JP2008265019A - 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びに液滴吐出装置 - Google Patents

静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びに液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】振動板を薄膜にしても、また絶縁膜にHigh−k材や表面保護膜を使用しても、振動板の反りなどの変形を抑制できる静電アクチュエータ等を提供する。
【解決手段】振動板5と、この振動板に対向する電極(個別電極6)と、前記振動板を静電気力により変位させる駆動手段20とを有する静電アクチュエータにおいて、前記振動板5は、前記電極に対する電極側対向面に絶縁膜7を有するとともに、前記電極側対向面と反対面に前記絶縁膜7の膜応力を打ち消すための応力調整膜8を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェットヘッド等に用いられる静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びに液滴吐出装置に関する。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、駆動部により吐出室に圧力を加えることによりインク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。駆動手段としては、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用する方式等がある。ここでは、液滴を吐出させるために静電気力を利用する駆動方式を「静電アクチュエータ」と称するものとする。
ところで、昨今のインクジェット記録装置に求められる特性として高速・高画質印刷が挙げられる。これに伴って、インクジェットヘッドには、高密度化(多ノズル化)、高応答性及び高信頼性が要求される。インクジェットヘッドにおいてこれらの要求を満たすようにする場合、高密度化(多ノズル化)に対しては、ノズルのピッチをより小さくする必要が生じる。このため、静電アクチュエータにあっては、吐出室の底面で形成される振動板の幅を狭くすることが必要になる。
また、高応答性に対しては、振動板の厚さを薄くすることが望まれる。さらに、高信頼性に対しては、高速かつ連続で長期間にわたって安定した液滴吐出を行うことが必要となる。
インクジェットヘッドに用いられる静電アクチュエータは、一方の共通電極である振動板と、これに対向して電極(個別電極)が配置され、両電極間に駆動手段によりパルス電圧を印加することで静電気力を発生させ、これによって振動板を変位させることでインクジェットヘッドを駆動するようになっている。
一方、振動板には、静電アクチュエータの駆動時における絶縁破壊や短絡が生じるのを防ぐために電極に対する対向面(電極側対向面)に絶縁膜を形成するのが一般的である。しかし、振動板の厚さを薄くすると、絶縁膜の膜応力が振動板に影響するようになり、この膜応力によって振動板が反るなどの変形を引き起こしやすくなる。振動板の厚み精度の確保はもとより、振動板と電極間のギャップも所望の間隔距離に精度よく保持することが重要であり、振動板に反りなどの初期変形が生じると駆動時における変位量が変動することになり、その結果、吐出量や吐出速度にバラツキが生じ、高画質印刷が不可能になるなど吐出特性の安定性を損なうといった問題が生じる。
上記のような振動板の初期変形を抑制し振動板の平坦度を保持する従来技術として、振動板をシリコン窒化膜などの引張り応力性を有する絶縁膜で形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ノズルの高密度化に伴い、静電アクチュエータの発生圧力を向上させて駆動耐久性及び安定性を実現するために、いわゆるHigh−k材と呼ばれる、シリコンよりも比誘電率の高い高誘電率膜を絶縁膜として形成するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−270105号公報(第8頁、図12) 特開2006−271183号公報(第9頁、図2)
しかし、上記の特許文献1は、絶縁膜の応力の特質に着目した考え方であるが、振動板の片面のみに引張り応力性を有する絶縁膜を形成する方法では、振動板を薄膜化するほど、インク流路をエッチングで形成したときにシリコン基板の表面部が解放されるため、ウェハの反りが発生する可能性があり、残留応力の除去が難しくなる。そのため、長期間の駆動によって絶縁膜の剥がれなどが生じる可能性がある。特に特許文献2のように、絶縁膜としてHigh−k材を積層した場合にはなおさらに残留応力の除去が難しくなる。また、インクジェットヘッドに求められる信頼性は吐出特性のみならず長期安定性も確保しなければならない。長期安定性の確保のために硬質膜である表面保護膜を絶縁膜上に積層すると、表面保護膜は膜応力が高いため、表面保護膜の膜応力により振動板の変形を抑制することが困難になる。
本発明は、上記のような課題に鑑み、振動板を薄膜にしても、また絶縁膜にHigh−k材や表面保護膜を使用しても、振動板の反りなどの変形を抑制できる静電アクチュエータを提供することを目的とする。また、かかる静電アクチュエータを備えることにより高密度化(多ノズル化)、高応答性及び高信頼性を実現し得る液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びに液滴吐出装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る静電アクチュエータは、振動板と、この振動板に対向する電極と、前記振動板を静電気力により変位させる駆動手段とを有する静電アクチュエータにおいて、前記振動板は、前記電極に対する電極側対向面に絶縁膜を有するとともに、前記電極側対向面と反対面に前記絶縁膜の膜応力を打ち消すための応力調整膜を有するものである。
