JP2009249680A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】清浄な状態で対象物に成膜処理を行い、且つ、装置稼働率と成膜処理効率とを向上させた成膜方法及び成膜装置を提供する。
【解決手段】金属基板が収容されたチャンバ内を所定の圧力に減圧する減圧工程(ステップS12)と、チャンバ内に収容された金属基板にシリコン系薄膜を成膜する成膜工程(ステップS15)との間に、金属基板が収容された状態で、チャンバ内をクリーニングするクリーニング工程(ステップS13)を設けた。クリーニング工程(ステップS13)では、チャンバに付着している成膜処理による残膜を除去する残膜除去処理と、残膜除去処理による生成物の残渣を除去する残渣除去処理とが実行される。
【選択図】図2
【解決手段】金属基板が収容されたチャンバ内を所定の圧力に減圧する減圧工程(ステップS12)と、チャンバ内に収容された金属基板にシリコン系薄膜を成膜する成膜工程(ステップS15)との間に、金属基板が収容された状態で、チャンバ内をクリーニングするクリーニング工程(ステップS13)を設けた。クリーニング工程(ステップS13)では、チャンバに付着している成膜処理による残膜を除去する残膜除去処理と、残膜除去処理による生成物の残渣を除去する残渣除去処理とが実行される。
【選択図】図2
Description
本発明は、成膜方法及び成膜装置に関する。
対象物の表面に成膜処理を行う成膜装置としては、一対の電極が相対向するように配置される平行平板型のプラズマ成膜装置や、電子サイクロン共鳴(ECR)を利用したプラズマ成膜装置などがある。この種の成膜装置は、減圧されたチャンバ内に原料ガスを供給し、その原料ガスを用いたプラズマに対象物を曝すことにより成膜処理を行う。
上記の成膜装置では、成膜処理を実行する際に、対象物のみならずチャンバ内壁や電極表面などにも成膜種が堆積していく。これらの堆積物は、成膜処理の後に剥がれて飛散し、対象物の表面に付着することで異物や異常放電などの原因となる。そのため、上記の成膜装置においては、PFC(パーフルオロカーボン)系ガスなどのフッ素を含有したクリーニングガスをチャンバ内に供給して、チャンバ内の堆積物を化学的に除去するクリーニングを定期的に実施している(例えば、特許文献1)。
特開平9−69504号公報
ところで、上記成膜装置の中には、処理容器への対象物の搬入や処理容器からの対象物の搬出に際し、処理容器の大気開放と減圧とを実行する装置がある。こうした装置においても、上述した堆積物による不具合を解消するためには、処理容器内が常に清浄な状態であること、すなわち対象物の成膜処理ごとに上記クリーニングを実施することが望ましい。
一方で、図3に示すように、対象物の処理ごとに処理容器内をクリーニングする場合には、処理容器内に対象物を搬入する工程(ステップS101)と、処理容器内を成膜圧力に減圧する工程(ステップS102)と、成膜処理を実行する工程(ステップS103)と、処理容器内を大気開放する工程(ステップS104)と、対象物を処理容器内から搬出する工程(ステップS105)とが順に実行される。続いて、処理容器内を再び減圧する工程(ステップS106)と、処理容器内をクリーニングする工程(ステップS107)と、処理容器内を再び大気開放する工程(ステップS108)とが順に実行されて、この一連の工程が対象物ごとに繰り返される。そのため、上述した一連の工程では、処理容器の大気開放と減圧とが2回にわたり実行されることから、成膜装置の稼働率の低下を招き、また成膜処理効率の向上を妨げていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、清浄な状態で対象物に成膜処理を行い、且つ、装置稼働率と成膜処理効率とを向上させた成膜方法及び成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の成膜方法は、大気に開放された処理容器内に金属表面を有する対象物を搬入して、前記対象物が収容された状態で前記処理容器内を大気圧から減圧する減圧工程と、前記減圧工程後の前記処理容器内に原料ガスを用いたプラズマを生成して、前記処理容器内に収容された前記対象物にシリコン系の薄膜を成膜する成膜工程と、前記成膜工程後の前記処理容器内を再び大気に開放して、前記薄膜が成膜された前記対象物を前記処理容器内から搬出する搬出工程とを順に繰り返す成膜方法であって、前記減圧工程と前記成膜工程
