以下、本発明に係る文書表示装置を、多機能周辺装置(「MFP(Multi Function Peripheral)若しくは(Multi Function Printer)」ともいう)及び子機に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る多機能周辺装置1の外観斜視図である。
多機能周辺装置1は、所謂、複合機であり、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、及び電話機能等を備えている。図1に示すように、多機能周辺装置1は、自動原稿送り装置2と、給紙トレイ部5とを有する。又、多機能周辺装置1は、スキャナ装置22と、プリンタ30を内蔵している(図3参照)。
自動原稿送り装置2は、複数枚の原稿をページ原稿単位でスキャナ装置22に搬送する。当該自動原稿送り装置2は、多機能周辺装置1の上部に回動可能に軸支されている。自動原稿送り装置2の構成については、既に公知であるため、その詳細な説明は省略する。
給紙トレイ部5は、印刷媒体である記録用紙を積層状態で収納している。記録用紙は、当該給紙トレイ部5から搬送され、プリンタ30による印刷に用いられる。
スキャナ装置22は、自動原稿送り装置2により送られる原稿から画像データを読み取り、RAM13に、当該画像データを原稿データとして格納する。このスキャナ装置22の構成については、既に公知であるため、その詳細な説明は省略する。
プリンタ30は、給紙トレイ部5から搬送された記録用紙に対して、データに基づく画像を形成する。本実施形態に係るプリンタ30は、インクジェットプリンタにより構成される。このプリンタ30の構成については、既に公知であるため、その詳細な説明を省略する。そして、プリンタ30により画像が形成された記録用紙は、所定の排紙トレイへ排紙される。
又、多機能周辺装置1は、操作パネル17を備えている。操作パネル17は、多機能周辺装置1に対するユーザの操作に用いられる。図1に示すように、操作パネル17は、複数の操作キーと、LCD18を含んでいる。LCD18は、公知の液晶ディスプレイにより構成される。そして、当該LCD18には、種々の画面が表示される。具体的には、LCD18は、後述するメール内容表示画面(図18参照)を表示する。
そして、LCD18の前面には、公知のタッチパネル23が配設されている。このタッチパネル23は、ユーザが指等で押圧した部分の座標等を検出し、当該検出結果に応じた操作信号を出力する。即ち、当該タッチパネル23は、ユーザによる多機能周辺装置1に対する操作に用いられる。メール内容表示画面(図18参照)がLCD18に表示されている場合、ユーザは、当該タッチパネル23を用いて、表示形式の変更等の各種操作を行い得る。
又、多機能周辺装置1は、コードレス用アンテナ24を有している。コードレス用アンテナ24は、子機50との間におけるデータの送受信に用いられる。例えば、電話機能に基づく通話時において、コードレス用アンテナ24は、子機50との間で音声信号の送受信を行う。
続いて、本実施形態に係る子機50の概略構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る子機の外観図である。
図2に示すように、子機50は、小型LCD55と、通話用スピーカ57と、マイクロフォン59と、操作キー60と、を備えている。
小型LCD55は、子機50の前面に配設された小型の液晶ディスプレイである。小型LCD55は、多機能周辺装置1のLCD18よりも更に小さなディスプレイである。そして、小型LCD55は、子機50の操作手順や通話の状態等の種々の画面を表示する。又、小型LCD55は、後述する表示メール選択画面(図11参照)やメール内容表示画面(図17参照)等を表示する。
通話用スピーカ57は、子機50の前面上部に配設されている。当該通話用スピーカ57は、入力された音声信号に基づく音声を出力する。具体的には、通話用スピーカ57は、通話時における相手側の音声に加えて、エラー発生時の注意音や通話時の相手先からの着呼に応じた呼出音を出力する。
そして、マイクロフォン59は、子機50の前面下部に配設されている。当該マイクロフォン59は、通話者により入力された音声を音声信号に変換し、当該音声信号を出力する。従って、通話時において、通話者の音声は、マイクロフォン59に入力されると、音声信号に変換され、コードレス用アンテナ24、電話回線網Tを介して、通話時における相手側へ送信される。従って、ユーザは、子機50を用いることにより、所望の相手先と通話し得る。
操作キー60は、子機50の前面に配設されている。操作キー60は、子機50に対するユーザの操作に用いられる。そして、当該操作キー60は、数字キー、カーソルキーを備えている。例えば、数字キーは、通話を行う際に、相手先電話番号の入力に用いられる。
更に、操作キー60は、メール表示キー60A、表示形式変更キー60Bを備えている(図4参照)。メール表示キー60Aは、子機50の小型LCD55に、電子メールの内容を表示する際に入力される。そして、表示形式変更キー60Bは、小型LCD55に表示されている電子メールの表示形式(後述する通常表示形式、第1省略表示形式、第2省略表示形式、第3省略表示形式の何れか)を変更する際に入力される。メール表示キー60A、表示形式変更キー60Bの詳細については、後に詳細に説明する。
次に、本実施形態に係る多機能周辺装置1の制御系構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図3は、多機能周辺装置1の制御系構成を示すブロック図である。
多機能周辺装置1は、CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14を備えている。そして、これらは、ネットワーク・コントロール・ユニット(以下、「NCU19」という)等の各種周辺装置と共に、相互にバスライン25を介して接続されている。
多機能周辺装置1のCPU11は、上述した各機能(例えば、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能)を実現するための制御プログラムを実行する中央演算処理装置である。例えば、CPU11は、回線制御を行うNCU19を介して送受信される各種信号に従って、バスライン25により接続された装置各部を制御してファクシミリ動作、即ち、データ通信を実行する。
ROM12は、この多機能周辺装置1で実行される制御プログラムを格納した書換不能なメモリである。当該ROM12は、後述するメイン制御プログラム(図9参照)、メール内容表示処理プログラム(図13参照)等の各種制御プログラムを格納している。又、ROM12は、多機能周辺装置1で電子メールを表示する際に参照される複数種類の表示形式(通常表示形式、第1省略表示形式、第2省略表示形式、第3省略表示形式)に関するデータを格納している。当該複数種類の表示形式については、後に詳細に説明する。
RAM13は、多機能周辺装置1の各動作の実行時に、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM13は、CPU11が各種制御プログラムを実行した場合に、CPU11による演算結果を一時的に格納する。又、RAM13は、スキャナ装置22で読み取られた画像データを格納する。この画像データは、ファクシミリ機能により、通信相手先に送信される。又、当該画像データは、プリンタ30により、記録用紙に印字出力される。そして、RAM13は、ファクシミリ通信により、相手側装置から受信した原稿データを一時的に格納する。
フラッシュメモリ14は、書換可能な不揮発性のメモリである。そして、フラッシュメモリ14は、電子メールデータ記憶エリア14A、電話帳データ記憶エリア14B、送信元識別テーブル記憶エリア14C、直前表示形式記憶エリア14Dを有している。