このように構成することにより、振動板の電極側対向面に形成される絶縁膜の膜応力を、振動板の前記電極側対向面と反対面に応力調整膜を形成することで打ち消すことができる。したがって、振動板を薄膜に形成しても反りなどの変形を抑制することができる。そのため、静電アクチュエータの駆動耐久性、長期安定性が向上する効果がある。
また、前記応力調整膜は、前記絶縁膜と同種材料の場合、厚みを同じにし、異種材料の場合、厚みを異ならせることにより、剛性を等しくする。これによって、振動板の変形を抑制することができる。
また、前記絶縁膜及び前記応力調整膜は、酸化シリコンよりも比誘電率の高い高誘電率膜を有する構成とすることが好ましい。
絶縁膜として、酸化シリコンよりも比誘電率の高い高誘電率膜を形成することにより、静電アクチュエータの発生圧力を向上させることができる。その結果、静電アクチュエータの低電圧駆動が可能となる。また、応力調整膜にも同じ高誘電率膜を使用する構成とすることにより簡単に絶縁膜の膜応力を打ち消すことができ、振動板の変形を抑制できる。
また、前記絶縁膜が表面保護膜を有する場合は、前記応力調整膜も表面保護膜を有する構成とすることが好ましい。
表面保護膜は絶縁膜の表面の摩耗や剥がれなどを防ぐために使用されるが、硬質膜であるため膜応力が高い。したがって、応力調整膜にも表面保護膜を使用することで簡単に絶縁膜の膜応力を打ち消すことができ、振動板の変形を抑制できる。
この場合、前記表面保護膜には、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を使用することが好ましい。DLC膜はシリコンとの密着性が良好で、緻密な膜質を有し、かつ摩擦係数が小さいため、静電アクチュエータの駆動耐久性、長期安定性の向上を図ることが可能となる。
また、前記応力調整膜の前記表面保護膜上にシリコン酸化膜を設けることが好ましい。インクジェットヘッドのようにキャビティ基板上にノズル基板と接着する接着層を有する構成の場合は、接着層との密着性を確保するために表面保護膜上にシリコン酸化膜を設けることが好ましい。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液体流路中に設けられる吐出室の底部で形成される振動板を静電気力により変位させてノズル孔より液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、上記のいずれかの静電アクチュエータを備えることを特徴とする。
本発明の液滴吐出ヘッドは、上記のいずれかの静電アクチュエータを備えたものであるので、高密度化(多ノズル化)、高応答性及び高信頼性に優れた液滴吐出ヘッドを実現することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、シリコン基板の片面に単層または複数層の絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜を介して前記シリコン基板を個別電極が区画形成された電極基板上に接合する工程と、この接合済みシリコン基板を所要の厚みに薄くする薄板化する工程と、この薄板化シリコン基板の前記個別電極に対応する位置にエッチングで吐出室となる凹部を区画形成することにより、前記凹部の底部を薄膜の振動板として形成する工程とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記振動板を形成後のシリコン基板に前記絶縁膜の膜応力を打ち消すための応力調整膜を全面成膜する工程を有することを特徴とする。
この製造方法により、振動板の変形を抑制でき、高密度化(多ノズル化)、高応答性及び高信頼性に優れた液滴吐出ヘッドを製造することができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記絶縁膜が表面保護膜を有する場合は、前記応力調整膜は下地層にシリコン酸化膜を形成後、その上に表面保護膜を形成する。
前述したように表面保護膜は膜応力が高いので、絶縁膜が表面保護膜を有する場合は、応力調整膜にも表面保護膜を用いるものとするが、シリコンとの密着性を確保するために下地層にシリコン酸化膜を形成後、その上に表面保護膜を形成することが好ましい。
また、前記表面保護膜がDLC膜の場合は、さらにこのDLC膜の上にシリコン酸化膜を形成することが好ましい。
前述のように、DLC膜の上にシリコン酸化膜を形成することによって、接着層との密着性を確保することが可能となる。
本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
これにより、小型で高速、高繊細な印刷が可能なインクジェットプリンタ等の液滴吐出装置が得られる。
以下、本発明を適用した静電アクチュエータを備える液滴吐出ヘッドの実施形態を図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、ノズル基板の表面に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するフェイス吐出型の静電駆動方式のインクジェットヘッドについて図1から図4を参照して説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、吐出室とリザーバ部が別々の基板に設けられた4枚の基板を積層した4層構造のものや、基板の端部に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するエッジ吐出型の液滴吐出ヘッドにも同様に適用することができるものである。
