JP3945309B2 - 環状オレフィン系共重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性、力学的特性、耐熱性、耐水性に優れ、さらに低複屈折性とともに力学的特性(靱性)にも優れた環状オレフィン系共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、透明性樹脂は、自動車部品、照明機器、電気部品等の分野において、透明性が要求される成形体の材料として用いられてきた。最近においては、光学レンズ、プリズム等のさらに高度な光学的特性を要求される光学用部品の材料としても、ガラスの代替材料として透明性樹脂が使用されるようになり、透明性樹脂の諸特性に対する要求も厳しくなってきている。すなわち、高度な透明性に加えて、耐熱性、機械的強度(力学的特性)、耐水性(低吸水性)、低複屈折性等の特性についても高水準の要求を満足することが求められてきている。
従来、透明性樹脂としては、一般に、アクリル系樹脂およびポリカーボネート系樹脂が知られている。
しかし、アクリル系樹脂は透明性に優れているが、耐熱性が不十分であり、吸水性が高く耐水性に劣るなどの欠点を有している。このようなアクリル系樹脂の欠点を改良するために、(メタ)アクリル酸エステル、ノルボルネン骨格を有する単量体、および無水マレイン酸等の単量体を構成成分とする三元共重合体(特開平4−63810号公報)や、メタクリル酸メチルとノルボルネン骨格を有する単量体の二元共重合体(特開平7−242711号公報)が提案されているが、これらの共重合体から得られる成形体は、非常に脆く、靱性が不十分であり、成形体取り出し時に割れる場合があるという重大な問題がある。
一方、ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性、靱性および耐水性においてはアクリル系樹脂より優れているが、複屈折率が高い、また透明性もアクリル系樹脂より劣るという問題がある。
【0003】
このような従来の透明性樹脂の問題点を解決すべく、近年、高透明性、耐水性(低吸水性)、耐熱性および低複屈折性などを兼ね備えている環状オレフィン系樹脂が開発され、ガラスに代わる光学材料として高度な光学部品用に用いられてきている。
しかしながら、これら環状オレフィン系樹脂であっても、最近のレンズや光ディスク等に用いるためには、複屈折率の低減が必ずしも十分ではなく、また、靱性も十分ではないという問題があるため、更に優れた低複屈折性を有し、靱性が改良された透明性樹脂の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の透明性樹脂の問題点を解消し、透明性、耐熱性および耐水性(低吸水性)に優れ、さらに低複屈折性とともに力学的特性(強靱性)においても優れている新規環状オレフィン系共重合体を提供することにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、(A)下記一般式(1)で表される環状オレフィン骨格を有する構造単位、(B)電子吸引性基を有する構造単位(ただし、前記(A)の構造単位を除く)、並びに、(C)下記一般式(2)で表される構造単位および下記一般式(3)で表される構造単位から成る群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有することを特徴とする環状オレフィン系共重合体を提供する。
【0006】
【化6】
[式中、mおよびnは独立に0〜2の整数であり、R1、R2、R3およびR4は独立に水素原子;環構造への、ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウまたはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基;または極性基を表す。]
【0007】
【化7】
[式中、R5およびR6は独立に水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、R5およびR6の少なくとも1つは炭素原子数1〜20のアルキル基である。]
【0008】
【化8】
[式中、R7およびR8は独立に水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、R9は炭素原子数1〜20のアルキル基である。]
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、下記一般式(6)で表される単量体(以下、「特定単量体(A)」という。)、分子内に1個のオレフィン性不飽和結合および少なくとも1個の電子吸引性基を同時に有する単量体(ただし、下記一般式(6)で表される単量体は除く。また、以下、「特定単量体(B)」という。)、並びに、下記一般式(7)で表される単量体および下記一般式(8)で表される単量体から成るの群から選ばれる少なくとも1種の単量体(以下、「特定単量体(C)」という。)とをラジカル反応で共重合することにより得ることができる。
<特定単量体(A)>
【0010】
【化9】
[式中、R1〜R4、mおよびnは、一般式(1)に関して定義のとおりである(ただし、n=0およびm=1の場合は、さらに1個の非重合性環内不飽和結合を有していてもよい)。]
【0011】
上記R1〜R4について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリール基;メチルフェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基等のアルカリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;等があげられる。これらの炭化水素基の水素原子は置換されていてもよく、置換基としては、例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基、フェニルスルホニル基等があげられる。
【0012】
また、上記の置換または非置換の炭化水素基は、直接環構造に結合していてもよいし、または、酸素、窒素、イオウまたはケイ素を含む連結基(linkage)を介して環構造に結合していてもよい。該連結基としては、例えば、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−OC(=O)−)、スルホニル基(−SO2−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−)、シロキサン結合(−OSi(R2)−)(式中、Rはメチル、エチル等のアルキル基)等が挙げられ、これらの複数を含む連結基であってもよい。
さらに具体的には、上記連結基がエーテル結合(−O−)である場合の環構造への置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシル基、ペンタフルオロプロポキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基等のハロゲン置換アルコキシル基などが挙げられる。上記連結基がカルボニルオキシ基(−C(=O)O−)である場合の環構造への置換基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。上記連結基がオキシカルボニル基(−OC(=O)−)である場合の環構造への置換基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、トリフルオロエトキシカルボニル基等のアルキロキシカルボニル基;および、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられる。上記連結基がシロキサン結合(−OSi(R2)−)(式中、Rはメチル、エチル等のアルキル基)である場合の環構造への置換基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられる。
