JP2009248674A - 着座センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の着座に伴って車両シートの座面部に形成される荷重圧領域を確実に検知すると共に、低コスト化を達成する着座センサを提供する。
【解決手段】着座センサ1は、車両シート2において車両左右方向の車両中心に対し左側又は右側に座面部中心を有する座面部2aに配置され、荷重を受けた場合に対向する一対の電極23,24が当接して導通する複数のセンサセル11,12を備えるものであって、複数のセンサセル11,12全体によって形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心が、座面部2aの中心に対して車両中心側に位置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両シートに乗員が着座したことを検知するために用いる着座センサ、特に乗員などの荷重により導通するセンサセルを有する着座センサに関するものである。
車両シートに着座した乗員を検する着座センサとして、例えば、特開平10−39045号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。この着座センサは、車両シートの略座面部全体に亘って配置されており、複数のセンサセルのうち1つのセンサセルが乗員の荷重によって導通することにより、乗員の着座を判定している。
また、特開2005−153556号公報(特許文献2)に記載された着座センサでは、車両シートの座面部を車両前方側と車両後方側の2ブロックに分けて各々に車両横方向に離隔した複数のセンサセルを有するセンサセル群を配置することにより、車両シートの少なくとも前方または後方に配置されたセンサセル群の各センサセルが同時に導通したことをもって乗員の着座判定を行うよう、工夫が為されている。
特開平10−39045号公報 特開2005−153556号公報
しかしながら、特許文献1に記載された着座センサでは、略座面部全域に亘って乗員の着座を検知できるという利点があるものの、車両シートの座面部をカバーするための多数のセンサセルを必要とするため、低コスト化の観点からはセンサセルの配置位置に改善の余地がある。また、特許文献2に記載の着座センサでは、センサセルの配置位置を工夫することにより低コスト化及びハンドバック等の物品による着座の誤検出を軽減できるという利点はあるものの、例えば、乗員の車両左右側への横ズレ着座や検知範囲の狭い子供の着座等のように、車両左右側へ偏った荷重を生じる場合等は考慮されていない(実施例では車両前方若しくは車両後方のどちらか一方に配置されたセンサ群が有する2個のセンサセルが同時に導通することで乗員と物品の識別を行っている)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、乗員の着座に伴って車両シートの座面部に形成される荷重圧領域を確実に検知すると共に、低コスト化を達成する着座センサを提供することを目的とする。
本発明の着座センサは、車両シートにおいて車両左右方向の車両中心に対し左側又は右側に座面部中心を有する座面部に配置され、荷重を受けた場合に対向する一対の電極が当接して導通する1又は複数のセンサセルを備えた着座センサであって、この1又は複数のセンサセル全体によって形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心が、座面部中心に対して車両中心側に位置することを特徴とする。
ここで、『座面部中心』とは、車両シートを構成する着座部の構造的な中心を意味するものであり、『車両中心』とは、背もたれ部やヘッドレスト部を備えた車両シートを搭載する車両本体の構造的な中心を意味する。従って、一般的な車両では車両進行方向に対して前後に座席(前部座席、後部座席)が設けられており、さらに各座席は『車両中心』に対して左右に配設される。つまり、車両本体に取り付けられた車両シートの『座面部中心』は、車両シートが取り付けられる車両本体の『車両中心』から鑑みると、『車両中心』の左側又は右側に配置されることになる。この『座面部中心』は、車両シートを構成する着座部に対して構造的に一義的に定まるものであるが、車両シートに着座した乗員が形成する相対的な荷重分布の中心(着座中心)は、この物理的な『座面部中心』とは一致しない。つまり、着座状態における荷重圧負荷の大小を表す荷重圧分布は、乗員のでん部に相当する位置を最大負荷部として車両左右方向に連なる2つのピークを有して分布すると共に、左右の大腿部の形状に合わせて車両前方側に緩やかに減ずるように分布するが、このでん部及び両大腿部の形状を反映させた、略左右対称となるように分布する荷重圧分布の中心(着座中心)は、乗員の人体形状や着座姿勢を反映し、物理的な『座面部中心』に対して相対的に『車両中心』側に偏りを持って形成される。