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を分解して示す分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は組立状態における図1の右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図、図3は図2のA−A拡大断面図、図4は図2のインクジェットヘッドの上面図である。
本実施形態1に示すインクジェットヘッド10は、図1〜図4に示すように、複数枚(ここでは3枚)の基板1、2、3を貼り合わせて構成される積層構造体となっており、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク流路が形成されたキャビティ基板2と、各インク流路に設けられた吐出室12の底部をなす振動板5に対向して個別電極6が配置された電極基板3とを貼り合わせることで構成されている。
ここで、振動板5はエッチングストップ技術を用いて厚み精度を出すために、振動板5と同じ厚み(例えば、0.8μm)をもつ高濃度ボロン拡散層により形成されている。そして、この振動板5の下面すなわち個別電極6と対向する対向面(電極側対向面)には絶縁膜7が形成され、その反対面すなわち流路側の上面(キャビティ面)には絶縁膜7の膜応力を打ち消すための応力調整膜8が形成されている。絶縁膜7は、シリコン酸化膜(シリコンの熱酸化膜を含む)やシリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、あるいは酸化シリコンよりも比誘電率の高い高誘電率膜で形成されている。応力調整膜8は、絶縁膜7の膜応力を打ち消す材料であれば特に制限はない。絶縁膜7と同じ誘電材料でもよく、ステンレス、クロム、アルミニウム、銅等の金属材料でもかまわない。また、応力調整膜8として低抵抗の金属材料を使用した場合には共通電極としての振動板5の電気抵抗が低下するため、応答性が速くなる利点がある。
酸化シリコンよりも比誘電率の高い誘電材料、すなわちいわゆるHigh−k材と呼ばれる高誘電率材料としては、例えば酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al23、アルミナ)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta23)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiN)、酸窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、窒化アルミ(AlN)、窒化ジルコニウム(ZrO2)、酸化セリウム(CeO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化イットリウム(Y23)、ジルコニウムシリケート(ZrSiO)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、ジルコニウムアルミネート(ZrAlO)、窒素添加ハフニウムアルミネート(HfAlON)、及びこれらの複合膜(例えば、ハフニウムアルミネート(HfxAlyOz))等を挙げることができる。その中でも膜の低温成膜性、膜の均質性、プロセス適応性等を考慮した場合、酸化アルミニウム(Al23、アルミナ)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiN)、酸窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、ハフニウムアルミネート(HfxAlyOz)を使用することが望ましい。
また、応力調整膜8は、絶縁膜7と同種材料の場合、厚みを同じにし、異種材料の場合、厚みを異ならせることにより、剛性を等しくする。
個別電極6は、例えば硼珪酸系のガラス基板の表面にエッチングにより区画形成された凹部22内に、電極材料として例えばITO(Indium Tin Oxide)をスパッタしITO膜をパターニングすることで形成される。また、電極基板3には不図示のインクタンクに接続されるインク供給口18が形成される。インク供給口18は下記のリザーバ14に連通する貫通孔により形成される。
キャビティ基板2は、例えば結晶面方位が(110)の単結晶のシリコン基板からなり、シリコン基板の異方性ウェットエッチングにより吐出室12(底壁が振動板5)となる凹部13と、リザーバ(共通インク室)14となる凹部15が形成される。
ノズル基板1は、例えば単結晶のシリコン基板からなり、シリコン基板のドライエッチングにより同心状2段の穴径をもつノズル孔11と、上記リザーバ14と各吐出室12とを連通するための細溝状の供給口16が形成される。さらに、リザーバ14に対応する位置にはウェットエッチングによりダイヤフラム部17が形成される。なお、供給口16はキャビティ基板2のリザーバ14と各吐出室12間の隔壁上に形成してもよい。
そして、上記の電極基板3とキャビティ基板2は陽極接合され、さらにキャビティ基板2の上にノズル基板1が接着により接合される。また、振動板5と個別電極6間のギャップGの開放端部をエポキシ系接着剤等の封止材19により気密に封止する。さらに、図2、図4に模式的に示すように、ドライバIC等の駆動手段20を搭載したFPCを導電性接着剤により各個別電極6の端子部6aと、キャビティ基板2上に設けられた金属製の共通電極21に配線接続する。以上のようにしてインクジェットヘッド10が完成する。