との間に、前記対象物を収容した状態で前記処理容器内にフッ素含有ガスを用いたプラズマを生成して、先行する前記成膜工程で生成された前記処理容器内の残膜を前記処理容器内から除去するクリーニング工程を備えた。
との間に、前記対象物を収容した状態で前記処理容器内にフッ素含有ガスを用いたプラズマを生成して、先行する前記成膜工程で生成された前記処理容器内の残膜を前記処理容器内から除去するクリーニング工程を備えた。
金属表面を有する対象物は、クリーニング用のプラズマに曝されても、シリコン系の薄膜、材料のように揮発性の生成物を生成しない、すなわちダメージを受け難い。そして、本成膜方法によれば、減圧工程と成膜工程との間にクリーニング工程を実行することで、クリーニング工程と成膜工程とを実行するための減圧工程と大気開放工程とが1度で済む。したがって、本成膜方法は、成膜処理に関わる工程数を大幅に低減できることから、成膜処理の処理効率を向上でき、成膜装置の稼働率を向上できる。また、成膜工程の前にクリーニング工程が行われることから、対象物に対して高品質なシリコン系薄膜を成膜できる。
この成膜方法は、前記クリーニング工程は、前記処理容器内に酸素含有ガスを用いたプラズマを生成して、前記クリーニングにより生成された前記処理容器内の生成物をエッチングにより除去することが好ましい。
この成膜方法によれば、クリーニングによる生成物が基板や処理容器内に滞在する場合であっても、その生成物を除去する分だけ、より高い清浄度の下で成膜処理を実行できる。したがって、この成膜方法によれば、クリーニングの効率化を図ることができ、ひいては成膜処理の処理効率をさらに向上できる。
この成膜方法は、前記対象物は金属基板であり、前記薄膜は撥液膜であることが好ましい。
この成膜方法によれば、金属基板に対して高品質な撥液膜を成膜でき、その成膜処理の処理効率を向上できる。
この成膜方法によれば、金属基板に対して高品質な撥液膜を成膜でき、その成膜処理の処理効率を向上できる。
本発明の成膜装置は、表面が金属の対象物を収容した処理容器内を減圧する減圧部と、前記処理容器内に原料ガスを用いたプラズマを生成して、前記処理容器内に収容される前記対象物にシリコン系の薄膜を成膜する成膜部と、前記処理容器内にフッ素含有ガスを用いたプラズマを生成して、前記処理容器内にある残膜を前記処理容器内から除去するクリーニング部と、前記対象物を収容した状態で前記処理容器内を大気に開放する大気開放部と、大気に開放された前記処理容器に対し、前記対象物を収容した状態で、前記減圧部を駆動して前記処理容器内を減圧させ、前記減圧された前記処理容器内の前記対象物に対し、前記成膜部を駆動して前記薄膜を成膜させ、前記成膜された前記対象物を収容する前記処理容器に対し、前記大気開放部を駆動して前記処理容器内を再び大気に開放させる制御部とを備えた成膜装置であって、前記制御部は、前記減圧部を駆動して前記処理容器内を減圧させた後、前記成膜部を駆動する前に前記クリーニング部を駆動して、前記基板を収容した状態で前記処理容器内をクリーニングさせた。
金属表面を有する対象物は、クリーニング用のプラズマに曝されても、シリコン系の薄膜のように揮発性の生成物を生成しない、すなわちダメージを受け難い。減圧処理と成膜処理との間にクリーニング処理を実行することで、クリーニング処理と成膜処理とを実行するための減圧処理と大気開放処理とが1度で済む。したがって、本成膜装置は、装置稼働率を向上でき、また成膜処理に関わる工程数を大幅に低減できることから、成膜処理の処理効率を向上できる。また、成膜処理の前にクリーニング処理を行うことから、対象物に対して高品質なシリコン系薄膜を成膜できる。