電子メールデータ記憶エリア14Aは、インターネットNを介して、当該多機能周辺装置1が受信した電子メールデータを複数格納する記憶エリアである。各電子メールデータは、電子メールの本文を示す文書データ70と、当該電子メールの送信元であるメールアドレスを示す送信元情報と、を含んで構成される。
電話帳データ記憶エリア14Bは、相手先を識別可能な相手先データ(即ち、電話番号、ファクシミリ番号、メールアドレス等)を記憶する(図6参照)。この電話帳データ記憶エリア14Bは、各相手先データ単位で、相手先名称等の詳細な情報を関連付けて格納することができる。具体的には、各相手先データには、後述する表示形式登録処理(S10、S34)により、ユーザ所望の表示形式が関連付けられる(図6参照)。
そして、送信元識別テーブル記憶エリア14Cは、送信元識別テーブル(図7参照)を格納している。この送信元識別テーブルは、後述する送信元判定処理(S5)において、電子メールの送信元が特定送信元に該当するか否かを判定する際に参照される。図7に示す送信元識別テーブルの詳細については、後に詳細に説明する。
直前表示形式記憶エリア14Dは、直前表示形式データを格納する。この直前表示形式データは、電子メールの内容表示を終了する際に、後述する直前表示形式格納処理(S11)により格納される。そして、当該直前表示形式データは、電子メールの内容表示を行う際に参照される(S25)。この直前表示形式記憶エリア14Dの詳細については、後に詳細に説明する。
そして、図3に示すように、多機能周辺装置1は、周辺装置として、NCU19、モデム20、バッファ21、スキャナ装置22、プリンタ30、操作パネル17、LCD18、アンプ27を備えている。尚、これらの周辺装置も、バスライン25を介して相互に接続されている。
そして、NCU19は、電話回線網Tに対する電話回線の接続・切断等の通信制御処理を行う。モデム20は、原稿データの符号化、復号化を行う。そして、モデム20は、原稿データを変調・復調して伝送する。又、モデム20は、伝送制御用の各種手順信号を送受信する。バッファ21は、相手側多機能周辺装置との間でファクシミリ通信を行う際に、符号化された原稿データを含むデータを一時的に格納する記憶装置である。従って、多機能周辺装置1は、電話回線網Tを介して、相手先装置との間で原稿データのファクシミリ通信を行い得る。
スキャナ装置22は、自動原稿送り装置2からページ単位で送られる原稿を読み取り、ページ単位の画像データを生成する。スキャナ装置22により読み取られた画像データは、原稿データを構成する。そして、スキャナ装置22で読み取られた画像データは、RAM13に格納される。
プリンタ30は、上述したように、給紙トレイ部5に格納された記録用紙に対して、原稿データを印刷する印刷装置である。尚、ファクシミリ機能に基づいて原稿データを受信した場合、プリンタ30は、復号化された画像データを印刷する。
操作パネル17は、複数のキーを備える操作部である。この操作パネル17を構成する各キーの操作が行われると、操作信号がCPU11に送信される。又、操作パネル17は、タッチパネル23を備えている。従って、タッチパネル23に対する操作が行われた場合も、当該操作に応じた操作信号がCPU11に送信される。そして、キーの操作又はタッチパネル23の操作に基づく操作信号に応じて、CPU11は、多機能周辺装置1に対する各種制御を行う。
LCD18は、液晶ディスプレイで構成された表示装置である。当該LCD18には、CPU11による制御に基づいて、多機能周辺装置1に関する種々の表示が行われる。例えば、LCD18は、タッチパネル23等の操作に基づいて、メール内容表示画面を表示する(図18参照)。
又、アンプ27には、スピーカ28が接続され、呼出音などをこのスピーカ28から出力する。
更に、CPU11は、バスライン25を介して、インターネットインターフェイス16に接続されている。インターネットインターフェイス16は、有線又は無線により、インターネットNに接続されている。従って、多機能周辺装置1は、インターネット・プロトコルに従って、インターネットNに接続された外部装置(例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話等)とデータの送受信を行い得る。即ち、多機能周辺装置1は、インターネットNに接続された外部装置との間で、電子メールの送受信を行い得る。
又、CPU11は、バスライン25を介して、デジタルコードレスインターフェイス15に接続されている。そして、デジタルコードレスインターフェイス15は、コードレス用アンテナ24を備えている。従って、デジタルコードレスインターフェイス15は、コードレス用アンテナ24、子機側アンテナ65を介して、子機50との間におけるデータや信号の無線通信を行い得る。
続いて、本実施形態に係る子機50の制御系の制御系構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図4は、多機能周辺装置1の制御系構成を示すブロック図である。子機50は、CPU51、ROM52、RAM53、フラッシュメモリ54を備えている。子機50のCPU51は、通話機能やメール表示機能等を実現するための制御プログラムを実行する中央演算処理装置である。
ROM52は、この子機50で実行される制御プログラムを格納した書換不能なメモリである。当該ROM52は、後述するメイン制御プログラム(図9参照)、メール内容表示処理プログラム(図13参照)等の各種制御プログラムを格納している。又、このROM52も、多機能周辺装置1のROM12と同様に、電子メールを表示する際に参照される複数種類の表示形式(通常表示形式、第1省略表示形式、第2省略表示形式、第3省略表示形式)に関するデータを格納している。当該複数種類の表示形式については、後に詳細に説明する。
RAM53は、子機50における各動作の実行時に、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。
フラッシュメモリ54は、書換可能な不揮発性のメモリである。そして、フラッシュメモリ14は、多機能周辺装置1のフラッシュメモリ14と同様に、電子メールデータ記憶エリア54A、電話帳データ記憶エリア54B、送信元識別テーブル記憶エリア54C、直前表示形式記憶エリア54Dを有している。
電子メールデータ記憶エリア54A、電話帳データ記憶エリア54B、送信元識別テーブル記憶エリア54C、直前表示形式記憶エリア54Dは、夫々、多機能周辺装置1の電子メールデータ記憶エリア14A、電話帳データ記憶エリア14B、送信元識別テーブル記憶エリア14C、直前表示形式記憶エリア14Dと同様の記憶内容を格納する。従って、電子メールデータ記憶エリア54A、電話帳データ記憶エリア54B、送信元識別テーブル記憶エリア54C、直前表示形式記憶エリア54Dについての詳細な説明は省略する。
尚、多機能周辺装置1の電子メールデータ記憶エリア14A〜直前表示形式記憶エリア14Dと、子機50の電子メールデータ記憶エリア54A〜直前表示形式記憶エリア54Dの記憶内容は、後述する記憶内容同期処理(S3)により、相互に同一の記憶内容が格納されている状態となるように制御される。
図4に示すように、子機50は、周辺装置として、小型LCD55、子機側コードレスインターフェイス56、通話制御回路58、操作キー60を備えている。尚、これらの周辺装置もバスラインを介して相互に接続されている。
小型LCD55は、上述したように、子機50前面に配設された小型液晶ディスプレイである。当該小型LCD55は、CPU51による制御に基づいて、種々の画面を表示する。小型LCD55は、操作キー60の操作に基づくCPU51の制御により、表示メール選択画面(図11参照)やメール内容表示画面(図17参照)を表示する。
