JP2009249606A - ポリ乳酸用改質剤およびポリ乳酸樹脂組成物。 - Google Patents

ポリ乳酸用改質剤およびポリ乳酸樹脂組成物。 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリ乳酸用改質剤および耐加水分解性に優れたポリ乳酸樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 ポリメタクリル酸メチルのみからなるセグメント(A)とポリスチレンのみからなるセグメント(B)を有し、下記(イ)〜(ハ)の特徴を有するブロックポリマーであるポリ乳酸用改質剤。
(イ)セグメント(A)とセグメント(B)の重量比(A)/(B)が、0.4〜9.0
(ロ)ブロックポリマーの数平均分子量が、10,000〜100,000
(ハ)分子量分布 1.0〜2.0
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリ乳酸用改質剤およびポリ乳酸樹脂組成物に関するものである。
近年、環境調和型ポリマーとして生分解性樹脂の研究が盛んに行われている。特に、生分解の観点だけでなく、カーボンニュートラルを可能にする植物を原料とするポリ乳酸が、コスト面や物性の高さからも高い注目を浴びている。しかしながら、その成形品では加水分解性などが劣るという問題点を有しており、本格的な展開には至っていない。
このような欠点を解決するものとして、例えば、(A)ポリ乳酸と、(B)ポリアルキルアクリル酸エステル及び/又はポリビニルエステルと、(C)ポリオレフィン及び(D)ポリアルキルアクリル酸エステルとポリオレフィンのブロック共重合体及び/又はポリビニルエステルとポリオレフィンとのブロック共重合体とを含むことを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。
しかし、ポリ乳酸樹脂組成物における(A)ポリ乳酸、(B)ポリアクリル酸エステル又はポリビニルエステル、(C)ポリオレフィン、及び(D)上記(B)と(C)とのブロック共重合体の配合割合は、(A)+(B)+(C)+(D)の100に対し、重量で、(A)が、5〜30%、(B)が20〜50%、(C)が5〜20%、(D)が20〜50%との開示があり、ポリ乳酸の配合量が3割以下となっており、ポリ乳酸の改質とは言い難い。また、ポリ乳酸を適切な汎用プラスチックと混和・混合させることにより、環境に対する負荷が小さく、加水分解を著しく抑制した新規なポリ乳酸樹脂組成物を提供することを目的としているが、効果の実証はない。
また、かかる問題を解決する目的で、汎用ポリエステル樹脂の耐加水分解性向上と同様に、カルボキシル基と反応する末端封鎖剤の使用がポリ乳酸にも検討された。例えば、脂肪族アルコールとカルボキシル基の縮合反応によりポリ乳酸の末端カルボキシル基を封鎖する方法(特許文献2、特許文献3)が提案されているが、アルコールとカルボキシル基の脱水縮合反応による末端封鎖と同時に副生成物として水分が生成し、その水分を除去するため真空脱水工程が必要となってくる。このようなアルコール化合物をポリ乳酸の成形工程で使用すると、発生する水分が気化したり、成形品に混入したりするため、成形品の外観が劣るばかりでなく、強度、耐熱性などの物性も低下する。また、ポリ乳酸重合工程で使用すると、重合速度が遅くなり、ポリ乳酸の分子量が低くなり、残存未反応物が多くなる等の問題点を生じる。
特開2005−239957 特開平7−316273 特開平9−21017
本発明の課題は、ポリ乳酸用改質剤および耐加水分解性に優れたポリ乳酸樹脂組成物を提供することにある。
本発明は以下の発明に係る。
1.ポリメタクリル酸メチルのみからなるセグメント(A)とポリスチレンのみからなるセグメント(B)を有し、下記(イ)〜(ハ)の特徴を有するブロックポリマーであるポリ乳酸用改質剤。
(イ)セグメント(A)とセグメント(B)の重量比(A)/(B)が、0.4〜9.0
(ロ)ブロックポリマーの数平均分子量が、10,000〜100,000
(ハ)分子量分布 1.0〜2.0
2.ブロックポリマーが、有機テルル化合物系重合開始剤を用いて重合して得られたポリマーである上記に記載のポリ乳酸用改質剤。
3.有機テルル化合物系重合開始剤が、
(a)式(1)で表される有機テルル化合物、
(b)式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)式(1)で表される有機テルル化合物と式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は
(d)式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物
のいずれかである上記に記載のポリ乳酸用改質剤。
Figure 2009249606
(式中、Rは、C〜Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC〜Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。)
(RTe) (2)
(式中、Rは、上記と同じ。)
4.ポリ乳酸と、上記のいずれかに記載のポリ乳酸用改質剤とを混練して得られることを特徴とする改質されたポリ乳酸樹脂組成物。