すなわち、荷重を受けた場合に対向する一対の電極が当接して導通する1又は複数のセンサセルを備えた着座センサの1又は複数のセンサセル全体によって形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心を、座面部中心に対して前記車両中心側に位置させることにより、確実に乗員の着座を検出することができる。そしてこのような着座センサの配置は、上述した乗員の人体形状や着座姿勢を反映させたものであるから、例えば、乗員が車両左右側への横ズレ着座の状態であっても、車両シートの座面部に形成された荷重圧領域を確実に検知できる着座センサが提供できるのである。
本発明の好適な態様として、1又は複数のセンサセルの過半数が、座面部中心に対して車両中心側の領域に配置されても良い。このような配置関係を1又は複数のセンサセル全体によって形成される荷重検知領域に対応させることにより、様々な乗員の着座姿勢の態様に対処することが可能であり、より検知範囲の広い着座センサが実現できる。
本発明の好適な態様として、第一フィルムと、この第一フィルムと同形状に形成され且つ第一フィルムに対向して配置される第二フィルムとを備え、センサセルは、第一フィルムと第二フィルムとの間に対向して且つ離隔して配置されるものであって、各々が水平方向に離隔して複数配置され、第一フィルムと第二フィルムとの間に配置され、各センサセルに導通し且つ基端側が制御装置に導通する導通部を備えたものであっても良い。
このような構成を持たせることにより、センサセルで検出した面圧(荷重圧)に基づいて制御装置で対処することにより、例えばシートベルトウォーニング等の乗員の着座姿勢に因らない適切なアサインメントが実現できる。そして、このようなフィルム形状を有することから、着座センサの大幅なコスト低減が実現できる。すなわち、第一フィルムと第二フィルムとを平行に並べた状態で一枚の大きなフィルム基材から型取りできるため、フィルム基材当りの製造数量が向上できる。そして、型取りするフィルム基材に対して不要な部位を極力軽減できるため、フィルムの歩留まり率の向上が図れると共に製造効率の向上が実現できる。
本発明の好適な態様として、導通部は、座面部において車両前後方向及び左右方向の両方と交差する方向に直線状に延びていることを特徴とするものでも良い。このような構成を持たせることにより、複雑な形態を必要とせずに簡便な形態によって着座センサが実現できる。
本発明の好適な態様として、導通部は、基端側が前記制御装置に導通し車両前後方向に延びる基幹導通部と、前記基幹導通部に接続されて車両左右方向に延びる左右導通部とからなることを特徴とするものでも良い。このような構成を持たせることにより、特に、座面部の車両左右方向に分布する荷重圧領域(乗員の着座領域)を検知する場合に効果的である。
本発明の好適な態様として、導通部は、基端側が前記制御装置に導通し車両前後方向に延びる基幹導通部と、前記基幹導通部の先端側から分岐して車両前後方向に延びる複数の枝状導通部とからなることを特徴とするものでも良い。このような構成を持たせることにより、特に、車両前後方向及び車両左右方向への行動範囲が広く且つ着座によって形成される荷重圧領域が狭い子供の着座検知に対して効果的である。
本発明の好適な態様として、センサセルは、10個以下であることを特徴とするものでも良い。このような構成を持たせることにより、必要とするセンサセルの数量を抑えることで着座センサの低コスト化に寄与できる。
本発明の好適な態様として、1又は複数のセンサセルは、座面部の車両前後方向中心に対して後方側の領域に配置されたことを特徴とするものでも良い。このような構成を持たせることにより、車両シートの背もたれ部にもたれた状態での乗員着座時において、座面部の車両後方側に形成されるでん部による荷重圧領域を確実に検知することができる。
本発明の好適な態様として、座面部は、車両左右方向に沿って横長に設置される複数人掛け用の車両シートに設けられた複数の座面部のうち、車両左右方向の車両中心に対して左側又は右側に中心を有する座面部であっても良い。このような構成を持たせることにより、複数人が横掛け可能な車両シートであっても乗員着座時に荷重によって形成される荷重圧領域に対処できる着座センサが実現できる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態の着座センサ1について、図面を参照にしつつ以下に説明する。本実施形態に使用される着座センサ1は、車両シート2において車両左右方向の車両中心を有する座面部2aに配置される着座センサ1であり、荷重を受けた場合に対向する一対の電極が当接して導通する1又は複数のセンサセル11、12を備えている。
