高い周波数(例えば13Hz〜天板部40Hz)のアイドル振動が防振装置1に入力された際に、主液室7Aや副液室7Bにおける液圧変動を吸収するようにチューニングされている。
押さえプレート82は、オリフィス部材80の上端に被せられてメンブラン81を上方から押さ付ける板材である。押さえプレート82は、オリフィス部材80の上端部に嵌合される逆さ向きのハット形状に形成されている。具体的に説明すると、押さえプレート82は、軸線Lに対して垂直に配設された底板部82aと、底板部82aの外縁から立設された筒部82bと、筒部82bの上端から径方向外側に突出したフランジ部82cと、を備えている。底板部82aは、オリフィス部材80の上部の内側に配置された円盤状の板部であり、メンブラン81の上面に載置されている。この底板部82aには、メンブラン81の凹部81aの内側と筒部82bの内側(主液室7A)とを連通する複数の連通孔82dが形成されている。これらの連通孔82dを介して主液室7Aの液圧がメンブラン81の上面(凹部81aの底面)に作用する。筒部82bは、軸線L方向に延在する円筒状の筒部であり、オリフィス部材80の上部の内側に嵌合されている。フランジ部82cは、筒部82bの全周に亘って形成された円環状の板部であり、オリフィス部材80の上端面に載置され、オリフィス部材80と外筒3の被覆ゴム33の厚肉部34との間に挟み込まれている。
また、上記した外筒3の内側には、外筒3に形成された注入口36から液室7に液体を導通するための流路9が形成されている。この流路9は、外筒3の内周面に沿って延在する第一流路90と、オリフィス部材80を貫通する第二流路91と、から構成されている。第一流路90の上端部は、注入口36に連通されており、また、第一流路90の下部(本発明における流路の閉塞部分に相当する。)は、外筒3の一部を径方向内側に塑性変形させることで潰れるように変形して閉塞されている。すなわち、外筒3の塑性変形部37によって第一流路90の下部が閉塞されている。第二流路91は、オリフィス部材80の径方向に沿って延設された貫通孔であり、第二流路91の一端(オリフィス部材80の径方向外側の端部)は第一流路90の下部に連通され、第二流路91の他端(オリフィス部材80の径方向内側の端部)は副液室7B(メンブラン81の下方のオリフィス部材80の内部空間)に連通されている。
具体的に説明すると、上記したオリフィス部材80のうち、外筒3の内周面(被覆ゴム33)に接する外周面、つまり、上記した凹溝85の両端間の部分80a(本発明における硬質部に相当する。)には、上記した注入口36に連通する窪み部88が形成されている。この窪み部88は、上側から順に、オリフィス部材80の径方向に沿って延在する有底円形穴状の穴部88aと、軸線L方向に延在する凹溝状の溝部88bと、椀形状の球面部88cと、が軸線L方向に連設された構成になっている。穴部88aは、注入口36に対向する位置に形成されており、穴部88aの深さ寸法(オリフィス部材80の径方向長さ)は、溝部88bの深さ寸法よりも大きくなっている。このように穴部88aが溝部88bよりも深く窪んでいることにより、図示せぬ真空注入機のノズルが挿入し易くなる。溝部88bは、浅い帯状の凹溝部であり、その幅寸法(オリフィス部材80の周方向長さ)は、穴部88aの内径よりも小さい。球面部88cは、その中央部分が最も窪んだ円形(楕円形)の椀形状になっており、穴部88aよりも大径になっている。また、球面部88cの深さは、溝部88bの深さ寸法よりも大きくなっている。このように球面部88cが溝部88bよりも深く窪んでいることにより、外筒3のうちの球面部88cに対向する部分を径方向内側に塑性変形させたとき、球面部88cと溝部88bとの連結部分でのシール性が向上する。
上述した構成の窪み部88と外筒3の内周面(被覆ゴム33)とによって上記した第一流路90が形成されている。なお、上記した球面部88cには、外筒3の内周面の一部(塑性変形部37)が被覆ゴム33を介して密接されている。つまり、第一流路90の下部には、被覆ゴム33が介在されている。また、第二流路91の一端は、上記した球面部88cの中央部分(球面部88cのうちで最も窪み深さが大きい部分)に開放されている。
次に、上記した構成からなる防振装置1の製造方法について説明する。
まず、外筒3と内筒4とゴム弾性体5とからなる図3に示す本体ゴム2を形成する工程を行う。
詳しく説明すると、ゴム弾性体5の金型の中に外筒3及び内筒4をそれぞれ所定位置に配置するとともに、外筒3及び内筒4のゴム接着部分にそれぞれ接着剤を塗布する。その後、上記金型の中に加硫ゴムを流し込んでゴム弾性体5を加硫成形するとともに、ゴム弾性体5と一体に被覆ゴム33を加硫成形する。そして、上記したゴム弾性体5等の硬化後に上記金型を取り外す。これにより、本体ゴム2が製作される。