本発明のポリ乳酸用改質剤は、特に耐加水分解性を改質することができ、また、該ポリ乳酸用改質剤を配合したポリ乳酸樹脂組成物は耐加水分解性に優れる。驚くべきことに、本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、ポリ乳酸が本来有している透明性を損なうことなく、優れた耐加水分解性を有している。
本発明でいうポリ乳酸とは、乳酸やラクチド等のオリゴマーを重合したもので、L体あるいはD体の光学純度は90%以上であると、融点が高く好ましい。本発明では、L体あるいはD体の光学純度が97%以上のものをホモポリ乳酸と呼ぶ。また、ポリ乳酸の性質を損なわない範囲で、乳酸以外の成分を共重合していても、ポリ乳酸以外のポリマーや粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加物を含有していても良い。ただし、バイオマス利用、生分解性の観点から、ポリマーとして乳酸モノマーは50重量%以上とすることが重要である。乳酸モノマーは好ましくは75重量%以上、より好ましくは96重量%以上である。また、ポリ乳酸ポリマーの分子量は、重量平均分子量で5万〜50万であると、力学特性と成形性のバランスが良く好ましい。
本発明のポリ乳酸用改質剤は、ポリメタクリル酸メチルのみからなるセグメント(A)とポリスチレンのみからなるセグメント(B)を有し、下記(イ)〜(ハ)の特徴を有するブロックポリマーである。
(イ)セグメント(A)とセグメント(B)の重量比(A)/(B)が、0.4〜9.0
(ロ)ブロックポリマーの数平均分子量が、10,000〜100,000
(ハ)分子量分布 1.0〜2.0
上記ブロックポリマーは、例えば、有機テルル化合物系重合開始剤を用いた重合により得ることができる。具体的には、
(a)式(1)で表される有機テルル化合物、
(b)式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)式(1)で表される有機テルル化合物と式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は
(d)式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物
から選ばれる有機テルル化合物系重合開始剤を用いて重合する。
本発明で使用する有機テルル化合物は、式(1)で表される。
Figure 2009249606
(式中、Rは、C〜Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC〜Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。)
で示される基は、具体的には次の通りである。
〜Cのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を挙げることができる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が良い。より好ましくは、メチル基、エチル基又はn−ブチル基が良い。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。好ましいアリール基としては、フェニル基が良い。置換アリールの置換基としては、例えばC〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−CORaで示されるカルボニル含有基(Ra=C〜Cのアルキル基、アリール基、C〜Cのアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。
好ましい置換アリール基としては、トリフルオロメチル置換フェニル基が良い。
また、これら置換基は、1個又は2個置換しているのが良く、パラ位若しくはオルト位が好ましい。
芳香族へテロ環基としては、ピリジル基、ピロール基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
及びRで示される各基は、具体的には次の通りである。
〜Cのアルキル基としては、上記Rで示したアルキル基と同様のものを挙げることができる。
で示される各基は、具体的には次の通りである。
アリール基、置換アリール基、芳香族へテロ環基としては上記Rで示した基と同様のものを挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、ベンズアミド、2−フルアミド等のカルボン酸アミド、チオアセトアミド、ヘキサンジチオアミド、チオベンズアミド、メタンチオスルホンアミド等のチオアミド、セレノアセトアミド、ヘキサンジセレノアミド、セレノベンズアミド、メタンセレノスルホンアミド等のセレノアミド、N−メチルアセトアミド、ベンズアニリド、シクロヘキサンカルボキサニリド、2,4'−ジクロロアセトアニリド等のN−置換アミド等を挙げることができる。
オキシカルボニル基としては、−COORb(Rb=H、C〜Cのアルキル基、アリール基)で示される基を挙げることができる。
具体的には、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。
好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
好ましいRで示される各基としては、アリール基、置換アリール基、オキシカルボニル基又はシアノ基が良い。
好ましいアリール基としては、フェニル基が良い。
好ましい置換アリール基としては、ハロゲン原子置換フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基が良い。
