JP2009248548A - 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法並びに液滴吐出装置 - Google Patents

静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法並びに液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動耐久性及び信頼性の向上を図ることが可能な静電アクチュエータ等を提供する。
【解決手段】基板上に形成された個別電極5と、この個別電極5に所定のギャップを介して対向配置された振動板6と、前記個別電極5と前記振動板6との間に静電気力を発生させて該振動板6に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、前記個別電極5の前記振動板6との対向面にアモルファスカーボン膜7を設けるとともに、前記振動板6の前記個別電極5との対向面に絶縁膜8を設け、前記アモルファスカーボン膜7の表面に水素化アモルファスカーボン膜9を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電駆動方式のインクジェットヘッド等に用いられる静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法並びに液滴吐出装置に関する。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置に搭載される静電駆動方式のインクジェットヘッドが知られている。静電駆動方式のインクジェットヘッドは、一般に、ガラス基板上に形成された個別電極(固定電極)と、この個別電極に所定のギャップを介して対向配置されたシリコン製の振動板(可動電極)とから構成される静電アクチュエータ部を備えている。そして、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、上記静電アクチュエータ部に静電気力を発生させることにより吐出室に圧力を加えて、選択されたノズル孔よりインク滴を吐出するようになっている。
この種の静電アクチュエータにおいては、アクチュエータの駆動の安定性や駆動耐久性の向上が要求されている。このため、従来より、振動板や個別電極の対向面に絶縁膜を形成し、絶縁膜の絶縁破壊や短絡を防止して駆動の安定性と駆動耐久性を確保する静電アクチュエータが提案されている。また、アクチュエータの振動板や個別電極の対向面にダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCと称する)を形成し、振動板と個別電極との接触面の硬度を上げ、駆動耐久性及び信頼性の向上を可能とした静電アクチュエータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−136856号公報
上記特許文献1では、振動板や個別電極の対向面にDLCを用いることで、信頼性及び駆動耐久性の向上を可能とするものである。DLCは、水素を含まないアモルファスカーボン膜と、水素を含んだ水素化アモルファスカーボン膜とに分けることができるが、特許文献1ではどちらの構成であるかは言及されていない。水素化アモルファスカーボン膜は、アモルファスカーボン膜に比べて膜表面の潤滑性が高いという特徴がある一方、トルエンを原料ガスとしたプラズマCVD法により水素化アモルファスカーボン膜を成膜した場合は、成膜時に、例えばITOからなる個別電極をアタックしてしまうという問題がある。逆に、アモルファスカーボン膜は、水素化アモルファスカーボン膜に比べて膜表面の潤滑性が低い一方、成膜時にITOからなる個別電極をアタックしてしまうという問題はない。よって、DLCを用いる場合、水素化アモルファスカーボン膜とアモルファスカーボン膜のそれぞれの特徴を生かしたアクチュエータ構成とすることが望ましいが、前述したように特許文献1では、どちらの構成であるかは言及されておらず、また、未だこの点に言及した他の文献は見当たらない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、DLCの特徴を生かして駆動耐久性及び信頼性の向上を図ることが可能な静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法並びに液滴吐出装置を提供することを目的としている。
本発明に係る静電アクチュエータは、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、固定電極と可動電極との間に静電気力を発生させて可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、固定電極の可動電極との対向面にアモルファスカーボン膜を設けるとともに、可動電極の固定電極との対向面に絶縁膜を設け、アモルファスカーボン膜の表面に水素化アモルファスカーボン膜を設けたものである。
このように、可動電極と固定電極とが当接する対向面部分に、硬質且つ潤滑性が高い特徴を有する水素化アモルファスカーボン膜を用いているため、駆動耐久性及び信頼性を向上させることができる。
また、水素化アモルファスカーボン膜は、固定電極上に直接成膜されるのではなく、下地膜としてのアモルファスカーボン膜を形成した上に形成されるため、水素化アモルファスカーボン膜の成膜時にITO等からなる固定電極をアタックするという不都合を防止することができ、また基板接合部のアモルファスカーボン膜及び水素化アモルファスカーボン膜をO2 アッシングにより同時に除去できるため、製造工程を確実かつ簡便にすることができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータは、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、固定電極と可動電極との間に静電気力を発生させて可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、固定電極の可動電極との対向面にアモルファスカーボン膜を設けるとともに、可動電極の固定電極との対向面に絶縁膜を設け、絶縁膜の表面に水素化アモルファスカーボン膜を設けたものである。
このように、可動電極と固定電極とが当接する対向面が両方ともDLC膜(アモルファスカーボン膜及び水素化アモルファスカーボン膜)で形成されているため、駆動耐久性を更に向上することができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータは、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、固定電極と可動電極との間に静電気力を発生させて可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、固定電極の可動電極との対向面にアモルファスカーボン膜を設けるとともに、可動電極の固定電極との対向面に絶縁膜を設け、アモルファスカーボン膜及び絶縁膜のそれぞれの表面に水素化アモルファスカーボン膜を設けたものである。
このように、可動電極と固定電極とが当接する対向面が両方ともDLCのうち、特に硬質且つ潤滑性が高い特徴を有する水素化アモルファスカーボン膜で形成されているため、駆動耐久性を更に向上することができる。