詳しく説明すると、ゴム弾性体5の金型の中に外筒3及び内筒4をそれぞれ所定位置に配置するとともに、外筒3及び内筒4のゴム接着部分にそれぞれ接着剤を塗布する。その後、上記金型の中に加硫ゴムを流し込んでゴム弾性体5を加硫成形するとともに、ゴム弾性体5と一体に被覆ゴム33を加硫成形する。そして、上記したゴム弾性体5等の硬化後に上記金型を取り外す。これにより、本体ゴム2が製作される。
次に、図3に示すように、上記した本体ゴム2に仕切り部材8を組み付ける工程を行う。
詳しく説明すると、まず、予め、オリフィス部材80のメンブラン保持部83の内側にメンブラン81を嵌め込んだ後、オリフィス部材80の上端部に押さえプレート82を被着させてメンブラン81を上方から押さ付け、仕切り部材8を製作しておく。次に、この仕切り部材8を外筒3の下端から挿入して下側筒状部32の内側に嵌合させる。このとき、仕切り部材8の上端面(押さえプレート82のフランジ部82c)が被覆ゴム33の厚肉部34の下面に当接する位置まで、仕切り部材8を下側筒状部32内に押し込む。
詳しく説明すると、まず、予め、オリフィス部材80のメンブラン保持部83の内側にメンブラン81を嵌め込んだ後、オリフィス部材80の上端部に押さえプレート82を被着させてメンブラン81を上方から押さ付け、仕切り部材8を製作しておく。次に、この仕切り部材8を外筒3の下端から挿入して下側筒状部32の内側に嵌合させる。このとき、仕切り部材8の上端面(押さえプレート82のフランジ部82c)が被覆ゴム33の厚肉部34の下面に当接する位置まで、仕切り部材8を下側筒状部32内に押し込む。
次に、図3に示すように、ダイヤフラム6を本体ゴム2に組み付ける工程を行う。
詳しく説明すると、まず、予めダイヤフラムリング60の内側にダイヤフラムゴム61を形成しておく。具体的には、ダイヤフラムリング60のゴム接着部分に接着剤を塗布した後、円環状のダイヤフラムリング60の内側にダイヤフラムゴム61を加硫成形してダイヤフラム6を製作しておく。次に、このダイヤフラム6を外筒3(下側筒状部32)の下端部の内側に嵌合させる。このとき、ダイヤフラムリング60の上端が仕切り部材8(オリフィス部材80)の下端面に当接する位置までダイヤフラム6を下側筒状部32内に押し込む。次に、外筒3の下端部を径方向内側に屈曲させてカシメ部35を形成する。これにより、外筒3の下端(カシメ部35)とともにダイヤフラムリング60の下部も塑性変形し、外筒3とダイヤフラムリング60とがカシメ固定される。その結果、被覆ゴム33の厚肉部34と上記したカシメ部35との間に、仕切り部材8とダイヤフラムリング60とが重ね合わされた状態で挟持される。
詳しく説明すると、まず、予めダイヤフラムリング60の内側にダイヤフラムゴム61を形成しておく。具体的には、ダイヤフラムリング60のゴム接着部分に接着剤を塗布した後、円環状のダイヤフラムリング60の内側にダイヤフラムゴム61を加硫成形してダイヤフラム6を製作しておく。次に、このダイヤフラム6を外筒3(下側筒状部32)の下端部の内側に嵌合させる。このとき、ダイヤフラムリング60の上端が仕切り部材8(オリフィス部材80)の下端面に当接する位置までダイヤフラム6を下側筒状部32内に押し込む。次に、外筒3の下端部を径方向内側に屈曲させてカシメ部35を形成する。これにより、外筒3の下端(カシメ部35)とともにダイヤフラムリング60の下部も塑性変形し、外筒3とダイヤフラムリング60とがカシメ固定される。その結果、被覆ゴム33の厚肉部34と上記したカシメ部35との間に、仕切り部材8とダイヤフラムリング60とが重ね合わされた状態で挟持される。
次に、図4に示すように、液室7内に液体を封入する工程を行う。
詳しく説明すると、まず、仕切り部材8及びダイヤフラム6がそれぞれ組み付けられた本体ゴム2を真空雰囲気中に配置するとともに、注入口36に図示せぬ真空注入機のノズルを接続する。次に、上記した真空注入機により注入口36から液体を注入する。注入口36から注入された液体は、第一流路90および第二流路91を流通し、副液室7Bに流入する。そして、図2に示す副液室側連通路87からオリフィス通路84内に流入し、さらに、図2に示す主液室側連通路86から主液室7Aに流入する。これにより、主液室7A、オリフィス通路84及び副液室7Bに液体が充填される。
詳しく説明すると、まず、仕切り部材8及びダイヤフラム6がそれぞれ組み付けられた本体ゴム2を真空雰囲気中に配置するとともに、注入口36に図示せぬ真空注入機のノズルを接続する。次に、上記した真空注入機により注入口36から液体を注入する。注入口36から注入された液体は、第一流路90および第二流路91を流通し、副液室7Bに流入する。そして、図2に示す副液室側連通路87からオリフィス通路84内に流入し、さらに、図2に示す主液室側連通路86から主液室7Aに流入する。これにより、主液室7A、オリフィス通路84及び副液室7Bに液体が充填される。
次に、図1に示すように、流路9の一部を閉塞させて液室7を密閉する工程を行う。