極性基としては、例えば、水酸基、シアノ基(−CN)、アミド基(−CONH2)、アミノ基(−NH2)、カルボキシル基、イミド環含有基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリオルガノシリル基;トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基等が挙げられる。
【0013】
上記一般式(1)で表される構造単位を与える特定単量体(A)の具体例としては、例えば、以下に示すものを挙げることができるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
1−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−n−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−n−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6 .110,17 .112,15 .02,7 .011,16 ]−4−エイコセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ベンジルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−メチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−エチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロイソプロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロイソプロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエン
これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0014】
これらの単量体のうち、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−n−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−n−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ベンジルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(4−メチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(4−エチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエン、1−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンを用いると高分子量の環状オレフィン系共重合体が得られる点で好ましい。
【0015】
さらに好ましくは、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3−エンであり、特に好ましくは、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンである。これらの単量体を用いると高分子量の環状オレフィン系共重合体が得られるとともに、該共重合体から靱性が特に強い成形体を得ることができる。
【0016】
<特定単量体(B)>
特定単量体(B)は、1個のオレフィン性不飽和結合とともに電子吸引性基を有するものであり、該電子吸引性基としては、例えば、−CO−、−CONH−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO−、−SO2−等が挙げられる。
電子吸引性基を有する特定単量体(B)を用いることにより、単独ではラジカル重合しない特定単量体(A)が特定単量体(B)と電荷移動錯体を形成することで特定単量体(A)の共重合が可能になる。
特定単量体(B)の具体例としては、例えば、無水マレイン酸等の2価カルボン酸無水物、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジエステル類の他、下記一般式(4)または(5)で表される構造単位を与えるものを挙げることができる(なお、一般式(4)で表される構造単位を与える特定単量体(B)を「特定単量体(B1)」と、また、一般式(5)で表される構造単位を与える特定単量体(B)を「特定単量体(B2)」という)。
【0017】
【化10】
[式中、R10は水素原子またはメチル基であり、R11は炭素原子数1〜30の置換または非置換のアルキル基である。]
上記一般式(4)において、R11としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、イソオクチル基、n−オクチル基、イソノニル基、トリデシル基、ステアリル基、イソステアリル基等のアルキル基;2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル、4−メトキシブチル基、2−ブトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、2−ジメチルアミノエチル基等の置換アルキル基;シクロヘキシル基、イソボルニル基等の脂環式基であり、中でもメチル基、エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基あるいはイソボロニル基を有する構造単位が、本発明の環状オレフィン系共重合体の耐熱性と耐水性(低吸水性)のバランスが良い点で好ましい。
【0018】
特定単量体(B1)の具体例としては、例えば、以下に示すものを挙げることができるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸−2−エトキシエチル、アクリル酸−4−メトキシブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−メトキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−エトキシエチル、メタクリル酸−4−メトキシブチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、メタクリル酸−2−ブトキシエチル、メタクリル酸フェノキシエチル等。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0019】
これらのうち、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アアクリル酸イソブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルを用いると、得られる環状オレフィン系共重合体の耐熱性と耐水性(低吸水性)のバランスが良くなる点で好ましい。特に、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルを用いると、得られる環状オレフィン系共重合体を高分子量化でき、強靱な共重合体が得れらるため好ましい。
【0020】
【化11】
[式中、R12は炭素原子数1〜20の炭化水素基である。]
