JP2009248588A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグ内を区画部により一対のチャンバに区画したサイドエアバッグ装置において、両チャンバ間の内圧差を確保する。
【解決手段】エアバッグ20の膨張予定部26はシーム27により一対のチャンバ28,29に区画される。エアバッグ20は、ボルト45,46によりインフレータ41とともにシートフレームに固定される。上記構成のサイドエアバッグ装置では、インフレータ収納部24から出た膨張用ガスGが各チャンバ28,29に供給され、ボディサイド部及び乗員間で両チャンバ28,29が異なる内圧で膨張展開させられる。さらに、インフレータ41及びエアバッグ20のボルト45,46によるシートフレームに対する固定が、インフレータ収納部24を膨張予定部26との境界部分で折り返した状態で行われることにより、シーム27の少なくとも後端部27Rが、インフレータ41及びシートフレームにより挟持される。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に対し側方から衝撃が加わった場合にその衝撃から乗員を保護するサイドエアバッグ装置に関し、特にエアバッグ内に異なる内圧で膨張する2つのチャンバを有するサイドエアバッグ装置に関するものである。
側突等、車両に側方からの衝撃が加わった場合にその衝撃から乗員を保護する装置として、インフレータ及びエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置が広く知られている。このサイドエアバッグ装置では、車両のボディサイド部に側方から衝撃が加わると、インフレータが膨張用ガスをエアバッグ内に噴出する。噴出された膨張用ガスによりエアバッグが、車両用シートに着座した乗員とボディサイド部との間の狭い空間において、シートバックから前方へ向けて膨張展開し、ボディサイド部を通じて乗員へ伝わる側方からの衝撃を緩和する。
ここで、一般に、人体側部の耐衝撃性については、腰部が胸部よりも勝っていることが知られている。このため、胸部から腰部にわたる領域について乗員を保護するサイドエアバッグ装置の場合、エアバッグの膨張展開によって乗員を保護する際、胸部を腰部よりもソフトに保護することが望ましい。
そこで、例えば特許文献1には、エアバッグ内を、乗員の胸部に対応する上側のチャンバと腰部に対応する下側のチャンバとに区画したサイドエアバッグ装置が記載されている。このサイドエアバッグ装置によれば、下側のチャンバに対応する箇所が腰部の側方近傍で高い内圧で膨張展開し、上側のチャンバに対応する箇所が胸部の側方近傍で、下側のチャンバよりも低い内圧で膨張展開する。このようにして、乗員側部の耐衝撃性に即した圧力分布でエアバッグが膨張展開し、乗員の各部(腰部及び胸部)が側突による衝撃から効果的に保護される。
上記サイドエアバッグ装置では、インフレータとして、略上下方向に細長い円柱状をなすものが用いられる。このインフレータの外側には、径方向外方へ向けて突出するボルトが、同インフレータを車両用シートに取付けるための係止部材として設けられている。エアバッグは、インフレータを収納するインフレータ収納部と、そのインフレータ収納部の前側に位置して膨張用ガスにより膨張する膨張予定部とを有している。膨張予定部は、略前後方向に延びるシーム等の区画部によって上下一対のチャンバに区画されている。インフレータ収納部には、上方(又は下方)に向けて挿入口が開口されており、インフレータがこの挿入口を通じてインフレータ収納部に収納されている。そして、ボルトがインフレータ収納部に挿通されてエアバッグの外へ出ている。このボルトにより、エアバッグのインフレータ収納部がインフレータとともに車両用シート内のシートフレームに固定されている。
こうした構成は、特許文献1に限らず、エアバッグが2つのチャンバを有するタイプのサイドエアバッグ装置に共通したものとなっている。
特表2007−536145号公報
ところが、インフレータ収納部内のインフレータをインフレータ収納部外のシートフレームに固定するために、ボルト(係止部材)をインフレータ収納部に挿通させる上記従来のサイドエアバッグ装置では、インフレータだけでなくボルトも一旦インフレータ収納部内に挿入する必要がある。そのため、インフレータ収納部は、単にインフレータのみを収納するものよりも、ボルトの分、インフレータの径方向に大きなものとなる。そして、ボルトがインフレータ収納部に挿通されると、上記のボルトを挿入するために大きくした空間により、インフレータと区画部との間に隙間が生ずる。この隙間が上下両チャンバ間を連通させる連通路となり、一旦チャンバに供給された膨張用ガスがこの連通路を通って他方のチャンバに流出する。その結果、上下両チャンバ間の内圧差が小さくなり、乗員側部の耐衝撃性に即した圧力分布でエアバッグを膨張展開させることが困難となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、インフレータ及びエアバッグを係止部材によりシートフレームに固定しつつ、エアバッグ内を区画部により一対のチャンバに区画したサイドエアバッグ装置において、両チャンバ間の内圧差を確保することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両側方からの衝撃に応じ膨張用ガスを噴出するインフレータと、前記インフレータが収納されたインフレータ収納部、及び前記インフレータ収納部に連通され、かつ前記膨張用ガスにより膨張する膨張予定部を自身の内部空間に有し、前記膨張予定部が区画部により一対のチャンバに区画され、さらに係止部材により前記インフレータとともに車両用シートのシートフレームに固定されるエアバッグとを備え、前記インフレータ収納部から出た前記膨張用ガスを前記各チャンバに供給し、前記車両のボディサイド部及び乗員間で前記両チャンバを異なる内圧で膨張展開させるようにしたサイドエアバッグ装置であって、前記係止部材による前記固定が、前記インフレータ収納部を前記膨張予定部との境界部分で折り返した状態で行われることにより、前記区画部のうち少なくともインフレータ側の端部が前記インフレータ及び前記シートフレームにより挟持されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグ及びインフレータが係止部材により車両用シートのシートフレームに固定されたサイドエアバッグ装置では、車両への側方からの衝撃に応じ、インフレータから膨張用ガスが噴出される。