詳しく説明すると、外筒3の下側筒状部32のうち、球面部88cに対向する部分を外筒3の径方向内側に向けて加圧して塑性変形させる。これにより、第一流路90の下部が潰れるように変形して閉塞される。このとき、その閉塞部分には被覆ゴム33が介在されるので、この被覆ゴム33によって閉塞部分がシールされ、液室7が確実に密閉される。また、第一流路90が、窪み部88と外筒3の内周面とによって形成されており、その外筒3を塑性変形させてなる塑性変形部37が被覆ゴム33を介して球面部88cに密接されるので、第一流路90の下部が確実に閉塞される。すなわち、第一流路90の壁部を直接加圧して第一流路90を潰すように変形させるので、第一流路90の壁部を間接的に加圧して変形させる場合に比べて、第一流路90がより確実に閉塞される。特に、球面部88cのうちの溝部88bとの連結部分が被覆ゴム33を介して塑性変形部37に確実に密接される。
以上により、防振装置1が製作される。
詳しく説明すると、外筒3の下側筒状部32のうち、球面部88cに対向する部分を外筒3の径方向内側に向けて加圧して塑性変形させる。これにより、第一流路90の下部が潰れるように変形して閉塞される。このとき、その閉塞部分には被覆ゴム33が介在されるので、この被覆ゴム33によって閉塞部分がシールされ、液室7が確実に密閉される。また、第一流路90が、窪み部88と外筒3の内周面とによって形成されており、その外筒3を塑性変形させてなる塑性変形部37が被覆ゴム33を介して球面部88cに密接されるので、第一流路90の下部が確実に閉塞される。すなわち、第一流路90の壁部を直接加圧して第一流路90を潰すように変形させるので、第一流路90の壁部を間接的に加圧して変形させる場合に比べて、第一流路90がより確実に閉塞される。特に、球面部88cのうちの溝部88bとの連結部分が被覆ゴム33を介して塑性変形部37に確実に密接される。
以上により、防振装置1が製作される。
上記した構成からなる防振装置1及びその製造方法によれば、本体ゴム2に対して仕切り部材8やダイヤフラム6を組み付ける作業を気中で行うことができるので、締め代の精度や組み付けのバラツキを抑えることができ、防振装置1の性能の安定性を向上させることができる。
また、液室7に液体を注入した後に、外筒3の一部(球面部88cに対向する部分)を塑性変形させるだけで、液室7を密閉することができるので、リベット等を用いる場合に比べて部品数の増加を抑えることができる。また、リベット等を用いること無く液室7を密閉することができるので、金属製の外筒3にリベット等の本体金属部が接触することが無く、電蝕を防止することができる。
また、液室7に液体を注入した後に、外筒3の一部(球面部88cに対向する部分)を塑性変形させるだけで、液室7を密閉することができるので、リベット等を用いる場合に比べて部品数の増加を抑えることができる。また、リベット等を用いること無く液室7を密閉することができるので、金属製の外筒3にリベット等の本体金属部が接触することが無く、電蝕を防止することができる。
また、オリフィス部材80に形成された窪み部88と外筒3の内周面とによって第一流路90が形成されており、外筒3のうち、球面部88cに対向する部分を塑性変形させることで、球面部88cと外筒3(塑性変形部37)の内周面とが密接し、第一流路90の下部が確実に閉塞されるので、液室7の密閉性を向上させることができる。
また、上記した窪み部88は、外筒3の塑性変形時に形状を保持する程度の硬さを有する硬質材料からなるオリフィス部材80に形成されており、外筒3の一部(球面部88cに対向する部分)に対してその内方側に向けて加圧すると、その部分が窪み部88の形状に応じた形状に塑性変形し、窪み部88の内面に外筒3(塑性変形部37)の内周面が確実に密接されるので、液室7の密閉性を向上させることができる。
また、椀形状の球面部88cに沿って外筒3(塑性変形部37)が塑性変形されており、塑性変形部37の内面が被覆ゴム33を介して球面部88cに確実に密接されるので、液室7の密閉性を向上させることができる。
特に、球面部88cのうち、溝部88bに連結される部分は、塑性変形部37の内面に確実に密接されるので、溝部88bと球面部88cとの連結部分において第一流路90は確実に閉塞され、液室7を確実に密閉することができる。
また、上記した塑性変形部37によって閉塞された流路9の閉塞部分には、被覆ゴム33が介在されており、この被覆ゴム33によってシールされているので、液室7の密閉性を向上させることができる。
特に、球面部88cのうち、溝部88bに連結される部分は、塑性変形部37の内面に確実に密接されるので、溝部88bと球面部88cとの連結部分において第一流路90は確実に閉塞され、液室7を確実に密閉することができる。
また、上記した塑性変形部37によって閉塞された流路9の閉塞部分には、被覆ゴム33が介在されており、この被覆ゴム33によってシールされているので、液室7の密閉性を向上させることができる。
