JP2832858B2 - 新規ビニルエーテル、その製法及び重合体 - Google Patents

新規ビニルエーテル、その製法及び重合体

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は太陽エネルギーを貯蔵し、必要に応じてこの
エネルギーを熱として取り出す所謂ソーラーシステムに
用いられ得る光エネルギー蓄積、或は変換用材料、光に
よる書き込みが可能なる所謂光メモリー材料、或は光を
照射する事によって吸収スペクトルが変化するフォトク
ロミック材料等に有用な原料及びその製造方法に関す
る。
「従来技術」 下記に示す様、ノルボルナジエン(以下、NBDと略
す。)が紫外線エネルギーを吸収してクワドリシクラン
(以下、QCと略す。)に構造変換を超し謂わば、光エネ
ルギーを歪みエネルギーとして蓄積する作用を持つ事、
更に、QCが常温においては 安定であるが、ある種の触媒に接触させればNBD構造に
逆変換し、その際、熱エネルギー(23〜27cal/mol)を
放出することが近年見出され、公知となっている。
しかし、上記のノルボルナジエンは液体であるので、
光増感剤や逆反応用触媒を固定化してソーラーシステム
を組立ようとしても、種々の複雑な操作が必要であり、
その為に実用化するには非常に難しかった。
上記の様な理由から、この作用効果を持つ高分子を意
図する研究も進んでおり、側鎖にノルボルナジエン構造
を導入して固体やフィルム状のエネルギー蓄積、放出物
質や新しいホォトニクス用の高分子材料を得ようとする
先行例が公知である。
この様な高分子化合物として、例えば、ポリ(2,5−
ノルボルナジエン−7−イル(メタ)アクリレートを例
示する事ができる。(Bull.Chem.Soc.Japan,59,1501(1
986)参照) しかし、上記のポリマーは光反応性が極めて遅く例え
ば、48時間もの長時間高圧水銀灯を照射した後でも構造
変換率は高々87%であり、触媒による逆反応速度も小さ
く、更に、触媒溶液に24時間浸漬した後でもQC構造が26
%も残存している。
更に、本発明者は以前NBDの光反応性を高める為に本
出願の後記一般式[III]に示される化合物とポリクロ
ロメチルスチレンからのNBD構造を側鎖に持つポリマー
を得たが、(マクロモレキューズ(Macromolecules)2
2,8(1989)参照)このものの感度は前記のアクリル系
のポリマーより優れてはいたが、尚、下記の如き難点が
あった。
即ち、ポリクロロメチルスチレンと一般式[III]に
示される化合物から得られるノルボルナジエン誘導体は
硬いポリスチレン構造を主鎖に持ち、且つ、側鎖の脂環
族カルボン酸が直接主鎖にエステル結合している為、得
られるフィルムや成型品には強靭性が不足していた。
又、上記の様な構造である為、側鎖の分子運動や構造変
換には自ずから制限があり、従って、より好ましい反応
性を妨げる可能性があった。
「発明が解決しようとする問題点」 以上の様な現状から、前述の如きより速い光異性化反
応を可能ならしめ、成型等がたやすく且つ該成型物の物
性の優れた高分子の出現が強く望まれていた。
「問題点を解決する為の手段」 本発明者らは上記の如き問題を解決するため、ハロゲ
ン化アルキル基を持つビニルエーテル類と後記一般式
[III]にて示される化合物を反応させれば、容易に新
規に後記一般式[I]にて示される化合物が製造出来る
事、及びこれを重合或は共重合し、NBD構造を持つカル
ボン酸側鎖が柔軟なエトキシエチル構造を介してポリマ
ー主鎖に結合した新規重合体を得る事に成功した。即
ち、本発明は 1.下記一般式[I]にて示される新規化合物、 「ここに、Rは (1)水素原子 (2)−COOR1 (3)フェニル基 からなる群から選ばれる官能基であり、 R1はメチル基又はエチル基を、 R2は水素原子、メチル基、又はエチル基を R3は水素原子又はアセチル基をそれぞれ 示す。」 2.下記一般式[II]にて示されるビニルエーテル化合物
と CH2=CHOCH2CH2Cl ……[II] 下記一般式[III]にて示されるノルボルナジエン系化
合物を 「ここに、Mはアルカリ金属原子を示し、Rは前記と同
じ。」 反応させる事を特徴とする前記一般式[I]にて示され
るビニルエーテル化合物の製造方法及び 3.前記一般式にて[I]示す化合物を少なくとも5重量