このインクジェットヘッド10における静電アクチュエータ4は、前記絶縁膜7及び応力調整膜8をそれぞれ下面(電極側対向面)と上面(キャビティ面)に有する振動板5と、振動板5にギャップGを介して対向配置された個別電極6と、振動板5を静電気力により変位させる駆動手段20とにより構成されている。ギャップGの距離は例えば100nmで設計されている。
したがって、任意のノズル孔11よりインク滴を吐出させるためには、そのノズル孔11に対応する静電アクチュエータ4を以下のように駆動する。
駆動手段20により当該個別電極6と共通電極である振動板5間にパルス電圧を印加すると、これによって発生する静電気力により振動板5が個別電極6側に引き寄せられて吸着し、吐出室12内に負圧を発生させ、リザーバ14内のインクを吸引し、インクの振動(メニスカス振動)を発生させる。このインクの振動が略最大となった時点で、電圧を解除すると、振動板5は離脱して、その時の振動板5の復元力によりインクを当該ノズル孔11から押出し、インク滴を吐出する。
本実施形態1によれば、振動板5の電極側対向面に形成された絶縁膜7の膜応力を、キャビティ面に形成された応力調整膜8によって打ち消すことできるので、振動板5を薄膜にしても反りなどの変形を抑制でき、高い精度で振動板5の平坦度を確保することができる。その結果、静電アクチュエータ4の駆動時における振動板5の変位量を一定に保つことができるため、吐出特性の長期安定性を保持することが可能となる。
また、少なくとも絶縁膜7を前述したアルミナ等のHigh−k材で形成すれば、比誘電率が酸化シリコンの約3.8に対し7.9程度と大きいため、前記特許文献2に示すように静電アクチュエータの発生圧力を高めることが可能となる。したがって、振動板5の面積を小さくしてもインク滴の吐出に必要なパワーを得ることが可能となる。このため、インクジェットヘッド10において振動板5の幅を小さくして、吐出室12のピッチ、すなわちノズルのピッチを小さくすることにより解像度を上げることができ、より高精細な印刷を高速で行うことのできるインクジェットヘッド10を得ることができる。さらに振動板5の長さを短くすることにより、インク流路における応答性を向上して駆動周波数を上げることができ、より高速の印刷を行うことが可能となる。さらに、絶縁膜7の比誘電率を全体として2倍にすれば、絶縁膜7の厚さを2倍にしてもほぼ同じ発生圧力が得られるため、静電アクチュエータにおけるTDDB(Time Depend Dielectric Breakdown、長時間の絶縁破壊強度)、TZDB(Time Zero Dielectric Breakdown、瞬間における絶縁破壊強度)等の耐絶縁破壊強度をほぼ2倍にすることが可能である。
実施形態2.
図5は本発明の実施形態2に係るインクジェットヘッドの概略断面図で、図6は図5のB−B拡大断面図である。なお、本実施形態2以下において、前記実施形態1に対応する構成要素には特に断らない限り同じ符号を用いて説明は省略する。
本実施形態2では、絶縁膜7及び応力調整膜8を共に誘電材料を用いて積層構造とするものである。この場合において、振動板5の電極側対向面に形成される絶縁膜7の積層体全体としての膜応力を、キャビティ面に形成する応力調整膜8の積層体によって打ち消すようにする。これによって、薄膜の振動板5の平坦度を保持することができる。
例えば、電極側対向面における絶縁膜7の積層体は、下地層にシリコン熱酸化膜7aを熱酸化法により形成し、その上に表面層としてアルミナ等からなる高誘電率膜7bをECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタ法により積層することができる。その後、高誘電率膜7bをパターニングし、振動板5に対応する領域以外の膜部分をCHF3によるRIE(Reactive Ion Etching)ドライエッチングにより除去する。
一方、キャビティ面における応力調整膜8の積層体は、例えば、下地層にアルミナ等の高誘電率膜8bをECRスパッタ法により形成し、その上にTEOS(Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン)を原料ガスとして用いたRF−CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりシリコン酸化膜8aを積層する。
なお、絶縁膜7の積層体を構成する各絶縁膜の材料、膜厚、積層数、及び積層順序は、絶縁耐圧、リーク電流の防止、静電アクチュエータの発生圧力、接合強度の確保等を考慮して決めればよい。応力調整膜8の積層体については耐薬品性、ノズル基板1との接着性等を考慮して積層数、積層順序を決めればよい。なお、応力調整膜積層体の積層数は、必ずしも絶縁膜積層体の積層数と同じにする必要はなく、実施形態1と同様に単層とすることもできる。
本実施形態の場合、絶縁膜積層体は下地層にシリコン熱酸化膜7aを有し、このシリコン熱酸化膜7aを介してキャビティ基板2と電極基板3とを陽極接合しているため、絶縁耐圧に優れ、リーク電流を防止できるとともに、接合強度を従来のものと同程度に確保することができる。また、表面層に高誘電率膜7bを有するため、静電アクチュエータの発生圧力を向上させることができる。その結果、高密度化が可能であるとともに吐出特性の長期安定性、駆動耐久性に優れたインクジェットヘッドを実現できる。
また、応力調整膜積層体は表面層にシリコン酸化膜8aを有するため、ボイド(微小気孔)が発生しにくいので、ノズル基板1と接着するためのキャビティ基板2の接着層との密着性が良好なものとなる。
実施形態3.