この膨張用ガスは、インフレータを収納するインフレータ収納部を経由して膨張予定部に流入する。この流入の過程で膨張用ガスは、区画部により区画された一対のチャンバに分けられる。このようにして膨張用ガスが供給されたエアバッグは、係止部材によりインフレータとともにシートフレームに固定された箇所を車両用シートに残した状態で、車両のボディサイド部と乗員との間で膨張展開する。このエアバッグにより、乗員が拘束され、上記衝撃から保護される。この際、一方のチャンバの内圧は他方のチャンバの内圧よりも高く、両チャンバ間で内圧差が生ずる。従って、内圧の高いチャンバが乗員について耐衝撃性の高い部位の側方で膨張展開し、内圧の低いチャンバが耐衝撃性の低い部位の側方で膨張展開するように両チャンバの位置を設定することにより、エアバッグを乗員の各部の耐衝撃性に応じた内圧で乗員に接触させ、乗員の各部を衝撃から有効に保護することができる。
ここで、サイドエアバッグ装置では、インフレータ収納部が膨張予定部との境界部分で折り返されていて、区画部のうち少なくともインフレータ側の端部がインフレータ及びシートフレームによって挟持されている。このため、エアバッグ内において、区画部の上記端部がインフレータから離れていても、同端部とインフレータとの間がインフレータによってシートフレームに押さえ付けられて閉塞された状態となる。一方のチャンバ内の膨張用ガスが、インフレータ及び区画部間を通って他方のチャンバへ流動することが不能となる。インフレータからの膨張用ガスの実質的な流路は、インフレータとインフレータ収納部壁面との間の隙間のみとなる。その結果、両チャンバ間での内圧差は、上記インフレータ及び区画部間を膨張用ガスの流路とした場合よりも大きくなる。このようにして、両チャンバ間の内圧差が確保される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記係止部材は、前記インフレータに直接又は間接に固定され、かつ前記インフレータ収納部及び前記膨張予定部に挿通されて前記シートフレームに締結されるボルトであることを要旨とする。
上記の構成によれば、ボルトがシートフレームに締結されることにより、上記のように折り返されたインフレータ収納部が、膨張予定部における区画部のインフレータ側の端部に押さえ付けられ、同端部とインフレータとの間が確実に閉塞された状態に保持される。従って、上記区画部の端部とインフレータとの間を通じた両チャンバ間での膨張用ガスの流通を確実に阻止し、上記請求項1に記載の発明における内圧差を確保する効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ボルトは複数本設けられており、そのうちの少なくとも1本のボルトは一方のチャンバに挿通され、別の少なくとも1本のボルトは他方のチャンバに挿通されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、一方のチャンバに挿通されたボルトがシートフレームに締結されることにより、折り返された状態のインフレータ収納部が上記一方のチャンバに押さえ付けられる。また、他方のチャンバに挿通されたボルトがシートフレームに締結されることにより、折り返された状態のインフレータ収納部が上記他方のチャンバに押さえ付けられる。このように、インフレータ収納部が区画部の両側でチャンバに押さえ付けられることにより、インフレータ収納部が一方のチャンバに対してのみ押さえ付けられるものに比べ、区画部の端部とインフレータとの間の隙間が膨張用ガスにより開かず、より確実に閉塞された状態に保持される。従って、上記区画部の端部とインフレータとの間を通じた両チャンバ間での膨張用ガスの流通をより確実に阻止することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記インフレータが収納されたインフレータ収納部の周縁部のうち、前記膨張予定部との境界部分と、同インフレータに接続されたハーネスの引き出し部分とを除く箇所は閉塞されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグには、インフレータ収納部に収納されたインフレータのハーネスを同インフレータ収納部の外部へ引き出すために、同インフレータ収納部の内外を連通させる箇所が不可避であるが、反面、この箇所は膨張用ガスが漏出する箇所ともなり得る。こういった膨張用ガスの漏れを少なくする観点からは、上記連通箇所(ハーネスの引き出し部分)はできるだけ小さい方が望ましい。
従って、請求項4に記載の発明によるように、インフレータ収納部の周縁部のうち、膨張予定部との境界部分と、ハーネスの引き出し部分とを除く箇所を閉塞することにより、インフレータ収納部内の膨張用ガスの不要な漏出を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記インフレータ収納部には挿入口が設けられており、前記インフレータは前記挿入口を通じて前記インフレータ収納部に収納されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグの製作に際し、インフレータ収納部が形成された後、挿入口を通じてインフレータがインフレータ収納部に挿入される。従って、インフレータを内包していない(インフレータが内部に配置されていない)状態でインフレータ収納部を形成することができる。インフレータを内包(内部に配置)した状態でインフレータ収納部を形成する場合に比べ、インフレータ収納部を形成する作業が容易となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記エアバッグには、折り返された前記インフレータ収納部と前記膨張予定部とを連通させる連通孔が設けられており、前記インフレータ収納部及び前記膨張予定部は、前記連通孔の周囲で相互に結合されていることを要旨とする。