上記一般式(5)において、R12としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ラウリル基、ステアリル基、イソステアリル基等のアルキル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等の脂環式基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等を挙げることができる。
特定単量体(B2)の具体例としては、例えば、以下に示すものを挙げることができるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ペンチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ヘプチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ノニルマレイミド、N−デシルマレイミド、N−ウンデシルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−トリデシルマレイミド、N−テトラデシルマレイミド、N−ペンタデシルマレイミド、N−ヘキサデシルマレイミド、N−ヘプタデシルマレイミド、N−オクタデシルマレイミド、N−ノナデシルマレイミド、N−エイコシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0021】
これらのうち、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドを用いると透明性に優れる共重合体が得られるので好ましい。特に、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが反応性が高く、短時間で反応が完結するため生産上好ましい。
この特定単量体(B2)を用いると、特に405nm(ブルーレーザーの波長)でも透明性を損なうことが少ない環状オレフィン系共重合体が得られる。
なお、特定単量体(B1)および特定単量体(B2)は、単独でも組み合わせても使用することができる。
【0022】
<特定単量体(C)>
特定単量体(C)は、上記一般式(2)で表される構造単位を与える下記一般式(7)で表される単量体(以下、「特定単量体(C1)」という)および上記一般式(3)で表される構造単位を与える下記一般式(8)で表される単量体(以下、「特定単量体(C2)」という)から成る群から選ばれる少なくとも1種の単量体である。
この特定単量体(C)を用いることにより、柔軟性に優れる構造単位が共重合体に含有されるため、強靱な環状オレフィン系共重合体を得ることができる。
【0023】
【化12】
[式中、R5およびR6は一般式(2)に関して定義のとおりである。]
水素原子ではない上記R5およびR6としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基等のアルキル基が挙げられる。
この特定単量体(C1)の具体例としては、例えば、以下に示すものを挙げることができるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ヘンエイコセン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−オクテン、2−メチル−1−ノネン、2−メチル−1−デセン、2−メチル−1−ウンデセン、2−メチル−1−ドデセン、2−メチル−1−トリデセン、2−メチル−1−テトラデセン、2−メチル−1−ペンタデセン、2−メチル−1−ヘキサデセン、2−メチル−1−ヘプタデセン、2−メチル−1−オクタデセン、2−メチル−1−ノナデセン、2−メチル−1−エイコセン、2−メチル−1−ヘンエイコセン、2−メチル−1−ドデセン、2−エチル−1−ブテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2−エチル−1−ヘプテン、2−エチル−1−オクテン、2−エチル−1−ノネン、2−エチル−1−デセン、2−エチル−1−ウンデセン、2−エチル−1−ドデセン、2−エチル−1−トリデセン、2−エチル−1−テトラデセン、2−エチル−1−ペンタデセン、2−エチル−1−ヘキサデセン、2−エチル−1−ヘプタデセン、2−エチル−1−オクタデセン、2−エチル−1−ノナデセン、2−エチル−1−エイコセン、2−エチル−1−ヘンエイコセン、2−エチル−1−ドデセン、2−プロピル−1−ペンテン、2−プロピル−1−ヘキセン、2−プロピル−1−ヘプテン、2−プロピル−1−オクテン、2−プロピル−1−ノネン、2−プロピル−1−デセン、2−プロピル−1−ウンデセン、2−プロピル−1−ドデセン、2−プロピル−1−トリデセン、2−プロピル−1−テトラデセン、2−プロピル−1−ペンタデセン、2−プロピル−1−ヘキサデセン、2−プロピル−1−ヘプタデセン、2−プロピル−1−オクタデセン、2−プロピル−1−ノナデセン、2−プロピル−1−エイコセン、2−プロピル−1−ヘンエイコセン、2−プロピル−1−ドデセン等。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0024】
これらのうち、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ブテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2−エチル−1−ヘプテン、2−エチル−1−オクテン、2−プロピル−1−ペンテン、2−プロピル−1−ヘキセン、2−プロピル−1−ヘプテン、2−プロピル−1−オクテンが柔軟性に優れる構造単位が共重合体中に含有されるため強靱性に優れる共重合体が得られるので好ましい。特に、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2−プロピル−1−ペンテン、2−プロピル−1−ヘキセンが耐熱性に落とすことなくかつ強靱性に優れる共重合体が得られるので好ましい。特に2重結合のα位のメチレン水素(アリール位の水素)を持つ単量体は連鎖基移動性が高いため、高分子量の共重合体が得られにくい。このアリール位の水素を持たないイソブテンを用いると耐熱性と靭性に極めて優れるの共重合体が得られ好ましい。
【0025】
【化13】
[式中、R7〜R9は一般式(3)に関して定義のとおりである。]
【0026】
水素原子ではない上記R7およびR8と並びにR9としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等のアルキル基が挙げられる。
特定単量体(C2)の具体例としては、例えば、以下に示すものを挙げることができるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0027】