図7は本発明の実施形態3に係るインクジェットヘッドの概略断面図で、図8は図7のC−C拡大断面図である。
本実施形態3では、表面保護膜9としてDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を有する構成とするものである。DLC膜9は、振動板5の絶縁膜積層体と個別電極6上の絶縁膜6b上に形成されている。また、応力調整膜積層体にもDLC膜9を含む構成となっている。DLC膜9は、シリコン酸化膜との密着性が良好で、表面平滑性が高く、低摩擦性を有する反面、膜応力が非常に大きいので、絶縁膜積層体の膜応力を打ち消すために、応力調整膜積層体にもDLC膜9を含む構成としている。これによって、薄膜の振動板5の平坦度を保持することができる。
応力調整膜積層体は、例えば、下地層にシリコン酸化膜8aを形成してその上にDLC膜9を積層し、シリコンとの密着性を確保する。また、このDLC膜9上に更にシリコン酸化膜8cを積層して前記接着層との密着性を確保している。なお、DLC膜9はトルエンガスを原料ガスに用いたRF−CVD法により形成することができる。
一方、絶縁膜積層体は、例えば、下地層に高誘電率膜としてHfxAlyz膜7cを原子層堆積法(ALD(Atomic Layer Deposition)法という)により形成し、その上にシリコン酸化膜7aをTEOSを原料ガスとして用いたRF−CVD法により形成する。更にこのシリコン酸化膜7a上にDLC膜9をトルエンガスを原料ガスとして用いたRF−CVD法により形成する。その後、振動板5部分のみにDLC膜9を残すために、パターニング後O2アッシングすることで振動板5部分以外のDLC膜9を除去する。
また、個別電極6上にもDLC膜9を形成することとしている。個別電極6のITOとの密着性を図るために、絶縁膜としてシリコン酸化膜6bを形成し、その上にDLC膜9を形成する。また、個別電極6の電極部分のみにDLC膜9を残すために、パターニング後O2アッシングすることで電極部分以外のDLC膜9を除去する。更に、電極部分以外のシリコン酸化膜6bもCHF3によるRIEドライエッチングにより除去する。
静電アクチュエータは、振動板5が単層の絶縁膜7あるいは複数層の絶縁膜7の積層体を介して個別電極6と当接・離脱を繰り返し行うものであるので、絶縁膜表面の摩耗や剥がれなどを引き起こすことがある。そこで、表面保護膜としてDLC膜9を設けることで、絶縁膜表面の摩耗や剥がれなどが生じないため、吐出特性の長期安定性、駆動耐久性をさらに向上させることが可能となる。なお、表面保護膜は振動板5、個別電極6の少なくとも一方に設けてあればよく、両方に設けてあれば更に良好なものとなる。なお、表面保護膜は上記DLCのほか、セラミックスを用いてもよい。
また、本実施形態3では、High−k材のHfxAlyz膜7cをALD法により形成するので、ALD法は原子層レベルで成膜できるため、膜質がきわめて緻密である。しかもきわめて均一で極薄の膜厚を高精度に成膜できる利点がある。また、x対yの比率を1:1だけでなく、2:1、あるいは5:1などのように変えることができ、この比率を変えることでHfxAlyz膜の比誘電率を変化させることができる。
例えば、Hfの原料ガスであるTEMAH(テトラキス(N−エチルメチルアミノ)ハフニウム)とO3ガス、Alの原料ガスであるTMA(トリメチルアルミニウム)の供給時間比を変更することによって、x対yの比率を変えている。
また、HfxAlyz膜の比誘電率は11〜15であり、シリコン酸化膜やアルミナに比べてはるかに高いため、静電アクチュエータの発生圧力を更に向上させることが可能である。その他の効果は実施形態2と同様である。
実施形態4.
