JP2004288863A - ドライエッチング方法 - Google Patents

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直志 山口
Yoshihiro Yanagi
義弘 柳
Masafumi Morita
雅史 森田
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Abstract

【課題】高融点金属をドライエッチング処理を行う場合、大量でかつ化学的結合力が強固な反応生成物が被処理基板に付着する。
【解決手段】ドライエッチング処理において、プロセスガスにて所望のエッチングを行った後、放電を維持したまま非プロセスガスと置換することによって反応生成物を気相状態のまま排気することにより、反応生成物の被処理基板への付着を防止する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶および半導体製造技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LSIや液晶の高精度化、高性能化、低消費電力化が進むに伴い、半導体や液晶に用いられる配線に抵抗値の低いMo、W、Pt,Au等の高融点金属材料が採用されるようになってきている。この場合、従来の並行平板型ドライエッチング装置にてプラズマ処理加工を施すと、高融点金属は反応性の低い金属であるため、プロセスガスと反応するだけのプラズマ密度を実現することができず、配線をパターニングすることはできない。
【0003】
そのため、近年、ICP(Inductively Coupled Plasma)のような高密度プラズマソースを使用したドライエッチング装置を用いて、エッチングを行うことが一般的となってきている。
【0004】
以下、典型的なドライエッチング装置を図5に示す。図において、真空容器1は排気口11より真空ポンプ10で排気されている。真空容器1には、電極2とプラズマソース3とが装備されており、プラズマソース3には、プラズマソース用マッチングボックス4aを介して、プラズマソース用高周波電源5aによって電力が供給され、電極2には、電極印加用マッチングボックス4bを介して、電極印加用高周波電源5bによって電力が供給され、対向電極3は接地されている。プロセスガス6はマスフローコントローラ7a、7bによって流量制御され、ガス導入口8より真空容器1内へ導入される。被エッチング物9は電極2上に設置される。プラズマソース3および電極2に電力が印可されると、真空容器1内にプロセスガス6のプラズマが生成され、プロセスガス6が分解されてイオンやラジカルを生じ、このイオンやラジカルまたはプロセスガス6そのものの効果によって、被エッチング物9の表面がハロゲン化され、その反応生成物が被エッチング物9の表面より離脱することによって、被エッチング物9がエッチングされる。
【0005】
一方、ドライエッチング装置やプラズマ処理装置においては、プロセスガスと被処理材料と反応した生成物が、経時的に徐々にチャンバや被処理基板に付着し、配線不良としてショートやオープンなどの重大な品質不良の原因となっている。
【0006】
このような問題を解決するため、従来は、ドライエッチングプロセスにおいて、図6に示すようなドライクリーニング方法が採用されている。
【0007】
このドライクリーニング方法は、エッチング処理工程において、エッチング処理が終了すると、放電をOFFし、その後にプロセスガスを排気し、エッチング処理工程が終了した後に、クリーニングガスを導入し、放電し、反応生成物を分解し、放電をOFFし、ガスを排気するものである。
【0008】
また、例えば、ドライエッチング装置におけるドライクリーニング方法として、クリーニングに適したガスを真空容器内に導入し、プラズマソースにより発生させたプラズマによってチャンバ壁面乃至は非処理基板に付着した反応生成物をプラズマエッチングにより化学的に分解して除去する方法がとられている(特許文献1参照)。このような方法は、成膜装置においても採用されている(特許文献2参照)。
【0009】
このように、従来公知のクリーニング方法は、図6に示すように、プロセスガスの導入から、ガス排気に至るエッチング処理工程の後に、クリーニングガス導入からガス排気に至る反応生成物除去工程を行うものである。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−252203号公報(4〜7頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−274105号公報(9頁、図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような高密度プラズマで、高融点金属をドライエッチングした場合には、高融点金属とプロセスガスとの反応生成物は、その発生量が大量で、非処理基板毎に大量に付着し、かつ化学的な結合力が強固なため、一旦、チャンバ側壁や被処理基板に付着すると、上記した従来のドライクリーニング方法では分解除去できないという課題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するためには、従来のようなチャンバや被処理基板に付着した反応生成物をプラズマエッチングにより除去する方法ではなく、反応生成物をチャンバや被処理基板に付着させないような手段が重要である。