この成膜装置は、前記処理容器に酸素含有ガスを用いたプラズマを生成して、前記クリーニングにより生成された前記処理容器内の生成物をエッチングによって前記処理容器内
から除去する残渣除去部をさらに備え、前記制御部は、前記成膜部を駆動する前に前記残渣除去部を駆動して、前記クリーニングにより生成された前記処理容器内の生成物を前記処理容器内から除去させることが好ましい。
から除去する残渣除去部をさらに備え、前記制御部は、前記成膜部を駆動する前に前記残渣除去部を駆動して、前記クリーニングにより生成された前記処理容器内の生成物を前記処理容器内から除去させることが好ましい。
この成膜装置によれば、クリーニングによる生成物が基板や処理容器内に滞在する場合であっても、その生成物を除去する分だけ、より高い清浄度の下で成膜処理を実行できる。したがって、この成膜装置によれば、クリーニングの効率化を図ることができ、ひいては成膜処理の処理効率をさらに向上できる。
本発明を具体化した一実施形態について図1及び図2に従って説明する。図1は、成膜装置としてのプラズマ成膜装置10の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図1における破線は、部材間の電気的接続を示す。
図1に示したプラズマ成膜装置10は、平行平板型のプラズマ成膜装置10であって、金属表面を有した対象物としての基板Wに対して、シリコン系薄膜を成膜する装置である。図1において、プラズマ成膜装置10は、大気開放可能な処理容器としてのチャンバ11を備え、そのチャンバ11に減圧部としての排気装置12と、ガス供給装置13とが連結されている。排気装置12は、チャンバ11内を排気して、所定の圧力に減圧する。ガス供給装置13は、フッ素含有ガスが充填されたガスボンベ14と、基板Wにシリコン系薄膜を成膜するための原料ガスが充填されたガスボンベ15と、酸素含有ガスが充填されたガスボンベ16と、チャンバ11に大気を導入して該チャンバ11を大気開放するための大気開放部としての大気供給部17とが設けられている。ガス供給装置13は、各ガスボンベ14,15,16及び大気供給部17を選択的に駆動して、選択したガスをチャンバ11に供給する。
フッ素含有ガスとしては、例えば、CF4,C2F6,C3F8,C4F8などを含有したガスが挙げられる。また、上記の4つのガスにCHF3,SF6,NH3などを添加したガスが挙げられる。基板Wにシリコン系薄膜を成膜する原料ガスとしては、例えば、フルオロアルキルシランなどを含有したガスなどが挙げられる。酸素含有ガスとしては、O2に不活性ガスであるAr,He,N2などを添加したガスやO2単体などが挙げられる。
チャンバ11の内部上側には、チャンバ11と電気的に絶縁された板状の上部電極18が設けられている。上部電極18は、マッチングボックス19を介して高周波電源20に接続されている。高周波電源20は、マッチングボックス19のインピーダンス整合によって、所望の高周波電力をチャンバ11内に供給する。上部電極18は、高周波電源20からの高周波電力を受けて、チャンバ11内にプラズマ空間を生成する。
チャンバ11の内部下側には、基板Wを載置するためのステージ電極21が設けられている。ステージ電極21に載置される基板Wは、フッ素含有ガスを用いて生成したプラズマに曝されてもダメージを受けないステンレス鋼からなる金属基板である。ステージ電極21は、上部電極18と相対向した状態で1つの基板Wを保持する。ステージ電極21は、電気的に接地されて、上部電極18に高周波電力が出力されているときに、ステージ電極21と上部電極18との間にプラズマを生成する。基板Wは、原料ガスを用いて生成したプラズマ中の成膜種を受けて、その表面にフルオロアルキルシランなどのシリコン系撥液膜が成膜される。
なお、本実施形態では、ガス供給装置13(ガスボンベ15)、上部電極18、高周波電源20、及びステージ電極21によって成膜部が構成されている。また、ガス供給装置
