JP5087517B2 - 防振装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置の製造方法に関する。
上記した防振装置として、従来、例えば下記特許文献1に示されているように、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される外筒と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される内筒と、外筒及び内筒を弾性的に連結するとともに外筒の軸方向一方側の開口部を閉塞する弾性体と、外筒の軸方向他方側の開口部を閉塞するダイヤフラムと、外筒の内部に形成された液室を、弾性体を隔壁の一部とする主液室とダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とに区画する仕切り部材と、を備える構成が知られている。上記した液室には、比重が異なる非相溶性の二種以上の液体で構成された封入液が封入されている。また、上記した仕切り部材には、主液室と副液室とを連通する制限通路が形成されており、この制限通路を通って上記した封入液が主液室と副液室との間で往来可能となっている。
ところで、従来の防振装置の製造方法として、防振装置を液中で組み立てる方法がある。この方法は、まず、外筒、内筒及び弾性体を一体化させて本体ゴムを作成する工程を行う。次に、本体ゴムを、封入液を貯留したプールの中に入れ、このプール内(封入液中)で本体ゴムに仕切り部材及びダイヤフラムをそれぞれ組み付ける工程を行う。これにより、液室内に空気が混入することなく封入液を封入させることができる。
特許第2860701号公報
しかしながら、封入液が非相溶性の二種以上の液体で構成されている場合、上記した従来の防振装置の製造方法では、封入液に含有された複数の液体がプール内で分離されてしまうため、所定の比率の封入液を液室内に封入させることが難しいという問題がある。このため、上記した従来の製造方法で製造された防振装置は、液室に封入された封入液の比率にばらつきが生じ易く、その結果、防振装置の性能が安定しないという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を含有する封入液を所定の比率で液室内に封入させることができ、防振装置の性能安定性を向上させることができる防振装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る防振装置の製造方法は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室とダイヤフラムを壁面の一部とする他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置の製造方法であって、前記外筒、前記内筒及び前記弾性体を一体化させて本体ゴムを作成する本体ゴム作成工程と、前記第一液体中において、前記仕切り部材を前記本体ゴムに組み付けた後、前記仕切り部材との間にノズルを介在させて前記ダイヤフラムを前記本体ゴムに組み付け、前記液室に前記第一液体を封入する液中組立工程と、前記ノズルから前記液室に前記第二液体を注入する液体注入工程と、を備えていることを特徴としている。
このような特徴により、液体注入工程の際に第二液体の注入量を調整することにより、液室に封入される封入液において所望される所定量の第二液体が液室内の第一液体に混合される。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記ダイヤフラムには、前記仕切り部材に対して密接する弾性変形可能なシール部が備えられており、前記液中組立工程の際に、前記シール部と前記仕切り部材との間に前記ノズルを介在させ、該ノズルによって前記シール部を圧縮変形させ、前記液体注入工程の後、前記ノズルを引き抜くノズル引抜工程を行うことが好ましい。
これにより、ノズルが引き抜かれることで、ノズルによって圧縮変形されていたシール部の一部が弾性によって仕切り部材に密接され、ノズルを通していた孔が閉塞される。したがって、液体注入工程の後に、ノズルを通した孔をビス等で閉塞することなく、液室が容易に密封される。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記封入液が、前記第一液体を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体を0.1重量%以上40重量%以下含有していることが好ましい。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、前記第一液体はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有することが好ましい。