メトキシエチレン、エトキシエチレン、プロポキシエチレン、イソプロポキシエチレン、ブチロキシエチレン、イソブチロキシエチレン、ペンチロキシエチレン、ヘキシロキシエチレン、へプチロキシエチレン、オクチロキシエチレン、ノニロキシエチレン、デシロキシエチレン、ウンデシロキシエチレン、ドデシロキシエチレン、トリデシロキシエチレン、テトラデシロキシエチレン、ペンタデシロキシエチレン、ヘキサデシロキシエチレン、ヘプタデシロキシエチレン、オクタデシロキシエチレン、ノナデシロキシエチレン、エイコシロキシエチレン、2−メトキシプロピレン、2−エトキシプロピレン、2−プロポキシプロピレン、2−イソプロポキシプロピレン、2−ブチロキシプロピレン、2−イソブチロキシプロピレン、2−ペンチロキシプロピレン、2−ヘキシロキシプロピレン、2−へプチロキシプロピレン、2−オクチロキシプロピレン、2−ノニロキシプロピレン、2−デシロキシプロピレン、2−ウンデシロキシプロピレン、2−ドデシロキシプロピレン、2−トリデシロキシプロピレン、2−テトラデシロキシプロピレン、2−ペンタデシロキシプロピレン、2−ヘキサデシロキシプロピレン、2−ヘプタデシロキシプロピレン、2−オクタデシロキシプロピレン、2−ノナデシロキシプロピレン、2−エイコシロキシプロピレン、2−メトキシ−1−ブテン、2−エトキシ−1−ブテン、2−プロポキシ−1−ブテン、2−イソプロポキシ−1−ブテン、2−ブチロキシ−1−ブテン、2−イソブチロキシ−1−ブテン、2−ペンチロキシ−1−ブテン、2−ヘキシロキシ−1−ブテン、2−へプチロキシ−1−ブテン、2−オクチロキシ−1−ブテン、2−ノニロキシ−1−ブテン、2−デシロキシ−1−ブテン、2−ウンデシロキシ−1−ブテン、2−ドデシロキシ−1−ブテン、2−トリデシロキシ−1−ブテン、2−テトラデシロキシ−1−ブテン、2−ペンタデシロキシ−1−ブテン、2−ヘキサデシロキシ−1−ブテン、2−ヘプタデシロキシ−1−ブテン、2−オクタデシロキシ−1−ブテン、2−ノナデシロキシ−1−ブテン、2−エイコシロキシ−1−ブテン、2−メトキシ−2−ブテン、2−エトキシ−2−ブテン、2−プロポキシ−2−ブテン、2−イソプロポキシ−2−ブテン、2−ブチロキシ−2−ブテン、2−イソブチロキシ−2−ブテン、2−ペンチロキシ−2−ブテン、2−ヘキシロキシ−2−ブテン、2−へプチロキシ−2−ブテン、2−オクチロキシ−2−ブテン、2−ノニロキシ−2−ブテン、2−デシロキシ−2−ブテン、2−ウンデシロキシ−2−ブテン、2−ドデシロキシ−2−ブテン、2−トリデシロキシ−2−ブテン、2−テトラデシロキシ−2−ブテン、2−ペンタデシロキシ−2−ブテン、2−ヘキサデシロキシ−2−ブテン、2−ヘプタデシロキシ−2−ブテン、2−オクタデシロキシ−2−ブテン、2−ノナデシロキシ−2−ブテン、2−エイコシロキシ−2−ブテン等。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0028】
これらのうち、メトキシエチレン、エトキシエチレン、プロポキシエチレン、イソプロポキシエチレン、ブチロキシエチレン、イソブチロキシエチレン、2−メトキシプロピレン、2−エトキシプロピレン、2−プロポキシプロピレン、2−イソプロポキシプロピレン、2−ブチロキシプロピレン、2−イソブチロキシプロピレン、2−メトキシ−2−ブテン、2−エトキシ−2−ブテン、2−プロポキシ−2−ブテン、2−イソプロポキシ−2−ブテン、2−ブチロキシ−2−ブテン、2−イソブチロキシ−2−ブテンが柔軟性に優れる構造単位を共重合体中に含有させることができるので好ましい。特に、メトキシエチレン、エトキシエチレン、プロポキシエチレン、耐熱性を落とすことなく、柔軟性に優れる構造単位を共重合体中に含有させることができるので好ましい。
なお、特定単量体(C1)および特定単量体(C2)は、単独でも組み合わせても使用することができる。
【0029】
本発明の環状オレフィン系共重合体中の上記構造単位の割合はそれぞれ、(A):上記一般式(1)で表される構造単位が1〜45モル%、(B):電子吸引性を有する構造単位が50〜95モル%、並びに(C):上記一般式(2)および一般式(3)で表される構造単位から成る群から選ばれる少なくとも1種の構造単位が5〜49モル%であり、好ましくは(A)が3〜30モル%、(B)が55〜90モル%、および(C)が20〜47モル%である(なお、前記(A)〜(C)の割合の合計は100モル%である)。
【0030】
本発明の環状オレフィン系共重合体の合成にあたっては、上記の特定単量体(A)〜(C)以外の共重合可能な単量体を併用してもよい。かかる共重合可能な単量体としては、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、β―メチルスチレン、スチルベン、ブタジエン、イソプレン、エチルビニルスルフィド、フェニルビニルスルフィド、等が挙げられる。
これらを用いる場合、その使用量は、上記の特定単量体(A)〜(C)の合計量に対して5〜10モル%程度である。
【0031】
また、必要に応じて、上記の特定単量体(A)〜(C)に加えて、1分子中に少なくとも2つ以上のラジカル重合性基を有する架橋剤を併用することにより、靱性が強くかつ高分子量の環状オレフィン系共重合体を得ることができる。
この架橋剤の具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルにヒドロキシ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、p-またはm-ジビニルベンゼン、トリエチレングリコールジビニルエーテル、N,N’−1,6−ヘキサンジマレイミド、 N,N’−1,3−ベンゼンジマレイミド、 N,N’−1,4−ベンゼンジマレイミド等が挙げられる。
【0032】
前記架橋剤の市販品としては、例えば、KAYARAD−DPHA、KAYARAD R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬(株)製)ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製)、ビスコート #195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#700(大阪有機化学工業(株)製)、ライトアクリレート 4EG−A、9EG−A、NP−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学(株)製)、アロニックス M−208、M−210、M−215、M−220、M−240、M−305、M−309、M−315、M−325(以上、東亜合成(株)製)等が挙げられる。
これらの架橋剤は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0033】
架橋剤の使用量は全単量体に対して10モル%以下であり、好ましくは5モル%以下である。架橋剤の使用量が10モル%を超えると溶液重合で重合反応を行うと溶媒に不溶となり、攪拌などが出来なくなる等生産上の問題点が発生する。
【0034】
本発明の環状オレフィン系共重合体の合成においては、公知のフリーラジカルを発生する有機過酸化物やアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることができる。
有機過酸化物の具体例としては、ジベンゾイルパーオキサイド、ジイソブチロイルパーオキサイド、ビス(2,4-ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、 (3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサオド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;
【0035】
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
過酸化水素、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t-ヘキシルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;
ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド類;
【0036】