また、これらの置換基は、ハロゲン原子の場合は、1〜5個置換しているのが良い。
アルコキシ基やトリフルオロメチル基の場合は、1個又は2個置換しているのが良く、1個置換の場合は、パラ位若しくはオルト位が好ましく、2個置換の場合は、メタ位が好ましい。
好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
好ましい(1)で示される有機テルル化合物としては、RがC〜Cのアルキル基またはフェニル基を示し、R及びRが、水素原子又はC〜Cのアルキル基を示し、Rが、アリール基、置換アリール基、オキシカルボニル基で示される化合物が良い。
特に好ましくは、Rが、C〜Cのアルキル基またはフェニル基を示し、R及びRが、水素原子又はC〜Cのアルキル基を示し、Rが、フェニル基、置換フェニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
式(1)で示される有機テルル化合物は、具体的には次の通りである。
(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(メチルテラニルメチル)ナフタレン、エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネートや、特許文献2及び3等に記載された有機テルル化合物の全てを例示することができる。
式(1)で示される有機テルル化合物の製造方法は特に限定されず、特許文献4及び5等に記載された公知の方法等により製造することができる。
WO 2004/14848 WO 2004/14962 例えば、式(1)の化合物は、式(3)の化合物、式(4)の化合物および金属テルルを反応させることにより製造することができる。 上記、式(3)の化合物としては、具体的には次の通りである。
Figure 2009249606
〔式中、R、R及びRは、上記と同じ。Xは、ハロゲン原子を示す。〕
Xで示される基としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素等のハロゲン原子を挙げることができる。好ましくは、塩素、臭素が良い。
M(R)m (4)
〔Rは、上記と同じ。Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は銅原子を示す。Mがアルカリ金属の時、mは1、Mがアルカリ土類金属の時、mは2、Mが銅原子の時、mは1または2を示す。〕
Mで示されるものとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、銅を挙げることができる。好ましくは、リチウムが良い。
なお、Mがマグネシウムの時、化合物(4)はMg(R)2でも、或いはRMgX(Xは、ハロゲン原子)で表される化合物(グリニャール試薬)でもよい。Xは、好ましくは、塩素、臭素が良い。
本発明で使用する有機ジテルル化合物は、式(2)で表される。
(RTe)2 (2)
(Rは、C〜Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。)
で示される基は、式(1)において示した通りである。
好ましい式(2)で示される化合物としては、RがC〜Cのアルキル基、フェニル基の化合物である。
式(2)で示される化合物は、具体的には、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−sec−ブチルジテルリド、ジ−tert−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。好ましくは、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドが良い。
また本発明では重合速度の促進を目的にアゾ系重合開始剤を使用してもよい。アゾ系重合開始剤は、通常のラジカル重合で使用するアゾ系重合開始剤であれば特に制限なく使用することができる。
例えば2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1'−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2'−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2'−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
これらのアゾ開始剤は反応条件に応じて適宜選択するのが好ましい。例えば低温重合(40℃以下)の場合は2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、中温重合(40〜80℃)の場合は2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート(MAIB)、1,1'−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2'−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、高温重合(80℃以上)の場合は1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2'−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2'−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]を用いるのがよい。