図1に示される着座センサ1は、2個のセンサセル11、12と、基端側に設けられたコネクタ13と、各センサセル11、12とコネクタ13とを導通する導通部14とから構成される。各センサセル11、12は、乗員や荷物などにより荷重を受けた場合に導通するスイッチとして機能する部分である。基端側に設けられたコネクタ13は、導通部14を介してセンサセル11、12に接続された2個の端子を備えており、車両に搭載される制御装置(例えば、乗員検知ECU(電子制御ユニット)等)に接続される。ここで導通部14は、基端側に設けられたコネクタ13から直線状に一本延びるように形成されている。導通部14を介して導通されるセンサセル11、12は、直線状の導通部14の先端部、および、導通部14の中央部に、それぞれ配置されている。
図2には着座センサ1の断面構成が示されている。同図に示されるように、着座センサ1は、第一フィルム21と、第二フィルム22と、第一電極23と、第二電極24と、スペーサ25とを備えている。
第一フィルム21は、PEN樹脂からなり、薄肉状に形成されると共に、センサセル11、12および導通部14の外形をなし、全体としては直線状に形成されている。スペーサ25は、PET樹脂からなり、薄肉状に形成されると共に、第一フィルム21および第二フィルム22と同じ外形形状からなる。ただし、スペーサ25の幅方向中央部は、全体に亘って貫通形成(図1の破線にて示す)が成されており、センサセル11、12の部位の当該貫通幅は、導通部14の部位における当該貫通幅よりも広く形成されている。
第一フィルム21のうち先端側および中央部の部位、すなわちセンサセル11、12の部位は略円形状を有し、導通部14の部位は、センサセル11、12が有する略円形状の直径より幅狭に形成されている。第一フィルム21の基端部には、コネクタ13が結合されている。第二フィルム22は、第一フィルム21と同じ材質且つ同形状を備え、且つ、第一フィルム21に対向して配置されている。この第二フィルム22の基端部も、第一フィルム21と同様、コネクタ13に結合されている。
第一電極23は、第一フィルム21の一方面(図2の下面)に形成されている。つまり、第一電極23は、第一フィルム21と第二フィルム22との間のうち、図2の上方に配置されている。この第一電極23は、第一フィルム21の一方面に接着された銀層23aと、銀層23aの表面を被覆するカーボン層23bとから構成され、センサセル11、12部位における第一電極23は、略円形状を有する第一フィルム21の少なくとも中央部に形成されている。尚、導通部14部位での第一電極23は、荷重検知の為の回路構成に応じて適宜配線接続されることとなる。
第二電極24は、第二フィルム22のうち、第一電極23に対向する側の面(図2の上面)に形成されている。つまり、この第二電極24は、第一フィルム21と第二フィルム
22との間のうち、図2の下方に配置されている。この第二電極24は、第二フィルム22の一方面に接着された銀層24aと、銀層24aの表面を被覆するカーボン層24bとから構成され、第二電極24のカーボン層24bは、第一電極23から離隔して配置されている。そして、センサセル11、12の部位における第二電極24は、略円形状からなる第二フィルム22の少なくとも中央部に形成されている。
このように着座センサ1の、センサセル11、12部位においては、第一電極23と第二電極24とが対向して且つ離隔する構造を備えると共に、導通部14部位での第二電極24は、荷重検知の為の回路構成に応じて適宜配線接続されることとなる。つまり、この導通部14の部位における第一電極23および第二電極24は、センサセル11、12の部位における第一電極23および第二電極24と、基端側に結合されたコネクタ13の両端子との間を、それぞれ導通している。
そして、スペーサ25は、図2に示すように、第一電極23と第二電極24との間に介装されている。つまり、第一電極23と第二電極24とスペーサ25により挟まれる空間が形成されている。ここで、先述したように、スペーサ25のうちセンサセル11、12の部位の貫通幅が、導通部14の部位における貫通幅よりも広く形成されていることから、センサセル11、12における当該空間の幅(図2の左右方向幅)は、導通部14における当該空間の幅よりも広くなっている。従って、当該空間が広いセンサセル11、12の部位においては、図2の上下方向の圧縮荷重を受けると、第一フィルム21、第二フィルム22、第一電極23、第二電極24が撓み変形して、第一電極23と第二電極24とが当接して、両電極23、24が導通する。つまり、センサセル11、12の部位において、圧縮荷重を受けると第一電極23と第二電極24とが導通する、いわゆるスイッチとして機能する。なお、導通部14における当該空間は、空気逃がしの通路として機能する。つまり、導通部14における当該空間は、センサセル11、12における当該空間が圧縮された場合における内部空気を逃がすためである。