これにより、防振装置の減衰効果が低減されることがない。
本発明に係る防振装置の製造方法によれば、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を含有する封入液を所定の比率で液室内に封入させることができ、これにより、液室に封入された封入液における第二液体の含有比率のばらつきを抑えることができ、防振装置の性能安定性を向上させることができる。
以下、本発明に係る防振装置の製造方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
まず、本実施の形態における防振装置1の構成について、図1、図2に基いて説明する。
本実施の形態における防振装置10は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される外筒11と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される内筒12と、これらの外筒11と内筒12とを弾性的に連結する弾性体13と、外筒11の内部に形成された液室17を後述する主液室14と副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えている。
なお、これらの各部材はそれぞれ、上面視円形状若しくは円環状に形成されるとともに、中心軸線Oを共通軸にして同軸上に配置されている。
そして、この防振装置10が例えば自動車に装着された場合、内筒12が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、外筒11が図示されないブラケット等を介して振動受部としての車体に連結されることにより、エンジンの振動を車体に伝達するのを抑えられるようになっている。
内筒12は柱状に形成されるとともに、外筒11における前記中心軸線O方向の一端開口部に配置されている。この内筒12の一端面には雌ねじ部が形成されている。また、内筒12の軸方向一端部は、外筒11における前記中心軸線O方向の一端開口面よりも前記中心軸線O方向の外方に突出している。弾性体13は、加硫ゴムからなる弾性体であり、外筒11の一端開口部と内筒12の外周面とに接着されて、外筒11を前記中心軸線O方向の一端側から閉塞している。なお、弾性体13としては、ゴム以外にも合成樹脂等からなる弾性体を用いることも可能である。外筒11の軸方向他端部には、後述するノズル40を挿通させるための開口11aが形成されている。この開口11aは、外筒11の軸方向他端から一端側に向けて切り欠いた側面視矩形の切欠き部である。
さらに、外筒11における前記中心軸線O方向の他端開口部にはダイヤフラム19が配設されている。このダイヤフラム19は上面視円形状に形成されるとともに、前記中心軸線O方向の他端側に向けて開口した逆椀状体となっている。詳しく説明すると、ダイヤフラム19は、円環状のダイヤフラムリング20と、このダイヤフラムリング20の内側に張設された膜状のダイヤフラムゴム21と、を備えている。ダイヤフラムリング20には、中心軸線Oを共通軸にして外筒11と同軸上に配設された円筒状の筒部20aと、筒部20aの軸方向一端部から全周にわたって径方向外側に突出したフランジ部20bと、が備えられている。ダイヤフラムゴム21の外周縁部は、全周にわたってダイヤフラムリング20の内周面に加硫接着されており、このダイヤフラムゴム21の外周縁部には、ダイヤフラムリング20のフランジ部20bの上面から立設された弾シール部21aが形成されている。このシール部21aは、仕切り部材16に対して密接する弾性変形可能な壁部であり、ダイヤフラムゴム21の外周縁部の全周にわたって形成されている。また、ダイヤフラム19は、上記した外筒11の軸方向他端部が全周にわたって径方向内側に屈曲されてフランジ部20bに掛止されることで、外筒11の軸方向他端部にカシメ固定されている。つまり、ダイヤフラム19は外筒11を前記中心軸線O方向の他端側から閉塞している。
以上の構成において、外筒11の内部のうち、ダイヤフラム19と弾性体13との間に位置する部分が、これらのダイヤフラム19および弾性体13によって液密に閉塞され、後述する封入液Lが充填された液室17となっている。そして、この液室17は、仕切り部材16によって、弾性体13を隔壁の一部に有しこの弾性体13の変形により内容積が変化する主液室14と、ダイヤフラム19を隔壁の一部に有しこのダイヤフラム19の変形により内容積が変化する副液室15と、に区画されている。
ここで、仕切り部材16の外周面側と外筒11の内周面側との間には、外筒11の周方向に沿って延びる制限通路24(オリフィス通路)が形成されている。図示の例では、仕切り部材16は、円環状の仕切り部材本体22と、円環状の仕切り部材本体22の内側に張設されたメンブラン23と、を備えている。