%及びビニル重合性を持つ化合物を多くとも95重量%を
反応させ、下記一般式[IV]にて示される 繰り返し単位と他の1,2−エチレン結合をもつ繰り返し
単位からなり数平均分子量が2,000から500,000である重
合体の3発明からなるものである。
前記一般式[I]にて示される化合物は本出願前公知
ではなく新規化合物であり、その重合性等の性質は一切
知られていず、後述の製法にて製造された後、後述の如
き方法にてその分子構造、物性等につき確認された。
一般式[I]に示されるRとして前述の如き水素原子
或は3種の置換基が好ましくは本発明の他の目的を満た
すものであり、(2)にて示されるカルボン酸エステル
置換基としては、メチルエステル、エチルエステルが好
ましい。又、(4)にて示される置換基にあっては、具
体的には、フェニルカルバモイル基、4−アセチルフェ
ニル−(N−メチル)カルバモイル基等が好ましく用い
られる。
上記の新規化合物の製法についても、当然の事なが
ら、本出願以前に記載されたものはなく、本発明者らが
種々検討した結果、前述の一般式[II]及び[III]に
て示される化合物を反応させることによって、有利に製
造され得る事を見出されたものである。この方法は、カ
ルボン酸のアルカリ金属塩と2−クロロエチルビニルエ
ーテルを反応させアルカリ金属塩化物を公知の方法にて
分離すれば良く、該反応時に必要ならば、テトラエチル
アンモニウムブロマイド等の所謂相間移動触媒を存在さ
せる事も可能である。該反応の反応条件は一般式[II
I]にて示される化合物の種類或は前記触媒の存在の有
無によって異なるが、一般には0〜120℃の温度で、溶
媒を存在させるか又は存在させず、常圧下に行なえばよ
い。該反応後、公知の例えば、カラムクロマト分離、蒸
留等の方法で精製することによって後述の重合に適した
純度のものが好ましく得られる。
斯くして、製造される一般式[I]にて示される化合
物から前述の様な性能を持つ特定の重合体を製造する訳
であるが、この重合体は、本出願前に公知の重合体では
なく、新規である。
該重合体を構成する前記一般式[I]にて示される化
合物使用量は該重合体の総量に対して少なくとも5重量
%であり、これ以下では本発明の目的とする性能を具現
化することはできない。更に、該性能を重合後も維持さ
れるべきであることを考慮すれば、前述の一般式[IV]
にて示される構造単位が出来る限り該重合体に残存して
いなければならない。また、本重合体は前記55重量%以
上用いられる共重体から前記一般式[I]に示される化
合物のみからの単独重合体を包含するものである。
0%以上多くとも95重量%用いられる他の原料として
は、特に規定はないが、前述の性能を考慮すれば側鎖中
に存在するノルボルナジエン構造に有る2重結合と率先
して反応するが如き化合物は好ましくない。
前記の特徴的な反応を選択的に進める化合物の例とし
て、アルキルビニルエーテル類、N−フェニルマレイミ
ド、無水マレイン酸等が挙げられる。
上記の重合体を製造する方法には、特に限定はない
が、ノルボルナジエン構造が出来る限り残る方法が好ま
しく、又、ノルボルナジエン構造中の2重結合が出来る
限り残る方法が好ましい。
この条件を満たす方法として、カチオン重合法が特に
好ましく、この方法では、ビニルエーテル中のビニル基
のみが選択的に反応に関与する。
これら原料のカチオン重合には、触媒をもちいること
が必須であるが、この触媒としては、三弗化ホウ素エー
テラートで代表されるルイス酸類、ヨウ化水素−ヨウ素
系の触媒等の所謂リビングカチオン重合触媒等を例示出
来る。
該カチオン重合反応の条件は、一般式[I]にて示さ
れる化合物の置換基Rの種類、共重合の場合には他の原
料の種類によって変化することがあり、特に限定は出来
ないが、一般には−70℃〜50℃においてトルエン等を溶
媒として溶液重合を進めればよいが、マレイミド類、無
水マレイン酸等と共重合を意図する場合には、アゾビス
イソブチロニトリル等の開始剤としてラジカル重合方法
を用いてもよく、この場合適当な溶媒を原料に対して5
倍重量以上使用し60℃以下の温度で反応を行なえばよ
い。
斯くして、得られるポリマーは本発明の主たる性能と
同種の性能を持つ他の公知のポリマーに比べて、より柔
