JP2009242911A - インジウムメタルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インジウム含有物を酸で溶解させた溶解液の遊離酸濃度を制御し、インジウム含有物中の金属不純物であるSnを除去することで、簡単な工程で且つ高い回収率で高純度のインジウムメタルを製造することができるインジウムメタルの製造方法の提供。
【解決手段】インジウム含有物を酸で溶解させる溶解工程を含むインジウムメタルの製造方法において、前記インジウム含有物が溶解した溶解液の遊離酸濃度が3.1g/L〜7g/Lであることを特徴とするインジウムメタルの製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品材料に好適な高純度のインジウムメタルを製造するインジウムメタルの製造方法に関する。
インジウム(In)は、III−V族化合物半導体として、InP、InAsなどの金属間化合物に利用されており、また、スズをドープした酸化インジウム(ITO)として、透明導電性薄膜の代表的な材料に利用されている。前記ITOは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチパネル、太陽電池、調光ガラスの透明電極、及び凍結防止膜など幅広く利用されている。
近年、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの普及に伴い、電極に用いられる透明導電膜の需要が急速に拡大しており、ITO原料であるインジウムの需要が非常に高まっている。特に、LCDの大型化や高精細化に伴い、前記透明導電膜に求められる要求特性も厳しくなっているためITOターゲット材にも高い特性が要求されている。高い特性のITOターゲット材を得るために、原料のインジウムとして高純度なものが求められている。
元来、インジウムには主たる鉱石がなく、工業的には亜鉛製錬、鉛製錬の副産物、例えば、ばい煙中に濃縮されたインジウムを回収することにより生産されている。したがって、インジウム回収の原料は、Zn(亜鉛)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、As(砒素)、Cd(カドミウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)などの金属不純物を多く含んでおり、またこれら金属成分以外にも微量に含まれる成分の種類が多い。
したがって、これら金属不純物を除去し、高純度のインジウムを回収するには複雑な工程が必要となり、一般に、前記インジウムの回収工程は、(A)pH調整により水酸化物として沈澱させる方法、(B)硫化剤の添加により硫化物として沈澱させる方法、(C)金属Al、Zn、Cd、Zn−Cd合金などの添加により置換析出させる方法、(D)溶媒抽出によってインジウムを回収する方法、(E)イオン交換法によるインジウムの回収方法などの化学精製と、電解製錬法との組み合わせにより行なわれていた。
前記一般的なインジウムの回収工程は、複雑な工程が必要となることから、簡単な工程で高純度のインジウムを回収する方法が求められていた。そこで、例えば、インジウム含有物を塩酸で溶解し(溶解工程)、前記溶解液にアルカリを加えてpHが0.5〜4になるように中和し、溶解液中の所定の金属イオンを水酸化物として析出させて除去し(水酸化物除去工程)、前記水酸化物除去工程後の液に硫化水素ガスを吹き込んで、電解に有害な金属イオンを硫化物として析出させて除去し、前記硫化による不純物除去工程後の液を電解元液としてインジウムメタルを電解採取する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、ITOターゲット屑などのインジウム含有物を解砕し、所定の粒径より大きい粗粒が所定の割合以下になるまで粉砕し、酸で溶解し(溶解工程)、前記溶解液にアルカリを加えてpHが0.5〜4になるように中和し、60〜70℃の温度で3時間以上熟成し、溶解液中の所定の金属イオンを水酸化物として析出させて除去し(水酸化物除去工程)、前記水酸化物除去工程後の液に硫化水素ガスを吹き込んで、電解に有害な金属イオンを硫化物として析出させて除去し、前記硫化による不純物除去工程後の液を電解元液としてインジウムメタルを電解採取する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された方法において、前記溶解工程では、Snを粗分離するに留まっていた。よって、前記水酸化物除去工程でSnイオンを水酸化物として析出させて除去しなければならず、インジウムの回収工程が煩雑となっていた。
また、前記水酸化物除去工程では、前記析出させたスズの水酸化物を除去するために、前記溶解液の固体と液体を分離する固液分離工程が必要となる。そのため、インジウムメタルの回収率が低下する要因となっていた。
よって、より簡単な工程で、より高い回収率で、高純度のインジウムメタルを製造するインジウムメタルの製造方法が求められているのが現状である。