仕切り部材本体22は、樹脂製の部材であり、その内周面には、径方向内側に突出したフランジ部22cが全周にわたって形成されているとともに、その外周面には、前記制限通路24となる周溝が形成されている。制限通路24は、外筒11の内周面に被覆されたゴム膜18によって、仕切り部材16の径方向の外側から閉塞されている。なお、ゴム膜18は弾性体13と一体に形成され、外筒11の内周面は弾性体13およびゴム膜18により全域にわたって覆われている。また、仕切り部材本体22の軸方向他端側の端面には、上記したシール部21aが嵌合される嵌合溝22aが、仕切り部材本体22の周方向に沿って全周にわたって形成されている。また、仕切り部材本体22の軸方向他端部には、後述するノズル40を挿通させるための開口22bが形成されている。この開口11aは、仕切り部材本体22の軸方向他端から一端側に向けて切り欠いた側面視矩形の切欠き部であり、上記した外筒11の開口11aと対向する位置に形成されている。すなわち、外筒11の開口11aと仕切り部材本体22の開口22bとは周方向位置が一致しており、双方の開口11a,22bは連通されている。なお、仕切り部材本体22の開口22bは、上記したシール部21aによって仕切り部材本体22の内方側(径方向内側)から閉塞されている。
メンブラン23は、円板状のゴム製の部材であり、その外縁部が全周にわたって仕切り部材本体22のフランジ部22cに加硫接着されており、このメンブラン23によって円環状の仕切り部材本体22の内側が閉塞している。
なお、本実施形態では、この防振装置10は、主液室14が鉛直方向上側に位置しかつ副液室15が鉛直方向下側に位置するように取り付けられて用いられる圧縮式となっている。
そして、本実施形態では、前記封入液Lは、非相溶性を有する、つまり互いに不溶な第一液体L1および第二液体L2を含有している。第二液体L2は、第一液体L2よりも凍結点が高く、且つ封入液L中に含まれる重量比率が小さくなっている。また、第二液体L2は、少なくとも−30℃以上100℃以下の温度範囲で、第一液体L1よりも蒸気圧が高く、且つ蒸発潜熱が小さくなっている。例えば、第二液体L2の蒸気圧は第一液体L1の蒸気圧の2倍以上とされ、また第一液体L1の1kg当たりの蒸発潜熱は、第二液体L2の1kg当たりの蒸発潜熱の2倍以上となっている。なお、第二液体L2は、第一液体L1よりも粘度が低くなっている。
以上のような第一液体L1としては、例えばエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有するもの若しくはエチレングリコール単体等が挙げられ、また第二液体L2としては、例えばシリコーンオイル若しくはフッ素オイル等が挙げられる。また、前記封入液Lは、第一液体L1を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体L2を0.1重量%以上40重量%以下含有している。好ましくは、前記封入液Lは、第一液体L1を80重量%以上99重量%以下含有し、第二液体L2を1重量%以上20重量%以下含有している。例えば、封入液L中に、第一液体L1が80cc〜200cc含まれ、第二液体L2は0.5cc〜5cc含まれている。
なお、前記封入液Lは、少なくともこの防振装置10に路面の凹凸等により大きな振動(荷重)が入力されたときに、第一液体L1中において第二液体L2が多数箇所に分散された態様になる。
次に、上記した構成からなる防振装置10の製造方法の実施の形態について説明する。
まず、外筒11、内筒12及び弾性体13を一体化させて本体ゴム30を作成する本体ゴム作成工程を行う。
具体的に説明すると、まず、弾性体13及びゴム膜18を形成するための図示せぬ金型(本体ゴム金型)の中に外筒11及び内筒12をそれぞれ所定位置に配置するとともに、外筒11の内周面及び内筒12の外周面にそれぞれ接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記した本体ゴム金型の中に未加硫ゴムを射出して弾性体13を成形するとともに、この弾性体13と一体にゴム膜18を成形する。続いて、これらの弾性体13等に硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えて弾性体13等を加硫する。この際、弾性体13が、外筒11の内周面及び内筒12の外周面にそれぞれ接着され、ゴム膜18が外筒11の内周面に接着される。そして、上記した本体ゴム金型の脱型を行うことにより、本体ゴム30が形成される。
また、円環状の仕切り部材本体22の内側にメンブラン23を形成して仕切り部材16を作成する仕切り部材作成工程を行う。
