JP2009249409A - 重合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性及び低吸湿性に優れ、金属触媒を使用することなく効率的にラジカル重合することが可能な、新規な脂環式単量体単位を含む重合体の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で示される脂環式単量体(A)に由来する構造単位の少なくとも一種を構成単位として含む重合体。(一般式(1)において、m及びnは独立に0又は1であり、Rは、置換又は非置換の芳香族基を表す。)
Figure 2009249409

【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性及び低吸湿性に優れる、脂環式単量体単位を含む新規な重合体及びその製造方法に関する。
ノルボルネンに代表される脂環式単量体の重合体は、耐熱性及び低吸湿性に優れるという特徴を有する。
一方、ポリメチルメタクリレートに代表されるメタクリル系樹脂は、光学的特性に優れるが、耐熱性が不十分で、吸湿性が高いことが課題となっている。
メタクリル系樹脂の耐熱性及び低吸湿性の向上を目的として、脂環式単量体と(メタ)アクリル酸エステルを、ラジカル重合によって共重合する方法が提案されている(特許文献1)。この方法で得られた共重合体は、メタクリル系樹脂に比較して耐熱性及び低吸湿性が改良されている。
しかしながら、脂環式単量体を効率的にラジカル重合するには、アルミニウム化合物等のルイス酸触媒(金属触媒)を重合系内に共存させる必要があることから、得られる重合体中に金属触媒の残渣が混入するおそれがある。金属触媒の残渣の混入により、得られる重合体の光学的特性等が低下するため、金属触媒を使用することなく、効率的にラジカル重合することが可能となる脂環式単量体の開発が望まれている。
また、脂環式単量体のラジカル重合性の向上を目的として、重合性部位にエステル系置換基を有する脂環式単量体及びその共重合体が提案されている(特許文献2)。この方法では、金属触媒を使用することなく、ラジカル重合することが可能であり、得られた共重合体は、メタクリル系樹脂に比較して耐熱性及び低吸湿性が改良されている。
しかしながら、メタクリル系樹脂の低吸湿性の向上効果はまだ十分ではなく、更なる低吸湿性の向上が求められている。
特開平07−242711号公報 特開2007−186546号公報
本発明の目的は、耐熱性及び低吸湿性に優れる、脂環式単量体を含む新規な重合体を得ることにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、重合性部位に置換又は非置換の芳香族基を有する脂環式単量体を用いることにより、金属触媒を使用することなく、効率的にラジカル重合することが可能であり、得られる共重合体が耐熱性及び低吸湿性に優れることを見出した。
即ち、本発明の重合体は、下記一般式(1)で示される脂環式単量体(A)に由来する構造単位の少なくとも一種を構成単位として含む。
Figure 2009249409
(一般式(1)において、m及びnは独立に0又は1であり、
は、置換又は非置換の芳香族基を表し、置換芳香族基の場合、その置換基がハロゲン原子、極性基又は該芳香族基へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
2〜R9は独立に水素原子、ハロゲン原子、極性基又は式(1)記載の脂環構造へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
本発明の重合体は、一般式(1)において、Rが置換又は非置換のフェニル基であることが好ましい。更に、(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)に由来する構造単位を構成単位として含むことが好ましい。
本発明の製造方法は、上記一般式(1)で示される脂環式単量体(A)の少なくとも一種をラジカル重合することを特徴とする。
本発明によれば、重合性部位に置換又は非置換の芳香族基を有する脂環式単量体を用いることにより、金属触媒を使用することなく、効率的にラジカル重合することが可能であり、耐熱性、低吸湿性及び光学的特性に優れる共重合体を得ることができる。
本発明の重合体は、脂環式単量体(A)に由来する構造単位の少なくとも一種を構成単位として含むものであり、必要に応じて(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)や、その他の単量体(C)に由来する構造単位を含んでいてもよい。以下、単量体(A)〜(C)ついて詳しく説明する。
本発明で用いる脂環式単量体(A)は、上記一般式(1)で示されるものであり、脂環式単量体(A)に由来する構造単位とは、下記一般式(2)で示されるものである。
Figure 2009249409
(一般式(2)において、m及びnは独立に0又は1であり、
は、置換又は非置換の芳香族基を表し、置換芳香族基の場合、その置換基がハロゲン原子、極性基又は該芳香族基へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
2〜R9は独立に水素原子、ハロゲン原子、極性基又は式(2)記載の脂環構造へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
公知の脂環式単量体と異なる点は、重合性部位となる炭素−炭素二重結合を形成する炭素上に、置換又は非置換の芳香族基を有する点である。これにより、炭素−炭素二重結合の重合性、特にラジカル又はイオン重合性が向上する。
例えば、ラジカル重合においては、従来の脂環式単量体では、金属触媒を使用しなければ効率的にラジカル重合することが困難であったものが、本発明の脂環式単量体(A)では、金属触媒を使用することなく、効率的にラジカル重合することが可能であり、高い重合性を発現する点に特徴がある。
先ず、上記一般式(1)及び(2)のRについて説明する。芳香族基は、芳香族炭化水素基又は複素芳香族基を表す。
非置換の芳香族基としては、例えば以下の構造の基が挙げられる。
Figure 2009249409
Figure 2009249409
これらの芳香族基は、共有結合で脂環構造に直接結合される。芳香族基側の結合位置は、脂環構造に対して共有結合可能な位置であれば、特に限定されるものではない。例えば、ナフチル基の場合、1〜8位は脂環構造と共有結合が可能であるが、9及び10位は不可能である。
芳香族基が、置換の芳香族基の場合、その置換基はハロゲン原子、極性基又は該芳香族基へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基である。
芳香族基の置換基となるハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
芳香族基の置換基となる極性基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、イミド環含有基、トリオルガノシリル基が挙げられる。