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシマレエート、t-ブチルパーオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(m-トルオイルパーオキシ)ヘキサン、α,α'-ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオドデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、ビス(t-ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシm-トルオイルベンゾエート、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のパーオキシエステル類;
【0037】
1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類;
t-ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、t-ブチルパーオキシアリルカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシカーボネート、ジソプロピルパーオキシカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシカーボネート、ジ-2-メトキシブチルパーオキシカーボネート、ジ(3-メチル-3-メトキシブチル)パーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート類、その他、t-ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
【0038】
アゾビス系ラジカル重合開始剤の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-{1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル}プロピオンアミド]、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-{2-(1-ヒドロキシブチル)}プロピオンアミド]、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド]、2,2'-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド]、2,2'-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2'-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2'-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジサルフェート・ジハイドレート、2,2'-アゾビス[2-(3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2'-アゾビス[2-{1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル}プロパン]ジハイドロクロライド、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2'-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチル-プロピオンアミジン]、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミドキシム)、ジメチル2,2'-アゾビスブチレート、4,4'-アゾビス(4-シアノペンタノイックアシッド)、2,2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等が挙げられる。
【0039】
また、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類もラジカル重合開始剤として用いることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体合計量100モルに対して、0.01〜10モル、好ましくは0.01〜3モル、より好ましくは0.05〜2モルである。開始剤量が0.01モル未満だと単量体の反応率が低くなり生産上好ましくない。また、10モルを超えると得られる環状オレフィン系共重合体の分子量が小さくなり、得られる成形体の靱性が低下することから好ましくない。
【0040】
上記特定単量体(B1)を全単量体に対して31モル%以上用いて、本発明の環状シクロオレフィン系共重合体を合成する場合は、ルイス酸を使用すると反応率が高くなり生産上好ましい。ルイス酸を使用することにより、かかる特定単量体(B1)の電子吸引性が高まるため、かかる特定単量体(B1)の単独重合体の生成を抑制でき、かつ上記特定単量体(A)の反応率が向上することにより、上記一般式(1)で表される構造単位の共重合体中の含有率が高まり、強度(靱性)、耐水性(低吸水性)および耐熱性がより優れた環状オレフィン系共重合体が得られる。また、共重合反応の速度が向上するため反応時間を短縮することもでき、生産性上好ましい。
【0041】
使用するルイス酸としては、例えば、三塩化アルミニウム、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムクロリド、エトキシアルミニウムジクロリド、トリエチルアルミニウム、三沃化アルミニウム、三臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、四塩化スズ、三塩化アンチモン、三塩化鉄、四塩化チタン、二塩化亜鉛、二塩化水銀、二塩化カドミウム、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三沃化ホウ素等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0042】
これらのルイス酸のうち、エチルアルミニウムジクロリドを用いると重合反応の速度が大きく、高分子量の環状シクロオレフィン系共重合体が得られることから好ましい。
【0043】
ルイス酸の使用量は上記特定単量体(B1)100モルに対して1〜100モルであり、好ましくは1〜50モル、より好ましくは10〜30モルである。ルイス酸の使用量が1モル未満であると上記特定単量体(B1)の単独重合体が副生し、得られる環状オレフィン系共重合体の成形体が白濁したり、光学的に不均一になるなどの欠陥を生じることがあるので好ましくない。また、ルイス酸使用量が100モルを超えるとルイス酸の除去工程が困難となり好ましくない。
【0044】
本発明の環状オレフィン系共重合体を製造するには、公知の塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、または懸濁重合法のいずれをも採用することができるが、特定単量体(B)として無水マレイン酸を用いたり、あるいは上記特定単量体(B1)とルイス酸との組み合わせを用いる場合には、無水マレイン酸またはルイス酸が加水分解されることがあるので、塊状重合法または溶液重合法を採用するのが好ましい。
【0045】
溶液重合法に用いられる溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は、単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
溶液重合法を採用する場合、溶媒の使用量は全単量体を100重量部としたとき、500重量部以下、好ましくは300重量部以下、特に好ましくは50重量部以下である。500重量部を超えると高分子量の環状オレフィン系共重合体が得られないことがあり好ましくない。
【0046】