次に、本発明の別の適用例を図9に示す。図9は本発明の実施形態4に係るインクジェットヘッドの概略断面図である。本実施形態4は、個別電極6の電極部分を長手方向に階段状に形成してギャップGを階段状の凹湾曲状に形成するものである。なお、個別電極6の絶縁膜及び振動板5の絶縁膜、応力調整膜については実施形態3と同様の構成としているが、実施形態1及び2を適用してもよいものである。
このように、個別電極6の電極部分を長手方向に階段状に形成することによって、静電アクチュエータ4の駆動時、振動板5が階段状の個別電極6の電極部分に沿って両側の最上段部から中央の最下段部へと順次当接(連成当接という)していくので、振動板5の変位量を大きくすることができる。したがって、本実施形態4の静電アクチュエータ4を備えたインクジェットヘッド10では、低電圧駆動が可能となり、また大きな吐出パワーが得られるとともに、安定したインク吐出量を確保することができる。
なお、本実施形態4では個別電極6の電極部分を長手方向に階段状に形成する例を示したが、個別電極6の幅方向に階段状に形成してもよい。また、図示は省略するが、階段状の電極部分の形成方法としては、図9のような階段状の凹部を形成することなく深掘りした平坦な凹部を形成し、この平坦な凹部上に電極材料を複数層積層しパターニングとエッチング除去を繰り返すことにより、階段状の凹湾曲状の電極部分を形成することもできる。
次に、本発明のインクジェットヘッドの製造方法の一例について図10から図12を参照して概要を説明する。図10は電極基板の製造工程の概要を示す断面図、図11及び図12はインクジェットヘッド10の製造工程の概要を示す断面図である。ここでは、前記実施形態3に係るインクジェットヘッド10の製造工程を説明する。他の実施形態1、2、4に係るインクジェットヘッド10については以下に示す製造方法に準じて製造することができる。
ウエハ状の電極基板3Aは以下のようにして製造される。
まず、硼珪酸ガラス等からなる板厚約1mmのガラス基板300に、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより所望の深さの凹部22を形成する。なお、この凹部22は個別電極6の形状より少し大きめの溝状のものであり、個別電極6ごとに複数形成される。
そして、例えば、スパッタ法によりITO(Indium Tin Oxide)膜を100nmの厚さで形成し、このITO膜をフォトリソグラフィーによりパターニングして個別電極6となる部分以外をエッチング除去して、凹部22の内部に個別電極6を形成する(図10(a))。
次に、個別電極6側の絶縁膜として、ガラス基板300の接合面側の表面全体に、TEOS(Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン)を原料ガスとして用いたRF−CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりSiO2膜6bを例えば20nmの厚さで形成する。ついで、このSiO2膜6bの上に、表面保護膜として、トルエンガスを原料ガスに用いた平行平板型RF−CVD法により、DLC膜9を例えば10nmの厚さで全面成膜する(図10(b))。
次に、ガラス基板300の個別電極6の振動板5に対する対向面以外の部分をパターニングして、その部分のDLC膜9をO2アッシングにより除去する。DLC膜除去後、さらにその部分のSiO2膜6bをCHF3によるRIE(Reactive Ion Etching)ドライエッチングにより除去する(図10(c))。その後、マイクロブラスト加工等によってインク供給口18となる孔部18aを形成する。
以上により、実施形態3の電極ガラス基板3Aを作製することができる。
次に、ウエハ状のキャビティ基板2Aは上記により作製されたウエハ状の電極ガラス基板3Aにシリコン基板200を陽極接合してから作製される。
まず、例えば厚さが280μmのシリコン基板200の片面全面に、例えば厚さが0.8μmの高濃度ボロン拡散層201を形成したシリコン基板200を作製する。次に、そのシリコン基板200のボロン拡散層201の表面(下面)上に、絶縁膜7として、まずHfxAlyz膜7cを熱CVD装置を用いたALD法により、例えば60nmの厚さで全面成膜する。この成膜は以下のようにして行う。まず、シリコン基板200を熱CVD装置に入れ、250〜400℃程度に加熱し、真空引きを行う。次に、原料ガスであるTEMAH(テトラキス(N−エチルメチルアミノ)ハフニウム)を一定時間導入した後、パージにより余剰ガスを除去し、次に、O3を一定時間導入する。次に、TMA(トリメチルアルミニウム)を一定時間導入した後、パージにより余剰ガスを除去し、次に、O3を一定時間導入する。このサイクルを所要回数繰り返しHfxAlyz膜7aを成膜する。
実施例では以下のような条件で成膜した。
・加工条件
温度 300℃、TEMAH供給量 0.1(g/min)、O3供給量 200(g/Nm3)、TMA供給量 100(cc/min)
・成膜サイクル
TEMAHを200sec供給、パージを行った後、O3を400sec供給、これを5回繰り返す。次に、TMAを10sec供給、パージを行った後、O3を30sec供給、これを5回繰り返す。以上の成膜を1サイクルと考えた場合、これを30サイクル繰り返すことで、総膜厚60nmを成膜した。
次に、このHfxAlyz膜7cの上に、TEOSを原料ガスとして用いたRF−CVD法によりSiO2膜7aを例えば20nmの厚さで全面成膜する。そしてさらに、このSiO2膜7a上に、表面保護膜として、トルエンガスを原料ガスに用いた平行平板型RF−CVD法により、DLC膜9を例えば10nmの厚さで全面成膜する(図11(a))。