本発明のブロックポリマーのセグメント(A)は、メタクリル酸メチルモノマーを重合することで得られる。また、本発明のブロックポリマーのセグメント(B)は、スチレンモノマーを重合することで得られる。
本発明のポリ乳酸用改質剤は、セグメント(A)を重合し、次いでセグメント(B)を重合する。反応させる順番によりセグメント(B)−セグメント(A)のものも得ることができる。
上記で、セグメントを製造後、そのまま次のブロックの反応を開始しても良いし、一度反応を終了後、精製してから次のセグメントの反応を開始しても良い。
モノマーと式(1)の化合物の使用割合としては、得られる共重合体の分子量或いは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、式(1)の化合物1molに対して、モノマーを20〜4,000mol、好ましくは40〜1,300molとするのが良い。
式(1)の化合物とアゾ系重合開始剤の使用割合は、通常、式(1)の化合物1molに対して、アゾ系重合開始剤0.01〜100mol、好ましくは0.1〜10mol、特に好ましくは0.1〜5molとするのが良い。
式(1)の化合物と式(2)の化合物を併用する場合、その使用量としては、通常、式(1)の化合物1molに対して、式(2)の化合物0.01〜100mol、好ましくは0.05〜10mol、特に好ましくは0.1〜5molとするのが良い。
式(1)の化合物、式(2)の化合物及びアゾ系重合開始剤を併用する場合、その使用量としては、通常、式(1)の化合物と式(2)の化合物の合計1molに対して、アゾ系重合開始剤0.01〜100mol、好ましくは0.1〜10mol、特に好ましくは0.1〜5molとするのが良い。
反応は、通常、無溶媒で行うが、ラジカル重合で一般に使用される有機溶媒或いは水性溶媒を使用しても構わない。使用できる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、ヘキサフルオロイソプロパオール、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、トリフルオロメチルベンゼン等が挙げられる。また、水性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。溶媒の使用量としては適宜調節すればよいが、例えば、ビニルモノマー1gに対して、溶媒を0.01〜50ml、好ましくは、0.05〜10mlが、特に好ましくは、0.1〜1mlが良い。
次に、上記混合物を攪拌する。反応温度、反応時間は、得られるポリマーの分子量或いは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、0〜150℃で、1分〜100時間撹拌する。好ましくは、20〜100℃で、0.1〜30時間撹拌するのが良い。更に好ましくは、20〜80℃で、0.1〜15時間撹拌するのが良い。このように低い重合温度及び短い重合時間であっても高い収率と精密な分子量分布を得ることができるのが、本発明の特徴である。この時、圧力は、通常、常圧で行われるが、加圧或いは減圧しても構わない。
反応終了後、常法により使用溶媒や残存モノマーを減圧下除去して目的ポリマーを取り出したり、目的ポリマー不溶溶媒を使用して再沈澱処理により目的物を単離する。反応処理については、目的物に支障がなければどのような処理方法でも行う事ができる。
また本発明で開始剤として用いる有機テルル化合物は水に対して安定であるため、本発明のポリマーは下記に示す特許文献6等に記載された水系での重合方法により合成できる。
即ち、エマルション重合法は界面活性剤を使用し、主にミセル中で重合する。必要に応じてポリビニルアルコール類等の水溶性高分子などの分散剤を用いても良い。これらの界面活性剤は1種類、又は2種類以上で組み合わせて使用することができる。かかる界面活性剤の使用量は、全モノマー100重量部に対して、0.3〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50重量部である。又、水の使用量は、全モノマー100重量部に対して、50〜2000重量部であることが好ましく、より好ましくは70〜1500重量部である。重合温度は特に限定されないが、0〜100℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは40〜90℃である。反応時間は、反応温度または用いるモノマー組成物の組成、界面活性剤や重合開始剤の種類等に応じ、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。好ましくは24時間以内である。