子機側コードレスインターフェイス56は、バスラインを介して、CPU51と接続されている。そして、子機側コードレスインターフェイス56は、子機側アンテナ65を備えている。従って、子機側コードレスインターフェイス56は、子機側アンテナ65、コードレス用アンテナ24を介して、多機能周辺装置1との間におけるデータや信号の無線通信を行い得る。従って、子機50は、多機能周辺装置1を介して、電話回線網Tに接続された相手先との通話を実現し得る。又、子機50は、多機能周辺装置1がインターネットNから受信した電子メールデータや、多機能周辺装置1における種々のデータを取得し得る。
通話制御回路58は、多機能周辺装置1を介して、電話回線網Tに接続された外部装置との間における通話を行う際に、子機50における通話制御を行う。通話制御回路58は、CPU51からの制御信号に基づいて、子機50における通話制御を行う。そして、通話制御回路58は、通話用スピーカ57と、マイクロフォン59にそれぞれ接続されている。マイクロフォン59は、入力された音声を音声信号に変換し、当該音声信号を通話制御回路58に入力する。通話用スピーカ57は、通話制御回路58から入力された音声信号を音声に変換して外部へ出力する。尚、通話用スピーカ57は、CPU51の制御に基づいて、状況に応じた各種音声(例えば、操作キー60の操作音やエラー発生時の注意音、着信の呼出音など)を出力し得る。
操作キー60は、子機前面に配設された複数のキーにより構成される。当該操作キー60は、通話時における各種操作(通話開始操作及び通話終了操作、相手先電話番号の入力操作等)に用いられる。又、この操作キー60には、メール表示キー60A、表示形式変更キー60Bが含まれる。従って、メール表示キー60Aや、表示形式変更キー60Bに対する操作が行われると、CPU51は、操作に応じた操作信号を受信する。従って、CPU51は、メール表示キー60Aの操作や表示形式変更キー60Bの操作に応じた制御処理を実行し得る。
上述したように、多機能周辺装置1及び子機50は、LCD18、小型LCD55に、電子メールの内容を表示し得る。電子メールの内容を表示する際、CPU11、CPU51は、通常表示形式、第1省略表示形式、第2省略表示形式、第3省略表示形式の何れかの表示形式に基づいて、当該電子メールの内容に基づく表示用データを生成する(S12、S27)。そして、CPU11、CPU51は、生成した表示用データをLCD18、小型LCD55に表示する(S14、S28)。そして、ROM12、ROM52は、夫々、表示用データを生成する際に参照される各表示形式に係る情報を格納している。
ここで、電子メールの内容を表示する際に用いられる表示形式の内容について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る各表示形式の内容を模式的に示す説明図である。
上述したように、多機能周辺装置1及び子機50は、4種類の表示形式に基づいて、電子メールの内容を、LCD18、小型LCD55に表示し得る。4種類の表示形式は、通常表示形式、第1省略表示形式、第2省略表示形式、第3省略表示形式により構成される。
通常表示形式は、電子メールデータの内容を何ら変更することなく表示する表示形式である。従って、LCD18や小型LCD55の幅方向に表示し得る文字数が電子メールデータにおける一行の文字数よりも少ない場合、当該電子メールデータは、幅方向に表示可能な文字数に応じて単純に折り返されて表示される(図12参照)。
第1省略表示形式は、電子メールにおける文書データを構成する特定部分(以下、処理対象という)を省略して表示する省略表示の一態様である。第1省略表示形式は、「一以上の連続する改行記号」を処理対象とし、当該処理対象を「一のスペース(空白)」に置換して表示する表示形式である(図14参照)。
第2省略表示形式は、第1省略表示形式と同様に、省略表示の一態様である。第2省略表示形式における処理対象は、「一の改行記号」と、「二以上の連続する改行記号」である。第2省略表示形式の場合、処理対象「一の改行記号」は、「一のスペース」に置換される。そして、処理対象「二以上の連続する改行記号」は、「一の改行記号と一のスペース」に置換される(図15参照)。
第3省略表示形式も同様に省略表示の一態様である。第3省略表示形式における処理対象は、第2省略表示形式と同様に、「一の改行記号」と、「二以上の連続する改行記号」である。そして、第3省略表示形式においても、処理対象「一の改行記号」は、「一のスペース」に置換される。この点、第3省略表示形式の場合、処理対象「二以上の連続する改行記号」は、「連続する二つの改行記号と一のスペース」に置換される(図16参照)。
続いて、多機能周辺装置1における電話帳データ記憶エリア14B、子機50における電話帳データ記憶エリア54Bの記憶内容について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図6は、電話帳データ記憶エリアの記憶内容を模式的に示す説明図である。
図6に示すように、電話帳データ記憶エリア14B、電話帳データ記憶エリア54Bの記憶内容は、相手先データにより構成される。当該相手先データは、相手先氏名と、電話番号データ、ファクシミリ番号データ、メールアドレスデータの何れかを含んで構成される。即ち、相手先データは、相手先氏名と、メールアドレスデータのみでも構成し得る。
更に、各相手先データには、登録表示形式データが対応付けられ得る(図6参照)。当該登録表示形式データは、当該相手先のメールアドレスから送信された電子メールの表示に対するユーザ所望の表示形式(通常表示形式、第1省略表示形式〜第3省略表示形式の何れか)を示す。そして、登録表示形式データは、後述する表示形式登録処理(S10、S34)により、相手先データに対して対応付けられる。又、この登録表示形式データは、当該登録表示形式データが対応付けられた相手先データに係る送信元から送信された電子メールを表示する際に参照される(S24)。
尚、電話帳データ記憶エリアにおいて、一の相手先に複数のメールアドレスを対応付けるように構成することも可能である。或る相手先が複数のメールアドレス(携帯電話のメールアドレス、自宅用のメールアドレス、職場用のメールアドレス等)を所有する場合もあるからである。この場合、多機能周辺装置1及び子機50は、登録表示形式データを、各メールアドレス単位で対応付ける。
次に、多機能周辺装置1の送信元識別テーブル記憶エリア14C、子機50の送信元識別テーブル記憶エリア54Cに格納される送信元識別テーブルについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る送信元識別テーブルの一例を示す説明図である。
上述したように、各電子メールデータは、電子メールの本文を示す文書データと、当該電子メールの送信元であるメールアドレスを示す送信元情報と、を含んで構成される。そして、送信元情報であるメールアドレスは、ドメイン名のデータを有している。このドメイン名は、メールサーバ毎にそれぞれ割り当てられている。従って、送信元情報におけるドメイン名は、送信元に係るメールサーバ(例えば、携帯電話会社提供のメールサーバ等)を示す。つまり、CPU11、CPU51は、送信元情報におけるドメイン名を参照することにより、送信元に係るメールサーバ(つまり、携帯電話からの電子メールやパーソナルコンピュータからの電子メール等)を特定し得る。
図7に示すように、送信元識別テーブルは、メールアドレスを構成するドメイン名と、特定送信元であるか否かを示す特定送信元識別データとにより構成されている。ここで、特定送信元とは、大きなディスプレイを用いて作成された可能性の高い電子メールの送信元を示す。例えば、特定送信元には、パーソナルコンピュータ上で作成され、当該パーソナルコンピュータから送信される電子メールのドメイン名が該当する。一方、一般的に小型のディスプレイを用いて作成される携帯電話の電子メールに係るドメイン名は、当該特定送信元には該当しない。従って、CPU11、CPU51は、電子メールの送信元情報を構成するドメイン名と、当該送信元識別テーブル(図7参照)に基づいて、当該電子メールが特定送信元から送信されたか否かを識別しうる(S5)。