次に、マスクを用いてシリコン基板200の振動板5の電極側対向面以外のDLC膜9をO2アッシングにより除去する(図11(b))。これにより、接合部23及び電極取り出し部となる部分24aのDLC膜9が除去される。
以上により、実施形態3の接合前のシリコン基板200を作製することができる。
次に、以上により作製されたシリコン基板200を上記電極基板3A上にアライメントして陽極接合する(図11(c))。
ついで、この接合済みシリコン基板200の表面全面を研磨加工して、厚さを例えば50μm程度に薄くし(図11(d))、さらにこのシリコン基板200の表面全面をウエットエッチングによりライトエッチングして加工痕を除去する。
次に、薄板に加工された接合済みシリコン基板200の表面にフォトリソグラフィーによってレジスト202をパターニングし(図11(e))、異方性ウェットエッチングによってインク流路溝を形成する。これによって、吐出室12となる凹部13、リザーバ部14となる凹部15および電極取り出し部24となる凹部24bが形成される(図12(f))。その際、高濃度ボロン拡散層201の表面でエッチングストップがかかるので、振動板5の厚さを高精度に形成することができるとともに、表面荒れを防ぐことができる。
次に、レジスト202を除去後、接合済みシリコン基板200のキャビティ面全面に、応力調整膜8として、まずSiO2膜8aをTEOSを原料ガスとして用いたRF−CVD法により例えば20nmの厚さで全面成膜する。次に、このSiO2膜7aの上にDLC膜9をトルエンガスを原料ガスに用いた平行平板型RF−CVD法により例えば10nmの厚さで全面成膜する。さらにこのDLC膜9の上にSiO2膜8cを例えば厚さ20nmで全面成膜する(図12(g))。よって、振動板5を薄膜に形成しても接合済みシリコン基板200のキャビティ面全面に応力調整膜8を形成することによって、振動板5の電極側対向面に形成した絶縁膜7の膜応力を打ち消すことができるので、振動板5の反りなどの変形を抑制することができる。
次に、電極取り出し部24以外をマスクして、凹部24bのSiO2膜8cをCHF3によるRIEドライエッチングにより除去し、ついでDLC膜9をO2アッシングにより除去する。さらに、下地層のSiO2膜8aをCHF3によるRIEドライエッチングにより除去する。その後、ICP(Inductively Coupled Plasma)ドライエッチングにより、凹部24bの底部を除去して電極取り出し部24を開口した後(図12(h))、静電アクチュエータの内部に付着している水分を除去する。水分除去はこのシリコン基板を例えば真空チャンバ内に入れ、真空引きを行い、ついで窒素ガスを導入して窒素雰囲気下で水分を除去する。そして、所要時間経過後、窒素雰囲気下でギャップ開放端部にエポキシ樹脂等の封止材19を塗布して気密に封止する。このように静電アクチュエータ内部(ギャップ内)の付着水分を除去した後、気密封止することによって、静電アクチュエータの駆動耐久性を向上させることができる。
また、マイクロブラスト加工やレーザ加工等によりリザーバ部の底部を貫通させてインク供給口18を形成する。さらに、シリコン基板上に金属からなる共通電極21を形成する(図12(i))。
以上の工程を経て電極ガラス基板2Aに接合されたシリコン基板100からキャビティ基板1Aが作製される。
その後、このキャビティ基板1Aの表面上に、予めノズル孔11等が形成されたノズル基板3Aを接着により接合する(図12(j))。そして最後に、ダイシングにより個々のヘッドチップに切断すれば、上述したインクジェットヘッド10の本体部が完成する。
このインクジェットヘッド10の製造方法によれば、前述したように、振動場5の反りなどの変形を抑制でき、高密度化、高応答性及び高信頼性に優れたインクジェットヘッドを製造することができる。
また、キャビティ基板2Aを、予め作製された電極基板3Aに接合した状態のシリコン基板200から作製するものであるので、その電極基板3Aによりキャビティ基板2Aを支持した状態となるため、キャビティ基板2Aを薄板化しても、割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易となる。したがって、キャビティ基板を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上する。
以上の実施形態では、静電アクチュエータおよびインクジェットヘッド、ならびにこれらの製造方法について述べたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものでなく、本発明の思想の範囲内で種々変更することができる。例えば、本発明の静電アクチュエータは、光スイッチやミラーデバイス、マイクロポンプ、レーザプリンタのレーザ操作ミラーの駆動部などにも利用することができる。また、ノズル孔より吐出される液状材料を変更することにより、インクジェットプリンタのほか、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、遺伝子検査等に用いられる生体分子溶液のマイクロアレイの製造など様々な用途の液滴吐出装置として利用することができる。
例えば、図13は本発明のインクジェットヘッドを備えるインクジェットプリンタの概要を示すものである。