懸濁重合法は分散剤を使用し、主にミセルを介さないで重合する。必要に応じてこれらの分散剤と共に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マンガン等の分散助剤を併用してもよい。かかる水分散安定剤の使用量は、全モノマー100重量部に対して、0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜10重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部である。又、水の使用量は、全モノマー100重量部に対して、50〜2000重量部であることが好ましく、より好ましくは70〜1500重量部である。重合温度は特に限定されないが、0〜100℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは40〜90℃である。反応時間は、反応温度または用いるモノマー組成物の組成、水分散安定剤や重合開始剤の種類等に応じ、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。好ましくは24時間以内である。
ミニエマルション重合法は界面活性剤及び共界面活性剤を使用し、ホモジナイザーや超音波装置を用いてモノマーを強制分散した後、主にミセルを介さないで重合する。かかる界面活性剤や共界面活性剤の使用量は、全モノマーに対して、0.3〜50重量部、特に好ましくは0.5〜50部である。超音波照射時間は、0.1〜10分、特に好ましくは0.2〜5分である。
特開2006−225524
該ポリマーの分子量は、反応時間、式(1)の化合物の量および式(2)の化合物の量により調整可能であるが、数平均分子量で10,000〜100,000ポリマーを用いるのが好ましく、より好ましくは40,000〜80,000の数平均分子量を有するポリマーを用いるのがよい。数平均分子量が10,000未満では成形加工時の金型汚染や長期使用でのブリードアウトが起こる可能性がある。数平均分子量が100,000を越えると得られる樹脂組成物が不透明となる。
該ポリマーの分子量分布(PD=Mw/Mn)は、1.0〜2.0の間で制御される。更に、分子量分布1.05〜1.90、更には1.05〜1.80のより狭い分子量分布を持ったポリ乳酸用改質剤を得ることができる。
セグメント(A)とセグメント(B)の比は、分子量同様、反応時間、式(1)の化合物の量および式(2)の化合物の量により調整可能であるが、重量比(A)/(B)が0.4〜9.0、好ましくは0.4〜7.0、より好ましくは0.6〜5.0である。
該ポリ乳酸用改質剤の全光線透過率は、95%以上、好ましくは、98%〜99.9%が良い。95%未満の場合は、ポリ乳酸樹脂組成物の変色の原因になり、成形体に色の変化を与えてしまう。
また、500nmでの透過率は、95%以上、好ましくは、98%〜99.9%が良い。95%未満の場合は、ポリ乳酸樹脂組成物の変色の原因になり、成形体に色の変化を与えてしまう。
よって、該共重合体は、全光線透過率95%以上、且つ、500nmでの透過率95%以上である。好ましくは、全光線透過率98%以上、且つ、500nmでの透過率98%以上が良い。
式(1)および式(2)で表される有機テルル化合物を開始剤として用いる場合、−TeRの形態でテルル原子がポリマー末端に残存する場合がある(Rは、上記と同じ)。
テルル原子が末端に残存したポリマーは着色しており、金属性の元素であるため、得られたポリ乳酸用改質剤を配合したポリ乳酸樹脂組成物の透明性の向上や異物混入防止の観点から、この残存テルル原子を含めた金属含量は、樹脂全体に対して1000ppm以下であり、特に200ppm以下であることが好ましい。
分子末端に残存するテルル原子は重合反応終了後、トリブチルスタナンやチオール化合物などの用いるラジカル還元方法や、さらに活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土、モレキュラーシーブスおよび高分子吸着剤なで吸着する方法、イオン交換樹脂などで金属を吸着させる方法や、また、過酸化水素水や過酸化ベンゾイル等の過酸化物を添加したり、空気や酸素を系中に吹き込むことでポリマー末端のテルル原子を酸化分解させ、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留テルル化合物を除去する液−液抽出法や固−液抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、また、これらの方法を組み合わせることもできる。
本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂と該ポリ乳酸用改質剤とを混練して得ることができる。樹脂組成物におけるポリ乳酸用改質剤の割合は、0.1〜50重量%が好ましい。より好ましくは1〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜30重量%である。
混練方法としては特に制限はなく、ポリ乳酸溶融状態下で機械的にせん断を行うことが出来ればよい。具体的な装置としては、押出機、特に二軸押出機が好ましい。
二軸押出機を用いる場合、ポリ乳酸を押出機の上流側のフィード口から供給し、改質剤を下流側のフィード口から供給する方法や、ポリ乳酸と改質剤を予めブレンダー等で混合しておき、フィード口から供給する方法が考えられるが、特に制限はない。押出機のスクリューアレンジにも特に制限はないが、ニーディングゾーンを設けることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが何らこれらに限定されるものではない。また、実施例および比較例において、各種物性測定は以下の機器により測定を行った。
H−NMR:ブルカー・バイオスピン AVANCE 500(500MHz)