芳香族基の置換基となる非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基;メチルフェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基等のアルカリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
これらの炭化水素基の一部又は全部の水素原子は置換されていてもよく、置換基としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;フェニルスルホニル基が挙げられる。
置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基は、芳香族基に直接結合していてもよいし、酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基(linkage)を介して結合していてもよい。
該連結基としては、例えば、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−OC(=O)−)、スルホニル基(−SO2−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−又は−CONH−)、シロキサン結合(−OSi(R)2−;Rはメチル、エチル等のアルキル基)が挙げられ、これらの複数を含む連結基であってもよい。
さらに具体的には、上記連結基がエーテル結合(−O−)である場合の芳香族基の置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシル基;ペンタフルオロプロポキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基等のハロゲン置換アルコキシル基が挙げられる。
上記連結基がカルボニルオキシ基(−C(=O)O−)である場合の芳香族基の置換基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
上記連結基がオキシカルボニル基(−OC(=O)−)である場合の芳香族基の置換基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、トリフルオロエトキシカルボニル基等のアルキロキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基;ナフチルオキシカルボニル基;フルオレニルオキシカルボニル基;ビフェニリルオキシカルボニル基が挙げられる。
上記連結基がシロキサン結合(−OSi(R)2−;Rはメチル、エチル等のアルキル基)である場合の芳香族基の置換基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基が挙げられる。
としては、芳香族基がフェニル基であることが好ましく、芳香族基が置換の芳香族基である場合、その置換基が炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。Rがこのような芳香族基であれば、得られる重合体の耐熱性及び低吸湿性が良好となる。
次に、上記一般式(1)及び(2)のR〜Rについて説明する。
ハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
極性基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、イミド環含有基、トリオルガノシリル基が挙げられる。
非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基;メチルフェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基等のアルカリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
これらの炭化水素基の一部又は全部の水素原子は置換されていてもよく、置換基としては、例えば弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;フェニルスルホニル基が挙げられる。
置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基は、脂環構造に直接結合していてもよいし、酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基(linkage)を介して結合していてもよい。
該連結基としては、例えば、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−OC(=O)−)、スルホニル基(−SO2−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−又は−CONH−)、シロキサン結合(−OSi(R)2−;Rはメチル、エチル等のアルキル基)が挙げられ、これらの複数を含む連結基であってもよい。
さらに具体的には、上記連結基がエーテル結合(−O−)である場合の脂環構造の置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシル基;ペンタフルオロプロポキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基等のハロゲン置換アルコキシル基などが挙げられる。
上記連結基がカルボニルオキシ基(−C(=O)O−)である場合の脂環構造の置換基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
上記連結基がオキシカルボニル基(−OC(=O)−)である場合の脂環構造の置換基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、トリフルオロエトキシカルボニル基等のアルキロキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基;ナフチルオキシカルボニル基;フルオレニルオキシカルボニル基;ビフェニリルオキシカルボニル基が挙げられる。
上記連結基がシロキサン結合(−OSi(R)2−;Rはメチル、エチル等のアルキル基)である場合の脂環構造の置換基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられる。
〜Rとしては、水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。R〜Rが水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基であれば、得られる重合体の耐熱性及び低吸湿性が良好となる。
脂環式単量体(A)における脂環基(Y)は、下記一般式(3)で示される構造である。
Figure 2009249409