13(ガスボンベ14)、上部電極18、高周波電源20及びステージ電極21によってクリーニング部が構成されている。また、排気装置12、ガス供給装置13(ガスボンベ16)、上部電極18、高周波電源20、及びステージ電極21によって残渣除去部が構成される。
13(ガスボンベ14)、上部電極18、高周波電源20及びステージ電極21によってクリーニング部が構成されている。また、排気装置12、ガス供給装置13(ガスボンベ16)、上部電極18、高周波電源20、及びステージ電極21によって残渣除去部が構成される。
プラズマ成膜装置10には、制御部30が設けられている。制御部30は、CPU(図示せず)、各種制御プログラムや各種データを格納したROM(図示せず)、各種データを格納するRAM(図示せず)などから構成されている。制御部30は、ROMに格納した各種制御プログラムに基づいて、チャンバ11の減圧処理、チャンバ11内の残膜除去処理、チャンバ11内の残渣除去処理、基板Wへの成膜処理、チャンバ11の大気開放処理などを実行する。
制御部30には入力部31が電気的に接続されている。入力部31は、図示しない操作パネルからの操作信号を受けて、各処理を開始するための信号を制御部30へ出力する。制御部30は、入力部31からの信号に応答して各部を駆動し、減圧処理、残膜除去処理、残渣除去処理、成膜処理、大気開放処理を順に実行する。
制御部30には、出力部32が電気的に接続されている。制御部30は、大気開放処理が終了したことを示す信号を出力部32へ出力し、出力部32は、終了ランプ等を点灯させて大気開放処理が終了した旨を外部へ通知する。
制御部30は、排気装置12に電気的に接続されて、チャンバ11を減圧するための制御信号を排気装置12へ出力する。排気装置12は、制御部30からの制御信号に応答して、チャンバ11内を所定の圧力まで減圧する。
制御部30は、ガス供給装置13に電気的に接続されて、残膜除去処理、残渣除去処理、成膜処理、大気開放処理のそれぞれに応じた制御信号をガス供給装置13へ出力する。ガス供給装置13は、制御部30からの制御信号に応答して、各ガスボンベ14,15,16及び大気供給部17の中からいずれか1つを選択的に駆動して、各処理に応じて選択されたガスをチャンバ11内に供給する。
制御部30は、高周波電源20に電気的に接続されて、所定の高周波電力を出力するための制御信号を高周波電源20へ出力する。高周波電源20は、制御部30からの制御信号に応答して、所定の高周波電力を上部電極18に印加してチャンバ11内にプラズマを生成する。
次に、上記プラズマ成膜装置10を用いた成膜方法について図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態の成膜方法を示すフローチャートである。なお、チャンバ11の内壁や上部電極18などには、先行する成膜処理による残膜が付着している。
図2は、本実施形態の成膜方法を示すフローチャートである。なお、チャンバ11の内壁や上部電極18などには、先行する成膜処理による残膜が付着している。
まず、プラズマ成膜装置10においては、チャンバ11が大気に開放されている状態で、ステージ電極21に基板Wが載置され、チャンバ11が密閉される(基板搬入工程:ステップS11)。続いて、プラズマ成膜装置10は、入力部31からの操作信号を受けて、入力部31からの信号に基づいて排気装置12を駆動し、チャンバ11内の大気を排気させて、チャンバ11を所定の圧力まで減圧する(減圧工程:ステップS12)。
プラズマ成膜装置10は、減圧工程(ステップS12)が終了すると、残膜除去処理と残渣除去処理とからなるクリーニング工程(ステップS13)を実行する。すなわち、プラズマ成膜装置10は、ガス供給装置13を駆動してガスボンベ14に充填されたフッ素含有ガスを所定時間だけチャンバ11に供給する。次いで、プラズマ成膜装置10は、高
周波電源20とマッチングボックス19とを駆動して、高周波電源20に高周波電力を出力させ、チャンバ11内にフッ素含有ガスを用いたプラズマを生成する。そして、プラズマ成膜装置10は、チャンバ11内に基板Wを収容する状態で、チャンバ11の内壁や上部電極18などに付着している残膜を除去する。