また、固定電極側の水素化アモルファスカーボン膜は、固定電極上に直接成膜されるのではなく、下地膜としてのアモルファスカーボン膜を形成した上に形成されるため、水素化アモルファスカーボン膜の成膜時にITO等からなる固定電極をアタックするという不都合を防止することができ、また基板接合部のアモルファスカーボン膜及び水素化アモルファスカーボン膜をO2 アッシングにより同時に除去できるため、製造工程を確実かつ簡便にすることができる。
また、本発明に係る記載の静電アクチュエータは、絶縁膜を、シリコン熱酸化膜としたものである。
シリコン熱酸化膜は絶縁耐圧が高いため、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を用いることにより、信頼性の高い静電アクチュエータを得ることができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータは、絶縁膜を、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料で構成された膜としたものである。
これにより、静電アクチュエータにおける発生圧力を高くすることができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータは、絶縁膜を、酸化シリコン膜よりも比誘電率が高い誘電材料で構成された膜と、酸化シリコン膜との積層構成としたものである。
これにより、静電アクチュエータの発生圧力向上と信頼性向上との両方の効果を得ることができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータは、誘電材料として、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiN)、酸窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)の中から少なくとも一つが選ばれるものである。
これらの材料はシリコン熱酸化膜よりも比誘電率が高い誘電材料であるうえに、膜の低温成膜性、膜の均質性、プロセス適応性等が良好である。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、固定電極と可動電極との間に静電気力を発生させて可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータの製造方法において、固定電極が形成されたガラス基板上に、アモルファスカーボン膜を形成する工程と、アモルファスカーボン膜の表面に水素化アモルファスカーボン膜を形成する工程と、可動電極が形成されるシリコン基板のガラス基板との接合側表面全面に、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を形成する工程と、ガラス基板とシリコン基板とを陽極接合する工程と、シリコン基板の接合面と反対の表面からエッチング加工して可動電極を形成する工程と、を有するものである。
この製造方法によれば、固定電極の可動電極との対向面部分に、硬質且つ潤滑性が高い特徴を有する水素化アモルファスカーボン膜を形成するため、静電アクチュエータの駆動耐久性及び信頼性を向上させることができる。
また、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を用いているため、信頼性の高い静電アクチュエータを製造することができる。
また、水素化アモルファスカーボン膜は、固定電極上に直接成膜されるのではなく、下地膜としてのアモルファスカーボン膜を形成した上に形成されるため、水素化アモルファスカーボン膜の成膜時にITO等からなる固定電極をアタックするという不都合を防止することができ、また基板接合部のアモルファスカーボン膜及び水素化アモルファスカーボン膜をO2 アッシングにより同時に除去できるため、製造工程を確実かつ簡便にすることができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、固定電極と可動電極との間に静電気力を発生させて可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータの製造方法において、固定電極が形成されたガラス基板上に、アモルファスカーボン膜を形成する工程と、可動電極が形成されるシリコン基板のガラス基板との接合側表面全面に、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を形成する工程と、シリコン熱酸化膜の表面に水素化アモルファスカーボン膜を形成する工程と、ガラス基板とシリコン基板とを陽極接合する工程と、シリコン基板の接合面と反対の表面からエッチング加工して可動電極を形成する工程と、を有するものである。
この製造方法によれば、可動電極と固定電極とが当接する対向面の両方ともに、DLC膜(アモルファスカーボン膜及び水素化アモルファスカーボン膜)を形成するため、静電アクチュエータの駆動耐久性及び信頼性を更に向上させることができる。
また、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を用いているため、信頼性の高い静電アクチュエータを製造することができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、固定電極と可動電極との間に静電気力を発生させて可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータの製造方法において、固定電極が形成されたガラス基板上に、アモルファスカーボン膜を形成する工程と、可動電極が形成されるシリコン基板のガラス基板との接合側表面全面に、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を形成する工程と、アモルファスカーボン膜及びシリコン熱酸化膜のそれぞれの表面に水素化アモルファスカーボン膜を形成する工程と、ガラス基板とシリコン基板とを陽極接合する工程と、シリコン基板の接合面と反対の表面からエッチング加工して可動電極を形成する工程と、を有するものである。
この製造方法によれば、固定電極の可動電極との対向面部分に、硬質且つ潤滑性が高い特徴を有する水素化アモルファスカーボン膜を形成するため、静電アクチュエータの駆動耐久性及び信頼性を向上させることができる。
また、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を用いているため、信頼性の高い静電アクチュエータを製造することができる。
また、水素化アモルファスカーボン膜は、固定電極上に直接成膜されるのではなく、下地膜としてのアモルファスカーボン膜を形成した上に形成されるため、水素化アモルファスカーボン膜の成膜時にITO等からなる固定電極をアタックするという不都合を防止することができ、また基板接合部のアモルファスカーボン膜及び水素化アモルファスカーボン膜をO2 アッシングにより同時に除去できるため、製造工程を確実かつ簡便にすることができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、陽極接合する工程の前に、ガラス基板またはシリコン基板の接合部における水素化アモルファスカーボンまたは、水素化アモルファスカーボン及びアモルファスカーボンの部分を除去する工程を有するものである。
水素化アモルファスカーボン及びアモルファスカーボンの部分は陽極接合が困難であるため、これを除去することにより、陽極接合が可能である。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出する単一又は複数のノズル孔を有するノズル基板と、ノズル基板との間で、ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、吐出室の底部にて構成される可動電極の振動板に所定のギャップを介して対向配置される固定電極の個別電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、上記の何れかの静電アクチュエータを備えたものである。