(一般式(3)において、m及びnは独立に0又は1であり、
2〜R9は独立に水素原子、ハロゲン原子、極性基又は式(3)記載の脂環構造へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
脂環基(Y)としては、例えば、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチル−5−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチル−5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチル−5−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−(4−メチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−(4−エチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−(4−イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロイソプロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセニル基、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−n−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチル−8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロイソプロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基が挙げられる。
脂環基(Y)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂環基(Y)の中では、一般式(3)において、m又はnが0又は1であって、m+nが0又は1であり、R2〜R9が水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であるものが好ましい。脂環基(Y)がこのような構造であれば、得られる重合体の耐熱性及び低吸湿性が良好となる。
このような構造の脂環基(Y)の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−n−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−ベンジルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−(メチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−(エチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
5−(イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセニル基、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基、
8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセニル基が挙げられる。
特に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセニル基が好ましい。
脂環式単量体(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂環式単量体(A)の合成方法は特に限定されるものではないが、例えば、脂環基(Y)としてビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基を有する単量体の合成法としては、Tetrahedron、58巻、9527頁、2002年、又は、Journal of Organic Chemistry、32巻、1734頁、1967年で提案された方法が挙げられる。
本発明では、必要に応じて(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)を、脂環式単量体(A)と共重合させてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸ジシクロペンタジエニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピル、メタクリル酸ペンタフルオロプロピル、メタクリル酸オクタフルオロペンチル、メタクリル酸2−(ペルフルオロオクチル)エチル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸ジシクロペンタジエニル、アクリル酸アダマンチル等のアクリル酸エステル類が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の重合体(100モル%)中の、脂環式単量体(A)に由来する構造単位の含有率は、20〜99モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましい。
重合体(100モル%)中の、脂環式単量体(A)に由来する構造単位の含有率が20モル%以上であれば、低吸湿性の向上効果が十分に発現し、99モル%以下であれば、重合体の機械的特性の低下がない。
本発明の重合体(100モル%)中の、(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)に由来する構造単位の含有率は、1〜80モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましい。
重合体(100モル%)中の、(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)に由来する構造単位の含有率が1モル%以上であれば、重合体の機械的特性の低下がなく、80モル%以下であれば、低吸湿性の向上効果が十分に発現する。
本発明では、必要に応じて、その他の単量体(C)を、第3の単量体として共重合させてもよい。
その他の単量体(C)としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の直鎖状又は分岐を持つ鎖状オレフィン類;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状オレフィン(シクロアルケン)類;フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸及びその無水物;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジシクロヘキシル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、シクロへキシルマレイミド、フェニルマレイミド等のマレイミド類;カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン等のジエン類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン等のモノ又はポリアルキルスチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。