乳化重合にて本発明の共重合体を製造する場合、使用できる乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸系等が挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤としては、通常、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェノール型等が用いられる。
さらに、両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を、カチオン部分としてアミン塩、第四級アンモニウム塩等をもつものが挙げられる。この両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のアミノ酸タイプのもの等が用いられる。
これらの乳化剤は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
乳化剤の使用量は、全単量体を100重量部としたとき、通常、0.1〜5重量部程度である。
【0047】
また、本発明の環状シクロオレフィン系共重合体を製造するに際し、分子量を調整するために連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤の具体例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン等のメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィド、四塩化炭素、臭化エチレン、ペンタンフェニルエタン等の炭化水素類、またはアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコール、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
これらの連鎖移動剤は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
連鎖移動剤の使用量は、全単量体を100重量部としたとき、5重量部以下、好ましくは1重量部以下、特に好ましくは0である。連鎖移動剤が5重量部を超えて用いると高分子量の環状オレフィン系共重合体が得られないことがあり好ましくない。
【0048】
重合に際しては、予め真空脱気または窒素置換等により、系外に溶存酸素を除外しておくことが適当である。採用する重合温度は−50〜200℃の範囲、また、重合時間は1〜100時間の範囲が好ましく、重合の暴走の防止、生産性の両面から、重合温度は40〜150℃の範囲、また、重合時間は1〜50時間の範囲がより好ましい。また、必要に応じて重合中に昇温してもよい。上記特定単量体(B1)とルイス酸を使用して本発明の環状シクロオレフィン系共重合体を合成する場合、重合温度は0〜70℃、好ましくは20〜50℃で合成すると分子量が大きく、靱性が強い成形体を与える環状環状シクロオレフィン系共重合体が得られる。
【0049】
また、特定単量体(A)としてトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエン等の非重合性環内不飽和結合を有する単量体を用いる場合は、水素添加触媒を用いてかかる不飽和結合を水素添加することが必要である。
上記の場合でなくとも、本発明の環状オレフィン系共重合体の構造単位中にオレフィン性不飽和結合が残存する場合には、その必要性に応じて水素添加触媒を用いてかかる不飽和結合を水素添加することができる。
水素添加反応は、通常の方法、すなわち、オレフィン性不飽和結合を有する環状オレフィン系共重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。
【0050】
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア等の担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等を挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。
ただし、本発明の共重合体の水素添加においては、芳香族環が核水添される水素添加触媒や条件は使用できない。
【0051】
これらの水素添加触媒は、環状シクロオレフィン系共重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
このように、水素添加することにより得られる水素添加重合体は優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によってはその特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、通常50%以上、好ましく80%以上、更に好ましくは95%以上である。
【0052】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、反応系から公知の方法により残存単量体および溶媒を除去して単離される。また、使用したルイス酸等の金属化合物は、必要に応じて塩化水素、硫酸、リン酸等の無機酸、乳酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸エステル類等の有機酸を使用して除去される。
本発明の環状オレフィン系共重合体には、さらに適当な可塑剤、熱安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、離形剤、酸化防止剤等を含むこともできる。
【0053】
本発明の環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度(Tg)は80〜300℃であり、好ましくは90〜200℃である。Tgが90℃未満であると耐熱性が不十分であり、得られる成形体を電子製品、自動車部品等の蓄熱しやすい部分に用いると、熱変形したり、また、光学レンズとして用いた場合、ビーム径がずれるなどの問題が生じ好ましくない。また、Tgが300℃を超えると成形が困難である等の問題が生じ好ましくない。
【0054】
本発明の環状オレフィン系共重合体の全光線透過率は、80%以上(光路長:3mm)であることが好ましい。全光線透過率が80%未満であると光の損失が大きく光学材料としての使用に制限が生じることがあり好ましくない。
【0055】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量が5000〜1,00,0000であることが好ましい。数平均分子量が5000未満であると、得られる成形体の靱性が不十分であり、強度に問題が生じることがある。また、数平均分子量が1,000,000を超えると溶融粘度が高くなり成形が困難になることがある。
【0056】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、ゴム状態の応力光学係数(CR)の絶対値が1000以下であることが好ましく、さらに好ましくは800以下、特に好ましくは500以下である。CRと成形体の複屈折とは良好な相関関係を有しており、CRが1000を超えるとレンズ、光ディスク等の光学用途において、複屈折に起因する光学的特性の低下が生じることがあり好ましくない。
【0057】
【実施例】
次に実施例によって本発明の方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例で得られた共重合体およびその成型体の評価は下記の方法により行った。
【0058】
・数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(トーソー社製)HLC8220(ポリスチレン換算)により測定した。
・ガラス転移温度(Tg):