特開2000−16991号公報 特開2006−206990号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、インジウム含有物を酸で溶解させた溶解液の遊離酸濃度を制御し、インジウム含有物中の金属不純物であるSnを除去することで、簡単な工程で且つ高い回収率で高純度のインジウムメタルを製造することができるインジウムメタルの製造方法を提供することを目的とする。
ここで、高純度のインジウムメタルとは、純度99.99%以上のインジウムメタルのことをいう。
前記課題を解決する手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> インジウム含有物を酸で溶解させる溶解工程を含むインジウムメタルの製造方法において、前記インジウム含有物が溶解した溶解液の遊離酸濃度が3.1g/L〜7g/Lであることを特徴とするインジウムメタルの製造方法である。
<2> インジウム含有物が溶解した溶解液の遊離酸濃度が5g/L〜6g/Lである前記<1>に記載のインジウムメタルの製造方法である。
<3> インジウム含有物が、少なくともスズを含む前記<1>から<2>に記載のインジウムメタルの製造方法である。
<4> インジウム含有物が、ITOターゲットを含む前記<1>から<3>に記載のインジウムメタルの製造方法である。
本発明の方法によれば、前記従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、インジウム含有物を酸で溶解させた溶解液の遊離酸濃度を制御し、インジウム含有物中の金属不純物であるSnを除去することで、簡単な工程で且つ高い回収率で高純度のインジウムメタルを製造することができるインジウムメタルの製造方法を提供することができる。
(インジウムメタルの製造方法)
本発明のインジウムメタルの製造方法は、溶解工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
−溶解工程−
前記溶解工程は、インジウム含有物を酸で溶解させる工程である。具体的には、前記インジウム含有物を酸で溶解させた溶解液の遊離酸濃度が3.1g/L〜7g/Lとなるように制御し、前記溶解液中にインジウムを溶解させ、且つ、本発明において金属不純物であるSnのほとんどをメタスズ酸、水酸化スズなどの化合物として析出させる工程である。
前記インジウム含有物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スズを含むインジウム含有物、ITOターゲット含有物などが挙げられる。
前記インジウム含有物を塩酸で溶解させた溶解液のインジウムの濃度としては、20g/L〜200g/Lであれば、特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。
前記酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸が挙げられる。中でも、塩酸が、溶解反応を制御しやすい点で、好ましい。
また、例えば、前記酸として塩酸を使用した場合、前記インジウム含有物を溶解させるのに使用する塩酸の量としては、理論値の1.1倍当量〜1.5倍当量であれば特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。
前記遊離酸濃度とは、前記インジウム含有物と前記酸との反応後、前記インジウム含有物を酸で溶解させた溶解液中に未反応分として残っている酸濃度のことをいう。
前記遊離酸濃度としては、3.1g/L〜7g/Lであれば、特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、5g/L〜6g/Lが好ましい。前記遊離酸濃度が3g/L以下であると、前記溶解液中のインジウムが水酸化物として析出してインジウム回収率が下がり、7g/Lを超えると、前記溶解液中のSn濃度が70mg/Lより大きくなる。一方、前記遊離酸の濃度が5g/L〜6g/Lであると、高純度のインジウムを高回収率で得られる点で有利となる。
前記溶解工程では、インジウム含有物の溶解を促進するために溶解液を加熱するのが好ましい。
−その他の工程−
前記その他の工程としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、解砕工程、粉砕工程、pH調整工程、不純物除去工程、電解工程、鋳造工程、及び電解採取後液処理工程などが挙げられる。
−−解砕工程−−
前記解砕工程は、原料となるインジウム含有物を解砕機で溶解に適当なサイズに解砕する工程である。
−−粉砕工程−−
前記粉砕工程は、前記解砕工程後のインジウム含有物を粉砕機によって粉砕する工程である。粉砕の程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粉砕工程により得られる粉体中における150μmより大きい粒子の割合が、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、実質的に0%であることが特に好ましい。