本発明の重合体(100モル%)中の、その他の単量体(C)に由来する構造単位の含有率は、20モル%以下であることが好ましい。
重合体(100モル%)中の、その他の単量体(C)の含有率が20モル%以下であれば、耐光性が低下するおそれが少ない。
本発明では、必要に応じて、1分子中に少なくとも2つ以上のラジカル重合性基を有する架橋剤を共重合させることにより、強靭性で高分子量の重合体を得ることができる。
架橋剤としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルにヒドロキシ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、p−又はm−ジビニルベンゼン、トリエチレングリコールジビニルエーテル、N,N’−1,6−ヘキサンジマレイミド、N,N’−1,3−ベンゼンジマレイミド、N,N’−1,4−ベンゼンジマレイミドが挙げられる。
前記架橋剤の市販品としては、例えば、「KAYARAD−DPHA」、「KAYARAD R−604」、「DPCA−20」、「DPCA−30」、「DPCA−60」、「DPCA−120」、「HX−620」、「D−310」、「D−330」(以上、日本化薬(株)製商品名);「ユピマーUV SA1002」、「同SA2007」(以上、三菱化学(株)製商品名);「ビスコート#195」、「同#230」、「同#215」、「同#260」、「同#335HP」、「同#295」、「同#300」、「同#700」(以上、大阪有機化学工業(株)製商品名);「ライトアクリレート4EG−A」、「同9EG−A」、「同NP−A」、「同DCP−A」、「同BP−4EA」、「同BP−4PA」、「同PE−3A」、「同PE−4A」、「同DPE−6A」(以上、共栄社化学(株)製商品名);「アロニックスM−208」、「同M−210」、「同M−215」、「同M−220」、「同M−240」、「同M−305」、「同M−309」、「同M−315」、「同M−325」(以上、東亜合成(株)製商品名)が挙げられる。
架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の重合体の数平均分子量は500〜50万であることが好ましい。数平均分子量が500以上であれば、機械的特性の低下がなく、50万以下であれば、成形加工性の低下がない。
本発明における重合方法としては、特に制限はなく、公知の重合方法を採用することができる。
例えば、熱ラジカル重合方法、光ラジカル重合方法、イオン重合方法、配位重合方法(チグラーナッタ重合触媒、メタロセン重合触媒、メタセシス重合触媒等の公知の金属重合触媒等を用いる重合方法)、光カチオン重合方法、リビングラジカル重合方法、リビングイオン重合方法、リビング配位重合方法が挙げられるが、重合反応の効率、工程操作性の点から、熱ラジカル重合方法、光ラジカル重合方法、イオン重合方法、配位重合方法が好ましい。
また、得られる重合体への金属触媒残渣の混入による光学的特性の低下を回避するため、金属触媒を使用しない熱ラジカル重合方法、光ラジカル重合方法がより好ましい。
金属触媒を使用する場合には、金属触媒の残存により光学的特性が大幅に低下するため、重合体中に残存する金属濃度は1000ppm以下とすることが好ましく、100ppm以下とすることがより好ましく、10ppm以下とすることが更に好ましい。
本発明の重合体の製造には、公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。
過酸化物系ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジセチルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジイソブチロイルパーオキサイド、ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサオド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、ビス{4−(m−トルオイル)ベンゾイル}パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α−クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオドデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシm−トルオイルベンゾエート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のパーオキシエステル類;1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ピバレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類;t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等のパーオキシモノカーボネート類;ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイドが挙げられる。
アゾ系ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−{1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル}プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−{2−(1−ヒドロキシブチル)}プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェート・ジハイドレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−{1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル}プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドキシム)、ジメチル2,2’−アゾビスブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の中では、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合体の製造に用いられる単量体100質量部に対して、0.00001〜10質量部であることが好ましく、0.0001〜1質量部であることがより好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量が、単量体100質量部に対して、0.00001質量部以上であれば、単量体の反応率が低くならず、10質量部以下であれば、得られる重合体の分子量が低くならず、機械的特性が低下しない。