上述した請求項5に記載の発明では、インフレータが収納された状態のインフレータ収納部の挿入口は、同インフレータ収納部内の膨張用ガスの一部が漏出する要因となり得る。インフレータ収納部を挿入口の近傍において環状の締結具等によってインフレータに締結したとしても、挿入口を気密状態に閉塞することが難しいからである。
しかし、請求項6に記載の発明では、折り返されたインフレータ収納部と膨張予定部とは、連通孔を介して連通されている。そのため、インフレータからインフレータ収納部内に噴出された膨張用ガスは、この連通孔を通って膨張予定部へ流入することが可能となる。また、上記インフレータ収納部及び膨張予定部が、連通孔の周囲で相互に結合されていることから、連通孔を通過する際に膨張用ガスがエアバッグの外部へ漏出することが阻止される。従って、インフレータを挿入するために設けた挿入口から膨張用ガスの一部が漏れ出たとしても、インフレータ収納部内の膨張用ガスを、連通孔を通じて膨張予定部へ確実に供給することができる。
本発明によれば、区画部のうち少なくともインフレータ側の端部を、インフレータ及びシートフレームにより挟持するようにしたため、インフレータ及び区画部間を膨張用ガスが流れるのを抑制し、両チャンバ間の内圧差を確保することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方として説明する。
図1及び図2の少なくとも一方に示すように、車両においてボディサイド部11の車内側(図2の上側)の近傍には車両用シート12が配置されている。ここで、ボディサイド部11とは、車両の側部に配置された部材を指す。例えば、前席に対応するボディサイド部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応するボディサイド部11は、サイドドア(リアドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リアクォータ等である。
車両用シート12は、シートクッション(座部)13と、そのシートクッション13の後側から起立し、かつ傾き調整機構(図示略)を有するシートバック(背もたれ部)14とを備えて構成されている。シートバック14の車外側の側部にはモジュール収納部15が設けられており、サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールAMがこのモジュール収納部15に収納されている。モジュール収納部15の位置は、車両用シート12に着座した乗員Pの外側方近傍となる。エアバッグモジュールAMは、エアバッグ20及びインフレータアセンブリ40を主要な構成部材として備えている。
エアバッグモジュールAMは、これがモジュール収納部15に収納される前に、少なくとも次の3つの形態(形態(i)、形態(ii)及び形態(iii ))を採る。
形態(i):図6〜図8に示すように、エアバッグ20の全体が展開させられた形態。
形態(ii):図3〜図5に示すように、エアバッグ20の一部(後述するインフレータ収納部24)が折り返された形態。
形態(iii ):図示はしないが、上記形態(ii)に加え、さらにエアバッグ20が折り畳まれてコンパクトにされた形態。
次に、エアバッグモジュールAMが上記形態(i)を採ったときを基準として、同エアバッグモジュールAMの構成部材の各々について説明する。
<インフレータアセンブリ40>
図6は、エアバッグ20の全体が展開させられたエアバッグモジュールAMの側面構造を示している。図7は、図6におけるS部を拡大して示している。図8は、図7におけるT−T線に沿った断面構造を示している。
これらの図6〜図8の少なくとも1つに示すように、インフレータアセンブリ40は、ガス発生源としてのインフレータ41と、そのインフレータ41を外側から覆うリテーナ42とを備えて構成されている。インフレータ41は略上下方向に細長い略円柱状をなしており、その内部には、外部からの作動信号に応じて反応して膨張用ガスGを生ずるガス発生剤(図示略)が収容されている。
インフレータ41の上部には、同インフレータ41への作動信号の印加配線となるハーネス43が接続されている。また、インフレータ41の下部外周面には、上記ガス発生剤が発生した膨張用ガスGを噴出する複数のガス噴出孔44が設けられている。
なお、インフレータ41としては、上記ガス発生剤を用いたタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスGを噴出させるタイプが用いられてもよい。
一方、リテーナ42は、ディフューザとして機能するとともに、エアバッグ20と一緒に車両用シート12のシートフレーム16(図5参照)に固定する機能を有する部材である。リテーナ42の全体は、金属板等の板材を曲げ加工等することによって、略上下方向に細長い略円筒状に形成されており、その少なくとも下端において開放されている。リテーナ42には、これを上記シートフレーム16に取付けるための係止部材として、複数本(本実施形態では2本)のボルト45,46が固定されている。表現を変えると、ボルト45,46が、リテーナ42を介してインフレータ41に間接的に固定されている。これらのボルト45,46は、インフレータ41の軸線に直交する方向へ向けて延びている。
<エアバッグ20>
エアバッグ20は、衝撃が車両の外側方からボディサイド部11に加わったときに、上記インフレータ41からの膨張用ガスGにより膨張展開する。そして、エアバッグ20は、その一部をモジュール収納部15内に残した状態で同モジュール収納部15から略前方へ向けて飛び出し、車両用シート12及びボディサイド部11間の隙間G1(図2参照)で膨張展開することにより乗員Pを拘束して上記衝撃から保護するためのものである。