前記粉体中の150μmより大きい粒子の割合が10%より大きいと、前記溶解工程におけるインジウム含有物と塩酸との接触が低下し、インジウムの浸出に時間を要することがある。一方、前記粉体中の150μmより大きい粒子の割合が実質的に0%であると、前記溶解工程におけるインジウム含有物と塩酸との接触を良好にし、短時間でインジウムの浸出率を向上させることができる点で有利である。
−−pH調整工程−−
前記pH調整工程は、前記インジウム含有物が溶解した溶解液にアルカリを加えてpHを調整する工程である。具体的には、前記溶解液にアルカリを加えて、後述する不純物除去工程が適正に行われるようにpHを調整する工程である。本発明においては、前記溶解工程にてSnが除去されているため、アルカリを加えてもSn化合物の沈澱が見られず、本工程後に固液分離を行う必要がない。
前記pHの範囲としては、0.5〜4であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.7〜2の範囲が好ましい。
前記アルカリとしては、前記溶解液のpHを0.5〜4の範囲に調整できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−不純物除去工程−−
前記不純物除去工程は、前記pH調整された溶解液に硫化水素ガスを吹き込むことにより析出された硫化物を除去する工程である。具体的には、前記pH調整された溶解液に硫化水素ガスを吹き込み、後述する電解工程で有害となる物質を硫化物として析出させて除去する工程である。
前記硫化水素を吹き込む条件としては、後述する電解工程で有害な物質(不純物)を硫化物として析出させることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記pH調整された溶解液に、硫化水素ガスが、50cc/分の割合で2分間吹き込まれる。
前記電解工程で有害となる物質としては、例えば、Cu、Pbなどが挙げられる。なお、上記物質を除去する目的を果たせば、異なる方法を採用してもよい。
−−電解工程−−
前記電解工程は、前記硫化物が除去された硫化後液を電解元液としてインジウムメタルを電解採取する工程である。具体的には、前記電解元液を所定の電解条件で電解採取によりインジウムメタルを回収する工程である。
前記電解条件としては、インジウムメタルを回収することができる条件であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記電解元液の液温が27℃とされ、電流密度が200A/mとされる。
−−鋳造工程−−
前記鋳造工程は、前記電解工程で回収したインジウムメタルの不純物を除去する工程である。具体的には、前記電解工程で回収したインジウムメタルを固形苛性ソーダと共に加熱して混合・溶解し、アルカリ金属を溶融苛性ソーダ中に溶解除去した後、比重分離してメタル分を鋳型に鋳込み、冷却し、高純度のインジウムを鋳造する工程である。前記鋳造工程により、前記電解工程で回収したインジウムメタル中に不純物として含まれている、電解液の成分であるナトリウムなどのアルカリ金属を除去することができる。
−−電解採取後液処理工程−−
前記電解採取後液処理工程は、前記電解工程後の液体を繰り返し前記溶解工程に塩酸と混合して再利用するために、電解工程後の液体の一部あるいは全量を系外に抜き出す工程である。前記電解採取後液処理工程により、アルミニウム、鉄などの、インジウムより卑な金属イオンが電解採取後液に蓄積するのを防止することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
解砕したITOターゲット屑700gを濃度6mol/Lの塩酸水溶液2Lに溶解して、2.3リットルのインジウム溶解液を得た。24時間放置した後、放置後の前記インジウム溶解液の遊離酸濃度を測定したところ、4g/Lであった。前記インジウム溶解液中のインジウムの濃度は208g/Lであり、スズの濃度は0mg/Lであった。前記溶解液中の固体成分をろ過により除去した。ろ過後のインジウムの回収率は、98.6%であった。ろ過後のインジウム溶解液にアルカリとして、水酸化ナトリウムを加えてpHを1.8とした。前記pH調整されたインジウム溶解液に硫化水素ガスを50cc/分の割合で5分間吹き込み、析出した硫化物をろ過して除去し、硫化後液を得た。前記硫化後液を電解採取の元液として、液温27℃、電流密度200A/mの電解条件でインジウムメタルを電解採取した。前記電解採取したインジウムメタルに含まれるスズの量は、0.1ppmより小であった。前記電解採取したインジウムメタルを固形苛性ソーダと共に加熱して混合・溶解し、比重分離してメタル分を鋳型に流し込み、冷却し、鋳造インジウムを回収した。前記鋳造インジウムの純度は、99.999%以上であり、高純度のインジウムメタルを得ることができた。
インジウム溶解液中の遊離酸濃度の測定方法は、炭酸ナトリウムによる中和滴定法により算出する方法である。
インジウム溶解液中のインジウム濃度の測定方法は、採取した溶解液をICP法で測定する方法である。
インジウム溶解液中のスズ濃度の測定方法は、採取した溶解液をICP法で測定する方法である。
インジウムメタルに含まれるスズの量の測定方法は、採取したインジウムメタルを酸で溶解し、その溶解液中のスズ濃度をICP‐Mass法により測定して算出する方法である。