周波電源20とマッチングボックス19とを駆動して、高周波電源20に高周波電力を出力させ、チャンバ11内にフッ素含有ガスを用いたプラズマを生成する。そして、プラズマ成膜装置10は、チャンバ11内に基板Wを収容する状態で、チャンバ11の内壁や上部電極18などに付着している残膜を除去する。
なお、このとき、基板Wなどには残膜除去処理による生成物(残渣)が付着する場合がある。そこで、本実施形態におけるプラズマ成膜装置10は、上記残膜除去処理の後、以下の残渣除去処理を継続して実行する。
すなわち、プラズマ成膜装置10は、フッ素含有ガスを所定時間だけチャンバ11に供給すると、高周波電源20に上部電極18への高周波電力の供給を一旦停止させ、チャンバ11内に滞在しているフッ素含有ガスをチャンバ11内から排気させる。続いて、プラズマ成膜装置10は、ガス供給装置13を駆動してガスボンベ16に充填された酸素含有ガスを所定時間だけチャンバ11に供給する。次いで、プラズマ成膜装置10は、高周波電源20とマッチングボックス19とを駆動して、高周波電源20に高周波電力を出力させ、チャンバ11内に酸素含有ガスを用いたプラズマを生成する。そして、プラズマ成膜装置10は、チャンバ11内や基板W上に付着している残渣をエッチングして、揮発性ガスとして排気させる。プラズマ成膜装置10は、酸素含有ガスを所定時間だけチャンバ11に供給すると、高周波電源20に高周波電力の供給を停止させると共に、ガス供給装置13にガス供給を停止させて、チャンバ11内に滞在している酸素含有ガス及び揮発性ガスを排気させる。
プラズマ成膜装置10は、上記クリーニング工程(ステップS13)を終了すると、成膜処理を実行する。すなわち、プラズマ成膜装置10は、ガス供給装置13を駆動してガスボンベ16に充填された原料ガスを所定時間だけチャンバ11内に供給する。次いで、プラズマ成膜装置10は、高周波電源20とマッチングボックス19とを駆動して、高周波電源20に高周波電力を出力させ、チャンバ11内に原料ガスを用いたプラズマを生成する。そして、プラズマ成膜装置10は、チャンバ11内に収容する基板Wにシリコン系撥液膜を成膜する。なお、このとき、チャンバ11の内壁や上部電極18などには、成膜処理による残膜が生成される(成膜工程:ステップS14)。
プラズマ成膜装置10は、上記成膜工程ステップS14を終了すると、高周波電源20に上部電極18への高周波電力の供給を停止させる。次いで、プラズマ成膜装置10は、ガス供給装置13を駆動し、ガスボンベ16からの原料ガスの供給を停止させるとともに、大気供給部17からの大気をチャンバ11内に供給してチャンバ11内の圧力を大気圧にする。プラズマ成膜装置10は、チャンバ11内に大気を供給すると、出力部32に大気開放処理が終了した旨を通知させる(大気開放工程:ステップS15)。
プラズマ成膜装置10においては、大気開放工程が終了すると、チャンバ11が開放されて、成膜された基板Wがチャンバ11から搬出される(基板搬出工程:ステップS16)。
以後、プラズマ成膜装置10は、ステップS11からステップS16までを繰り返して、各基板Wに対して成膜処理を実行する。したがって、成膜処理を実行する際、チャンバ11の内壁、上部電極18及び基板Wの表面がそれぞれ常に清浄な状態であることから、基板Wにはより高品質な薄膜が形成される。また、減圧工程(ステップS11)及び大気開放工程(ステップS16)がそれぞれ1度で済むことから、成膜処理効率とプラズマ成膜装置10の稼働効率とを向上できる。
上記実施形態によれば、下記のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ステンレス鋼からなる基板Wを用い、減圧工程(ステップS11)と成膜工程(ステップS14)との間に、残膜除去処理及び残渣除去処理(クリーニング工程(ステップS13))を実行する。したがって、クリーニング工程(ステップS13)と成膜工程(ステップS14)とを実行するための減圧工程(ステップS11)と、大気開放工程(ステップS15)とがそれぞれ1度で済むことから、成膜処理に関わる工程数を大幅に削減できる。その結果、成膜処理の処理効率及びプラズマ成膜装置10の稼働率を向上できる。