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製)DSC6200を用いて昇温速度20℃/minで測定した。
・共重合体組成:
重水素化クロロホルム中で、13C―NMR(Bruker社製、AVANCE500、500MHz)inversegate−decoupling法、フリップ角30度、パルス間隔1.6秒により測定後、各単量体由来の構造単位の積分比により共重合組成を求めた。なお、測定には、共重合体300mgおよびクロムアセチルアセトナート100mgを重水素化クロロホルム3.3gに溶解したものを用いた。
【0059】
・応力光学係数(C R ):
公知の方法(Polymer Journal,Vol.27,No.9,pp943-950(1995))により測定した。
すなわち、本発明で得られた環状シクロオレフィン系共重合体をプレス成形により0.5mm×5mm×50mm程度の大きさに成形した試験片を4個作成し、各試験片にそれぞれ10〜300gの範囲の異なる荷重をかけ、試験片のTg+20℃程度の加熱炉中に入れ30分程度放置してそれぞれ延伸させた。その後、荷重をかけた状態で加熱炉を室温まで徐冷し、延伸された試験片の位相差をそれぞれ測定した。位相差はKOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて測定した。下記式に従い、それぞれの試験片について応力(σ)と複屈折(ΔN)を求め、σ−ΔNプロットの直線の傾きからCRを求めた。
式:σ=F/(d・w)
(F:荷重、d:延伸後の試験片厚み、w:延伸後の試験片幅)
式:ΔN=Re/d
(Re:位相差、d:延伸後の試験片厚み)
式:CR=ΔN/σ (単位:Br=10-12Pa-1)
【0060】
・透明性(全光線透過率の測定):
射出成形機によって、透明性を評価するための試験片(厚さ3mm)を作製し、ASTM D1003に準じて全光線透過率を測定した。
・耐水性(吸水率の測定):
射出成形機によって、耐水性を評価するための試験片(3mm×40mm×80mm)を作製した。この試験片の重量:W0 を測定し、23℃の水中に24時間浸漬した後の重量:W1 を測定し、下記の数式により吸水率を算出した。
式:吸水率(%)=〔(W1 −W0 )/W0 〕×100
・曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性率)
ASTM D790に準じて測定した。
【0061】
[実施例1]
窒素置換した3Lオートクレーブに、窒素気流下にて脱水メタクリル酸メチル(MMA)500.6g(5モル)、脱水トルエン163g、エチルアルミニウムジクロリド(EADC)の脱水トルエン溶液(濃度:24.7重量%)257.5g(0.5モル)の順で加え、室温で30分攪拌を行った。その後、この溶液にビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(NB)の脱水トルエン溶液(濃度:75重量%)564.9g(4.5モル)、イソブテン(IB)28.05g(0.5モル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名:V−70、和光純薬(株)製)7.71g(0.025モル)を加え、30℃で10時間攪拌した。さらに、前記V−70を7.71g(0.025モル)加えて10時間反応を行った(重合反応における反応液の全モノマー重量/トルエン重量=0.5)。反応後、トルエン1430gを加え均一なポリマー溶液に希釈した(希釈液の全モノマー重量/トルエン量=2)。得られた反応混合物からEADCを除去するため、EADCの1.2倍モルの乳酸54g(0.6モル)を加え、60℃で1時間攪拌した。その後、この溶液にメタノール545gを加え(トルエン重量/メタノール重量比=3.5)、60℃で1時間攪拌後、分液ロートへ反応溶液を取り出した。6時間静置後に反応混合液は2層に分離した。この上層を採取し、乳酸54g(0.6モル)を加え、60℃で1時間攪拌したのち、メタノール545gおよび水109gを加え、60℃で1時間攪拌した。6時間静置後、2層に分離した溶液のうち下層を採取し、n−ヘキサンにて再沈精製を行った。精製物を分離し、70℃にて真空乾燥して、白色粉末状の共重合体676gを得た(収率=71%)。
【0062】
得られた環状シクロオレフィン系共重合体のGPCチャートを図1に示す。
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)=97,700,数平均得分子量(Mn)=42,000,分子量分布(Mw/Mn)=2.31であった。GPCチャートから観察される分子量分布は単峰性であり、PMMA単独共重合体が副生したときに見られる分子量分布の2峰性などは観察されなかった。
得られた環状シクロオレフィン系共重合体のDSCチャートを図2に示す。明確なガラス転移温度(Tg)が121℃の箇所に1つだけ観察され、PMMA由来のTgである100℃の箇所には全くピークは観察されなかった。
得られた環状シクロオレフィン系共重合体の13C−NMRスペクトルを図3に示す。また、同図3中に、得られた共重合体の推定構造式を、構造部位に番号を付した状態で示した。NMR積分値より算出した、ポリマーの構造単位の組成は、NB単位/IB単位/MMA単位=10.0/6.2/83.8(モル%)であった。
得られた環状シクロオレフィン系共重合体の赤外分光スペクトル(IR)を図4に示す。IRチャート上に以下の吸収ピークが観察された(なお、吸収ピークの帰属同定はあくまで参考である)。
2994、2840cm-1:メチレン基のC−Hの伸縮振動帰属
2951、2883cm-1:メチル基のC−Hの伸縮振動帰属
1743、1723cm-1:脂肪族エステルのC=Oの伸縮振動帰属
1489cm-1:パラフィンのC−H対称変角振動帰属
1449cm-1:メチル基の逆対称変角振動帰属
1387cm-1:炭化水素のC−CH3対称変角振動帰属
1198、1161cm-1:メチルエステル基のC−O−Cの伸縮振動
989cm-1:シクロヘキサン環のC−H面外変角振動帰属
964cm-1:シクロヘキサン環の環振動帰属
915cm-1:環振動帰属
739cm-1:メチレン基の骨格振動帰属
【0063】
得られた共重合体の諸特性は、CR=28Br、全光線透過率:91%、吸水率:0.55%、曲げ強度:78MPa、曲げ弾性率:3970、降伏点変位:9.35mmであった。また、得られた試験片は、曲げ試験において折れることなく、靭性も極めて優れるものであった。
【0064】
[実施例2]
実施例1において、IB(0.5モル)を1−ヘキセン(Hx)42.1g(0.5モル)に変更した以外は、実施例1と同様に重合、精製、および乾燥して、白色粉末状の共重合体725gを得た(収率=75%)。
得られた環状シクロオレフィン系共重合体のGPCチャートを図5に示す。ポリスチレン換算のMw=94,600,Mn=41,200,分子量分布(Mw/Mn)=2.29であった。GPCチャートから観察される分子量分布は単峰性であり、PMMA単独共重合体が副生したときに見られる分子量分布の2峰性などは観察されなかった。
得られた環状シクロオレフィン系共重合体のDSCチャートを図6に示す。明確なガラス転移温度(Tg)が122℃の箇所に1つだけ観察され、PMMA由来のTgである100℃の箇所には全くピークは観察されなかった。
得られた環状シクロオレフィン系共重合体の13C−NMRスペクトルを図7に示す。NMR積分値より算出した、ポリマーの構造単位の組成は、NB単位/Hx単位/MMA単位=11.1/2.2/86.7(モル%)であった。
得られた環状シクロオレフィン系共重合体の赤外分光スペクトル(IR)を図8に示す。IRチャート上に以下の吸収ピークが観察された(なお、吸収ピークの帰属同定はあくまで参考である)。