エアバッグ20は、互いに独立した一対の布帛21,22を車幅方向(図6及び図7では紙面と直交する方向、図8では上下方向)に重ね合わせ、両布帛21,22を袋状となるように結合させることにより形成されている。
布帛21,22としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。両布帛21,22の形状・大きさは、エアバッグ20が車両用シート12及びボディサイド部11間で膨張展開したときに、車両用シート12に着座している乗員Pの外側方近傍で、腰部Ppから胸部Ptに対応する広い領域を占有し得るように設定されている(図3参照)。
両布帛21,22の上記結合は、それらの周縁部に設けられた周縁結合部23においてなされている。第1実施形態では、周縁結合部23は、両布帛21,22の周縁部の大部分を縫糸で略無端状に縫合することにより形成されている。この周縁結合部23は、基本的には太い破線で図示されている。
なお、エアバッグ20は、単一の布帛を、その中央部分で二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を袋状となるように結合させることにより形成したものであってもよい。また、周縁結合部23は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。
両布帛21,22間であって周縁結合部23によって囲まれた空間(エアバッグ20の内部空間)は、インフレータ収納部24と、その前側に位置する膨張予定部26とからなる。
インフレータ収納部24では、その周縁部のうち、膨張予定部26との境界部分と、同インフレータ収納部24の上部の一部とを除く箇所において、両布帛21,22が上記周縁結合部23によって結合されている。この構成により、膨張予定部26がインフレータ収納部24に連通している。また、周縁結合部23中、インフレータ収納部24の上部において周縁結合部23の設けられていない箇所は、上記インフレータ41のハーネス43の通過可能な引き出し口25となっている。さらに、車外側の布帛21の後端部であって、インフレータ収納部24を構成する箇所には、上下一対のボルト挿通孔31があけられている。
そして、インフレータ収納部24内には、インフレータアセンブリ40が上下方向に延びる姿勢で収納されている。リテーナ42のボルト45,46は、布帛21の対応するボルト挿通孔31に挿通されている。また、インフレータ41から上方へ延びるハーネス43は、引き出し口25を通じてインフレータ収納部24の外部へ引き出されている。
一方、膨張予定部26は、上記インフレータ41からの膨張用ガスGによって膨張させられる箇所である。膨張予定部26内の下部には、区画部としてシーム27が設けられている。シーム27は、前側ほど若干低くなるように傾斜した状態で直線状に延びている。シーム27の前端部27Fは周縁結合部23の前下部に繋がっている。これに対し、シーム27の後端部27Rは、上記インフレータ収納部24の前方近傍に位置している。この後端部27Rは、特許請求の範囲における「区画部のインフレータ側の端部」に該当する。上記シーム27は、両布帛21,22を縫糸で縫合することにより形成されている。なお、シーム27は、上記縫糸を用いた縫着とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。
上記膨張予定部26は、上記シーム27により、それよりも下側のチャンバと上側のチャンバとに区画されている。前者のチャンバは、乗員Pの主として腰部Ppの外側方近傍において、比較的高い内圧で膨張展開して同腰部Ppを拘束及び保護する「腰部保護用チャンバ28」となっている。また、後者のチャンバは、乗員Pの主として胸部Ptの外側方近傍において、上記腰部保護用チャンバ28よりも低い内圧で膨張展開して同胸部Ptを保護する「胸部保護用チャンバ29」となっている。
さらに、両布帛21,22であって、膨張予定部26のインフレータ収納部24との境界部分近傍となる箇所には、上下一対の係止孔32,33があけられている。両係止孔32,33の設けられた箇所は、インフレータ収納部24と膨張予定部26との境界部分に設定された折り線34を対称軸として、上記両ボルト挿通孔31に対し線対称となる箇所である。より詳細には、一方の係止孔32は、シーム27よりも上側の胸部保護用チャンバ29に位置し、他方の係止孔33は、同シーム27よりも下側の腰部保護用チャンバ28に位置している。
次に、エアバッグモジュールAMの形態(ii)について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、エアバッグ20の一部(インフレータ収納部24)が折り返されたエアバッグモジュールAMの側面構造を示している。図4(A)は、図3におけるQ部を拡大して示している。図4(B)は、図4(A)中、インフレータ収納部24及びインフレータアセンブリ40を取り除いた状態を示している。図5は、図3におけるR−R線に沿った断面構造を示している。なお、図4(A)では、インフレータアセンブリ40の一部を図示するために、車内側の布帛22の一部が破断された状態で示されている。これに伴い、車内側の布帛22の一部が破断されてインフレータアセンブリ40の一部が表出している箇所では、周縁結合部23が二点鎖線(符号23A)で示されている。
この形態(ii)では、上述したようにインフレータ収納部24と膨張予定部26との境界部分に設定された折り線34に沿って、インフレータ収納部24が車外側へ折り返されている。この折り返しにより、インフレータ収納部24が膨張予定部26の後端部上に重なっている。この膨張予定部26の後端部においてインフレータ収納部24の重ねられる箇所を領域Rとすると(図6及び図7参照)、上述したシーム27の少なくとも後端部27Rはこの領域Rに入り込んでいる。また、上記折り返しにより、両ボルト挿通孔31が係止孔32,33上に重なっている(図5参照)。