以上、本発明に係る防振装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、内筒4に、振動発生源である図示せぬエンジンがエンジン側ブラケットを介して連結され、外筒3に、振動受部である図示せぬ車体が車体側ブラケットを介して連結されているが、本発明は、内筒4(取付部材)に振動受部が連結され、外筒3(筒部材)に振動発生源が連結されていてもよい。
例えば、上記した実施の形態では、内筒4に、振動発生源である図示せぬエンジンがエンジン側ブラケットを介して連結され、外筒3に、振動受部である図示せぬ車体が車体側ブラケットを介して連結されているが、本発明は、内筒4(取付部材)に振動受部が連結され、外筒3(筒部材)に振動発生源が連結されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、車両のエンジンマウントとして適用される防振装置1について説明しているが、本発明に係る防振装置はエンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、本発明に係る防振装置を、建設機械に搭載された発電機のマウントとして適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントとして適用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、外筒3と同軸上に内筒4が配設され、この内筒4の雌ねじ部40に図示せぬボルトを螺着させて内筒4に図示せぬエンジン側ブラケットを取り付ける構成になっているが、本発明は、内筒4の内側にエンジン側ブラケットの圧入部が圧入される構成であってもよい。また、内筒4が外筒3と直交する方向に延設され、内筒4の内側に図示せぬエンジン側ブラケットのボルトが挿入されてナット等で機械的に固定される構成であってもよい。さらに、本発明は、ボルトが突設された構成からなる取付部材であってもよく、このボルトによってエンジン側ブラケット等に取り付ける構成であってよい。
また、上記した実施の形態では、流路9が、外筒3の内周面に沿って延在する第一流路90と、オリフィス部材80を貫通する第二流路91と、から構成されており、流路9が副液室7Bに連通されているが、本発明は、流路が主液室7Aに連通されていてもよく、或いは、オリフィス通路84を介して液室7に連通されていてもよい。例えば、図5に示すように、流路109が、オリフィス通路84に連通されていてもよい。詳しく説明すると、オリフィス部材180の外周面には、オリフィス通路84の副液室側連通路87側の端部に連通する窪み部188が形成されている。この窪み部188と、図1に示す外筒3(下側筒状部32)の内周面とによって流路109が形成されている。上記した窪み部188は、オリフィス部材80の径方向に沿って延在する有底円形穴状の穴部188aと、軸線L方向に延在する凹溝状の第一溝部188bと、椀形状の球面部188cと、オリフィス部材180の周方向に延在する凹溝状の第二溝部188dと、を備えている。
また、上記した実施の形態では、主液室7Aが鉛直方向上側に位置し、且つ副液室7Bが鉛直方向下側に位置するように取り付けられて設置される圧縮式の防振装置1について説明しているが、本発明は、例えば図6に示すように、主液室207Aが下側に位置し、且つ副液室207Bが上側に位置するように設置された吊り下げ式の防振装置201に適用することも可能である。
なお、図6に示す防振装置201は、逆さ向きのすり鉢形状のゴム弾性体205が外筒203の内側に配設されている。外筒203は両端がそれぞれ開放された円筒部材であり、その上端部には径方向外側に向けて突出したフランジ部238が全周に亘って形成されている。外筒203の内周面には、ゴム弾性体205と一体に形成された被覆ゴム233が被覆されている。被覆ゴム233は、上記したフランジ部238の上面にまで延設されている。また、上記したゴム弾性体205の下面から内筒204が突出されている。また、ゴム弾性体205の上方には、液室207を主液室207Aと副液室207Bとに区画する仕切り部材208が配設されている。仕切り部材208は、略円筒状のオリフィス部材280と、オリフィス部材280の内側に張設されたメンブラン281と、オリフィス部材280の下端部に嵌合された押さえプレート282と、を備えている。オリフィス部材280の下部の外周面には、オリフィス通路284(凹溝285)が形成されており、オリフィス部材280の内周面には、メンブラン保持部283が突設されている。また、オリフィス部材280の上部には、径方向外側に突出したフランジ部289が形成されており、このフランジ部289は、外筒203のフランジ部238の上に載置されている。オリフィス部材280の上面には、ダイヤフラム206が載置されている。このダイヤフラム206は、オリフィス部材280の上端開口端を覆うドーム状のダイヤフラムゴム261と、ダイヤフラムゴム261の外縁部を上方から押さえ付けるダイヤフラムリング260と、を備えている。ダイヤフラムリング260はオリフィス部材280のフランジ部289の上面の内縁部分に載置されている。ダイヤフラムリング260の外縁部は、外筒203の上端部を径方向内側に折り曲げることにより形成されたカシメ部235とオリフィス部材280のフランジ部289との間に挟持されている。また、このダイヤフラムリング260の内縁部とオリフィス部材280のフランジ部289との間に、上記したダイヤフラムゴム261の外縁部が挟持されている。