軟性及び強靭な性質を有し、しかもノルボルナジエン側
鎖の光異性化反応率及び同反応速度がより大きいポリマ
ーである。更に、本ポリマーをカチオン重合法で製造す
れば、ラジカル重合にて製造される公知のポリマーに比
べて、該ノルボルナジエン構造に有る2重結合の残存率
が圧倒的に高くなり、従って、より効率的に、経済的に
前述の如き性能を有するポリマーが得られる。
「実施例」 以下に実施例を挙げ、本発明を説明するが、これらに
限定されるものではない。
実施例 1 本例は前記一般式[I]にて示される化合物の製造例
である。
公知の方法で製造した3−フェニル−2,5−ノルボル
ナジエン−2−カルボン酸カリウム塩(以下、PNBA−K
塩と略す。)7.52g(0.03モル)、2−クロロエチルビ
ニルエーテル(以下、CEVEと略す。)31.97g(0.3モ
ル)及び臭化テトラブチルアンモニウム(以下、TBABと
略す。)0.97g(3mmol)を窒素置換されたフラスコ中で
混合し、大気圧下にCEVEの沸点で5時間還流させながら
撹拌下に反応させた。その後、析出したPNBA−K塩を濾
過・分離した後、未反応のCEVEを減圧下に回収し、残っ
た液体を濃縮した。
この濃縮物をベンゼンを展開液としシリカゲル(MERK
社製、キーゼルゲル−60)を用いてカラムクロマトグラ
フィーによって精製した。
主生成物の収量は7.06gであり、これをガスクロマト
グラフィーにて分析した所、単一成分であることが判明
した。赤外分光、1H−NMR(CDCl3使用)によって解析
し、その結果を以下に示した。
赤外吸収スペクトルには 1700 cm-1 → C=O 1620,1640 cm-1 → C=C 1237 cm-1 → C−O−C(エステル) 1100 cm-1 → C−O−C(エーテル) に由来する吸収ピークが見られ、 1H−NMRスペクトル(TMS標準)には に由来する吸収ピークが見られた。
更に、上記生成物の元素分析の結果、 C−76.53%,H−6.45%となり、理論値(C−75.56
%,H−6.43%)から分子式はC18H18O3と計算された結
果、本生成物は2−(3−フェニル−2,5−ノルボルナ
ジエンオキシカルボニル)エチル ビニル エーテル
(以下、これをPNVEと略す。)である事が確認された。
実施例2 本例は実施例1で製造されたPNVEの重合例である。
16mlのトルエンに4.52gのPNVEを溶解し、−20℃に冷
却した後、撹拌しながら0.068gのBF3・O(C2H5
(1.6mlのトルエン溶液に該当)を添加し、−20℃で
3時間反応させた。その後、0.5mlのトリエチルアミン
を加えて撹拌した後、大量のメタノール中にこの反応溶
液を注いだ所、白色の固形物が沈殿した。得られた固形
物をテトラヒドロフランに溶解し、ガラスフィルターで
瀘過・分離した後テトラヒドロフラン/メタノール系で
2回再沈殿して精製し、減圧乾燥した。収量は4.11gで
あっり、予想通りの反応を想定した場合の収率は91%と
計算された。
この固形物の還元粘度(ηsp/C)をDMFを溶媒として3
0℃にて測定した所、0.5g/dlの濃度で0.16であり、GPC
にて測定した数平均分子量は18,300と計算された。
この固形物の赤外吸収スペクトルを見るとモノマーに
見られた2種のC=C二重結合のうちビニルエーテルに
基づく1640cm-1の吸収ピークは消滅し、ノルボルナジエ
ンに基づくと推定される1620cm-1の吸収ピークは存在し
た。又、C=O、C−O−C(エーテル、エステル)に
基づく1700cm-1、1237cm-1の吸収ピークも存在した。更
に、1H−NMRの測定結果からはC=CH−Oに基づくδ=
6.4の吸収ピークはこの固形物にはなく、ノルボナジエ
ンの−CH=CH−に基づくδ=6.9の吸収は残っており、
新たにδ=1.6及び3.5にポリマー主鎖のメチレン基及び
メチン基に基づくと考えられる吸収が現われた。
以上の結果、前述の反応により、以下に示す反応が進
んだと結論された。
この反応で得られたポリマーをポリ−PNVEとする。
次に、ポリ−PNVEの光原子価異性化反応の例を示す。
前記のポリ−PNVEのTHF溶液を石英セルの内側片面に
キャストして乾燥させてフィルムを調製した。次いで、
このフィルム面へ250W超高圧水銀灯をフィルターを用い