分子量及び分子量分布:ゲルパーミエーションクロマトグラフ 日本ウォーターズ GPCV−2000(カラム:東ソー TSK−GEL GMHXL + TSK−GEL MultiporeHXL−M、ポリスチレンスタンダード:東ソーTSK
Standard)
ポリマー中のTe含量:ICP/MS
実施例1
(ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルジブロックポリマーの合成)
1L四つ口フラスコに脱イオン水414mlを加え、30分間アルゴンガスをバブリングし、ポリビニルアルコールKH−17〔日本合成化学工業(株)〕414mgを加え、溶解させた。200ml四つ口フラスコにスチレン〔和光純薬工業(株)試薬〕125g(1.20mol)を加え、30分間アルゴンガスをバブリングし、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート1.54g(5.13mmol)、ジブチルジテルリド 947mg(2.56mmol)、および1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)626mg(2.56mmol)を加えた。得られたスチレン溶液を上記のポリビニルアルコール水溶液に加え、90℃で27時間反応させた。NMR分析により、重合率は98%であった。またGPC分析により、数平均分子量20,200、PD=1.14であった。
次に、上記で得られたポリスチレン懸濁液より水を除去し、メタクリル酸メチル〔三菱ガス化学(株)〕280g(2.80mol)を加え、ポリスチレンを溶解し、先ほど除去した水を再度加え、80℃で22時間反応させた。反応終了後、反応液をろ過、脱イオン水828mLで洗浄し、得られたポリマービーズを酢酸エチル1Lに溶解した。その溶液を1mol/lのNaOHを含む飽和食塩水1Lで2回洗浄、続いて飽和食塩水1Lで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ別した。得られた酢酸エチル溶液を撹拌しているメタノール5L中に注いだ。沈殿したポリマーをろ過、乾燥することによりポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルジブロックポリマー329g(収率81%)を得た。GPC分析により、数平均分子量48,800、PD=1.51であった。またNMR分析より、得られたブロックポリマーのセグメント(A)及びセグメント(B)の重量比(A)/(B)は、2.13であった。
(生分解性樹脂組成物の作製と評価)
ポリ乳酸〔ユニチカ(株)製 TE−4000〕に上記のブロックポリマーを30%添加し、ラボプラストミル〔東洋精機(株)製〕で混練した。混練条件は200℃、60rpm、5分間とした。取り出した樹脂組成物を粉砕、ペレット化後、射出成形にて厚み3mmのダンベル片を作製した。粉砕ペレットを用いて、耐久性評価を行った。耐久性評価方法は、試験片を60℃、湿度90%条件下で加水分解させ、GPC(Waters製)を用いて数平均分子量(Mn)を測定し、その半減期を比較した。また、ダンベル片を用いて、透明性の評価を行った。透明性の評価は、分光光度計で得られる700nmの透過率を比較した。結果を表1に示す。
実施例2
(ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルジブロックポリマーの合成)
1L四つ口フラスコに脱イオン水400mlを加え、30分間アルゴンガスをバブリングし、ポリビニルアルコールKH−17〔日本合成化学工業(株)〕400mgを加え、溶解させた。200ml四つ口フラスコにスチレン〔和光純薬工業(株)試薬〕135g(1.30mol)を加え、30分間アルゴンガスをバブリングし、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート886mg(2.96mmol)、ジブチルジテルリド545mg(1.48mmol)、および1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)361mg(1.48mmol)を加えた。得られたスチレン溶液を上記のポリビニルアルコール水溶液に加え、90℃で24時間反応させた。NMR分析により、重合率は96%であった。またGPC分析により、数平均分子量28,600、PD=1.15であった。
次に、上記で得られたポリスチレン懸濁液に、メタクリル酸メチル〔三菱ガス化学(株)〕107g(1.06mol)を80℃で12時間かけて滴下し、滴下終了後さらに80℃で18時間反応させた。反応終了後、反応液をろ過、脱イオン水800mLで洗浄し、得られたポリマービーズを酢酸エチル800mlに溶解した。その溶液を1mol/LのNaOHを含む飽和食塩水800mlで2回洗浄、続いて飽和食塩水800mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ別した。得られた酢酸エチル溶液を撹拌しているメタノール4L中に注いだ。沈殿したポリマーをろ過、乾燥することによりポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルジブロックポリマー210g(収率87%)を得た。GPC分析により、数平均分子量39,100、PD=1.33であった。またNMR分析より、得られたブロックポリマーのセグメント(A)及びセグメント(B)の重量比(A)/(B)は、0.69であった。
(生分解性樹脂組成物の作製と評価)