本発明の液滴吐出ヘッドは、上記の静電アクチュエータを備えているため、駆動耐久性及び信頼性の高い液滴吐出ヘッドとすることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出する単一又は複数のノズル孔を有するノズル基板と、ノズル基板との間で、ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、吐出室の底部にて構成される可動電極の振動板に所定のギャップを介して対向配置される固定電極の個別電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、上記の何れかの静電アクチュエータの製造方法を適用するものである。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記の何れかの静電アクチュエータの製造方法を適用するものであるので、駆動耐久性及び信頼性の高い液滴吐出ヘッドを製造することができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを備えたものであるので、駆動耐久性及び信頼性の高い液滴吐出装置とすることができる。
以下、本発明を適用した静電アクチュエータを備える液滴吐出ヘッドの実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、ノズル基板の表面に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するフェイス吐出型の静電駆動方式のインクジェットヘッドについて図1から図5を参照して説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、吐出室とリザーバ部が別々の基板に設けられた4枚の基板を積層した4層構造のものや、基板の端部に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するエッジ吐出型の液滴吐出ヘッドにも同様に適用することができるものである。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を分解して示す分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は組立状態における図1の略右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図、図3は図2のA部の拡大断面図、図4は図2のa−a拡大断面図、図5は図2のインクジェットヘッドの上面図である。なお、図1および図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
本実施の形態のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)10は、図1および図2に示すように、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2に設けられた振動板6に対峙して個別電極5が配設された電極基板3とを貼り合わせることにより構成されている。
インクジェットヘッド10のノズル孔11ごとに設けられる静電アクチュエータ部4は、図2から図4に示すように、固定電極として、ガラス製の電極基板3の凹部32内に形成された個別電極5と、可動電極として、シリコン製のキャビティ基板2の吐出室21の底壁で構成され、個別電極5に所定のギャップGを介して対向配置される振動板6とを備えている。
ここで、本例では、個別電極5と振動板6のそれぞれの対向面の少なくとも一方の表面に、DLCのうち、アモルファスカーボン膜に比べて膜表面の潤滑性が高い性質を有する水素化アモルファスカーボン膜9を用いることに一つの特徴がある。そして、本例では、水素化アモルファスカーボン膜9の成膜面やその数に応じて、3つの構成例を提案する。以下、図2〜図4の構成例を第1構成例、後記の図6〜図8を第2構成例、図9〜図11を第3構成例とする。
(第1構成例)
ここではまず、第1構成例における静電アクチュエータ部4について説明する。
第1構成例は、水素化アモルファスカーボン膜9を個別電極5側に形成した構成である。すなわち、個別電極5の振動板6との対向面(振動板側対向面)に水素化アモルファスカーボン膜9が形成されており、その下地膜としてアモルファスカーボン膜7が形成されている。また、振動板6の個別電極5との対向面(個別電極側対向面)、すなわち電極基板3に接合されるキャビティ基板2の接合面全面には、シリコン熱酸化膜(熱酸化SiO2)からなる絶縁膜8が形成されている。
なお、膜厚については、シリコン熱酸化膜8を110nm、アモルファスカーボン膜7を5nm、水素化アモルファスカーボン膜を5nmとしている。ギャップGの距離は200nmで、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極5の厚さは100nmとしている。
第1構成例における静電アクチュエータ部4は以上のように構成されている。
また、シリコン製のキャビティ基板2とガラス製の電極基板3とは、シリコン熱酸化膜8を介して陽極接合されている。そして、電極基板3に形成された個別電極5の端子部5aと、キャビティ基板2の接合面と反対の上面に形成された共通電極26とに、駆動手段として、ドライバICなどの駆動制御回路40が図2、図3、図5に示すように配線接続される。
以下、各基板の構成についてさらに詳細に説明する。
ノズル基板1は、例えばシリコン基板から作製されている。インク滴を吐出するためのノズル孔11は、例えば径の異なる2段の円筒状に形成されたノズル孔部分、すなわち径の小さい噴射口部分11aとこれよりも径の大きい導入口部分11bとから構成されている。噴射口部分11aおよび導入口部分11bは基板面に対して垂直にかつ同軸上に設けられており、噴射口部分11aは先端がノズル基板1の表面に開口し、導入口部分11bはノズル基板1の裏面(キャビティ基板2と接合される接合側の面)に開口している。
また、ノズル基板1には、キャビティ基板2の吐出室21とリザーバ23とを連通するオリフィス12とリザーバ23部の圧力変動を補償するためのダイヤフラム部13が形成されている。
ノズル孔11を噴射口部分11aとこれよりも径の大きい導入口部分11bとから2段に構成することにより、インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐出特性を発揮させることができる。すなわち、インク滴の飛翔方向のばらつきがなくなり、またインク滴の飛び散りがなく、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することができる。また、ノズル密度を高密度化することが可能である。