尚、ラジカル重合開始剤は、必要に応じて、分割添加、又は連続的に供給してもよい。また、ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の重合体の製造には、公知の重合形態を採用することができる。例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、適当な溶媒を使用した溶液重合、及びスラリー重合等を採用することができる。
重合体の製造において溶媒を使用する場合、各種の溶媒を使用できる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o,m,p−キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、二塩化エチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒;アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ベンゾニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミドが挙げられる。
重合温度については、−50〜200℃が好ましく、0〜150℃がより好ましい。
その他、重合体の分子量を調節するために、メルカプタン化合物、α−メチルスチレンダイマー、テルペノイド化合物等、公知の連鎖移動剤を添加してもよい。
本発明の重合体を各種用途に使用するに際し、この重合体に、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の劣化防止剤、可塑剤、安定化剤、増粘剤、粘着付与樹脂等を添加してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
各実施例、比較例での諸物性の測定は次の方法による。
(1)重合体の共重合組成
重合体の共重合組成は、1H−NMR(日本電子(株)製、JNM−EX270)により測定した。
(2)重合体の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
ポリメタクリル酸メチルをスタンダードとして、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(Waters製、GPC150C)により測定した。
溶離液 :クロロホルム
測定温度:40℃
(3)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC:(株)島津製作所製)によって、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で測定した。
(4)吸水率
重合体の吸湿性の指標として、吸水率を測定した。
重合体の、厚さ150μmのキャストフィルム(クロロホルム20質量%溶液から作成)を24時間室温で真空乾燥したものを用い、25℃の水中に24時間浸漬して、質量増加分を測定し、次式によって吸水率を求めた。
吸水率(%)=(吸水前後での質量増加分/重合体質量)×100
[製造例1] 単量体1(2−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)の合成
冷却管、温度計、窒素導入管、攪拌装置を備えたフラスコを用い、フラスコ内を窒素雰囲気に置換して、ノルカンファー(5.0g、45.4mmol)とエーテル(20ml)を投入した。
フラスコの内温を0℃にしてPhMgBr(フェニルマグネシウムブロミド)(0.88M、56.7ml、49.9mmol)を加えた後、30分間攪拌した。その後、2時間リフラックスさせて室温に戻し、0℃の1N塩酸をゆっくり加えて反応を停止させた。
生成物を含む有機層をエーテルで抽出し、抽出液のエーテルを減圧除去した。2−フェニルノルボルナノールの粗生成物が、収量9.23gで得られた。
冷却管、温度計、窒素導入管、攪拌装置を備えたフラスコを用い、フラスコ内を窒素雰囲気に置換して、2−フェニルノルボルナノールの粗生成物9.23gと硫酸水素カリウム(8.10g、59.5mmol)を投入した。
フラスコの内温を100℃に昇温し、30分間攪拌した後、室温に戻して0℃の蒸留水を加えて反応を停止させた。
反応液をヘキサンで抽出した後、抽出液のヘキサンを減圧除去した。得られた反応生成物を、シリカゲルの中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製した。このときの展開溶媒には、ヘキサンを用いた。
収量5.17g(30.4mmol)、収率67.0%で無色の液体を得た。
得られた無色の液体について、H−NMRを測定した結果を以下に示す。測定結果から、得られた無色の液体が単量体1であることを確認した。
1H−NMR(溶媒:クロロホルム)
δ7.41(d、J=7.6Hz、2H、o−Ph)、7.30(t、J=7.8Hz、2H、m−Ph)、7.19(t、J=7.2Hz、1H、p−Ph)、6.29(d、J=2.8Hz、1H、−C=CH)、3.32(s、1H)、2.99(s、1H)、1.78(m、2H)、1.53(m、1H)、1.25(d、J=8Hz、1H)、1.15(m、2H)
得られた単量体1は、上記一般式(1)及び(2)において、m=0、n=0、R1=フェニル基、R〜R=水素原子である。
脂環基(Y)=ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル基であり、下記の式(4)で示される構造である。
Figure 2009249409
[実施例1] 重合体1(単量体1とメチルアクリレートの共重合体)の製造
冷却管、温度計、窒素導入管、攪拌装置を備えたフラスコを用い、フラスコ内を窒素雰囲気に置換して、製造例1で得た単量体1(0.83g、4.9mmol)とメチルアクリレート(0.42g、4.9mmol)(仕込み比で50:50モル%)、ラジカル重合開始剤としてジクミルパーオキサイド10mgを加え、110℃で13.5時間反応させた。
反応物を分取GPCで精製し、溶媒を留去して回収した重合体を12時間真空乾燥することにより、収率43%で重合体1を得た。重合体1は、Mn=8000、Mw/Mn=1.91であった。
尚、分取GPCによる精製は、未反応の単量体を除くために行なった。装置として日本分析工業(株)製、JAI LC−918R、カラムとしてJAIGEL−3H,2H,4H、溶媒としてクロロホルムを用い、3.8ml/分、25℃の条件で行なった。