上記インフレータ収納部24から露出した両ボルト45,46は、対応する係止孔32,33に挿通されている(図4(B)及び図5参照)。この挿通により、インフレータ収納部24が折り返された状態に保持されている。この状態では、一方のボルト45が、シーム27の後端部27Rよりも上側の胸部保護用チャンバ29に挿通され、他方のボルト46が、上記後端部27Rよりも下側の腰部保護用チャンバ28に挿通されている。
上記形態(ii)のエアバッグモジュールAMは、上述したように、さらにエアバッグ20の膨張予定部26が折り畳まれることによりコンパクトな上記形態(iii )にされる。エアバッグモジュールAMは、この形態(iii )にされたうえで上記モジュール収納部15に収納されている。そのうえで、ボルト45,46がシートフレーム16に挿通され、ナット17によって締め付けられることにより、エアバッグモジュールAMが同シートフレーム16に固定されている(図5参照)。
サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールAMのほかに図1に示す衝撃センサ51及び制御装置52を備えている。衝撃センサ51は加速度センサ等からなり、車両のボディサイド部11(図2参照)等に取付けられている。衝撃センサ51は、ボディサイド部11に外側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置52は、衝撃センサ51からの検出信号に基づきインフレータ41の作動を制御する。
上記のようにして、第1実施形態のサイドエアバッグ装置が構成されている。このサイドエアバッグ装置では、車両のボディサイド部11に所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ51によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置52からインフレータ41に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。この作動信号に応じて、インフレータ41では、図5に示すように、ガス発生剤が高温高圧の膨張用ガスGを発生し、これを複数のガス噴出孔44から噴出する。
この膨張用ガスGの多くは、図4(A)及び図7において矢印で示すように、リテーナ42の下端開放部42Aから出て、インフレータ収納部24を経由して膨張予定部26に流入する。ここで、インフレータ収納部24の周縁部のうち、膨張予定部26との境界部分と、ハーネス43の引き出し口25とを除く箇所が周縁結合部23によって閉塞されているため、インフレータ収納部24内の膨張用ガスGのエアバッグ20外部への不要な漏出が抑制される。
上記膨張予定部26への流入の過程で膨張用ガスGは、シーム27によって区画された腰部保護用チャンバ28及び胸部保護用チャンバ29に分けられる。より詳しくは、下端開放部42Aから出た膨張用ガスGの多くは、同下端開放部42Aとインフレータ収納部24の壁面下部との間の隙間を通り、腰部保護用チャンバ28へ流入する。それ以外の膨張用ガスGは、インフレータアセンブリ40とインフレータ収納部24の壁面との間の隙間を通って上昇し、胸部保護用チャンバ29へ流入する。このようにして、胸部保護用チャンバ29に対するよりも腰部保護用チャンバ28へ多くの膨張用ガスGが供給される。
エアバッグ20は、ボルト45,46によりインフレータ41とともにシートフレーム16に固定された箇所をモジュール収納部15内に残した状態で、図2において二点鎖線で示すように、車両のボディサイド部11と乗員Pとの間で膨張展開する。乗員Pは、このエアバッグ20により拘束され、上記衝撃から保護される。この際、図3に示すように、腰部保護用チャンバ28の内圧は胸部保護用チャンバ29の内圧よりも高く、両チャンバ28,29間で内圧差が生ずる。従って、内圧の高い腰部保護用チャンバ28が乗員Pについて耐衝撃性の高い部位である腰部Ppの外側方近傍で膨張展開し、内圧の低い胸部保護用チャンバ29が耐衝撃性の低い部位である胸部Ptの外側方近傍で膨張展開する。エアバッグ20が乗員Pの各部の耐衝撃性に応じた内圧で乗員Pに接触し、乗員Pの各部が衝撃から有効に保護される。
ここで、上記サイドエアバッグ装置では、インフレータ収納部24が膨張予定部26との境界部分で折り線34に沿って折り返されていて、図4(B)及び図5の少なくとも一方に示すように、シーム27のインフレータ41側の端部(後端部27R)が、インフレータアセンブリ40及びシートフレーム16によって挟持されている。係止部材としてボルト45,46を用いた第1実施形態では、同ボルト45,46がシートフレーム16に締結されることにより、インフレータアセンブリ40が、上記のように折り返されたインフレータ収納部24を介して、膨張予定部26におけるシーム27の後端部27Rに押さえ付けられる。この押さえ付けにより、後端部27Rとインフレータアセンブリ40との間の隙間Aが確実に閉塞された状態に保持される。
より正確には、シーム27の後端部27Rよりも上側の胸部保護用チャンバ29に挿通されたボルト45がシートフレーム16に締結されることにより、折り返された状態のインフレータ収納部24が膨張予定部26(胸部保護用チャンバ29)に押さえ付けられる。また、シーム27の後端部27Rよりも下側の腰部保護用チャンバ28に挿通されたボルト46がシートフレーム16に締結されることにより、折り返された状態のインフレータ収納部24が膨張予定部26(腰部保護用チャンバ28)に押さえ付けられる。このように、インフレータ収納部24がシーム27の両側でチャンバ28,29に押さえ付けられる。インフレータ収納部24が一方のチャンバ28,29に対してのみ押さえ付けられるものに比べ、上記隙間Aが膨張用ガスGにより開かず、より確実に閉塞された状態に保持される。