このインクジェットプリンタ500は、記録紙501を副走査方向Yに向けて搬送するプラテン502と、このプラテン502にインクノズル面が対峙しているインクジェットヘッド10と、このインクジェットヘッド10を主走査方向Xに向けて往復移動させるためのキャリッジ503と、インクジェットヘッド10の各インクノズルにインクを供給するインクタンク504とを有している。
したがって、高解像度、高速駆動の小型インクジェットプリンタを実現できる。
本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 組立状態における図2の右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図。 図2のA−A拡大断面図。 図2のインクジェットヘッドの上面図。 本発明の実施形態2に係るインクジェットヘッドの概略断面図。 図5のB−B拡大断面図。 本発明の実施形態3に係るインクジェットヘッドの概略断面図。 図7のC−C拡大断面図。 本発明の実施形態4に係るインクジェットヘッドの概略断面図。 電極基板の製造工程の一例を示す断面図。 本発明のインクジェットヘッドの製造工程の一例を示す断面図。 図11に続く工程断面図。 本発明のインクジェットヘッドを適用したインクジェットプリンタの一例を示す概略斜視図。
符号の説明
1 ノズル基板、2 キャビティ基板、3 電極基板、4 静電アクチュエータ、5 振動板、6 個別電極、7 絶縁膜、8 応力調整膜、9 表面保護膜(DLC膜)、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、12 吐出室、14 リザーバ、16 供給口、17 ダイヤフラム部、18 インク供給口、19 封止材、20 駆動手段、21 共通電極、22 凹部、200 シリコン基板、300 ガラス基板。

Claims (11)

  1. 振動板と、この振動板に対向する電極と、前記振動板を静電気力により変位させる駆動手段とを有する静電アクチュエータにおいて、
    前記振動板は、前記電極に対する電極側対向面に絶縁膜を有するとともに、前記電極側対向面と反対面に前記絶縁膜の膜応力を打ち消すための応力調整膜を有することを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記応力調整膜は、前記絶縁膜と同種材料の場合、厚みを同じにし、異種材料の場合、厚みを異ならせることにより、剛性を等しくすることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記絶縁膜及び前記応力調整膜は、酸化シリコンよりも比誘電率の高い高誘電率膜を有することを特徴とする請求項1または2記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記絶縁膜が表面保護膜を有する場合は、前記応力調整膜も表面保護膜を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記表面保護膜は、DLC膜からなることを特徴とする請求項4記載の静電アクチュエータ。
  6. 前記応力調整膜の前記表面保護膜上にシリコン酸化膜を設けたことを特徴とする請求項4または5記載の静電アクチュエータ。
  7. 液体流路中に設けられる吐出室の底部で形成される振動板を静電気力により変位させてノズル孔より液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、請求項1乃至6のいずれかに記載の静電アクチュエータを備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  8. シリコン基板の片面に単層または複数層の絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜を介して前記シリコン基板を個別電極が区画形成された電極基板上に接合する工程と、この接合済みシリコン基板を所要の厚みに薄くする薄板化する工程と、この薄板化されたシリコン基板の前記個別電極に対応する位置にエッチングで吐出室となる凹部を区画形成することにより、前記凹部の底部を薄膜の振動板として形成する工程とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記振動板を形成後のシリコン基板に前記絶縁膜の膜応力を打ち消すための応力調整膜を全面成膜する工程を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記絶縁膜が表面保護膜を有する場合は、前記応力調整膜は下地層にシリコン酸化膜を形成後、その上に表面保護膜を形成することを特徴とする請求項8記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記表面保護膜がDLC膜の場合は、さらにこのDLC膜の上にシリコン酸化膜を形成することを特徴とする請求項9記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  11. 請求項7記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015039774A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 株式会社リコー 液体吐出ヘッド及び画像形成装置

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