【0013】
その手段として、プロセスガスで被処理基板をエッチングする第一工程と、第一工程の放電を維持したまま、前記プロセスガスから非プロセスガスに連続的に置換する第二工程と、前記非プロセスガスにより一定時間、放電を維持させる第三工程でドライエッチングすることにより、反応生成物を気相状態のまま、排気することができ、被処理基板やチャンバ壁面に対して反応生成物が付着するのを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、プロセスガスが導入される真空容器内にプラズマソースより高周波電力を印加し放電することでプラズマを励起させ、前記真空容器内の電極上に載置された被処理基板に対して、エッチング処理を施すドライエッチング方法であって、前記プロセスガスで前記被処理基板をエッチングする第一工程と、前記第一工程の放電を継続したまま、前記プロセスガスから非プロセスガスに連続的に置換する第二工程と、前記非プロセスガスにより一定時間、放電を維持させ、反応生成物を気相状態のまま排気する第三工程とを有することを特徴とするもので、第一工程であるエッチング工程における放電を継続したまま、第二工程でプロセスガスを非プロセスガスと置換し、放電を維持したままの状態で、反応生成物を気相状態のまま排気することで、反応生成物の被処理基板またはチャンバ側壁への付着を確実に防止することができる作用を有する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記第二工程は、前記プロセスガスの供給を終了するのと同時に、非プロセスガスの供給を開始することを特徴とするもので、請求項1記載の発明と同じ作用を有する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記第二工程は、前記プロセスガスの総流量を連続的もしくは段階的に減少するのと同時に、非プロセスガスの総流量を連続的もしくは段階的に増加することを特徴とするもので、請求項1記載の発明と同じ作用を有し、かつプロセスガスによるプラズマから非プロセスガスによるプラズマへの切り替わり時に、プラズマが不安定になることを回避でき、放電の安定性を維持することができる作用を有する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記第二工程は、前記プロセスガス総流量と真空容器内圧力と印加電力が、前記第一工程におけるプロセスガス総流量と真空容器内圧力と印加電力とそれぞれ等しいことを特徴とするもので、プロセスガスによるプラズマから非プロセスガスによるプラズマへの切り替わり時に、プラズマが不安定になることを回避でき、放電の安定性を維持できる作用を有する。
【0018】
請求項5に記載の発明は、前記第一工程におけるプロセスガスの主成分が、フッ素系ガスであることを特徴とするものである。
【0019】
請求項6に記載の発明は、前記第二工程における非プロセスガスが、O、N、He、Arであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項7に記載の発明は、前記被処理基板にエッチングを施す膜が、第4周期以上の高融点金属であることを特徴とするものである。
【0021】
請求項8に記載の発明は、前記被処理基板にエッチングを施す膜が、Cr、Mo、Wあるいはそれらの合金であることを特徴とするものである
【0022】
【実施の形態】
本実施の形態で使用したドライエッチング装置は、図5に示す従来のドライエッチング装置であって、液晶基板処理用ドライエッチング装置(基板サイズ550mm×650mm)、プラズマソースとしてICPプラズマを発生できるコイルユニットを搭載している。被処理基板としては、ガラス基板上に高融点MoW合金膜を厚み300nmで成膜したのを用い、使用したガスはSFガスとOガスの混合ガスである。エッチング処理条件は、SFガス流量400sccm、Oガス流量100sccm、圧力4Pa、ICP印加電力6000W、電極印加電力2000Wでエッチングした。
【0023】
本発明においては、前記エッチング処理後に、放電を維持したままSFガスとOガスの供給を終了させると同時に非プロセスガスとしてOを500sccm、圧力4Paで供給し、1min放電を維持した後、排気したものである。本方法によると反応生成物は気相のまま排気されることが確認された。非プロセスガスとしては、O以外に、N、He、Anが好適である。
【0024】
測定方法は、電子顕微鏡観察により、反応生成物の堆積量を厚みで評価した。従来のクリーニング方法は、エッチング処理後にOガスを500sccm、圧力20Paで被処理基板を5minクリーニングした。この方法では、図4に示す通り、反応生成物の堆積量が360nmであるのに対して、本発明のドライエッチング方法では、0nmであり、反応生成物の堆積を防止できるものであることが確認された。
【0025】