具体的に説明すると、メンブラン23を形成するための図示せぬ金型(メンブラン金型)の中に仕切り部材本体22を所定位置に配置するとともに、仕切り部材本体22のフランジ部22cに接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記したメンブラン金型の中に未加硫ゴムを射出してメンブラン23を成形した後、そのメンブラン23に硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えてメンブラン23を加硫する。この際、メンブラン23の外周縁部が仕切り部材本体22のフランジ部22cに接着される。そして、上記したメンブラン金型の脱型を行うことにより、仕切り部材本体22の内側にメンブラン23が張設された仕切り部材16が形成される。
また、ダイヤフラムリング20の内側にダイヤフラムゴム21を形成してダイヤフラム19を作成するダイヤフラム作成工程を行う。
具体的に説明すると、ダイヤフラムゴム21を形成するための図示せぬ金型(ダイヤフラム金型)の中にダイヤフラムリング20を所定位置に配置するとともに、ダイヤフラムリング20の内周面に接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、上記したダイヤフラム金型の中に未加硫ゴムを射出してダイヤフラムゴム21を成形した後、そのダイヤフラムゴム21に硫黄ガス、圧力及び熱をそれぞれ加えてダイヤフラムゴム21を加硫する。この際、ダイヤフラムゴム21の外周縁部がダイヤフラムリング20の内周面に接着される。そして、上記したダイヤフラム金型の脱型を行うことにより、ダイヤフラムリング20の内側にダイヤフラムゴム21が張設されたダイヤフラム19が形成される。
次に、第一液体L1中において、上記した仕切り部材16及びダイヤフラム19を本体ゴム30にそれぞれ組み付け、液室17に第一液体L1を封入する液中組立工程を行う。
具体的に説明すると、図3に示すように、第一液体L1が貯留されたプールPの中に本体ゴム30を沈める。このとき、本体ゴム30は、内筒12側(外筒11の一端開口部側)を下向きにして配置する。また、外筒11内に空気が残留しないように本体ゴム30をプールP内で適宜揺動させる。
続いて、プールP内に仕切り部材16を投入し、第一液体L1中において、外筒11の内側に仕切り部材16を嵌合させて本体ゴム30に仕切り部材16を組み付ける。このとき、仕切り部材16は、仕切り部材本体22の開口22bと外筒11の開口11aとが重なり合うように周方向に位置合わせを行う。また、仕切り部材16は、制限通路24内やメンブラン23の下側などに空気が残留しないようにプールP内で適宜揺動させた後、外筒11の内側に挿入して本体ゴム30に組み付ける。
続いて、プールP内にダイヤフラム19を投入し、第一液体L1中において、ダイヤフラム19と仕切り部材16との間に管状のノズル40を介在させた状態で、外筒11の他端開口部の内側にダイヤフラム19を嵌合させて本体ゴム30にダイヤフラム19を組み付ける。詳しく説明すると、まず、ノズル40の先端が副液室15内に配置されるように、外筒11及び仕切り部材本体22の各開口11a,22bにノズル40を嵌め込み、ノズル40を外筒11の径方向に沿って配置する。続いて、外筒11の軸方向他端側からダイヤフラム19を嵌め込み、ダイヤフラムゴム21のシール部21aを仕切り部材本体22の嵌合溝22aの内側に嵌合させる。このとき、上記したシール部21aのうち、ノズル40に接触する部分は、ノズル40によって弾性的に圧縮変形して圧潰されて凹状の圧潰部が形成される。また、ダイヤフラム19は、ダイヤフラムゴム21の下側などに空気が残留しないようにプールP内で適宜揺動させた後、外筒11の内側に挿入して本体ゴム30に組み付ける。その後、第一液体L1中において、外筒11の軸方向他端側の端部を全周に亘って径方向内側に屈曲させて外筒11とダイヤフラムリング20とをカシメ固定する。
次に、図4に示すように、ノズル40から液室17に第二液体L2を注入する液体注入工程を行う。
具体的に説明すると、外筒11の外部に配置されたノズル40の基端部に図示せぬ注入機を連結し、この注入機によって第二液体L2を供給してノズル40から副液室15に第二液体L2を注入する。このとき、注入機による第二液体L2の注入量を調整し、液室17に封入する封入液Lに含有させる所望量(液室17に封入する封入液Lの総重量に対して1重量%以上40重量%以下、好ましくは1重量%以上20重量%以下)の第二液体L2を副液室15に注入する。
次に、ノズル40を引き抜くノズル引抜工程を行う。
具体的に説明すると、ノズル40をその軸方向に沿って外筒11の径方向外側に向けて引き抜く。これにより、ノズル40によって圧縮変形していたシール部21aの凹状の圧潰部が、ゴム弾性によって元の形状に戻って仕切り部材本体22の嵌合溝22aの内側に嵌合されて液密に密接し、ノズル40を通していた凹状の変形部分が閉塞される。