ず30cmの距離から照射した。
ノルボルネン基に基づき、300nm付近に最大吸収を持
つ紫外吸収は照射時間60秒でほぼ半減し、300秒後には
約2%となり、実質的には消滅した。又、照射後のフィ
ルムのノルボルナジエン構造に基づく1H−NMRのδ=6.9
の吸収は殆ど消滅していた。
これらの結果から、本発明のポリマーの側鎖中のノル
ボルナジエン基が単体と同じく紫外線照射によりクワド
リシクラン構造に変換した事が示された。
上記のノルボルナジエン基の消滅速度からの解析の結
果、この反応は一次反応であり、その速度定数Kは1.32
×10-2sec-1であることが判明した。
この速度はマクロモレキュールズ、Macromolecules 2
2,(1989)に示される公知のポリマーにおける速度定
数に比べて約2倍であった。
次いで、光照射後のポリ−PNVEの逆異性化反応例につ
いて述べるが、 前述の光照射によって得られたクワドリシクラン
(以、QCと略す。)構造を持つポリ−PNVEのフィルムを
コバルト(II)−5,10,15,20−テトラフェニルポリフイ
リンの四塩化炭素溶液(濃度1.6×10-6g/ml)に30℃で
浸漬し、300nm付近に最大値を持つ吸収を追跡した。
浸漬後、約5分で吸収は50%回復し約30分間で反応が
定量的に進んだことが示された。
この逆反応も一次反応であり、その速度定数は2.29×
10-3であった。この逆反応速度定数は前記の公知文献に
示されるものに比べて約2倍であった。
以上の結果、本発明のポリマーは公知の同種のものに
比べて、優れた性能を持つことが分かった。
実施例3 2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸をシクロペ
ンタジエンとアセチレンカルボン酸から公知の方法で製
造し、実施例1に示す方法にてそのカリウム塩を得、更
にこれと2−クロロエチルビニルエーテルから2−(2,
5−ノルボルナジエンオキシカルボニル)エチルビニル
エーテル(以下NVEと略す。)を得た。
ビニルエーテル化反応の収率は82.5%であり、赤外吸
収スペクトルの主たる吸収ピーク及び1H−NMRの主たる
吸収ピークは以下の通りであり、この生成物がNVEであ
る事が確認された。
赤外吸収スペクトル 1730cm-1 (C=O) 1610,1640cm-1 (C=C) 1190cm-1 (C−O−Cエステル) 1090cm-1 (C−O−Cエーテル)1 H−NMR吸収スペクトル(TMS基準、CDCl3 上記のNVEを実施例2記載の方法にて重合し、更に同
例に記載の方法にて構造解析を行なった所、ポリーNVE
である事が確認され、その後、紫外線の照射を行なっ
た。光異性化反応は実施例1記載の反応に比べて遅く、
50%減少に約4.5分を要した。
増感剤としてミカエルケトンを2モル%添加して同様
の反応を行なった所、50%減少に要する時間は約3分に
短縮出来、4.5分では約60%が消滅した。
60分の照射で上記の吸収が完全に消滅し、異性化が完
了したフィルムを実施例1と同様にコバルトポルフイリ
ン液に浸漬した所、約45分後には逆反応が定量的に進行
していた。
実施例4 2,5−ノルボルナジエン2,3−ジカルボン酸のモノメチ
ルエステルを公知の方法で製造し、次いでカリウム塩と
した。
このカリウム塩と2−クロロエチルビニルエーテルと
反応後、精製し、2−(3−メトキシカルボニル−2,5
−ノルボルナジエンオキシカルボニル)エチルビニルエ
ーテル(以下、MNVEと略す。)を得た。その収率は80.5
%であり、この分子構造は赤外スペクトル及び1H−NMR
で下記の如く確認された。
赤外吸収スペクトル 1730〜1710cm-1:(C=O) 1630,1610 cm-1:(C=C) 1280〜1260cm-1:(COC,エステル) 1100 cm-1:(COC,エーテル)1 H−NMR吸収スペクトル(TMS基準、CDCl3 MNVEを実施例2記載の方法にてカチオン重合し、更
に、白色のポリ−MNVEを得、このものの分子構造も同例
記載の方法により赤外スペクトル及び1H−NMRで確認さ
れた。30℃におけるDMF溶媒での還元粘度は0.20であっ
た。
ポリ−MNVEの光異性化反応にあっては、ノルボルナジ
エン構造の50%減少には約5分要し、2%のミカエルケ
トン添加で3.5分を要した。