続いて、多機能周辺装置1の直前表示形式記憶エリア14D、子機50の直前表示形式記憶エリア54Dの記憶内容について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図8は、直前表示形式記憶エリアの記憶内容を模式的に示す説明図である。
図8に示すように、直前表示形式記憶エリアには、直前表示形式データが格納される。直前表示形式データは、通常表示形式、第1省略表示形式、第2省略表示形式、第3省略表示形式の何れか一の表示形式と、電子メールデータ記憶エリアに格納されている一の電子メールデータにより構成される。そして、当該直前表示形式データは、或る電子メールデータに係る内容の表示を終了する際に(S8:YES)、所定の条件に基づいて、表示終了時に設定されている表示形式に基づいて格納される(S11)。つまり、この直前表示形式データは、或る電子メールデータに係る表示を終了する際に、当該電子メールデータに設定されている一の表示形式を示す。
尚、直前表示形式データは、電子メールデータ毎に格納されうる。従って、図8に示すように、直前表示形式記憶エリア14D、直前表示形式記憶エリア54Dには、複数の直前表示形式データが格納されうる。又、一の電子メールデータには、一の直前表示形式データのみ対応する。即ち、二以上の直前表示形式データが、一の電子メールデータに対応することはない。
続いて、本実施携帯に係る子機50で実行されるメイン制御プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図9は、子機50に係るメイン制御プログラムのフローチャートである。
子機50に電源が投入されると、CPU51は、メイン制御プログラムを実行する。メイン制御プログラムの実行が開始されると、CPU51は、先ず、初期設定処理を実行する(S1)。初期設定処理(S1)では、CPU51は、各周辺機器の初期設定を行う。この時、CPU51は、電子メールを表示する際の表示形式についても、初期設定(即ち、通常表示形式)に設定する。初期設定処理を終了すると、CPU51は、S2に処理を移行する。
S2に移行すると、CPU51は、メール表示モードが選択されたか否かを判断する。上述したように、子機50の操作キー60には、メール表示キー60Aが含まれている(図4参照)。従って、CPU51は、メール表示キー60Aからの操作信号に基づいて、S2の判断を行う。メール表示キー60Aの操作により、メール表示モードが選択された場合(S2:YES)、CPU51は、S3に処理を移行する。一方、メール表示モードが選択されなかった場合(S2:NO)、CPU51は、その他処理(S16)に処理を移行する。その他処理(S16)では、CPU51は、子機50で実現可能な各種処理(例えば、通話機能に関する処理や、各種詳細設定処理)等を行う。その他処理(S16)の詳細に関する説明は省略する。その他処理(S16)を終了すると、CPU51は、S2に処理を戻す。
S3においては、CPU51は、記憶内容同期処理を実行する。この記憶内容同期処理(S3)では、CPU51は、子機50における電子メールデータ記憶エリア54A〜直前表示形式記憶エリア54Dの記憶内容を、多機能周辺装置1における電子メールデータ記憶エリア14A〜直前表示形式記憶エリア14Dの記憶内容を同期する。従って、電子メールデータ記憶エリア54Aには、多機能周辺装置1で受信した電子メールデータがすべて格納される。同様に、電話帳データ記憶エリア54B〜直前表示形式記憶エリア54Dには、電話帳データ記憶エリア14B〜直前表示形式記憶エリア14Dの記憶内容が格納される。記憶内容同期処理を終了すると、CPU51は、S4に処理を移行する。
S4では、CPU51は、表示対象メール特定処理を実行する。この表示対象メール特定処理(S4)では、CPU51は、操作キー60の操作に基づいて、電子メールデータ記憶エリア54Aに格納されている電子メールデータから、メール表示モードで内容を表示する一の表示対象メールを特定する。具体的には、CPU51は、先ず、表示メール選択画面(図11参照)を小型LCD55に表示する。従って、ユーザは、この表示メール選択画面(図11参照)に基づいて、操作キー60を操作することで、ユーザ所望の表示対象メールを選択し得る。表示対象メール特定処理を終了すると、CPU51は、S5に処理を移行する。
ここで、電子メールデータ記憶エリア54Aに格納されている電子メールデータについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図10は、電子メールデータの一例を模式的に示す説明図である。
上述したように、一の電子メールデータは、当該電子メールにおけるメッセージ内容を構成する文書データ70と、当該電子メールデータの送信元を示すメールアドレスから成る送信元情報と、を含んでいる。
そして、図10に示すように、電子メールデータを構成する文書データ70は、文字データ71と、改行記号データ72と、スペースデータ73と、を含んで構成され得る。文字データ71は、送信元ユーザが入力したメッセージを構成する各文字のデータである。改行記号データ72は、当該改行記号データ72の配置位置をもって次の行に改行し、当該次の行の行頭に復帰する動作を指示するデータである(図10参照)。そして、スペースデータ73は、約1文字分の空白スペースが配置されることを示すデータである。
従って、文書データ70は、文字データ71、改行記号データ72、スペースデータ73の配置等に従って、送信元ユーザ所望の態様で表示され得る(図10参照)。
再び、子機50のメイン制御プログラムについて、図9を参照しつつ詳細に説明する。S5に移行すると、CPU51は、送信元判定処理を実行する。送信元判定処理(S5)では、CPU51は、表示対象メール特定処理で特定された表示対象メールの送信元情報を取得する。そして、CPU51は、当該送信元情報のドメイン名と、送信元識別テーブル(図7参照)に基づいて、当該表示対象メールが特定送信元(例えば、パーソナルコンピュータを示す送信元)から送信されたか否かを判定する。送信元判定処理(S5)を終了すると、CPU51は、S6に処理を移行する。
S6においては、CPU51は、送信元判定処理(S5)の判定結果に基づいて、表示対象メールが特定送信元から送信されたか否かを判断する。表示対象メールが特定送信元から送信されている場合(S6:YES)、CPU51は、S7に処理を移行する。例えば、表示対象メールがパーソナルコンピュータから送信された場合、CPU51は、S7に処理を移行する。一方、表示対象メールが特定送信元から送信されていない場合(S6:NO)、CPU51は、S12に処理を移行する。例えば、表示対象メールが携帯電話から送信された場合、CPU51は、S12に処理を移行する。
S7では、CPU51は、メール内容表示処理を実行する。このメール内容表示処理(S7)では、CPU51は、後述するメール内容表示処理プログラムを実行する。具体的には、CPU51は、表示対象メールの電子メールデータに基づいて、表示用データ75を生成し、当該表示用データ75を小型LCD55に表示する。尚、このメール内容表示処理(S7)では、表示用データ75を生成する際に、CPU51は、通常表示形式、第1省略表示形式〜第3省略表示形式から選択されたユーザ所望の一の表示形式に基づいて、表示用データを生成する。従って、小型LCD55には、表示対象メールの内容は、ユーザ所望の表示態様で表示される(図17参照)。このメール内容表示処理の詳細については、後に詳細に説明する。メール内容表示処理(S7)を終了すると、CPU51は、S8に処理を移行する。
S8においては、CPU51は、表示対象メールの内容に関する表示を終了するか否かを判断する。子機50においては、ユーザは、操作キー60を用いて表示終了操作を行うことにより、表示対象メールの内容に関する表示終了を指示する。従って、CPU51は、操作キー60からの操作信号に基づいて、S8の判断を行う。表示終了操作が行われた場合(S8:YES)、CPU51は、S9に処理を移行する。一方、表示終了操作が行われていない場合(S8:NO)、CPU51は、メール内容表示処理(S7)に処理を戻す。従って、この場合には、当該表示対象メールの内容は、継続して小型LCD55に表示される。