以上のことから、プロセスガスで前記被処理基板をエッチングする第一工程と、第一工程の放電を維持したまま、プロセスガスの供給を終了させると同時に、非プロセスガスの供給を開始し、プロセスガスから連続的に非プロセスガスに置換する第二工程と、非プロセスガスにより一定時間、放電を維持させる第三工程とを有することを特徴とすたドライエッチング方法を用いることにより、反応生成物の非処理基板への堆積を抑制することができる。
【0026】
また、図2に示すように、放電を維持したまま非プロセスガスに連続的に置換する第二工程が、前記プロセスガスの総流量を連続的もしくは段階的に減少させると同時に、非プロセスガスの総流量を連続的もしくは段階的に増加させることにより、反応生成物の被処理基板やチャンバ側壁への付着を防止するだけでなく、プロセスガスによるプラズマから非プロセスガスによるプラズマへの切り替わり時にプラズマが不安定になることを回避でき、放電の安定性を維持することができる。
【0027】
また、図3に示すように、前記プロセスガスから非プロセスガスに連続的に置換する第二工程における非プロセスガス総流量と真空容器内圧力と印加電力を、それぞれ前記第一工程におけるプロセスガス総流量と真空容器内圧力と印加電力と等しくすることにより、反応生成物の被処理基板やチャンバ側壁への付着を防止するだけでなく、プロセスガスによるプラズマから非プロセスガスによるプラズマへの切り替わり時にプラズマが不安定になることを回避でき、放電の安定性を維持することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のことから、プロセスガスで前記被処理基板をエッチングする第一工程と、第一工程の放電を維持したまま、プロセスガスから連続的に非プロセスガスに置換する第二工程と、非プロセスガスにより一定時間、放電を維持させ、反応生成物を気相状態のまま排気する第三工程とを有するドライエッチング方法を用いたことにより、反応生成物の非処理基板への堆積を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すフロー図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図4】本発明の効果を示す図である。
【図5】典型的なドライエッチング装置の構成を示す図である。
【図6】従来のクリーニング方法を示す図である。
【符号の説明】
1 反応室
2 下部電極
3 プラズマソース
4a プラズマソース用マッチングボックス
4b 電極印加用マッチングボックス
5a プラズマソース用高周波電源
5b 電極印加用高周波電源
6 プロセスガス
7a マスフローコントローラ
7b マスフローコントローラ
8 ガス吹き出し口
9 基板
10 真空ポンプ
11 排気口

Claims (8)

  1. プロセスガスが導入される真空容器内にプラズマソースより高周波電力を印加し放電することでプラズマを励起させ、前記真空容器内の電極上に載置された被処理基板に対して、エッチング処理を施すドライエッチング方法であって、前記プロセスガスで前記被処理基板をエッチングする第一工程と、前記第一工程の放電を継続したまま、前記プロセスガスから非プロセスガスに連続的に置換する第二工程と、前記非プロセスガスにより一定時間、放電を維持させ、反応生成物を気相状態のまま排気する第三工程とを有し、反応生成物の非処理基板への堆積を防止することを特徴とするドライエッチング方法。
  2. 前記第二工程は、前記プロセスガスの供給を終了するのと同時に、非プロセスガスの供給を開始することを特徴とする請求項1記載のドライエッチング方法。
  3. 前記第二工程は、前記プロセスガスの総流量を連続的もしくは段階的に減少するのと同時に、非プロセスガスの総流量を連続的もしくは段階的に増加することを特徴とする請求項1記載のドライエッチング方法。
  4. 前記第二工程は、プロセスガス総流量と真空容器内圧力と印加電力が、前記第一工程におけるプロセスガス総流量と真空容器内圧力と印加電力とそれぞれ等しいことを特徴とする請求項1から請求項3いずれかに記載のドライエッチング方法。
  5. 前記第一工程におけるプロセスガスの主成分が、フッ素系ガスであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のドライエッチング方法。
  6. 前記第二工程における非プロセスガスが、O、N、He、Arであることを特徴とする請求項1から請求項4いずれかに記載のドライエッチング方法。
  7. 前記被処理基板にエッチングを施す膜は、第4周期以上の高融点金属であることを特徴とする請求項1から請求項6いずれかに記載のドライエッチング方法。
  8. 前記被処理基板にエッチングを施す膜は、Cr、Mo、Wあるいはそれらの合金であることを特徴とする請求項1から請求項6いずれかに記載のドライエッチング方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007088692A1 (ja) * 2006-01-31 2007-08-09 Sharp Kabushiki Kaisha プラズマエッチング方法
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