このため、エアバッグ20内では、インフレータ収納部24を折り線34に沿って折り返す前には、シーム27の上記後端部27Rがインフレータアセンブリ40から前方へ離れている。この状態では、後端部27Rとインフレータアセンブリ40との間の隙間Aは開くことが可能であり、膨張用ガスGの流路となり得る。しかし、インフレータ収納部24を折り線34に沿って折り返し、シートフレーム16に取付けた後は、エアバッグ20(膨張予定部26)において、上記隙間Aがインフレータアセンブリ40によってシートフレーム16に押さえ付けられて閉塞された状態となる。従って、内圧の高い側の腰部保護用チャンバ28内の膨張用ガスGが、上記隙間Aを通って内圧の低い側の胸部保護用チャンバ29へ流動することが不能となる。インフレータ41からの膨張用ガスGの実質的な流路は、上述したインフレータアセンブリ40とインフレータ収納部24の壁面との間の隙間のみとなる。その結果、両チャンバ28,29間の内圧差は、上記隙間Aを膨張用ガスGの流路とした場合よりも大きくなる。
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)インフレータ収納部24を膨張予定部26との境界部分で折り返して、シーム27のインフレータ41側の端部である後端部27Rを、インフレータアセンブリ40及びシートフレーム16によって挟持している。このため、膨張用ガスGがインフレータアセンブリ40と後端部27Rとの間の隙間Aを流れるのを抑制し、隣り合うチャンバ28,29間の内圧差を確保することができる。
(2)インフレータ41に間接に固定され、かつインフレータ収納部24及び膨張予定部26に挿通されて、シートフレーム16に締結されるボルト45,46を係止部材としている。そのため、折り返された状態のインフレータ収納部24を、膨張予定部26におけるシーム27の後端部27Rに押さえ付け、同後端部27Rとインフレータアセンブリ40との間の隙間Aを確実に閉塞された状態に保持することができ、上記(1)の効果を確実なものとすることができる。
(3)一方のボルト45を、シーム27の後端部27Rよりも上側の胸部保護用チャンバ29に挿通し、他方のボルト46を、同後端部27Rよりも下側の腰部保護用チャンバ28に挿通している。そのため、インフレータ収納部24を、シーム27の後端部27Rの両側でチャンバ28,29に押さえ付けることにより、同後端部27Rとインフレータアセンブリ40との間の隙間Aをより確実に閉塞した状態に保持することができる。従って、上記隙間Aを通じた両チャンバ28,29間での膨張用ガスGの流通をより確実に阻止することができる。
(4)インフレータ収納部24の周縁部のうち、膨張予定部26との境界部分と、ハーネス43の引き出し口25とを除く箇所を周縁結合部23によって閉塞している。そのため、エアバッグ20の製作に際し、インフレータ収納部24となる箇所にインフレータアセンブリ40を配置した状態で同インフレータ収納部24を形成するものにおいて、インフレータ収納部24内の膨張用ガスGの不要な漏出を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、図9〜図14を参照して説明する。第2実施形態は、エアバッグ20の形成後にインフレータ収納部24にインフレータアセンブリ40を収納してエアバッグモジュールAMを製作する点で、インフレータアセンブリ40を内包した状態でエアバッグ20を形成してエアバッグモジュールAMを製作する第1実施形態と大きく異なっている。そのために、第2実施形態では、第1実施形態とは異なる構造を有するエアバッグ20が用いられている。ただし、インフレータアセンブリ40としては、第1実施形態と同様の構造を有するものが用いられている。
図12は、エアバッグ20の製作途中の形態を示している。また、図13は、図12におけるW部を拡大して示している。これらの図12及び図13に示すように、第2実施形態では、インフレータ収納部24の上部に周縁結合部23が設けられていない。この箇所は、上記インフレータアセンブリ40(図14参照)をインフレータ収納部24内に挿入するための挿入口61となっている。
車外側の布帛21の後端部であって、インフレータ収納部24を構成する箇所には、連通孔62が形成されている。車外側の布帛21であって、膨張予定部26における胸部保護用チャンバ29のインフレータ収納部24との境界部分近傍となる箇所には、連通孔63が形成されている。連通孔63の設けられた箇所は、インフレータ収納部24と膨張予定部26との境界部分に設定された折り線34を対称軸として、上記連通孔62に対し線対称となる箇所であって、シーム27の後端部27Rよりも上側である。
図14は、図13の状態から、インフレータ収納部24が折り線34に沿って車外側へ折り返された状態を示している。この状態では、インフレータ収納部24の連通孔62が膨張予定部26(胸部保護用チャンバ29)の車外側近傍で連通孔63に対向している。これらの連通孔62,63により、インフレータ収納部24の内部空間と膨張予定部26(胸部保護用チャンバ29)の内部空間とが連通されている。さらに、インフレータ収納部24及び膨張予定部26は、連通孔62の周囲に設けられた内結合部64において、相互に結合されている。内結合部64は、インフレータ収納部24及び膨張予定部26を連通孔62,63の周囲において縫糸で略無端状に縫合することにより形成されている。なお、内結合部64は、上述した周縁結合部23と同様に、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。
また、第2実施形態でも第1実施形態と同様に、上記のようにインフレータ収納部24が折り返された状態では、インフレータ収納部24のボルト挿通孔31が膨張予定部26の車外側近傍で係止孔32,33に対向している。
図9〜図11は、図14の状態から、インフレータアセンブリ40が挿入口61を通じてインフレータ収納部24内に収納された状態を示している。より詳しくは、図9は、エアバッグモジュールAM全体の側面構造を示している。図10(A)は、図9におけるU部を拡大して示している。図10(B)は、図10(A)中、インフレータ収納部24及びインフレータアセンブリ40を取り除いた状態を示している。図11は、図9におけるV−V線に沿った断面構造を示している。