キャビティ基板2は、例えば面方位が(110)のシリコン基板から作製されている。キャビティ基板2には、インク流路に設けられる吐出室21となる凹部24、およびリザーバ23となる凹部25がエッチングにより形成されている。凹部24は前記ノズル孔11に対応する位置に独立に複数形成される。したがって、図2に示すようにノズル基板1とキャビティ基板2を接合した際、各凹部24は吐出室21を構成し、それぞれノズル孔11に連通しており、またインク供給口である前記オリフィス12ともそれぞれ連通している。そして、吐出室21(凹部24)の底部が上記振動板6となっている。また、この振動板6は、シリコン基板の表面からボロン(B)を拡散させてボロン拡散層を形成し、ウェットエッチングによりエッチングストップしてそのボロン拡散層の厚さで薄く仕上げられている。また、振動板6の個別電極5との対向面には前述のようにシリコン熱酸化膜8が形成されている。
凹部25は、インク等の液状材料を貯留するためのものであり、各吐出室21に共通のリザーバ(共通インク室)23を構成する。そして、リザーバ23(凹部25)はそれぞれオリフィス12を介して全ての吐出室21に連通している。また、リザーバ23の底部には後述する電極基板3を貫通する孔が設けられ、この孔のインク供給孔33を通じて図示しないインクカートリッジからインクが供給されるようになっている。
電極基板3は、例えばガラス基板から作製される。中でも、キャビティ基板2のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適している。これは、電極基板3とキャビティ基板2を陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティ基板2との間に生じる応力を低減することができ、その結果剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティ基板2を強固に接合することができるからである。
電極基板3には、キャビティ基板2の各振動板6に対向する表面位置にそれぞれ凹部32が設けられている。凹部32は、エッチングにより所要の深さで形成されている。そして、各凹部32内には、一般に、ITOからなる個別電極5が、例えば100nmの厚さで形成される。さらに、個別電極5の表面にはアモルファスカーボン膜7がグラファイトをターゲットとしたECRスパッタ法により形成され、さらにその上には水素化アモルファスカーボン膜9がトルエンを原料ガスとしたプラズマCVD法によりそれぞれ所要の厚さで形成されている。したがって、振動板6と個別電極5との間に形成されるギャップ(空隙)Gは、この凹部32の深さ、個別電極5、アモルファスカーボン膜7、水素化アモルファスカーボン膜9およびシリコン熱酸化膜8の各厚さにより決まることになる。このギャップGはインクジェットヘッドの吐出特性に大きく影響するので、凹部32の深さ、個別電極5の厚さ、アモルファスカーボン膜7の厚さ、水素化アモルファスカーボン膜9の厚さ、シリコン熱酸化膜8の厚さを高精度に加工する必要がある。
個別電極5は、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部5aを有する。端子部5aは、図2、図5に示すように、配線のためにこの部分の水素化アモルファスカーボン膜9およびアモルファスカーボン膜7が除去され、かつ、キャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部34内に露出している。
また、振動板6と個別電極5との間に形成されるギャップGの開放端部はエポキシ等の樹脂による封止材35で封止される。これにより、湿気や塵埃等が電極間ギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
上述したように、ノズル基板1、キャビティ基板2、および電極基板3は、図2に示すように貼り合わせることによりインクジェットヘッド10の本体部が作製される。すなわち、キャビティ基板2と電極基板3は陽極接合により接合され、そのキャビティ基板2の上面(図2において上面)にノズル基板1が接着等により接合される。
そして最後に、図2、図5に簡略化して示すように、ドライバIC等の駆動制御回路40が各個別電極5の端子部5aとキャビティ基板2上面の共通電極26とに上記フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続される。
以上により、インクジェットヘッド10が完成する。
なお、図2及び図4に示すように、電極基板3において、キャビティ基板2との接合面となる部分のDLC膜(アモルファスカーボン膜7及び水素化アモルファスカーボン膜9)は除去され、電極基板3を構成するガラス面を露出するようにしている。これは、シリコン製のキャビティ基板2とガラス製の電極基板3とを陽極接合するに際し、後述の表1に示すように接合強度が低いDLC膜を除去しておくことで、接合強度低下防止を図ろうとするものである。
次に、以上のように構成されるインクジェットヘッド10の動作を説明する。
駆動制御回路40により個別電極5とキャビティ基板2の共通電極26の間にパルス電圧を印加すると、振動板6は個別電極5側に引き寄せられて吸着し、吐出室21内に負圧を発生させて、リザーバ23内のインクを吸引し、インクの振動(メニスカス振動)を発生させる。このインクの振動が略最大となった時点で、電圧を解除すると、振動板6は離脱して、インクをノズル11から押出し、インク液滴を吐出する。
その際、振動板6はその対向面に形成されたシリコン熱酸化膜8と、個別電極5の対向面に形成されたアモルファスカーボン膜7及びその上に形成された水素化アモルファスカーボン膜9を介して個別電極5側に吸着する。すなわち、振動板6はこれらの各膜を介して個別電極5側の水素化アモルファスカーボン膜9と当接および離脱を繰り返すことになる。このとき、水素化アモルファスカーボン膜9には繰り返し接触によるストレス等が作用するが、水素化アモルファスカーボン膜9は硬質膜であり、また、水素化アモルファスカーボン膜9と同じくDLCに分類されるアモルファスカーボン膜7に比べて膜表面の潤滑性が非常に高いため、DLCのうち、特に水素化アモルファスカーボン膜9を用いることで、膜の破壊がなく、駆動耐久性を向上することが可能となる。
また、このインクジェットヘッド10は、上記のように構成された静電アクチュエータ部4を備えているので、駆動耐久性および駆動の安定性に優れたものとすることができる。
本実施の形態1の静電アクチュエータ部4は、前述のように、振動板6と個別電極5とが当接する当接面部分に、アモルファスカーボン膜7に比べて硬質且つ潤滑性が高い特徴を有する水素化アモルファスカーボン膜9を用いているため、水素化アモルファスカーボン膜9を省略し個別電極5上にアモルファスカーボン膜7を一層だけ形成する場合に比べて、静電アクチュエータ部4の駆動耐久性及び信頼性を大幅に向上させることができる。
駆動耐久性に関し、本発明者らが試験を行った結果、個別電極5上にアモルファスカーボン膜7を一層だけ形成した場合では、1億回以下の振動板6の繰り返し駆動で膜の破壊があったのに対し、図3に示したように水素化アモルファスカーボン膜9を形成した構成とした場合では、100億回以上、振動板6を繰り返し駆動させても膜の破壊が見られないことが確認された。
また、本例の静電アクチュエータ部4において、水素化アモルファスカーボン膜9は、個別電極5上に直接成膜されるのではなく、下地膜としてのアモルファスカーボン膜7を形成した上に形成されるため、水素化アモルファスカーボン膜9の成膜時にITOからなる個別電極5をアタックするという不都合を防止することができる。また、下地膜にアモルファスカーボン膜7を形成した場合、電極基板3の接合部のアモルファスカーボン膜7及び水素化アモルファスカーボン膜9を同時にO2 アッシングにより除去できるため、製造工程を確実かつ簡便にすることができる。