前述の逆異性化反応は約45分でほぼ定量的に完了し
た。
実施例5 本例は2−[3−(フェニルカルバモイル)−2,5−
ノルボルナジエン−2−オキシカルボニル]エチルビニ
ルエーテル(以下、PCVEと略す。)の製造例である。
2,5−ノルボルナジエン−2,3−ジカルボン酸を公知の
方法にてシクロペンタジエンとアセチルジカルボン酸か
ら製造し、その後、アニリンを縮合させ3−(フェニル
カルバモイル)−2,5−ノルボルナジエン−2−カルボ
ン酸を得た。
この酸を公知の方法にてカリウム塩とし、2−クロロ
エチルビニルエーテルとを、テトラブチルアンモニウム
ブロマイドを相間移動触媒として用いて、反応させた
後、展開溶媒としてジクロロメタンを用いてカラムクロ
マトグラフィーにて精製した。前述と同様の方法(赤外
吸収スペクトル及び1H−NMRスペクトル)にて解析し、
更に元素分析をおこなった所下記の如くであり、精製物
が2−[3−(フェニルカルバモイル)−2,5−ノルボ
ルナジエン−2−オキシカルボニル]エチルビニルエー
テル(以下、PCVEと略す。)である事が確認された。
赤外吸収スペクトル 1690 cm-1:(C=O,エステル) 1655 cm-1:(C=O,アミド) 1620〜1610 cm-1:(C=C−O,−C=C−C) 1255 cm-1:(C−O−C,エステル) 1110 cm-1:(C−O−C,エーテル)1 H−NMR吸収スペクトル(TMS基準、CDCl3 実施例6 本例は前述のPCVEのコポリマーの製造例である。
PCVE6.50g(20mmol)及びN−フェニルマレイミド3.4
6g(0.4mmol)をTHF60mlに溶解し、0.066g(0.4mmol)
のアゾビスイソブチロニトリルを加えて50℃にて24時間
撹拌した。反応混合物を大量のメタノールに注ぎ、白色
の固形物を沈殿として得た。ガラスフィルターで瀘過・
分離した後、THF−メタノール系で2回再沈殿を行ない
精製した。収量は5.1gであった。
この固形物はTHFに可溶であり、DMFを溶媒とし、その
還元粘度を測定した所、0.5g/dlの濃度では0.12であっ
た。この固形物の赤外吸収スペクトルを及び1H−NMRの
以下に示す測定結果からこの固形物はPCVEのビニル二重
結合とマレイミドの二重結合が反応に関与していた。更
に、PCVEは上記条件では殆ど単独には重合せず、又、N
−フェニルマレイミドのホモポリマーは殆どTHFに溶解
しない事からこの固形物は両者のコポリマーであること
が確認された。
赤外吸収スペクトル 1700 cm-1:C=O,(マレイミド由来) 1690 cm-1:C=O,(エステル) 1655 cm-1:C=O,(アミド) 1610 cm-1:−C=C− 1260 cm-1:C−O−C,(エステル) 1100 cm-1:C−O−C,(エーテル)1 H−NMR吸収スペクトル(TMS基準、CDCl3 このポリマーの元素分析からのチッ素の含有率から推
定すると、PCVEとN−フェニルマレイミドのモル比が2:
3のコポリマーであった。
実施例2記載の方法にて、石英セルの内側にこのコポ
リマー薄膜を調製し、同一条件にて光照射を行なった。
300nm付近のノルボルナジエン基に基づく紫外吸収ス
ペクトルの変化を追跡した所、約2分間の照射で該ピー
クは1/2に吸収強度が減少し、約25分で5%以下と実質
的に消滅した。
前述の触媒濃度を1.6×10-5g/mlとした以外は実施例
1記載の方法にて上記のフィルムをコバルトボルフィリ
ン溶液に約30分浸漬した所、完全に上記の300nm付近の
吸収は回復していた。
実施例7 本例は2−[3−(フェニル−(N−エチル)カルバ
モイル)−2,5−ノルボルナジエン−2−オキシカルボ
ニル]エチルビニルエーテルの製造例である。
実施例5記載の方法に於いて、アニリンに代えてN−
エチルアニリンを使用した。ビニルエーテル化反応率は
78%であった。精製物のガスクロマトグラフィーによる
分析では、このものが単一物であり、又、下記の赤外吸
収スペクトル分析及び1HNMRスペクトルからこの精製物
が2−[3−(フェニル−(N−エチル)カルバモイ
ル)−2,5−ノルボルナジエン−2−オキシカルボニ
ル]エチルビニルエーテル(以下、PECVEと略す。)で
ある事が確認された。