図3には、車両シート2の座面部2aに着座した乗員によって形成された荷重圧分布図が示されている。この荷重圧分布図は、座面部2a全体に多数の荷重センサをマトリックス状に配置することで測定された荷重圧値に基づくものであり、座面部2aを微小領域でメッシュ状に分割した座面領域毎に計測された荷重圧値を示したものである。同図に示されるように、車両後方側には、乗員のでん部に掛かる荷重圧に因って形成された2つの荷重圧ピークが車両左右方向へ連なっている。そして、このでん部による各荷重圧ピークから車両前方側に荷重圧領域が延びており、左右大腿部の形状が反映された分布図になっている。図中、白抜きの曲線で囲まれた領域(閾値エリア)が、座面部2aに配置された着座センサ1が乗員を確実に検知する領域であり、所定の閾値以上の面圧(荷重圧値)によって構成されている。この閾値エリアは、先述したように人体のでん部及び左右の大腿部の形状を反映した荷重圧領域であるから、所定の中心(着座中心)に対して車両左右方向に略対称に凹字状に形成されている。
図4には、車両シート2の座面部2aに着座した乗員によって形成された荷重圧分布に基づくヒストグラムが示されている。このヒストグラムは、座面部2a全体に多数の荷重センサをマトリックス状に配置することで実測された荷重圧分布図に基づくものであり、車両左右方向に略対称に形成された凹字状の荷重圧領域の中心位置(着座中心)の車幅方向への分布(横ズレ着座分布)を抽出したものである。同図に示されるように、ヒストグラムのピークは(着座中心)はシート中心(座面部中心)とは一致せず、車両中心側に偏って形成されている。
すなわち、確実に乗員の着座を検知するためには、乗員の着座に因って形成される荷重圧領域に、先述した、荷重を受けた場合に対向する一対の電極が当接することによって導通する1又は複数のセンサセルを備えた着座センサを配置すれば良い。つまり、この1又は複数のセンサセル全体によって形成される荷重検知領域の中心が車両シートの座面部が備える構造的な座面部中心に対して車両中心側に位置するように配置することにより実現できる。
次に、本実施形態の、1又は複数のセンサセルを備えた着座センサ1が車両シート2の座面部2aに配置された状態について図5を参照にして説明する。
図5には、第1実施形態の着座センサ1が車両シート2の座面部2aに配置された状態の平面図(車両上方側から見た図)が示されている。ここで、図中の薄塗部は、乗員が車両シート2に着座した場合の座面部2aが受ける荷重の範囲を示しており、特に、斜線によりハッチングが施された略凹字状の領域(図中、Aで示された荷重圧領域)は、図3に示された白抜きの曲線で囲まれた領域(閾値エリア)を模したものである。すなわち、所定の閾値以上の面圧(荷重圧値)を受ける領域であり、人体のでん部及び左右の大腿部の形状が反映された、車両左右方向に略対称に広がる荷重圧領域である。そして、座面部2aに配置される着座センサ1が乗員の着座を確実に検知できる領域である。尚、ここでは、車両中心に対し車両進行方向左側に設けられた車両シート2を対象として、座面部2aに設けられた着座センサ1の説明を行う。
図5に示されるように、着座センサ1は、車両シート2の座面部2aに配置され、具体的には座面部2aを構成する、図示しない、クッションと表皮との間に配置される。ここで、乗員のでん部及び左右の大腿部によって形成された荷重圧領域Aは、座面部2aの構造的な中心である座面部中心に対して車両中心側に形成される。換言すれば、荷重圧領域Aの中心である着座中心は、座面部2aの物理的な座面部中心に対して車両右方向に位置する車両中心側に、相対的に形成されている。車両シート2の車両後方側には背もたれ部2bが配設され、車両運転時等の乗員の上体に掛かる荷重負荷(車両前方側から車両後方側へ向かう加速度G等)を支えている。
車両シート2の座面部2aに配設される着座センサ1は、基端側に設けられたコネクタ13が座面部2bの車両後方であって座面部中心の延長上に位置するように配置され、車両前方に向かって導通部14が車両前後方向及び左右方向の両方と交差する方向に直線状に延びており、先端側は車両中心側に斜めに傾いて配置されている。そして、荷重を受けた場合に対向する一対の電極が当接して導通するセンサセル11、12は、乗員の着座によって座面部2aに形成された荷重圧領域Aの領域内に位置し、且つ、座面部2aの構造的な座面部中心より車両左右方向に対して車両中心側へ位置している。すなわち、センサセル11及び12によって形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心は、座面部中心に対して車両中心側に位置している。