なお、個別電極5上に直接形成されるアモルファスカーボン膜7は、グラファイトをターゲットとするECRスパッタ法を用いて形成するため、原料ガスによってITOからなる個別電極5がアタックされることがない。さらに、5nm程度の非常に薄い膜を均一に形成することができる。
また、アモルファスカーボン膜7と水素化アモルファスカーボン膜9とを共にスパッタ法で成膜してもよく、この場合、ガスを切り替えることによって、チャンバーから取り出さずに連続的に成膜できるため、効率的に成膜を行うことができる。
また、振動板6に、絶縁耐圧や接合強度に優れた材料であるシリコン熱酸化膜8を形成しているので、信頼性の高い静電アクチュエータ部4を構成することができる。
なお、水素化アモルファスカーボン膜9は、振動板6と個別電極5とが当接する当接面部分に形成されていれば良いため、次の構成例2でも示すように振動板6側に形成してもよいが、製造工程の単純化の面からは、第1構成例のように、個別電極5側に形成するのが好ましい。これは、前述したように、キャビティ基板2と電極基板3(ガラス基板)との接合部分のDLC膜を除去する必要があり、DLC膜の除去の際はパターニングが必要である。この際、ガラス基板側にDLC膜を形成したほうがパターニングが容易で、より確実、簡便に除去できるからである。
(第2構成例)
次に、第2構成例の静電アクチュエータ部4Aついて説明する。
図6は、第2構成例の静電アクチュエータ部4Aを有するインクジェットヘッド10の概略断面図、図7は図6のB部の拡大断面図、図8は図6のb−b拡大断面図である。なお、第2構成例以下において、特に断らない限り上記の第1構成例と対応する部分には同じ符号を付して説明は省略する。
第2構成例は、第1構成例において個別電極5側に設けていた水素化アモルファスカーボン膜9を振動板6側に設けたものである。すなわち、個別電極5上にはアモルファスカーボン膜7のみが形成され、振動板6上にシリコン熱酸化膜8と水素化アモルファスカーボン膜9とが順に積層された構成となっている。
第2構成例では、振動板6と個別電極5とが当接する対向面が両方ともDLC膜で形成されているため、第1構成例に比べて駆動耐久性を更に向上することができる。
(第3構成例)
次に、第3構成例の静電アクチュエータ部4Bについて説明する。
図9は、第3構成例の静電アクチュエータ部4Bを有するインクジェットヘッドの断面図、図10は図9のC部の拡大断面図、図11は図9のc−c拡大断面図である。
第3構成例は、振動板6と個別電極5との対向面の両方を、水素化アモルファスカーボン膜9としたものである。すなわち、個別電極5上には、アモルファスカーボン膜7と水素化アモルファスカーボン膜9とが順に積層され、振動板6上には、シリコン熱酸化膜8と水素化アモルファスカーボン膜9とが順に積層された構成となっている。
第3構成例では、振動板6と個別電極5とが当接する対向面の両方とも、DLC膜のうち、特に水素化アモルファスカーボン膜9で形成されているため、第1及び第2構成例に比べて更に駆動耐久性を向上することができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、上記実施の形態1の第1構成例〜第3構成例において、シリコン熱酸化膜で形成していた絶縁膜8部分を、シリコン熱酸化膜に代えて、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高い絶縁膜で形成するようにしたものである。
実施の形態2のインクジェットヘッド10は、実施の形態1と静電アクチュエータ部の構成が異なるのみであり、以下では、実施の形態1と異なる静電アクチュエータ部について図を用いて説明し、インクジェットヘッド10全体の構成やその説明は省略する。以下ではまず、第1構成例において、絶縁膜8部分を、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高い絶縁膜で形成した場合について図示して説明する。
図12は本発明の実施の形態2に係る静電アクチュエータ部4Cの要部拡大断面図である。
本実施の形態2における静電アクチュエータ部4Cは、絶縁膜8が、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高い絶縁膜で形成されている。
シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高い誘電材料、すなわちいわゆるHigh−k材と呼ばれる高誘電材料としては、例えば酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al23、アルミナ)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta23)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiN)、酸窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、窒化アルミ(AlN)、窒化ジルコニウム(ZrO2)、酸化セリウム(CeO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化イットリウム(Y23)、ジルコニウムシリケート(ZrSiO)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、ジルコニウムアルミネート(ZrAlO)、窒素添加ハフニウムアルミネート(HfAlON)、及びこれらの複合膜等を挙げることができる。その中でも膜の低温成膜性、膜の均質性、プロセス適応性等を考慮した場合、酸化アルミニウム(Al23、アルミナ)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiN)、酸窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)を使用することが望ましく、これらの中から少なくとも一つが選ばれる。
図12には、アルミナの例を図示している。また、図12に示す例では、アルミナ膜(Al23 )8を110nm、アモルファスカーボン膜7を5nm、水素化アモルファスカーボン膜9を5nmとし、ギャップGの距離は200nmとしている。
次に、絶縁膜を有する静電アクチュエータの発生圧力について説明する。
駆動時における振動板6を吸引する静電圧力(発生圧力)Pは、静電エネルギーをE、振動板6の個別電極5に対する任意の位置をx、振動板6の面積をS、印加電圧をV、絶縁膜の厚さをt、真空中の誘電率をε0、絶縁膜の比誘電率をεrとすると、以下の式で表される。
Figure 2009248548
また、振動板6の駆動時における平均圧力Peは、振動板6が駆動していない時の振動板6から個別電極5までの距離(ギャップの距離)をdとして、以下の式で表される。
Figure 2009248548
上記の式(2)から、絶縁膜の比誘電率が大きいほど、あるいは絶縁膜の厚さに対する比誘電率の比(t/ε)が小さいほど、平均圧力Peが高くなることが分かる。従って、シリコン熱酸化膜より比誘電率の高いHigh−k材を絶縁膜として適用すれば、静電アクチュエータにおける発生圧力を高くすることができる。
また、絶縁膜としてHigh−k材を適用したインクジェットヘッド10の場合、振動板6の面積を小さくしてもインク滴の吐出に必要なパワーを得ることが可能となる。このため、インクジェットヘッド10において振動板6の幅を小さくして、吐出室21のピッチ、すなわちノズル11のピッチを小さくすることにより解像度を上げることができ、より高精細な印刷を高速で行うことのできるインクジェットヘッド10を得ることができる。さらに振動板6の長さを短くすることにより、インク流路における応答性を向上して駆動周波数を上げることができ、より高速の印刷を行うことが可能となる。
