JP4811067B2 - 静電アクチュエータ及び液滴吐出ヘッド - Google Patents
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Description
第1及び第2の絶縁膜をHigh−K材で構成すると、親水化が困難であるため、陽極接合の接合強度を保持できなくなる。そのため、接合部にだけ親水化が容易なシリコン酸化膜を形成する。
図1は実施形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を分解して示す分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は図1の略右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図、図3は図2のA部の拡大断面図、図4は図2のa−a拡大断面図、図5は図2のインクジェットヘッドの上面図である。なお、図1および図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
本実施形態では、第2の絶縁膜8は通常の酸化シリコン(SiO2)で形成されているが、第1の絶縁膜7はアルミナ(Al2O3)で形成されている。また、第1の絶縁膜7の厚さを90nm、第2の絶縁膜8の厚さを30nmとし、ギャップGの距離を200nmとしている。なお、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極5の厚さは100nmとしている。
ノズル基板1は、例えばシリコン基板から作製されている。インク滴を吐出するためのノズル孔11は、例えば径の異なる2段の円筒状に形成されたノズル孔部分、すなわち径の小さい噴射口部分11aとこれよりも径の大きい導入口部分11bとから構成されている。噴射口部分11aおよび導入口部分11bは基板面に対して垂直にかつ同軸上に設けられており、噴射口部分11aは先端がノズル基板1の表面に開口し、導入口部分11bはノズル基板1の裏面(キャビティ基板2と接合される接合側の面)に開口している。
また、ノズル基板1には、キャビティ基板2の吐出室21とリザーバ23とを連通するオリフィス12が形成されている。
また、振動板6と個別電極5との間に形成されるギャップGの開放端部はエポキシ等の樹脂による封止材35で封止される。これにより、湿気や塵埃等が電極間ギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
以上により、インクジェットヘッド10が完成する。
駆動制御回路9により個別電極5とキャビティ基板2の共通電極26の間にパルス電圧を印加すると、振動板6は個別電極5側に引き寄せられて吸着し、吐出室21内に負圧を発生させて、リザーバ23内のインクを吸引し、インクの振動(メニスカス振動)を発生させる。このインクの振動が略最大となって時点で、電圧を解除すると、振動板6は離脱して、インクをノズル11から押出し、インク液滴を吐出する。
したがって、このインクジェットヘッド10は、上記のように構成された静電アクチュエータ部4を備えているので、静電アクチュエータ部4を微小化しても駆動耐久性に優れ、高速駆動および高密度化が可能となる。
図6は本発明の実施形態2に係るインクジェットヘッド10の概略断面図、図7は図6のB部の拡大断面図、図8は図6のb−b拡大断面図である。
本実施形態における静電アクチュエータ部4Aは、振動板6の対向面に形成される第2の絶縁膜8を、シリコン酸化膜8aとアルミナの誘電体層8bとの積層構造とするものである。ここで、シリコン酸化膜8aはキャビティ基板2の接合面全面に形成されており、アルミナの誘電体層8bはそのシリコン酸化膜8a上に、かつ電極基板3との接合部以外の振動板6に対応する部分に形成されている。
個別電極5の対向面には、実施形態1と同様にアルミナの誘電体層からなる第1の絶縁膜7が形成されている。また、膜厚については、個別電極5は100nm、第1の絶縁膜(アルミナ誘電体層)7は60nm、第2の絶縁膜8のうちシリコン酸化膜8aは30nm、アルミナ誘電体層8bは20nmとし、ギャップGの距離は200nmとしている。その他の構成は実施形態1と同様であるので、対応部分には同一符号を付して説明は省略する。
図9は本発明の実施形態3に係るインクジェットヘッド10の概略断面図、図10は図9のC部の拡大断面図、図11は図9のc−c拡大断面図である。
ここでは、一例として実施形態3に示したインクジェットヘッド10の製造方法について説明する。
まず、硼珪酸ガラス等からなる板厚約1mmのガラス基板300に、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより所望の深さの凹部32を形成する。なお、この凹部32は個別電極31の形状より少し大きめの溝状のものであり、個別電極5ごとに複数形成される。
そして、凹部32の内部に、例えばスパッタによりITO(Indium Tin Oxide)からなる個別電極5を形成する。
その後、ブラスト加工等によってインク供給孔34となる孔部34aを形成する(図12のS1、図13(a))。
以上により、電極基板3が作製される。
まず、例えば厚さが280μmのシリコン基板200の片面全面に、ECRスパッタにより例えばアルミナからなる誘電体層8bを厚さ30nmで形成する(図12のS5、図14(a))。なお、シリコン基板200は片面にボロンを所要の厚さで拡散したボロン拡散層(図示せず)を有するものが望ましく、その場合、ボロン拡散層の表面に第2の絶縁膜としてアルミナ誘電体層8bを形成する。
また、マイクロブラスト加工等により凹部24の底部を貫通させてインク供給孔33を形成する。さらに、インク流路溝の腐食を防止するため、このシリコン基板の表面にプラズマCVDによりTEOS膜からなるインク保護膜(図示せず)を形成する。また、シリコン基板上に金属からなる共通電極26を形成する。
その後、このキャビティ基板2の表面上に、予めノズル孔11等が形成されたノズル基板1を接着により接合する(図12のS13、図14(h))。そして最後に、ダイシングにより個々のヘッドチップに切断すれば、上述したインクジェットヘッド10の本体部が完成する(図12のS14)。
また、キャビティ基板2を、予め作製された電極基板3に接合した状態のシリコン基板200から作製するものであるので、その電極基板3によりキャビティ基板2を支持した状態となるため、キャビティ基板2を薄板化しても、割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易となる。したがって、キャビティ基板2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上する。
このインクジェットプリンタ500は、記録紙501を副走査方向Yに向けて搬送するプラテン502と、このプラテン502にインクノズル面が対峙しているインクジェットヘッド10と、このインクジェットヘッド10を主走査方向Xに向けて往復移動させるためのキャリッジ503と、インクジェットヘッド10の各インクノズルにインクを供給するインクタンク504とを有している。
Claims (4)
- ガラス基板に設けられた固定電極と、
シリコン基板に形成され、前記固定電極と所定の大きさのギャップを介して対向して配置された可動電極と、
前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段と、
前記固定電極の前記可動電極と対向する面に設けられた第1の絶縁膜と、
前記可動電極の前記固定電極と対向する面に設けられた第2の絶縁膜とを有し、
前記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜の一方または両方は、シリコン酸化膜と、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電体膜とを含む積層構造であり、かつ、前記ガラス基板と前記シリコン基板とを陽極接合する該シリコン基板の接合部にのみ前記積層構造の絶縁膜のうち前記シリコン酸化膜が形成されていることを特徴とする静電アクチュエータ。 - 前記誘電体膜は、酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiN)、酸窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)の中から少なくとも一つが選ばれることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
- 前記誘電体膜は、前記シリコン酸化膜よりも厚さが厚いことを特徴とする請求項1または2記載の静電アクチュエータ。
- 液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板との間で、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、前記吐出室の底部にて構成される振動板となる可動電極に所定のギャップを介して対向配置される個別電極となる固定電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
請求項1乃至3のいずれかに記載の静電アクチュエータを備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
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