重合体1の組成比は、H−NMR(溶媒:重クロロホルム)における単量体1に由来するフェニル基のピークと、メチルアクリレートに由来するOCH基のピークの、積分値の比率から求めた。得られた重合体1の組成比、Tg、吸水率を表1に示す。
[実施例2] 重合体2(単量体1とt−ブチルアクリレートの共重合体)の製造
メチルアクリレートを、t−ブチルアクリレート(0.63g、4.9mmol)に代えたこと以外は実施例1同様にして、重合体2を製造した。
単量体1とt−ブチルアクリレートは、仕込み比で50:50モル%である。
反応物は実施例1と同様にして精製、回収し、収率52%で重合体2を得た。重合体2は、Mn=13000、Mw/Mn=1.85であった。
重合体2の組成比は、1H−NMRにおける単量体1に由来するフェニル基のピークと、t−ブチルアクリレートに由来するCH基のピークの、積分値の比率から求めた。得られた重合体2の組成比、Tg、吸水率を表1に示す。
[実施例3] 重合体3(単量体1とシクロヘキシルアクリレートの共重合体)の製造
メチルアクリレートを、シクロヘキシルアクリレート(0.75g、4.9mmol)に代えたこと以外は実施例1同様にして、重合体3を製造した。
単量体1とシクロヘキシルアクリレートは、仕込み比で50:50モル%である。
反応物は実施例1と同様にして精製、回収し、収率53%で重合体3を得た。重合体3は、Mn=13000、Mw/Mn=1.85であった。
重合体3の組成比は、1H−NMRにおける単量体1に由来するフェニル基のピークと、シクロヘキシルアクリレートに由来するOCH基のピークの、積分値の比率から求めた。得られた重合体3の組成比、Tg、吸水率を表1に示す。
[比較例1] 重合体4(単量体2とメチルアクリレートの共重合体)の製造
単量体1を、単量体2(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)(0.46g、4.9mmol)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、重合体4を製造した。
単量体2とメチルアクリレートは、仕込み比で50:50モル%である。
反応物は実施例1と同様にして精製、回収し、収率42%で重合体4を得た。重合体4は、Mn=10200、Mw/Mn=1.72であった。
重合体4の組成比は、1H−NMRにおける単量体2に由来するメチン基及びメチレン基のピークと、メチルアクリレートに由来するOCH基のピークの、積分値の比率から求めた。得られた重合体4の組成比、Tg、吸水率を表1に示す。
単量体2の構造を下記の式(5)に示す。本発明では、単量体2として東京化成工業(株)の市販品を用いた。
Figure 2009249409
[比較例2] 重合体5(メチルアクリレートの重合体)の製造
単量体1を用いず、溶媒としてトルエン1mlを用いたこと以外は実施例1と同様にして、重合体5を製造した。
反応物を過剰量(100ml)のメタノールへ投入し、生じた沈殿物を濾過回収し、12時間真空乾燥することにより、収率69%で重合体5を得た。重合体5は、Mn=45000、Mw/Mn=1.65であった。
得られた重合体5の組成比、Tg、吸水率を表1に示す。
[比較例3] 重合体6(単量体3とメチルアクリレートの共重合体)の製造
単量体1を、単量体3(2−カルボメトキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)(0.74g、4.9mmol)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、重合体6を製造した。
単量体3とメチルアクリレートは、仕込み比で50:50モル%である。
反応物は実施例1と同様にして精製、回収し、収率46%で重合体6を得た。重合体6は、Mn=6000、Mw/Mn=1.73であった。
重合体6の組成比は、1H−NMRにおける単量体3に由来するメチン及びメチレン基のピークと、メチルアクリレートに由来するOCH基のピークの、積分値の比率から求めた。得られた重合体6の組成比、Tg、吸水率を表1に示す。
単量体3の構造を下記の式(6)に示す。本発明では、公知の方法(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry、4597頁、2007年)に従って単量体3を合成した。
Figure 2009249409
Figure 2009249409
表1から明らかなように、脂環式単量体(A)に由来する構造単位を含む実施例1〜3の重合体は、耐熱性及び低吸湿性に優れることが確認された。
脂環式単量体(A)に由来する構造単位を含まない比較例1〜3の重合体は、耐熱性及び低吸湿性に課題があった。
本発明の重合体は、耐熱性及び低吸湿性に優れることから、電気・電子分野、自動車分野、医療分野等における透明耐熱性樹脂、シート、フィルム、光学材料、封止剤、塗料、コーティング剤、自動車部品、電気部品、航空・宇宙部品、電子部品、電池部品、エレクトロニクス関連部品、マルチメディア関連部品、フォトレジストなど、各種成形品、部品、樹脂材料として有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示される脂環式単量体(A)に由来する構造単位の少なくとも一種を構成単位として含む重合体。
    Figure 2009249409
    (一般式(1)において、m及びnは独立に0又は1であり、
    は、置換又は非置換の芳香族基を表し、置換芳香族基の場合、その置換基がハロゲン原子、極性基又は該芳香族基へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
    2〜R9は独立に水素原子、ハロゲン原子、極性基又は式(1)記載の脂環構造へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
  2. 一般式(1)において、Rが置換又は非置換のフェニル基である、請求項1記載の重合体。
  3. 更に、(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)に由来する構造単位を構成単位として含む、請求項1又は2に記載の重合体。
  4. 下記一般式(1)で示される脂環式単量体(A)の少なくとも一種をラジカル重合することにより重合体を製造する方法。
    Figure 2009249409
    (一般式(1)において、m及びnは独立に0又は1であり、
    は、置換又は非置換の芳香族基を表し、置換芳香族基の場合、その置換基がハロゲン原子、極性基又は該芳香族基へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
    2〜R9は独立に水素原子、ハロゲン原子、極性基又は式(1)記載の脂環構造へ酸素、窒素、硫黄若しくは珪素を含む連結基を介して結合していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
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