2994、2840cm-1:メチレン基のC−Hの伸縮振動帰属
2952、2883cm-1:メチル基のC−Hの伸縮振動帰属
1743、1711cm-1:脂肪族エステルのC=Oの伸縮振動帰属
1476cm-1:パラフィンのC−H対称変角振動帰属
1451cm-1:メチル基の逆対称変角振動帰属
1387cm-1:炭化水素のC−CH3対称変角振動帰属
1199、1161cm-1:メチルエステル基のC−O−Cの伸縮振動
988cm-1:シクロヘキサン環のC−H面外変角振動帰属
964cm-1:シクロヘキサン環の環振動帰属
915cm-1:環振動帰属
736cm-1:メチレン基の骨格振動帰属
得られた共重合体の物性値を以下に示す。CR=8.6Br、全光線透過率:93%、吸水率:0.58%、曲げ強度:76MPa、曲げ弾性率:4020、降伏点変位:10.03mm。また、得られた試験片は、曲げ試験において折れることなく、靭性も極めて優れるものであった。
【0065】
[実施例3]
実施例1において、モノマー仕込み組成を、IB 140.25g(2.5モル)、NB 235g(2.5モル)、N−シクロヘキシルマレイミド(CHMI)448g(2.5モル)、ブチルメタクリレート(BMA)355g(2.5モル)として、重合開始剤に1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(商品名:V−40、和光純薬株式会社製)6.108g(0.025モル)を用い、EADCを使用しないで、90℃で5時間反応を行った。EADC除去操作を行わない以外は、実施例1と同様に、再沈精製およぶ乾燥して白色固体884gを得た(収率=75%)。実施例1と同様にしてNMRおよびIR解析により目的とする、ポリマーの構造単位の組成が、NB単位/IB単位/BMA単位/CHMI単位=15.9/20.3/25.0/38.8(モル%)である4元共重合体であることが判った。
得られた共重合体の物性値を以下に示す。Mw:122,000、Mn:57,000、分子量分布(Mw/Mn)=2.14、Tg:125℃、CR=390Br、全光線透過率:94%、吸水率:0.38%、曲げ強度:81MPa、曲げ弾性率:4210、降伏点変位:9.02mm。また、得られた試験片は、曲げ試験において折れることなく、靭性も極めて優れるものであった。
【0066】
[比較例1]
IBを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、MMA単位/NB単位=63/73(モル%)の2元共重合体を得た。
得られた共重合体の物性値を以下に示す。Tg:183℃、Mw=49,900,Mn=18,600、分子量分布(Mw/Mn)=2.68、CR=220Br、全光線透過率:90%、吸水率:0.97%、曲げ強度:42MPa、曲げ弾性率:2530、降伏点変位:3.25mm。また、得られた試験片は曲げ試験で折れてしまい、非常に脆い材料であった。また、成形体作成時、金型から成形体を取り出す際、成形体が粉々に割れてしまい、製品として取り出すことができなかった。
【0067】
[比較例2]
MMAとEADCを使用せず、モノマー仕込の組成を、NBの75%トルエン溶液627g(5モル)、および、IB 280.6g(5モル)とすること以外は、実施例5と同様にして重合反応を行った。反応後、再沈操作を行ったが、全く共重合体は得られなかった(収量=0g、収率=0%)。
【0068】
[比較例3]
実施例1において、NBを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、IB単位/MMA単位=28.6/71.4(モル%)の2元共重合体を合成した。
得られた共重合体の物性値を以下に示す。Tg:75℃、Mw=136,000、Mn=29,300、分子量分布(Mw/Mn)=4.64、CR=404Br、全光線透過率:90%、吸水率:1.22%、曲げ強度:82MPa、曲げ弾性率:3810、降伏点変位:10.03mm。また、得られた試験片は、曲げ試験において折れることなく、靭性も優れていたが、Tgが低く、80℃以上の耐熱性が必要とされる光学部品等へ応用した場合、成形体が熱変形するため使用に耐えるものではない。
【0069】
[比較例4]
比較例2で合成したNB/MMAとの2元共重合体と比較例3で合成したIB/MMAとの2元共重合体の再沈精製前の共重合体溶液を、固形分換算で1:1にブレンド後、再沈精製を行い、乾燥を行い白色粉末のブレンド体を得た。それぞれの2元共重合体由来2つのTg:75℃、および183℃が確認された。また、GPC分析でも前記各2元共重合体のそれぞれに由来する2峰性のピークが観察された。全光線透過率は6%と非常に低く、不透明であった。このことは、それぞれの2元共重合体が互いに非相溶性であることを示している。
【0070】
【発明の効果】
本発明で得られた新規な環状オレフィン系共重合体は、多様な反応条件設定ができる利便性が高いラジカル共重合法を採用して得られたものであり、従来公知の環状オレフィン系樹脂が有する良好な諸特性(透明性、耐水性(低吸水性)、耐熱性)を保持するとともに、優れた低複屈折性を有し、さらに従来公知のノルボルネン/MMA系ラジカル共重合体よりも靱性が強く、成形作業に何ら支障なく成形体を得ることが可能であるという特性を有し、その工業的価値は計り知れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた環状シクロオレフィン系共重合体のGPCチャートである。
【図2】実施例1で得られた環状シクロオレフィン系共重合体のDSCチャートである。
【図3】実施例1で得られた環状シクロオレフィン系共重合体の13C−NMRスペクトルである。
【図4】実施例1で得られた環状シクロオレフィン系共重合体の赤外分光スペクトルである。
【図5】実施例2で得られた環状シクロオレフィン系共重合体のGPCチャートである。
【図6】実施例2で得られた環状シクロオレフィン系共重合体のDSCチャートである。
【図7】実施例2で得られた環状シクロオレフィン系共重合体の13C−NMRスペクトルである。
【図8】実施例2で得られた環状シクロオレフィン系共重合体の赤外分光スペクトルである。
Claims (5)
- (A)下記一般式(1)で表される環状オレフィン骨格を有する構造単位、(B)下記一般式(4)で表される構造単位および下記一般式(5)で表される構造単位から成る群から選ばれる少なくとも1種の構造単位、並びに、(C)下記一般式(2)で表される構造単位および下記一般式(3)で表される構造単位から成る群から選ばれる少なくとも1種の構造単位からなり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量が5000〜1,000,000であることを特徴とする環状オレフィン系共重合体。
- ガラス転移温度(Tg)が80〜300℃であることを特徴とする請求項1に記載の環状オレフィン系共重合体。
- 応力光学係数の絶対値が1000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の環状オレフィン系共重合体。
- 各構造単位の割合が、それぞれ、構造単位(A)が1〜45モル%、構造単位(B)が50〜95モル%、構造単位(C)が5〜49モル%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の環状オレフィン系共重合体。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の環状オレフィン系共重合体を含む成形体。
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