上記収納状態では、インフレータアセンブリ40の上部及びハーネス43の全体は、インフレータ収納部24よりも上方で露出している。また、一方のボルト45がシーム27の後端部27Rよりも上側(胸部保護用チャンバ29側)で、ボルト挿通孔31及び係止孔32に挿通されている。また、他方のボルト46が上記後端部27Rよりも下側(腰部保護用チャンバ28側)で、ボルト挿通孔31及び係止孔33に挿通されている。
そして、インフレータ収納部24は、挿入口61の近傍で締結バンド等の環状の締結具(図示略)によってインフレータアセンブリ40に締結されている。この締結により、挿入口61の近傍では、インフレータ収納部24のインフレータアセンブリ40との隙間が小さくされている。
さらに、エアバッグモジュールAMは、第1実施形態で説明したように、エアバッグ20の膨張予定部26が折り畳まれることによりコンパクトな形態にされ、上記モジュール収納部15(図1及び図2参照)に収納されている。そのうえで、ボルト45,46がシートフレーム16に挿通され、ナット17によって締め付けられることにより、エアバッグモジュールAMが同シートフレーム16に固定されている(図11参照)。
上記以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、図9〜図14において第1実施形態と同様の箇所、部材等については同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
上記の構成を有する第2実施形態のサイドエアバッグ装置では、インフレータ収納部24が挿入口61の近傍において環状の締結具等によってインフレータアセンブリ40に締結されているものの、挿入口61が完全には閉塞されていない。そのため、挿入口61は、インフレータ収納部24内の膨張用ガスGの一部が漏出する要因となり得る。
しかし、第2実施形態では、折り返されたインフレータ収納部24と膨張予定部26とが、連通孔62,63を介して連通されている。そのため、インフレータ41からインフレータ収納部24内に噴出された膨張用ガスGの一部であって、インフレータアセンブリ40とインフレータ収納部24との間の隙間を通って上方へ流れたものは、図11及び図13において矢印で示すように、両連通孔62,63を通って膨張予定部26(胸部保護用チャンバ29)へ流入することが可能となる。また、インフレータ収納部24及び膨張予定部26が、連通孔62,63の周囲の内結合部64によって相互に結合されていることから、両連通孔62,63を通過する際に膨張用ガスGがエアバッグ20の外部へ漏出することが阻止される。
従って、第2実施形態によると、上記第1実施形態における(1)〜(3)に加え、次の効果が得られる。
(5)エアバッグ20の製作に際し、インフレータ収納部24に挿入口61を設けておき、この挿入口61を通じてインフレータアセンブリ40をインフレータ収納部24に収納するようにしている。そのため、インフレータアセンブリ40を内包していない(インフレータアセンブリ40が内部に配置されていない)状態でインフレータ収納部24を形成することができる。インフレータアセンブリ40を内包(内部に配置)した状態でインフレータ収納部24を形成する場合に比べ、インフレータ収納部24を形成する作業が容易となる。
(6)折り返されたインフレータ収納部24と膨張予定部26とを連通させる連通孔62,63をエアバッグ20に設け、さらに、インフレータ収納部24及び膨張予定部26を、両連通孔62,63の周囲に設けた無端状の内結合部64によって相互に結合している。そのため、インフレータアセンブリ40を挿入するために設けた挿入口61から膨張用ガスGの一部が漏れ出たとしても、インフレータ収納部24内の膨張用ガスGを、両連通孔62,63を通じて膨張予定部26へ確実に供給することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・上記各実施形態における区画部を、上記シームに代えてテザーによって構成してもよい。テザーは、エアバッグ20と同様に織布等によって形成された帯状の布からなり、その車幅方向両側縁部において対応する布帛21,22にそれぞれ縫合される。この縫合により、テザーは両布帛21,22間に架設される。テザーは、両布帛21,22を所定の間隔を隔てた状態で連結し、エアバッグ20の膨張展開時における車幅方向の膨張を規制する。
・インフレータ41(リテーナ42)は、3本以上のボルトによってシートフレーム16に固定されてもよい。この場合、シーム27の後端部27Rとインフレータアセンブリ40との間の隙間Aをより確実に閉塞した状態に保持する観点からは、少なくとも1本のボルトは一方のチャンバに挿通され、別の少なくとも1本のボルトは他方のチャンバに挿通されることが望ましい。
・本発明は、ボルト45,46とは異なる部材を係止部材として用いてリテーナ42を車両(シートフレーム16)に固定するようにしたサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
・インフレータ41として、ガス噴出孔44が同インフレータ41の軸線方向についての中間部分に設けられたものを用いてもよい。この場合にも、腰部保護用チャンバ28に対し、胸部保護用チャンバ29に対するよりも多くの膨張用ガスGを供給する効果が得られる。
・前記各実施形態では、インフレータ41として、長尺状をなし、かつ軸方向についての一方の端部にのみガス噴出孔44を有するものを用いたが、これに代え、軸方向について異なる2箇所に、単位時間当たりのガス噴出量の異なる2つのガス噴出孔を有するものを用いてもよい。このように、ガス噴出孔間でガス噴出量を異ならせる構成としては、例えば、インフレータ41内に設けた2つの収容室に、(i)同一種類のガス発生剤を収容するものと、(ii)単位時間当たりのガス発生量の異なる2種類のガス発生剤を収容するものとがある。前者(i)の場合、ガス発生剤の収容量を収容室間で異ならせる。
そして、ガス噴出量の多い側のガス噴出孔が内圧の高い側のチャンバ(腰部保護用チャンバ28)に位置し、かつガス噴出量の少ない側のガス噴出孔が内圧の低い側のチャンバ(胸部保護用チャンバ29)側に位置するようにインフレータ41をインフレータ収納部24に配置する。