従って、乗員の着座姿勢が座面中心に対して着座中心が車両中心側へ横ズレする着座常態であっても、乗員の着座によって座面部2aに形成される荷重圧領域A内にセンサセル11、12が配置されるため、荷重を受けたセンサセル11、12は全て導通することとなり、確実に乗員の着座を検知する着座センサが実現される。換言すれば、例えば、荷重圧領域Aの略凹字状に合わせた複雑なセンサセルの配置形態を採らなくとも、必要最小限のセンサセルによる簡便な形態で、これらセンサセル全体によって形成される荷重検知領域を乗員の着座によって形成される荷重圧領域内に形成することが実現できるのである。
また、第一フィルム21および第二フィルム22は、何れも直線状の同形状である。従って、一枚の大きなフィルム基材から、これらの第一フィルム21および第二フィルム22を複数切り抜く場合には、第一フィルム21および第二フィルム22を平行に並べる状態に型取りすることができるので、フィルム基材のうち不要となる部分がほとんどない。つまり、フィルムの製造に当たって、一枚のフィルム基材から従来に比べて多数のフィルム21、22を形成できるので、フィルムの歩留まり率の向上が図れると共に、低コスト化、製造効率の向上が実現できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について、図6を参照にして説明する。図6(a)には第2実施形態の着座センサ1の平面図が示されている。図6(a)に示されるように、第2実施形態の着座センサ1は、4個のセンサセル11a、11b、12a、12bと基端側に設けられたコネクタ13と各センサセル11a、11b、12a、12bと基端側に設けられたコネクタ13とを導通する導通部14とから構成される。そして、この導通部14はさらに基端側のコネクタ13から直線状に一本延びるように形成された基幹導通部14aと、基幹導通部14aの端部から二股に分岐するように形成された枝状導通部14b、14cとから構成される。第2実施形態の着座センサ1は以上の点で第1実施形態と相違し、センサセル等の構造は図2と同様である。
図6(b)には、第2実施形態の着座センサ1が車両シート2の座面部2aに配置された状態の平面図(車両上方側から見た図、背もたれ部2bは省略)が示されている(図5と同様に、車両中心に対し車両進行方向左側に設けられた車両シート2を対象として、座面部2aに設けられた着座センサ1の説明を行う)。ここで座面部2aの車両後方部であって、破線で囲まれ斜線でハッチングされた略凹字状の領域及び、実線で囲まれた略凹字状の領域は、図5と同様に乗員の着座による荷重圧領域を示しており、特に車両シート2に着座する乗員が子供(6歳児以上)の場合である。
着座センサ1の着座検知対象が子供の場合では、体格が大人と比較して小さいため総じて車両シート2の座面部2aに形成する荷重圧領域の範囲が狭くなる。加えて、座面部2aの備える車両左右方向、車両前後方向の大きさが子供のでん部のサイズと比較して広いため、図6(b)に示されるように、座面部中心に対してドア側に偏って着座したり、車両中心側に偏って着座したり、さらには両者間の着座を繰り返したりする。従って、このような着座状態であっても着座センサ1は確実に乗員の着座を検知しなければならない。
図6(b)に示される着座センサ1は、車両シート2の座面部2aに配置され、具体的には座面部2aを構成する、図示しない、クッションと表皮との間に配置される。そして、基端側に設けられたコネクタ13が座面部2bの車両後方であって着座部中心の延長上に位置するように配置され、車両前方に向かって基幹導通部14aが直線状に延びている。基幹導通部14aの端部から分岐する枝状導通部14bは、座面部中心より車両中心側に形成された着座部中心に対して車両中心側に基幹導通部14aに平行して配置され、枝状導通部14cは、座面部中心より車両中心側に形成された着座部中心に対して座面部中心側に基幹導通部14aに平行して配置されている。そして、荷重を受けた場合に対向する一対の電極が当接して導通するセンサセル11a、12aは、車両中心側に偏って着座した場合に形成される荷重圧領域と座面部中心に対して通常に着座した場合に形成される荷重圧領域との重複領域に相対するように配置され、センサセル11b、12bは、側面ドア側に偏って着座した場合に形成される荷重圧領域と座面部中心に対して通常に着座した場合に形成される荷重圧領域との重複領域に相対するように配置されている。
すなわち、センサセル11a、11b、12a、12bによって形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心は、第1実施形態と同様に座面部2aの構造的な座面部中心に対して車両中心側に位置している。
従って、乗員が子供の場合であっても、乗員の着座によって多様に形成される荷重圧領域内にセンサセル11a、11b、12a、12bが配置されるため、荷重を受けたセンサセル11a、11b、12a、12b全て導通することとなり、確実に乗員の着座を検知する着座センサが実現される。