(1)上記実施形態では、ステンレス鋼からなる基板Wを用い、減圧工程(ステップS11)と成膜工程(ステップS14)との間に、残膜除去処理及び残渣除去処理(クリーニング工程(ステップS13))を実行する。したがって、クリーニング工程(ステップS13)と成膜工程(ステップS14)とを実行するための減圧工程(ステップS11)と、大気開放工程(ステップS15)とがそれぞれ1度で済むことから、成膜処理に関わる工程数を大幅に削減できる。その結果、成膜処理の処理効率及びプラズマ成膜装置10の稼働率を向上できる。
(2)また、成膜工程ステップS14の直前にクリーニング工程(ステップS13)が行われることから、チャンバ11内が清浄な状態で基板Wに成膜できる。したがって、基板Wに高品質な薄膜を成膜できる。
(3)上記実施形態のクリーニング工程(ステップS13)では、成膜処理によってチャンバ11内に付着した残膜を除去する残膜除去処理と、残膜除去処理後の残渣を除去する残渣除去処理とを連続して行った。したがって、クリーニング工程(ステップS13)においては、残膜除去処理にて生成され得る残渣を除去する分だけ、基板Wに対して、より高い清浄度の下で成膜処理が施される。その結果、基板Wには、より高品質な薄膜が成膜される。
(4)上記実施形態では、基板Wに撥液膜を成膜することから、金属基板の表面に高品質な撥液膜を成膜できる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、プラズマ成膜装置10に、残膜除去処理にて生成され得る残渣を除去するための残渣除去部を設けた。また、クリーニング工程(ステップS13)では、残膜除去処理が終了した直後に、残膜除去処理にて生成され得る残渣を除去するための残渣除去処理を実行した。これを変更し、例えば残膜除去処理にて残渣が生成されない場合には、プラズマ成膜装置10から残渣除去部を割愛してもよく、成膜方法から残渣除去処理を割愛してもよい。
・上記実施形態では、残膜除去処理と残渣除去処理とを連続的に1回だけ実行した。これに限らず、プラズマ成膜装置10は、残膜除去処理と残渣除去処理とを交互に複数回行ってもよい。また、プラズマ成膜装置10は、チャンバ11内にフッ素含有ガスと酸素含有ガスとを同時に供給して、残膜除去処理と残渣除去処理と同時に行う構成であってもよい。
・上記実施形態では、金属表面を有する対象物をステンレス鋼からなる基板Wに具体化したが、これに限らず、対象物は、例えばフッ素含有ガスと反応し難い金属膜で被覆された基体であってもよい。
・上記実施形態では、シリコン系の薄膜を撥液性に具体化したが、これに限らず、シリコン系の薄膜を親液性に具体化してもよく、シリコン系の薄膜は、フッ素含有ガスを用いたプラズマによって排気されるものであればよい。
・上記実施形態では、成膜装置を平行平板型のプラズマ成膜装置10に具体化したが、これに限らず、例えば、マイクロ波を用いた電子サイクロン共鳴(ECR)を利用した成膜装置に具体化してもよい。
・上記実施形態のプラズマ成膜装置10では、ステージ電極21に1つの基板Wを載置したが、これに限らず、ステージ電極21に複数枚の基板Wが載置されるプラズマ成膜装
置に具体化してもよい。
置に具体化してもよい。
・上記実施形態のプラズマ成膜装置10は、チャンバ11内において各種のガスをプラズマ化する構成であるが、これに限らず、例えば、各処理に応じたプラズマをチャンバ11の外側で生成し、そのプラズマをチャンバ11内へ導くことにより、チャンバ11内にプラズマを生成する構成であってもよい。すなわち、成膜装置は、成膜用のプラズマ又はクリーニング用のプラズマを生成するためのリモートプラズマ源を搭載する装置であってもよい。
W…基板、10…プラズマ成膜装置、11…チャンバ、12…排気装置、13…ガス供給装置、18…上部電極、20…高周波電源、21…ステージ電極、30…制御部。