次に、組み立てられた防振装置10をプール50内から取り出し、防振装置10の表面を洗浄して防振装置10の表面に付着した第一液体L1を洗い流す。
以上により、第一液体L1と第二液体L2とを含有する封入液Lが液室17内に封入された防振装置10が完成する。
上記した防振装置10の製造方法によれば、液体注入工程の際に第二液体L2の注入量を調整することにより、液室17内の第一液体L1に所定量の第二液体L2が混合されるので、互いに非相溶性を有する第一液体L1及び第二液体L2を含有する封入液Lを所定の比率で液室17内に封入させることができる。これにより、液室17内の封入液Lにおける第二液体L2の含有比率のばらつきを抑えることができ、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。
また、液体注入工程の後にノズル40を引き抜くことで、ノズル40によって圧縮変形されていたシール部21aの凹状の圧潰部がそのゴム弾性によって仕切り部材16に密接され、ノズル40を通していた凹状の圧潰部が閉塞されるので、液体注入工程の後に、ノズル40を通した外筒11や仕切り部材本体22の開口11a,22bをビス等で閉塞することなく、液室17が容易に密封される。これにより、ビス等の閉塞部材を取り付ける作業を省略することが可能であり、部品数及び製造工程の工数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
また、上記した封入液Lは、第一液体L1を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体L2を0.1重量%以上40重量%以下含有しており、前記第一液体L1はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体L2はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有しているため、防振装置10の減衰効果が低減されることがない。このため、防振装置10の減衰機能を維持したまま、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。
また、水溶性のエチレングリコール等の第一液体L1中で液中組立工程を行うので、防振装置10の表面に油系の第二液体L2(シリコーンオイルやフッ素オイル)が付着せず、防振装置10の表面を洗浄する際、水で容易に洗い流すことが可能である。
以上、本発明に係る防振装置の製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第一液体L1および第二液体L2は、前述したものに限らず、非相溶性を有する液体であれば適宜変更可能である。例えば、第二液体L2が、第一液体L2と比較して凍結点や蒸気圧、蒸発潜熱が同等若しくは低くなっていてもよく、また、第一液体L2と比較して粘度が同等若しくは高くなっていてもよい。また、上記した実施の形態では、封入液L中に含まれる第二液体L2の重量比率が第一液体L1の重量比率よりも小さくなっているが、第二液体L2の重量比率を第一液体L1の重量比率と同等若しくは大きくすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、外筒11の軸方向他端側の端部とダイヤフラムリング20とをカシメ固定した後、ノズル40から液室17に第二液体L2を注入してノズル40を引き抜いているが、本発明は、外筒11の軸方向他端側の開口端部の内側にダイヤフラム19を嵌合させた後、そのダイヤフラム19を機械的に押さえた状態で、ノズル40から液室17に第二液体L2を注入してノズル40を引き抜き、その後、外筒11の軸方向他端側の端部とダイヤフラムリング20とをカシメ固定してもよい。
また、上記した実施の形態では、液中組立工程の際に、シール部21aと仕切り部材16との間にノズル40を介在させてこのノズル40によってシール部21aの一部を圧縮変形させており、液体注入工程の後にノズル40を引き抜くことで、ノズル40によって圧縮変形されていたシール部21aの凹状の圧潰部がそのゴム弾性によって仕切り部材16に密接され、ノズル40を通していた凹状の圧潰部が閉塞される構成になっているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ノズル40を引き抜いた後に外筒11や仕切り部材本体22の開口11a,22bをビス等の閉塞部材で閉塞することも可能である。
また、防振装置10として圧縮式を示したが、主液室14が鉛直方向下側に位置しかつ副液室15が鉛直方向上側に位置するように取り付けられて用いられる吊り下げ式の防振装置にも適用可能である。