さらに、本実施形態の着座センサ1によれば、枝状導通部(14b、14c)間の間隔を狭めることが可能であるから、センサセルを型取りするフィルム基材の加工コストが大幅に削減できるため、低コスト化の効果が顕著である。
<第2実施形態の変形態様>
上述した実施態様では、着座センサ1の導通部14の構成を基幹導通部14aと枝状導通部14aとからなるとしたが、これに限られるものではない。例えば、図7に示されるように、6個のセンサセル101〜106と基端側に設けられたコネクタ13と各センサセル101〜106と基端側に設けられたコネクタ13とを導通する導通部14とから構成される着座センサ1の如く、導通部14の構成を基端側のコネクタ13から直線状に一本延びるように形成された基幹導通部14aと、基幹導通部14aから車両左右方向に延びて形成された左右同通部14dを複数備えてから構成されるものとしても良い。
左右導通部14dを備えることにより、着座中心に対して車両左右方向に略対称に形成される荷重圧領域(特にでん部による荷重負荷ピーク)を基幹導通部14aの左右両側に設けられるセンサセル101、102で検知できる利点がある。さらに、この左右導通部14dを車両前後方向に直線状に延びる基幹導通部14aに対して複数設けることにより(図例では3本)、車両左右方向のみならず車両前後方向へも荷重検知領域を対応させた着座センサ1が実現できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態として、複数座席用車両シートの座面部に配置することにより、複数座席用車両シートであっても確実に乗員の着座を検知できる着座センサを、図8を参照にして説明する。尚、本実施形態における複数座席用車両シートは、3座席を一体として形成される車両シートとしている。
図8には、本実施形態の着座センサ1を複数座席用車両シートの場合の座面部201a、202a、203aに配置した状態の平面図(車両上方側から見た図、背もたれ部は省略)が示されている。同図に示されるように、第3実施形態の着座センサ1は、6個のセンサセル111〜116と、基端側に設けられたコネクタ13と、各センサセル111〜116と基端側に設けられたコネクタ13とを導通する導通部14とから構成される。この着座センサ1は、第1実施形態の着座センサ1において、センサセルの個数を6個に変更したものに相当する。つまり、着座センサ101は、全体として直線状に形成されており、各センサセル111〜116が車両左右方向に直線状に延びた導通部14上に配置されており、基端側にはコネクタ13が結合されている。尚、センサセルの構造については、先述した第1実施形態における着座センサ1と同様のため、説明を省略する。
図8に示されるように、各座面部201a、202a、203aの車両後方部であって、斜線によりハッチングされた略凹字状の領域(図中、Aで示された荷重圧領域)は、図3に示された白抜きの曲線で囲まれた領域(閾値エリア)を模したものである。そして、着座センサ1は、複数座席用車両シートの各座面部201a、202a、203aに配置され、具体的には各座面部201a、202a、203aを構成する、図示しない、クッションと表皮との間に配置される。
複数座席用車両シートの場合であっても、乗員の着座によって形成される荷重圧領域Aは、座面部中心に対して車両中心側に着座中心を持つように形成される。すなわち、座面部201aに形成される荷重圧領域Aは座面部中心に対して右側に着座中心を持ち、座面部203aに形成される荷重圧領域Aは座面部中心に対して左側に着座中心を持つ。中央の座面部202aに形成される荷重圧領域Aは略車両中心に座面部中心が重なり合い、着座中心も略座面部中心に一致する。
従って、第1実施形態と同様に、乗員の着座によって各座面部(201a、202a、203a)に形成される荷重圧領域A内にそれぞれセンサセル111〜116を配置することにより、荷重を受けたセンサセル111〜116は全て導通し、複数座席用車両シートの場合であっても確実に乗員の着座を検知する着座センサが実現できる。すなわち、図8に示されるように、座面部201aに配設されるセンサセル111、112で形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心が座面部中心に対して車両中心側に位置し、座面部203aに配設されるセンサセル115、116で形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心が座面部中心に対して車両中心側に位置し、座面部202aに配設されるセンサセル113、114で形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心が座面部中心に対して車両中心側に位置するように配置すれば良い。