S9では、CPU51は、表示形式登録操作が行われたか否かを判断する。子機50において、表示形式登録操作は、操作キー60を構成する所定のキー(例えば、「#」キー等)を入力することにより行われる。従って、CPU51は、操作キー60からの操作信号に基づいて、S9の判断を行う。表示形式登録操作が行われた場合(S9:YES)、CPU51は、S10に処理を移行する。一方、表示形式登録操作が行われなかった場合(S9:NO)、CPU51は、S11に処理を移行する。
S10に移行すると、CPU51は、表示形式登録処理を実行する。この表示形式登録処理(S10)では、CPU51は、表示対象メールに係る電子メールの送信元情報に対して、表示対象メールに対する現在の表示形式を、電話帳データ記憶エリア14Bに登録する。上述したように、メール内容表示処理(S7)において、表示対象メールを小型LCD55に表示する場合、CPU11は、ユーザ所望の表示形式に基づいて、表示用データ75を生成する。従って、CPU51は、表示終了時に表示対象メールに用いられている表示形式を特定し得る。又、表示対象メールに係る電子メールデータは、送信元情報を含んでいる。これにより、CPU51は、当該送信元情報と、ユーザ所望の表示形式を対応付けて、電話帳データ記憶エリア14Bに格納し得る(図6参照)。表示形式登録処理(S10)を終了すると、CPU51は、S2に処理を戻す。
S11においては、CPU51は、直前表示形式格納処理を実行する。この直前表示形式格納処理(S11)では、CPU51は、表示対象メールに係る電子メールデータと、表示対象メールに対する現在の表示形式に基づいて、直前表示形式データを生成する。そして、CPU51は、生成した直前表示形式データを直前表示形式記憶エリア54Dに格納する。上述したように、CPU51は、表示対象メールに対する現在の表示形式を特定し得る。そして、CPU51は、表示対象メール特定処理(S3)の処理結果に基づいて、表示対象メールに係る電子メールデータを特定し得る。従って、CPU51は、当該表示対象メールに係る直前表示形式データを生成し、これを直前表示形式記憶エリア54Dに格納し得る。直前表示形式格納処理(S11)を終了すると、CPU51は、S2に処理を戻す。
続いて、表示対象メールが特定送信元からの電子メールではなかった場合(例えば、携帯電話からの電子メールであった場合)の処理について説明する。この場合、S12において、CPU51は、通常表示形式設定処理を実行する。即ち、CPU51は、表示対象メールの内容を示す表示用データ75の生成に際し、通常表示形式(図5参照)を設定する。表示対象メールに係る電子メールデータに対して、通常表示形式を設定した後、CPU51は、S13に処理を移行する。
S13に移行すると、CPU51は、表示用データ生成処理を実行する。この表示用データ生成処理(S13)では、CPU51は、表示対象メールに係る電子メールデータの文書データ70と、通常表示形式に基づいて、表示用データ75を生成する。図5に示すように、通常表示形式は、電子メールデータの文書データ70を何ら変更することなく表示する表示形式である。従って、CPU51は、電子メールデータの文書データ70の内容を何ら変更することなく、表示用データ75を生成する。表示用データ生成処理(S13)を終了すると、CPU51は、S14に処理を移行する。
S14に移行すると、CPU51は、通常メール内容表示処理を実行する。この通常メール内容表示処理(S14)では、CPU51は、表示用データ生成処理(S13)で生成された表示用データ75に基づいて、小型LCD55にメール内容表示画面を表示する。従って、小型LCD55には、通常表示形式で表現された表示対象メールの内容が表示される。通常メール内容表示処理(S14)を終了すると、CPU51は、S15に処理を移行する。
S15では、CPU51は、表示終了操作が行われたか否かを判断する。このS15の処理は、S8の処理と同様の処理である。従って、その説明は省略する。表示終了操作が行われた場合(S15:YES)、CPU51は、S2に処理を戻す。一方、表示終了操作が行われなかった場合(S15:NO)、CPU51は、S14に処理を戻す。つまり、この場合、当該表示対象メールの内容は、通常表示形式に従って、継続して小型LCD55に表示される。
次に、メイン制御プログラムのS7で実行されるメール内容表示処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図13は、メール内容表示処理プログラムのフローチャートである。
S7に移行すると、CPU51は、先ず、現在小型LCD55に表示対象メールの内容を表示しているか否かを判断する(S21)。即ち、CPU51は、S6の判断処理によりS7に移行したのか、S8の判断処理によりS7に移行したのかを判断する。表示対象メールの内容が表示中である場合(S21:YES)、CPU51は、S27に処理を移行する。一方、表示対象メールの内容が表示されていない場合(S21:NO)、CPU51は、S22に処理を移行する。この「表示対象メールの内容が表示されていない場合」とは、新たに表示対象メールの内容を表示する場合である。
S22に移行すると、CPU51は、当該表示対象メールに係る電子メールの送信元に対して、ユーザ所望の表示形式が登録されているか否かを判断する。具体的には、CPU51は、送信元特定処理(S5)で取得した表示対象メールに係る送信元情報に基づいて、電話帳データ記憶エリア54Bにおける当該送信元情報に対応するデータに表示形式が登録されているか否かを判断する。表示対象メールに係る送信元に対して表示形式が登録されている場合(S22:YES)、CPU51は、S24に処理を移行する。一方、表示対象メールに係る送信元に表示形式が登録されていない場合(S22:NO)、CPU51は、S23に処理を移行する。
S23では、CPU51は、当該表示対象メールに係る電子メールデータに対応する直前表示形式データが存在するか否かを判断する。即ち、CPU51は、直前表示形式記憶エリア54Dの記憶内容を参照することで、S23の判断処理を行う。表示対象メールに対応する直前表示形式データが存在する場合(S23:YES)、CPU51は、S25に移行する。一方、表示対象メールに対応する直前表示形式データが存在していない場合(S23:NO)、CPU51は、S26に処理を移行する。
S24においては、CPU51は、登録表示形式取得処理を実行する。登録表示形式取得処理(S24)では、CPU51は、電話帳データ記憶エリア54Bを参照し、表示対象メールに係る送信元に対応する表示形式(即ち、通常表示形式、第1省略表示形式〜第3省略表示形式の何れか)を取得する。登録表示形式取得処理(S24)を終了すると、CPU51は、S26に処理を移行する。
そして、S25では、CPU51は、直前表示形式取得処理を実行する。直前表示形式取得処理(S25)では、CPU51は、直前表示形式記憶エリア54Dを参照し、表示対象メールに係る直前表示形式データを取得する。即ち、CPU51は、前回、当該表示対象メールの内容表示を終了した際における表示形式を取得する。直前表示形式取得処理(S25)を終了すると、CPU51は、S26に処理を移行する。
S26に移行すると、CPU51は、初期表示形式設定処理を実行する。初期表示形式設定処理(S26)では、CPU51は、今回の表示対象メールの内容表示に際し、最初に表示用データ75を生成に用いる表示形式を設定する。S24から移行した場合、CPU51は、表示対象メールに係る送信元に対応付けられた表示形式を設定する。そして、S25から移行した場合、CPU51は、表示対象メールに対応する直前表示形式データが示す表示形式を設定する。又、S23から移行した場合、CPU51は、初期設定処理で設定された表示形式(即ち、通常表示形式)を設定する。初期表示形式設定処理(S26)を終了すると、CPU51は、S27に処理を移行する。