赤外吸収スペクトル 1690 cm-1:C=O,(エステル) 1655 cm-1:C=O,(アミド) 1620〜1610cm-1:C=C−O,−C=C−C 1255 cm-1:C−O−C,(エステル) 1110 cm-1:C−O−C,(エーテル)1 H−NMR吸収スペクトル(TMS基準、CDCl3実施例8 触媒濃度をモノマーの5mol%とし、重合温度を−40℃
とした以外は実施例2記載の方法にてPECVEを重合させ
た。同例記載と同様の構造解析からポリ−PECVEと確定
されるポリマーを収率75%で得た。DMF溶倍での還元粘
度は0.19g/dlであった。
実施例2記載の方法にてフィルム調製、光照射を行な
った所、300nm付近の紫外吸収ピークは約2分で1/2に減
少し、約20分で5%以下となった。又、触媒濃度を1.6
×10-5g/mlとした以外は実施例1記載の方法での逆反応
は約30分で完了した。
実施例9 本例は2−[3−(4−アセチルフェニル−(N−メ
チル)カルバモイル)−2,5−ノルボルナジエン−2−
オキシカルボニル]エチルビニルエーテルの製造例であ
る。
4−アセチルフェニル−(N−メチル)アニリンを公
知の方法でp−クロロアセトフェノンとメチルアミンか
ら製造し、これをアニリンに代えて用い、実施例5記載
の方法を行なった。
反応生成物を精製し、ガスクロマトグラフィーによる
分析からこの精製物が単一物であり、又、下記の赤外吸
収スペクトル及び1H−NMR吸収スペクトルから2−[3
−(4−アセチルフェニルメチルカルバモイル)−2,5
−ノルボルナジエン−2−オキシカルボニル]エチルビ
ニルエーテル(以下、AcPMCVEと略す。)である事が確
認された。
赤外吸収スペクトル 1690〜80 cm-1:C=O,(アセトフェノン, エステル2本) 1650 cm-1:C=O,(アミド) 1620〜1610 cm-1:C=C−O,−C=C−C 1255 cm-1:C−O−C,(エステル) 1100 cm-1:C−O−C,(エーテル)1 HNMR吸収スペクトル(TMS基準、CDCl3実施例10 実施例8記載の方法にてAcPMCVEを重合させ、又、実
施例2記載と同様な方法の構造解析からポリ−AcPMCVE
と確定されるポリマーを収率81%で得た。DMF溶媒での
還元粘度は0.20g/dlであった。
実施例2記載の方法にてフィルム調製、光照射を行な
い、300nm付近の紫外吸収ピークの減少速度を測定した
が、このものは実施例2記載のポリマーより消滅が早
く、約30秒の照射で吸収は1/2と減少し、又、約180秒で
吸収は約2%となった。又、触媒濃度を1.6×10-5g/ml
とした以外は実施例2記載の方法での逆反応は約30分で
完了した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 9/02 C09K 9/02 B

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[I]にて示される 新規ビニルエーテル化合物。 「ここに、Rは (1)水素原子 (2)−COOR1 (3)フェニル基 からなる群から選ばれる官能基であり、 R1はメチル基又はエチル基を、 R2は水素原子、メチル基、又はエチル基を R3は水素原子又はアセチル基をそれぞれ 示す。」
  2. 【請求項2】下記一般式[II]にて示されるビニルエー
    テル化合物と CH2=CHOCH2CH2Cl ……[II] 下記一般式[III]にて示されるノルボルナジエン系化
    合物を 「ここに、Mはアルカリ金属原子を示し、Rは前記と同
    じ。」 反応させる事を特徴とする前記一般式[I]にて示され
    るビニルエーテル化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】前記一般式にて[I]示す化合物を少なく
    とも5重量%及びビニル重合性を持つ化合物を0%以上
    多くとも95重量%を使用し、下記一般式[IV]にて示さ
    れる 繰り返し単位と他の1,2−エチル結合をもつ繰り返し単
    位からなり、数平均分子量が2,000から500,000である重
    合体。
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