また、上記した実施の形態では、オリフィス部材80の外周面に窪み部88が形成されているが、本発明における窪み部は、オリフィス部材(収容部材)の表面のうち、外筒(筒部材)の内面に接する部分に形成されていればよい。例えば、図6に示す防振装置201では、外筒203のフランジ部238に注入口236が形成され、オリフィス部材280のフランジ部289の下面に窪み部288が形成されている。この窪み部288と外筒203のフランジ部238の上面とによって、オリフィス通路284に連通する流路209が形成されている。窪み部288は、注入口236に連通する穴部288aと、外筒203の径方向に沿って延設された凹溝状の溝部288bと、を備えている。溝部288bの一端は穴部288aに連通されており、溝部288bの他端はオリフィス通路284に連通されている。この構成の防振装置201では、溝部288bに対向する外筒203のフランジ部238の基端部が上方に塑性変形されており、その塑性変形部237によって溝部288bが閉塞されている。
また、上記した実施の形態では、オリフィス部材80に窪み部88が形成されているが、本発明は、オリフィス部材80以外の部材に窪み部88を形成することも可能である。例えば、ダイヤフラムリング60に窪み部を形成することも可能である。また、窪み部88が硬質部(オリフィス部材80)に形成されているが、硬質部以外に窪み部88を形成することも可能であり、例えば、ゴム弾性体5に窪み部88を形成することも可能である。さらに、オリフィス部材80、ダイヤフラムリング60、ゴム弾性体5以外の別部材を外筒3内に嵌合させ、この別部材に窪み部88を形成することも可能である。
また、上記した実施の形態では、窪み部88と外筒3の内周面とによって流路9の第一流路90が形成されているが、本発明は、窪み部88を備えていない構成にすることも可能である。例えば、弾性変形可能な弾性部材を外筒3内に嵌合させ、この外筒3に注入口36に連通する孔道(流路)を形成し、外筒3の一部を塑性変形させることで、外筒3の塑性変形部37によって上記した弾性部材が押圧され、この弾性部材内に形成された孔道が潰れるように閉塞される構成にすることも可能である。また、ゴム弾性体5に上記した孔道を形成することも可能である。
また、上記した実施の形態では、球面部88cを有する窪み部88が形成されているが、本発明は、球面部88cを有しない窪み部が形成された構成にすることも可能である。例えば、図6に示すように、穴部288aと溝部288bとからなる窪み部288にすることも可能であり、或いは、凹溝状の溝部のみからなる窪み部にすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、外筒3を塑性変形させることにより、窪み部88のうちの球面部88cと外筒3(塑性変形部37)の内周面とを密接させているが、本発明は、外筒3を塑性変形させることにより、窪み部88の内面全体と外筒3の内周面とを密接させることも可能である。例えば、球面部88cのみからなる窪み部が形成されている場合、窪み部の内面全体と外筒3の内周面とが密接される。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 防振装置
2 本体ゴム
3 外筒(筒部材)
4 内筒(取付部材)
5 ゴム弾性体
6 ダイヤフラム
7 液室
7A 主液室
7B 副液室
8 仕切り部材
9 流路
33 被覆ゴム
80 オリフィス部材(収容部材)
84 オリフィス通路
85 凹溝
88 窪み部
88c 球面部
2 本体ゴム
3 外筒(筒部材)
4 内筒(取付部材)
5 ゴム弾性体
6 ダイヤフラム
7 液室
7A 主液室
7B 副液室
8 仕切り部材
9 流路
33 被覆ゴム
80 オリフィス部材(収容部材)
84 オリフィス通路
85 凹溝
88 窪み部
88c 球面部
Claims (6)
- 振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、
前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、
前記筒部材と前記取付部材とを弾性的に連結するとともに前記筒部材の軸線方向一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、