S27においては、CPU51は、表示用データ生成処理を実行する。この表示用データ生成処理(S27)では、CPU51は、表示対象メールに係る電子メールデータと、当該表示対象メールに設定されている表示形式に基づいて、表示用データ75を生成する。S26から移行した場合、表示用データ生成処理(S27)において、CPU51は、初期表示形式設定処理(S26)で設定された表示形式に従って、表示対象メールに係る表示用データ75を生成する。一方、表示対象メールに係る表示が行われている場合(S21:YES)、CPU51は、現在、当該表示対象メールに設定されている表示形式に基づいて、表示用データ75を生成する。
ここで、第1省略表示形式〜第3省略表示形式に基づく表示用データ75の生成について、図10に示す例を用いて、具体的に説明する。
先ず、第1省略表示形式に基づく表示用データ75の生成について説明する。上述したように、第1省略表示形式は、「一以上の連続する改行記号」を処理対象とし、当該処理対象を「一のスペース(空白)」に置換して表示する表示形式である。
例えば、図10に示す文書データ70を含む電子メールデータと、第1省略表示形式に基づいて、表示用データ75を生成する場合、CPU51は、文字列「ABC様」の後に位置する一の改行記号データ72(即ち、処理対象)を、一のスペースデータ73に置換する(図14参照)。同様に図14に示すように、文字列「いつもお世話になっております。」の後に位置する3つの連続する改行記号データ72(即ち、処理対象)は、CPU51により、一のスペースデータ73に置換される。又、文字列「議題は不具合点1についてご提案させていただきたいと考えております。」の後に位置する4つの連続する改行記号データ72(即ち、処理対象)も、同様にCPU51により、一のスペースデータ73に置換される。
このように、処理対象「一以上の連続する改行記号」を「一のスペース」に置換することにより、CPU51は、第1省略表示形式に従った表示対象メールに係る表示用データ75を生成する(図14参照)。
次に、第2省略表示形式に基づく表示用データ75の生成について説明する。上述したように、第2省略表示形式は、「一の改行記号」と、「二以上の連続する改行記号」を処理対象とし、夫々の処理対象を「一のスペース」と「一の改行記号と一のスペース」に置換して表示する表示形式である。
例えば、図10に示す文書データ70を含む電子メールデータと、第2省略表示形式に基づいて、表示用データ75を生成する場合、CPU51は、文字列「ABC様」の後に位置する一の改行記号データ72(即ち、処理対象「一の改行記号」)を、一のスペースデータ73に置換する(図15参照)。同様に図15に示すように、文字列「いつもお世話になっております。」の後に位置する3つの連続する改行記号データ72(即ち、処理対象「二以上の連続する改行記号」)は、CPU51により、一の改行記号データ72と、それに続く一のスペースデータ73に置換される。又、文字列「議題は不具合点1についてご提案させていただきたいと考えております。」の後に位置する4つの連続する改行記号データ72も、同様にCPU51により、一の改行記号データ72と、それに続く一のスペースデータ73に置換される。
このように、処理対象「一の改行記号」を「一のスペース」に置換し、処理対象「二以上の連続する改行記号」を「一の改行記号と一のスペース」に置換することにより、CPU51は、第2省略表示形式に従った表示対象メールに係る表示用データ75を生成する(図15参照)。
続いて、第3省略表示形式に基づく表示用データ75の生成について説明する。上述したように、第3省略表示形式は、「一の改行記号」と、「二以上の連続する改行記号」を処理対象とし、夫々の処理対象を「一のスペース」と「連続する二つの改行記号と一のスペース」に置換して表示する表示形式である。
例えば、図10に示す文書データ70を含む電子メールデータと、第3省略表示形式に基づいて、表示用データ75を生成する場合、CPU51は、文字列「ABC様」の後に位置する一の改行記号データ72(即ち、処理対象「一の改行記号」)を、一のスペースデータ73に置換する(図16参照)。同様に図16に示すように、文字列「いつもお世話になっております。」の後に位置する3つの連続する改行記号データ72(即ち、処理対象「二以上の連続する改行記号」)は、CPU51により、2つの連続する改行記号データ72と、それに続く一のスペースデータ73に置換される。又、文字列「議題は不具合点1についてご提案させていただきたいと考えております。」の後に位置する4つの連続する改行記号データ72も、同様にCPU51により、2つの連続する改行記号データ72と、それに続く一のスペースデータ73に置換される。
このように、処理対象「一の改行記号」を「一のスペース」に置換し、処理対象「二以上の連続する改行記号」を「2つの連続する改行記号と一のスペース」に置換することにより、CPU51は、第3省略表示形式に従った表示対象メールに係る表示用データ75を生成する(図16参照)。
次に、通常表示形式に基づく表示用データ75の生成について説明する。上述したように、通常表示形式は、電子メールデータの文書データ70を何ら変更することなく表示する表示形式である。例えば、図10に示す文書データ70を含む電子メールデータを通常表示形式で表示する場合、CPU51は、小型LCD55の表示幅(本実施形態では、全角文字10文字分)に応じて、一行を自動的に折り返す態様で、表示用データ75を生成する(図12参照)。従って、表示対象データに対して通常表示形式が設定されている場合、CPU51は、表示用データ生成処理(S27)において、通常表示形式に基づく表示用データ75を生成する(図12参照)。
表示用データ生成処理(S27)により、ユーザ所望の表示形式に従った表示対象メールに係る表示用データ75を生成すると、CPU51は、表示用データ表示処理を実行する(S28)。表示用データ表示処理(S28)では、CPU51は、表示用データ生成処理で生成された表示用データ75に基づいて、メール内容表示画面を小型LCD55に表示する(図17参照)。従って、この表示用データ生成処理(S27)によれば、ユーザは、所望の表示形式に従って、表示対象メールの内容を小型LCD55に表示し得る。即ち、ユーザは、自らが最も読み易い表示形式で、表示対象メールの内容を把握し得る。表示用データ表示処理(S28)を終了すると、CPU51は、S29に処理を移行する。
S29においては、CPU51は、表示形式変更操作が行われたか否かを判断する。この表示形式変更操作とは、表示対象メールに設定されている表示形式を、次順の表示形式に変更する操作である。当該表示形式変更操作は、操作キー60を構成する所定のキー(例えば、「*」キー等)に対する操作により行われる。従って、CPU51は、操作キー60からの操作信号に基づいて、S29の判断を行う。表示形式変更操作が行われた場合(S29:YES)、CPU51は、S30に処理を移行する。一方、表示形式変更操作が行われていない場合(S29:NO)、CPU51は、S31に処理を移行する。
S30に移行すると、CPU51は、次表示形式設定処理を実行する。この次表示形式設定処理(S30)では、CPU51は、表示対象メールに対して設定されている表示形式の次順にあたる表示形式を、当該表示対象メールの表示形式に設定する。本実施形態においては、表示形式変更操作に係る変更順は、「通常表示形式」「第1省略表示形式」「第2省略表示形式」「第3省略表示形式」「通常表示形式」…の順である。従って、「第2省略表示形式」に従った表示用データ75が小型LCD55に表示されている場合に、表示形式変更操作が行われると、CPU51は、当該表示対象メールに対する表示形式として「第3省略表示形式」を設定する。