ブロックポリマーを10%添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂試験片を作製し、試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例1
ポリ乳酸〔ユニチカ(株)製 TE−4000〕のみの樹脂試験片を作成し、試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例2
市販のモディパーMS10B〔日本油脂(株)製〕を用いて比較用樹脂組成物を作成した。ポリ乳酸に10%添加し、実施例1と同様にして樹脂試験片を作製し、試験を行なった。
モディパーMS10Bとは、ポリスチレンーポリメタクリル酸メチルジブロックポリマーである。GPC分析により、数平均分子量89,200、PD=2.63であった。
比較例3 (ポリメタクリル酸メチル−ポリスチレンジブロックポリマーの合成)
1L四つ口フラスコに脱イオン水144mlを加え、30分間アルゴンガスをバブリングし、ポリビニルアルコールKH−17〔日本合成化学工業(株)〕432mgを加え、溶解させた。100ml四つ口フラスコにメタクリル酸メチル〔三菱ガス化学(株)〕44.9g(450mmol)を加え、30分間アルゴンガスをバブリングし、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート1.93g(6.43mmol)、ジブチルジテルリド 475mg(1.29mmol)、を加えた。得られたメタクリル酸メチル溶液を上記のポリビニルアルコール水溶液に加え、80℃で16時間反応させた。NMR分析により、重合率は100%であった。またGPC分析により、数平均分子量7,250、PD=1.44であった。
次に、上記で得られたポリメタクリル酸メチル懸濁液より水を除去し、スチレン〔和光純薬工業(株)試薬〕844g(8.10mol)を加え、ポリメタクリル酸メチルを溶解し、90℃で30時間反応させた。NMR分析により、重合率は52.3%であった。酢酸エチル1.5Lで希釈した。その溶液を1mol/lのNaOHを含む飽和食塩水1Lで2回洗浄、続いて飽和食塩水1Lで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ別した。得られた酢酸エチル溶液を撹拌しているメタノール6L中に注いだ。沈殿したポリマーをろ過、乾燥することによりポリメタクリル酸メチル−ポリスチレンジブロックポリマー386g(収率43%)を得た。GPC分析により、数平均分子量58,800、PD=1.21であった。またNMR分析より、得られたブロックポリマーのセグメント(A)及びセグメント(B)の重量量比(A)/(B)は、0.09であった。
(生分解性樹脂組成物の作製と評価)
実施例2と同様にして樹脂試験片を作製し、試験を行なった。結果を表1に示す。
Figure 2009249606
表1に示すように本発明に従う実施例1、2の樹脂組成物は、比較例1のポリ乳酸のみと比較して、数平均分子量低下の半減期が飛躍的に長くなっており耐加水分解性に優れている。また、透過率からもわかるように透明度の低下が抑えられている。ブロックポリマーを合成する際に、セグメントの重量比、数平均分子量、及び分子量分布を制御することで、高い耐加水分解性と透明性を兼ね備えた樹脂組成物が得られた。比較例2〜3は、耐加水分解性が不十分であると共に不透明であった。

Claims (4)

  1. ポリメタクリル酸メチルのみからなるセグメント(A)とポリスチレンのみからなるセグメント(B)を有し、下記(イ)〜(ハ)の特徴を有するブロックポリマーであるポリ乳酸用改質剤。
    (イ)セグメント(A)とセグメント(B)の重量比(A)/(B)が、0.4〜9.0
    (ロ)ブロックポリマーの数平均分子量が、10,000〜100,000
    (ハ)分子量分布 1.0〜2.0
  2. ブロックポリマーが、有機テルル化合物系重合開始剤を用いて重合して得られたポリマーである請求項1に記載のポリ乳酸用改質剤。
  3. 有機テルル化合物系重合開始剤が、
    (a)式(1)で表される有機テルル化合物、
    (b)式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤の混合物、
    (c)式(1)で表される有機テルル化合物と式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は
    (d)式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物
    のいずれかである請求項2に記載のポリ乳酸用改質剤。
    Figure 2009249606
    (式中、Rは、C〜Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC〜Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。)
    (RTe) (2)
    (式中、Rは、上記と同じ。)
  4. ポリ乳酸と、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリ乳酸用改質剤とを混練して得られることを特徴とする改質されたポリ乳酸樹脂組成物。
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