また例えば、絶縁膜8の比誘電率を全体として2倍にすれば、絶縁膜8の厚さを2倍にしてもほぼ同じ発生圧力が得られるため、静電アクチュエータにおけるTDDB(Time Depend Dielectric Breakdown、長時間の絶縁破壊強度)、TZDB(Time Zero Dielectric Breakdown、瞬間における絶縁破壊強度)等の耐絶縁破壊強度をほぼ2倍にできることが分かる。
表1に、本発明の実施の形態1及び2において適用する各種絶縁膜、DLC膜の特性を示す。表1から、アルミナ(Al23)は比誘電率がシリコン熱酸化膜(SiO2)に比べて非常に大きい。従って、絶縁膜として、アルミナ等の高誘電材料を使用すれば、静電アクチュエータの発生圧力を向上させることが可能となる。
Figure 2009248548
なお、ここでは、第1構成例の静電アクチュエータ部4において、絶縁膜8部分を高誘電材料のアルミナを用いた場合を例に説明したが、図13及び図14に示すように、第2構成例及び第3構成例においても同様に、絶縁膜8部分を高誘電材料のアルミナを用いた構成としてもよい。
本実施の形態2の静電アクチュエータ部4C〜4Eは、実施の形態1の対応の静電アクチュエータ4〜4Bと同様の作用効果がそれぞれ得られるとともに、前述のように、振動板6側の絶縁膜8を、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高いHigh−k材としたため、シリコン熱酸化膜とした実施の形態1の構成と比べてアクチュエータの発生圧力を向上することが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3は、上記実施の形態1の第1構成例〜第3構成例において、シリコン熱酸化膜で形成していた絶縁膜8部分を、シリコン熱酸化膜に代えて、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高い誘電材料と、酸化シリコン膜とを順次積層した積層構成としたものである。
実施の形態3のインクジェットヘッド10は、実施の形態1と静電アクチュエータ部の構成が異なるのみであり、以下では、実施の形態1と異なる静電アクチュエータ部について図を用いて説明し、インクジェットヘッド10全体の構成やその説明は省略する。以下ではまず、第1構成例において、絶縁膜8部分を、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高い絶縁膜と、酸化シリコン膜とを順次積層した積層構成とした場合について説明する。
図15は本発明の実施の形態3に係る静電アクチュエータ部4Fの要部拡大断面図である。
本実施の形態3における静電アクチュエータ部4Fは、絶縁膜8が、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高い絶縁膜としてのアルミナ膜(Al23 )8aと、酸化シリコン膜(SiO2 )8bとを順次積層した積層構成となっている。なお、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高い誘電材料は、アルミナに限られず、上記の中から選択できる。
また、図15に示す例では、アルミナ膜8aを60nm、酸化シリコン膜8bを60nm、アモルファスカーボン膜7を5nm、水素化アモルファスカーボン膜9を5nmとし、ギャップGの距離は200nmとしている。
なお、ここでは、第1構成例の静電アクチュエータ部4において、絶縁膜8部分を上記の積層構成とした場合を例に説明したが、図16及び図17に示すように、第2構成例及び第3構成例においても同様に、これらの絶縁膜8部分を、High−k材と、絶縁耐圧の高いSiO2 膜とを積層した構成としてもよい。
本実施の形態3の静電アクチュエータ部4F〜4Hは、実施の形態1の対応の静電アクチュエータ4〜4Bと同様の作用効果がそれぞれ得られるとともに、前述のように、振動板の絶縁膜8部分を、シリコン熱酸化膜よりも比誘電率の高いHigh−k材と、絶縁耐圧の高いSiO2 膜とを積層した構成としたことにより、静電アクチュエータの発生圧力向上と信頼性向上との両方の効果を得ることができる。
実施の形態4.
実施の形態4は、実施の形態1〜3に係るインクジェットヘッド10の製造方法の一例について図18から図20を参照して概要を説明する。図18はインクジェットヘッド10の製造工程の概略の流れを示すフローチャート、図19は電極基板3の製造工程の概要を示す断面図、図20はインクジェットヘッド10の製造工程の概要を示す断面図である。
図18において、ステップS1〜S4は電極基板3の製造工程を示すものであり、ステップS5とS6はキャビティ基板2の元になるシリコン基板の製造工程を示すものである。
ここでは、主に実施の形態1の第1構成例の静電アクチュエータ部4を備えたインクジェットヘッド10の製造方法について説明するが、必要に応じて他の構成例及び他の実施の形態についても言及する。
電極基板3は以下のようにして製造される。
まず、硼珪酸ガラス等からなる板厚約1mmのガラス基板300に、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより所望の深さの凹部32を形成する。なお、この凹部32は個別電極5の形状より少し大きめの溝状のものであり、個別電極5ごとに複数形成される。
そして、例えば、スパッタ法によりITO(Indium Tin Oxide)膜を例えば100nmの厚さで形成し、このITO膜をフォトリソグラフィーによりパターニングして個別電極5となる部分以外をエッチング除去して、凹部32の内部に個別電極5を形成する(図18のS1、図19(a))。
次に、ガラス基板300の接合面側の表面全体に、アモルファスカーボン膜7をグラファイトをターゲットとしたECRスパッタ法を用いて5nmの厚さで形成する(図18のS2)。この方法でアモルファスカーボン膜7を形成することにより、5nm程度の非常に薄い膜を均一に成膜することができる。ついで、このアモルファスカーボン膜7の上に、トルエンを原料ガスに用いたプラズマCVD法により、水素化アモルファスカーボン膜9を、例えば5nmの厚みで全面成膜する(図18のS3、図19(b))。
次に、ガラス基板300の接合部36及び個別電極5の端子部5aに対応する部分のみをパターニングして、その部分のDLC膜(アモルファスカーボン膜7及び水素化アモルファスカーボン膜9)をO2アッシングにより除去する。下地膜としてのアモルファスカーボン膜7を形成した場合、アモルファスカーボン膜7と水素化アモルファスカーボン膜9を同時にO2 アッシングにより除去できるため、製造工程を確実かつ簡便にすることができる。その後、ブラスト加工等によってインク供給孔33となる孔部33aを形成する。
以上により、実施の形態1の電極基板3を作製することができる。
なお、上記の第1構成例では、水素化アモルファスカーボン膜9をプラズマCVD法で形成したが、CH4ガスを添加したECRスパッタ法を用いてもよい。水素化アモルファスカーボン膜9をスパッタ法で形成することとした場合、アモルファスカーボン膜7と水素化アモルファスカーボン膜9の両方ともスパッタ法で成膜されることになり、ガスを切り替えることによって、チャンバーから取り出さずに連続的に成膜することが可能となり、効率的に成膜を行うことが可能となる。
ここで、第2構成例及び第3構成例について言及すると、第2構成例の場合は、図18のS3の工程が省略されるとともに、S4の工程でO2アッシングにより除去されるのがアモルファスカーボン膜7のみとなる。また、第3構成例の場合は、上記第1構成例の場合と同じである。