尚、本実施形態においては、次表示形式設定処理(S30)で設定された表示形式は、再度、メール内容表示処理プログラムを実行した場合(即ち、表示終了操作が行われなかった場合)に有効となる。つまり、表示終了操作が行われなかった場合(S8:NO)、次表示形式設定処理(S30)で設定された表示形式に基づく表示用データ75が生成され(S27)、当該表示用データ75が小型LCD55に表示される。
この点、次表示形式設定処理(S30)において、設定変更された表示形式に基づく表示用データ75の生成及び当該表示用データ75に基づく表示を行うように構成することも可能である。
S31に移行すると、CPU51は、表示形式指定操作が行われたか否かを判断する。表示形式指定操作とは、ユーザ所望の表示形式を直接指定する操作である。本実施形態においては、通常表示形式、第1省略表示形式〜第3省略表示形式は、それぞれ、操作キー60を構成する一のキーに対応付けられている。例えば、操作キー60に含まれる数字キー「0」は、通常表示形式に対応付けられている。又、第1省略表示形式、第2省略表示形式、第3省略表示形式は、それぞれ、数字キー「1」「2」「3」に対応付けられている。従って、CPU51は、操作キー60からの操作信号に基づいて、表示形式指定操作が行われたか否かを判断する。表示形式指定操作が行われた場合(S31:YES)、CPU51は、S32に処理を移行する。一方、表示形式指定操作が行われなかった場合(S31:NO)、CPU51は、S33に処理を移行する。
S32においては、CPU51は、指定表示形式設定処理を実行する。指定表示形式設定処理(S32)では、CPU51は、表示形式指定操作により指定された表示形式を、表示対象メールに係る表示形式に設定する。上述したように、表示形式指定操作に用いられる各キーには、それぞれ異なる表示形式が対応付けられている。従って、CPU51は、表示形式指定操作に基づいて、ユーザ所望の一の表示形式を特定し得る。指定表示形式設定処理(S32)を終了すると、CPU51は、S33に処理を移行する。
尚、次表示形式設定処理(S30)と同様に、本実施形態においては、指定表示形式設定処理(S32)で設定された表示形式は、再度、メール内容表示処理プログラムを実行した場合(即ち、表示終了操作が行われなかった場合)に有効となる。つまり、表示終了操作が行われなかった場合(S8:NO)、指定表示形式設定処理(S32)で設定された表示形式に基づく表示用データ75が生成され(S27)、当該表示用データ75が小型LCD55に表示される。
この点、指定表示形式設定処理(S32)において、設定変更された表示形式に基づく表示用データ75の生成及び当該表示用データ75に基づく表示を行うように構成することも可能である。
S33においては、CPU51は、表示形式登録操作が行われたか否かを判断する。このS33の判断処理は、S9の判断処理と同様の処理である。従って、詳細な説明は省略する。表示形式登録操作が行われた場合(S33:YES)、CPU51は、S34に処理を移行する。一方、表示形式登録操作が行われなかった場合(S33:NO)、CPU51は、メール内容表示処理プログラムを終了する。
S34に移行すると、CPU51は、表示形式登録処理を実行する。この表示形式登録処理(S34)は、上述した表示形式登録処理(S10)と同様の処理である。即ち、表示形式登録処理(S34)では、CPU51は、表示対象メールに係る電子メールの送信元情報に対して、表示対象メールに対する現在の表示形式(現在、小型LCD55に表示されている表示用データ75に係る表示形式)を、電話帳データ記憶エリア14Bに登録する。表示形式登録処理(S34)を終了すると、CPU51は、メール内容表示処理プログラムを終了する。
上述したように、本実施形態に係る多機能周辺装置1は、上記メイン制御プログラム(図9参照)、メール内容表示処理プログラム(図13参照)をROM12に格納している。従って、当該多機能周辺装置1も、上記メイン制御プログラム(図9参照)、メール内容表示処理プログラム(図13参照)を実行し得る。この点、多機能周辺装置1におけるメイン制御プログラム、メール内容表示処理プログラムの内容は、基本的に、子機50におけるメイン制御プログラム、メール内容表示処理プログラムと同様である。従って、多機能周辺装置1におけるメイン制御プログラム、メール内容表示処理プログラムの詳細に関する説明は省略する。
しかしながら、多機能周辺装置1と子機50は、その構成が相違するため、メイン制御プログラム、メール内容表示処理プログラムの内容も若干相違する。従って、この相違点について説明する。
上述したように、子機50では、電子メールデータ記憶エリア54A〜直前表示形式記憶エリア54Dを対象として処理を行ったが、多機能周辺装置1においては、電子メールデータ記憶エリア14A〜直前表示形式記憶エリア14Dを対象として処理を行う。対象が異なる点を除き、処理の内容(例えば、表示形式登録処理、直前表示形式格納処理の内容等)は同じである。
又、子機50では、多機能周辺装置1を介して、電子メールデータを取得し、電子メールデータ記憶エリア54Aに格納していたが、多機能周辺装置1は、インターネットNから直接電子メールデータを取得し、電子メールデータ記憶エリア14Aに格納する。尚、電子メールデータ記憶エリアの記憶内容は、記憶内容同期処理(S3)により、同一内容を保持している。
そして、子機50のその他処理(S16)では、子機50で実現可能な各種処理(例えば、通話機能に関する処理や、各種詳細設定処理)等を実行するが、多機能周辺装置1では、多機能周辺装置1で実現可能な各種処理(通話機能、ファクシミリ機能、コピー機能、電子メール受信機能等)を実行する。
子機50においては、表示対象メールの内容を小型LCD55に表示する構成であったが、多機能周辺装置1では、表示対象メールの内容をLCD18に表示する。ここで、多機能周辺装置1のLCD18に表示されるメール内容表示画面について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図18は、多機能周辺装置1におけるメール内容表示画面の一例を示す説明図である。
図18に示すように、LCD18に表示されるメール内容表示画面は、メール内容表示エリア18Aと、操作エリア18Bと、を有している。メール内容表示エリア18Aは、表示対象メールの内容が表示される表示エリアである。当該メール内容表示エリア18Aは、小型LCD55と同様に、全角10文字分の表示幅を有している。
そして、操作エリア18Bは、多機能周辺装置1におけるメイン制御プログラム、メール内容表示処理プログラムに係る各種操作が行われるエリアである。上述したように、LCD18前面には、タッチパネル23が配設されている。従って、ユーザは、当該操作エリア18B部分のタッチパネル23を用いて、多機能周辺装置1に対する操作を行い得る。つまり、子機50では、操作キー60を用いていたが、多機能周辺装置1では、操作エリア18B部分のタッチパネル23を用いる。
そして、操作エリア18Bは、表示形式変更操作部81、表示形式指定操作部82、表示形式登録操作部83、メール表示終了操作部84を備えている。表示形式変更操作部81は、表示形式変更操作を行う際に使用される。即ち、多機能周辺装置1において、CPU11は、表示形式変更操作部81に対する操作に基づく操作信号により、S29の判断を行う。