Claims (5)
- 大気に開放された処理容器内に金属表面を有する対象物を搬入して、前記対象物が収容された状態で前記処理容器内を大気圧から減圧する減圧工程と、
前記減圧工程後の前記処理容器内に原料ガスを用いたプラズマを生成して、前記処理容器内に収容された前記対象物にシリコン系の薄膜を成膜する成膜工程と、
前記成膜工程後の前記処理容器内を再び大気に開放して、前記薄膜が成膜された前記対象物を前記処理容器内から搬出する搬出工程とを順に繰り返す成膜方法であって、
前記減圧工程と前記成膜工程との間に、前記対象物を収容した状態で前記処理容器内にフッ素含有ガスを用いたプラズマを生成して、先行する前記成膜工程で生成された前記処理容器内の残膜を前記処理容器内から除去するクリーニング工程を備えたことを特徴とする成膜方法。 - 請求項1に記載の成膜方法であって、
前記クリーニング工程は、
前記処理容器内に酸素含有ガスを用いたプラズマを生成して、前記クリーニングにより生成された前記処理容器内の生成物をエッチングにより除去することを特徴とする成膜方法。 - 請求項1又は2に記載の成膜方法であって、
前記対象物は金属基板であり、
前記薄膜は撥液膜であることを特徴とする成膜方法。 - 表面が金属の対象物を収容した処理容器内を減圧する減圧部と、
前記処理容器内に原料ガスを用いたプラズマを生成して、前記処理容器内に収容される前記対象物にシリコン系の薄膜を成膜する成膜部と、
前記処理容器内にフッ素含有ガスを用いたプラズマを生成して、前記処理容器内にある残膜を前記処理容器内から除去するクリーニング部と、
前記対象物を収容した状態で前記処理容器内を大気に開放する大気開放部と、
大気に開放された前記処理容器に対し、前記対象物を収容した状態で、前記減圧部を駆動して前記処理容器内を減圧させ、前記減圧された前記処理容器内の前記対象物に対し、前記成膜部を駆動して前記薄膜を成膜させ、前記成膜された前記対象物を収容する前記処理容器に対し、前記大気開放部を駆動して前記処理容器内を再び大気に開放させる制御部とを備えた成膜装置であって、
前記制御部は、
前記減圧部を駆動して前記処理容器内を減圧させた後、前記成膜部を駆動する前に前記クリーニング部を駆動して、前記対象物を収容した状態で前記処理容器内をクリーニングさせることを特徴とする成膜装置。 - 請求項4に記載の成膜装置にであって、
前記処理容器に酸素含有ガスを用いたプラズマを生成して、前記クリーニングにより生成された前記処理容器内の生成物をエッチングによって前記処理容器内から除去する残渣除去部をさらに備え、
前記制御部は、
前記成膜部を駆動する前に前記残渣除去部を駆動して、前記クリーニングにより生成された前記処理容器内の生成物を前記処理容器内から除去させることを特徴とする成膜装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008098458A JP2009249680A (ja) | 2008-04-04 | 2008-04-04 | 成膜方法及び成膜装置 |
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KR20210052222A (ko) * | 2019-10-31 | 2021-05-10 | 가부시키가이샤 코쿠사이 엘렉트릭 | 반도체 장치의 제조 방법, 프로그램 및 기판 처리 장치 |
JP2021121009A (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-19 | 株式会社Kokusai Electric | 半導体装置の製造方法、プログラム及び基板処理装置 |
-
2008
- 2008-04-04 JP JP2008098458A patent/JP2009249680A/ja active Pending
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