前記筒部材の軸線方向他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、
前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、
を備えた防振装置において、
前記筒部材には、前記液室に液体を注入するための注入口が形成され、
前記筒部材の内側には、前記注入口から前記液室に前記液体を導通するための流路が形成されており、
該流路は、前記筒部材を該筒部材の内方側に塑性変形させることで潰れるように変形して閉塞されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項1記載の防振装置において、
前記筒部材の内側に嵌め込まれた収容部材の表面のうち、前記筒部材の内面に接する部分には、前記注入口に連通する窪み部が形成されており、
該窪み部と前記筒部材の内面とによって前記流路の少なくとも一部が形成され、
前記筒部材を塑性変形させることで、前記窪み部の内面の少なくとも一部と前記筒部材の内周面とが密接されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項2記載の防振装置において、
前記窪み部は、前記筒部材の塑性変形時に形状を保持する程度の硬さを有する硬質部に形成されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項2または3に記載の防振装置において、
前記窪み部には、椀形状の球面部が備えられており、
該球面部に沿って前記筒部材が塑性変形されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項1から4のいずれか記載の防振装置において、
前記筒部材の塑性変形に伴い閉塞された前記流路の閉塞部分には弾性体が介在されていることを特徴とする防振装置。 - 振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、
前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、
前記筒部材と前記取付部材とを弾性的に連結するとともに前記筒部材の軸線方向一方側の開口端を閉塞するゴム弾性体と、
前記筒部材の軸線方向他方側の開口端を閉塞するダイヤフラムと、
前記ゴム弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、
を備えた防振装置の製造方法において、
前記筒部材、前記取付部材、及び前記ゴム弾性体からなる本体ゴムに、前記仕切り部材及び前記ダイヤフラムを組み付ける工程と、
前記筒部材に形成された注入口から前記液体を注入し、該液体を、前記筒部材の内側に形成された流路を通して前記液室に流入させて該液室に前記液体を充填する工程と、
前記筒部材を該筒部材の内方側に塑性変形させ、前記流路を潰すように変形させて閉塞する工程と、
を備えることを特徴とする防振装置の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008125764A JP2009275748A (ja) | 2008-05-13 | 2008-05-13 | 防振装置、及び防振装置の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102011006156A1 (de) | 2011-03-25 | 2012-09-27 | Trelleborg Automotive Germany Gmbh | Hydraulisch dämpfendes Lager |
-
2008
- 2008-05-13 JP JP2008125764A patent/JP2009275748A/ja active Pending
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DE102011006156A1 (de) | 2011-03-25 | 2012-09-27 | Trelleborg Automotive Germany Gmbh | Hydraulisch dämpfendes Lager |
WO2012130772A1 (de) | 2011-03-25 | 2012-10-04 | Trelleborg Automotive Germany Gmbh | Hydraulisch dämpfendes lager |
DE102011006156B4 (de) * | 2011-03-25 | 2013-02-21 | Trelleborg Automotive Germany Gmbh | Hydraulisch dämpfendes Lager |
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