<各実施形態の変形態様>
上述した各実施形態の変形態様として、着座センサ1を構成する1又は複数のセンサセルの過半数が、構造的な座面部中心に対して車両中心側の領域に配置されても良い。このような構成を持たせることにより、様々な乗員の着座姿勢の態様に対処できる荷重検知領域が形成でき、より検知範囲の広い着座センサが実現できる。
また、着座センサが備える、荷重検知領域を形成するセンサセルの数量は10個以下が望ましい。座面部に形成される乗員の荷重圧領域を確実に網羅する本発明の低コスト化の効果が顕著である。
第1実施形態の着座センサ1の平面図である。 着座センサ1のセンサセル11の部位の断面図である。 車両シート2の座面部2aに着座した乗員によって形成された荷重圧分布図である。 車両シート2の座面部2aに着座した乗員によって形成された荷重圧分布に基づくヒストグラムである。 第1実施形態の着座センサ1が車両シート2の座面部2aに配置された状態の平面図(車両上方側から見た図)である。 第2実施形態の着座センサ1の平面図及び第2実施形態の着座センサ1が車両シート2の座面部2aに配置された状態の平面図(車両上方側から見た図)である。 第2の実施形態の変形態様である着座センサ1が車両シート2の座面部2aに配置された状態の平面図(車両上方側から見た図)である。 第3実施形態の着座センサ1を複数座席用車両シートの場合の座面部201a、202a、203aに配置した状態の平面図(車両上方側から見た図)である。
符号の説明
1:着座センサ
11、11a、11b、12、12a、12b、101〜106、111〜116:センサセル
13:コネクタ、 14:導通部、14a:基幹導通部、14b、14c:枝状導通部、
14d:左右導通部
2:車両シート、 2a、201a、202a、203a:座面部、 2b:背もたれ部、
21:第一フィルム、 22:第二フィルム、 23:第一電極、 24:第二電極、
25:スペーサ

Claims (9)

  1. 車両シートにおいて車両左右方向の車両中心に対し左側又は右側に座面部中心を有する座面部に配置され、荷重を受けた場合に対向する一対の電極が当接して導通する1又は複数のセンサセルを備えた着座センサであって、
    前記1又は複数のセンサセル全体によって形成される荷重検知領域の車両左右方向の中心が、前記座面部中心に対して前記車両中心側に位置することを特徴とする着座センサ。
  2. 前記1又は複数のセンサセルの過半数が、前記座面部中心に対して前記車両中心側の領域に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の着座センサ。
  3. 第一フィルムと、
    前記第一フィルムと同形状に形成され且つ前記第一フィルムに対向して配置される第二フィルムとを備え、
    前記センサセルは、前記第一フィルムと前記第二フィルムとの間に対向して且つ離隔して配置されるものであって、各々が水平方向に離隔して複数配置され、
    前記第一フィルムと前記第二フィルムとの間に配置され、前記各センサセルに導通し且つ基端側が制御装置に導通する導通部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の着座センサ。
  4. 前記導通部は、前記座面部において車両前後方向及び左右方向の両方と交差する方向に直線状に延びていることを特徴とする請求項3に記載の着座センサ。
  5. 前記導通部は、基端側が前記制御装置に導通し車両前後方向に延びる基幹導通部と、前記基幹導通部に接続されて車両左右方向に延びる左右導通部とからなることを特徴とする請求項3に記載の着座センサ。
  6. 前記導通部は、基端側が前記制御装置に導通し車両前後方向に延びる基幹導通部と、前記基幹導通部の先端側から分岐して車両前後方向に延びる複数の枝状導通部とからなることを特徴とする請求項3に記載の着座センサ。
  7. 前記センサセルは、10個以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の着座センサ。
  8. 前記1又は複数のセンサセルは、前記座面部の車両前後方向中心に対して後方側の領域に配置されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の着座センサ。
  9. 前記座面部は、車両左右方向に沿って横長に設置される複数人掛け用の車両シートに設けられた複数の座面部のうち、車両左右方向の車両中心に対して左側又は右側に中心を有する座面部であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の着座センサ。
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