以上により、第1構成例〜第3構成例の電極基板3を作製することができる。
キャビティ基板2は上記により作製された電極基板3にシリコン基板200を陽極接合してから作製される。
まず、例えば厚さが280μmのシリコン基板200の片面全面に、例えば厚さが0.8μmのボロン拡散層201を形成したシリコン基板200を作製する(図18のS5)。
次に、そのシリコン基板200のボロン拡散層201の表面(下面)上に、絶縁膜8を全面形成する。第1構成例では、絶縁膜8として、シリコン熱酸化膜を例えば110nmの厚みで全面形成する(図18のS6、図20(a))。
なお、第2構成例では、シリコン熱酸化膜の表面に更に水素化アモルファスカーボン膜9を5nmの厚みで全面形成する。その後、シリコン基板200のガラス基板300との接合面に対応する部分のみをパターニングしてその部分の水素化アモルファスカーボン膜9をO2 アッシングにより除去する。
また、第3構成例では、第2構成例の場合と同じである。
なお、実施の形態2の場合は、上記第1構成例〜第3構成例のそれぞれにおいて、上記シリコン熱酸化膜に代えて、アルミナ膜をボロン拡散層201の表面上に全面成膜すればよい。
また、実施の形態3の場合は、上記第1構成例〜第3構成例のそれぞれにおいて、上記シリコン熱酸化膜に代えて、アルミナ膜をボロン拡散層201の表面上に全面成膜し、更にその表面に酸化シリコン膜を全面成膜する。
以上により、実施の形態1〜3のシリコン基板200を作製することができる。
次に、以上により作製されたシリコン基板200を上記電極基板3上にアライメントして陽極接合する(図18のS7、図20(b))。
ついで、この接合済みシリコン基板200の表面全面を研磨加工して、厚さを例えば50μm程度に薄くし(図18のS8、図20(c))、さらにこのシリコン基板200の表面全面をウェットエッチングによりライトエッチングして加工痕を除去する(図18のS9)。
次に、薄板に加工された接合済みシリコン基板200の表面にフォトリソグラフィーによってレジストパターニングを行い(図18のS10)、ウェットエッチング又はドライエッチングによってインク流路溝を形成する(図18のS11)。これによって、吐出室21となる凹部24、リザーバ23となる凹部24および電極取り出し部34となる凹部27が形成される(図20(d))。その際、ボロン拡散層201の表面でエッチングストップがかかるので、振動板6の厚さを高精度に形成することができるとともに、表面荒れを防ぐことができる。
次に、ICP(Inductively Coupled Plasma)ドライエッチングにより、凹部27の底部を除去して電極取り出し部34を開口した後(図20(e))、静電アクチュエータの内部に付着している水分を除去する(図18のS12)。水分除去はこのシリコン基板を例えば真空チャンバ内に入れ、窒素雰囲気にして行う。そして、所要時間経過後、窒素雰囲気下でギャップ開放端部にエポキシ樹脂等の封止材35を塗布して気密に封止する(図18のS13、図20(f))。このように静電アクチュエータ内部(ギャップ内)の付着水分を除去した後、気密封止することによって、静電アクチュエータの駆動耐久性を向上させることができる。
また、マイクロブラスト加工等により凹部24の底部を貫通させてインク供給孔33を形成する。さらに、インク流路溝の腐食を防止するため、このシリコン基板の表面にプラズマCVD法によりTEOS−SiO2膜からなるインク保護膜(図示せず)を形成する。また、シリコン基板上に金属からなる共通電極26を形成する。
以上の工程を経て電極基板3に接合されたシリコン基板200からキャビティ基板2が作製される。
その後、このキャビティ基板2の表面上に、予めノズル孔11等が形成されたノズル基板1を接着により接合する(図18のS14、図20(g))。そして最後に、ダイシングにより個々のヘッドチップに切断すれば、上述したインクジェットヘッド10の本体部が完成する(図18のS15)。
このインクジェットヘッド10の製造方法によれば、前述したように、アクチュエータの発生圧力が向上し、絶縁耐圧、駆動耐久性および吐出性能に優れた静電アクチュエータを備えるインクジェットヘッドを安価に製造することができる。
また、キャビティ基板2を、予め作製された電極基板3に接合した状態のシリコン基板200から作製するものであるので、その電極基板3によりキャビティ基板2を支持した状態となるため、キャビティ基板2を薄板化しても、割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易となる。したがって、キャビティ基板2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上する。
以上の実施の形態では、静電アクチュエータおよびインクジェットヘッド、ならびにこれらの製造方法について述べたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の思想の範囲内で種々変更することができる。例えば、本発明の静電アクチュエータは、光スイッチやミラーデバイス、マイクロポンプ、レーザプリンタのレーザ操作ミラーの駆動部などにも利用することができる。また、ノズル孔より吐出される液状材料を変更することにより、インクジェットプリンタのほか、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、遺伝子検査等に用いられる生体分子溶液のマイクロアレイの製造など様々な用途の液滴吐出装置として利用することができる。
例えば、図21は、本発明のインクジェットヘッドを備えるインクジェットプリンタの概要を示すものである。
このインクジェットプリンタ500は、記録紙501を副走査方向Yに向けて搬送するプラテン502と、このプラテン502にインクノズル面が対峙しているインクジェットヘッド10(又は10A)と、このインクジェットヘッド10(又は10A)を主走査方向Xに向けて往復移動させるためのキャリッジ503と、インクジェットヘッド10の各インクノズルにインクを供給するインクタンク504とを有している。
したがって、高解像度、高速駆動のインクジェットプリンタを実現できる。
実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 実施の形態1に係る第1構成例の静電アクチュエータ部4を有するインクジェットヘッドの断面図。 図2のA部の拡大断面図。 図2のa−a拡大断面図。 図2のインクジェットヘッドの上面図。 実施の形態1に係る第2構成例の静電アクチュエータ部4Aを有するインクジェットヘッドの断面図。 図6のB部の拡大断面図。 図6のb−b拡大断面図。 実施の形態1に係る第3構成例の静電アクチュエータ部4Bを有するインクジェットヘッドの断面図。 図9のC部の拡大断面図。 図9のc−c拡大断面図。 実施の形態2に係る第1構成例の静電アクチュエータ部4Cの拡大断面図。 実施の形態2に係る第2構成例の静電アクチュエータ部4Dの拡大断面図。 実施の形態2に係る第3構成例の静電アクチュエータ部4Eの拡大断面図。 実施の形態3に係る第1構成例の静電アクチュエータ部4Fの拡大断面図。 実施の形態3に係る第2構成例の静電アクチュエータ部4Gの拡大断面図。 実施の形態3に係る第3構成例の静電アクチュエータ部4Hの拡大断面図。 インクジェットヘッドの製造工程の概略の流れを示すフローチャート。 電極基板の製造工程の概要を示す断面図。 インクジェットヘッドの製造工程の概要を示す断面図。 本発明のインクジェットヘッドを適用したインクジェットプリンタの一例を示す概略斜視図。