鋳造インジウムの純度の測定方法は、採取したインジウムメタルを酸で溶解し、その溶解液中の各不純物濃度をICP‐Mass法などにより測定し、差数法により算出する方法である。
(実施例2)
24時間放置後のインジウム溶解液の遊離酸濃度が5g/Lとなるように、ITOターゲット屑を塩酸水溶液に溶解してインジウム溶解液を得たこと以外は、実施例1と同様に行った。24時間放置後の前記インジウム溶解液のインジウムの濃度は216g/Lであり、スズの濃度は0mg/Lであった。前記ろ過後のインジウムの回収率は99.4%であった。前記電解採取したインジウムメタルに含まれるスズの量は、0.1ppmより小であった。前記鋳造インジウムの純度は、99.999%以上であり、高純度のインジウムメタルを得ることができた。
(実施例3)
24時間放置後のインジウム溶解液の遊離酸濃度が6g/Lとなるように、ITOターゲット屑を塩酸水溶液に溶解してインジウム溶解液を得たこと以外は、実施例1と同様に行った。24時間放置後の前記インジウム溶解液のインジウムの濃度は230g/Lであり、スズの濃度は34mg/Lであった。前記ろ過後のインジウムの回収率は99.1%であった。前記電解採取したインジウムメタルに含まれるスズの量は、0.1ppmより小であった。前記鋳造インジウムの純度は、99.999%以上であり、高純度のインジウムメタルを得ることができた。
(実施例4)
24時間放置後のインジウム溶解液の遊離酸濃度が7g/Lとなるように、ITOターゲット屑を塩酸水溶液に溶解してインジウム溶解液を得たこと以外は、実施例1と同様に行った。24時間放置後の前記インジウム溶解液のインジウムの濃度は206g/Lであり、スズの濃度は67mg/Lであった。前記ろ過後のインジウムの回収率は99.3%であった。前記電解採取したインジウムメタルに含まれるスズの量は、0.1ppmより小であった。前記鋳造インジウムの純度は、99.999%以上であり、高純度のインジウムメタルを得ることができた。
(比較例1)
24時間放置後のインジウム溶解液の遊離酸濃度が3g/Lとなるように、ITOターゲット屑を塩酸水溶液に溶解してインジウム溶解液を得たこと以外は、実施例1と同様に行った。24時間放置後の前記インジウム溶解液のインジウムの濃度は189g/Lであり、スズの濃度は0mg/Lであった。前記ろ過後のインジウムの回収率は93.3%であった。実施例1〜4と比べてインジウム溶解液中のインジウム濃度が低下し、ろ過後のインジウムの回収率が低下していた。
比較例1で前記ろ過後のインジウムの回収率が、実施例1〜4と比べて低下していたのは、前記溶解液中にインジウム成分が固体成分として析出してしまったためと考えられる。
(比較例2)
24時間放置後のインジウム溶解液の遊離酸濃度が9g/Lとなるように、ITOターゲット屑を塩酸水溶液に溶解してインジウム溶解液を得たこと以外は、実施例1と同様に行った。24時間放置後の前記インジウム溶解液のインジウムの濃度は204g/Lであり、スズの濃度は199mg/Lであった。前記電解採取したインジウムメタルに含まれるスズの量は、0.8ppmであった。実施例1〜4と比べて電解採取したインジウムメタルに含まれるスズの量が増加していた。
インジウム含有物を塩酸で溶解させた溶解液の遊離酸濃度と、前記遊離酸濃度における前記溶解液中のSn濃度との関係を図1に示す。
この実験より、インジウム含有物を塩酸で溶解させた溶解液の遊離酸濃度を7g/Lより大きくすると、前記溶解液中に存在するスズの濃度が70mg/Lより大きくなることがわかった。
比較例2で電解採取したインジウムメタルに含まれるスズの量が、実施例1〜4と比べて増加していたのは、前記溶解工程でのスズの除去が十分に行われなかったためと考えられる。
(比較例3)
解砕したITOターゲット屑700gを塩酸6mol/Lの塩酸水溶液2Lに溶解して、2.3リットルのインジウム溶解液を得た。前記溶解工程の固体成分をろ過により除去した後、前記インジウム溶解液に炭酸ソーダを加えてpHが1.7になるまで中和した。前記中和により析出した水酸化物をろ過して除去し、中和後液を得た。前記中和後液のインジウムの濃度は181g/Lであり、インジウムの回収率は、93.9%であった。不純物除去工程前におけるインジウムの回収率は、実施例1〜4と比べて5%程度低下していた。
図1は、インジウム含有物を塩酸で溶解させた溶解液の遊離酸濃度と、前記遊離酸濃度における前記溶解液中のSn濃度との関係を示した図である。

Claims (4)

  1. インジウム含有物を酸で溶解させる溶解工程を含むインジウムメタルの製造方法において、前記インジウム含有物が溶解した溶解液の遊離酸濃度が3.1g/L〜7g/Lであることを特徴とするインジウムメタルの製造方法。
  2. インジウム含有物が溶解した溶解液の遊離酸濃度が5g/L〜6g/Lである請求項1に記載のインジウムメタルの製造方法。
  3. インジウム含有物が、少なくともスズを含む請求項1から2に記載のインジウムメタルの製造方法。
  4. インジウム含有物が、ITOターゲットを含む請求項1から3に記載のインジウムメタルの製造方法。
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