さらに、封入液Lに含有される液体は、二種類の液体(第一液体L1、第二液体L2)に限らず、三種類以上の液体を含有する封入液Lであってもよい。
また、本発明に係る防振装置の製造方法は、車両のエンジンマウントを製造する場合に限定されるものではなく、エンジンマウント以外に防振装置に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントを製造する場合にも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントを製造する場合にも適用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、外筒11の他端開口部にダイヤフラム19(ダイヤフラムリング20)がカシメ固定されているが、本発明は、ダイヤフラム19が外筒11にカシメ固定された構成に限定されず、例えば、ダイヤフラム19が外筒11に止め具等によって固定されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、仕切り部材16に制限通路24が形成されているが、本発明は、仕切り部材16以外に制限通路24が形成されていてもよい。例えば、外筒11の一部に溝加工して制限通路を形成してもよく、或いは、ダイヤフラムリング20等のカシメ部分の一部に溝加工して制限通路を形成してもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施の形態を説明するための防振装置の断面図である。 本発明の実施の形態を説明するための防振装置の分解斜視図である。 本発明の実施の形態を説明するための防振装置の液中組立工程を表した断面図である。 本発明の実施の形態を説明するための防振装置の液体注入工程を表した断面図である。
符号の説明
10 防振装置
11 外筒
12 内筒
13 弾性体
14 主液室
15 副液室
16 仕切り部材
17 液室
19 ダイヤフラム
21a シール部
24 制限通路
30 本体ゴム
40 ノズル
L 封入液
L1 第一液体
L2 第二液体

Claims (4)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、
    前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、
    前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室とダイヤフラムを壁面の一部とする他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成され、
    前記液室に、互いに非相溶性を有する第一液体及び第二液体を少なくとも含有する封入液が封入された液体封入型の防振装置の製造方法であって、
    前記外筒、前記内筒及び前記弾性体を一体化させて本体ゴムを作成する本体ゴム作成工程と、
    前記第一液体中において、前記仕切り部材を前記本体ゴムに組み付けた後、前記仕切り部材との間にノズルを介在させて前記ダイヤフラムを前記本体ゴムに組み付け、前記液室に前記第一液体を封入する液中組立工程と、
    前記ノズルから前記液室に前記第二液体を注入する液体注入工程と、
    を備えていることを特徴とする防振装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の防振装置の製造方法において、
    前記ダイヤフラムには、前記仕切り部材に対して密接する弾性変形可能なシール部が備えられており、
    前記液中組立工程の際に、前記シール部と前記仕切り部材との間に前記ノズルを介在させ、該ノズルによって前記シール部を圧縮変形させ、
    前記液体注入工程の後、前記ノズルを引き抜くノズル引抜工程を行うことを特徴とする防振装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の防振装置の製造方法において、
    前記封入液は、前記第一液体を60重量%以上99.9重量%以下含有し、第二液体を0.1重量%以上40重量%以下含有していることを特徴とする防振装置の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の防振装置の製造方法において、
    前記第一液体はエチレングリコール単体若しくはエチレングリコールとプロピレングリコールとを含有し、前記第二液体はシリコーンオイル若しくはフッ素オイルを含有することを特徴とする防振装置の製造方法。
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