この場合、腰部保護用チャンバ28及び胸部保護用チャンバ29に対し、対応するガス噴出孔から膨張用ガスGがそれぞれ噴出される。単位時間当たりのガス噴出量の相違から腰部保護用チャンバ28が胸部保護用チャンバ29よりも早く膨張する。従って、膨張用ガスGの噴出態様が若干異なるものの、上記各実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・リテーナ42を用いることなくインフレータ41をシートバック14に直接取り付けるようにしてもよい。この場合、区画部のうち少なくともインフレータ41側の端部(区画部がシーム27からなる場合、後端部27R)をインフレータ41及びシートフレーム16によって挟持することとなる。
・区画部(シーム27、テザー)は、そのインフレータ41側の端部である後端部27Rだけでなく、同後端部27Rの近傍についてもインフレータ41(又はインフレータアセンブリ40)及びシートフレーム16によって挟持されてもよい。
・本発明は、下側のチャンバを、乗員Pの腰部Ppとは異なる箇所を保護するためのチャンバとしたサイドエアバッグ装置や、上側のチャンバを、乗員Pの胸部Ptとは異なる箇所を保護するためのチャンバとしたサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
本発明を具体化した第1実施形態において、サイドエアバッグ装置が装備された車両用シートの概略側面図。 車両用シート及びボディサイド部の位置関係を示す概略平断面図。 インフレータ収納部が折り返されたエアバッグモジュールについて、膨張予定部が展開させられた状態を乗員とともに示す側面図。 (A)は、図3におけるQ部を拡大して示す部分側面図、(B)は(A)中のインフレータ収納部及びインフレータアセンブリを取り除いた状態を示す部分側面図。 図3におけるR−R線に沿った断面構造を示す拡大断面図。 インフレータ収納部が折り返される前のエアバッグモジュールについて、膨張予定部が展開させられた状態を示す部分側面図。 図6におけるS部を拡大して示す部分側面図。 図7におけるT−T線に沿った断面構造を示す拡大断面図。 本発明を具体化した第2実施形態を示す図であり、インフレータ収納部が折り返されたエアバッグモジュールについて、膨張予定部が展開させられた状態を乗員とともに示す側面図。 (A)は、図9におけるU部を拡大して示す部分側面図、(B)は(A)中のインフレータ収納部及びインフレータアセンブリを取り除いた状態を示す部分側面図。 図9におけるV−V線に沿った断面構造を示す拡大断面図。 インフレータ収納部が折り返される前であって、インフレータ収納部にインフレータアセンブリが収納される前のエアバッグモジュールについて、膨張予定部が展開させられた状態を示す側面図。 図12のW部を拡大して示す部分側面図。 図13におけるインフレータ収納部が折り返された状態をインフレータアセンブリとともに示す部分側面図。
符号の説明
11…ボディサイド部、12…車両用シート、16…シートフレーム、20…エアバッグ、24…インフレータ収納部、25…引き出し口、26…膨張予定部、27…シーム(区画部)、27R…後端部(区画部のインフレータ側端部)、28…腰部保護用チャンバ、29…胸部保護用チャンバ、41…インフレータ、43…ハーネス、45,46…ボルト(係止部材)、61…挿入口、62,63…連通孔、G…膨張用ガス、P…乗員。

Claims (6)

  1. 車両側方からの衝撃に応じ膨張用ガスを噴出するインフレータと、
    前記インフレータが収納されたインフレータ収納部、及び前記インフレータ収納部に連通され、かつ前記膨張用ガスにより膨張する膨張予定部を自身の内部空間に有し、前記膨張予定部が区画部により一対のチャンバに区画され、さらに係止部材により前記インフレータとともに車両用シートのシートフレームに固定されるエアバッグと
    を備え、前記インフレータ収納部から出た前記膨張用ガスを前記各チャンバに供給し、前記車両のボディサイド部及び乗員間で前記両チャンバを異なる内圧で膨張展開させるようにしたサイドエアバッグ装置であって、
    前記係止部材による前記固定が、前記インフレータ収納部を前記膨張予定部との境界部分で折り返した状態で行われることにより、前記区画部のうち少なくともインフレータ側の端部が、前記インフレータ及び前記シートフレームにより挟持されていることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 前記係止部材は、前記インフレータに直接又は間接に固定され、かつ前記インフレータ収納部及び前記膨張予定部に挿通されて前記シートフレームに締結されるボルトである請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記ボルトは複数本設けられており、そのうちの少なくとも1本のボルトは一方のチャンバに挿通され、別の少なくとも1本のボルトは他方のチャンバに挿通されている請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記インフレータが収納されたインフレータ収納部の周縁部のうち、前記膨張予定部との境界部分と、同インフレータに接続されたハーネスの引き出し部分とを除く箇所は閉塞されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記インフレータ収納部には挿入口が設けられており、前記インフレータは前記挿入口を通じて前記インフレータ収納部に収納されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のサイドエアバッグ装置。
  6. 前記エアバッグには、折り返された前記インフレータ収納部と前記膨張予定部とを連通させる連通孔が設けられており、前記インフレータ収納部及び前記膨張予定部は、前記連通孔の周囲で相互に結合されている請求項5に記載のサイドエアバッグ装置。
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