表示形式指定操作部82は、通常表示形式指定操作部82A、第1省略表示形式指定操作部82B、第2省略表示形式指定操作部82C、第3省略表示形式指定操作部82Dにより構成される。通常表示形式指定操作部82Aは、通常表示形式を指定する表示形式指定操作を行う際に操作される。つまり、通常表示形式指定操作部82Aは、通常表示形式と対応付けられている。そして、表示形式指定操作部82Bは、第1省略表示形式を指定する表示形式指定操作を行う際に操作される。つまり、表示形式指定操作部82Bは、第1省略表示形式と対応付けられている。又、第2省略表示形式指定操作部82Cは、第2省略表示形式を指定する表示形式指定操作を行う際に操作される。つまり、第2省略表示形式指定操作部82Cは、第2省略表示形式と対応付けられている。更に、第3省略表示形式指定操作部82Dは、第3省略表示形式を指定する表示形式指定操作を行う際に操作される。つまり、第3省略表示形式指定操作部82Dは、第3省略表示形式と対応付けられている。従って、通常表示形式指定操作部82A〜第3省略表示形式指定操作部82Dを操作することにより、ユーザは、子機50における数字キーに対する操作と同様に、所望の表示形式を直接指定することができる。そして、多機能周辺装置1において、CPU11は、表示形式指定操作部82に対する操作に基づく操作信号により、S31の判断を行う。
表示形式登録操作部83は、表示形式登録操作を行う際に使用される。即ち、多機能周辺装置1において、CPU11は、表示形式登録操作部83に対する操作に基づく操作信号により、S9及びS33の判断を行う。
メール表示終了操作部84は、表示終了操作を行う際に使用される。即ち、多機能周辺装置1において、CPU11は、メール表示終了操作部84に対する操作に基づく操作信号により、S8の判断を行う。
従って、多機能周辺装置1においても、上述した子機50と同様に、メイン制御プログラム(図9参照)、メール内容表示処理プログラム(図13参照)を実行することにより、電子メールデータ記憶エリア14Aに格納されている所望の表示対象メールの内容を、ユーザ所望の表示形式でLCD18に表示し得る(図18参照)。
以上、説明したように、本実施形態に係る多機能周辺装置1及び子機50は、通常表示形式、第1省略表示形式〜第3省略表示形式から選択された一の表示形式に基づいて、表示対象メールの内容を表示し得る(S7)。これにより、表示対象メールの内容を把握する際に、ユーザは、自らが読み易く、情報内容を把握しやすい表示形式を選択し得る。
尚、第1省略表示形式〜第3省略表示形式に基づいて表示対象メールの表示する場合であっても、文書データ70を構成する文字は省略されることはない(図5等参照)。つまり、第1省略表示形式〜第3省略表示形式に従った表示を行う場合であっても、当該多機能周辺装置1及び子機50は、表示対象メールの内容を確実に伝達し得る。
更に、電話帳データ記憶エリアに、表示対象メールに係る送信元情報に一の表示形式が対応付けられて登録されている場合(S22:YES、S24)、多機能周辺装置1及び子機50は、当該表示形式に従って、表示対象メールの内容を表示する(S26〜S28)。ここで、送信者が同一人物である場合、異なる表示対象メールであっても、表示対象メールに現れる表現上の癖は共通する可能性が高い。従って、多機能周辺装置1及び子機50は、新たに受信した表示対象メールの内容を表示する場合であっても、適切な表示形式が送信元情報に対応付けられていれば、ユーザが読み易い表示形式で表示対象メールの内容を表示し得る。
そして、多機能周辺装置1及び子機50は、表示対象メールの内容を表示している場合に、表示形式登録操作を行い得る。この表示形式登録操作を行うことで、ユーザは、自らが読み易い表示形式を、表示対象メールに係る送信元を示す送信元情報に対応付けて、電話帳データ記憶エリアに格納し得る(S34)。又、表示対象メールの表示を終了する場合においても、ユーザは、表示形式登録操作により、自らが読み易い表示形式を、表示対象メールに係る送信元を示す送信元情報に対応付けて、電話帳データ記憶エリアに格納し得る(S9)。これにより、多機能周辺装置1及び子機50は、送信元情報に対応する送信元から受信した表示対象メールを表示する際に、ユーザが読み易い表示形式に従った表示を行い得る。
又、多機能周辺装置1及び子機50は、表示対象メールが特定送信元(例えば、パーソナルコンピュータに係る送信元)から送信された場合(S6:YES)、メール内容表示処理(S7)を実行する。この場合、ユーザは、所望の表示形式を選択し得る。ここで、特定送信元からの電子メールは、ユーザにとって読みにくい表現である可能性が高い。従って、メール内容表示処理(S7)を実行することにより、多機能周辺装置1及び子機50は、ユーザにとって読み易い表示形式による表示対象メールの内容表示を行い得る。一方、特定送信元でない場合(例えば、携帯電話に係る送信元)、多機能周辺装置1及び子機50は、通常表示形式に従って表示対象メールの内容を表示する(S12〜S15)。この場合、ディスプレイの幅サイズ等に起因する読みにくさが生じにくいため、通常表示形式で表示しても特に読みにくくなることはない。従って、多機能周辺装置1及び子機50は、表示対象メールの内容表示に際し、特定送信元であるか否かに応じた制御(つまり、S7、S12〜S15)を行うことにより、表示形式の変更に係るユーザの操作負担を軽減し得る。
多機能周辺装置1及び子機50は、表示対象メールの内容が表示されている場合、表示形式変更操作が行われる毎に(S29:YES)、当該表示対象メールに係る表示形式を順次変更する(S30)。そして、表示対象メールの内容は、変更された表示形式に従って表示される(S27、S28)。即ち、多機能周辺装置1及び子機50によれば、ユーザは、表示形式変更操作を行うことで、当該表示対象メールに対する表示形式を変更することができ、当該設定変更に基づく表示態様を把握することができる。この結果、多機能周辺装置1及び子機50によれば、ユーザは、表示形式変更操作を繰り返すだけで、複数の表示形式から、自らが最も読み易い表示態様を実現する表示形式を特定し得る。
又、多機能周辺装置1及び子機50は、表示対象メールの内容表示を終了する際に、当該表示対象メールに対応付けられた表示形式と、当該表示対象メールに係る電子メールデータとを対応付けた直前表示形式データを、直前表示形式記憶エリアに格納する。そして、当該表示対象メールの内容を再度表示する場合、当該表示対象メールの内容は、直前表示形式データに係る表示形式に従って表示される(S23:YES、S25)。一般に、表示を終了する際には、ユーザが最も読み易い表示形式であることが多い。従って、多機能周辺装置1及び子機50は、ユーザが読み易いと感じる可能性の高い表示形式に基づく表示対象メールの内容を再度表示し得る。
そして、本実施形態においては、記憶内容同期処理(S3)により、電子メールデータ記憶エリア14A〜直前表示形式記憶エリア14Dの記憶内容と、電子メールデータ記憶エリア54A〜直前表示形式記憶エリア54Dの記憶内容は、同一となる。即ち、子機50側で表示形式等を登録した場合に、その登録内容は、多機能周辺装置1においても反映される。従って、多機能周辺装置1及び子機50の両者において、登録等の作業を行うという、不必要な作業負担をユーザに課すことはない。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
例えば、本発明を多機能周辺装置に適用した実施形態に基づいて、本発明を説明したが、この態様に限定されるものではない。即ち、本発明は、多機能周辺装置1や子機50のみに適用されるものではない。つまり、本発明は、携帯電話に対しても適用することができる。
更に、本実施形態に係る直前表示形式データは、それぞれ一の電子メールデータに対応するように構成していたが、この態様に限定するものではない。即ち、一の直前表示形式データが、電子メールデータ記憶エリアに格納された全ての電子メールデータに対して有効となるように構成してもよい。
又、本実施形態においては、通常表示形式、第1省略表示形式〜第3省略表示形式の4種類の表示形式としていたが、この態様に限定するものではない。即ち、多機能周辺装置1及び子機50で適用し得る表示形式は、上記4種類に限定されるものではなく、通常表示形式と、複数の省略表示形式を含んでいればよい。例えば、省略表示形式の種類を更に多種類とすることも可能である。更に、各省略表示形式の内容についても、上記3つの態様に限定するものではない。つまり、文書データの情報内容を変えない限り、様々な省略態様を採用し得る。