符号の説明
1 ノズル基板、2 キャビティ基板、3 電極基板、4,4A〜4H 静電アクチュエータ部、5 個別電極、6 振動板、7 アモルファスカーボン膜、8 絶縁膜(シリコン熱酸化膜、アルミナ膜)、8a アルミナ膜、8b 酸化シリコン膜、9 水素化アモルファスカーボン膜、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、21 吐出室、22 凹部、200 シリコン基板、300 ガラス基板、500 インクジェットプリンタ。

Claims (14)

  1. 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、
    前記固定電極の前記可動電極との対向面にアモルファスカーボン膜を設けるとともに、前記可動電極の前記固定電極との対向面に絶縁膜を設け、前記アモルファスカーボン膜の表面に水素化アモルファスカーボン膜を設けたことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、
    前記固定電極の前記可動電極との対向面にアモルファスカーボン膜を設けるとともに、前記可動電極の前記固定電極との対向面に絶縁膜を設け、前記絶縁膜の表面に水素化アモルファスカーボン膜を設けたことを特徴とする静電アクチュエータ。
  3. 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、
    前記固定電極の前記可動電極との対向面にアモルファスカーボン膜を設けるとともに、前記可動電極の前記固定電極との対向面に絶縁膜を設け、前記アモルファスカーボン膜及び前記絶縁膜のそれぞれの表面に水素化アモルファスカーボン膜を設けたことを特徴とする静電アクチュエータ。
  4. 前記絶縁膜を、シリコン熱酸化膜としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記絶縁膜を、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料で構成された膜としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の静電アクチュエータ。
  6. 前記絶縁膜を、酸化シリコン膜よりも比誘電率が高い誘電材料で構成された膜と、酸化シリコン膜との積層構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の静電アクチュエータ。
  7. 前記誘電材料として、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiN)、酸窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)の中から少なくとも一つが選ばれることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の静電アクチュエータ。
  8. 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータの製造方法において、
    前記固定電極が形成されたガラス基板上に、アモルファスカーボン膜を形成する工程と、
    前記アモルファスカーボン膜の表面に水素化アモルファスカーボン膜を形成する工程と、
    前記可動電極が形成されるシリコン基板の前記ガラス基板との接合側表面全面に、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を形成する工程と、
    前記ガラス基板と前記シリコン基板とを陽極接合する工程と、
    前記シリコン基板の接合面と反対の表面からエッチング加工して前記可動電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  9. 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータの製造方法において、
    前記固定電極が形成されたガラス基板上に、アモルファスカーボン膜を形成する工程と、
    前記可動電極が形成されるシリコン基板の前記ガラス基板との接合側表面全面に、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を形成する工程と、
    前記シリコン熱酸化膜の表面に水素化アモルファスカーボン膜を形成する工程と、
    前記ガラス基板と前記シリコン基板とを陽極接合する工程と、
    前記シリコン基板の接合面と反対の表面からエッチング加工して前記可動電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  10. 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータの製造方法において、
    前記固定電極が形成されたガラス基板上に、アモルファスカーボン膜を形成する工程と、
    前記可動電極が形成されるシリコン基板の前記ガラス基板との接合側表面全面に、絶縁膜としてシリコン熱酸化膜を形成する工程と、
    前記アモルファスカーボン膜及び前記シリコン熱酸化膜のそれぞれの表面に水素化アモルファスカーボン膜を形成する工程と、
    前記ガラス基板と前記シリコン基板とを陽極接合する工程と、
    前記シリコン基板の接合面と反対の表面からエッチング加工して前記可動電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  11. 前記陽極接合する工程の前に、前記ガラス基板または前記シリコン基板の接合部における前記水素化アモルファスカーボンまたは、前記水素化アモルファスカーボン及びアモルファスカーボンの部分を除去する工程を有することを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
  12. 液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板との間で、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、前記吐出室の底部にて構成される可動電極の振動板に所定のギャップを介して対向配置される固定電極の個別電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の静電アクチュエータを備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  13. 液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板との間で、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、前記吐出室の底部にて構成される可動電極の振動板に所定のギャップを介して対向配置される固定電極の個別電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    請求項8乃至請求項12の何れかに記載の静電アクチュエータの製造方法を適用することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  14. 請求項12記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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